JP3058869B1 - ソレノイド駆動回路 - Google Patents

ソレノイド駆動回路

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JP3058869B1
JP3058869B1 JP11021068A JP2106899A JP3058869B1 JP 3058869 B1 JP3058869 B1 JP 3058869B1 JP 11021068 A JP11021068 A JP 11021068A JP 2106899 A JP2106899 A JP 2106899A JP 3058869 B1 JP3058869 B1 JP 3058869B1
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Abstract

【要約】 【課題】 本発明は、逆起電力を容量手段に蓄積してソ
レノイドの復帰遅れを改善し、蓄積された逆起電力の放
電タイミングを遅らせてソレノイド駆動電流の一部とし
て有効に利用できるソレノイド駆動回路及びソレノイド
駆動方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明に係わるソレノイド駆動回路は、
電源V0と、第1のスイッチ手段Q1と、ソレノイドS
OLと、第2のスイッチ手段Q2とが直列に接続され、
ソレノイドSOL及び第2のスイッチ手段Q2に並列に
逆方向に第1の整流ダイオードD1が接続され、第2の
スイッチ手段Q2に並列に順方向に第2の整流ダイオー
ドD2と容量手段C1とがこの順に接続され、第1のス
イッチ手段Q1及び第2のスイッチ手段Q2が互いに独
立に且つ同時に駆動される。そしてソレノイドの逆起電
力を蓄積した後、次の駆動時に逆起電力を利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソレノイドの駆動
回路に関する。さらに詳しくは、定量パルスポンプの駆
動に用いられるソレノイドの駆動回路においてソレノイ
ドへの電流遮断時に生じる逆起電力の再生利用及びソレ
ノイド復帰時間の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コイルに通電して得られる磁気的
吸引力を利用して可動片を動作させる、いわゆるソレノ
イドは簡単な構造の制御機器として工業用又は商業用に
幅広く利用されている。ポンプへの応用も盛んで、パル
ス信号(以下、パルスという)によって駆動する定量パ
ルスポンプ等、種々のものが知られている。
【0003】本発明は、その定量パルスポンプの駆動に
用いられるソレノイドを主たる対象とする。かかるソレ
ノイドの駆動原理の基本的構成は、図5に示すようにソ
レノイド108の一端側の端子108aに直流電源を接
続し、又、その他端側には、パルスのオン時間が一定で
且つオンの周期(周波数)が可変なパルス発生回路11
1に接続されたスイッチ112を設けて該スイッチ11
2のパルス信号に応じた切換えによりソレノイド108
に電流を断続的に供給させるというものである。
【0004】また、ソレノイドには種々のサイズのもの
が存在するが、例えば、100Φ×100L程度(単位
mm)以上の大きさの、比較的大きいサイズのソレノイ
ドを駆動するためには、次のような問題があり、汎用的
に問題なく使用できる手頃な駆動手段を例示することが
困難である。
【0005】一般に、前述のような大きさのソレノイド
としては、例えば、図6に示すような、いわゆるプッシ
ュプルソレノイド(以下、ソレノイドという)があげら
れる。このソレノイド202は、矢印A1で示す前方、
又は、矢印A2で示す後方に可動の可動片202を有
し、可動片201は、プランジャ203と一体に形成さ
れてソレノイド202の内部に挿通されている。
【0006】図7は、図6に示したソレノイドの概略の
断面構造を示す断面図である。図示したように、可動片
202は、圧入部203aを介してプランジャ203と
一体に形成されている。符号204は磁極を示し、20
7及び208を示し、209はステータリングを示す。
【0007】このような構造において、コイル205へ
の通電が遮断されてコイル205が消磁されたとき、可
動片202が後方A2へ戻るよう戻しバネ206が配設
されている。この可動片202の面202aが磁極20
4に接触するのを防止するため、一般的にSUSやプラ
スチック合成樹脂等の非磁性体の厚さ0.1〜0.5m
m程度のシート(図示せず)が面202aと磁極204
との間に挿入されている。
【0008】このようなソレノイドの駆動は、スイッチ
手段の開閉により、例えば、次のようなパルス状の電圧
をコイルに印加して行う。図8において、パルスの周期
0は、0.2秒以上無限大にでき、印加時間f1は50
〜70ミリ秒程度に設定される。また、図9は、ソレノ
イドの駆動回路の一部を示しており、電源120により
前述したようなパルスがコイル121に印加されてソレ
ノイドが駆動される。尚、回路中においては、ソレノイ
ドは、ソレノイドの回路要素成分としてのコイルを記載
して表している。
【0009】即ち、パルスがONのとき、ソレノイドの
可動片202が磁極204に吸着され、前方のプランジ
ャ203を押し出し、また、パルスがOFFのとき、ソ
レノイド内部の戻しバネ206により可動片202が後
方に戻ることによってプランジャ203の往復動が得ら
れるというものである(尚、以下の記載においては、プ
ランジャがもとの位置に戻ることを、単に、ソレノイド
又はプランジャの「復帰」ということがある)。
【0010】そして、プランジャ203の先端にはピス
トンやダイヤフラムが取付けられており、例えば、ピス
トンが取付けられたポンプの場合であれば、パルスがO
Nのとき吐出動作、OFFのとき吸入動作となるように
している。
【0011】そして、パルスのON時間f1を一定とし
つつ、周期f0を変化させることにより単位時間あたり
のパルス数を変化させることができ、従って、ポンプの
吐出量を変化させることができるという特徴を有してい
る。
【0012】ところで、このようなソレノイドは、パル
ス駆動により簡便に往復動が得られるものの、ソレノイ
ドにおけるプランジャの変位(ストローク)の速さが、
駆動のためのパルスのタイミングに必ずしも追従しきれ
ないという問題がある。即ち、スイッチ122を開いて
コイル121への電流を遮断すると、電磁誘導によりコ
イル121に逆起電力が生じ、この逆起電力がコイル1
21への電源として作用し、プランジャの復帰遅れが生
じるというものである。
【0013】前記駆動回路には、この逆起電力を吸収す
るため、ダイオード123及び124が設けられてお
り、スイッチ122が開であるとき閉成されるループ1
25において前記逆起電力による電流が流れる。
【0014】そして、この電流は、抵抗124で熱エネ
ルギーとして費消されつつ減衰しながら約数百ミリ秒程
度の期間、流れ続けるので、コイル121には、この期
間は磁力が残ることになり、これがプランジャの動作の
復帰遅れになる。
【0015】このような逆起電力の作用は、ソレノイド
のサイズが100mmΦ程度以下の比較的小さい場合
や、単位時間当りのパルス数が100パルス/分程度の
ように少ない場合には実用上あまり問題にならず、前述
した駆動回路でも対応できることが多い。
【0016】しかしながら、特に、サイズの大きいソレ
ノイドにおいて、しかも高速応答させる駆動を行う場合
は、逆起電力が1000V程度にまで大きいものとなる
ので、この逆起電力による残留磁気及び逆励磁によって
プランジャの復帰の遅れが無視できない大きいものとな
る。
【0017】このとき、図4の(b)に時間遅れT1で示
される如く、ソレノイドの可動片202がもとの位置に
戻るまでの間に次のパルスVPが送られてくることとな
り、可動片202が磁極204に吸着したままとなって
しまい、ポンプとして使用できないという致命的な問題
が生じる。
【0018】この問題を回避するため、前記抵抗124
を数百Ω程度まで大きくすると、逆起電力の作用はかな
り緩和され、ソレノイドの復帰時間の遅れは改善される
ことが分かっているが、抵抗124の所要W数が、かな
り大きいものが必要となり、それを安価に入手すること
が困難であるという問題が生じる。この他、逆起電力が
大きいことにより、スイッチ素子にも耐圧の大きいもの
が必要となる。
【0019】このように、特に、サイズの大きいソレノ
イドにおいては、プランジャの復帰速度が遅れることに
よる不都合が顕著に現れるのである。勿論、これは、コ
イルが大きい分だけ、電流遮断時に発生する逆起電力が
大きいことによるものであり、しかも、この逆起電力
は、何ら活用されることなく余剰電力となり、熱エネル
ギーとして費消されているという問題もある。
【0020】前述した余剰電力の利用に関しては、例え
ば、特開平6−245530号公報において、インバー
タの電力回生時にコンデンサに充電電流を流すための充
電用ダイオードと、コンデンサからインバータに直流電
力を供給するための放電用ダイオードとを具備する電源
回路が提案されている。
【0021】しかしながら、前記公報記載の電源回路
は、負荷として放電灯が配設されるものであり、本発明
が主たる対象とするソレノイド駆動ポンプにおいて逆起
電力を制御する目的とは異なる回路であり、負荷の大き
さも異なるので、この電源回路は、本発明が対象とする
問題を解決することはできない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題点を解決すべくなされたものであり、逆起電力を容量
手段に蓄積してソレノイドの復帰遅れを改善し、蓄積さ
れた逆起電力の放電タイミングを遅らせてソレノイド駆
動電流の一部として有効に利用できるソレノイド駆動回
路及びソレノイド駆動方法を提供することを課題とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決すべ
く、本発明の請求項1に係わるソレノイド駆動回路は
ルス駆動によるソレノイドの磁力によって押出され戻し
バネによって復帰されてプランジャの往復動が得られる
プッシュプルソレノイドを駆動するソレノイド駆動回路
において、電源V0の正側と、第1のスイッチ手段Q1
と、ソレノイドSOLと、第2のスイッチ手段Q2とが
直列にこの順に接続されて電源(V0)の負側に至り、ソ
レノイドSOL及び第2のスイッチ手段Q2に並列に逆
方向に第1の整流ダイオードD1が接続され、第2のス
イッチ手段Q2に並列に順方向に第2の整流ダイオード
D2と容量手段C1とがこの順に接続されて容量手段C
1の負側が電源V0の負側に直接接続され、前記第1の
スイッチ手段Q1の電源V0側と接地との間にソレノイ
ドSOLに並列に抵抗手段R1が接続され、第1のスイ
ッチ手段Q1及び第2のスイッチ手段Q2が互いに独立
に且つほぼ同時に閉とされ電源V0によってソレノイド
SOLにパルス状の電圧が印加されてプランジャが押出
され、前記第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2が互
いに独立に且つほぼ同時に開とされソレノイドSOLへ
の逆起電力が容量手段C1に吸収され戻しバネによって
プランジャが復帰されることを特徴とする。
【0024】尚、本明細書において、整流ダイオードの
接続方向は、電源の正から負に向かう方向と同方向に合
わせる方向を順方向といい、その反対方向を逆方向とい
う。
【0025】前述した構成によれば、逆起電力を容量手
段C1に蓄積し、逆起電力の放電タイミングを遅らせて
放電することができ、ソレノイドの再励磁は殆ど生じな
い。また、前記抵抗手段R1が接続されているので、抵
抗手段R1に向けて容量手段C1の電荷の一部を放電さ
せるとともに、Q1及びQ2がカットオフ状態のときに
電源V0の電圧が異常に上昇することを抑制する。
【0026】本発明の請求項2に係わるソレノイド駆動
回路においては、前記第1のスイッチ手段Q1及び第2
のスイッチ手段Q2がいずれもC−MOSFETであ
り、前記第1のスイッチ手段Q1及び第2のスイッチ手
段Q2がフォトカプラによって結合されてほぼ同時に駆
動されるので、汎用的な部品を用いて駆動回路を構成す
ることができる。
【0027】本発明の請求項3に係わるソレノイド駆動
回路においては、前記第1のスイッチ手段Q1とソレノ
イドSOLと第2の整流ダイオードD2とに並列に第3
の整流ダイオードD3が逆方向に接続されているので、
第3の整流ダイオードD3が、電源V0の電圧が直接コ
ンデンサC1に印加されるのを防止する。
【0028】本発明の請求項4に係わるソレノイド駆動
回路においては、前記電源V0が、半波整流出力及び全
波整流出力のいずれか1を供給するので、電源V0には
コンデンサ等による平滑回路が不要であり、しかも電源
V0の出力をソレノイドSOLに供給する際に突入電流
を生じない。さらに、容量手段C1に蓄積された逆起電
力のエネルギーを、ソレノイドSOLを駆動する1周期
の間に完全に放電できる。
【0029】本発明に係わるソレノイド駆動回路におい
ては、ソレノイドとしては、前記パルス駆動の周期が
0.2秒以上であり、ソレノイドSOLへの電圧印加時
間が50ミリ秒〜70ミリ秒であるようにして構成でき
る。かかるプッシュプルソレノイドによって定量パルス
ポンプが駆動され得る。また、前記パルス状の電圧のオ
ン時間が一定で、周期を変化させて定量パルスポンプを
駆動できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の実施の形態について説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施の形態に係わるソ
レノイド駆動回路(以下、駆動回路という)を示す回路
図である。以下に説明する駆動回路の回路要素について
の定数等はあくまで例示であり、いずれも本発明の趣旨
の範囲内で変更することが可能である。
【0032】そして、以下の記載は、本発明をパルス駆
動ポンプに用いるソレノイドSOLの場合に適用した例
を説明するものであるが、本発明は、弁装置や、打撃装
置(例えば、パチンコ玉の打撃)等に用いられる他のソ
レノイドにも適用することができる。
【0033】本実施の形態に係わる駆動回路の基本的構
成は、電源V0と、第1のスイッチ手段Q1と、ソレノ
イドSOLと、第2のスイッチ手段Q2とが直列に接続
され、ソレノイドSOL及び第2のスイッチ手段Q2に
並列に逆方向に第1の整流ダイオードD1が接続され、
第2のスイッチ手段Q2に並列に順方向に第2の整流ダ
イオードD2と容量手段C1とがこの順に接続され、第
1のスイッチ手段Q1及び第2のスイッチ手段Q2が互
いに独立に且つほぼ同時に駆動されるというものであ
る。
【0034】かかる構成において、本発明に係わる駆動
回路は、第1及び第2のスイッチ手段が開とされたと
き、第1の整流ダイオードとソレノイドと第2の整流ダ
イオードと容量手段とによって閉成されるループを具備
するように構成される。
【0035】以下、駆動回路の各構成要素について説明
する。
【0036】まず、ソレノイドは、前記従来の技術で説
明した図5に示したようなソレノイドを用い、これが駆
動回路に接続されており、図1では、その電気的成分と
してコイルSOLで示している。以下、回路に関する説
明において、ソレノイドという表現は、コイルSOLを
表すものとする。
【0037】次に、ソレノイドSOLへの通電が遮断さ
れたとき生ずる逆起電力を蓄積したのち、この蓄積され
た逆起電力を、次の駆動時に、即ち、放電タイミングを
遅らせてソレノイド駆動電流の一部として有効に利用す
る容量手段として、前述した1000V程度の逆起電力
を蓄積し得るものとして、100μF、400WV程度
のコンデンサC1が用いられる。
【0038】また、第1のスイッチ手段及び第2のスイ
ッチ手段は、いずれも図中Q1及びQ2で示されるよう
に、C−MOSFETを用いて構成する。このC−MO
SFETは、いずれもそのドレイン側が電源V0側とな
るように接続されている。
【0039】そして、前記第1のスイッチ手段Q1及び
第2のスイッチ手段Q2は、フォトカプラPCによって
互いに結合されており、ほぼ同時に駆動できる。ここ
で、ほぼ同時というのは、フォトカプラによる信号伝達
に要する時間分のずれを含む意味である。図1において
は、フォトカプラPC1及びPC2が結合されているこ
とを示すために、それぞれを破線による半円形で囲んで
示し、両者をまとめていうとき、PCと記載する。
【0040】前記フォトカプラPC1及びPC2は、そ
れぞれのフォトトランジスタが信号処理上、互いに結合
されることによって、第1のスイッチ手段Q1と第2の
スイッチ手段Q2とが、独立に且つ同時にパルスにより
駆動されるよう構成することができる。勿論、C−MO
SFET及びフォトカプラPC以外の他のスイッチ手段
を用いることもできる。これらは、汎用的な部品を用い
るので前記駆動回路を安価且つ容易に実現することがで
きる。
【0041】前記C−MOSFETとしては、500
V、10A程度の容量のものを用いる。フォトカプラP
Cの電源としては、それぞれ互いに絶縁された2つの電
源S1及びS2が設けられている。この2つの電源S1
及びS2には、DC5V、20mA程度のものが用いら
れる。抵抗r1及びr2は、600Ω、1/4W程度の
ものが用いられる。
【0042】前記電源V0は、1周期f0の間に、コン
デンサC1に蓄積されたエネルギーを完全に放電させる
ため、図2の(a)に示すような全波整流出力、又は図2
の(b)に示すような半波整流出力を供給するものを用い
る。このような出力のものであれば、どのような電源で
もよい。図示した場合においては、最高電圧VPは約1
41V程度である。このように、ソレノイドSOLの駆
動には全波整流出力又は半波整流出力を利用するので、
電源V0中にはコンデンサ等による平滑回路を設ける必
要がない。さらに、電源V0の出力をソレノイドSOL
に供給し始める際に突入電流が生じることがない。
【0043】前記第1及び第2の整流ダイオードD1及
びD2は、いずれもよく知られた種々の設計のシリコン
整流ダイオードがそれぞれ用いられるが、整流作用を有
するものであれば、これ以外のものであってもよい。シ
リコン整流ダイオードとしては、いずれも800V、3
A程度のものを用いている。
【0044】以上のようにして構成した駆動回路の動作
及び作用について説明する。
【0045】従来の技術について説明した通り、ソレノ
イドSOLには、図7に示したような駆動波形をフォト
カプラPCに入力してソレノイドSOLを、パルスに従
った動作状態にして間欠的に往復動させる。
【0046】このとき、Q1及びQ2を同時に開とし
て、ソレノイドSOLへの電源V0からの電流を遮断す
ると、図1に示したように、該駆動回路中に閉ループI
Rが形成されるので、ソレノイドSOLに発生する逆起
電力はコンデンサC1に蓄積され、コンデンサC1が充
電される。
【0047】このとき、この閉ループIR内には抵抗成
分が殆どないので、逆起電力により生じたエネルギーは
数ミリ秒という短時間の間にコンデンサC1に吸収され
る。従って、閉ループIRを流れる電流は急速に減衰
し、ソレノイドSOLの再励磁は殆ど生じない。
【0048】この結果、ソレノイドの復帰時間が短縮さ
れるという効果が得られる。図4は、従来の駆動回路と
比較してソレノイドの復帰時間がΔt分、短くなって改
善されたことを示す説明図である。図4の(b)が従来の
駆動回路における復帰x1の遅れT1を示し、図4の(c)
が本実施の形態による復帰x2の遅れT2を示す。尚、t
0は、駆動開始時のソレノイドの変位の遅れであり、こ
れは何れの場合にも現れる。
【0049】次に、コンデンサC1に充電されて蓄積さ
れた逆起電力の放電について説明する。図3は、逆起電
力の利用を示す説明図である。ソレノイドSOLが通電
されて駆動されるとき、通電開始の初期には、電源V0
の電圧の瞬時値はコンデンサの充電電圧を下回っている
ので、コンデンサC1に蓄積された逆起電力がソレノイ
ドSOLに向けて放電される。
【0050】即ち、図3の(a)に示した駆動パルスId
に対して、図3の(b)に示したように、ソレノイドに流
れる電流IPは、時間の経過とともに漸増する。これに
対して、コンデンサC1に充電されて蓄積された逆起電
力が放電電流ISとして放電され、ソレノイドSOLを
駆動する電源電流IPを補完するように流れる。そして
蓄積されたエネルギー分に等しい電気エネルギー分がソ
レノイドSOLの駆動に利用されるという効果が得られ
る。図3の(b)に斜線を施した部分の面積がこのエネル
ギー分に相当する。
【0051】従って、従来は前記抵抗124によって無
駄に費消したエネルギー的損失が本実施の形態において
は無くなり、この逆起電力を再生利用できるという極め
て優れた効果を奏する。そして、大きい容量の抵抗12
4を設けるスペースが節約できる。
【0052】尚、本駆動回路においては、前述した構成
に基づいてさらに、第1のスイッチ手段Q1とソレノイ
ドSOLと第2の整流ダイオードD2とに並列に第3の
整流ダイオードを逆方向に接続することができる。第3
の整流ダイオードとしてのダイオードD3は、電源V0
の電圧が直接コンデンサC1に印加されるのを防止する
ために設けられたものである。このダイオードD3によ
り、逆起電力の利用が電源V0により制限されることが
なく、逆起電力をコンデンサC1に完全に保存すること
ができる。
【0053】この整流ダイオードD3としては、D1及
びD2と同様のものを用いるが、これ以外のものであっ
てもよい。シリコン整流ダイオードD3としては、80
0V、3A程度のものを用いている。
【0054】また、さらに、前記第1のスイッチ手段Q
1の電源V0側にソレノイドSOLに並列に抵抗手段R
1を接続することができる。抵抗手段R1としては、逆
起電力の大きさ、即ち、容量手段C1の容量と、電源V
0の容量とに見合ったものを用いる必要があるが、この
要件を満たすものであれば、どのような抵抗でもよい。
【0055】前記抵抗R1は、コンデンサC1の電荷の
一部を放電させるとともに、Q1及びQ2がカットオフ
状態のときに電源V0の電圧が異常に上昇することを抑
制することができる。この抵抗R1により、逆起電力が
電源V0に悪影響を及ぼすことがないという効果が得ら
れる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係わるソレノイド駆動回路は、
ソレノイドの逆起電力を容量手段に蓄積し、蓄積された
逆起電力の放電タイミングを遅らせて放電することがで
きるので、ソレノイドの復帰時間を短縮し、しかも、前
記逆起電力をソレノイドの駆動のために再生利用できる
という極めて優れた効果を奏する。
【0057】本発明に係わるソレノイド駆動回路におい
ては、前記第1及び第2のスイッチ手段がいずれもC−
MOSFETであり、これらがフォトカプラによって結
合されてほぼ同時に駆動されるので、汎用的な部品を用
いることによって安価且つ容易に本発明に係わる駆動回
路を得る。
【0058】本発明に係わるソレノイド駆動回路におい
ては、第3の整流ダイオードにより、電源の電圧が直接
前記容量手段に印加されるのを防止できるので、逆起電
力を容量手段に完全に保存することができる。また、前
記電源が半波整流出力又は全波整流出力を供給するの
で、電源に平滑回路が不要であり、しかも電源出力をソ
レノイドに供給する際に突入電流を生じない。さらに、
容量手段に蓄積された逆起電力のエネルギーをソレノイ
ド駆動の1周期の間に完全に放電できる。また、前記第
1のスイッチ手段の電源側にソレノイドに並列に抵抗手
段を接続できるので、容量手段の電荷の一部を放電させ
るとともに、第1及び第2のスイッチ手段がカットオフ
状態のときに電源の電圧上昇を抑制することができ、逆
起電力が電源V0に悪影響を及ぼすことがない。これら
の付加的な構成により、ソレノイドの復帰時間短縮及び
逆起電力の再生利用の効果をより確実なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる駆動回路を示す回
路図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる駆動回路の電源に
要する出力波形を示すグラフであり、(a)は全波整流波
形、(b)は半波整流波形を示す。
【図3】本発明の実施の形態に係わる駆動回路におい
て、(a)はソレノイドを駆動するパルスの波形を示すグ
ラフ、(b)はソレノイドに流れる電流を示すグラフであ
る。
【図4】ソレノイドの復帰の遅れに関して本発明の実施
の形態と従来とを比較して示すグラフであり、(a)は駆
動パルス波形、(b)は従来のソレノイドの例、(c)は本
発明の実施の形態のソレノイドの例を示す。
【図5】ソレノイドの駆動原理の基本的構成を示す回路
説明図である。
【図6】プッシュプルソレノイドの例を示す図であり、
(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】プッシュプルソレノイドの例を示す断面説明
図。
【図8】ソレノイドポンプの吐出量をパルスによって制
御するそのパルスを概念的に示すグラフである。
【図9】従来のソレノイドの駆動回路の一部を示す回路
図である。
【符号の説明】
D1…第1の整流ダイオード、D2…第2の整流ダイオ
ード、Q1…第1のスイッチ手段、Q2…第2のスイッ
チ手段、C1…容量手段(コンデンサ)、V0…電源、
PC…フォトカプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス駆動によるソレノイドの磁力によ
    って押出され戻しバネによって復帰されてプランジャの
    往復動が得られるプッシュプルソレノイドを駆動するソ
    レノイド駆動回路において、電源(V0)の正側と、第1
    のスイッチ手段(Q1)と、ソレノイド(SOL)と、第2
    のスイッチ手段(Q2)とが直列にこの順に接続されて電
    源(V0)の負側に至り、ソレノイド(SOL)及び第2の
    スイッチ手段(Q2)に並列に逆方向に第1の整流ダイオ
    ード(D1)が接続され、第2のスイッチ手段(Q2)に並
    列に順方向に第2の整流ダイオード(D2)と容量手段
    (C1)とがこの順に接続されて容量手段(C1)の負側が
    電源(V0)の負側に直接接続され、前記第1のスイッチ
    手段(Q1)の電源(V0)側と接地との間にソレノイド
    (SOL)に並列に抵抗手段(R1)が接続され、第1のス
    イッチ手段(Q1)及び第2のスイッチ手段(Q2)が互い
    に独立に且つほぼ同時に閉とされ電源(V0)によってソ
    レノイド(SOL)にパルス状の電圧が印加されてプラン
    ジャが押出され、前記第1及び第2のスイッチ手段(Q
    1、Q2)が互いに独立に且つほぼ同時に開とされソレ
    ノイド(SOL)の逆起電力が容量手段(C1)に吸収され
    戻しバネによってプランジャが復帰されることを特徴と
    するソレノイド駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のスイッチ手段(Q1)及び第2
    のスイッチ手段(Q2)がいずれもCMOS−FETであ
    り、前記第1のスイッチ手段(Q1)及び第2のスイッチ
    手段(Q2)がフォトカプラによって結合されてほぼ同時
    に駆動される請求項1記載のソレノイド駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記第1のスイッチ手段(Q1)とソレノ
    イド(SOL)と第2の整流ダイオード(D2)とに並列に
    第3の整流ダイオード(D3)が逆方向に接続されてなる
    請求項1記載のソレノイド駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記電源(V0)が、半波整流出力及び全
    波整流出力のいずれか1を供給する請求項1記載のソレ
    ノイド駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記パルス駆動の周期が0.2秒以上で
    あり、ソレノイド(SOL)への電圧印加時間が50ミリ
    秒〜70ミリ秒である請求項1記載のソレノイド駆動回
    路。
  6. 【請求項6】 前記プッシュプルソレノイドによって定
    量パルスポンプが駆動さ れる請求項1記載のソレノイド
    駆動回路。
  7. 【請求項7】 前記パルス状の電圧のオン時間が一定
    で、周期が変化されて定量パルスポンプが駆動される請
    求項1記載のソレノイド駆動回路。
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