JP3058267U - 発泡合成樹脂成形容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋部材の回動を利用し、冷気流通による予冷
効果を高め、冷凍効率を向上せしめると共に、内容物の
視認をも容易ならしめる。 【解決手段】 底面と、該底面外周より起ち上がる円筒
状側壁を有し、上面が開口された有底円筒状の発泡合成
樹脂容器本体１と、該容器本体１の前記上面開口部を蓋
止する円形蓋部材２からなっており、容器本体１の円筒
状側壁上部と、該容器本体に蓋止め連結される蓋部材２
の対向部とを互いに嵌合係止３、４、５、６して回動可
能に形成すると共に、該嵌合部５、６の容器本体１上部
と蓋部材２の対向部に通気空隙７、８を所要の回動によ
って容器本体内外を連通し、位置をずらすことによって
封止される如く設けた構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は野菜箱、魚箱などに使用される発泡合成樹脂製の成形容器に係り、特 に冷蔵庫内で予冷するのに適した上記成形容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、魚類や野菜類を収納して冷蔵庫で保存するために魚箱、野菜箱などの発 泡合成樹脂製の成形容器が広く用いられており、これらは蓋止して送られて来る ため、内容物を確認し、その内部状況を知見しようとすれば、一々、蓋を開けて 確認しなければならない有様である。 そこで、容器の内容物を視認するため蓋などに一部、小さな窓を設けることが 行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のように蓋などに小さな窓を設けたものは内部に収納した内容物 の視認はできるとしても、蓋の開閉のみによる成形容器では野菜等を収容して冷 蔵庫に予冷しようとする場合、蓋を閉めたまま入れなければならず、折角冷蔵庫 内に入れても成形容器のもつ断熱性により冷蔵庫内の冷気流通による効果は得る ことができず、冷蔵効率上の損失を免れなかった。

【０００４】 本考案は上述の如き実状に対処し、特に蓋の回動による容器内外の連通と閉止 を見出すことにより蓋を若干回動して冷蔵庫に入れ、断熱保温時、再び回動して 閉止するようにして冷気流通による予冷効果を高め、冷凍効率を向上せしめると 共に、内容物の視認をも容易ならしめることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案成形容器の特徴は、底面と、該底面外周より 起ち上がる円筒状側壁を有し、上面が開口された有底円筒状の発泡合成樹脂容器 本体と、該容器本体の前記上面開口部を蓋止する円形蓋部材からなり、容器本体 の円筒状側壁上部と、該容器本体に蓋止め連結される蓋部材の対向部とは互いに 嵌合係止して回動可能に形成されていると共に、該嵌合部の容器本体上部と蓋部 材の対向部には通気空隙が所要の回動によって容器本体内外を連通させ、位置を ずらすことによって封止可能に設けられている構成にある。

【０００６】

【作用】

上記本考案に係る成形容器は、冷凍にする前の冷蔵段階において、魚、野菜な どを収容して、蓋部材と容器本体との嵌合部を回動し、両者の通気空隙の位置を 合致させて連通空隙を通じて冷蔵庫内の冷気は容器内に流入し、容器内に収容し た魚、野菜等を冷蔵温度に近づけ、冷凍前の予冷が効果的に行われる。

【０００７】 そして、所定の予冷が完了し、その後の工程に進む場合は、容器を冷蔵庫より 取り出し、蓋部材を回動して容器本体の通気空隙との連通位置をずらすと、容器 内部は密閉され、断熱保温下で冷蔵状態を保持して、冷凍工程、あるいは使用段 階に移送される。

【０００８】 以上のように蓋部材を回動することにより内容物を確認し、冷気の容器内への 流入を良好ならしめると共に、取り出し後の係止により外部の断熱効果を促す作 用を奏する。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、更に添付図面を参照し、本考案の具体的な実施の態様を説明する。

【００１０】 図１乃至図６は本考案成形容器の１実施例であり、図において１は底面と、該 底面より起ち上がる円筒状側壁を有し、上面が開口された発泡ポリスチレンの如 き発泡合成樹脂からなる有底円筒状の容器本体、５は同容器本体１の円筒状側壁 上部にあって後述の蓋部材２に嵌入される容器本体側嵌合部、２は上記容器本体 １の上面開口部を蓋止めする蓋部材、６は上記容器本体側嵌合部５に対向し、該 嵌合部５に蓋止め嵌合される蓋部材２側の嵌合部である。

【００１１】 そして、上記容器本体側の嵌合部５は通常、図示のように環状をなして容器本 体１の上面に突出形成されており、断面がきのこ状に先端膨大化３し、蓋部材２ の対向する部分に環状で前記先端膨大化３した容器本体１の嵌合部５を受け入れ る環状溝４に嵌入し、係止されて互いに周方向に回動が可能となっている。

【００１２】 しかして、上記構成からなる成形容器において、容器本体１の嵌合部５及び蓋 部材２の嵌合部６には夫々通気空隙７、８が形成されており、これら通気空隙７ 、８は蓋部材２を容器本体１に対し所要範囲回動するとき、位置が合致して容器 本体１の内外を通気連通させる一方、正逆何れかへ回動するとき、両通気空隙７ 、８の位置がずれ、連通が閉止されるように配置されている。

【００１３】 この通気空隙７、８は夫々１個でもよいが、連通による通気効果よりして複数 が望ましく、図示例で一応、等間隔で４個設けられている。 この場合、４個の通気空隙が一斉に通気連通する必要はなく、冷気の流通程度 により適宜、連通空隙数又は連通位置を加減せしめることも可能である。

【００１４】 かくして、蓋部材２を容器本体１に嵌合させ、膨大化３した係止嵌合部５を環 状溝からなる蓋部材２の係止嵌合部４に嵌入せしめた状態で、両通気空隙７、８ を不一致として密閉し、この状態で搬送を行い、所要の場所に至ると、蓋部材２ を回動させて両通気空隙の位置を合致させて、内部に収容された内容物を適宜、 確認し、蓋部材２と容器本体１の通気空隙を合致させたまま冷蔵庫に入れると、 通気空隙より庫内の冷気が流入し、内容物が冷却される。

【００１５】 次にこの予め冷却した魚、野菜などを冷凍に付すとき、あるいは冷蔵庫より取 り出し他へ移送するときは、蓋部材を回し、通気空隙をずらした状態として断熱 すれば冷気が維持されて効率は向上する。

【００１６】 図７〜図１２は本考案成形容器の第２実施例の嵌合部平面図、通気連通状態、 通気遮断状態を示す図であり、容器本体１の通気空隙７と蓋部材２の通気空隙８ の配置、形状等を異ならしめたものである。 これら各図における各符号は前述した図１乃至図６の各符号と同一部分は同一 符号で示しており、底面と、該底面外周より起ち上がる円筒状側壁を有し、上面 が開口された有底円筒状の発泡合成樹脂容器本体１と、該容器本体１の前記上面 開口部を蓋止する円形蓋部材２からなっていて、容器本体１の円筒状側壁上部と 、該容器本体１に蓋止め連結される蓋部材２の対向部とが互いに係止嵌合３、４ して回動可能となっていると共に、互いの嵌合部５、６の容器本体１上部と蓋部 材２の対向部には通気空隙７、８が所要の回動によって容器本体内外を連通させ 、位置をずらすことによって閉止可能に設けられていることは前記各図と同様で ある。 なお、各通気空隙７、８の配置、形状は図示例に限らず、その目的を逸脱しな い限りにおいて、更に種々の変形が可能であることは勿論である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のように、有底円筒状の発泡合成樹脂容器本体と、蓋部材からな る成形容器において、容器本体の対向する一方の両側壁上面と、該上面に対応す る蓋部材の対向面に互いに嵌着可能な嵌合係止部を設けて嵌合係止すると共に、 容器本体と蓋部材を互いに回動可能となし、両者の回動により連通させ、又は連 通閉止する通気空隙を設けたものであり、従来、蓋部材の開閉のみで内部に収納 した内容物を視認するときは蓋を開けなければならないと共に、外部との通気に 際しては蓋を開け又は窓あるいは穴を蓋部材に設ける必要があって、断熱保温効 果に難点があり、冷蔵庫内における予冷などの冷気効率的流通と内容物の視認の 双方の要求を同時に満足できるものは見られなかったが、本考案は蓋部材の回動 により位置をずらすのみで、通気空隙を連通させ、内容物の視認を容易に行うこ とができると共に、その状態で連通した空隙を通じて冷気の流通を容易ならしめ ることができるため、前記双方の要求を同時に満足できる実用上の効果があり、 しかも、回動位置をかえて容器本体と外部との連通を閉止遮断して容器内の断熱 保温を充分保持し得るので、冷凍に先立ち、冷蔵庫内で予冷する場合の如き予冷 効果ならびにその後の冷凍効率を促進する効用は極めて大きく、従来の成形容器 に比し格段の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案成形容器の第１の実施例に係る容器本体
嵌合部の平面図である。

【図２】図１の成形容器の分解正面図である。

【図３】図１の成形容器の通気空隙連通時の平面図であ
る。

【図４】図１の成形容器の通気空隙連通時の正面図であ
る。

【図５】図１の成形容器で蓋部材を回動し、通気を遮断
した状態の平面図である。

【図６】図５の正面図である。

【図７】本考案の第２の実施例に係る成形容器の嵌合部
平面図である。

【図８】図７の成形容器の分解正面図である。

【図９】図７の成形容器の通気空隙を合致連通させた状
態の平面図である。

【図１０】図９の正面図である。

【図１１】図７の成形容器の通気空隙をずらした状態の
平面図である。

【図１２】図１１の正面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋部材 ３ 容器本体の係止嵌合部 ４ 蓋部材の係止嵌合部 ５ 容器本体の嵌合部 ６ 蓋部材の嵌合部 ７ 通気空隙 ８ 通気空隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面と、該底面外周より起ち上がる円筒
   状側壁を有し、上面が開口された有底円筒状の発泡合成
   樹脂容器本体と、該容器本体の前記上面開口部を蓋止す
   る円形蓋部材からなり、容器本体の円筒状側壁上部と、
   該容器本体に蓋止め連結される蓋部材の対向部とは互い
   に嵌合係止して回動可能に形成されていると共に、該嵌
   合部の容器本体上部と蓋部材の対向部には通気空隙が所
   要の回動によって容器本体内外を連通させ、位置をずら
   すことによって閉止可能に設けられていることを特徴と
   する発泡合成樹脂成形容器。