【発明の詳細な説明】
5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン類
本発明はつぎの化学式1で表せる5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン類(5,6,7,8-tetrahydropyrido[2,3-d]pyrimidines)に関するものである
。
ここで、R1はヒドロキシ基またはアミノ基;
R2は、ヒドロキシまたはカルボン酸の保護基;
R3は、水素またはアミノ保護基;
Zは2価で、窒素を含む5員環式のヘテロ環群であり(divalent,five-mem
bered,nitrogen-containing hetorocyclic ring system)であり、オプショ
ン的には硫黄または窒素をヘテロ環構成原子とする第2のもの(a second hete
roring member)があり、その結合手(valent bonds)は前記ピリミジン環(heter
ocyclic ring)に隣り合わない炭素原子(nonadjacent carbon atoms)に配向し
ている;そして、nは、2または3、である。
本発明はさらに、化学式1の5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジ
ン類の薬学的に適用可能な塩類(pharmaceutically acceptable salts)に関す
るものでもある。
さらに、本発明は、哺乳動物の新生物増殖(neoplastic growth)を阻害す
る方法に関するものでもある。この増殖は葉酸あるいは葉酸代謝誘導体((metab
ol
ic derivative)(例えば、N5,N10-メチレンテトラヒドロ葉酸(methylenetetr
ahydrofolate)に依存性があり、治療が必要な哺乳動物に対して、化学式1で表
せる化合物の1回または複数回の投与量(single or multiple dose regimen)
を適量となるように投与することが含まれている。
最後に、本発明は、哺乳動物のかかる新生物増殖を葉酸酵素の阻害を通じて
抑制するための薬剤組成物に関する。この薬物組成物は、化学式Iの化合物と薬
学的に利用が可能な担体(pharmaceutically acceptable carrier)とを組合わせ
多ものを含んでいる。
本明細書において、化学式Iで表される化合物類は、つぎの如くナンバリン
グされる環と一体化されるピリド[2,3-d]-ピリミジンの誘導体と呼ぶことにする
。
化学式1で表せるピリド[2,3-d]ピリミジンは、対応する3-H-4-オキソ若し
くは3-H-4-イミノ構造体の互変異性体と等価であることは理解されよう。説明
を簡素化する目的で、これら化合物をここでは4-ヒドロキシ体及び4-アミノ体
として説明するが、例えば以下のように、その対応する互変異性体がケト構造体
及びイミノ構造体(tautomeric keto and imino structures)であり、これらが
それぞれ完全に等価であることが理解できるであろう。
化学式1の化合物は遊離ジカルボン酸の形態で使用されるが、この場合、R2
基は共にヒドロキシル基(水酸基)である。逆に、これらの化合物は、薬学的に利
用可能な塩なる形態で適用できる。この場合、R2がヒドロキシ基のときの水素
原子は薬学的に利用可能なカチオンで置換されている。水和物を含むこのような
塩の形態であると、結晶体であることが多く、液剤を調剤したり薬物組成物を調
整するのに有利である。ベースの薬学的利用可能な塩は、アルカリ金属、アルカ
リ土金属、非毒性金属、アンモニウム、及び、モノ、ジ-、並びにトリ置換(tris
ubstituted)アミン類、例えば、そのナトリウム、カリウム、サチウム、カルシ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、トリメチルアンモニ
ウム、トリエタノールアンモニウム、ピリジニウム、及び置換ピリジニウムの塩
から提供されるものを含んでいる。そのモノ及びジナトリウム塩、特に、ジナト
リウム塩が有効である。
「*」マークを付したグルタミン酸の炭素原子に関するカイラリティ中心(ce
nter of chirality)に加えて、第2番目のカイラリティー中心が、5,6,7,8-テト
ラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン環体の6位(6-position)にある。治療的に
有効なジアステレオマー混合物と、各ジアステレオマー異性体(diastereomer)
の両方ともが本発明には含まれる。両ジアステレオマー異性体が生成されたとき
には、クロマトグラフィにより物理的に、あるいはカイラル酸(chiral acid)に
て塩を形成させることによって化学的に分離することができる。カイラル酸(chi
ral acid)を例示すると、10-樟脳スルフォン酸、樟脳酸、アルファブロモ樟脳
酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、ピロリドン-5-カルボン酸、及びこ
れらに類するもの、のジアステレオマーがあり、さらに、これら個々のジアステ
レオマー塩基の一方または両方を遊離させて、オプション的にはその工程を繰り
返し、実質的に他方のものを遊離させたもののいずれか、またはその両方が入手
できる。すなわち、光学純度(optical purity)を95%以上として入手できる
。
本発明にてR2とR3で指定され使用される保護基は、最終的な治療組成物の
中には一般的に見られるものではなく、保護基が存在しなければ化学的操作の過
程で変質するかも知れない官能基を保護するために、合成のある段階で意図的に
導入される基のことである。このような保護基は合成の後段階で除去され、この
ような保護基を含んだ化合物は、主として化学的な中間物としての重要性を有す
るものである(誘導体によっては生物学的な活性を有する)。従って、保護基の
正確な構造は決定的なものではない。このような保護基の製造と除去のための多
数の化学反応は、多数の標準論文に記述されており、例えば、「有機化学の保護
基」(プレナムプレス社、ロンドン及びニューヨーク、1973年、グリーン
Th.W.;「有機合成の保護基」ウィリー、ニューヨーク、1981年;「ペ
プチド」第1巻、シュレーダとルブク、アカデミックプレス社、ロンドン及びニ
ューヨーク、1965年;「現代有機化学」ホーベン-ウェイル、第4版、第1
5/I巻、ジョージ チエミ ヴェルラグ、スタットガルト、1974年、等々
が存在する。これらの内容を本文に援用する。
R2に関して、カルボキシル基は、所望する分子構造を妨害しないで選択的且
つ十分にマイルドな条件下で選択的に除去できるエステル体として、保護するこ
とが可能である。特には、エチル基やメチル基のごとき炭素数が1から12の低
級アルキルエステル体や、t-ブチルのごとき1−あるいはα位で分枝化(branche
d)されているもの、及び、1又は2が、
(i)例えば、メトキシメチル基、1-メトキシメチル基、及びエトキシメチル
基のごとき低級アルコキシ基、
(ii)例えば、メチルチオメチル基と1-エチルチオエチル基のごとき低級ア
ルキルチオ基、
(iii)例えば、2,2,2-トリクロロエチル基、2-ブロモエチル基、及び2-ヨ
ードエトキシカルボニル基のごときハロゲン、
(iv)1または2のフェニル基であって、例えばt-ブチル基のごとき低級アル
キル基、メトキシ、ヒドロキシのごとき低級アルコキシ基、クロロのごときハロ
ゲン、及びニトロ基にて、置換されていないものであり、より具体的には、ベン
ジル基、4-ニトロベンジル基、ジフェニルメチル、ジ-(4-メトキシフェニル
)メチルのごときモノ-、ジ-、トリ-置換体、
(v)フェナシル基のごときアロイル基、
等で置換された低級アルキルエステルである。
カルボキシ基もまた、トリメチルシリエチル若しくはトリ-低級アルキルシリル
基、例えばトリ-メチル-シロキシカルボニル基、のごとき有機シリル基、のごと
きにて保護することができる。
R3に関しては、アミノ基はアシル基を適用しアミド体として保護すること
ができ、マイルドな条件下で選択的に除去できる。特には、ホルミル基、カルボ
ニル基に対して1-若しくはαのポジションで分枝化した低級アルカノイル基、
より具体的には、ピバロイル基のごとき第三級アルカノイル基、または例えばト
リフルオロアセチルのごときカルボニル基に対してαポジションで置換された低
級アルカノイル基である。
化学式Iの化合物において、Zは、2価で5員環、窒素を含むヘテロ環式環状
構造をもっている。この環状体はオプション的に硫黄または窒素原子を構成要素
とする第2のヘテロ環状体を含むことができる。その結合手(valent bonds)は
前記ピリミジン環(heterocyclic ring)に隣り合わない炭素原子(nonadjacent
carbon atoms)に配向している。従って、Zは、例えば、ピロリジニル基(pyr
rolediyl)、イミダゾリジニル基(imidazolediyl)、ピラゾリジニル基(pyras
zilediyl)、チアゾリジニル基(thiazolediyl)、あるいはイソチアゾジニル基
(isothiazolediyl)である。Zにより提供される二価のヘテロ環式基が、例え
ば、ピロール-2,4-ジイル(diyl)のごとき非対称のもの(対象ピロール-2,5-ジイ
ルではない)であるとき、つぎのいずれかの形態にて存在することができる。例
えば、
(i)化学式1の2位にある-CnH2n-、及び4位にあるカルボニル基、
(ii)または、2位にあるカルボニル基、及び4位にある-CnH2n-、
を有した形態である。
特に好適な化合物は、R2がヒドロキシ基でR3が水素であり、nが2であるも
のである。例えば、
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-ピロール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-ピロール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{4-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]-ピリ
ミジン-6-イル)エチル]-ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{3-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-ピラゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-チアゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-チアゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{3-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-イソチアゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-イソチアゾール-3-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-イミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-ピロール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-ピロール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{4-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]−ピリミジン-6-
イル)エチル]-ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{3-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-ピラゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-チアゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{2-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-チアゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{3-[3-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-イソチアゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
N-{5-[2-(2,4-ジアミノ-5,5,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]-ピリミジン-6-
イル)エチル]-イソチアゾール-3-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;及び、
N-{2-[2-(2,4-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]-イミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸;
である。
本発明となる化合物は、つぎの化学式で表す化合物を、触媒存在か水素付加(c
atalytic hydrogenation)することによって製造できる。
ここで、Zは上述したとおり;
R2"は、カルボン酸の保護基またはCH(COR2')CH2CH2COR2'
であってR2’はカルボン酸の保護基;
R3’はアミノ保護基;
そして、独立的に言えばそれぞれのYは水素であり、一体的に言えばC−C
結合;
である。
好適な水素付加触媒は、パラジウムまたは酸化プラチナ、酸化ロジウムのご
とき貴金属およびその酸化物を含んだものや、炭素または酸化カルシウムのごと
き支持体(support)上にあるものが含まれる。
R2”が−CONHCH(COOR2’)CH2CH2COOR2’であるとき
、R2”とR3”で囲まれた保護基は除去される。一方、R2”がカルボン酸の保
護基であれば、R2”保護基は前述の水素付加処理にて除去され、得られた遊離
カルボン酸は、保護したグルタミン酸誘導体と、米国特許4,684,653号に記載さ
れているように、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはジフェニルクロロホス
フォネートのごときペプチド結合を形成する通常の縮合反応技術を使用してカッ
プリングされる。この特許の内容を本願に援用する。このカップリング反応につ
いで、全保護基が除去される。
R2、R2’、R2”及びR3’で囲まれた保護基は、酸や、例えば水酸化ナト
リウムによる加水分解ごとく塩基による加水分解を介して除去できる。様々な保
護基の除去法が叙上の標準的な文献に記載されている。
前述のプロセスにより、R1がヒドロキシ基の化学式2にて表せる化合物類
が得られる。R1がアミノ基である化学式1の化合物を得んとするとき、R1がヒ
ドロキシ基である化合物は、1,2,4-トリアゾールと(4-クロロフェニル)ジクロロ
ホスフェートとで処理することができ、反応生成物を濃縮アンモニアで処理する
。
化学式2の化合物は、米国特許第4,818,819号で開示された方法にて製造す
ることができる。この特許の要旨を本願に援用する0。一実施例においては、6
-ビニル-若しくは6-エチニルピリド[2,3-d]ピリミジンを、パラジウム/トリ置
換ホスフィン触媒存在下にて、ハロ-Z-カルボニル化合物と反応させる。
ここで、R2”、R3”、Y及びZは上述したとおりであり、Xは臭素あるいは
ヨー素である。6-ビニル-及び6-エチニルピリド[2,3-d]ピリミジンの中間体は、
例えば前記の米国特許第4,818,819号で開示されている公知の中間体である。逆
に、6-ブロモ-または6-イオドピリド[2,3-d]ピリミジンの反応中間体を、同じパ
ラジウム/トリ置換ホスフィン触媒存在下にて、Zによって定義されるヘテロ環
式官能基のビニル若しくはエチニル誘導体と反応させることができる。
ここで、R2”、R3”、X,Y及びZは上述したとおりである。6-ブロモ-
若しくは6-ヨードピリド[2,3-d]ビリミジンの中間体とパラジウム/トリ置換ホス
フィン触媒は前記の米国特許4,818,819号に記述されている。
これら原料となるヘテロ環式化合物は公知であるか、様々な従来技術にて製
造できる。例えば、ビニル-Z-COR2”なる中間体は、対応するアルデヒドを
、テトラヒドロフラン内にてメチルトリフェニルホスフォニウム ブロミド及び
リチウムヘキサメチルジシラジド(hexamethyldisilazide)で処理することによ
り得られる。逆に、ビニル-Z-H化合物を、例えばエチルクロロホルメートとn-
ブチルリチウムにて、カルボキシル化することができる。X-Z-COR2”なる
化合物類は、ヘテロ環式のカルボキシレートすなわちH-X-Z-COR2”を、例
えばN-ブロモサクシンイミドまたはN-ヨードサクシンイミドのごとき通常のハ
ロゲン化試薬を利用したハロゲン化反応を介して入手できる。これらのどの方法
であろうとも、ヘテロ環中の窒素は、対応するN-トリチル化合物またはN-トリ
イソプロピルシリル化合物にて前処理することにより保護されている。
本発明となる化合物は、葉酸、特には葉酸代謝体を基質として利用する1種
または複数種の酵素に対して影響を及ぼす。これら化合物の作用メカニズムは、
米国特許第4,684,653号に記載された5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸に類似
しているように思える。従って、これら化合物は、グリシンアミド リボ核酸ホ
ルミルトランスフェラーゼ(enzyme glycinamide ribonucleotide formyltransf
erase)に対して強力な阻害活性を示す。これら化合物は、さらに、ジヒドロ葉
酸リダクターゼやチミジレート合成酵素のような、葉酸酵素に対しても阻害活性
を示す。ヒトT細胞由来のリンパ芽球腫白血病細胞(CCRF-CEM)に対する代表的な
IC50値は、
(i)N-{4-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]
ピリミジン-6-イル)エチル]-ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
では、0.024μ/mL;
(ii)N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d
]ピリミジン-6-イル)エチル]-ピロール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
では、0.008μ/mL;
(iii)N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]
ピリミジン-6-イル)エチル]-ピロール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
では、0.009μ/mL;
(iv)N-{3-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d
]ピリミジン-6-イル)エチル]-ピラゾール-5-イルカルボニル}-L-グルタミン
酸では、0.0019μ/mL;
である。
これら化合物は、専門家の監視の元で使用が可能であり、コリオカルシノーマ
、白血病、女性の乳房腺癌、頭部や頚部の上皮癌、扁平若しくはスモールセルタ
イプの肺癌、及び様々なリンパ肉腫を含む新生物の増殖を阻害することができる
。また、これら化合物は、菌状息肉症(myzosis fungoides)、関節炎、および
乾癬の治療にも使用できる。これら化合物は経口投与することができるが、好適
には非経口的であり、単品であるいは他の抗腫瘍剤やステロイド等の他の治療薬
とともに、腫瘍にかかっていたり治療が必要な哺乳動物に投与される。非経口に
投与するとは、筋肉内、髄腔内(intrathecal)、静脈内、及び動脈内への注射を
含む。投与量は、特定の腫瘍、患者の症状及び反応に合わせて決定すべきである
が、一般的に、その投与量は、約10〜100mg/日で5〜10日間、又は、
250〜500mg/日で例えば14日ごとの定期的な反復投与である。現在使
用されている他の代謝拮抗剤に比して毒性は低いが、この毒性は毎日の投与量を
減らしたり、1日おきに投与したり、3日ごとに投与する等の手当てをすること
で回避できる。レスキューセラピー(rescue therapy)として葉酸とともに投与(c
oncomitant administration)することも可能であろう。経口投与は、1投与あた
り1〜10mgを含んだ錠剤やカプセル剤がよい。非経口投与には、20〜10
0mg/mの生理食塩水溶液(isotonic saline solution)が使用できる。
以下に述べる実施例は、本発明のさらなる説明に供するものである。
実験方法(Methods and Materials)
テトラヒドロフランは、ナトリウム/ベンゾフェノン処理して蒸留した。ジ
メ
チルホルムアミドとアセトニトリルは、水素化カルシウム(calcium hydride)
で処理して蒸留した。これら溶媒の全反応は、不活性ガスの正圧下で実施した。
カラムクロマトグラフィーは、メルクグレード(Merck grade)60のシリカゲル
(230−400メッシュ)を用いた。NMRスペクトル(250又は300M
Hz)は、溶媒としてCDCl3,CD3OD若しくはDMSO−d6を用いるとと
もに、内部標準品を使用して記録した。NMRデータにおいて、“S”は一重項
(singlet)であり、“d”は二重項(doublet)であり、“t”は三重項(triplet)
であり、“q”は四重項(quartet)であり、“m”は多重項(multiplet)であり、
“br”ブロードなピークを表す。融点は実測値である。
実施例1
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-
6-イル)エチニル-1-トリ-イソプロピルシリルピロール-2-カルボキシレート
3-ヨード-5-メトキシカルボニル-1-トリイソプロピルシリルピロール(1.222g
、3.0mmol)、2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-エチニルピリド[2,3-d]ピリ
ミジン(0.851g、3.15mmol)、Pd(PPh)2C12(105mg、0.15mmol)、ヨウ化第1銅(2.8
mg、0.15mmol)、及びトリエチルアミン(0.5mL)をアセトニトリル(50mL)に溶解し
た混合物を、4時間加熱しながら還流(リフラックス:reflux)した。得られた溶
液を冷却、ろ過して、真空濃縮(concentration in vacuo)した。残留物を、ヘキ
サン:酢酸エチル(2:1)を展開溶媒とするフラッシュクロマトグラフィ(flash
chromatography)にて精製(purify)した。最初の大きな溶出画分(major fractio
n)は、未反応の、原料(unchanged starting material)(270mg、32%)であり、つ
いで得られる大きな蛍光画分(fluorescent fractions)を合わせ、真空濃縮する
と、メチル
4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)
エチニル]-1-トリイソプロピルシリルピロール-2-カルボキシレートが、淡黄色
の固体(935mg、57%、mp 163-165℃)で得られる。
出発原料である3-ヨード-5-メトキシカルボニル-1-トリイソプロピルシリル
ピロールは以下のようにして準備できる。
ソジウムヒドリド(水素化ナトリウム)(濃度80%,660mg,22mmol)をペンタン
にて洗浄し、テトラヒドロフラン(20mL)内に懸濁する。メチルピロール-2-カ
ルボキシレート(1.251g、10mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を加えて、
室温で拌した。ガスの発生が終了したとき、トリイソプロピルシリルクロリド(
1.928mg、10mmol)を滴下した。得られる混合物を1時間撹拌し、一晩加熱しな
がらリフラックス(reflux)したのち、エーテル、水間で分配した。エーテル層
を乾燥し(硫酸マグネシウム)、真空濃縮した。残留物を、ヘキサン:酢酸エチル
(8:1)を展開溶媒とするクロマトグラフィーにて精製し、2-メトキシカルボ
ニル-1-トリイソプロピルシリルピロール(2.05g、73%)をオイルとして得た。
N-ヨードサクシンイミド(653mg、2.9mmol)を、2-メトキシカルボニル-1-ト
リイソプロピルシリルピロール(815g、2.9mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶
液に撹拌しながら加え、混合物を室温で2日間撹拌した。溶媒を減圧除去し、油
状の残留物をヘキサン(50mL)に縣濁して激しく撹拌した。不溶成分をろ過で除去
し、得られたろ過液を減圧濃縮した。ヘキサンを展開溶媒とするカラムクロマト
グラフィによて残留物を精製すると、3-ヨード-5-メトキシカルボニル-1-トリ
イソプロピルシリルピロール(1.044g、88%)が白色結晶(mp 81-83℃)として得
られた。
実施例2
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピ
リド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチニル]-1-トリイソプロピルシリルピロール-
2-カルボキシレート
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6
-イル)エチニル]-1-トリイソプロピルシリルピロール-2-カルボキシレート(550m
g、1.0mmol)及び10%パラジウム-カーボン(220mg)のメタノール(45mL)溶液を
、水素雰囲気下(50psi)にて一晩撹拌した。反応混合物をセライト(Celite)でろ
過し、ろ過液を減圧濃縮した。残留物をメチレンクロリドに溶解し、短シリカゲ
ルカラムでろ過した。溶出物を蒸発処理すると、メチル 4-[2-(2-ピバロイル
アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)
エチニル]-1-トリイソプロピルシリルピロール-2-カルボキシレート(524mg、94%
)が得られた。分析用のサンプル(mp 202-204℃)は、クロロホルム:メタノー
ル(19:1)を展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーにて得たものである。 実施例3
エチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピ
リド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボキシレート
実施例2のごとく、触媒としてパラジウム−カーボン(820mg)を使用して、エ
チル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エテニル]ピラゾール-3-カルボキシレート(820mg、2.0mmol)を還元すると、
エチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリ
ド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボキシレート,mp 235-
237℃、が得られた。
実施例4
メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6
-イル)エテニル]ピロール-2-カルボキシレート
メチル 5-ビニルピロール-2-カルボキシレート(298mg、2.0mmol)、2-ピバ
ロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-ボロモピリド[2,3-d]ピリミジン(683mg、2.1mmol
)、パラジウムアセテート(22.5mg、0.1mmol)、トリ-o-トリルホスフィン(60.9mg
、0.2mmol)、及びトリエチルアミン(7.0mL)とアセトニトリル(20mL)の混合物を
、一晩加熱しながらリフラックスした。この反応混合物を室温で冷却し、ろ過し
て回収された固体を、冷却アセトニトリルにて洗浄、乾燥すると、メチル 5-[
2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エテニ
ル]ピロール-2-カルボキシレートが黄色固体(706mg、89%)として得られた。この
生成物は精製しなくても次のステップに使用できる。分析用サンプル、mp〉260
℃、は、メタノールからの再結晶品である。
実施例5
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-
6-イル)エテニル]ピロール-2-カルボキシレート
実施例4と同様の方法に従って、メチル 4-ビニルピロール-2-カルボキシレ
ート(298mg、2.0mmol)、2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-ブロモピリド[2,3
-d]ピリミジン(715mg、2.2mmol)、パラジウムアセテート(27mg、0.1mmol)、トリ
-o-トリルホスフィン(61mg、0.2mmol)及びトリエチルアミン(1.4mL)より、メチ
ル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル
)エテニル]ピロール-2-カルボキシレート(700mg、89%)、mp〉260℃、を得た。
実施例6
メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-
6-イル)エテニル]ピロール-3-カルボキシレート
メチル 5-ビニルピロール-3-カルボキシレートを使用して実施例4と同様に
操作し、メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エテニル]-ピロール-3-カルボキシレート(1.02g、86%)mp〉260℃
を得た。
メチル 5-ビニルピロール-2-カルボキシレートなる出発原料は、以下のよう
にして得られる。メチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(2.358g、6.6mmol
)のテトラヒドロフラン(50mL)撹拌懸濁液に、0℃で、1Nリチウムヘキサメチ
ルジシラジドのテトラヒドロフラン(6.6mL、6.6mmol)溶液を、滴下しながら添加
した。この溶液を1時間撹拌した後、メチル 5-ホルミルピロール-2-カルボキ
シレート(453mg、3.0mmol)を一度に加えた。混合液を室温で1時間撹拌し、水(1
0mL)を加え、ついで、1N HClで酸性にした。有機相を乾燥し(硫酸マグネシ
ウム)、濃縮した。ヘキサン:酢酸エチル(4:1)を展開溶媒とするフラッシュ
クロマトグラフィによって残留物を精製すると、メチル 5-ビニルピロール-2-
カルボキシレート(400mg、90%)が白色結晶として得られた。mp 91-93℃。
同様にして、メチル 4-ホルミルピロール-2-カルボキシレート(453mg、3.0m
mol)及びメチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド(2.36g、6.6mmol)から、
メチル 4-ビニルピロール-2-カルボキシレートが白色結晶として得た(436mg、
98%、mp 63-56℃)。
同様にして、メチル 5-ホルミルピロール-3-カルボキシレート(907mg、6mmo
l)及びメチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド(5.71g、13.2mmol)から、
メチル 5-ビニルピロール-3-カルボキシレート、mp 97-99℃を得た。
同様にして、エチル 5-ホルミルピロール-3-カルボキシレート(1.66g、10mm
ol)及びメチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド(7.50g、21mmol)から、エ
チル 5-ビニルピロール-3-カルボキシレート、mp 75-77℃を、白色結晶として
得た。
実施例7
エチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-
6-イル)エテニル]ピラゾール-3-カルボキシレート
エチル 5-ビニルピラゾール-3-カルボキシレート(492mg、3.0mmol)、2-ピ
バロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-ブロモピリド[2,3-d]ピリミジン(25,1.07g、3
.3mmol)、パラジウムアセテート(34mg、0.15mmol)、トリ-o-トリルホスフィン(9
1m
g、0.3mmol)及びトリエチルアミン(2.1mL)から、実施例4の方法に従って、エチ
ル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル
)エテニル]ピラゾール-3-カルボキシレート(1.04g、85%、mp〉260℃)を得た。
実施例8
メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピ
リド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボキシレート
氷酢酸(200mL)と、メチル5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,
3-d]-ピリミジン-6-イル)エテニル]ピロール-2-カルボキシレート(593mg、1.5mm
ol)と酸化プラチナ(68mg)との混合物を水素雰囲気(50psi)で一晩撹拌した。反応
混合物をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた固形分をメタノール
から再結晶化すると、メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7
,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボキ
シレートがオフホワイトの固体として(505mg、84%)で得られた。mp 245-248℃。
実施例9
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピ
リド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボキシレート
メチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-
6-イル)エテニル]ピロール-2-カルボキシレートを、パラジウム-カーボン触媒(2
00mg)で実施例8と同様に水素付加(還元)して、メチル 4-[2-(2-ピラロイル
アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)
エチル]ピロール-2-カルボキシレート(380mg、95%)を得た。mp 236-238℃。
実施例10
メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピ
リド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボキシレート
実施例8と同様に、メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド
[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エタニル]ピロール-3-カルボキシレートから、メチ
ル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,
3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボキシレートを得た。mp>260℃
。
実施例11
4-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボン酸
1N水酸化ナトリウム(1mL)に縣濁したメチル 4-[2-(2-ピバロイルアミノ-4
-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イルエチル]-1-
トリイソプロピルシリルピロール-2-カルボキシレート(390.4mg、0.7mmol)懸濁
液を、透明になるまで加熱しながらリフラックした(約4時間)。この混合物を室
温で冷却し、酢酸エチルで抽出する。次に氷酢酸で酸性にする。得られる固体を
ろ別、水洗して、減圧下で乾燥すると、4-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8
-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボン酸
(199mg、94%)が得られる。mp>260℃。
実施例12
5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2.3-d]ピリミジ
ン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボン酸
実施例11と同様の方法で、メチル 5-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキ
シ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-
カルボキシレート(401mg、1.0mmol)と1N水酸化ナトリウム(6mL)から、5-[2-
(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イ
ル)エチル]ピロール-2-カルボン酸(257mg、85%)をオフホワイトの固体として得
た。mp>260℃。 実施例13
5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボン酸
実施例11に記載したように、1N水酸化ナトリウム(15mL)内で、メチル 5
-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピ
リミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボキシレート(401mg、1.0mmol)をケン
化して、5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピ
リミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボン酸を得た。mp〉260℃。
実施例14
5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン
-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボン酸
実施例11で説明したように、1N水酸化ナトリウム(3mL)で、エチル 5-[2
-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボキシレート(637mg、1.5mmol)をケン
化し、5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボン酸(368mg、80%,mp>260℃)を得た。 実施例15
ジメチル N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3
-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタメート
4[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボン酸(152mg、0.5mmol)と、2-クロロ-4,6-
ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(98mg、0.55mmol)、及び4-メチルメチルモルフォ
リン(0.066mL、0.6mmol)のDMF(3mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。ジメチ
ルL-グルタメート塩酸塩(0.116g、0.55mmol)と、4-メチルモルフォリン(0.066mL
、0.6mmol)が順次に加え、混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を減圧除去した。残
留物を、クロロホルム:メタノール(9:1)を展開溶媒とするクロマトグラフィ
ーにて処理し、ジメチル N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒド
ロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グ
ルタメート(152mg、66%)を白色固体として得た。mp 151-153℃。
実施例16
ジメチル N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2
,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタメート
実施例15の方法に従って、5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラ
ヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-カルボン酸(227.5m
g、0.75mmol)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(145mg、0.825mmol
)、4-メチルモルフォリン(0.20mL、1.8mmol)、及びジメチル L-グルタメート
塩酸塩(191mg、0.9mmol)から、ジメチル N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,
6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イル
カルボニル}-L-グルタメートを淡黄色の固体として得、ついで、クロロホルム:
メタノール(4:1)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィー処理
した。分析用のサンプル(mp 200-202℃)は、メタノールから再結晶化したもの
である。
実施例17
ジメチル N-{5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3
-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-イルカルボニル}-L−グルタメート
実施例15の手法に従って、5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラ
ヒ
ドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-カルボン酸(228mg、0
.75mmol)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(145mg、0.825mmol)、
4-メチルモルフォリン(0.20mL、1.8mmol)、及びジメチル L-グルタメート塩酸
塩191mg、0.9mmol)から、ジメチル N-{5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-
テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-イルカルボ
ニル}-L-グルタメートを白色固体(184mg、53%)として得、ついでフラッシュカ
ラムクロマトグラフィ(クロロホルム:メタノール、4:1)処理して得た。
実施例18
ジメチル N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2
,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-イルカルボニル}-L-グルタメー
ト
実施例15の方法に従って、5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラ
ヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-カルボン酸(228m
g、0.75mmol)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(145mg、0.825mmol
)、4-メチルモルフォリン(0.20mL、1.8mmol)及びジメチル L-グルタメート塩
酸塩(191mg、0.9mmol)から、N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラ
ヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-イルカルボニル}
-L-グルタメート(175mg、51%,mp 219-221℃)を得た。
実施例19
N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
ジメチル N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3
-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L−グルタメート(9
2mg、0.2mmol)の1N水酸化ナトリウム(1mL)溶液を室温で3日間撹拌し、氷酢酸
を加えてpH5にした。得られる白色固体をろ過して集め、水洗した後、減圧乾
燥して、N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]
ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸(68mg
、79%)を白色固体として得た。
実施例20
N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒロロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
実施例19に従って、ジメチル N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-
テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2-イル]カルボ
ニル}-L-グルタメート(138mg、0.3mmol)と1N水酸化ナトリウム(1.5mL)から、
N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン
-6-イル)エチル]ピロール-2-イルカルボニル}-L-グルタミン酸をオフホワイトの
固体(105mg、81%)として得た。mp>260℃。 実施例21
N-{5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]ピロール-3-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
実施例19と同様に、ジメチル N-{5-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テ
トラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-3-イルカルボニ
ル}-L-グルタメート(92mg、0.2mmol)と1N水酸化ナトリウム(1mL)から、N-{5
-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-
イル)エチル]ピロール-3-イルカルボニル}-L−グルタミン酸をオフホワイトの固
体(57mg、66%,mp〉260℃)として得た。
実施例22
N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
実施例19の方法に従って、ジメチル N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,
6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-イ
ルカルボニル}-L-グルタメート(92mg、0.2mmol)と1N水酸化ナトリウム(0.5mL)
から、N-{5-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]
ピリミジン-6-イル)エチル]ピラゾール-3-イルカルボニル}-L−グルタミン酸(69
mg、79%、mp>260℃)を得た。
実施例23
ジメチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチニル]-1-トリフェニルメチルイミダゾール-4-イルカルボニル
}-L-グルタメート
実施例1の手法に従って、ジメチル N-(2-ヨード-1-トリフェニルメチルイ
ミダゾール-4-イルカルボニル)-L-グルタメート(638mg、1.0mmol)、2-ピバロイ
ルアミノ-4-ヒドロキシ-6-エチニルピリド[2,3-d]ピリミジン(541mg、2.0mmol)
、Pd(PPh)2C12(35mg、0.05mmol)、ヨウ化第一銅(19mg、0.1mmol)、トリエチルア
ミン(0.7mL)及びアセトニトリル(50mL)がジメチルN-{2-[2-(2-ピバロイルアミ
ノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチニル]-1-トリフェニルメ
チルイミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタメート[フラッシュカラムクロマ
トグラフィ(エチルアセテート:ヘキサン、2:1)処理後に515mg、66%、mp 93-
95℃]が
得られた。 出発原料は、つぎの方法で合成できる。
2-ヨード-4-ヒドロキシメチル-1-(トリフェニルメチル)イミダゾール(3.264g、
7.0mmol)と二酸化マンガン(12.17g、140mmol)の混合物をメチレンクロリド(100m
L)にて、室温で一晩撹拌し、セライトにてろ過した。ろ過液を減圧濃縮し、2-
ヨード-4-ホルミル-1-トリフェニルメチルイミダゾールを白色発泡状の固体(3.0
5g、94%)、mp 173-75℃、として得た。このものはさらに精製することなく次の
ステップに使用できる程度に純粋であった。
メタノール(70mL)内の、活性化二酸化マンガン(5.66g、65mmol)、シアンナト
リウム(833mg、17mmol)及び氷酢酸(300mg)の混合物に、2-ヨード-4-ホルミル-1
-トリフェニルメチルイミダゾール(2.33g、5.0mmol)を一度に添加し、室温で1
時間撹拌後、セライトでろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を、メチレンクロリド
と水にて分配した。有機相を乾燥(硫酸マグネシウム)して減圧濃縮し、得られる
白色発泡状の固体を、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を展開溶媒とするカラムク
ロマトグラフィにて精製すると、2-ヨード-4-(メトキシカルボニル)-1-トリフ
ェニルメチルイミダゾル(2.26g、92%)が白色固体、mp 192-194℃、として得られ
た。 2-ヨード-4-(メトキシカルボニル)-1-トリフェニルメチルイミダゾール(1,97
8g、4mmol)の6N水酸化ナトリウム(15mL)懸濁液を、室温で4時間環流処理した
。得られた懸濁液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、酢酸にて弱酸性とした。得られ
た透明な溶液を酢酸エチル(20mL)にて3回抽出し、ついで抽出液を乾燥(硫酸マ
グネシウム)し、減圧濃縮した。残る酢酸は減圧除去でき、2-ヨード-1-トリフ
ェニルメチルイミダゾール-4-カルボン酸(1.67g、87%)を白色固体、mp203-205℃
、として得た。
2-ヨード-1-トリフェニルメチルイミダゾール-4-カルボン酸(1.443g、3.0mmo
l)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(553mg、3.15mmol)、4-メチル
モルフォリン(0.614mL、6.6mmol)、ジメチル L-グルタメート塩酸塩(698mg、3.
3mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を、実施例15と同様に反応させて、ジメ
チル N-(2-ヨード-1-トリフェニルメチルイミダゾール-4-イルカルボニル)-L-
グルタメート(1.44g、75%,mp 86-88℃)を合成した。
実施例24
ジメチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒド
ロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]イミダゾール-4-イルカルボニル}-L
-グルタメート
メタノール(15mL)内にて、ジメチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒド
ロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチニル]-1-トリフェニルメチルイミ
ダゾール-4-イルカルボニル}-L−グルタメート(390mg、0.5mmol)と10%のパラ
ジウム-カーボン触媒(390mg)の混合物を、室温で、水素(50psi)雰囲気した、7
日間撹拌した。この工程を、実施例2と同様に行うと、ジメチル N-{2-[2-(2-
ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イル)エチル]イミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタメートが淡黄色の
固体、mp 129-131℃、として、130mg(48%)得られた。
実施例25
N-{2-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]イミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸
実施例9の方法と同様にして、ジメチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-
ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]イ
ミダゾール-4-イルカルボニル}-L-グルタメート(109mg g、0.2mmol)と0.5N
水酸化ナトリウム(1mL)を反応させることにより、N-{2-[2-(アミノ-4-ヒドロキ
シ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]イミダゾー
ル-4-イルカルボニル}-L-グルタミン酸(38mg、44%、mp>260)を、得た。
実施例26
ジエチル N-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イルエチニル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタメート
アルゴン雰囲気の14/20の丸底フラスコ(100mL)内に、0.316g(1,1
7mmol)の2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-エチニルピリド[2,3-d]ピリミジ
ンアセトニトリル懸濁液(10mL)を加え、ついで、ジエチル N-(2-ブロモ
-4-チアゾーリルカルボニル)-L-グルタメート,0.47g(1.2mmol)と、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0),0.14g(0.12mmol)と、ヨ
ー化銅(I),0.046g(0.24mmol)と、トリエチルアミン,0.35mL(2
.5mmol)とを、10mLのアセトニトリルとともに添加し、2時間加熱しながら
リフラックスした。揮発成分を減圧除去し、残留物を、シリカゲルのフラッシュ
クロマトグラフィーにて、100%クロロホルムから2%メタノール/クロロホ
ルムのグレジエント溶出すると、ジエチル N-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒド
ロキシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イルエチニル]-4-チアゾールイルカルボニル
}-L-グルタメートがオフホワイトの固体(mp 201-202℃(dec))として精製でき
、0.46g(67%)得られた。
Rf=0.28(4%メタノール/クロロホルム)。
出発原料は以下の方法で調整した。
24/40の丸底フラスコ(100mL)に、20mLの1N水酸化ナトリウムに溶
解した2-ブロモ-4-チアゾールカルボン酸エチルエステル(Helv.Chim.Acta.1
942,25,1073),3.25g(13.8mmol)を入れ室温にて3時間撹拌、氷冷した後
、5N塩酸でpH2にした。白色の沈降物をろ別し、20mLの冷水で洗浄、真
空オーブン内にて乾燥すると、2.7g(94%)の2-ブロモ-4-チアゾールカルボ
ン酸、mp 227-229℃、が得られた。
Rf=0.16(20%メタノール/クロロホルム)。 窒素雰囲気にある14/20の丸底フラスコ(100mL)に、1.7g(8.17mmmol
)2-ブロモ-4-チアゾールカルボン酸のベンゼン溶液(17mL)を加え、さら
に、2.4mL(33mmol)のチオニルクロリドと、触媒量のジメチルホルムアミド
を添加し、2時間加熱しながらリフラックした。揮発成分を減圧除去し、残留物
を20mLのメチレンクロリドに溶解した。この溶液を、2.06g(8.58mmol)
のL-グルタミン酸ジエチルエステル、2.39mL(10.1mmol)のトリエチルア
ミン、及び10mgのジエチルアミノピリジンを含むメチレンクロリド溶液(30
mL)をアイスバスにて冷却しながら、この中に滴下した。ついで、アイスバスを
取り外し、反応混合物を、室温にて2時間撹拌した。反応混合物をメチレンクロ
リドで希釈し、0.5N塩酸、水、5%炭酸ナトリウム、水の順で洗浄し、硫酸
ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧除去した。得られた残留物を、クロロホルム
/エーテル(3/1)を展開溶媒とするシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ
ーで精製すると、ジエチル N-(2-ブロモ-4-チアゾールイルカルボニル)-L-グ
ルタメート,2.7g(84%)が、黄色オイルとして得られた。
Rf=0.43(クロロホルム/エーテル,3/1)
実施例27
ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒド
ロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-
グルタメート
丸底フラスコ(50mL)に、ジエチル N-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキ
シピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イルエチニル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-
グルタメート,0.25g(0.43mmol)を溶解した氷酢酸(8mL)を加え、さらに、0
.25gの酸化プラチナ触媒を加えた。1気圧の水素雰囲気にて24時間撹拌し
たのち、触媒をろ過にて除去し、ろ液を減圧処理した。残留物を、2%メタノー
ル/クロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに
て精製すると、ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,
8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-4-チアゾールイルカ
ルボニル}-L-グルタメート、mp 63-166℃、が、黄色固体として0.092g(36
%)得られた。
Rf=0.28(5%メタノール/クロロホルム)
実施例28
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エチル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタミン酸
14/20の丸底フラスコ(25mL)に、ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルア
ミ
ノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチ
ル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタメート,0.067g(0.11m
mol)を溶解した1N水酸化ナトリウム(3mL)を加え、室温で48時間撹
拌した。反応混合物を、アイスバスにて冷却し、1N塩酸でpH3にした。得ら
れる不溶物をろ過し、25mLの水で洗浄した後、60℃にて減圧乾燥すると、
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イル)エチル]-4-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタミン酸,mp 210-2
12℃が、0.036g(70%)、褐色の固体として得られた。 実施例29
ジエチル N-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミジ
ン-6-イル-エチニル]-5-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタメート
実施例26と同様にして、2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-6-エチニルピ
リド[2,3-d]ピリミジン(0.57mmol)ピリミジンと、N-(2-ブロモ-5-チアゾールイ
ルカルボニル)-L-グルタミン酸ジエチルエステル(0.58mmol)とから、0・19g
(56%)のジエチルN-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシピリド[2,3-d]ピリミ
ジン-6-イルエチニル]-5-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタメートをオフホ
ワイトの固体、mp 223-225℃(dec)、として得た。
Rf=0.25(5%メタノール/クロロホルム)
出発原料は、次のようにして調整できる。
撹拌装置を取り付けた24/40の3ネック型丸底フラスコ(500mL)に、30
mLの濃縮燐酸に部分的に溶解させた、3.4g(19.7mmol)2-アミノ-5-チアゾ
ールカルボン酸エチルエステル(Ber.,1888,21,938)を加え、アイスバスにて
冷却しながら、濃硝酸,9mLをゆっくりと加えた。ついで、5mLの水に2.
85g(41.3mmol)の亜硝酸ナトリウムを溶解した溶液を滴下し、冷却しながら3
5分間撹拌した。ついで、-10℃に冷却した3.0g(47.2mmol)銅粉末48%
臭化水素酸(75mL)を加え、窒素ガスの発生が終了した後、アイスバスを取
り外し、反応混合物に、5N水酸化ナトリウムついで炭酸ナトリウムを添加し、
pH8に中和した。得られた溶液を400mLのエーテルで抽出し、不溶質はろ
別した。ろ液を5%炭酸ナトリウム、水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を減圧除去した。残留物を、エーテル/ヘキサン(1/1)を展開溶媒とす
るシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2-ブロモ-5-チアゾ
ールカルボン酸エチルエステル,2.4g(52%)が、黄色のオイルとして得られ
た。
Rf=0.62(エーテル/ヘキサン、1/1)
14/20丸底フラスコ(100mL)内に、1N水酸化ナトリウム(14mL)に溶か
した2-ブロモ-5-チアゾールカルボキン酸エチルエステル,2.4g(10.1mmol)
を加え、室温で1.5時間撹拌した。得られる黄色溶液を5N塩酸でpH2にし
た。不溶性の固体をアイスバスにて冷却してろ過、水洗し、60℃の減圧オーブ
ン内にて乾燥して、2-ブロモ-5-チアゾールカルボン酸(mp 185-186℃(dec))
,1.9g(90%)を、白色固体として得た。
Rf=0・12(20%メタノール/クロロホルム)
窒素雰囲気にある14/20の丸底フラスコ(100mL)に、2-ブロモ-4-チアゾ
ールカルボン酸1.0g(4.81mmol)のベンゼン溶液,10mLを加え、ついで、
塩化チオニル,1.4mL(19mmol)、触媒量のジメチルホルムアミドを添加し、
2時間加熱しながらリフラックスした。揮発成分を減圧除去し、残留物を15m
Lの塩化メチレンに溶解し、この溶液を、L-グルタミン酸ジエチルエステル,1
.21g(5.05mmol)と、トリエチルアミン,1.41mL(10.1mmol)と、ジメチ
ルアミノピリジン,5mgとを含む、アイスバスにて冷却した塩化メチレン(15
mL)の中に滴下した。ついで、アイスバスを取り除き、室温で2時間撹拌した。
得られる混合物をメチレンクロリドで希釈し、0.1N塩酸、水、5%炭酸ナト
リウム、水の順に洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残留物を
、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィにて、酢酸エチル/ヘキサン(1/2
)から酢酸エチル/ヘキサン(1/1)へのグレジエンで溶出すると、N-[(2-
ブロモ-5-チアゾールイル)カルボニル]-L-グルタミン酸ジエチルエステル,0.
9g(48%)が、黄色オイルとして精製できる。
Rf=0.30(酢酸エチル/ヘキサン,1/2)
実施例30
ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒド
ロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-5-チアゾールイルカルボニル}-L-
グルタメート
実施例27と同様の方法で、ジエチル N-{2-[2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロ
キシピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イルエチニル]-5-チアゾールイルカルボニル}-
L-グルタメートから、ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒドロキシ-
5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-5-チアゾール
イルカルボニル)-L-グルタメート,mp 156-159℃を、黄色固体として得た。
Rf=0.36(10%メタノール/クロロホルム)
実施例31
N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリ
ミジン-6-イル)エチル]-5-チアゾールイルカルボニル}-L-グルタミン酸
実施例28と同様の方法で、ジエチル N-{2-[2-(2-ピバロイルアミノ-4-ヒ
ドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-5-チ
アゾールイルカルボニル}-L-グルタメートから、N-{2-[2-(2-アミノ-4-ヒドロ
キシ-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]-5-チアゾ
ールイルカルボニル}-L-グルタミン酸,mp 197-199℃(dec)を、淡黄色の固体と
して得た。
Rf=0.09(50%メタノール/クロロホルム)
実施例32
ゼラチン軟カプセルは、以下の成分を用いて調整した。
量
(mg/カプセル)
N-{3-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-
5,6,7,8-テトラヒドロピリド-
[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]- 250
ピラゾール-5-イルカルボニル}-
L-グルタミン酸
スターチ、乾燥 200
ステアリン酸マグネシウム 10
460mg
実施例33
錠剤は以下の成分を用いて調整した。
量
(mg/錠)
N-{2-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-
5,6,7,8-テトラヒドロピリド-
[2,3-d]ピリミジン-6-イル)エチル]- 250
イミダゾール-4-イルカルボニル}-
L-グルタミン酸
セルロース、微小結晶 400
二酸化珪素、フューム処理(fumed) 10
ステアリン酸 5
665mg
各成分を混合、打錠して、665mgの錠剤にした。
実施例34
静脈用注射剤は、以下の処方に従って調整した。
量
N-{4-[2-(アミノ-4-ヒドロキシ-
5,6,7,8-テトラヒドロピリド[2,3-d]-
ピリミジン-6-イル)エチル]ピロール-2- 100mg
イルカルボニル}-L-グルタミン酸
等張生理食塩水 1000mL
叙上の各実施例は、あくまでも本発明の解説のみを目的としたものであり、本
発明のスコープを限定することを意図したものではない。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
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CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
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MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
(72)発明者 テイラー エドワード シー.
アメリカ合衆国 08540 ニュージャージ
ー州 プリンストン ザ ウエスタン ウ
ェイ 288
(72)発明者 シン チュアン
アメリカ合衆国 46033 インディアナ州
カーメル ペブル ポイント パス
12532
(72)発明者 リー クー
大韓民国 タイヨン 305―340 ユーサン
―グ サイエンス タウン ドーヨン―ド
ン エルジー アパートメント 9―506
(72)発明者 ゴセット リン エス.
アメリカ合衆国 46220 インディアナ州
インディアナポリス ノース ルーラル
ストリート 5635