JP3058975U - インサイドカッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】埋設された配管に対して、常に設定された所定
位置でフラット状態の切断端となるように切断加工で
き、また、熟練を要することなく短時間内で容易に切断
作業できるインサイドカッターを提供することである。 【解決手段】インサイドカッター１は、回転駆動装置の
駆動軸に一端部が固設されるシャンク２の他端部４に円
板形カッター６が設けられ、このシャンク２には、切断
加工する管体の内面に沿う筒状の内面ガイド８が回転可
能に装着され、前記円板形カッター６は、この内面ガイ
ド８の外周面より刃先部８ａが突出するように取付けら
れると共に、この内面ガイド８の外周面８ａに対して垂
直な面を構成する上面ガイド１２がこの内面ガイド８に
設けられてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、管体を内面から切断するためのインサイドカッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

建物等に必要とされる排水管や電線用管など管体は、建設作業の初期段階に基 礎や建物構成物中にその一部が露出した状態で埋設状態で設けられるのが一般的 である。このような管体に関連して便器等の設備が設置されるのは、建設作業の 最終段階である。従って、この管体の不必要な部分は、設備に合わせて切断除去 する必要がある。

【０００３】 この管体の切断するための器具として、従来、ディスクグラインダー等の回転 駆動装置の駆動軸にシャンクを介して円板形カッターが設けられたインサイドカ ッターが使用されてきた。このインサイドカッターによれば、管体を内面から切 断加工するので、特に、前記した管体の埋設部分に対しても切断加工できる利点 がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のインサイドカッターによる切断加工では、円板形カッ ターによる管体の切断位置が常に一定に維持するのが困難であり、このため、管 体の切断端がフラットにならず、場合によっては波形状となってしまうこともあ る。これでは管体とこれに接続すべき各種の設備との連継に支障をきたし、作業 に熟練を要しまた作業時間が長くなる欠点もある。

【０００５】 そこで、本考案は、上記した従来装置における欠点を解消し、埋設された管体 に対して、常に設定した所定位置でフラットな状態の切断端となるように切断加 工でき、また、熟練を要することなく、短時間内で容易に作業できるインサイド カッターの提供を目的とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、本考案に係るインサイドカッターは、回転駆 動装置の駆動軸に一端部が固設されるシャンクの他端部に円板形カッターが設け られ、このシャンクには、切断加工する管体の内面に沿う筒状の内面ガイドが回 転可能に装着され、前記円板形カッターは、この内面ガイドの外周面より刃先部 が突出するように取付けられると共に、この内面ガイドの外周面に対して垂直な 面を構成する上面ガイドがこの内面ガイドに設けられてなることを特徴とする。

【０００７】 この本考案の構成において、シャンクは回転駆動装置の駆動軸に一端部が固定 されるから、シャンクの一端部は、この固定に応ずる内ネジ部や面取り部を端部 を備えていることが好ましい。また、シャンクの他端部には、例えば、固定座等 を介して円板形カッターを固定するのに適した支持軸部を備えていることが好ま しい。

【０００８】 円板形カッターは、従来装置と同様に、その円板中心の位置で上記した支持軸 部に固設される。円板形カッターは、回転駆動装置の駆動軸の回転駆動によりシ ャンクを介してその円板中心回りに回転される。円板形カッターについては、刃 先が鋼製のもののほか、超硬合金刃や電着ダイヤ刃のものとすることができる。 また、また、回転駆動装置としては、ディスクグラインダー等を挙げることがで きる。

【０００９】 内面ガイドは、シャンクの側面部位置に回転自在に設けられる。従って、シャ ンクの回転状態は内面ガイドには及ばない。この内面ガイドの回転自在構成は、 例えば、シャンクとの間にベアリングを設けた構成によることができる。また、 内面ガイドの筒状は、円筒形状のほか、横断面形が楕円形状等のアール状の外周 面で形成されているものを含むが、作業の安定の点から、円筒形状であることが 好ましい。

【００１０】 また、内面ガイドの外周面に対して、円板形カッターの刃先部が突出する状態 にある。従って、管体の切断作業時に、内面ガイドの外周面を管体の内周面に接 面状態とすることができる。この内面ガイドの接面状態を維持することによって 、円板形カッターが管体の内周面に対して常に垂直な状態で切断作業できる。

【００１１】 また、上面ガイドは、内面ガイドに設けられる。従って、シャンクの回転状態 は上面ガイドにも及ばない。上面ガイドの平面形状については、特に限定されな いが、作業上の点から、円形状であることが好ましい。また、上面ガイドは、前 記した内面ガイドの外周面に対して垂直な面を構成するように設けられる。これ により、切断作業時において、内面ガイドが管体の内面と接面する状態で、管体 の端面から切断位置までの距離を一定に保つことができる。

【００１２】 また、本考案では、上面ガイドが、内面ガイドの外周面に沿って移設可能に構 成することができる。例えば、上面ガイドが内面ガイドの外周面に沿って移動が 可能なように設け、この上面ガイドを内面ガイドに固定ボルトによって位置調整 が可能なように固定する構成である。これにより、管体に対する切断位置の調整 が可能となる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態を説明する。実施の形態に係るインサイドカッター １は、図１〜３に示すように、ディスクグラインダーの駆動軸に一端部３が固設 されるべきシャンク２の他端部４に円板形カッター６が設けられ、このシャンク ２には、切断加工する管体の内面に沿う円筒状の内面ガイド８が回転可能に装着 され、円板形カッター６は、この内面ガイド８の外周面８ａより刃先部６ａが突 出するように取付けられると共に、この内面ガイド８の外周面８ａに対して垂直 な面を構成する上面ガイド１２がこの内面ガイド８に設けられてなる。

【００１４】 シャンク２の一端部３には、その頂端面に内ネジ３ａが設けられ、またその側 面部には相対向する位置に面取り３ｂ、３ｂが形成されている。内ネジ３ａ及び ３ｂには、図４に示すように、ディスクグラインダー１５の駆動軸１６が嵌め合 わされた状態で固定される。また、シャンク２の他至端部４には、固定座５を介 して円板形カッター６がナット７によって固定されている。

【００１５】 また、内面ガイド８は、円筒形状を呈しており、挿入した状態でシャンク２の 側周面部に配されている。９は、内面ガイド８のの外側周面部に端部方向に沿っ て形成された長溝である。また、内面ガイド８は、その両端の内面部にそれぞれ 設けられたボールベアリング１０…を介してシャンク２に対して回転自在である 。また、内面ガイド８は、シャンク２に設けられたＣ形止め輪１１によって、シ ャンク２の軸方向への移動が阻止されている。

【００１６】 また、内面ガイド８の外周面８ａに対して円板形カッター６の刃先部６ａが突 出されている。従って、内面ガイド８の外周面が管体の内面に接面した状態で、 その配管に対する切断加工が可能である。

【００１７】 また、上面ガイド１２は、中央穴１２ａを有する円板状を呈しており、中央穴 １２ａに内面ガイド８を挿入した状態で設けられている。また、上面ガイド１２ の側面部には、座グリ１３が形成され、この座グリ１３内にボルト１４がねじ込 まれている。ボルト１４の至端は、長溝９内にまで及んだ状態で上面ガイド１２ を内面ガイド８に固定できる。従って、上面ガイド１２を設定した内面ガイド８ の位置にボルト１４により固設でき、これによって、円板形カッター６と上面ガ イド１２との間の距離を自在に調整することができる。

【００１８】 次に、管体１７が床材２１からコンクリート材２２中にまで及ぶ状態で埋設さ れている建築物の建設現場において、上記したインサイドカッター１による切断 加工時の状態を図４及び図５に示した。予め、上面ガイド１２と円板形カッター ６との間の距離に合わせて上面ガイド１２を設定位置で固設しておく。

【００１９】 先ず、このインサイドカッター１の内面ガイド８部分を管体１７内に挿入状と し、上面ガイド１２の下面を管体１７の上端面１９にフラットな接面状態とする 。次いで、この状態を維持して、円板形カッター６の刃先６ａにより管体１７に 対する切断を開始し、内面ガイド８の外周面部８ａを内周面１８に接面状態とす る。その後は、上記した内面ガイド８及び上面ガイド１２の接面状態を維持して 管体１７の内周面１８に沿ってインサイドカッター１を周回移動させることによ って管体１７部分を切断できる。

【００２０】 このように切断された管体１７の切断部２０は、円板形カッター６の位置が内 面ガイド８及び上面ガイド１２により常に水平にかつ等距離に維持されるから、 その切断端は全体としてフラットに仕上げられる。また、切断作業は、円板形カ ッター６を切断位置に押し当てるだけで済むから、極めて簡単であり、熟練を要 しない。

【００２１】 また、図４及び図５に示すように、特に、円板形カッター６の刃先６ａが電着 ダイヤを備えたものとすることによって、管体１７の埋設部１７ｂがコンクリー ト材２２にまで円板形カッター６が及ぶ場合でも、切断作業を行なうことができ る。

【００２２】 また、前記したように、上面ガイド１２と円形状カッター６との間の距離は、 自在に設定できるから、図６に示すように、管体１７の露出部１７ａに対しても 、上記同様に切断加工することが可能である。

【００２３】

【考案の効果】

上述したように本考案は構成されるから、次のような効果を奏する。先ず、回 転されるシャンクに対して回転自在な内面ガイドとこれに垂直な面を構成する上 面ガイドを設けたことから、埋設された管体をフラットに熟練を要することなく 容易かつ短時間内に切断加工できる。

【００２４】 また、内面ガイドに対して上面ガイドを移設可能とすることにより、円板形カ ッターと上面ガイドとの間の距離を自在に調整できるから、端面からの切断位置 の寸法をある程度の範囲で任意に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るインサイドカッターの縦断面正面
図である。

【図２】同の右側面図である。

【図３】同の平面図である。

【図４】同の使用状態を説明する縦断面図である。

【図５】同の使用状態を説明する横断面図である。

【図６】同の使用状態を説明する縦断面図である。

【符号の説明】

１ インサイドカッター ２ シャンク ３ 一端部 ４ 他端部 ６ 円板形カッター ８ 内面ガイド ８ａ 外周面 １２ 上面ガイド １４ ボルト １７ 管体 １８ 内周面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動装置の駆動軸に一端部が固設され
   るシャンクの他端部に円板形カッターが設けられ、この
   シャンクには、切断加工する管体の内面に沿う筒状の内
   面ガイドが回転可能に装着され、前記円板形カッター
   は、この内面ガイドの外周面より刃先部が突出するよう
   に取付けられると共に、この内面ガイドの外周面に対し
   て垂直な面を構成する上面ガイドがこの内面ガイドに設
   けられてなることを特徴とするインサイドカッター。
2. 【請求項２】上面ガイドが、内面ガイドの外周面に沿っ
   て移設可能であることを特徴とする請求項１に記載のイ
   ンサイドカッター。