JP3057353B2 - 車椅子のキャスタ角の調整構造 - Google Patents

車椅子のキャスタ角の調整構造

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JP3057353B2 JP8029602A JP2960296A JP3057353B2 JP 3057353 B2 JP3057353 B2 JP 3057353B2 JP 8029602 A JP8029602 A JP 8029602A JP 2960296 A JP2960296 A JP 2960296A JP 3057353 B2 JP3057353 B2 JP 3057353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子のキャスタ
輪から構成される前輪のキャスタ角の調整構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、車椅子の前輪は、キャ
スタ輪から構成されており、車軸が斜めに延びるフォー
クに支持され、フォークの上部には、上方へ延びるキャ
スタ軸(車両のキングピン軸に対応する)が固着され、
キャスタ軸が、軸受を介在させて、フレームの前部に連
結されるヘッドパイプに回動自在に保持されていた。
【0003】そして、従来のヘッドパイプは、通常、フ
レームに溶接固定されていた。そのため、使用者の体格
や好みに応じて、例えば、シートの交差を後下がりにし
ようとすると、フレームの後部が下がって、フレームの
前部に固定されたヘッドパイプが後方へ傾き、キャスタ
角(キャスタ軸の軸方向と鉛直方向との角度)が0°か
ら変化して数°になる場合が生ずる。
【0004】このようにキャスタ角が鉛直方向からずれ
ると、前輪が360°自由に回転できることを阻害し
て、車椅子の方向転換を行ない難くし、好ましくない。
【0005】そこで、シートの傾斜角度を調整しようと
しても、キャスタ角を鉛直方向に調整できるようにする
ために、従来では、ヘッドパイプの角度をフレームに対
して調整できるような、つぎのような構造としていた。
【0006】すなわち、ヘッドパイプを複数のクランプ
で保持するとともに、それらのクランプを、フレームに
溶接した取付板にねじ止めするように構成し、そのねじ
止め穴を長穴形状にして、適当な位置で、クランプを取
付坂にねじ止めする構造であった。
【0007】しかし、従来の構造では、当初に適正な位
置にねじ止めしておいても、前輪が障害物に当たる等し
た場合、取付板にねじ止めしていたクランプの位置が変
わり、ヘッドパイプの軸方向、すなわち、キャスタ軸の
軸方向が、鉛直方向からずれ、前輪の360°の自由回
転を阻害してしまう場合を招いていた。
【0008】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、フレームに固定されたヘッドパイプの軸方向が変化
しても、キャスタ軸の軸方向の向きを鉛直方向に接近さ
せるように容易に調整でき、さらに、前輪が障害物等と
干渉してもキャスタ角がくるい難い車椅子のキャスタ角
の調整構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るキャスタ角
の調整構造は、前輪を支持するフォークの上部にキャス
タ軸が固着され、該キャスタ軸が、軸受を介して、車椅
子のフレームに固定されたヘッドパイプに保持されて、
前記キャスタ軸の軸方向の向きを調整可能な車椅子のキ
ャスタ角の調整構造であって、前記フレームの下端に、
第1固定手段を使用して前記ヘッドパイプの上部を挿入
固定可能な断面円形の挿入孔が、形成され、前記軸受と
前記ヘッドパイプの下端の内周面との間に、略円筒状の
スリーブが、配設され、前記ヘッドパイプの下端に、第
2固定手段を使用して前記スリーブを嵌合固定可能と
し、かつ、前記ヘッドパイプにおける前記挿入孔に挿入
される部位の軸方向に対して軸方向を交差させた断面円
形の嵌合孔が、形成され、前記スリーブの内周側に、前
記軸受を嵌合させ、かつ、前記スリーブにおける前記嵌
合孔に挿入される部位の外周面の軸方向に対して交差さ
せて、前記キャスタ軸と軸方向を同軸とした組付孔が、
形成されていることを特徴とする。
【0010】前記スリーブには、前記ヘッドパイプの下
端から突出する鍔部を形成し、該鍔部に前記スリーブ回
動用の係止面を形成することが望ましい。
【0011】さらに、前記スリーブの組付孔の軸方向と
前記スリーブにおける前記嵌合孔に挿入される部位の外
周面の軸方向との交差角と、前記ヘッドパイプの嵌合孔
の軸方向と前記ヘッドパイプにおける前記挿入孔に挿入
される部位の軸方向との交差角と、は、等しくすること
が望ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明のキャスタ角の調整構造では、フ
レームに固定されたヘッドパイプとキャスタ軸との間
に、所定の外周面の軸方向に対して内周側のキャスタ軸
と同軸した組付孔の軸方向を交差させたスリーブが介在
され、また、ヘッドパイプのスリーブを固定する嵌合孔
も、その軸方向を、ヘッドパイプのフレームに挿入固定
される部位の軸方向に対して交差させている。
【0013】そのため、使用者の体格や好みでシート等
を変化させようとして、ヘッドパイプのフレーム挿入部
位の軸方向を変化させても、第1・第2固定手段の固定
解除により、ヘッドパイプとスリーブとをそれぞれ所定
方向に回転させれば、挿入孔や嵌合孔が断面円形であっ
て、容易に回転させることができ、その結果、スリーブ
における組付孔と所定の外周面との相互の軸方向の交差
と、ヘッドパイプにおける嵌合孔とヘッドパイプのフレ
ーム挿入部位との相互の軸方向の交差と、の2つの交差
角のそれぞれの前後左右への回転調整により、キャスタ
軸を鉛直方向に接近させて配置することができ、その
後、第1・第2固定手段で各部品を固定すれば良い。
【0014】そして、スリーブは、第2固定手段の固定
により、ヘッドパイプの嵌合孔内で固定され、また、ヘ
ッドパイプの上部は、第1固定手段の固定により、フレ
ームの挿入孔内で固定されることとなる。そのため、キ
ャスタ輪としての前輪が障害物と干渉等しても、ヘッド
パイプの嵌合孔内で固定されたスリーブ自体が回転し難
く、かつ、フレームの挿入孔内で固定されたヘッドパイ
プ自体も回転し難くなって、キャスタ角がくるわない。
【0015】したがって、本発明のキャスタ角の調整構
造では、フレームに固定されたヘッドパイプのフレーム
挿入部位の軸方向が変化しても、スリーブとヘッドパイ
プとの回転調整で、キャスタ軸の軸方向を鉛直方向に接
近させるように容易に調整できて、座り易くするシート
の角度調整に便利となり、さらに、前輪が障害物等と干
渉してもキャスタ角がくるい難い。
【0016】そして、スリーブに、ヘッドパイプの下端
から突出する鍔部を形成し、鍔部にスリーブ回動用の係
止面を形成した場合には、第2固定手段の固定を解除し
た後、係止面にスパナ・レンチ等を当てて、スリーブの
回動調整することができ、キャスタ角の調整作業を簡便
に行なうことができる。
【0017】さらに、スリーブの組付孔の軸方向とスリ
ーブの嵌合孔挿入部位の外周面の軸方向との交差角と、
ヘッドパイプの嵌合孔の軸方向とヘッドパイプのフレー
ム挿入部位の軸方向との交差角と、を、等しくすれば、
つぎのような作用・効果を得ることができる。
【0018】すなわち、フレームの挿入孔の軸方向が鉛
直方向に配置されることとなっても、スリーブにおける
組付孔と嵌合孔挿入部位の外周面との相互の軸方向の交
差と、ヘッドパイプにおける嵌合孔とヘッドパイプのフ
レーム挿入部位との相互の軸方向の交差と、を相互に反
対側への交差とするように、スリーブとヘッドパイプと
を回転させれば、2つの交差角を相殺することができ、
キャスタ軸の軸方向を鉛直方向に配置することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0020】実施形態の車椅子Cは、図1に示すよう
に、フレーム1が、左右に、上横フレーム2、下横フレ
ーム3、上下横フレーム2・3の後端を連結する後フレ
ーム4、及び、上下横フレーム2・3の前端を連結する
前フレーム6、をそれぞれ配設させるとともに、シート
を設けるために、左右の下横フレーム3から延びる図示
しないシートフレームを配設させて、構成されている。
5は、左右のそれぞれに配設されて、上横フレーム2と
後フレーム4とを連結する肘当てフレームである。
【0021】そして、左右の後フレーム4に車軸取付ブ
ラケット7が固定されて、各車軸取付ブラケット7に大
径の後輪8が取り付けられている。
【0022】また、各前フレーム6の下方には、それぞ
れ、小径のキャスタ輪としての前輪19が配置されてい
る。
【0023】各前輪19は、図1・2に示すように、水
平方向に配置される車軸20を備え、車軸20は、図示
しない玉軸受を配置させて、前輪19を回動自在に支持
している。そして、各車軸20は、二又状のフォーク1
8に支持され、フォーク18の上面には、上方へ延びる
キャスタ軸15が、ナット17止めされて固着されてい
る。なお、キャスタ軸15は、それぞれ、本体15aの
下端部に、ナット17と螺合する雄ねじ部15bを備え
るとともに、本体15aの上端部に、後述するナット1
6と螺合する雄ねじ部15cを備えている。
【0024】各キャスタ軸15の外周面には、円環状の
玉軸受14が配設されている。実施形態の場合、玉軸受
14は、それぞれアウタケース14b・14f・インナ
ケース14c・14g・転動体14d・14hを備えた
上部玉軸受14aと下部玉軸受14eとの2つが使用さ
れ、ナット16の雄ねじ部15cへの螺合により、後述
するスリーブ13を共締めして、それぞれのインナケー
ス14c・14gがキャスタ軸15に固定されている。
【0025】そして、玉軸受14a・14eのアウタケ
ース14b・14fには、略円筒状のスリーブ13が締
り嵌めで外嵌固定されている。スリーブ13は、内周側
に組付孔23を備え、組付孔23は、図2〜4に示すよ
うに、その軸方向X1を、スリーブ13における後述す
るヘッドパイプ10の嵌合孔10cに挿入される本体1
3aの外周面の軸方向X0と、3°の交差角αを有する
ように、交差して穿設されている。実施形態の場合、組
付孔23は、上方から順に、大径の上部孔23a、小径
の中間孔23b、大径の下部孔23c、から構成され、
上部孔23aと下部孔23cとに玉軸受14a・14e
のアウタケース14b・14fが嵌合固定されている。
そして、組付孔23は、玉軸受14a・14eを介し
て、キャスタ軸15と同軸に配置されることとなる。ま
た、スリーブ13の下端には、六角板状の鍔部13bが
形成されている。なお、実施形態の場合、鍔部13bの
外周面の6つの平面が、スリーブ13を回動させる際に
利用する係止面13cとなる。
【0026】一方、左右の前フレーム6の下端には、図
1・2に示すように、それぞれ、断面円形の挿入孔6a
が形成され、挿入孔6aには、ヘッドパイプ10の上部
(小径部)10aが挿入されている。また、挿入孔6a
の外周側には、締付時に挿入孔6aを縮径させてヘッド
パイプ上部10aを固定可能な第1固定手段としての第
1クランプ9が配設されている。第1クランプ9は、断
面略U字形の本体9aと、本体9aに螺合して、締付時
に、本体9aの内周面を縮径するねじ9bと、から構成
されている。なお、挿入孔6aの周縁には、ねじ9bの
締付時に、挿入孔6aを容易に縮径できるように、割り
溝6bが設けられている。
【0027】ヘッドパイプ10は、図1・2・5・6に
示すように、上部側の円筒形の小径部10aと、下部側
の円筒形の大径部10bと、から構成され、大径部10
bの内周側に、スリーブ13を嵌合させる断面円形の嵌
合孔10cが形成されている。そして、嵌合孔10cの
周囲には、第2固定手段としての第2クランプ11での
締付時に、嵌合孔10cを縮径させてスリーブ13を固
定し易いように、割り溝10dが形成されている。さら
に、大径部10bの外周面には、第2クランプ11の配
置が容易なように、凹溝10eが形成されている。
【0028】また、嵌合孔10cは、その軸方向Y1
を、小径部10aの外周面の軸方向Y0と3°の交差角
βを有するように、交差して穿設されている。
【0029】第2クランプ11は、断面略U字形の本体
11aと、本体11aに螺合して、締付時に、本体11
aの内周面を縮径するねじ11bと、から構成されてい
る。また、第2クランプ11には、車椅子Cの前方下部
に配置されるステップ12を固定するための図示しない
ねじ孔が形成されている。
【0030】そして、この実施形態の車椅子Cでは、シ
ートの角度を調整する場合には、前フレーム6の挿入孔
6aに挿入させるヘッドパイプ小径部10aの長さで調
整するか、あるいは、後輪8を支持している車軸取付ブ
ラケット7の後フレーム4の取付位置を上下に移動させ
て調整することとなる。
【0031】その際、左右の前フレーム6の挿入孔6a
とともに各ヘッドパイプ小径部10aの軸方向Y0が、
前方へ6°傾斜した場合には、図7に示すように、左右
の第1クランプ9の締め付けを緩めて各ヘッドパイプ1
0を回転させ、嵌合孔10cの軸方向Y1をヘッドパイ
プ小径部10aの軸方向Y0より後方へ3°傾斜させ
て、左右の第1クランプ9を締め付ける。また、左右の
第2クランプ11を緩めるとともに、鍔部13bの相互
に平行となる係止面13c・13cにスパナ等を嵌めて
スリーブ13を回転させ、組付孔23の軸方向X1をス
リーブ本体13aの軸方向X0より後方へ3°傾斜さ
せ、第2クランプ11を締め付ける。
【0032】このように調整すれば、左右のキャスタ軸
15の軸方向Vは、鉛直方向となるため、左右の前輪1
9は、キャスタ軸15を中心として、360°の回転が
支障無く行なえ、車椅子Cの方向転換を阻害することが
無い。
【0033】上記操作を逆にすれば、左右の前フレーム
6の挿入孔6aとともに各ヘッドパイプ小径部10aの
軸方向Y0が、後方へ6°傾斜した場合でも対処するこ
とができることとなる。
【0034】また、シート調整により、左右の前フレー
ム6の挿入孔6aとともに各ヘッドパイプ小径部10a
の軸方向Y0が、鉛直方向となった場合には、左右のそ
れぞれの第1・2クランプ9・11の締付解除・締付を
行ない、左右のヘッドパイプ10とスリーブ13とを回
転させ、図8に示すように、各嵌合孔10cの軸方向Y
1をヘッドパイプ小径部10aの軸方向Y0より後方へ
3°傾斜させ、各組付孔23の軸方向X1をスリーブ1
3の軸方向X0より前方へ3°傾斜させれば、左右のキ
ャスタ軸15の軸方向Vを鉛直方向にすることができ
る。勿論、この場合、上記と逆に、各嵌合孔10cの軸
方向Y1をヘッドパイプ小径部10aの軸方向Y0より
前方へ3°傾斜させ、各組付孔23の軸方向X1をスリ
ーブ13の軸方向X0より後方へ3°傾斜させても良
い。
【0035】そして、シート調整により、左右の前フレ
ーム6の挿入孔6aとともに各ヘッドパイプ小径部10
aの軸方向Y0が、鉛直方向から6°未満で前方若しく
は後方に傾斜した場合には、左右のそれぞれの第1・2
クランプ9・11の締付解除・締付を行ない、左右のヘ
ッドパイプ10とスリーブ13とを回転させ、各嵌合孔
10cの軸方向Y1をヘッドパイプ小径部10aの軸方
向Y0より後方若しくは前方へ所定角度傾斜させ、各組
付孔23の軸方向X1をスリーブ13の軸方向X0より
前方若しくは後方へ所定角度傾斜させれば、左右のキャ
スタ軸15の軸方向Vを鉛直方向にすることができる。
その際、軸方向X0・X1相互と軸方向Y0・Y1相互
とが交差している2つのスリーブ13とヘッドパイプ1
0とを利用しているため、スリーブ13とヘッドパイプ
10との回動調整を適切に行なえば、ヘッドパイプ10
の軸方向Y0が鉛直方向から±6°の範囲内にあれば、
キャスタ軸15の軸方向Vを鉛直方向に接近配置させる
ことができる。
【0036】したがって、実施形態の調整構造では、前
フレーム6に固定されたヘッドパイプ上部(小径部)1
0aの軸方向Y0が変化しても、スリーブ13とヘッド
パイプ10との回転調整で、キャスタ軸15の軸方向V
を鉛直方向に調整できて、座り易くするシートの角度調
整を便利に行なうことができる。そして、この角度調整
は、部品を交換することなく、無段階でできるため、一
層、シートの角度調整が便利となる。
【0037】さらに、スリーブ13は、ヘッドパイプ1
0の下端の嵌合孔10cを縮径可能な第2クランプ11
を締め付けることにより、ヘッドパイプ10の嵌合孔1
0c内に固定され、また、ヘッドパイプ10の上部(小
径部)10aは、前フレーム6の挿入孔6aを縮径可能
な第1クランプ9を締め付けることにより、前フレーム
6の挿入孔6a内に固定されることとなる。そのため、
キャスタ輪としての前輪19が障害物と干渉等しても、
ヘッドパイプ10の嵌合孔10c内で固定されたスリー
ブ13自体が回転し難く、かつ、前フレーム6の挿入孔
6a内で固定されたヘッドパイプ10自体も回転し難く
なって、キャスタ角がくるわない。
【0038】さらにまた、実施形態では、スリーブ13
に、ヘッドパイプ10の下端から突出する鍔部13bを
形成し、鍔部13bにスリーブ回動用の係止面13cを
形成しているため、第2クランプ11の締付を解除した
後、係止面13cにスパナ・レンチ等を当てて、スリー
ブ13の回動調整することができ、キャスタ角の調整作
業を簡便に行なうことができる。
【0039】そしてさらに、実施形態のように、スリー
ブ13の組付孔23の軸方向X1とスリーブ本体13a
の外周面の軸方向X0との交差角αと、ヘッドパイプ1
0の嵌合孔10cの軸方向Y1とヘッドパイプ小径部1
0aの軸方向Y0との交差角βと、を、等しくすれば、
前フレーム6の挿入孔6aの軸方向(Y0と一致する)
が鉛直方向に配置されることとなっても、軸方向X1・
Y1を例えば前後方向で逆に配置させて、キャスタ軸1
5の軸方向Vを鉛直方向に配置することができることと
なって、キャスタ軸15を鉛直方向に配置させる精度を
向上させることができる。
【0040】なお、実施形態では、軸方向X0・X1の
相互の交差角αや軸方向Y0・Y1の相互の交差角βを
3°とした場合を示したが、これらの交差角α・βは3
°に限定されるものではなく、それぞれ、3°を超えて
も3°未満としても良い。
【0041】また、実施形態では、第1・2固定手段と
して、クランプ9・11を例示したが、固定手段は、ね
じ手段でも良く、例えば、前フレーム6の挿入孔6aの
周縁に、挿入孔6aと直交するように、ねじ孔を設け、
そのねじ孔に螺合するねじをヘッドパイプ10の小径部
10aの外周面に当接させ、前フレーム挿入孔6a内で
ヘッドパイプ10を固定させたり、同様に、ヘッドパイ
プ大径部10bに嵌合孔10cと直交するようにねじ孔
を設け、そのねじ孔に螺合するねじをスリーブ本体13
aに当接させて、嵌合孔10c内でスリーブ13を固定
するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の車椅子の側面図である。
【図2】同実施形態のキャスタ軸付近の分解側面図であ
る。
【図3】同実施形態のスリーブの側面図である。
【図4】同スリーブの底面図であり、第3図のIV方向か
ら見た図である。
【図5】同実施形態のヘッドパイプの側面図である。
【図6】同ヘッドパイプの底面図であり、第5図のVI方
向から見た図である。
【図7】同実施形態のキャスタ角を調整した状態を示す
側面図である。
【図8】同実施形態のキャスタ角をさらに調整した状態
を示す側面図である。
【符号の説明】
6…前フレーム、 6a…挿入孔、 9…(第1固定手段)第1クランプ、 10…ヘッドパイプ、 10a…(挿入孔挿入部位)小径部、 10c…嵌合孔、 11…(第2固定手段)第2クランプ、 13…スリーブ、 13a…(嵌合孔挿入部位)本体、 14…軸受、 15…キャスタ軸、 18…フォーク、 19…前輪、 23…組付孔、 X0…(スリーブ外周面)軸方向、 X1…(組付孔)軸方向、 Y0…(ヘッドパイプ上部)軸方向、 Y1…(嵌合孔)軸方向、 V…(キャスタ軸)軸方向、 C…車椅子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪を支持するフォークの上部にキャス
    タ軸が固着され、該キャスタ軸が、軸受を介して、車椅
    子のフレームに固定されたヘッドパイプに保持されて、
    前記キャスタ軸の軸方向の向きを調整可能な車椅子のキ
    ャスタ角の調整構造であって、 前記フレームの下端に、第1固定手段を使用して前記ヘ
    ッドパイプの上部を挿入固定可能な断面円形の挿入孔
    が、形成され、 前記軸受と前記ヘッドパイプの下端の内周面との間に、
    略円筒状のスリーブが、配設され、 前記ヘッドパイプの下端に、第2固定手段を使用して前
    記スリーブを嵌合固定可能とし、かつ、前記ヘッドパイ
    プにおける前記挿入孔に挿入される部位の軸方向に対し
    て軸方向を交差させた断面円形の嵌合孔が、形成され、 前記スリーブの内周側に、前記軸受を嵌合させ、かつ、
    前記スリーブにおける前記嵌合孔に挿入される部位の外
    周面の軸方向に対して交差させて、前記キャスタ軸と軸
    方向を同軸とした組付孔が、形成されていることを特徴
    とする車椅子のキャスタ角の調整構造。
  2. 【請求項2】 前記スリーブに、前記ヘッドパイプの下
    端から突出する鍔部が形成され、該鍔部に前記スリーブ
    回動用の係止面が形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の車椅子のキャスタ角の調整構造。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの組付孔の軸方向と前記ス
    リーブにおける前記嵌合孔に挿入される部位の外周面の
    軸方向との交差角と、前記ヘッドパイプの嵌合孔の軸方
    向と前記ヘッドパイプにおける前記挿入孔に挿入される
    部位の軸方向との交差角と、が等しいことを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2記載の車椅子のキャスタ角の
    調整構造。
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