JP2851486B2 - 塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法

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JP2851486B2
JP2851486B2 JP21083992A JP21083992A JP2851486B2 JP 2851486 B2 JP2851486 B2 JP 2851486B2 JP 21083992 A JP21083992 A JP 21083992A JP 21083992 A JP21083992 A JP 21083992A JP 2851486 B2 JP2851486 B2 JP 2851486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塩素化塩化ビニル樹
脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル樹脂(以下、これをC
PVCという)は、塩化ビニル樹脂(以下、これをPV
Cという)を塩素化して作られる。CPVCは、PVC
の長所と云われる特性を残し、PVCの欠点と云われる
性質を改良したものとなっている。すなわち、CPVC
はPVCの持つすぐれた耐候性、耐火災性、耐薬品性を
そのまま残しており、他方でPVCは熱変形温度が低く
て熱水に対して使用できないという欠点を持っているの
に、CPVCは熱変形温度がPVCよりも20−40℃
も高くて、熱水に対しても使用できるという長所を持っ
ている。従って、CPVCは耐熱パイプ、耐熱継手、耐
熱バルブなどとして使用できる。
【0003】上に述べたように、CPVCは熱変形温度
が高い。従って、CPVCを加工して成形体とするに
は、当然高い温度に加熱して溶融しなければならない。
ところが、CPVCは熱安定性が悪くて、これを加熱す
ると分解して着色する傾向を持っている。だから、CP
VCはPVCよりも加熱によってゲル化させることが困
難である。このために、CPVCを加熱して成形体にす
るとき、充分にゲル化させないで成形体とすることとな
った。そのため、CPVC製の成形体は、PVCよりも
衝撃強度が劣るという結果を招くことになった。こうし
て、CPVCは、その利用を狭められることとなった。
そこで、CPVCの熱安定性を是非とも改良する必要が
生じた。
【0004】熱安定性の良好なCPVCを製造する方法
は、これまでも提案されて来た。例えば、古くは特公昭
45−30833号公報がこれを提案していた。その提
案によれば、特定の重合方法によって作られた特定粒径
のPVCを材料に選択し、このPVCを水性媒体中に懸
濁させ、この中へ酸素濃度が0.05−0.35容量%
の塩素を特定の流速で供給して、55−80℃の温度で
PVCを塩素化すると、熱安定性の良好なCPVCが得
られる、と云うのである。しかし、特定な重合方法によ
って得られた特定粒径のPVCを選択して用いなければ
ならないと云う方法は、実施が容易でない。その上にこ
うして得られたCPVCは、熱安定性も格段にすぐれて
いなかった。
【0005】また、最近では、特公平2−41523号
公報が、PVCを高圧密閉容器に入れて水性媒体中に懸
濁させ、水性懸濁液からすべての酸素を取り除いた後に
塩素を圧入し、紫外線を照射しながら、1.76Kg/
cm2 Gの圧力下にある塩素によって、80−120℃
の温度でPVCを塩素化する方法を提案している。しか
し、このような高温高圧下にある塩素の中で紫外線を照
射するということは、これに耐えられる装置を作るのに
格別な工夫が必要とされ、従って実施が容易でなかっ
た。その上に、得られたCPVCも熱安定性が格段にす
ぐれていなかった。従って、これまでは、熱安定性の良
好なCPVCを製造するのに実施容易な方法がなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、熱安定性
の良好なCPVCの製造方法を提供しようとするもので
ある。とくに、原料として用いるPVCに格別の限定が
なく、また使用する設備に格別の工夫が必要とされず、
従って実施が容易であって、しかも格別に加工しやすい
CPVCが得られる方法を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題解決のための手段】この発明者は、特公昭45−
30833号及び特公平2−41523号公報が開示す
る思想に従って、密閉容器内でPVCを水性媒体中に懸
濁させ、容器内に窒素を圧入して容器内の酸素をすべて
取り除いたのち、容器内に特定量の酸素を含んだ塩素を
圧入して、懸濁状態でPVCを塩素化することを試み
た。その結果、この発明者は、特公昭45−30833
号及び特公平2−41523号が教える酸素濃度よりも
遙かに少ない量の酸素を含んだ塩素を圧入し、さらに高
温で塩素化すると、紫外線などの光を照射しないでPV
Cを効率よく塩素化できて、しかも熱安定性が良好で加
工が容易なCPVCの得られることを見出した。この発
明は、このような知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0008】この発明は、密閉できる容器内で平均重合
度が700−2000のPVCを水性媒体中に懸濁さ
せ、容器内に窒素を吹き込んで容器内の酸素を除いたの
ち、10−100ppmの酸素含有塩素を容器内に供給
し、110−135℃の温度で、PVCを塩素化するこ
とを特徴とする、CPVCの製造方法を要旨とするもの
である。
【0009】この発明では、原料として平均重合度が7
00−2000のPVCを用いる。平均重合度を上記の
範囲内に限った理由は、PVCの平均重合度が700未
満のPVCを用いたのでは、得られたCPVCの重合度
が低くて、これから作ったCPVC成形体の衝撃強度が
極端に低くなって、実用に耐えないものとなるからであ
る。逆に、平均重合度が2000を越えるPVCを用い
たのでは、CPVCの溶融粘度が高くなり過ぎて、成形
体への加工が容易でなくなるからである。
【0010】この発明において原料として用いられるP
VCは、どのような製造方法によって作られたものであ
ってもよい。例えば、懸濁重合法でも、乳化重合法で
も、溶液重合法でも、塊状重合法でもよい。その中で
は、懸濁重合法によったものが好ましい。その理由は、
懸濁重合法によると、PVCが多孔性の細かい粒子とし
て得られるからである。PVCの粒度について云えば、
PVC全体の95重量%以上が75−500ミクロンの
粒径を持ったものであることが好ましい。その理由は7
5ミクロン以下の細かい粒子や500ミクロン以上の粗
い粒子が多くなると、これから得られたCPVCを成形
加工するとき、配合のバラツキを生じ易く、従って加熱
時に焼けによる着色を生じ、良好な成形体を得ることが
できなくなるからである。
【0011】この発明では、密閉できる容器内でPVC
を水性媒体中に懸濁させる。密閉できる容器としては、
ガラスライニングをした耐圧容器で、撹拌機と加熱冷却
用のジャケットを備えたものが好ましい。この容器の中
へ適当量の脱イオン水を入れ、次いでこの中へ適当量の
PVC粉末を投入し、容器内を撹拌してPVCを水中に
分散させ、PVCを水中に懸濁させる。
【0012】この発明では、次いで、上述の懸濁液の入
った容器から酸素を除く。このためには、最初に真空ポ
ンプを使用して容器内を吸引し脱気することが望まし
い。吸引は、容器内の気圧が、例えばそのときの水の蒸
気圧に水銀柱20mmの圧力を加えた程度の圧力に達す
るまで行い、この程度の圧力に数分間維持することによ
って最初の脱気を行う。その後、容器内に窒素を圧入し
て暫く放置したのち、再び真空ポンプによって吸引脱気
を行って酸素を除く。この操作を数回繰り返して容器内
の酸素量を100ppm以下とする。
【0013】この発明では、酸素が10−100ppm
含まれている塩素を容器内に供給して塩素化を行う。こ
のような塩素は市場では通常入手することができない。
従って、市場で入手できる塩素をそのまま用いたので
は、この発明の要件に適った塩素を供給することができ
ない。なぜならば、市場で得られる塩素は、食塩水の電
気分解によって得られた塩素を一応精製したものではあ
るが、なお大量の酸素を含んでいるからである。また、
このような市販の塩素を液化して酸素を除いて得られた
液化塩素でも、なお200−1000ppmの酸素を含
んでいるからである。
【0014】この発明で使用できる塩素を得るには、市
場で得られる塩素をさらに精製しなければならない。そ
の精製は色々な方法によって行うことができる。そのう
ち、最も簡単な方法は、ボンベに入れられている液化塩
素から、その中の気相部から酸素を含んだ塩素ガスを取
り除き、あとに残った塩素分を使用することである。気
相部を取り除くと云っても、その量は僅かな量であって
はならず、非常に大量である。具体的に云えば、液化塩
素全体から気化させた塩素ガスが5−10重量%に及ぶ
ほど大量に放出して残った塩素でなければならない。こ
のように大量の塩素ガスを放出したあとでないと、10
−100ppmという極めて少量の酸素を含んだ塩素が
得られない。液化塩素からその中の気相部分を5−10
重量%も放出させて、残った部分だけを選んで使用する
ことは、これまでなされなかった。この発明では、この
ようにして残った部分だけを選んで使用するのである。
【0015】この発明が塩素中の酸素含有量を10−1
00ppmに限定した理由は、実験に基づいている。す
なわち、色々な酸素含有量の塩素を用いてPVCを塩素
化し、得られたCPVCの熱安定性を調べた結果によっ
ている。詳述すれば、酸素含有量が10ppm未満の塩
素を使用したのでは、塩素化反応の温度を上昇させて
も、塩素化の反応速度が低くて反応を円滑に進行させる
ことができないからである。さらに、酸素含有量を10
ppm未満に下げるには、塩素の精製に一層の労力が必
要とされるのに、それに見合う利益が得られないからで
ある。逆に、酸素の含有量が100ppmを越えると、
塩素化反応は円滑に進行するが、得られたCPVCの熱
安定性が悪くなるからである。
【0016】この発明では、塩素化に際し、容器内の温
度を110°−135℃の温度に維持する。これまで塩
素化は85℃以下の温度で行われて来たので、上記の温
度は非常に高い。この温度範囲が適当なことは、実験の
結果判明した事実に基づいている。すなわち、容器内の
温度が110℃未満では、塩素化の反応速度が低くて、
実用的に塩素化を行うことができないからであり、逆に
135℃を越えると、塩素化反応とともに脱塩酸反応が
起こるようになり、得られるCPVCが着色したものと
なるからである。
【0017】この発明では、塩素化反応時の圧力に格別
の限定を設けていない。概して云えば、その圧力は、そ
の時の水蒸気の圧力に0.3−5.0Kg/cm2 の圧
力を加えた範囲内とすることが好ましい。圧力が低いと
塩素の供給不足を招き、反応が円滑に進まないことにな
るし、逆に余りにも高い圧力は、容器の調達に費用がか
かり有利でなくなるからである。
【0018】
【発明の効果】この発明によれば、平均重合度が700
−2000のPVCを材料に用いるので、得られたCP
VCは、衝撃強度が強くて成形に適した溶融粘度を持っ
たものとなり、従って加工が容易で良好な成形体を与え
るCPVCが得られる。また、上記のPVCを密閉でき
る容器内で水性媒体中に懸濁させ、容器内に窒素を吹き
込んで容器内の酸素を除くので、容器内は初め酸素の存
在しない状態となっている。その容器内へ酸素が10−
100ppm含まれている塩素を供給するので、塩素化
は酸素量が上記の濃度範囲に保たれた状態で進行するこ
ととなる。その上で、温度を110−135℃の範囲内
に維持するので、塩素化が適当な速度をもって円滑に進
行し、熱安定性の良いCPVCが得られる。しかも、そ
の際の塩素化は光の照射をしなくても円滑に進行する。
この点で、この発明の効果は顕著である。
【0019】
【実施例】以下に、実施例と比較例とを挙げてこの発明
方法のすぐれている所以を具体的に明らかにする。以下
で単に部又は%というのは重量部又は重量%を表す。
【0020】
【実施例1】 (CPVCの製造)PVCとしては、懸濁重合法で製造
した平均重合度1050で平均粒径150ミクロンの粉
末を用いた。容器として、内容積が300リットルのグ
ラスライニングオートクレーブを用いたが、そのオート
クレーブはオイル循環式ジャケットと撹拌機とを備えて
いた。
【0021】上記容器に上記PVC粉末50Kgと脱イ
オン水175Kgを入れ、充分に撹拌した後、真空ポン
プで内部空気を吸引し、内部圧を水の蒸気圧よりも水銀
柱で20mmだけ高い減圧下に5分間保った。次いで、
窒素ガスを圧入した後、再び真空ポンプで吸引して上記
の圧力に5分間保持し、容器内の酸素を除去した。この
間、加熱したオイルをジャケットに通して容器内を加温
した。
【0022】容器内の温度が125℃に達したとき、容
器内に塩素ガスを容器の底部から供給した。供給開始と
同時にジャケットには冷却用オイルを通して、塩素化に
伴う反応熱を除去するようにした。
【0023】他方、塩素ガスは、市販されている50K
gの液化塩素ボンベから、気相部のガス状塩素を10K
g/Hrの流速でパージして、パージした塩素ガスをガ
スクロマトグラフで分析しながら、排ガス処理設備に収
容した。パージした塩素ガスは初めは大量の酸素を含ん
でいたが、パージの進行とともに酸素の含有量が減少
し、パージ開始から約30分を経て、5Kgの塩素ガス
をパージした時点で、酸素含有量が50ppmとなった
ので、この時点で塩素を上記の容器へ供給し始めた。
【0024】容器内の塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素の供給開始から8時間経過した時点で、塩素含
有率が66.5%になったことを確認して、塩素の供給
を止めた。同時に容器を冷却し、残留塩素の除去を行
い、塩素化反応を終了した。
【0025】得られた生成物を脱イオン水で洗浄し、中
和し、脱水し、乾燥して、白色粉末を得て、これをCP
VCとした。
【0026】(CPVCの物性試験)得られたCPVC
を用いて下記の配合物を作った。 CPVC 100部 三塩基性硫酸鉛 3 二塩基ステアリン酸鉛 1 ステアリン酸鉛 1 ポリエチレンワックス 0.5 MBS樹脂 10
【0027】(試験片の作成)上記の配合物を2本の8
インチロールに供給し、195℃で3分間混練し、厚み
0.5mmのシートとした。このシートを重ね合わせ、
200℃の温度で150Kg/cm2 の圧力下に8分間
プレスして、厚み3mmと6.4mmのプレス板を得
た。
【0028】(物性評価)熱変形温度は、厚みが6.4
mmのプレス板を用い、ASTM−648に規定する方
法に従い、負荷加重15.6Kg/cm2 fの下で測定
した。
【0029】シャルピー衝撃強度は、厚みが3mmのプ
レス板を用い、JIS−7111に規定する方法に従
い、23℃の温度下で測定した。
【0030】溶融流動性は、高化式フローテスターを用
い、上記シートを温度190℃、圧力150Kg/cm
2 、ノズル1φ×1で流動量を測定した。測定値は×1
-2cc/秒の単位で示した。
【0031】(ロール練りによる熱安定性)上記配合物
を表面温度が205℃の8インチロールで混練し、混練
物をロールに巻きつけた。巻きつけ開始時から30秒毎
にシートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切
り出して、シートの着色度を比較し、試料が黒褐色に変
わる時間で熱安定性を示した。
【0032】(プラストグラフによる熱安定性)東洋精
機社製のプラストミルを使用して、上記配合物65gを
予熱3分、試験温度190℃で、ローター回転数60r
pmで混練し、混練開始時から混練トルクがピークにな
る点までをゲル化時間とし、混練トルクが安定した状態
のトルクを定常トルクとし、また混練トルクが再び上昇
する点までを分解時間とした。
【0033】(試験結果)熱変形温度は106.5℃で
あり、シャルピー衝撃強度は25.0Kg・cm/cm
2 であり、溶融流動性は1.3×10-2cc/秒であり、
プラストグラフによるゲル化時間は3分、定常トルクは
5.4kg・m、分解時間は12分であり、ロール練り
による熱安定性は27分であった。こうして、このCP
VCは熱安定性がよくて加工し易いものであることが確
認できた。
【0034】
【実施例2】 (CPVCの製造)この実施例では、実施例1におい
て、酸素が50ppm含まれている塩素の代わりに酸素
が100ppm含まれている塩素を用い、塩素化の反応
時間を6時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0035】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.0℃であり、シャルピー衝撃強度は
26.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は1.
2×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化
時間は3分15秒、定常トルクは5.4kg・m、分解
時間は10分30秒であり、ロール練りによる熱安定性
は24分であった。こうして、このCPVCは熱安定性
がよくて加工し易いものであることが確認された。
【0036】
【実施例3】 (CPVCの製造)この実施例では、実施例1におい
て、反応温度を130℃とし、酸素が20ppm含まれ
ている塩素を用い、塩素化の反応時間を13時間とした
以外は、実施例1と全く同様にして、塩素含有率が6
6.5%のCPVCを得た。
【0037】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験をしたところ、熱
変形温度は106.5℃であり、シャルピー衝撃強度は
26.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は1.
2×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化
時間は3分00秒、定常トルクは5.4kg・m、分解
時間は14分00秒であり、ロール練りによる熱安定性
は30分であった。こうして、このCPVCは熱安定性
がよくて加工し易いものであることが確認された。
【0038】
【比較例1】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
酸素含有量が規定量より多くて200ppmの塩素を用
い、塩素化の反応温度を130℃とし、塩素化の反応時
間を3.0時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0039】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は105.5℃であり、シャルピー衝撃強度
は25.5Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
1.3×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は4分00秒、定常トルクは5.5kg・m、
分解時間は7分30秒であり、ロール練りによる熱安定
性は9分であった。こうして、このCPVCは熱安定性
が劣るものであることが確認された。
【0040】
【比較例2】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
酸素含有量が規定量より少なくて5ppmの塩素を用
い、塩素化の反応温度を135℃とし、塩素化の反応時
間を24.0時間とした以外は、実施例1と全く同様に
して、塩素含有率が66.3%のCPVCを得た。
【0041】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は99.5℃であり、シャルピー衝撃強度は
28.5Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は3.
5×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化
時間は2分30秒、定常トルクは4.9kg・m、分解
時間は9分00秒であり、ロール練りによる熱安定性は
15分であった。こうして、このCPVCは熱安定性も
加工性もさほど悪くはないが、塩素化反応の時間が長い
に拘わらず塩素化反応が進行しないので、有利でないこ
とが確認された。
【0042】
【実施例4】 (CPVCの製造)この実施例は、実施例1において、
塩素化反応の温度を110℃に下げ、反応時間を16.
0時間とした以外は、実施例1と全く同様にして、塩素
含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0043】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は106.5℃であり、シャルピー衝撃強度
は26.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
1.2×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は3分00秒、定常トルクは5.4kg・m、
分解時間は12分20秒であり、ロール練りによる熱安
定性は24分であった。これにより、このCPVCは熱
安定性がよくて加工し易いものであることが確認され
た。
【0044】
【実施例5】 (CPVCの製造)この実施例は、実施例1において、
塩素化反応の温度を135℃に上げ、反応時間を7.0
時間とした以外は、実施例1と全く同様にして、塩素含
有率が66.5%のCPVCを得た。
【0045】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は106.0℃であり、シャルピー衝撃強度
は25.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
1.3×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は3分30秒、定常トルクは5.5kg・m、
分解時間は10分30秒であり、ロール練りによる熱安
定性は21分であった。これにより、このCPVCは熱
安定性がよくて加工し易いものであることが確認され
た。
【0046】
【実施例6】 (CPVCの製造)この実施例は、実施例1において、
平均重合度が1900のPVCを用い、塩素化反応の時
間を7.5時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0047】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は107.0℃であり、シャルピー衝撃強度
は32.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
0.6×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は4分45秒、定常トルクは6.8kg・m、
分解時間は11分00秒であり、ロール練りによる熱安
定性は21分であった。これにより、このCPVCは熱
安定性がよくて重合度の高い割合には加工し易いもので
あることが確認された。
【0048】
【実施例7】 (CPVCの製造)この実施例は、実施例1において、
平均重合度が700のPVCを用い、塩素化反応の時間
を8.5時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0049】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は105.5℃であり、シャルピー衝撃強度
は18.5Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
4.3×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は2分15秒、定常トルクは4.2kg・m、
分解時間は12分00秒であり、ロール練りによる熱安
定性は27分であった。これにより、このCPVCは熱
安定性がよくて加工し易いものであることが確認され
た。
【0050】
【比較例3】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
塩素化反応の温度を100℃に下げ、反応時間を24.
0時間と長くした以外は、実施例1と全く同様にして、
塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0051】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は106.0℃であり、シャルピー衝撃強度
は25.5Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
1.3×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は3分30秒、定常トルクは5.4kg・m、
分解時間は10分00秒であり、ロール練りによる熱安
定性は18分であった。これにより、このCPVCは、
熱安定性が劣るとともに反応時間が長くなるので有利で
ないことが確認された。
【0052】
【比較例4】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
塩素化反応の温度を140℃に上げ、反応時間を6.5
時間と短くした以外は、実施例1と全く同様にして、塩
素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0053】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は105.0℃であり、シャルピー衝撃強度
は25.0Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は
1.0×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲ
ル化時間は3分45秒、定常トルクは5.6kg・m、
分解時間は7分00秒であり、ロール練りによる熱安定
性は9分であった。これにより、このCPVCは、熱安
定性に劣ることが確認された。
【0054】
【比較例5】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
平均重合度が2500のPVCを用い、塩素化反応の時
間を7.5時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0055】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は分解のために測定できず、従ってシャルピ
ー衝撃強度も測定できず、溶融流動性は0.02×10
-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化時間、定
常トルク、分解時間は何れもトルクが高くて混練でき
ず、またロール練りによる熱安定性も測定できなかっ
た。これにより、このCPVCは熱安定性が悪くて加工
するに適しないものであることが確認された。
【0056】
【比較例6】 (CPVCの製造)この比較例は、実施例1において、
平均重合度が500のPVCを用い、塩素化反応の時間
を9.0時間とした以外は、実施例1と全く同様にし
て、塩素含有率が66.5%のCPVCを得た。
【0057】(試験結果)得られたCPVCについて、
実施例1と全く同様にして各種の試験を行ったところ、
熱変形温度は105.0℃であり、シャルピー衝撃強度
は9.5Kg・cm/cm2 であり、溶融流動性は6.
8×10-2cc/秒であり、プラストグラフによるゲル化
時間は1分45秒、定常トルクは3.8kg・m、分解
時間は8分30秒であり、ロール練りによる熱安定性は
15分であった。これにより、このCPVCは熱安定性
が劣り、且つ衝撃強度が弱いので、実用に適さないこと
が確認された。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉できる容器内で、平均重合度が70
    0−2000のポリ塩化ビニルを水性媒体中に懸濁さ
    せ、容器内に窒素を吹き込んで容器内の酸素を除いたの
    ち、10−100ppmの酸素含有塩素を容器内に供給
    し、110−135℃の温度で、ポリ塩化ビニルを塩素
    化することを特徴とする、塩素化塩化ビニル樹脂の製造
    方法。
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