JP3057126B2 - 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法

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JP3057126B2
JP3057126B2 JP5034269A JP3426993A JP3057126B2 JP 3057126 B2 JP3057126 B2 JP 3057126B2 JP 5034269 A JP5034269 A JP 5034269A JP 3426993 A JP3426993 A JP 3426993A JP 3057126 B2 JP3057126 B2 JP 3057126B2
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cpvc
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pvc
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柳二 田村
啓二 福田
照雄 藤本
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/18Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
    • C08F8/20Halogenation
    • C08F8/22Halogenation by reaction with free halogens

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塩素化塩化ビニル樹
脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル樹脂(以下、これをC
PVCという)は、塩化ビニル樹脂(以下、これをPV
Cという)を塩素化して作られる。CPVCは、PVC
の長所と云われる特性を残し、PVCの欠点と云われる
性質を改良したものとなっている。すなわち、CPVC
はPVCの持つ優れた耐候性、耐火炎性、耐薬品性をそ
のまま残し、耐熱性が劣るというPVCの欠点を改良し
たものとなっている。さらに詳しく云えば、PVCは熱
変形温度が低くて熱水に対しては使用できないのに、C
PVCは熱変形温度がPVCよりも20−40°も高く
て、熱水に対しても使用できるものとなっている。従っ
て、CPVCは耐熱継手、耐熱バルブなどを作るのに使
用できる。
【0003】上述のように、CPVCはPVCよりも熱
変形温度が高い。従って、CPVCを加工して成形体と
するには、当然高い温度に加熱して溶融しなければなら
ない。ところが、普通のCPVCは熱安定性が悪くて、
これを加熱するとすぐに分解して着色する。従って、C
PVCはPVCよりも加熱によってゲル化させることが
困難である。このために、CPVCを加熱して成形体に
するとき、十分にゲル化させないで成形体とすることに
なった。そのため、CPVCの成形体は、PVCよりも
衝撃強度が劣る、という結果を招くことになった。その
結果、CPVCはその利用を狭められることになった。
そこで、CPVCの熱安定性を是非とも改良する必要が
生じた。
【0004】熱安定性の良好なCPVCを製造する方法
は、これまでも色々と提唱されて来た。例えば、古くは
特公昭45−30833号公報が、特定の重合方法によ
って作られた特定粒径のPVCを材料とし、これを水性
媒体中に懸濁させ、この中へ酸素が0.05−0.35
容量%の割合で含まれている塩素を特定の流速で供給し
て、55−80℃の温度でPVCを塩素化すると、熱安
定性の良好なCPVCが得られると記載している。しか
し、特定の重合方法によって作られた特定粒径のPVC
でなければ、実施できないというのでは実用に適しな
い。その上に、こうして得られたCPVCは、熱安定性
も格段にすぐれていなかった。
【0005】最近では、特公平2−41523号公報
が、PVCを高圧密閉容器に入れて水性媒体中に懸濁さ
せ、水性懸濁液からすべての酸素を取り除いた後に塩素
を圧入し、紫外線を照射しながら、1.76Kg/cm
2 G以上の加圧下で80−120℃の比較的高い温度で
PVCを塩素化すると、熱安定性の良好なCPVCが得
られると記載している。しかし、このような高温高圧下
にある塩素の中で紫外線を照射すると云うことは、これ
に耐えられる装置を作るのに格別な工夫が必要とされ、
従って実施が容易でない。その上に得られたCPVCも
熱安定性が格段にすぐれていなかった。このように、こ
れまでは熱安定性の良好なCPVCを製造するのに、実
用的な方法がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、熱安定性
の良好なCPVCの製造方法を提供しようとするもので
ある。とくに、原料が特定のPVCでなければならない
というような限定がなく、また使用する設備に格別の工
夫を施す必要もなく、従って実施が容易であって、しか
も得られるCPVCは熱安定性が良好なために加工し易
くなっている、という製造方法を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題解決のための手段】この発明者は、特公昭45−
30833号及び特公平2−41523号公報の教示に
従って、密閉容器内でPVCを水性媒体中に懸濁させ、
容器内に窒素を圧入して容器内の酸素をすべて取り除い
たのち、容器内に色々な助剤を加えた塩素を圧入して、
懸濁状態でPVCを塩素化することを試みた。その結
果、この発明者は、助剤として過酸化水素を用い、過酸
化水素の存在下に比較的高い温度でPVCの塩素化を進
めると、紫外線などの光を照射しなくても、PVCを効
率よく塩素化できることを見出した。さらに、この発明
者は、こうして得られたCPVCが良好な熱安定性を持
ち、従って加工が容易なものであることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0008】この発明は、密閉できる容器内でPVCを
水性媒体中に懸濁させ、容器内に窒素を吹き込んで容器
内の酸素を除いてのち、塩素を容器内に導入してポリ塩
化ビニルを塩素化する方法において、塩素化の過程でP
VCに対し5−50ppm量の過酸化水素を容器内に添
加し、100−140℃の温度でPVCを塩素化するこ
とを特徴とする、CPVCの製造方法を提供するもので
ある。
【0009】この発明は、PVCを塩素化する過程で、
過酸化水素を添加することを最大の特徴としている。過
酸化水素の添加時期は、容器内の酸素を除いた後であれ
ば、塩素の導入前であってもよく、また塩素の導入後で
あってもよい。また、その添加時期は、PVCの塩素化
反応の末期近くであってもよい。
【0010】過酸化水素は、純粋な過酸化水素の形で添
加してもよいが、好ましいのは溶液の形で添加すること
である。とくに水溶液の形で添加することが好ましい。
過酸化水素の添加量は、PVCに対し5−50ppmの
量とすることが必要である。その理由は、5ppm以下
ではPVCの塩素化を円滑に行い得ず、また得られたC
PVCも熱安定性が向上しないからであり、また50p
pm以上では得られるCPVCの熱安定性が逆に悪くな
るからである。
【0011】添加した過酸化水素は、塩素化反応の過程
で徐々に消耗されるので、過酸化水素の添加は一時に行
わないで、少量ずつ長い時間にわたって行うことが好ま
しい。とくに好ましいのは、塩素を導入してのち30分
から1時間経過した時点で過酸化水素の添加を始め、塩
素化反応の終了時の30分から1時間前に過酸化水素の
添加を終わることである。
【0012】この発明は、過酸化水素の添加とともに、
比較的高い温度で塩素化反応を行うことを特徴としてい
る。その温度は100−140℃の範囲である。これま
での塩素化は一般に85℃以下で行って来たので、この
発明で採用する100−140℃という温度は非常に高
い。特公平2−41523号公報の教える80−120
℃という温度は、異常に高い温度で塩素化を行うことを
初めて開示したことになるが、それに比べてもこの発明
が採用する温度は高くなっている。
【0013】この発明が塩素化の温度を100−140
℃に限定した理由は、下記のような実験結果に基づいて
いる。すなわち、塩素化反応を100℃未満で行ったの
では塩素化反応の速度が低いために、塩素化に長時間を
要し、従って実用に即したものとならないからであり、
逆に塩素化反応を140℃を越えたところで行ったので
は、塩素化とともに脱塩酸反応が起こり、得られるCP
VCが着色したものとなるからである。
【0014】この発明において原料として用いられるP
VCは、どのような製造方法によって作られたものであ
ってもよい。例えば懸濁重合法でも、乳化重合法でも、
溶液重合法でも、塊状重合法でもよい。その中では懸濁
重合法によったものが好ましい。その理由は、懸濁重合
法によると、PVCが多孔性の細かい粒子として得られ
るからである。PVCの粒度について云えば、PVC全
体の95重量%以上が75−500ミクロンの粒径を持
っていることが好ましい。その理由は、75ミクロン以
下の細かい粒子や500ミクロン以上の粗い粒子が多く
なると、これから得られたCPVCを成形加工すると
き、配合のバラツキを生じ易く、従って加熱時に焼けに
よる着色を生じ、良好な成形体を得ることができなくな
るからである。
【0015】この発明では、原料として用いるPVCの
重合度をとくに限定しない。しかし、平均重合度は70
0−2000のものを用いるのが好ましい。その理由
は、平均重合度が700未満のものを用いたのでは、得
られたCPVCの重合度が低くて、これから作ったCP
VC成形体の衝撃強度が低くなって、好ましくないから
である。逆に、平均重合度が2000を越えたものを用
いたのでは、得られたCPVCを溶融したとき、粘度が
高くなり過ぎて、成形体への加工が容易でなくなるから
である。
【0016】この発明では、密閉できる容器内でPVC
を水性媒体中に懸濁させる。密閉できる容器としては、
ガラスライニングをした耐圧容器で、撹拌機と加熱冷却
用のジャケットとを備えたものが好ましい。この容器の
中へ適当量の脱イオン水を入れ、次いでこの中へ適当量
のPVC粉末を投入し、容器内を撹拌してPVCを水中
に分散させ、PVCを水中に懸濁させる。
【0017】この発明では、上述のようにして得たPV
C懸濁液の入った容器から酸素を除く。このためには、
最初に真空ポンプを使用して容器内を吸引し脱気するこ
とが望ましい。吸引は容器内の気圧が、例えばその時の
水の蒸気圧に水銀柱20mmの圧力を加えた程度の圧力
に達するまで行い、この程度の圧力に数分間維持するこ
とによって最初の脱気を行う。その後、容器内に窒素を
圧入して暫く放置したのち、再び真空ポンプによって吸
引脱気を行って酸素を除く。この操作を繰り返して、容
器内の酸素量を100ppm以下とする。
【0018】上述のようにして、容器内の酸素を除いて
から、容器内に塩素を導入してPVCを塩素化する。そ
のとき導入する塩素は、純粋なものであることが望まし
いが、一応市販されている塩素をそのまま使用すること
ができる。例えば、市販の塩素は1000ppm以上の
酸素を含んでいるが、この発明ではこのような塩素をそ
のままPVCの塩素化に用いることができる。また、こ
うして塩素化するにあたって、既述のように過酸化水素
を添加し、加熱して上記の高温に維持する。
【0019】この発明では、塩素化反応時の圧力に格別
の限定を設けていない。概して云えば、その圧力は、そ
の時の水蒸気の圧力に0.3−5.0Kg/cm2 の圧
力を加えた範囲内とすることが好ましい。圧力が低いと
塩素の供給不足を招き、塩素化反応が円滑に進まないこ
とになるし、逆に余りにも高い圧力は、容器の調達に費
用がかかり有利でなくなるからである。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、密閉できる容器内で
PVCを水性媒体中に懸濁させ、容器内に窒素を吹き込
んで容器内の酸素を除いてのち、塩素を容器内に導入し
てPVCの塩素化を行うから、実質的に酸素が含まれて
いない状態の下で、塩素化を行うことになる。その塩素
化の過程で5−50ppm量の過酸化水素を添加し、温
度を100−140℃の範囲内に維持するので、塩素化
が適当な速度をもって円滑に進行し、熱安定性の良いC
PVCが得られる。しかも、その際の塩素化は、光を照
射しなくても円滑に進行する。また、添加するものが過
酸化水素であるから、酸素を添加するのに比べて添加し
易く、その上に得られたCPVCの熱安定性がより優れ
ている。この発明は、このような利点をもたらしてい
る。
【0021】
【実施例】以下に、実施例と比較例とを挙げて、この発
明方法の優れている所以を具体的に明らかにする。以下
で、単に部又は%と云うのは重量部又は重量%を表す。
【0022】
【実施例1】 (CPVCの製造)PVCとしては、懸濁重合法で製造
した平均重合度1050で、平均粒径150ミクロンの
粉末を用いた。容器として、内容積が300リットルの
グラスライニングオートクレーブを用いたが、そのオー
トクレーブはオイル循環式ジャケットと撹拌機とを備え
ていた。
【0023】上記容器に上記PVC粉末50Kgと脱イ
オン水175Kgを入れ、充分に撹拌した後、真空ポン
プで内部空気を吸引し、内部圧を水の蒸気圧よりも水銀
柱で20mmだけ高い減圧下に5分保った。次いで、窒
素ガスを圧入した後、再び真空ポンプで吸引して上記の
圧力に5分間保持し、容器内の酸素を除去した。この間
加熱したオイルをジャケットに通して容器内を加熱し
た。
【0024】容器内の温度が120℃に達した時、市販
されている50Kgの液化塩素ボンベからの塩素を、容
器の底から容器内へ導入した。導入開始と同時にジャケ
ットには冷却用オイルを流して、塩素化に伴う発熱を除
去するようにした。
【0025】他方、過酸化水素は0.1重量%の水溶液
として、その水溶液を塩素供給開始から30分経過した
時点から、200cc/時間の割合で、容器内の気相部
へ滴下し、全部で1000ccの過酸化水素水溶液を添
加した。
【0026】容器内の塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素の供給開始から7時間を経過した時点で、塩素
含有率が66.5%になったことを確認して、塩素の供
給を止めた。同時に容器を冷却し、残留塩素の除去を行
い、塩素化反応を終了した。
【0027】得られた生成物を脱イオン水で洗浄し、中
和し、脱水し、乾燥して、白色粉末を得て、これをCP
VCとした。
【0028】(CPVCの物性試験)得られたCPVC
を用いて下記の配合物を作った。 CPVC 100部 三塩基性硫酸鉛 3 二塩基ステアリン酸鉛 1 ステアリン酸鉛 1 ポリエチレンワックス 0.5 MBS樹脂 10
【0029】(試験片の作成)上記の配合物を2本の8
インチロールに供給し、195℃で3分間混練し、厚み
0.5mmのシートとした。このシートを重ね合わせ、
200℃の温度で150Kg/cm2 の圧力下に8分間
プレスして、厚み3mmと6.4mmのプレス板を得
た。
【0030】(物性評価)熱変形温度は、厚みが6.4
mmのプレス板を用い、ASTM D−648に規定す
る方法に従い、負荷加重18.6Kg/cm2 で測定し
た。
【0031】シャルピー衝撃強度は、厚みが3mmのプ
レス板を用い、JISK−7111に規定する方法に従
い、23℃の温度下で測定した。
【0032】溶融流動性は、高化式フローテスターを用
い、上記シートを温度190℃、圧力150Kg/cm
2 、ノズル1φ×1で流動量を測定した。測定値は×1
-2cc/秒の単位で示した。
【0033】(ロール練りによる熱安定性)上記配合物
を表面温度が205℃の8インチロールで混練し、混練
物をロールに巻き付けた。巻き付け開始時から30秒毎
にシートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切
り出して、シートの着色度を比較し、試料が黒褐色に変
わる時間で熱安定性を示した。
【0034】(プラストグラフによる熱安定性)東洋精
機社製のプラストミルを使用して、上記配合物65gを
予熱3分、試験温度190℃で、ローター回転数60r
pmで混練し、混練開始時から混練トルクがピークにな
る点までをゲル化時間とし、混練トルクが安定した状態
のトルクを定常トルクとし、また混練トルクが再び上昇
する点までを分解時間とした。
【0035】(試験結果)熱変形温度は106.5℃で
あり、シャルピー衝撃強度は25.0Kg・cm/cm
2 であり、溶融流動性は1.3×10-2cc/秒であり、
プラストグラフによるゲル化時間は3分、定常トルクは
5.4kg・m、分解時間は12分であり、ロール練り
による熱安定性は27分であった。こうして、このCP
VCは熱安定性がよくて加工し易いものであることが確
認できた。
【0036】
【実施例2】 (CPVCの製造)この実施例では、過酸化水素水溶液
を700cc/Hrの速度で、全部で2500ccを添
加し、塩素化の反応時間を5時間とした以外は、実施例
1と全く同様にして、塩素含有率が66.5%のCPV
Cを得た。
【0037】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃であり、シャルピー衝撃強度は
26.0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.2×1
-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は
3分15秒、定常トルクは5.4kg・m、分解時間は
10分30秒であり、ロール練りによる熱安定性は24
分であった。こうして、このCPVCは熱安定性がよく
て加工し易いものであることが確認された。
【0038】
【実施例3】 (CPVCの製造)この実施例では、過酸化水素水溶液
を30cc/Hrの速度で、全部で250cc添加し、
塩素化の反応時間を10時間とした以外は、実施例1と
全く同様にして、塩素含有率が66.5%のCPVCを
得た。
【0039】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.5℃、シャルピー衝撃強度は26.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.2×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は3分0
0秒、定常トルクは5.4kg・m、分解時間は14分
00秒であり、ロール練りによる熱安定性は30分であ
った。こうして、このCPVCは熱安定性がよくて加工
し易いものであることが確認された。
【0040】
【実施例4】 (CPVCの製造)この実施例では、塩素化反応の温度
を100℃に下げ、塩素化の反応時間を10時間とした
以外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が6
6.5%のCPVCを得た。
【0041】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.5℃、シャルピー衝撃強度は26.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.2×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は3分0
0秒、定常トルクは5.4kg・m、分解時間は15分
00秒であり、ロール練りによる熱安定性は28分であ
った。こうして、このCPVCは熱安定性がよくて加工
し易いものであることが確認された。
【0042】
【実施例5】 (CPVCの製造)この実施例では、塩素化反応の温度
を140℃に上げ、塩素化の反応時間を5時間とした以
外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が66.
5%のCPVCを得た。
【0043】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は3分3
0秒、定常トルクは5.5kg・m、分解時間は12分
00秒であり、ロール練りによる熱安定性は23分であ
った。こうして、このCPVCは熱安定性がよくて加工
し易いものであることが確認された。
【0044】
【比較例1】 (CPVCの製造)この比較例では、過酸化水素水溶液
を1700cc/Hrの速度で全部で5000ccと
し、塩素化の反応時間を4.0時間とした以外は、実施
例1と全く同様にして、塩素含有率が66.5%のCP
VCを得た。
【0045】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は105.5℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は4分3
0秒、定常トルクは5.5kg・m、分解時間は7分3
0秒であり、ロール練りによる熱安定性は9分であっ
た。こうして、このCPVCは熱安定性が劣るものであ
ることが確認された。
【0046】
【比較例2】 (CPVCの製造)この比較例では、過酸化水素水溶液
を添加しないで、塩素化の反応時間を16時間とした以
外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が66.
5%のCPVCを得た。
【0047】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は105.5℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は4分0
0秒、定常トルクは5.5kg・m、分解時間は7分0
0秒であり、ロール練りによる熱安定性は8分であっ
た。こうして、このCPVCは熱安定性が劣るものであ
ることが確認された。
【0048】
【比較例3】 (CPVCの製造)この比較例では、塩素化反応の温度
を90℃に下げ、塩素化の反応時間を15時間とした以
外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が66.
5%のCPVCを得た。
【0049】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は4分3
0秒、定常トルクは5.5kg・m、分解時間は8分0
0秒であり、ロール練りによる熱安定性は10分であっ
た。こうして、このCPVCは熱安定性が劣るものであ
ることが確認された。
【0050】
【比較例4】 (CPVCの製造)この比較例では、塩素化反応の温度
を145℃に上げ、塩素化の反応時間を5時間とした以
外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が66.
5%のCPVCを得た。
【0051】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は4分3
0秒、定常トルクは5.5kg・m、分解時間は6分3
0秒であり、ロール練りによる熱安定性は8分であっ
た。こうして、このCPVCは熱安定性が劣るものであ
ることが確認された。
【0052】
【比較例5】 (CPVCの製造)この比較例では、特公昭45−30
833号公報の教示に基づいて、過酸化水素の代わりに
酸素を用いた。詳しくは下記のように実施した。
【0053】実施例1において、過酸化水素の代わりに
酸素を添加することとした以外は、実施例1と全く同様
にしてCPVCを得た。酸素は塩素供給開始から30分
経過した点より添加し始め、350cc/時間の割合
で、全部で2000ccだけ添加した。
【0054】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃、シャルピー衝撃強度は25.
0Kg・cm/cm2 、溶融流動性は1.3×10-2cc
/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間は4分、
定常トルクは5.5kg・m、分解時間は7分30秒で
あり、ロール練りによる熱安定性は7分であった。こう
してこのCPVCは熱安定性の劣るものであることが確
認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平2−41523(JP,B2) 特公 昭46−4394(JP,B1) 特公 昭46−20056(JP,B1) 特公 昭40−8909(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉できる容器内でポリ塩化ビニルを水
    性媒体中に懸濁させ、容器内に窒素を吹き込んで容器内
    の酸素を除いたのち、塩素を容器内に導入してポリ塩化
    ビニルを塩素化する方法において、塩素化の過程で、ポ
    リ塩化ビニルに対し5−50ppm量の過酸化水素を容
    器内に添加し、100−140℃の温度でポリ塩化ビニ
    ルを塩素化することを特徴とする、塩素化塩化ビニル樹
    脂の製造方法。
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