JP3058894U - 先割れスプ―ン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量が軽く、握った時の不快感がなく安定性
があり、食器から食べ物を刺したり掬いやすく、口への
取り込みが容易で口に満足できる量が入れられ、障害の
症状に応じて選択でき、消毒管理のしやすい先割れスプ
ーンを提供する。 【構成】 ステンレス材からなる先割れスプーン１の掬
い部２は平面形状が略円形で先端に櫛歯状の突刺し部４
が設けられ、掬い部２の最深点Ｐは中央より先端側にあ
る。櫛歯状の突刺し部４は仰角Ｘが約４５度に形成す
る。握り柄部３は、端部５へむけてゆるやかな起伏を持
ちつつ太くなっており、端部５は丸みをおびて平面側に
ふくらみ６を有する形状で、肉厚０．８ｍｍのステンレ
ス材で形成され内部は空洞構造とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、先割れスプーンに関し、一般家庭でも用いられ特に障害者や握力等 の筋力が低下した高齢者が使いやすい先割れスプーンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

先割れスプーンは、スプーンの掬う機能とフォークの突刺す機能を併せ持つ食 器として、運搬や洗浄の手間を省くために学校給食用で用いられたり、家庭では 幼児用やメロンや西瓜の種を取り除きながら食べるときに小型のものが使用され ている。

【０００３】 近年、障害者や高齢者が使いやすい食器が開発されているが、障害の程度は様 々でありその程度に応じた食器が使用されることが望ましく、軽度の障害の場合 には自立の意味を含め、スプーンとフォークを使い分けるわずらわしさのない先 割れスプーンからはじめて扱いに慣れてからスプーンとフォークを使うようにす ることが好ましく、加えて、毎日の食事が日課から心と体が癒される時間となる ような扱い易い食器が使用されることが望ましい。

【０００４】 しかし、前記の学校給食用の先割れスプーンを障害者や筋力の低下した高齢者 が使用する場合には、スプーン自体に重量があり、握り柄が細く持ちにくいもの であり、握った時冷たく不快である。また、スプーンの掬い部が大きすぎて口に 入れづらく、健常者には十分な量であっても、障害者や筋力の低下した高齢者に は量が多すぎて一度に飲み込めずに残りをこぼしてしまう原因ともなっている。 さらに、通常の先割れスプーンは、一般のスプーンの掬い部の先端部に突刺し部 を設けたものなので、スプーンの掬い部を水平にした時の先端部の仰角が約３０ 度と鋭角なため、突き刺した食物が口に運ばれる間に落ち易かった。

【０００５】 また、前記の家庭用の先割れスプーンを用いても、重量の点と口への入れやす さの点は満たされるが、持ちにくさと突き刺した食物の落ち易さは問題として残 り、特に、掬い部が小型のため口に入る量が少なく使用者が飲み込むときの満足 感が得られないという欠点があった。

【０００６】 これらの点を改善するものとして、握り柄を合成樹脂製で太く形成し、端部に スプーンヘッドやフォークヘッドを取り付けたものが開発されているが、握り易 さを目的としたものでヘッド部の口への取りこみやすさや使用者が満足できる量 を摂取できるかという点は改善されていない。また、障害者や高齢者が収容され る病院や高齢者ホームでは院内感染の問題から煮沸消毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅 菌等の消毒管理のしやすいものが求められており、満足できるもにではない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものでその目的とするところは、重 量が軽く、握った時の不快感がなく安定性があり、食器から食べ物を刺したり掬 いやすく、口に満足できる量が入れられ、障害の症状に応じて選択でき、消毒管 理しやすい先割れスプーンを提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における請求項１記載の先割れスプーンは 掬い部の横幅が３０ｍｍ乃至４０ｍｍ、縦幅が４０ｍｍ乃至４５ｍｍ、深さが５ ｍｍ乃至８ｍｍで平面形状が略円形に形成され、前記掬い部の最深点を先端側よ りに設けるとともに、先端を４０度乃至５０度の仰角に形成したものである。

【０００９】 前記構成により、食器から食べ物を刺したり掬いやすく、突き刺した食物が口 に運ばれる間に落ちることが防げ、掬い部が浅く小さめであるので口に入れやす く、口に満足できる量が取り入れられ、使用者が飲み込むときの満足感が得られ る。

【００１０】 請求項２記載の先割れスプーンは請求項１の考案に加え、端部にむけてゆるや かに起伏を持ちつつ太くし、端部にふくらみを有する金属製の握り柄部の内部を 薄肉の空洞構造としたものである。

【００１１】 前記構成により、スプーン自体の重量が軽くでき、握った時にぬくもり感が感 じられ、端部にむけてゆるやかに起伏を持ちつつ太くなっているので様々な持ち 方でも握り易く、端部のふくらみがあるので落としにくくできる。

【００１２】 請求項３記載の先割れスプーンは請求項１または請求項２の考案に加え、前記 掬い部を右または左に屈曲して前記握り柄部に設けたものである。

【０００１３】 前記構成により、障害の症状に応じて先割れスプーンを選択できる。 また、本考案の先割れスプーンは、金属で構成されるものであるから、煮沸消 毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌等の消毒管理がしやすいものである。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の第１実施例について図１〜図３に基づき説明する。１はステン レス材からなる先割れスプーンで掬い部２と握り柄部３とから構成される。掬い 部２は横幅Ｗが約３４ｍｍ，縦幅Ｔが約４２ｍｍ，深さＤが約６．５ｍｍで平面 形状が略円形で先端に櫛歯状の突刺し部４が設けられ、掬い部２の容量は約５ｍ ｌとなっている。また、掬い部２の最深点Ｐは中央より先端側にあり、掬われた 食品が掬い部２の先端側に集まるようになっている。櫛歯状の突刺し部４は仰角 Ｘが約４５度に形成されており、食品を掬ったり突き刺しやすく、突き刺した食 品Ｓを保持できるようになっている。

【００１５】 掬い部２に連続する握り柄部３は、端部５へむけてゆるやかな起伏を持ちつつ 太くなっており、端部５は丸みをおびて平面側にふくらみ６を有する形状で、肉 厚０．８ｍｍのステンレス材で形成され内部は空洞構造となっている。

【００１６】 前記構成につきその作用を説明する。 先割れスプーン１の握り柄部３を障害者や高齢者である使用者が握り、皿等の 食器の食品Ｓを掬い部２で掬ったり、掬い部２の先端に設けられる櫛歯状の突刺 し部４を突き刺したりして、口まで運び、口の中に取り込む。使用後は洗浄し煮 沸消毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌等の殺菌消毒を行う。このとき、使用者が握り 柄部３を握っても握り柄部３が端部５へむけてゆるやかな起伏を持ちつつ太くな っており、端部５は丸みをおびて平面側にふくらみ６を有する形状で、肉厚０． ８ｍｍのステンレス材で形成され内部は空洞構造となっているので、つめたさを 感じずぬくもり感があり、重さを感じずに軽く持て、太目の握り柄部３のゆるや かな起伏に手がフィットして握り易く、端部５のふくらみ６が滑り止めとなる。 また、櫛歯状の突刺し部４は仰角が約４５度に形成されているから、食品Ｓを掬 ったり突き刺しやすく、突き刺した食品Ｓを保持したまま口まで運べる。また、 掬い部２は横幅が約３４ｍｍ，縦幅が約４２ｍｍ，深さ約６．５ｍｍで平面形状 が略円形で容量は約５ｍｌとなっているので、高齢や障害で口全体の筋力の低下 した使用者でも口へ掬い部２を取りこみやすく、食品Ｓが掬い部２の先端側に集 まるので飲み込む力が低下した人でも十分満足できる量が摂取できる。また、先 割れスプーン１をステンレス材で形成してあるので、洗浄後の煮沸消毒、高圧蒸 気滅菌、ガス滅菌等の殺菌消毒に十分対応できる。

【００１７】 したがって、障害者や筋力の低下した高齢者が使用した場合、握った時に先割 れスプーン１が軽く、握り柄部３が太いので安定感があり、しかも、冷たいとい う不快感がなくなりぬくもり感がある。また、掬い部２が一般のスプーンより小 型であるが十分な容量を確保し、食品Ｓが掬い部２の先端側に集まるので、口に 入れやすく満足できる量を取り込むことができる。また、握り柄部３を肉薄の空 洞構造とし掬い部２を小型で浅く形成したものであるから先割れスプーン１が軽 量でなおかつバランスも良い。しかも、掬い部２の先端に櫛歯状の突刺し部４が 仰角４５度に設けてあるので、食品Ｓを突刺しやすく、口へ運ぶ途中も落とす心 配がなくなり、毎日の食事が日課から心と体が癒される時間となる。また、先割 れスプーン１がステンレス材で形成されているので、障害者や高齢者が収容され る病院や高齢者ホームでは煮沸消毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌等の消毒管理のし やすく院内感染の問題に対応できる。

【００１８】 次に、本考案の第２実施例について図４に基づき説明する。尚、第１実施例と 同一部分は同一符号をもってその説明を省略する。第２実施例の先割れスプーン は、掬い部２を約３０度右または左に屈曲させて握り柄部３に設けたものである 。 したがって、第１実施例の効果に加え、手首の運動障害がある人にとっても握 った時に先割れスプーン１が軽く、握り柄部３が太いので安定感があり、しかも 、冷たいという不快感がなくなりぬくもり感がある。また、掬い部２が右または 左に屈曲しているので、口に入れやすく満足できる量を取り込むことができる。 しかも、掬い部２の先端に櫛歯状の突刺し部４が仰角４５度に設けてあるので、 食品Ｓを突刺しやすく、口へ運ぶ途中も落とす心配がなくなり、毎日の食事を楽 しみながら自立訓練を行うことができる。

【００１９】 以上、本考案の実施例について説明したが、前記実施例に限定されるものでは なく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施 例では素材をステンレスとしたが、煮沸消毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌等の消毒 に対応できるものであれば構わない。

【００２０】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、金属製のスプーンの掬い部の先端を櫛歯状に形成し た先割れスプーンにおいて、この掬い部の横幅が３０ｍｍ乃至４０ｍｍ、縦幅が ４０ｍｍ乃至４５ｍｍ、深さが５ｍｍ乃至８ｍｍで平面形状が略円形に形成され 、前記掬い部の最深点を前記先端側よりに設けるとともに、前記先端を４０度乃 至５０度の仰角に形成したものであるから、食器から食べ物を刺したり掬いやす く、突き刺した食物が口に運ばれる間に落ちることが防げ、掬い部が浅く小さめ であるので口に入れやすく、食物が掬い部の先端側に集まるので口に満足できる 量が入れられ、使用者が飲み込むときの満足感が得られ、煮沸消毒、高圧蒸気滅 菌、ガス滅菌等の消毒管理がしやすいものである。

【００２１】 請求項２の考案によれば、前記請求項１の先割れスプーンにおいて、端部にむ けてゆるやかに起伏を持ちつつ太くし、端部にふくらみを有する金属製の握り柄 部の内部を薄肉の空洞構造としたものであるので、スプーン自体の重量が軽くで き、握った時にぬくもり感が感じられ、端部にむけてゆるやかに起伏を持ちつつ 太くなっているので様々な持ち方でも握り易く、端部のふくらみがあるので落と しにくくでき、煮沸消毒、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌等の消毒管理がしやすいもの である。

【００２２】 請求項３の考案によれば、請求項１または請求項２の先割れスプーンにおいて 、掬い部を右または左に屈曲して前記握り柄部に設けたものであるので、手首の 障害の症状に応じて先割れスプーンを選択できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す先割れスプーンの平
面図である。

【図２】同上先割れスプーンの側面図である。

【図３】同上先割れスプーンの使用状態図である。

【図４】本考案の第２実施例を示す先割れスプーンの平
面図である。

【符号の説明】

１ 先割れスプーン ２ 掬い部 ３ 握り柄部 ４ 突刺し部 ５ 端部 ６ ふくらみ Ｗ 横幅 Ｔ 縦幅 Ｄ 深さ Ｐ 最深点 Ｘ 仰角 Ｓ 食品

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製のスプーンの掬い部の先端を櫛歯
   状に形成した先割れスプーンにおいて、この掬い部の横
   幅が３０ｍｍ乃至４０ｍｍ、縦幅が４０ｍｍ乃至４５ｍ
   ｍ、深さが５ｍｍ乃至８ｍｍで平面形状が略円形に形成
   され、前記掬い部の最深点を前記先端側よりに設けると
   ともに、前記先端を４０度乃至５０度の仰角に形成した
   ことを特徴とする先割れスプーン。
2. 【請求項２】 端部にむけてゆるやかに起伏を持ちつつ
   太くし、端部にふくらみを有する金属製の握り柄部の内
   部を薄肉の空洞構造としたことを特徴とする請求項１記
   載の先割れスプーン。
3. 【請求項３】 前記掬い部を右または左に屈曲して前記
   握り柄部に設けたことを特徴とする請求項１または請求
   項２に記載の先割れスプーン。