JP3058764U - 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置 - Google Patents

仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置

Info

Publication number
JP3058764U
JP3058764U JP1998008530U JP853098U JP3058764U JP 3058764 U JP3058764 U JP 3058764U JP 1998008530 U JP1998008530 U JP 1998008530U JP 853098 U JP853098 U JP 853098U JP 3058764 U JP3058764 U JP 3058764U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
work
telescopic boom
temporary support
moment
distal end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1998008530U
Other languages
English (en)
Inventor
博之 城戸
孝明 大葉
旭 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Corp
Original Assignee
Aichi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aichi Corp filed Critical Aichi Corp
Priority to JP1998008530U priority Critical patent/JP3058764U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3058764U publication Critical patent/JP3058764U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 角度規制とモーメント規制の切り替え忘れに
よる作業範囲の誤認を防止し、仮支持作業等を考慮した
適正な作業領域を提供できる転倒防止装置を提供する。 【解決手段】 把持検出器55が電線の仮支持を検出し
ていない場合には、ブーム位置検出器49により検出さ
れた伸縮ブーム9の先端部の位置が許容範囲メモリ57
に設定された安全作業領域を越える伸縮ブームの作動源
である起伏シリンダ11等の作動が規制され、把持検出
器55が電線の仮支持を検出した場合には、ブーム位置
検出器49により検出された伸縮ブームの先端部の位置
と荷重センサ51により検出された伸縮ブーム9の先端
部に作用する荷重から車両転倒モーメントを算出し、こ
の算出された車両転倒モーメントが最大許容モーメント
を越える伸縮ブームの作動源である起伏シリンダ11の
作動が規制される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置に関し、更に詳細には、 作業車上に設けられた伸縮ブームの先端部に取り付けられた仮支持装置を有した 作業車の転倒防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電柱に配設された碍子の交換等の配電作業を行なう場合、起伏等が自在な伸縮 ブームの先端部に仮支持装置を有した高所作業車を使用することができる。この 高所作業車で配電作業を行なうには、交換すべき碍子の近くに仮支持装置を移動 させ、碍子に接続された電線を支持する電柱に代わって仮支持装置で支持し、碍 子から電線を取り外した後に碍子の交換を行なう。
【0003】 このような仮支持装置を有した高所作業車には、一般に、電線から作用する荷 重により車体の転倒を防止するために伸縮ブームの作動を規制する転倒防止装置 が設けられている。この転倒防止装置は2種類のブーム作動規制を有しているも のがある。即ち、仮支持装置を使用して仮支持作業を行なう前においては電線の 負荷状態が不明なため伸縮ブームの先端部に定格荷重を作用させた状態で車両が 転倒しない安全作業領域を設定しこの安全作業領域を越える伸縮ブームの作動を 規制する角度規制と、仮支持作業が行なわれている状態の伸縮ブームの先端部に 作用するモーメントを算出し、この算出モーメントと許容モーメントの大きさを 比較して許容モーメントを越える伸縮ブームの作動を規制するモーメント規制と がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、角度規制とモーメント規制の切り替えは作業者が行なっている ので、切り替え作業を作業者が忘れた場合には、作業者が作動範囲を誤認して所 望の位置に伸縮ブームを移動させることができず作業効率の低下を招く。また、 仮支持作業を考慮した作業領域を設定すると、最大荷重条件を考慮するため仮に 積載荷重が少ない場合においても作業範囲を狭くするので、伸縮ブームの移動が より規制されて作業効率が低下する。といって、通常の安全作業領域で仮支持作 業を行なうと車両の転倒する虞がある、という問題が生じる。
【0005】 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであり、角度規制とモーメン ト規制の切り替え忘れによる作業範囲の誤認を防止し、仮支持作業等の作業内容 に対応した適切な作業領域を提供できる仮支持装置を有した作業車の転倒防止装 置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本考案の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置 は、車体上に伸縮動且つ起伏動自在に設けられた伸縮ブームの先端部に取り付け られて車体の上方に架設された架空ケーブル(例えば、実施形態における電線D )を仮支持する仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置である。この転倒防止 装置は、伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検出手段(例えば、実 施形態におけるブーム位置検出器49)と、伸縮ブームの先端部に作用する荷重 を検出する荷重検出手段(例えば、実施形態における荷重センサ51)と、仮支 持装置に架空ケーブルが仮支持されたか否かを判定する仮支持判定手段(例えば 、実施形態における把持検出器55)と、伸縮ブームの先端部に定格荷重を作用 させた状態で車体を転倒させずに伸縮ブームの先端部を移動できる安全作業領域 を設定する安全作業領域設定手段(例えば、実施形態における許容範囲メモリ5 7)と、仮支持判定手段により架空ケーブルが仮支持されていないことを判定し ている場合には、ブーム位置検出手段により検出された伸縮ブームの先端部の位 置が安全作業領域設定手段により設定された安全作業領域を越える伸縮ブームの 作動を規制し、仮支持判定手段により架空ケーブルが仮支持されていることを判 定している場合には、ブーム位置検出手段により検出された伸縮ブームの先端部 の位置と荷重検出手段により検出された伸縮ブームの先端部に作用する荷重から 車両転倒モーメントを算出し、この算出された車両転倒モーメントが許容転倒モ ーメントを越える伸縮ブームの作動を規制する作動規制手段(例えば、実施形態 におけるコントローラ61)とを有することが好ましい。
【0007】 仮支持装置を有した作業車で仮支持作業を行なう場合、仮支持判定手段により 架空ケーブルが仮支持されていないことを判定している場合には、ブーム位置検 出手段により検出された伸縮ブームの先端部の位置が安全作業領域設定手段に設 定された安全作業領域内を移動して、伸縮ブームの先端部を作業現場の近くに移 動させる。このとき、伸縮ブームの先端部の位置が安全作業領域を越えようとす ると作動規制手段が伸縮ブームの作動を規制し、仮支持判定手段により架空ケー ブルが仮支持されていることを判定している場合には、ブーム位置検出手段によ り検出された伸縮ブームの先端部の位置と荷重検出手段により検出された伸縮ブ ームの先端部に作用する荷重から車両転倒モーメントを算出し、この算出された 車両転倒モーメントが許容転倒モーメントを越えなければ仮支持作業を継続して 行なうことができ、車両転倒モーメントが許容転倒モーメントを越えたならば、 作動規制手段が伸縮ブームの作動を規制するので、作業状態に応じた作業範囲を 適切に切り替えることができ、作業効率を向上させることができるとともに、車 両の転倒防止を未然に防止することができる。
【0008】 ここで、定格荷重とは、車両を転倒させずに伸縮ブームの先端部に作用させる ことができる荷重のうちで最大の荷重をいう。また、伸縮ブームの先端部に作業 者搭乗可能な作業台を設けてもよい。作業台に作業者が搭乗することで、仮支持 作業等の高所作業を効率的に行なうことができる。
【0009】 また、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置は、車体上に伸縮動 且つ起伏動自在に設けられた伸縮ブームの先端部に取り付けられて車体の上方に 架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を有して複数種の作業が可能な 作業車の転倒防止装置であって、仮支持装置が伸縮ブームの先端部に装着されて いるか否かを検出する仮支持装置装着検出手段(例えば、実施形態における装着 検出センサ81)と、仮支持装置が伸縮ブームの先端部に略垂直状態で保持され ているか否かを検出する姿勢検出手段と、車体を転倒させずに仮支持装置による 作業又は作業車が行なう複数種の作業の各許容作業範囲を設定する許容作業範囲 設定手段(例えば、実施形態における作業範囲メモリ85)と、仮支持装置装着 検出手段による仮支持装置の装着情報と姿勢検出手段による仮支持装置の姿勢情 報の少なくともいずれかの情報が検出されない場合には、許容作業範囲設定手段 に設定され作業車が行なう複数種の作業のいずれか一つの許容作業範囲を越える 伸縮ブームの移動を規制し、仮支持装置装着検出手段により仮支持装置が伸縮ブ ームの先端部に装着されている装着情報が検出され、且つ姿勢検出手段により仮 支持装置が伸縮ブームの先端部に略垂直状態で保持されている姿勢情報が検出さ れた場合には、許容作業範囲設定手段に設定され仮支持装置が行なう作業の許容 作業範囲を越える伸縮ブームの移動を規制する作動規制手段(例えば、実施形態 におけるコントローラ87)とを有することが好ましい。
【0010】 仮支持装置装着検出手段により仮支持装置が伸縮ブームの先端部に装着されて いる装着情報と、姿勢検出手段により仮支持装置が伸縮ブームの先端部に略垂直 状態で保持されている姿勢情報の両方の情報が検出されない限り、作動規制手段 が、許容作業範囲設定手段に設定され作業車が行なう複数種の作業のいずれか一 つの許容作業範囲を越える伸縮ブームの移動を規制し、装着情報と姿勢情報の両 方の情報が検出されたときには、許容作業範囲設定手段に設定され仮支持装置が 行なう作業の許容作業範囲を越える伸縮ブームの移動を作動規制手段が規制する 。このため、作業者が選択スイッチを使用して作業範囲を切り替えていた従来技 術と比較して切り替え忘れによる作業範囲の誤認を防止して、作業効率を向上さ せることができる。
【0011】 更に、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置は、車体上に伸縮動 且つ起伏動自在に設けられた伸縮ブームの先端部に取り付けられて車体の上方に 架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置 であって、伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検出手段と、伸縮ブ ームの先端部に定格荷重を作用させた状態で車体を転倒させずに伸縮ブームの先 端部を移動できる安全作業領域を設定する安全作業領域設定手段と、ブーム位置 検出手段による伸縮ブームの先端部の位置が安全作業領域設定手段に設定された 安全作業領域内にあるか否かを判定する位置判定手段と、位置判定手段による判 定結果を表示する判定結果表示手段(例えば、実施形態における位置表示器91 )とを有することが好ましい。
【0012】 伸縮ブームの現状位置が安全作業領域の範囲内にあると位置判定手段が判定す ると、この判定結果が判定結果表示手段により表示されるので、作業者がこの表 示内容を確認することで、現状位置で仮支持作業を行なえることを容易に判断す ることができ、また、仮支持作業等を行なうときに作業範囲の切り替え作業を行 なっていた従来技術と比較してこの切り替え作業を不要とするので作業効率の向 上を図ることができるとともに、作業範囲の誤認を防止することができる。
【0013】 判定結果表示手段による表示方法は文字、記号、図形及びこれらの組み合わせ により判定結果を表示することができる。
【0014】 また、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置は、車体上に伸縮動 且つ起伏動自在に設けられた伸縮ブームの先端部に取り付けられて車体の上方に 架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置 であって、伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検出手段と、伸縮ブ ームの先端部に作用するモーメントを検出するモーメント検出手段と、仮支持装 置により仮支持作業が行なわれていない場合であって車体を転倒させる方向に作 用する許容転倒モーメントを設定する許容転倒モーメント設定手段と、仮支持装 置により仮支持作業が行なわれているか否かを判定する仮支持作業判定手段(例 えば、実施形態における仮支持判定器97)と、仮支持作業判定手段により仮支 持作業が行なわれている状態であると判定された場合には許容車両転倒モーメン ト設定手段に設定された許容車両転倒モーメントを縮小して補正する転倒モーメ ント補正手段(例えば、実施形態における転倒規制モーメント補正器99)と、 仮支持作業判定手段により仮支持作業が行なわれていない状態であると判定した 場合には、モーメント検出手段により検出されるモーメントと許容転倒モーメン ト設定手段に設定される許容転倒モーメントとを比較して許容転倒モーメントを 越える伸縮ブームの作動を規制し、仮支持作業判定手段により仮支持作業が行な われている状態であると判定した場合には、転倒モーメント補正手段により縮小 補正された許容転倒モーメントとモーメント検出手段により検出されるモーメン トとを比較して補正後の許容転倒モーメントを越える伸縮ブームの作動を規制す る作動規制手段(例えば、実施形態におけるコントローラ101)とを有するこ とが好ましい。
【0015】 仮支持作業判定手段により仮支持作業が行なわれていない状態であると判定し た場合には、作動規制手段がモーメント検出手段により検出されるモーメントと 許容転倒モーメント設定手段に設定される許容転倒モーメントとを比較して許容 転倒モーメントを越える伸縮ブームの作動を規制し、仮支持作業判定手段により 仮支持作業が行なわれている状態であると判定した場合には、作動規制手段が転 倒モーメント補正手段により縮小補正された許容転倒モーメントとモーメント検 出手段により検出されるモーメントとを比較して補正後の許容転倒モーメントを 越える伸縮ブームの作動を規制する。
【0016】 仮支持作業を考慮した許容作業範囲は必要以上に作業範囲を狭くして作業効率 を低下させるので最適な作業範囲ではないが、仮支持作業判定手段が仮支持作業 をしていることを判定したときは許容転倒モーメントを補正して補正後の許容転 倒モーメントを基準にして伸縮ブームの作動を規制することで、通常作業や仮支 持作業のそれぞれについて最適な作業範囲を提供することができ、作業効率の向 上を図ることができる。
【0017】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の好ましい実施の形態を図1から図8に基づいて説明する。本実 施の形態は伸縮動且つ起伏動自在な伸縮ブームの先端部に仮支持装置を有した高 所作業車の態様を示す。
【0018】
【第1の実施の形態】 第1の実施の形態の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置(以下、「転倒 防止装置」と記す。)を図1及び図2を使用して説明する。最初に、本考案の作 業車の転倒防止装置を説明する前に、この作業車の転倒防止装置を搭載した高所 作業車を説明する。
【0019】 高所作業車1は、図1に示すように、車体3の前後に車体3を安定支持するア ウトリガジャッキ5を有し、車体3の後側上部には上方に突出して旋回自在な旋 回台7が設けられている。この旋回台7の上部には伸縮ブーム9が枢支され、伸 縮ブーム9の基部と旋回台7の底部間を接続する起伏シリンダ11の伸縮作動に より伸縮ブーム9が起伏作動する。伸縮ブーム9の先端部には、伸縮ブーム9の 起伏角度に係わらず常時垂直に保持される垂直ポスト13が設けられている。こ の垂直ポスト13の上部には旋回自在であって上部が開口した作業台15が水平 アーム17を介して設けられている。この作業台15の水平アーム17側の上部 には伸縮ブーム9や仮支持装置18を操作する操作装置19が設けられている。
【0020】 垂直ポスト13の上部には上方へ突出し回動可能な支柱21が設けられ、この 支柱21は図示しない油圧モータの作動により回動するように構成されている。 支柱21の先端部にはこれに支持されるとともに垂直平面内で揺動する角度調整 器23が接続されており、図示しない油圧シリンダの伸縮作動により上下方向に 揺動する。角度調整器23の側部には箱状のアーム支持部材25が設けられ、こ のアーム支持部材25の側部にはウィンチ27が設けられている。アーム支持部 材25には仮支持装置18が設けられている。仮支持装置18はアーム支持部材 25に上下方向に貫通して移動可能な昇降アーム29と、この昇降アーム29の 先端部には水平方向に張り出した支持アーム31と、支持アーム31の上部に上 方に突出して互いに所定の間隙を有して配設された3つの電線支持具33とから 構成されている。
【0021】 電線支持具33は4つのローラ35を矩形状に配設したものであり、これらの ローラ35に包囲された部分には空間部37が形成され、この空間部37に電線 Dを挿通させることで、電線Dが電線支持具33に支持される。尚、電線Dを電 線支持具33で支持しているか否かは、電線支持具33に設けられた光電スイッ チ(図示せず)や、4つのローラ35のうちの上部のローラ35を閉じた状態で 信号を出力するリミットスイッチ(図示せず)により判断することができる。昇 降アーム29の下端部には側方に突出するフック39が設けられ、ウィンチ27 から繰り出されるワイヤWがフック39に接続されている。
【0022】 次に、転倒防止装置を説明する。転倒防止装置41は、図2に示すように、起 伏角センサ43,伸長センサ45,旋回角センサ47からなるブーム位置検出器4 9と荷重センサ51と切替スイッチ53と把持検出器55と許容範囲メモリ57 と転倒規制モーメントメモリ59とコントローラ61とから構成されている。コ ントローラ61は、作動対象である伸縮ブーム9の作動源である起伏シリンダ1 1や、図示しない伸長シリンダ等を操作する操作装置19と作動対象である起伏 シリンダ11等に接続されている。
【0023】 操作装置19は図1に示す伸縮ブーム9や仮支持装置18を操作し、起伏角セ ンサ43は伸縮ブーム9の起伏角度を検出し、伸長センサ45は伸縮ブーム9の 伸長量を検出し、旋回角センサ47は伸縮ブーム9の旋回角度を検出する。これ らの検出値がコントローラ61に送られ処理されて伸縮ブーム9の先端部の位置 が算出される。荷重センサ51は伸縮ブーム9の先端部に作用する荷重を検出す るものであり、この荷重情報と起伏角センサ43と伸長センサ45の検出情報に 基づいてコントローラ61が伸縮ブーム9の先端部に作用するモーメントを算出 する。切替スイッチ53は通常の作業を行なうモード(以下、「通常作業モード 」と記す。)と仮支持作業を行なうモード(以下、「仮支持作業モード」と記す 。)間を相互に切り替える。
【0024】 把持検出器55は仮支持装置18が電線Dを把持しているか否かを検出し、許 容範囲メモリ57は伸縮ブーム9の先端部に定格荷重を作用させた状態で車体3 を転倒させずに伸縮ブーム9の先端部を移動できる安全作業領域を設定し、転倒 規制モーメントメモリ59は車両を転倒させずに伸縮ブーム9の先端部を移動で きる最大許容モーメントを設定する。コントローラ61は前述した伸縮ブーム9 の位置やモーメントの大きさを算出するとともに、これらの情報に基づいて伸縮 ブーム9の作動源である起伏シリンダ11等の作動を規制する。
【0025】 即ち、コントローラ61は切替スイッチ53が通常作業モードから仮支持作業 モードに切り替えられた状態において、把持検出器55により電線Dが仮支持さ れていないことを判定している場合には、ブーム位置検出手段49により検出さ れた伸縮ブーム9の先端部の位置が許容範囲メモリ57に設定された安全作業領 域を越える伸縮ブーム9の作動を規制し(以下、「角度規制」と記す。)、把持 検出器55により電線Dが仮支持されていることを判定している場合には、ブー ム位置検出手段49による伸縮ブーム9の先端部の位置と荷重センサ51による 伸縮ブーム9の先端部に作用する荷重からモーメントを算出し、この算出された モーメントが最大許容モーメントを越える伸縮ブーム9の作動を規制する(以下 、「モーメント規制」と記す。)。
【0026】 次に、仮支持装置18を使用して碍子の交換作業を行なう場合の第1の実施の 形態の転倒防止装置41の作用を図1及び図2に基づいて説明する。最初に、碍 子を交換する作業現場に伸縮ブーム9を車体3上に格納した状態の高所作業車1 を移動させた後に、図1に示すように、アウトリガジャッキ5を張り出して車体 3を安定支持する。そして、図示しない作業者が作業台15に搭乗し操作装置1 9を操作して旋回台7を旋回させるとともに、伸縮ブーム9を伸縮動且つ起伏動 させて、作業台15を電線Dの近くに移動させる。このとき図2に示す切替スイ ッチ53は通常作業モードに設定されているので、伸縮ブーム9は許容範囲メモ リ57に設定された安全作業領域内で移動する。即ち、作業者が操作装置19を 操作して伸縮ブーム9を作動させると、図2に示すブーム位置検出手段49によ り伸縮ブーム9の先端部の位置情報がコントローラ61に送られ、この位置情報 に基づいて伸縮ブーム9の先端部の位置をコントローラ61が算出する。そして 、伸縮ブーム9の先端部の位置が安全作業領域を越えようとした場合には、コン トローラ61が起伏シリンダ11等の作動を制御して伸縮ブーム9の作動を規制 する。このため、伸縮ブーム9は安全作業領域を越える作動が規制されるので、 車両の転倒を未然に防止することができる。
【0027】 伸縮ブーム9の先端部が作業現場の周辺に移動したならば、作業者は切替スイ ッチ53を通常作業モードから仮支持作業モードに切り替える。そして、作業者 が操作装置19を介して図1に示す角度調整器23を作動させて昇降アーム29 を略垂直方向に立設させ、支柱21を回動させ、ウィンチ27を作動させてワイ ヤ57を巻き上げ昇降アーム29を上昇させる。このとき、仮支持装置18は電 線Dを把持していない状態にあるので、図2に示す把持検出器55は電線Dの把 持情報を検出せず、伸縮ブーム9は転倒防止装置41による角度規制によって規 制されている。
【0028】 そして、図1に示す昇降アーム29が上昇して電線支持具33が電線Dの近傍 に移動したならば、電線支持具33により電線Dを把持し、電柱(図示せず) に設けられた碍子(図示せず)から電線Dを取り外した後に碍子を交換する。電 線Dを電線支持具33で把持すると、図2に示す把持検出器55が電線dの把持 情報を検出し、この把持情報がコントローラ61に受信される。そして、コント ローラ61がブーム位置検出手段49により検出された伸縮ブーム9の先端部の 位置と荷重センサ51により検出された伸縮ブーム9の先端部に作用する荷重か らモーメントを算出し、この算出されたモーメントが最大許容モーメントを越え ているか否かを判断し、越えていればコントローラ61が伸縮ブーム9の作動源 である起伏シリンダ11等の作動を規制する。即ち、最大許容モーメントを越え る方向の伸縮ブーム9の作動を規制する。このため、車両の転倒を未然に防止す ることができる。また、モーメントが許容転倒モーメントを越えていなければ、 コントローラ61は操作装置19による操作情報に基づいて伸縮ブーム9を作動 させる。
【0029】 第1の実施の形態の転倒防止装置41によれば、仮支持作業を行なっていると きは、作業範囲の規制を角度規制からモーメント規制に自動的に切り替えるので 、作業状態に応じた適切な作業範囲を提供することができる。尚、許容範囲メモ リ57に設定された安全作業領域の代わりに最大許容モーメントを設定すること ができる。この場合には、把持検出器55で電線Dが把持されていないときにモ ーメント規制を行なうようにする。
【0030】
【第2の実施の形態】 第2の実施の形態の転倒防止装置を図1及び図3を使用して説明する。第2の 実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の実施の 形態と同一態様部分については同一符号を付してその説明を省略する。第2の実 施の形態の転倒防止装置41は、図3に示すように、装着検出センサ81と姿勢 検出センサ83と作業範囲メモリ85とコントローラ87とを有している。
【0031】 装着検出センサ81は図1に示すアーム支持部材25に仮支持装置18の昇降 アーム29が装着されているか否かを検出し、姿勢検出センサ83は昇降アーム 29が略垂直状態に保持されているか否かを検出する。姿勢検出センサ83によ る姿勢検出は仮支持装置18が起立している状態をリミットスイッチで検出して もよいし、仮支持装置18に電線Dが把持されて垂直荷重が作用している状態を 検出してもよいし、仮支持装置18による電線Dの把持を検出してもよい。
【0032】 作業範囲メモリ85には通常の作業範囲と仮支持作業を行なう場合の仮支持作 業範囲とが設定されている。コントローラ87は、通常は、起伏角センサ43と 伸長センサ45と旋回角センサ47から構成されるブーム位置検出手段49によ り検出される伸縮ブーム9の先端部の位置が作業範囲メモリ85に設定された通 常の作業範囲を越える伸縮ブーム9の移動を規制し、また、装着検出センサ81 により仮支持装置18が伸縮ブーム9の先端部に装着されている装着情報が検出 され、且つ姿勢検出センサ83により仮支持装置18が伸縮ブーム9の先端部に 略垂直状態で保持されている姿勢情報が検出された場合には、伸縮ブーム9の先 端部の位置が仮支持作業範囲を越える伸縮ブーム9の移動をコントローラ87が 規制する。
【0033】 作業者が図1に示す操作装置19を操作すると、伸縮ブーム9が伸縮動、起伏 動及び旋回動して作業台15が作業現場の近くに移動する。このときコントロー ラ87が図3に示す作業範囲メモリ85から読み出した通常の作業範囲に基づい て伸縮ブーム9の駆動作動源である起伏シリンダ11等の作動規制を行なう。作 業台15が作業現場に近づくと、作業者が図1に示す仮支持装置18の昇降アー ム29をアーム支持部材25に装着するとともに、アーム支持部材25を揺動さ せて昇降アーム29を略垂直状態に保持する。これと同時に、図3に示す装着検 出センサ81と姿勢検出センサ83により装着情報と姿勢情報が検出され、これ らの情報に基づいてコントローラ87が作業範囲を通常の作業範囲から仮支持作 業範囲に自動的に切り替えて、仮支持作業範囲を越える作動対象である起伏シリ ンダ11等の作動を規制する。
【0034】 第2の実施の形態の転倒防止装置41によれば、装着検出センサ81による装 着情報と姿勢検出センサ83による姿勢情報に基づいてコントローラ87が作業 範囲を自動的に通常の作業範囲から仮支持作業範囲に切り替えるので、作業範囲 の切り替え忘れによる作業範囲の誤認を防止して作業効率の向上を図ることがで きる。また、作業範囲の切り替えスイッチが不要なので、操作装置19の操作パ ネル面の省スペース化を図ることができる。
【0035】
【第3の実施の形態】 次に、第3の実施の形態の転倒防止装置を図1及び図4を使用して説明する。 第3の実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の 実施の形態と同一態様部分については同一符号を付してその説明を省略する。第 3の実施の形態の転倒防止装置41は、図4に示すように、位置判定器89と位 置表示器91とコントローラ93を有している。位置判定器89は図1に示す伸 縮ブーム9の先端部の位置が許容範囲メモリ57に設定された安全作業領域内に あるか否かを判定する。位置表示器89は安全作業領域内に伸縮ブーム9の先端 部がある場合にこの状態を表示する機能を有している。コントローラ93は操作 装置19の操作情報に基づいて作動対象である起伏シリンダ11等の作動を制御 する。
【0036】 第3の実施の形態の転倒防止装置41によれば、伸縮ブーム9の先端部が作業 現場の近くに移動した状態で仮支持作業を行なう際に、位置表示器91により伸 縮ブーム9の先端部が安全作業領域内にあることを表示していれば、作業者がこ れを確認することで、仮支持作業を行なえる状態にあることを容易に判断して、 仮支持作業に移行することができる。また、位置表示器91が伸縮ブーム9の先 端部が安全作業領域を越えていることを表示していれば、作業者がこれを確認し て仮支持作業ができないことを容易に確認することができ、車両の転倒を未然に 防止することができる。更に、作業範囲の切り替え作業が不要なので切り替え作 業の間違え等による作業範囲の誤認を防止することができる。
【0037】
【第4の実施の形態】 次に、第4の実施の形態の転倒防止装置を図1及び図5を使用して説明する。 第4の実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の 実施の形態と同一態様部分については同一符号を付してその説明を省略する。第 4の実施の形態の転倒防止装置41は、図5に示すように、モーメント検出器9 5と仮支持判定器97と転倒規制モーメント補正器99とコントローラ101と を有している。モーメント検出器95は起伏シリンダ11のボトム圧を検出し、 このボトム圧と起伏角センサ43、伸長センサ45の検出値から伸縮ブーム9の 先端部に作用するモーメントを算出する。仮支持判定器97は図1に示す仮支持 装置18により仮支持作業が行なわれているか否かを判定するものであり、仮支 持作業中の検出は仮支持装置18の姿勢が略垂直状態になっていることを検出し てもよいし、仮支持装置18に作用する垂直荷重を検出してもよいし、作業範囲 の選択を仮支持モードに切り替えられた時点を検出するようにしてもよい。
【0038】 転倒規制モーメント補正器99は仮支持作業判定器97により仮支持作業が行 なわれている状態であると判定された場合に転倒規制モーメントメモリ59に設 定された許容転倒モーメントを縮小して補正する機能を有する。コントローラ1 01は、仮支持作業判定器97により仮支持作業が行なわれていない状態である と判定された場合には、モーメント検出器95により検出されるモーメントと転 倒規制モーメントメモリ59に設定される許容転倒モーメントとを比較して許容 転倒モーメントを越える伸縮ブーム9の作動源である起伏シリンダ11等の作動 を規制し、仮支持作業判定器97により仮支持作業が行なわれている状態である と判定された場合には、転倒規制モーメント補正器99により縮小補正された許 容転倒モーメントとモーメント検出器95により検出されるモーメントとを比較 して補正後の許容転倒モーメントを越える伸縮ブーム9の作動源である起伏シリ ンダ11等の作動を規制する。尚、転倒規制モーメント補正器99は許容転倒モ ーメントを縮小補正するが、モーメント検出器95により検出されるモーメント を拡大補正してもよい。
【0039】 作業者が操作装置19を操作すると、図1に示す伸縮ブーム9が伸縮動、起伏 動及び旋回動して作業台15が作業現場の近くに移動する。このときコントロー ラ101は転倒規制モーメントメモリ59に設定された最大許容モーメントとモ ーメント検出器95により検出されたモーメントとを比較して最大許容モーメン トを越える伸縮ブーム9の作動源である起伏シリンダ11等の作動を規制する。 作業台15が作業現場に到達して、作業者が仮支持作業を行なうために、仮支持 装置18の昇降アーム29をアーム支持部材25に装着し、アーム支持部材25 を揺動させて昇降アーム29を略垂直状態に保持すると、図5に示す仮支持作業 判定器97が仮支持作業中であることを判定する。そして、転倒規制モーメント 補正器99が最大許容モーメントを縮小補正し、コントローラ101がこの縮小 補正された最大許容モーメントとモーメント検出器95により検出されるモーメ ントを比較して補正後の最大許容モーメントを越える伸縮ブーム9の作動源であ る起伏シリンダ11等の作動を規制する。
【0040】 第4の実施の形態の転倒防止装置41によれば、仮支持作業が行なわれている ときのみ、最大許容モーメントの値を補正しこの補正後の最大許容モーメントに 基づいて伸縮ブーム9の作動源である起伏シリンダ11等の作動が規制されるの で、仮支持作業を考慮した作業範囲では実際に仮支持作業をしていないときでも 作業範囲が必要以上に狭くなっていた従来と比較して、通常作業と仮支持作業の それぞれについて最適な作業範囲を提供することができ、作業効率の向上を図る ことができる。
【0041】
【第5の実施の形態】 次に、第5の実施の形態の転倒防止装置を図1及び図6〜図8を使用して説明 する。第5の実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、 第1の実施の形態と同一態様部分については同一符号を付してその説明を省略す る。第5の実施の形態の転倒防止装置41は、図6に示すように、作業指定器6 3と作業範囲メモリ65と作業範囲選択器67と作業範囲表示器69とコントロ ーラ61を有している。
【0042】 作業指定器63は複数種の作業のいずれか一つの作業を選択して指示するもの であり、作業指定器本体71と操作状態判定器73とモード数変化器75とを有 している。図7(a)は作業指定器63の概略構成図を示し、同図(b)は作業 指定器本体71の操作状態を示し、図8は作業指定器63により指定するこがで きる作業内容を示している。図7(a)が示すように、作業指定器本体71は2 つの接点を有するスイッチであり、スイッチ部77と接点部79とから構成され ている。接点部79は第1接点79aと第2接点79bとを有している。スイッ チ部77を作業者が操作することで、スイッチ部77が第1接点79a又は第2 接点79bに接続できるように構成されている。
【0043】 スイッチ部77を第1接点79aに接続させると、同図(b)に示すように、 第1接点79aがON信号、第2接点79bがOFF信号になって作業指定器6 3が非操作状態になり、また、スイッチ部77を第1接点79bに接続させると 、第1接点79aがOFF信号、第2接点79bがON信号になって作業指定器 63が操作状態になる。さらに、第1接点79aがON信号又はOFF信号、第 2接点79bがON信号又はOFF信号になると作業指定器63が故障状態であ ることを示す。即ち、第1接点79aがON信号で第2接点79bがON信号の 場合とはスイッチ部77と接点部79が短絡した状態であり、第1接点79aが OFF信号で第2接点79bがOFF信号の場合とはスイッチ部77と接点部7 9が断線した状態を示す。作業者が作業指定器本体71を操作して作業指定器6 3を非操作状態から操作状態にすると、同図(a)に示すように、操作状態判定 器73が非操作から操作状態に変化したことを判定し、モード数変化器75がモ ード数の変化を許容して図8に示すモード数を1にする。そして、作業者が作業 指定器本体71をさらに操作して作業指定器63を操作状態にするとモード数変 化器75を介してモード数を増加させて2になり、同様に作業者が作業指定器本 体71を操作するとモード数が3になり、さらに、作業者が作業指定器本体71 を操作するとモード数は1に帰還し、以降2→3→1→2→3を繰り返す。尚、 モード数変化器75はモード数をループ方式で繰り返すが、1→2→3→2→1 →2→3のようにバック方式にすることもできる。
【0044】 モード数は作業内容に対応しており、モード数1はバケット作業に対応し、モ ード数2は仮支持作業に対応し、モード数3は変圧器の押し上げ作業に対応して いる。ここでモード数は1,2,3のような整数値の他に、A,B,Cのような互い に相違する文字や記号にすることができる。
【0045】 従って、作業指定器63が操作されて操作状態になるとモード数が変化してこ のモード数に対応した作業内容を選択することができる。
【0046】 図6に示す作業範囲メモリ65にはバケット作業と仮支持作業と変圧器の押し 上げ作業の各作業の作業範囲が設定されている。バケット作業とは作業者が作業 台15に搭乗して行なう高所作業をいい、変圧器の押し上げ作業とは電柱の上方 等に設けられた変圧器を上方に押し上げて取り外す作業等をいう。仮支持作業は 前述したのでその説明は省略する。作業範囲選択器67はモード数変化器75を 介して決定されたモード数に対応し作業範囲メモリ65に設定された作業範囲を 選択する機能を有している。この選択された作業範囲はコントローラ61に送ら れるとともに、作業範囲表示器69がその内容を表示する。作業範囲の表示は文 字情報で表示される。尚、文字情報の他、線図やこれらの組み合わせで表示する ことができる。
【0047】 作業者が操作装置19を操作すると、図1に示す伸縮ブーム9が移動して作業 台15が作業現場の近くに移動する。このときの伸縮ブーム9の作動規制は角度 規制である。作業台15が作業現場に到達すると、作業者が図6に示す作業指定 器63の作業指定器本体71を操作して作業内容を選択指示する。そして、作業 範囲選択器67が作業指定器63で選択指示された作業内容に対応した作業範囲 を作業範囲メモリ65から選択し、これがコントローラ61に送信されるととも に、作業範囲表示器69によりこの作業範囲が表示される。コントローラ61は この作業範囲を越える作動対象である起伏シリンダ11等の作動を規制する。
【0048】 第5の実施の形態の転倒防止装置41によれば、作業指定器63が短絡や断線 等の故障状態にある場合には作業指定器63のモード数は変化しない。このため 、作業者の意図しない作業範囲の切り替えを未然に防止することができる。また 、複数の作業指定装置やこれに関係する配線が必要であった従来技術と比較して 、1つの作業指定器63で複数種の作業のいずれを指定することができ、図1に 示す作業台15に設けた操作装置19のパネル設計を容易にすることができる。
【0049】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案における仮支持装置を有した作業車の転倒防止装 置によれば、仮支持判定手段により仮支持の状態でないと判定されたときには、 安全作業領域を越える伸縮ブームの作動が規制され、仮支持判定手段により仮支 持の状態であると判定されたときには、伸縮ブームの先端部に作用する車両転倒 モーメントが許容転倒モーメントを越える伸縮ブームの作動を規制することで、 作業状態に応じた作業範囲を適切に切り替えることができ、作業効率を向上させ ることができるとともに、車両の転倒防止を未然に防止することができる。
【0050】 また、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置によれば、仮支持装 置装着検出手段による装着情報と姿勢検出手段による姿勢情報の少なくともいず れかの情報が検出されない場合には、許容作業範囲設定手段に設定され作業車が 行なう複数種の作業のいずれか一つの許容作業範囲を越える伸縮ブームの移動を 作動規制手段が規制し、仮支持装置装着検出手段により仮支持装置が伸縮ブーム の先端部に装着されている装着情報が検出され、且つ姿勢検出手段により仮支持 装置が伸縮ブームの先端部に略垂直状態で保持されている姿勢情報が検出された 場合には、許容作業範囲設定手段に設定され仮支持装置が行なう作業の許容作業 範囲を越える伸縮ブームの移動を作動規制手段が規制することで、作業者が選択 スイッチを使用して作業範囲を切り替えていた従来技術と比較して切り替え忘れ による作業範囲の誤認を防止して、作業効率を向上させることができる。
【0051】 更に、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置によれば、伸縮ブー ムの現状位置が安全作業領域の範囲内にあると位置判定手段が判定すると、この 判定結果が判定結果表示手段により表示されるので、作業者がこの表示内容を確 認することで、現状位置で仮支持作業を行なえることを容易に判断することがで き、また、仮支持作業等を行なうときに、作業範囲の切り替え作業を行なってい た従来技術と比較してこの切り替え作業を不要とするので作業効率の向上を図る ことができるとともに、作業範囲の誤認を防止することができる。
【0052】 また、本発明の仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置によれば、仮支持作 業を考慮した許容作業範囲は必要以上に作業範囲を狭くして作業効率を低下させ るので、最適な作業範囲ではないが、仮支持作業判定手段が仮支持作業をしてい ることを判定したときは許容転倒モーメントを補正して補正後の許容転倒モーメ ントを基準にして伸縮ブームの作動を規制することで、通常作業や仮支持作業の それぞれについて最適な作業範囲を提供することができ、作業効率の向上を図る ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施の形態における転倒防止装
置を搭載した高所作業車の斜視図を示す。
【図2】本考案の第1の実施の形態における転倒防止装
置のブロック図を示す。
【図3】本考案の第2の実施の形態における転倒防止装
置のブロック図を示す。
【図4】本考案の第3の実施の形態における転倒防止装
置のブロック図を示す。
【図5】本考案の第4の実施の形態における転倒防止装
置のブロック図を示す。
【図6】本考案の第5の実施の形態における転倒防止装
置のブロック図を示す。
【図7】本考案の第5の実施の形態における転倒防止装
置の作業指定器を示し、同図(a)は作業指定器の概略
構成図であり、同図(b)は作業指定器の作動内容を示
す図である。
【図8】本考案の第5の実施の形態における転倒防止装
置の作業指定器のモード数に対応する作業内容を示す図
である。
【符号の説明】
1 高所作業車(作業車) 3 車体 9 伸縮ブーム 18 仮支持装置 41 転倒防止装置 49 ブーム位置検出器(ブーム位置検出手段) 51 荷重センサ(荷重検出手段) 55 把持検出器(仮支持判定手段) 57 許容範囲メモリ(安全作業領域設定手段) 59 転倒規制モーメントメモリ(許容転倒モーメント
メモリ) 61,87,101 コントローラ(作動規制手段) 81 装着検出センサ(仮支持装置装着検出手段) 83 姿勢検出センサ(姿勢検出手段) 85 作業範囲メモリ(許容作業範囲設定手段) 89 位置判定器(位置判定手段) 91 位置表示器(判定結果表示手段) 95 モーメント検出器(モーメント検出手段) 97 仮支持判定器(仮支持作業判定手段) 99 転倒規制モーメント補正器(転倒モーメント補正
手段) D 電線(架空ケーブル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 旭 群馬県利根郡新治村大字東峰須川414−1 株式会社アイチコーポレーション 新治 工場内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体上に伸縮動且つ起伏動自在に設けら
    れた伸縮ブームの先端部に取り付けられて前記車体の上
    方に架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を
    有した作業車の転倒防止装置であって、 前記伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検
    出手段と、 前記伸縮ブームの先端部に作用する荷重を検出する荷重
    検出手段と、 前記仮支持装置に前記架空ケーブルが仮支持されたか否
    かを判定する仮支持判定手段と、 前記伸縮ブームの先端部に定格荷重を作用させた状態で
    前記車体を転倒させずに前記伸縮ブームの先端部を移動
    できる安全作業領域を設定する安全作業領域設定手段
    と、 前記仮支持判定手段により前記架空ケーブルが仮支持さ
    れていないことを判定している場合には、前記ブーム位
    置検出手段により検出された前記伸縮ブームの先端部の
    位置が前記安全作業領域設定手段により設定された前記
    安全作業領域を越える前記伸縮ブームの作動を規制し、
    前記仮支持判定手段により前記架空ケーブルが仮支持さ
    れていることを判定している場合には、前記ブーム位置
    検出手段により検出された前記伸縮ブームの先端部の位
    置と前記荷重検出手段により検出された前記伸縮ブーム
    の先端部に作用する荷重から車両転倒モーメントを算出
    し、この算出された車両転倒モーメントが許容転倒モー
    メントを越える前記伸縮ブームの作動を規制する作動規
    制手段とを有することを特徴とする仮支持装置を有した
    作業車の転倒防止装置。
  2. 【請求項2】 車体上に伸縮動且つ起伏動自在に設けら
    れた伸縮ブームの先端部に取り付けられて前記車体の上
    方に架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を
    有して複数種の作業が可能な作業車の転倒防止装置であ
    って、 前記仮支持装置が前記伸縮ブームの先端部に装着されて
    いるか否かを検出する仮支持装置装着検出手段と、 前記仮支持装置が前記伸縮ブームの先端部に略垂直状態
    で保持されているか否かを検出する姿勢検出手段と、 前記車体を転倒させずに前記仮支持装置による作業又は
    前記作業車が行なう複数種の作業の各許容作業範囲を設
    定する許容作業範囲設定手段と、 前記仮支持装置装着検出手段による前記仮支持装置の装
    着情報と前記姿勢検出手段による前記仮支持装置の姿勢
    情報の少なくともいずれかの情報が検出されない場合に
    は、前記許容作業範囲設定手段に設定され前記作業車が
    行なう複数種の作業のいずれか一つの許容作業範囲を越
    える前記伸縮ブームの移動を規制し、前記仮支持装置装
    着検出手段により前記仮支持装置が前記伸縮ブームの先
    端部に装着されている装着情報が検出され、且つ前記姿
    勢検出手段により前記仮支持装置が前記伸縮ブームの先
    端部に略垂直状態で保持されている姿勢情報が検出され
    た場合には、前記許容作業範囲設定手段に設定され前記
    仮支持装置が行なう作業の許容作業範囲を越える前記伸
    縮ブームの移動を規制する作動規制手段とを有すること
    を特徴とする仮支持装置を有した作業車の転倒防止装
    置。
  3. 【請求項3】 車体上に伸縮動且つ起伏動自在に設けら
    れた伸縮ブームの先端部に取り付けられて前記車体の上
    方に架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を
    有した作業車の転倒防止装置であって、 前記伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検
    出手段と、 前記伸縮ブームの先端部に定格荷重を作用させた状態で
    前記車体を転倒させずに前記伸縮ブームの先端部を移動
    できる安全作業領域を設定する安全作業領域設定手段
    と、 前記ブーム位置検出手段による前記伸縮ブームの先端部
    の位置が前記安全作業領域設定手段に設定された安全作
    業領域内にあるか否かを判定する位置判定手段と、 前記位置判定手段による判定結果を表示する判定結果表
    示手段とを有することを特徴とする仮支持装置を有した
    作業車の転倒防止装置。
  4. 【請求項4】 車体上に伸縮動且つ起伏動自在に設けら
    れた伸縮ブームの先端部に取り付けられて前記車体の上
    方に架設された架空ケーブルを仮支持する仮支持装置を
    有した作業車の転倒防止装置であって、 前記伸縮ブームの先端部の位置を検出するブーム位置検
    出手段と、 前記伸縮ブームの先端部に作用するモーメントを検出す
    るモーメント検出手段と、 前記仮支持装置により仮支持作業が行なわれていない場
    合であって前記車体を転倒させる方向に作用する許容転
    倒モーメントを設定する許容転倒モーメント設定手段
    と、 前記仮支持装置により仮支持作業が行なわれているか否
    かを判定する仮支持作業判定手段と、 前記仮支持作業判定手段により仮支持作業が行なわれて
    いる状態であると判定された場合には前記許容車両転倒
    モーメント設定手段に設定された許容車両転倒モーメン
    トを縮小して補正する転倒モーメント補正手段と、 前記仮支持作業判定手段により仮支持作業が行なわれて
    いない状態であると判定した場合には、前記モーメント
    検出手段により検出されるモーメントと前記許容転倒モ
    ーメント設定手段に設定される許容転倒モーメントとを
    比較して許容転倒モーメントを越える前記伸縮ブームの
    作動を規制し、前記仮支持作業判定手段により仮支持作
    業が行なわれている状態であると判定した場合には、前
    記転倒モーメント補正手段により縮小補正された許容転
    倒モーメントと前記モーメント検出手段により検出され
    るモーメントとを比較して補正後の許容転倒モーメント
    を越える前記伸縮ブームの作動を規制する作動規制手段
    とを有することを特徴とする仮支持装置を有した作業車
    の転倒防止装置。
JP1998008530U 1998-10-29 1998-10-29 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置 Expired - Lifetime JP3058764U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1998008530U JP3058764U (ja) 1998-10-29 1998-10-29 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1998008530U JP3058764U (ja) 1998-10-29 1998-10-29 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3058764U true JP3058764U (ja) 1999-06-22

Family

ID=43192653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1998008530U Expired - Lifetime JP3058764U (ja) 1998-10-29 1998-10-29 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3058764U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011223815A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Aichi Corp 仮支持工法車の制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011223815A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Aichi Corp 仮支持工法車の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111825032A (zh) 一种面向折叠臂高空作业车的预作业位识别及自动展开控制系统及方法
JPH08100411A (ja) 壁背面点検車
JP3058764U (ja) 仮支持装置を有した作業車の転倒防止装置
JP3791724B2 (ja) ブームを備えた作業車における作業範囲規制装置
JP3949536B2 (ja) 高所作業車の制御装置
JP2002265199A (ja) 作業用車両の安全装置
JP2001097697A (ja) 作業車の故障検出装置
JP3819133B2 (ja) ブームの横方向力算出装置
JP3059445U (ja) 高所作業車
KR101653773B1 (ko) 콘크리트 펌프 트럭의 전복 방지를 위한 붐 제어 장치 및 그 제어 방법
JP2528319Y2 (ja) 高所作業車の自動格納装置
JP3784042B2 (ja) ジャッキ作動制御装置
JP3703244B2 (ja) アウトリガを有する作業車の自動水平張り出し方法
JP2003226492A (ja) 高所作業車における作業台の水平制御装置
JP3658183B2 (ja) 高所作業車の規制制御装置
JP2004035212A (ja) 上部電源自動入切装置
JP2001063990A (ja) ブーム作業車
JP3600774B2 (ja) 高所作業車のアウトリガ作動制御装置
JP2002087792A (ja) 作業機の制御装置
JP2544964Y2 (ja) 高所作業車のブーム干渉防止装置
JPH11157794A (ja) 荷重支持作業用高所作業車の作業範囲設定装置
KR20160101236A (ko) 콘크리트 펌프 트럭의 전복 방지를 위한 붐 제어 장치
JP3336364B2 (ja) ブーム式作業車の安全装置
JPH0724391Y2 (ja) 作業装置の作動規制装置
JPS6147799B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term