JP3057732U - 掘削バケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この考案は、岩礫等が格子穴を通り抜ける際
に、格子穴を囲む部分と衝合しても、その負荷を逃がす
ように、枠の部分を回転自在なローラにした掘削バケッ
トに関する。 【解決手段】 バケットの内底部に沿って縦方向に延び
る縦部材が板状からなって、板厚側が上下となり広面側
が左右となるように配置して横方向に等間隔に複数並
べ、バケットの内底部に沿って横方向に延びる横部材が
杆状からなって、前記縦部材の広面を貫通して縦方向に
等間隔に複数並べて、縦枠部と組み合わさって多数の同
一の大きさに設定された格子穴を有する格子部を形成し
てなり、横部材で、縦部材に仕切られた格子部の格子穴
を囲む部分に筒体を外嵌して正逆方向に回転自在なロー
ラとしたので、格子枠を通過する物体との摩擦を軽減す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、選別用の格子部を備えた掘削バケットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の油圧ショベル等の建設機械において、そのバケットに篩い分け用の格子 部を備えた種々構成が知られている。 この従来のバケットにおいて、格子部は、バケットの内底部に縦部材と横部材 を直角に交差させて矩形の枠としており、縦部材と横部材とはそれぞれが固定さ れている。 そのため、格子穴を通過する岩礫等が格子穴を囲む枠の部分とぶつかり、擦れ て、前記縦部材や横部材が損傷しやすい欠点がある。 また、実開平２−２９９４３号や実開平３−４６０４５号のように格子の枠部 材に歯車を設けて回転させる構成も知られているが、これらの歯車は駆動装置に より一定方向に回転するのみで、正逆に自由に回転することがないので、前記と 同様に岩礫等の摩擦力は軽減されることがない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は上記事情に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、岩 礫等が格子穴を通り抜ける際に、格子穴を囲む部分と衝合しても、その負荷を逃 がすように、枠の部分を回転自在なローラにした掘削バケットを提供することに ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、前記課題を解決するために、請求項１の考案では、 油圧ショベル等の作業機のアームに着脱自在に取り付けられて内底部に岩礫等 の選別用の格子部を備えた掘削バケットにおいて、 格子部が縦部材とこれと交差する横部材との組み合わせからなっており、 掘削バケットの篩う方向と交差する方向に配置された横部材または縦部材で、 縦部材または横部材で仕切られて格子部の格子穴を囲む部分を回転自在なローラ に形成して、格子穴を通過する物体との摩擦を軽減してなる、という技術的手段 を講じている。

【０００５】 また、請求項２の考案では、 バケットの内底部に沿って縦方向に延びる縦部材が板状からなって、板厚側が 上下となり広面側が左右となるように配置して横方向に等間隔に複数並べ、 バケットの内底部に沿って横方向に延びる横部材が杆状からなって、前記縦部 材の広面を貫通して縦方向に等間隔に複数並べて、縦枠部と組み合わさって多数 の同一の大きさに設定された格子穴を有する格子部を形成し、 横部材で、縦部材に仕切られた格子部の格子穴を囲む部分に筒体を外嵌して正 逆方向に回転自在なローラとなす、という技術的手段を講じている。

【０００６】 更に、請求項３の考案では、 作業機のアームを取り付けるブラケットを中途位置に有する筒状の横架部材と 、 該横架部材の両端にそれぞれ基端側を固着した左右一対のサイドプレートと、 該サイドプレートの先端側に両端が固着されたエッジ板とからなって、 横架部材と左右のサイドプレートとエッジ板とで囲繞された部分をバケットの 内底部となし、 縦部材を横架部材とエッジ部との間に掛け渡して固着し、横部材を左右のサイ ドプレート間に掛け渡して固着してなる、という技術的手段を講じている。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に、この考案の掘削バケットの好適実施例について図面を参照して説明す る。 図１に示す掘削バケット１は、作業機の一例として示す油圧ショベル２０に用 いられるもので、図６に示すように、ブーム２１に枢着されたアーム２２の先端 に枢着されている。

【０００８】 この掘削バケット１は、図１〜図５に明瞭なように、前記アーム２２やリンク を取り付けるブラケット８を中途位置に立設した筒状の横架部材２と、該横架部 材２の両端にそれぞれ基端側を固着した左右一対のサイドプレート３，３と、該 サイドプレート３、３の先端間に両端が固着されたエッジ板４とからなって、前 記横架部材２と左右のサイドプレート３、３とエッジ板４とで囲繞された内底部 Ｓに格子部１０を形成している。 尚、本実施例において、エッジ板４の先端にはカッティングエッジ５が形成さ れており、且つその先端にはツース６が等間隔に取り付けられている。

【０００９】 次ぎに、前記格子部１０は、縦部材１１とこれと交差する横部材１２との組み 合わせからなっている。 ここで、縦部材１１は、板状からなって、板厚側が上下となり、広面側が左右 となるようにして内底部Ｓに沿って縦に配置し、この縦部材１１をバケット横幅 方向に等間隔に複数を平行に並べて、それぞれの基端を横架部材２に固着し、先 端をエッジ板４に固着している。

【００１０】 横部材１２は、丸棒等の杆状からなって、内底部Ｓに沿って横に配置されるが 、その際に前記縦部材１１の広面に形成された穴を貫通し、平行に並ぶ他の縦部 材１１の同軸線上に整合した穴を同様に貫通して、全ての縦部材１１と交差させ るようになっている。 このように横部材１２はバケット縦方向に等間隔に複数を平行に並べて、全て の縦部材１１に貫通させ交差させて、それぞれの両端を左右のサイドプレート３ 、３に固着するようになっている。

【００１１】 前記縦部材１１と横部材１２の組み合わせにより、同一形状の格子穴９を多数 有する格子部１０が形成される。 ここで、横部材１２で、縦部材１１に仕切られた格子部１０の格子穴９を囲む それぞれの部分には、丸パイプからなる筒体１３が外嵌されるので、正逆方向に 回転自在なローラＲが横部材１２に多数、回転自在に形成される。 ここで、ローラＲの上端と、縦部材１１の上端とはほぼ同一の位置に配置され ている。

【００１２】 上記構成からなるので、筒体１３の装着時には、順次に縦部材１１の穴１４を 貫通して次ぎに隣接する縦部材１１に向かう横部材１２の先端に筒体１３を嵌込 み、該先端を次の縦部材１１の穴１４に貫通させることによって、筒体を軸支し たローラが形成される。 このようにして、横部材１２で縦部材１１によって仕切られた個所にはいずれ も筒体１３が嵌め込まれてローラＲが構成される（図３参照）。

【００１３】 上記構成からなっているので、図５で示すように、格子穴９を通過しようとす る岩礫等は、格子穴９を囲む部分に衝合するが、その際に、縦部材１１は、表面 に薄い肉厚部分が表れるので、接触面積が狭くなっており、横部材１２にはロー ラＲが形成されているので、図５に示すように岩礫等の落下する方向に沿って回 転して、衝撃力を低減させることができる。

【００１４】 上記実施例では、バケットを掬う方向または振動装置等によって格子を篩う方 向に縦部材１１が延出しており、これと交差する方向に横部材１２が設けられて いるので、岩礫等をスムーズに落下させることができる。 掘削バケットは、振動装置によって、縦方向に振動する構成でもよく、その場 合に、格子部は、横方向に板状の部材が設けられ、これと交差する縦方向にロー ラが配置されることが好ましく、この場合は、前記実施例の縦部材と横部材の配 置が逆となり、ローラを縦方向に設けることになる。 また、上記実施例では油圧ショベルに用いる掘削バケットを例示したが、その 他の建設機械等の作業機に用いる掘削バケットであってもよい。 また、ローラは、杆状の部材にパイプ等の円筒体を外嵌した構成を例示したが 、その他の公知のローラ構成としてもよい。 要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案は、上記のように、岩礫等を選別する際に、格子穴を囲む部分の横方 向または縦方向にローラを設けて、格子穴を通過する岩礫等の衝撃を低減させる ようにしたので、耐久性が高まると共に、衝撃音も減少させることができる。 また、ローラが、横部材に筒体を外嵌させる構成とすれば、取付や交換を容易 に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の掘削バケットの実施例を示す斜視図
である。

【図２】同平面図である。

【図３】同要部拡大図である。

【図４】同側断面図である。

【図５】ローラの作用を示す拡大断面図である。

【図６】掘削バケットを油圧ショベルに装着した状態を
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 掘削バケット ２ 横架部材 ３ サイドプレート ４ エッジ板 ９ 格子穴 １０ 格子部 １１ 縦部材 １２ 横部材 １３ 筒体 Ｒ ローラ Ｓ 内底部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧ショベル等の作業機のアームに着脱
   自在に取り付けられて内底部に岩礫等の選別用の格子部
   を備えた掘削バケットにおいて、 格子部が縦部材とこれと交差する横部材との組み合わせ
   からなっており、 掘削バケットの篩う方向と交差する方向に配置された横
   部材または縦部材で、縦部材または横部材で仕切られて
   格子部の格子穴を囲む部分を回転自在なローラに形成し
   て、格子穴を通過する物体との摩擦を軽減してなること
   を特徴とする掘削バケット。
2. 【請求項２】 油圧ショベル等の作業機のアームに着脱
   自在に取り付けられて内底部に選別用の格子部を備えた
   掘削バケットにおいて、 バケットの内底部に沿って縦方向に延びる縦部材が板状
   からなって、板厚側が上下となり広面側が左右となるよ
   うに配置して横方向に等間隔に複数並べ、 バケットの内底部に沿って横方向に延びる横部材が杆状
   からなって、前記縦部材の広面を貫通して縦方向に等間
   隔に複数並べて、縦枠部と組み合わさって多数の同一の
   大きさに設定された格子穴を有する格子部を形成してな
   り、 横部材で、縦部材に仕切られた格子部の格子穴を囲む部
   分に筒体を外嵌して正逆方向に回転自在なローラとな
   し、格子枠を通過する物体との摩擦を軽減してなること
   を特徴とする掘削バケット。
3. 【請求項３】 作業機のアームを取り付けるブラケット
   を中途位置に有する筒状の横架部材と、 該横架部材の両端にそれぞれ基端側を固着した左右一対
   のサイドプレートと、 該サイドプレートの先端側に両端が固着されたエッジ板
   とからなって、 横架部材と左右のサイドプレートとエッジ板とで囲繞さ
   れた部分をバケットの内底部となし、 縦部材を横架部材とエッジ部との間に掛け渡して固着
   し、横部材を左右のサイドプレート間に掛け渡して固着
   してなることを特徴とする請求項２に記載の掘削バケッ
   ト。