JPH0798444B2

JPH0798444B2 - 独立懸架装置に使用されるコントロール・アーム連結ピン

Info

Publication number: JPH0798444B2
Application number: JP12953188A
Authority: JP
Inventors: 俊雄宮田
Original assignee: 日野自動車工業株式会社
Priority date: 1988-05-27
Filing date: 1988-05-27
Publication date: 1995-10-25
Anticipated expiration: 2010-10-25
Also published as: JPH01301406A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、自動車の独立懸架装置、殊に、ダブル・ウ
イッシュボン型独立懸架装置に使用され、そして、キャ
スタを調整可能にするところのコントロール・アーム連
結ピンに関する。

背景技術この種の独立懸架装置では、キャスタが固定された構造
に製作されてあるので、そのキャスタは、部品の製作誤
差によるバラツキが生じたり、また、そのキャスタは、
用途に応じて変えられなかった。

発明の目的・課題この発明の目的・課題は、独立懸架装置のキャスタを可
変にし、部品の製作誤差によるバラツキを吸収可能に
し、用途に応じたキャスタ値に容易にセット可能にする
ところの独立懸架装置に使用されるコントロール・アー
ム連結ピンの提供にある。

目的・課題に係る構成上の発明の概要：請求する発明の内容上述の目的・課題に関連して、この発明の独立懸架装置
に使用されるコントロール・アーム連結ピンは、ピン本
体が、キング・ピンを支持するナックルのシャンクに形
成された軸受け穴にボール・シートを介在させて嵌め合
わせられるボールをほぼ中央部分に嵌め合わせ、そし
て、一方のピン・エンドには、外周面にねじ切りされて
コントロール・アームのヨークの一方のヨーク・エンド
にねじ結合され、かつ、他方のピン・エンドには、丸棒
加工されてあり、そして、スリーブ状アジャスタが、そ
のピン本体の他方のピン・エンドには、摺動可能に嵌め
合わせられ、そして、外周面にねじ切りされてそのコン
トロール・アームのヨークの他方のヨーク・エンドにね
じ結合され、アッパ・コントロール・アームのヨークお
よびロア・コントロール・アームのヨークをそのナック
ルのシャンクに互いに位置を変えて連結可能にし、キャ
スタ値を変えることを可能にするところにある。

具体例の説明以下、この発明の係る独立懸架装置に使用されるコント
ロール・アーム連結ピンの望ましい具体例について図面
を参照して説明する。

第１ないし３図は、トラックのダブル・ウイッシュボン
型フロント・サスペンション20に適用されたこの発明の
独立懸架装置に使用されるコントロール・アーム連結ピ
ンの具体例10,10を示している。

そのフロント・サスペンション20では、一方の側におい
て、一対のコントロール・アーム連結ピン10,10が使用
されている。すなわち、そのフロント・サスペンション
20の一方の側は、前輪52の回転可能に支持した前輪軸21
と、その前輪軸21のステアリング・ナックル22を嵌め合
わせたキング・ピン25を支持したナックル23と、そのナ
ックル23のシャンク24をフレーム（図示せず）に連結し
たアッパ・コントロール・アーム26と、そのシャンク24
をそのフレームに連結したロア・コントロール・アーム
27と、そのシャンク24の上端に形成され座28およびフレ
ーム間に配置されたスプリング（図示せず）と、そのシ
ャンク24の下端に固定されたブラケット29およびフレー
ム間に配置されたショック・アブソーバ30とを含んで構
成され、そのアッパおよびロア・コントロール・アーム
26,27をそのナックル23のシャンク24に連結するため
に、そのコントロール・アーム連結ピン10,10を使用し
ている。

そのコントロール・アーム連結ピン10,10は、第２図か
ら理解されるように、ピン本体11,11およびスリーブ状
アジャスタ12,12から製作された。

そのピン本体11,11は、一方のピン・エンド13,13から他
方のピン・エンド14,14に漸次に軸径を細くさせて３段
に段付け加工され、そして、ほぼ中央部分になるところ
の中央段部分15,15にボール18,18を嵌め合わせて、その
ナックル23のシャンク24に上下方向に所定の間隔を置い
て形成された軸受け穴31,31にボール・シート32,32を介
在させて嵌め合わせ可能にしてあり、また、その一方の
ピン・エンド13,13の外周面にはねじが切られてそのピ
ン・エンド13,13をそのアッパおよびロア・コントロー
ル・アーム26,27のヨーク33,38の一方のヨーク・エンド
34,39にねじ結合可能にしてあり、さらに、その他方の
ピン・エンド14,14を丸棒に加工してある。

また、そのピン本体11,11は、その一方のピン・エンド1
3,13の端面に四角穴16,16を形成してある。

そのアジャスタ12,12は、一端を閉じたスリーブに製作
されてそのピン本体11,11の他方のピン・エンド14,14に
摺動可能に嵌め合わせる構造にしてあり、また、外周面
にはねじが切られてそのアッパおよびロア・コントロー
ル・アーム26,27のヨーク33,38の他方のヨーク・エンド
35,40にねじ結合可能にしてある。

また、そのアジャスタ12,12は端壁の外側面に四角ボル
ト頭部17,17を形成し、レンチでその他方のヨーク・エ
ンド35,40にねじ込めるようにしてある。

また、そのコントロール・アーム連結ピン10,10によっ
てキャスタが調整されるこのフロント・サスペンション
20では、そのロア・コントロール・アーム27のヨーク38
のヨーク・エンド39,40間の幅（Ｗ）がそのコントロー
ル・アーム連結ピン10,10間の距離（Ｌ）に関連して、
キャスタ（θ）の調整に必要な量、すなわち、そのボー
ル18,18の中心点（P,P）間の変位ΔLmaxを見込んで充分
に大きくされてある。

次に、上述のように製作されたそのコントロール・アー
ム連結ピン10,10を使用して、そのフロント・サスペン
ション20のキャスタを所定の値に調整しながらセットす
る場合について説明する。そして、ここでは、そのキャ
スタ値をθにした場合について述べる。

先ず、予め、そのボール18,18にそのボール・シート32,
32を組み付け、そして、その互いに組み付けられたボー
ル18,18およびボール・シート32,32をその軸受け穴31,3
1に嵌め込む。

次いで、シム46,46を介在させて、スラスト・ワッシャ4
5,45をそのナックル23のシャンク24にボルト47,47で締
め付け、その軸受け穴31,31に嵌め込まれたそのボール
・シート32,32をそのシャンク24に固定する。

そのようにして、そのボール・シート32,32がその軸受
け穴31,31において、そのシャンク24に固定されると、
そのボール18,18もまた、そのボール・シート32,32に抜
け止めされて、そのシャンク24に取り付けられるので、
そして、そのアッパおよびロア・コントロール・アーム
26,27のヨーク38,38のヨーク・エンド34,35,39,40に
は、内周面にねじ切りされたピン連結穴41,41,42,42が
明けられてあるので、そのピン連結穴41,41,42,42をそ
のボール18,18の穴19,19に合わせるように、そのアッパ
およびロア・コントロール・アーム26,27のヨーク38,38
をそのシャンク24に組み合わせてそのナックル23のシャ
ンク24とそのアッパおよびロア・コントロール・アーム
26,27のヨーク38,38との間にダスト・カバー48,48,49,4
9を配置する。

次には、その状態で、その一方のヨーク・エンド34,39
のピン連結穴41,41のそのピン本体11,11の他方のピン・
エンド14,14および中央段部分15,15を通し、さらに、そ
の一方のピン・エンド13,13がその一方のヨーク・エン
ド34,39のピン連結穴41,41に接するまで、ボール18,18
の穴19,19にその他方のピン・エンド14,14を通す。

引き続いて、レンチでそのピン本体11,11を廻わして、
適宜の位置まで、その一方のヨーク・エンド34,39のピ
ン連結穴41,41にその一方のピン・エンド13,13をねじ込
みながら、その中央段部分15,15をそのボール18,18に嵌
め合わせる。

そのように、その一方のピン・エンド13,13がその一方
のヨーク・エンド34,39のピン連結穴41,41にねじ込まれ
ると、その他方のピン・エンド14,14はその他方のヨー
ク・エンド35,40のピン連結穴42,42内に伸長されてある
ので、その他方のピン・エンド14,14を嵌め合わせなが
ら、その他方のヨーク・エンド35,40のピン連結穴42,42
にそのアジャスタ12,12をねじ込む。

そのようにして、そのコントロール・アーム連結ピン1
0,10がそのアッパおよびロア・コントロール・アーム2
6,27をそのナックル23のシャンク24に仮に組み付けたな
らば、そのアッパ・コントロール・アーム26から調整す
る。すなわち、そのアッパ・コントロール・アーム26に
ついては、そのピン本体11およびアジャスタ12をレンチ
でさらに廻し、それらピン本体11およびアジャスタ12を
第２図に示された状態にする。

そのように、そのピン本体11およびアジャスタ12が調整
されたならば、この場合、そのフロント・サスペンショ
ン20が、キャスタ値θにセットされるのであるから、そ
のロア・コントロール・アーム27においては、そのコン
トロール・アーム連結ピン10のボール18の中心点Ｐが、
そのアッパ・コントロール・アーム26をそのシャンク24
に組み付けるそのコントロール・アーム連結ピン10のボ
ール18の中心点Ｐから軸方向に距離ΔＬを変位するよう
に、そのピン本体11およびアジャスタ12をレンチでさら
に廻し、それらピン本体11およびアジャスタ12を第２図
に示された状態にする。その結果、このフロント・サス
ペンション20はキャスタ値θにセットされる。

そのように、キャスタ値θがセットされたならば、ボル
ト43およびナット44で締め付け、そのヨーク33,38をそ
のコントロール・アーム連結ピン10,10に固定する。

さらに、このフロント・サスペンション20では、第３図
に示されたように、そのシャンク24のＹ−Ｙ軸まわりの
回転を防止するために、スタビライザ50がその左右のシ
ャンク24,24間にねじ止めされてある。勿論、そのスタ
ビライザ50は、ボディ側サポート51,51に関して、Ｘ−
Ｘ軸まわりに回転可能に支持されてある。

発明の利便・利益上述よりして、既に提案され、使用されてきた独立懸架
装置のナックルおよびコントロール・アームの組付け手
段に比較していえば、この発明の独立懸架装置に使用さ
れるコントロール・アーム連結ピンは、ピン本体が、キ
ング・ピンを支持するナックルのシャンクに形成された
軸受け穴にボール・シートを介在させて嵌め合わせられ
るボールをほぼ中央部分に嵌め合わせ、そして、一方の
ピン・エンドには、外周面にねじ切りされてコントロー
ル・アームのヨークの一方のヨーク・エンドにねじ結合
され、かつ、他方のピン・エンドには、丸棒加工されて
あり、また、スリーブ状アジャスタが、そのピン本体の
他方のピン・エンドには、摺動可能に嵌め合わせられ、
そして、外周面にねじ切りされてそのコントロール・ア
ームのヨークの他方のヨーク・エンドにねじ結合される
ので、この発明の独立懸架装置に使用されるコントロー
ル・アーム連結ピンでは、そのナックルのシャンクとそ
のコントロール・アームのヨークとが任意の位置に調整
されて固定的に連結可能になり、独立懸架装置のキャス
タが可変になり、部品の製作誤差によるバラツキが吸収
可能になり、そして、用途に応じてキャスタ値が容易に
セット可能になり、その結果、その独立懸架装置の組立
作業が非常に簡単になり、そして、その独立懸架装置に
とって極めて有用になる。

発明と具体例との関係先のように、図面を参照しながら説明されたこの発明の
具体例からして、この発明の属する技術の分野における
通常の知識を有する者にとって、種々の設計的修正や変
更は容易に行われることであり、さらには、この発明の
内容が、その発明の課題を遂行ならしめる発明の成立に
必須であり、その発明の性質であるその発明の技術的本
質に由来し、そして、それを内在させると客観的に認め
られる態様に容易に置き換えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の独立懸架装置に使用されるコント
ロール・アーム連結ピンの具体例が適用されたところの
トラックのダブル・ウイッシュボン型フロント・サスペ
ンションの部分断面図、第２図は、第１図の２−２線に
沿って示した断面図、および、第３図は、第１図に示し
たそのフロント・サスペンションの部分斜視図である。 11,11……ピン本体、12,12……スリーブ状アジャスタ、
13,13……一方のピン・エンド、14,14……他方のピン・
エンド、15,15……中央段部分、18,18……ボール、23…
…ナックル、24……シャンク、26……アッパ・コントロ
ール・アーム、27……ロア・コントロール・アーム、3
3,38……ヨーク、32,32……ボール・シート。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キング・ピンを支持するナックルのシャン
クに形成された軸受け穴にボール・シートを介在させて
嵌め合わせられるボールをほぼ中央部分に嵌め合わせ、
そして、一方のピン・エンドには、外周面にねじ切りさ
れてコントロール・アームのヨークの一方のヨーク・エ
ンドにねじ結合され、かつ、他方のピン・エンドには、
丸棒加工されてあるピン本体と、そのピン本体の他方のピン・エンドには、摺動可能に嵌
め合わせられ、そして、外周面にねじ切りされてそのコ
ントロール・アームのヨークの他方のヨーク・エンドに
ねじ結合されるスリーブ状アジャスタとを含む独立懸架装置に使用されるコントロール・アー
ム連結ピン