JP3057068B2 - ピペリドン化合物 - Google Patents

ピペリドン化合物

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JP3057068B2 JP10362176A JP36217698A JP3057068B2 JP 3057068 B2 JP3057068 B2 JP 3057068B2 JP 10362176 A JP10362176 A JP 10362176A JP 36217698 A JP36217698 A JP 36217698A JP 3057068 B2 JP3057068 B2 JP 3057068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬および合成有
機化学の分野に属するものであり、一連のアンチ葉酸タ
イプの複合代謝拮抗物質の不斉合成のための方法および
中間体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】代謝拮抗物質は、癌の治療、並びに慢性
関節リウマチの様なその他の症状の治療における化学療
法剤として幾年も使用されてきた。この様な薬物の1つ
であるメトトレキセートは現在最も広範に使用されてい
る抗癌剤の1つであり、葉酸類のその他の多くの化合物
が製造され、試験され、化学および医学文献において議
論されてきた。これらの化合物は酵素レベルで種々の活
性を有しており、これらはジヒドロ葉酸レダクターゼお
よび葉酸ポリグルタメートシンテターゼの様な酵素を、
種々の組合わせで種々の程度阻害する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】より最近、5,10−
ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸の一連の誘
導体が開示され、とりわけ有用なアンチ葉酸薬物である
ことが示された。例えば、テイラー等(E.C.Taylor et a
l.)の米国特許第4,684,653号およびテイラー、
シー等(Taylor,Shih et al.)のヨーロッパ特許公開02
48573号参照。これらの化合物は、2またはそれ以
上の不斉中心を有している。6−位の不斉中心(テトラ
ヒドロピリミジン環と2個の炭素ブリッジの連結部)は
とりわけ興味深い。上のEPO公開では、6−位の中心
がRおよびS配置である2個の立体異性体は異なった活
性を有していることが示された。両形態とも有効な薬物
であるが、その効力は異なっており、種々の目的のため
に、そのいずれかがより好ましいであろう。この特許公
開は、キラールな塩の使用による2個の立体異性体の製
造および分離方法を示している。しかしながら、この方
法は、一方の立体異性体のみを必要とする状況では不経
済である。本発明は、これらの化合物の6Rまたは6S
立体異性体のいずれかを製造する不斉合成法(エナンチ
オマー選択的方法)を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、式:
【化5】 [式中、*を付した6−位の炭素はRまたはS配置であ
り;E8はカルボキシ保護基であり;nは0または1で
あり;Eはヒドロキシまたはアミノである]で示される
保護5,10−ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸誘導体の6Rまたは6S形のいずれかを製造するため
の不斉合成法を提供するものである。
【0005】本発明はまた、式(II):
【化6】 [式中、E1はヒドロキシまたはカルボキシ保護基であ
る]で示される化合物の実質上純粋な6Rおよび6S異
性体を提供する。本発明は更に、式(III):
【化7】 [式中、E3はシアノまたはC1−C3アルコキシカルボ
ニルであり;E2はブロモ、クロロ、ヨード、カルボキ
シ、C4−C6 tert−アルコキシカルボニル、シアノ、
1−C3アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C3アル
キル)アミノカルボニル、または[(テトラまたはペンタ)
メチレン]アミノカルボニルであり;*を付した炭素は
RまたはS配置である]で示されるピペリドン化合物を
提供する。
【0006】本発明は更に、式(IV):
【化8】 [式中、 a)E4はヒドロキシであり、E5はアジドまたはC2
4アルカノイルオキシであるか;または b)E4はアジドであり、E5はビス(C1−C3アルコキ
シカルボニル)メチルであるか;または c)E4はアジドであり、E5は(C1−C3アルコキシカ
ルボニル)(シアノ)メチルであり;*を付した炭素はR
またはS配置である]で示される有用な化合物群を提供
する。
【0007】本発明は更に、式(V):
【化9】 [式中、E6はC1−C3アルキルであり;*を付した炭
素はR配置である]で示される化合物の製造工程の1つ
であって、式(VI):
【化10】 で示されるジオールと式(VII): E6−CO−O−CH3 (VII) で示されるエステルをブタ膵臓リパーゼの存在下で反応
させることからなる製造工程を提供する。最後に、本発
明は、式(I)で示される化合物の製造方法であって、E
1がヒドロキシである式(II)の化合物を式(VIII):
【化11】 [式中、E7は独立してクロロ、メトキシまたはフェノ
キシである]で示されるトリアジンと、次いで、式(I
X):
【化12】 [式中、E8基は個別にカルボキシ保護基である]で示
されるL−グルタメートと、N−メチルモルホリンの存
在下で反応させることからなる方法を提供する。
【0008】本明細書では、全ての温度を摂氏度で表わ
す。百分率、割合等の全ての表現は、容量単位が使用さ
れる溶媒混合物の場合以外、重量単位である。上の式
(I)では、L−グルタミン酸残基の立体配置は明白に示
されている。本明細書で議論される全ての化合物におけ
るグルタミン酸残基はL−配置であり、化合物のこの態
様は、名称および構造式を簡単にするために、これ以上
記載しないものとする。
【0009】本発明のポイントおよび有用性は、実質上
純粋な立体異性体形態で式(I)の生成物を製造し得、そ
の6−位(*)の配置を本方法の開始時から予想し得るこ
とである。従って、その生成物への各中間体も、予想可
能な立体異性体形態である。本明細書では立体異性体を
記載するために、カーン等のR,S命名法(Kahn, Prelo
g, and Ingold, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1966 5
385)が使用され、その理由はこれが不斉中心の絶対配
置を明確に説明するからである。しかしながら、R,S
命名法は、命名されるその化合物の特性を考慮する規則
に従って決定されることは理解されるであろう。たとえ
不斉中心が反応に直接関係しなくても、不斉中心がR配
置である中間体は同一中心がS配置である生成物を生じ
ることが見いだされるのが通常である。即ち、6S配置
の式(I)の生成物を製造しようとする場合、R配置の式
(V)の中間体を製造することから開始しなければならな
い。この関係を反応式1で更に説明する。
【0010】nが0であり、EおよびE1がヒドロキシ
である式(I)の生物学的に非常に重要な化合物は、保護
されていない形態でDDATHFと呼ばれている。この
化合物の立体異性体は以前に、異性体Aおよび異性体B
と命名された。例えば、テイラー等(Taylor et al.)のC
hemistry and Biology of Pteridines, Walter De Gruy
ter, Berlin, 1986, 61-64参照。好ましい異性体である
異性体Bは6R化合物であり、異性体Aは6S化合物で
ある。これらの化合物において、ヒドロキシEはケト形
と互変異性の関係であることは理解されよう。本明細書
ではヒドロキシ命名法が使用され、互変異性形態の両者
を意図するものであることは理解されよう。式(I)で示
される生成物は、5,10−ジデアザ−5,6,7,8−テ
トラヒドロ葉酸およびその誘導体として呼ぶこととす
る。Eがアミノである時、この化合物は4−アミノと呼
ばれ、nが1である時、10'−メチレンなる語句が使
用される。L−グルタミン酸部分のカルボキシル基に保
護基が存在する時、不斉中心に隣接するカルボキシル上
の基はα−基と呼ばれ、その他のカルボキシル上の基は
γ−基と呼ばれる。
【0011】本明細書で使用される種々の構造式におい
て、変更可能な語句は有機化学における常法で記載され
る。例えば、C1−C3アルキルなる語句は、メチル、エ
チル、プロピルおよびイソプロピルを包含して使用され
る。C1−C3アルコキシカルボニルおよびC4−C6 ter
t−アルコキシカルボニルなる語句は、メトキシカルボ
ニル、プロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル
および1,1−ジメチルブトキシカルボニルの様な基を
包含する。C1−C3アルキルアミノカルボニルおよびジ
−(C1−C3アルキル)アミノカルボニルなる語句は、メ
チルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、メ
チルイソプロピルアミノカルボニル、プロピルアミノカ
ルボニル等を包含する。カルボキシ保護基なる語句はペ
プチド化学でしばしば使用されるのと同様に使用され、
分子のその他の官能基で行われる反応にカルボキシル基
が関与することを防止するが、カルボキシルから除去し
たい時には容易に除去し得る基を意味する。この様な基
は、グリーン等によって十分議論されている(Greene, P
rotective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New
York, 1981,pp.152-92)。そこで説明されているカルボ
キシ保護基には、とりわけフェナシルオキシ、トリクロ
ロエトキシ、t−ブトキシ、トリフェニルメトキシ、ト
リメチルシリルオキシ、ジメチルアミノ、シリルエステ
ル類等の様なエステル類、アミド類およびヒドラジド類
がある。C2−C4アルカノイルオキシなる語句は、アセ
トキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシおよびイ
ソブチリルオキシを包含する。
【0012】前記の様に、本発明の範囲は全て有用であ
るが、本発明のある種の態様はとりわけ有用であり、好
ましい。好ましい態様を以下に記載する。本発明の更に
非常に好ましい態様は、以下に記載の限定を組み合わせ
ることによって説明されることは理解されよう。式(I
I)で示される化合物において、好ましい限定は以下の
通りである: A.Eはヒドロキシである; B.6−位の炭素の配置はRである; C.nは0である; D.E1は水素である; E.E1はカルボキシ保護基である。 式(III)で示される化合物において、好ましい限定は以
下の通りである: A.E3はC1−C3アルコキシカルボニルである; B.E3はシアノである; C.5−位の炭素の配置はRである; D.nは0である; E.E2はブロモ、クロロまたはヨードである; F.E2はカルボキシ、アルコキシカルボニルまたはア
ミノカルボニルである; G.E2はシアノである。 式(IV)の化合物において、好ましい限定は以下の通り
である: A.E4はヒドロキシである; B.E4はアジドである; C.E5はアルカノイルオキシである; D.E5はアセトキシである; E.E5はビス(アルコキシカルボニル)メチルである; F.E5はビス(エトキシカルボニル)メチルである; G.E5は(エトキシカルボニル)(シアノ)メチルであ
る; H.E5は(アルコキシカルボニル)(シアノ)メチルであ
る; I.不斉中心の配置は、式(IVa)の場合、Sであり、
式(IVb)または(IVc)の場合、Rである; J.nは0である; K.E2はブロモ、クロロまたはヨードである; L.E2はカルボキシ、アルコキシカルボニルまたはア
ミノカルボニルである; M.E2はシアノである。 式(VI)の化合物をアシル化して式(V)のキラールな化
合物を製造する工程では、エステル以外の溶媒を使用せ
ずにこの工程を行うのが好ましく、中では酢酸メチルが
好ましい。式(V)および(VI)の化合物におけるE2
好ましい定義は、式(IV)における定義と同一である。
式(I)の化合物を製造する工程において、Eおよびnの
好ましい定義および6−位の好ましい配置は、式(I)お
よび(II)の化合物の説明における記載と同様である。
この工程の更に好ましい限定は、以下の通りである: A.E8はC1−C4アルコキシ基である; B.E8はC1−C4アルコキシ、ベンジルオキシまたは
アリールオキシ基である; C.トリアジンとの反応の生成物は単離も精製もされな
い; D.この工程はアミド溶媒中で行われる。
【0013】本発明の主要な意義は、これによって、式
(I)の有用な抗癌剤を特定の絶対配置で製造し得るとい
うことにある。現在のプラクティスに従って、化合物は
RおよびS命名法によって特定され、この命名は本発明
で使用される種々の中間体化合物について、種々の方法
で決定される。反応の順序を説明するために、反応式1
を提供する。
【化13】 第1工程では、式(V)で示されるキラール的に特定され
た中間体を製造するために、式(VI)で示されるジオー
ルを、ブタ膵臓リパーゼの補助により不斉合成的にアシ
ル化する。これは酵素の特異性によってR配置となる。
【0014】次に、後述する方法によって式(V)の中間
体を式(IVa)のR配置中間体に変換する。次いで、こ
の中間体を、最終生成物における所望のE基に基づい
て、E 5がビス(アルコキシカルボニル)メチルまたは(ア
ルコキシカルボニル)(シアノ)メチルである式(IVb)
または(IVc)のS−配置中間体に変換する。この中間
体を、同様にS−配置である式(III)のピペリドンに環
形成させる。これを再び環形成させて、式(II)のS−
配置化合物を製造する。最後に、この化合物をグルタミ
ン酸誘導体と反応させて、式(I)の6S−配置の薬物を
製造する。目的物が式(I)の6R−配置化合物である場
合、次に、反応式2に示した様にして変換する。式(V)
のR−配置中間体のヒドロキシ基を保護し、アシル基を
除去してアジドで置換し、式(IVa)のS−配置中間体
を製造する。この方法はここから上で議論したのと同様
にして反応式1に従って進行し、式(II)および(I)の
6R−配置化合物が得られる。
【0015】別法として、式(IVa)のS中間体は、式
(IV)のジオールをビス−アシル化し、得られた化合物
をブタ膵臓リパーゼの存在下で加水分解してモノ−デア
シル化することによっても得ることができる。加水分解
は、pH7の水性緩衝液中で最も好都合に行われる。S
配置の式(IV)の所望のモノ−アシル化合物が得られる
が、この中間体の収率およびエナンチオマー純度は、反
応式2の結果より劣っている。
【0016】
【化14】 式(VI)で示される出発化合物は、通常の有機化学的方
法によって製造される。上記方法の第1工程では、ブタ
膵臓リパーゼを触媒として使用し、式(V)のモノエステ
ルをキラール決定的形態で製造する。酵素の特異性のた
めに、生成物がR−配置となるようにエステル化され
る。ブタ膵臓リパーゼは、シグマケミカル社(Sigma Che
mical Co.)の様な供給源から購入することができる。こ
れを固定化された形で使用するのが好ましい。例えば、
フィルター用に通常使用されるケイソウ土の様な担体に
リパーゼを固定化することができる。固定化の前にリパ
ーゼを精製する必要はない。過剰量の反応体エステル、
例えば酢酸メチル以外に溶媒を使用せずに酵素的エステ
ル化を行うのが好ましい。しかしながら、状況に応じ
て、芳香族溶媒またはハロゲン化溶媒の様な、反応条件
に不活性な有機溶媒を使用することができる。反応は、
約0゜〜約50゜の様な周囲温度範囲で行うのが好まし
い。バッチ法で行う場合、反応は数時間で進行するが、
反応混合物を、固定化酵素を定着させたベッドに通すこ
とによって、連続法でこの方法を行うのが好都合となろ
う。90パーセントの範囲のエステル化収率が得られ、
酢酸エステル生成物は通常、90−95パーセント純度
のR−配置生成物である。
【0017】既述した様に、酵素的エステル化は式(V)
のR−配置化合物を与え、これから式(I)の6S−配置
生成物が誘導される。式(I)で示される好ましい6R−
配置生成物を製造しようとする場合、式(V)のR−配置
中間体を反応式2に従って式(IVa)のS−配置中間体
に変換する。この工程順序では、酵素的エステル化工程
によって製造された式(V)の化合物のヒドロキシ基は、
上記のグリーンの文献で議論された様に通常のヒドロキ
シ保護基で保護される。この目的のための好ましいヒド
ロキシ保護基はシリル基であり、t−ブチルジメチルシ
リルが好ましい。シリル基は、ハロゲン化アルカンの様
な不活性溶媒中、イミダゾールの様な反応イニシエータ
ーの存在下、周囲温度でt−ブチルジメチルシリルクロ
リドとの反応によって容易に適切に配置される。次に、
化合物のエステル基(E6OCO)を塩基で切断し、最初
に酵素的工程でアシル化したヒドロキシ基を解放し、こ
のヒドロキシ基をアジドで置換する。例えば、トリエチ
ルアミンの様な塩基の存在下、スルホニル化合物のクロ
リドと反応させることによって、ヒドロキシ基上に、ト
ルエンスルホニルまたはメタンスルホニルの様な脱離基
を位置させるのが最も好都合である。次に、アジド、最
も簡単にはアジ化ナトリウムと反応させてスルホネート
基を除去し、これを所望のアジド基で置換する。最後
に、例えば酢酸を用いる酸加水分解によってシリル保護
基を除去し、反応式2に示される様に式(IVa)の所望
のS−配置中間体を得る。
【0018】反応式Iの第2工程で、式(V)のR−配置
化合物を式(I)の6S−配置薬物に至る過程を通って行
う場合、ヒドロキシに活性化基を付加し、例えばアジ化
ナトリウムと反応させることによって、そのヒドロキシ
基を上記のアジドと交換する。次いで例えば、アルコー
ルまたは水性アルコール媒体中、鉱酸を用いる如き酸条
件下でエステル基を加水分解し、式(IVa)のR−配置
化合物を得る。次いで、この化合物のヒドロキシ基を除
去し、式(IVb)または(IVc)の化合物のビス(アル
コキシカルボニル)メチルまたは(アルコキシカルボニ
ル)(シアノ)メチル基で置換する。この工程は、例えば
トリエチルアミンの様な塩基の存在下でのトルエンスル
ホニルクロリドまたはメタンスルホニルクロリドの反応
により、ヒドロキシに活性化基を付加させることによっ
て行なわれる。好ましくはヨウ化物塩の存在下、スルホ
ネートと、マロン酸ジエステルのアルカリ金属エノレー
ト、またはアルキル 1−シアノアセテートを反応させ
ると、それぞれ、式(IVb)または(IVc)の所望のS
−配置中間体が得られる。次ぎに、水含有反応媒質中で
トリアルキルまたはトリアリールホスフィンと反応させ
ることによってこの中間体を環形成させ、式(III)のS
−配置化合物とする。例えば水性テトラヒドロフランは
十分な反応媒質である。反応は発熱性であり、理論的当
量の窒素を放出するので、これを注意深くコントロール
しなければならない。式(IVb)または(IVc)の化合
物がビス(アルコキシカルボニル)メチル基を有する場
合、式(III)の中間体におけるE3は対応するアルコキシ
カルボニル基であり、E5が(アルコキシカルボニル)(シ
アノ)メチル基である場合、E3はシアノである。
【0019】式(III)の化合物を環形成させて式(II)の
S−配置化合物を製造する前に、トリアルキルオキソニ
ウムテトラフルオロボレートと反応させて、ピペリドン
のオキソ基をアルコキシに変換する。反応は、反応混合
物の還流温度の様な高められた温度で好適に進行する。
次いで、得られた2−メトキシテトラヒドロピリジンを
グアニジンを用いて環形成させ、式(II)の化合物、ま
たは末端カルボキシ基がまだ形成されていない式(II)に
類似した化合物を製造する。グアニジンとの反応は、5
0−100゜の範囲の高められた温度で短時間に進行す
る。グアニジンは、塩として供給してもよいが、塩基で
中和することによって遊離塩基に変換しなければならな
い。次ぎに、この時点まで中間体におけるE2基がカル
ボキシでない場合、この化合物のフェニル環上にカルボ
キシ基を形成させる。例えば、E2がハロゲン原子であ
る場合、これは、N−メチルピロリジンの存在下でシア
ン化銅(I)の様なシアノ塩と反応させることによって、
シアノで最も好都合に置換される。次ぎに、ニトリル基
を、例えば強鉱酸で加水分解し、式(II)の所望の化合物
を得る。中間体におけるE2がアルコキシカルボニルま
たはアミノカルボニル基である場合、これを塩基で加水
分解するだけで、カルボキシ化合物が得られる。最後
に、式(II)の中間体をグルタミン酸の適当な誘導体と反
応させることによって、式(I)の抗癌剤を製造する。反
応混合物に加える時、両反応体は酸付加塩の形態である
のが都合よい。グルタミン酸は、最も好ましくはE8
アルコキシ基、とりわけエトキシまたはt−ブトキシで
ある、式(IX)の保護誘導体の形とすべきである。この
グルタメートとの反応は、N−メチルモルホリンの存在
下、好ましくはE7がメトキシである式(VIII)のトリア
ジンとの中間反応によって行なわれる。この方法で反応
を行う場合、L−グルタメート立体中心のラセミ化は実
質上観察されない。最後の工程で、加水分解の様な常法
によって、グルタミン酸部分の保護基を除去することが
できる。
【0020】以下の製造例および実施例は更に、本発明
の種々の中間体および生成物の合成および本発明によっ
て提供される新規な方法を説明する。以下の方法では、
生成物を時々、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
によって分析した。これは、溶媒輸送系、スペクトロフ
ォトメーターおよびインテグレーターからなる系で行な
われた。HPLCでは、以下の様に3種類の方法を使用
した: (方法A)ウォータース・u−ボンダパック 25cm, C18
カラム(Waters u-Bondapak 25cm C18 column, Waters D
iv., Millipore Corp., Milford MA 01757);アセトニト
リル/水(3/2)移動相、流速2ml/分;254nmにセ
ットした紫外(UV)検出装置。 (方法B)ベーカーボンド・キラールセル−OD 25cm
カラム(J.T.Baker, Inc., Phillipsburg NJ 08865);ヘ
キサン/エタノール/n−プロパノール(2/2/1)移
動相、流速1ml/分;280nmにセットしたUV検出装
置。 (方法C)ウォータース・u−ボンダパック 25cm C18
カラム;アセトニトリル/水(27/73)移動相(0.0
25%トリフルオロ酢酸を加えたもの)、流速2ml/分;
254nmにセットした紫外(UV)検出装置。全ての1
および13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、NMR装
置でそれぞれ300MHzおよび75.5MHzにて得
た。NMR測定で使用した溶媒はCDCl3であった。全
てのNMRピークは、7.26ppm(プロトン)および7
7.06ppm(炭素)におけるクロロホルムに対するppmで
報告する。
【0021】
【実施例】実施例1 (R)−4−(4−ブロモフェニル)
−2−(ヒドロキシメチル)ブチルアセテート ブタすい臓リパーゼ(PPL)16gを18mMリン酸三ナ
トリウム160mlにpH12で懸濁し、懸濁液を500
0rpmで1時間遠心し、遠心物を0゜に冷却し、微細に粉
砕したケイソウ土45gを加えることによって、PPL
の固定化調製物を調製した。この懸濁液に0゜のアセト
ン270mlを徐々に加え、濾過して固定化酵素を取り出
し、減圧乾燥して、酵素5.2gを含有している固形物5
0.2gを得た。PPLは、シグマ(Sigma Chemical Co.,
Box 14508, St.Louis MO 63178);タイプII、no.31
26であり、これはタンパク36単位/mgまたは固形物
13.3単位/mgを含有していた。4−(4−ブロモフェ
ニル)−2−(ヒドロキシメチル)ブタノール4.6gの酢
酸メチル300ml中溶液に、上のPPL調製物33.1g
を加えた。HPLC、方法Aによって反応の進行をモニ
ターしながら、この混合物を撹拌した。ジオールの消費
が終了したら、混合物を直ちに濾過し、濾液を減圧濃縮
して油状物を得た。この油状物を酢酸エチル/ヘキサン
(3/1)、シリカ200gにてフラッシュクロマトグラ
フィーによって精製し、所望の生成物4.82gを油状物
として得た。生成物の少量の1−ナフチルカルバメート
誘導体を製造し、HPLC、方法Bによって分析して調
べた結果、生成物は99%Rであり1%Sであった;R
異性体は9.4分に、S異性体は12.6分に溶出した。 TLC(酢酸エチル/ヘキサン(3/1),シリカ)Rf0.
45;1H NMR δ7.39(d,J=8.3Hz,2H),
7.05(d,J=8.3Hz,2H),4.21(dd,J=4.
5,11.3Hz,1H),4.13(d,J=6.3,11.3H
z,1H),3.62(dd,J=4.6,11.2Hz,1H),3.
56(dd,J=5.1,11.2Hz,1H),2.64(t,J=
8.0Hz,2H),2.07(s,3H),1.94(s,1H),1.
83(m,1H),1.64(m,2H);13C NMR δ17
1.25,140.78,131.27,129.91,11
9.44,64.30,62.21,39.79,32.39,2
9.36,20.62;IR(CHCl3)3635,294
0,1727,1485,1360,1246,1038cm
-1;MS(EI),m/z302(2),300(2),184(6
5),182(67),171(24),169(28),90(2
3),43(100);UV(EtOH)221nm(ε=110
00),268nm(ε=345),276nm(ε=260).元素分析 (C1317BrO3として): 計算値:C,51.84;H,5.67 実測値:C,51.86;H,5.89。
【0022】実施例2 (R)−2−アジドメチル−4−
(4−ブロモフェニル)ブタノール 実施例1の生成物2.5gおよびトリエチルアミン0.8
4gのジクロロメタン10ml中溶液を0゜に冷却した。溶
液に、メタンスルホニルクロリド0.95gのジクロロメ
タン5ml中溶液を滴下した。この混合物を0゜で45分
間撹拌し、次いで、20分間で周囲温度まで温めた。次
に、1M塩酸15mlを加え、相を分離し、有機相を飽和
重炭酸ナトリウム15mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラ
フィー(シリカゲル150g、溶離剤、ヘキサン/酢酸エ
チル(1/1))によって精製し、(S)−4−(4−ブロモ
フェニル)−2−(メタンスルホニルオキシメチル)ブチ
ル アセテート3.0gを油状物として得た。 [α]589+2.35゜,[α]365+7.69゜(c0.8,CHC
l3);HPLC、方法AtR:4.3分;TLC(酢酸エチ
ル/ヘキサン(1/1)、シリカ) Rf0.46;1H NMR δ7.38(d,J=8.3Hz,2
H),7.03(d,J=8.3Hz,2H),4.21(d,J=5.
2Hz,2H),4.14(dd,J=4.7,11.3Hz,1H),
4.06(dd,J=6.7,11.3Hz,1H),2.97(s,3
H),2.63(t,J=8.0Hz,2H),2.06(m,1H),
2.04(s,3H),1.63(m,2H);13CNMR δ17
0.54,139.99,131.48,129.97,11
9.71,68.79,62.95,37.20,32.06,2
9.10,20.62;IR(CHCl3)3030,294
0,1738,1489,1355,1330,1233,9
40cm -1;MS(EI),m/z 380 (2),378(3),184(85),182(87),171
(29),169(33),143(24),130(10),12
8(15),90(37),79(23),77(17),43(1
00);UV(EtOH) 220nm(ε=11500),26
8nm(ε=311),276nm(ε=237)。元素分析 (C1419BrO5Sとして): 計算値:C,44.34;H,5.05 実測値:C,44.42;H,5.21。
【0023】上の中間体2.8gおよびアジ化ナトリウム
0.51gをジメチルホルムアミド25mlに溶解し、溶液
を75゜で4時間加熱した。次いで、水25mlおよび酢
酸エチル25mlを加え、有機相を分離し、食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を
フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル120g、溶
離剤、酢酸エチル/ヘキサン(2/3))によって精製
し、(R)−2−アジドメチル−4−(4−ブロモフェニ
ル)ブチル アセテート2.0gを油状物として得た。 [α]589+3.71゜,[α]365+12.85゜(c0.8,CH
Cl3);HPLC、方法A tR:7.8分;TLC(酢酸エ
チル/ヘキサン(2/3),シリカ) Rf0.60;1H NMR δ7.37(d,J=8.3Hz,2
H),7.03(d,J=8.3Hz,2H),4.10(dd,J=
4.8,11.3Hz,1H),4.03(d,J=6.6,11.2
Hz,1H),3.36(d,J=5.7Hz,2H),2.60(t,
J=8.0Hz,2H),2.05(s,3H),1.89(m,1
H),1.65(m,2H);13C NMR δ170.6,14
0.23,131.39,129.89,119.66,64.
06,52.35,37.36,32.17,30.23,20.
64;IR(CHCl3)2940,2103,1736,1
489,1450,1380,1238,1035cm-1;M
S(EI),m/z198(30),197(37),196(3
3),195(36),184(25),182(27),171
(52),169(54),118(32),90(56),56
(42),43(100);UV(EtOH)221nm(ε=1
1000),268nm(ε=297),276nm(ε=21
8)。元素分析 (C1316BrN32として): 計算値:C,47.86;H,4.94;N,12.88 実測値:C,48.10;H,5.03;N,12.60。
【0024】上の中間体1.9gを、乾燥エタノール中
2.7M塩酸10mlに溶解し、溶液を周囲温度で3時間
撹拌し、減圧濃縮した。残留物を再びエタノール性塩酸
で同様にして処理した。次いで、残留物をフラッシュク
ロマトグラフィー(シリカゲル120g、溶離剤、酢酸エ
チル/ヘキサン(1/1))によって精製し、(R)−2−
アジドメチル−4−(4−ブロモフェニル)ブタノール
1.4gを得た。 [α]589+1゜,[α]365+4.5゜(c,0.8,CHCl3);H
PLC、方法A tR:4.0分;TLC(酢酸エチル/ヘ
キサン(1/1),シリカ)Rf0.40;1H NMRδ7.
39(d,J=8.3Hz,2H),7.04(d,J=8.3Hz,
2H),3.66(dd,J=4.4,10.8Hz,1H),3.5
9(dd,J=6.1,10.8Hz,1H),3.45(dd,J=
5.1,12.2Hz,1H),3.41(dd,J=6.0,12.
2Hz,1H),2.61(t,J=7.9Hz,2H),2.08
(s,1H),1.76(m,2H);13C NMRδ140.6
1,131.43,129.95,119.64,63.09,
52.68,40.09,32.46,30.10;IR(CH
Cl3)3625,2930,2102,1480cm-1;MS
(EI),m/z 256(18),254(20),226(25),
224(21),199(40),198(72),197(5
2),196(69),184(21),182(19),171
(98),169(100),129(30),118(64),9
0(84);UV(EtOH)221nm(ε=11300),2
68nm(ε=313),276nm(ε=235)。元素分析 (C1114BrN3Oとして): 計算値:C,46.50;H,4.97;N,14.79 実測値:C,46.48;H,4.72;N,14.90。
【0025】実施例3 (S)−[2−アジドメチル−4
−(4−ブロモフェニル)ブチル]プロパンジオン酸,ジ
エチルエステル 実施例2の生成物1.2gを、メタンスルホニルクロリド
0.49gを加えたジクロロメタン5mlに溶解し、溶液を
0゜に冷却した。これに、トリエチルアミン0.43gの
ジクロロメタン3ml中溶液を滴下した。次いで、この混
合物を周囲温度に温めながら2時間撹拌した。次に、1
M塩酸8mlを加え、有機相を分離し、飽和重炭酸ナトリ
ウム溶液8mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラ
フィー(溶離剤、酢酸エチル/ヘキサン(2/3))で精製
し、(R)−2−アジドメチル−4−(4−ブロモフェニ
ル)ブタノールメタンスルホネート1.5gを得た。 [α]589+1.72゜,[α]365+3.68゜(c 0.8,CHC
l3);HPLC、方法AtR:5.72分;TLC(酢酸エ
チル/ヘキサン(2/3),シリカ)Rf0.49;1H NM
R δ7.39(d,J=8.3Hz,2H),7.05(d,J=
8.3Hz,2H),4.20(m,2H),3.46(dd,J=5.
1,12.9Hz,1H),3.40(dd,J=6.0,12.9H
z,2H),3.01(s,3H),2.62(t,J=7.9Hz,2
H),1.96(m,1H),1.67(m,2H);13C NMR
δ139.85,131.52,129.95,119.84,
69.06,51.42,37.77,37.16,32.06,
29.04;IR(CHCl3)2939,2104,148
9,1362,1176,971cm- 1;MS(EI),m/z3
34(16),332(14),226(14),224(19),
199(60),198(70),197(66),196(7
4),171(100),169(90),129(43),90
(83),79(43),55(37);UV(EtOH)220n
m(ε=12700);264nm(ε=959),276nm
(ε=748)。元素分析 (C1216BrN33Sとして): 計算値:C,39.79;H,4.45;N,11.60 実測値:C,40.02;H,4.53;N,11.73。
【0026】乾燥テトラヒドロフラン5mlに入れたマロ
ン酸ジエチル0.7gを、油を除いた水素化ナトリウム9
6mgの乾燥テトラヒドロフラン10ml中懸濁液に激しく
撹拌しながら加えた。ガスの発生が止まったら、上で製
造した中間体1.3gの乾燥テトラヒドロフラン10ml中
溶液およびヨウ化ナトリウム110mgをこの反応混合物
に加え、これを還流下に18時間撹拌した。次に、混合
物を冷却し、酢酸エチル20mlと飽和塩化ナトリウム溶
液15mlを加えることによって分配した。有機相を分離
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、残留物をフ
ラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル75g、溶離
剤、酢酸エチル/ヘキサン(2/3))によって精製し、
所望の生成物0.75gを油状物として得た。 [α]589+2.73゜(c0.8,CHCl3);HPLC、方法
A tR:14.0分;TLC(酢酸エチル/ヘキサン(2/
3),シリカ) Rf0.41;1H NMR δ7.37(d,J
=8.3Hz,2H),7.03(d,J=8.3Hz,2H),4.
16(m,4H),3.42(t,J=7.6Hz,1H),3.33
(d,J=4.7Hz,2H),2.58(t,J=7.6Hz,2
H),1.95(m,2H),1.67(m,3H),1.24(m,6
H);13C NMRδ168.98,140.52,131.
45,129.95,119.62,61.35,54.65,
49.78,35.87,33.40,32.12,31.04,
13.91;IR(CHCl3)2985,2926,210
2,1744,1726,1489,1232,1178,1
154cm-1;MS(EI),m/z 326(12),324(1
2),199(67),198(48),197(69),196
(51),171(100),169(89),118(48),9
0(61),56(86);UV(EtOH)221nm(ε=1
2300),268nm(ε=419),276nm(ε=30
8)。元素分析 (C1824BrN34として): 計算値:C,50.71;H,5.67;N,9.86 実測値:C,50.50;H,5.47;N,9.69。
【0027】実施例4 (3RS,5S)−3−エトキシ
カルボニル−5−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−
2−ピペリドン 実施例3の化合物11.3gと水0.5gのテトラヒドロフ
ラン30ml中溶液にトリブチルホスフィン5.6gを滴下
した。窒素の発生を伴った激しい発熱反応が起こり、こ
の混合物を25分間撹拌した。次いで、混合物を硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュ
クロマトグラフィー(シリカゲル1.4kg、溶離剤、ジク
ロロメタン/エタノール(19/1)6l、次いで、ジク
ロロメタン/エタノール(9/1)4l)によって精製し、
黄色油状物6.8gを得、ヘキサンから、3−位における
ジアステレオマーの2:3混合物として結晶化すること
ができた。 mp101−104,108−113(ジアステレオマーの
混合物);HPLC、方法A tR:3.2分,3.4分;T
LC(CH2Cl2/エタノール(19/1),シリカ)Rf0.
28,0.34;1H NMR δ7.49(s,1H),7.45
(s,1H),7.36(d,J=8.4Hz,2H),7.35(d,J
=8.4Hz,2H),7.00(d,J=8.4Hz,4H),4.
19(q,J=7.1Hz,2H),4.15(q,J=7.8Hz,
2H),3.34(m,2H),2.98(t,J=11.0Hz,1
H),2.94(t,J=13.0Hz,1H),2.55(m,2
H),2.15(m,1H),1.93(m,2H),1.59(m,2
H),1.25(t,J=7.1Hz,3H),1.22(t,J=7.
8Hz,3H);13C NMR δ170.38,168.2
4,167.94,140.28,140.22,131.4
5,131.40,129.87,129.83,119.7
0,119.66,61.30,61.13,48.80,47.
26,47.07,46.94,34.74,34.14,32.
37,32.26,31.12,31.03,30.26,29.
41,13.98;IR(KBr)3200,2932,17
43,1734,1673,1487,1372,1330,
1261,1173,1152,1010cm-1;MS(E
I),m/z 355(53),353(51),171(100),
169(95),124(35),115(29),99(3
6),98(47),97(52),96(41),90(71),8
9(43),55(89);UV(EtOH)220nm(ε=1
2200),268nm(ε=331),276nm(ε=24
7)。元素分析 (C1619BrNO3として): 計算値:C,54.40;H,5.42;N,3.97 実測値:C,54.16;H,5.62;N,3.92。
【0028】製造例1 (6S)−2−アミノ−4−ヒド
ロキシ−6−[2−(4−ブロモフェニル)エチル]−5,
6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン 実施例4の生成物515mgおよびトリメチルオキソニウ
ムテトラフルオロボレート236mgのクロロホルム3ml
中溶液を、4時間加熱還流した。次いで、この混合物を
周囲温度に冷却し、50%水性炭酸カリウム2mlを加え
た。次に、水10mlとクロロホルム10mlを加え、固形
物を含有している有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し
た。固形物を濾過によって除去し、上清を減圧濃縮し
た。残留物をスピンニングプレート薄層クロマトグラフ
ィー(2mmシリカゲルプレート、酢酸エチル/ヘキサン
(1/1))によって精製し、(3RS,5S)−2−メトキ
シ−3−エトキシカルボニル−5−[2−(4−ブロモフ
ェニル)エチル]−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン
286mgを3−位ジアステレオマーの1:1混合物とし
て得た。 TLC(酢酸エチル/ヘキサン(1/1),シリカ)Rf0.
41;1H NMR δ7.34(d,J=8.4Hz,2H),
7.32(d,J=8.4Hz,2H),6.99(d,J=8.4H
z,2H),6.98(d,J=8.4Hz,2H),4.14(q,J
=7.0Hz,2H),4.11(q,J=7.5Hz,2H),3.
66(m,1H),3.61(s,3H),3.58(s,3H),3.2
0(m,1H),3.05(m,1H),2.56(m,2H),2.08
(m,1H),1.60(m,3H),1.24(t,J=7.5Hz,3
H),1.18(t,J=7.0Hz,3H); 13C NMR δ1
71.27,171.08,158.56,158.47,14
0.87,140.78,131.40,131.35,12
9.96,129.84,119.57,119.53,61.
05,60.95,52.62,52.51,52.38,52.
34,44.95,42.52,34.99,34.62,32.
49,32.36,31.91,31.83,31.16,30.
25,29.19,14.02;IR(CHCl3) 2943,
1731,1684,1488,1328,1265,12
41,1235,1232,1177,1161,1012c
m-1;MS(EI),m/z 369(19),367(16),1
86(11),185(100),184(15),171(3
1),169(36),124(26),115(21),113
(37),112(37),85(27)。
【0029】グアニジン塩酸塩1.9gおよびナトリウム
エトキシド1.36gを乾燥エタノール20mlに溶解し、
70゜で20分間加熱した。次にこの混合物を冷却し、
濾過し、上清を上の中間体1.8gに加えた。この溶液を
手早く撹拌し、次いで、減圧濃縮してスラリーとした。
フラスコに乾燥窒素を流し、70゜で1時間加熱した。
次に、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール20mlを
加え、手早く撹拌すると急速に沈澱が生成した。混合物
を0゜で一夜冷却し、濾過し、固形物をジエチルエーテ
ルで洗浄して、所望の生成物1.4gを得た。
【0030】実施例5 (6S)−2−アミノ−4−ヒド
ロキシ−6−[2−(4−カルボキシフェニル)エチル]−
5,6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジ
ン 製造例1の生成物750mg、シアン化銅365mgおよび
1−メチル−2−ピロリジノン6mlを合し、窒素で包囲
し、4時間加熱還流した。次に、この混合物を周囲温度
に冷却し、減圧濃縮した。得られたスラリーに6M塩酸
6mlを加え、混合物を10分間撹拌した。次に、混合物
を濾過し、固形物をメタノール、次いでジエチルエーテ
ルで洗浄し、風乾して、(6S)−2−アミノ−4−ヒド
ロキシ−6−[2−(4−シアノフェニル)エチル]−5,
6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン
(HPLC、方法Aによって95%純度)613mgを得
た。上の中間体52mgを6M塩酸2mlと合し、70時間
加熱還流した。この混合物を冷却して濾過し、固形物を
水2ml、メタノール2mlおよびジエチルエーテル5mlで
洗浄し、風乾して、所望の生成物35.5mgを塩酸塩と
して得た。
【0031】実施例6 (6S)−5,10−ジデアザ−
5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸 実施例5の生成物20mgとN−メチルモルホリン12mg
のジメチルホルムアミド300μl中懸濁液に、2−ク
ロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン10m
gを加えた。この混合物を20分間撹拌し、次いで、N
−メチルモルホリンを更に6mgおよびL−グルタミン酸
ジエチルエステル塩酸塩を15mg加えた。混合物を周囲
温度で20分間撹拌し、次いで、濾過し、減圧濃縮し
た。残留物を1N水酸化ナトリウム1mlで加水分解して
生成物をケン化し、所望の生成物を製造したところ、H
PLC、方法AおよびBによって(6S)−5,10−ジ
デアザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸の確実な試料
と同一であることがわかった。
【0032】実施例7 (6R)−5,10−ジデアザ−
5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸 (6R)−2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−[2−(4−
カルボキシフェニル)エチル]−5,6,7,8−テトラヒ
ドロピリド[2,3−d]ピリミジン塩酸塩7.0gおよびN
−メチルモルホリン4.0gのジメチルホルムアミド70
ml中懸濁液に、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,
3,5−トリアジン3.5gを加えた。この混合物を周囲
温度で20分間撹拌し、次いで、N−メチルモルホリン
を更に2.1gおよびL−グルタミン酸ジエチルエステル
塩酸塩を5.0g加えた。混合物を更に20分間撹拌し、
次に、濾過し、減圧濃縮した。残留物を飽和重炭酸ナト
リウム溶液、次いで水でトリチュレートし、減圧下で乾
燥させた。得られた固形物を1N水酸化ナトリウム10
0mlに溶解し、生成物を、エタノール120mlを加え、
次にpH3.6に酸性化することによって沈澱させた。生
成した沈澱を濾過によって分離し、風乾して、所望の生
成物6.9gを得、これは1H NMRおよび方法Aおよび
CによるHPLCによって確実な試料と同一であること
が確認された。
【0033】以下の一連の製造例および実施例8は、
(6R)−5,10−ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒド
ロ葉酸の合成に進行させるために、実施例1のR−生成
物を対応するS−化合物に変換する方法を説明する。
【0034】製造例2 (S)−4−(4−ブロモフェニ
ル)−2−[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリルオ
キシメチル]ブタノール 上の実施例1の生成物1gおよびt−ブチルジメチルシリ
ルクロリド0.5gをジクロロメタン15mlに溶解し、イ
ミダゾール0.22gを加えた。この混合物を20分間撹
拌すると、濃厚な白色沈澱が生成した。混合物を濾過
し、0.5M塩酸で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧濃縮した。残留物をバルブ−ツー−バルブ蒸留によ
って精製し、(S)−4−(4−ブロモフェニル)−2−
[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリルオキシメチ
ル]ブチルアセテート1.2gを得た。 bp210℃(0.03mm);[α]589−0.85゜, [α]365+1.49゜(c 0.8,CHCl3);TLC(酢酸エ
チル/ヘキサン(1/4),シリカ)Rf 0.57;1H N
MR δ7.39(d,J=8.3Hz,2H),7.05(d,J=
8.3Hz,2H),4.08(d,J=6.0Hz,2H),3.6
0(d,J=5.2Hz,2H),2.61(t,J=8.0Hz,2
H),2.04(s,3H),1.85(m,1H),1.64(m,2
H),0.88(s,9H),0.036(s,6H);13C NMR
δ170.53,141.09,131.33,129.9
4,119.46,64.35,62.52,39.79,32.
55,29.55,25.79,20.64,18.14,−5.
61;IR(CHCl3)2951,2922,2848,1
728,1485,1471,1254,839cm-1;MS
(EI),m/z 414(1),225(20),223(22),
171(19),169(18),144(26),117(10
0),75(64);UV(EtOH)221nm(ε=1030
0),268nm(ε=348),276nm(ε=245)。元素分析 (C1931BrO3Siとして): 理論値:C,54.93;H,7.52; 実測値:C,55.20;H,7.31。
【0035】上の中間体1.0gをメタノール5mlに溶解
し、1N水酸化ナトリウム4mlを加えた。この混合物を
周囲温度で3時間激しく撹拌し、酢酸エチル20mlを加
えた。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウムで2回洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を
フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル50g、溶離
剤、酢酸エチル/ヘキサン(1/4))によって精製し、
所望の生成物714mgを油状物として得た。[α]589
5.57゜,[α]365−17.36゜(c 0.8,CHCl3);T
LC(酢酸エチル/ヘキサン(1/4),シリカ)Rf0.3
2;1H NMR δ7.35(d,J=8.3Hz,2H),7.
03(d,J=8.3Hz,2H),3.79−3.60(m,4
H),3.05(s,1H),2.58(t,J=7.3Hz,2H),
1.70(m,1H),1.56(m,2H),0.89(s,9H),
0.065(s,6H);13C NMR δ141.28,13
1.25,129.93,119.37,65.89,65.1
8,41.60,32.74,29.22,25.76,18.0
4,−5.47;IR(CHCl3)2954,2930,28
98,2859,1488,1471,1258,837cm
-1;MS(EI),m/z 373(1),225(28),223
(27),171(30),169(33),144(55),12
9(16),105(25),75(100);UV(EtOH)
221nm(ε=11500),269nm(ε=338),27
6nm(ε=249)。元素分析 (C1729BrO2Siとして): 理論値:C,54.68;H,7.83; 実測値:C,54.48;H,7.77。
【0036】製造例3 (S)−1−アジド−4−(4−
ブロモフェニル)−2−[(1,1−ジメチルエチル)ジメ
チルシリルオキシメチル]ブタン 製造例2の生成物578mgおよびメタンスルホニルクロ
リド177mgをジクロロメタン3mlに溶解し、0゜に冷
却した。この溶液にジクロロメタン1mlに入れたトリエ
チルアミン156mgを滴下した。次いで、冷却浴を除
き、混合物を周囲温度に温めながら35分間撹拌した。
次に、1M塩酸3mlを加え、相を分離し、有機相を硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をフラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカゲル75g、溶離剤、酢酸
エチル/ヘキサン(1/4))によって精製し、(R)−4
−(4−ブロモフェニル)−2−[(1,1−ジメチルエチ
ル)ジメチルシリルオキシメチル]ブタノール・メタンス
ルホン酸塩596mgを得た。 [α]589−4.20゜,[α]365−12.59゜(c 0.8,CH
Cl3);TLC(酢酸エチル/ヘキサン(1/4),シリカ)
f0.41;1H NMR δ7.39(d,J=8.3Hz,2
H),7.04(d,J=8.3Hz,2H),4.26(dd,J=
6.0,9.6Hz,1H),4.24(dd,J=5.1,9.6Hz,
1H),3.65(dd,J=4.4,10.2Hz,1H),3.5
8(dd,J=6.1,10.2Hz,2H),2.98(s,3H),
2.62(t,J=8.0Hz,2H),1.89(m,2H),1.6
5(m,2H),0.89(s,9H),0.056(s,6H);13
NMR δ 140.60,131.46,129.99,1
19.67,69.70,61.61,40.20,37.03,
32.39,28.90,25.81,18.17,−5.5
5;IR(CHCl3)2957,2933,2860,14
89,1474,1360,838cm-1;MS(EI),m/z
225(38),223(43),171(28),169(2
7),153(100),144(48),129(13),75
(39);UV(EtOH)221nm(ε=10500),26
8nm(ε=257),276nm(ε=174)。元素分析 (C1831BrO4SSiとして): 理論値:C,47.89;H,6.92; 実測値:C,48.16;H,6.70。
【0037】上の中間体422mgおよびアジ化ナトリウ
ム66mgをジメチルホルムアミド5mlに溶解し、この溶
液を75゜で4時間撹拌した。次いで、これを冷却し、
酢酸エチル10mlおよび水10mlを加えた。相を分離
し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をスピンニン
グプレート薄層クロマトグラフィー(2mmシリカゲルプ
レート、酢酸エチル/ヘキサン(1/4))によって精製
し、所望の生成物328mgを油状物として得た。 [α]589−2.98゜,[α]365−15.62゜(c 0.8,CH
Cl3);TLC(酢酸エチル/ヘキサン(1/4),シリカ)
f0.75;1H NMR δ7.40(d,J=8.3Hz,2
H),7.06(d,J=8.3Hz,2H),3.64(dd,J=
4.1,10.1Hz,1H),3.57(dd,J=5.6,10.
1Hz,1H),3.41(dd,J=5.9,12.0Hz,1H),
3.37(dd,J=5.3,12.0Hz,1H),2.61(t,J
=7.9Hz,2H),1.71(m,1H),1.63(m,2H),
0.92(s,9H),0.078(s,6H);13C NMR δ
141.00,131.53,130.02,119.70,6
2.82,52.64,40.70,32.69,30.29,2
5.91,18.28,−5.49;IR(CHCl3)295
3,2930,2858,2101,1488,838c
m-1;MS(EI),m/z 341(4),339(4),284
(9),282(9),171(28),169(28),130
(100),75(52),59(41),73(34);UV(E
tOH)221nm(ε=11500),268nm(ε=32
9),276nm(ε=242)。元素分析 (C1728BrN3OSiとして): 理論値:C,51.25;H,7.08;N,10.55; 実測値:C,51.48;H,7.11;N,10.70。
【0038】実施例8 (S)−2−アジドメチル−4−
(4−ブロモフェニル)ブタノール 製造例3の生成物243mgを、氷酢酸3ml、テトラヒド
ロフラン0.5mlおよび水1.5mlと合し、この混合物を
45゜で3時間撹拌した。次いで、酢酸エチル10mlお
よび6N水酸化ナトリウム溶液10mlを加え、有機相を
分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥して減圧濃縮した。残留物をスピンニングプ
レート薄層クロマトグラフィー(1mmシリカゲルプレー
ト、溶離剤、酢酸エチル/ヘキサン(2/3))によって
精製し、所望の生成物124mgを油状物として得た。生
成物の少量を1−ナフチルカルバメート誘導体とし、H
PLC方法Bによって分析して調べたところ、生成物は
95%S−異性体であり5%R−異性体であることが判
明した。 [α]589−0.75゜,[α]365−2.99゜(c 0.8,CHC
l3);HPLC、方法A tR:4.0分;方法B:tR:R
15.5分,S 10.8分;TLC(酢酸エチル/ヘキサ
ン(1/1),シリカ)Rf0.40;1H NMR δ 7.3
9(d,J=8.3Hz,2H),7.04(d,J=8.3Hz,2
H),3.66(dd,J=4.4,10.8Hz,1H),3.59
(dd,J=6.1,10.8Hz,1H),3.45(dd,J=5.
1,12.2Hz,1H),3.41(dd,J=6.0,12.2H
z,1H),2.61(t,J=7.9Hz,2H),1.93(s,1
H),1.76(m,1H),1.65(m,2H);IR(CHC
l3)3625,2930,2102,1480cm-1;MS
(EI),m/z 256(7),254(4),226(16),2
24(18),199(39),198(62),197(37),
196(60),171(76),169(75),130(2
7),129(26),90(100);UV(EtOH)221
nm(ε=11300),268nm(ε=368),276nm
(ε=280)。元素分析 (C1114BrN3Oとして): 理論値:C,46.50;H,4.97;N,14.79; 実測値:C,46.20;H,5.04;N,14.72。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07M 7:00 (72)発明者 トーマス・マイケル・ウィルソン アメリカ合衆国インディアナ46224、ス ピードウェイ、グリーンローン1193番 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 247/10 - 247/12 C07D 211/76 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(IV): 【化1】 [式中、 a)E4はヒドロキシであり、 E5はアジドまたはC2−C4アルカノイルオキシである
    か;または b)E4はアジドであり、 E5はビス(C1−C3アルコキシカルボニル)メチルであ
    るか;または c)E4はアジドであり、 E5は(C1−C3アルコキシカルボニル)(シアノ)メチル
    であり; E2はブロモ、クロロ、ヨード、カルボキシ、C4−C6
    tert−アルコキシカルボニル、シアノ、C1−C3アルキ
    ルアミノカルボニル、ジ(C1−C3アルキル)アミノカル
    ボニル、または[(テトラまたはペンタ)メチレン]アミノ
    カルボニルであり;nは0または1であり;*を付した
    炭素はRまたはS配置である]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 式(III): 【化2】 [式中、E3はシアノまたはC1−C3アルコキシカルボ
    ニルであり;E2はブロモ、クロロ、ヨード、カルボキ
    シ、C4−C6 tert−アルコキシカルボニル、シアノ、
    1−C3アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C3アル
    キル)アミノカルボニル、または[(テトラまたはペンタ)
    メチレン]アミノカルボニルであり;nは0または1で
    あり;*を付した炭素はRまたはS配置である]で示さ
    れる化合物。
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