JP3056953B2 - スイッチ - Google Patents

スイッチ

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JP3056953B2
JP3056953B2 JP6225633A JP22563394A JP3056953B2 JP 3056953 B2 JP3056953 B2 JP 3056953B2 JP 6225633 A JP6225633 A JP 6225633A JP 22563394 A JP22563394 A JP 22563394A JP 3056953 B2 JP3056953 B2 JP 3056953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定コンタクトの外周
部に設けた傾斜面を可動コンタクトが乗り上げることに
よりオンオフするスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスイッチとして、例え
ば、オートマチック車に搭載されているシフトポジショ
ンスイッチが知られている。このシフトポジションスイ
ッチは、トランスミッションの側部に取り付けられて、
シフトレバーの位置に応じてリンク機構を介して所定の
位置に切り換えられることにより、トランスミッション
のレンジをシフトするものである。
【0003】こうしたシフトポジションスイッチの可動
コンタクトと固定コンタクトとの接離動作を図6ないし
図8を用いて説明する。シフトポジションスイッチは、
固定コンタクト102を埋設したステータ104と、可
動コンタクト106を装着したロータ(図示省略)とを
備え、ロータを回転することにより、可動コンタクト1
06を固定コンタクト102に対して接離するものであ
る。つまり、上記固定コンタクト102は、ステータ1
04の凹所104a内に埋設されており、その凹所10
4aの周縁部には、傾斜面104bが形成されている。
一方、可動コンタクト106は、湾曲面である接触先端
部106aを有しており、その曲率半径R1(図8参
照)は、板厚tの1/2に形成されている。
【0004】そして、可動コンタクト106は、ロータ
の回動にしたがって、矢印方向aから図示しない他方の
傾斜面104bを経て固定コンタクト102に接触し、
さらに傾斜面104bの接点OS0に達して乗り上げる
ことにより、固定コンタクト102から離れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記シフトポジション
スイッチにおける可動コンタクト106は、固定コンタ
クト102に繰り返して接触することにより、その接触
先端部106aが図7に示すように摩耗する。こうした
接触先端部106aの摩耗により、接点OS0が矢印方
向bへ移動する。すなわち、図8に示すように、可動コ
ンタクト106の接触先端部106aがm1(0.38
mm)、m2(0.5mm)と摩耗すると、可動コンタ
クト106が固定コンタクト102から離れるオフ位置
OP0がOP1→OP2へと矢印方向aへ移動する。この
オフ位置OP0の移動は、コンタクトの変動量θ1,θ2
となって現われ、ひいてはロータの変動角となって現れ
る。
【0006】このような可動コンタクト106の摩耗は
避けがたいものであるが、可動コンタクト106の接触
先端部106aが摩耗した場合における変動量が大きい
と、ロータの回動に従った位置が所定角度範囲を逸脱
し、スイッチの特性が劣化し、耐久性に劣るという問題
があった。
【0007】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るためになされたものであり、固定コンタクトとの接触
により生じる可動コンタクトの摩耗に対し、耐久性に優
れたスイッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1の発明は、ケース平面から段状に形
成された凹所を有するケースと、上記凹所内に、上記ケ
ース平面から所定の傾斜面を経て、ケース平面より低い
位置に配置された固定コンタクトと、この固定コンタク
トに接離される接触先端部を有する板状の可動コンタク
トと、この可動コンタクトを保持すると共に、該可動コ
ンタクトを固定コンタクト側へ付勢するスプリングを有
し、可動コンタクトをケース平面から傾斜面に倣った経
路にて固定コンタクトに接離するように移動させる可動
コンタクト保持部材と、を備え、上記可動コンタクトの
接触先端部は、該可動コンタクトの板厚の1/2より大
きい曲率半径を有する湾曲面で形成されていることを特
徴とする。
【0009】また、請求項2では、請求項1において、
可動コンタクト保持部材として、ケースに対して所定角
度範囲内で回動するロータリ式に好適に適用したもので
ある。
【0010】請求項3では、請求項1または請求項2に
おける曲率半径を、板厚の3/4〜1倍に形成したもの
である。
【0011】
【作用】本発明の請求項1に係るスイッチにおいて、可
動コンタクト保持部材に保持された可動コンタクトがケ
ース平面に位置するオフ状態から固定コンタクト側へ移
動すると、可動コンタクトは、スプリングにより付勢さ
れた状態にてケース平面から傾斜面を倣いつつ移動し
て、固定コンタクトにオン位置で接触する。さらに、可
動コンタクト保持部材が移動すると、可動コンタクト
は、その側部で傾斜面に接触し、該傾斜面を乗り上げる
から、固定コンタクトからオフ位置で離れる。
【0012】可動コンタクトの接触先端部は、湾曲面で
形成されており、しかもその湾曲面は、可動コンタクト
の板厚の1/2より大きい曲率半径を有している。よっ
て、可動コンタクトは、板厚の1/2と同じ曲率半径で
形成されている場合より、可動コンタクトの接触先端部
が摩耗した場合におけるオンオフ位置の変動量が少なく
なり、安定した接離動作を行なうことができる。
【0013】請求項2のスイッチは、可動コンタクト保
持部材として、ケースに対して所定角度範囲内で回動す
るロータリ式に用いることにより、オンオフ位置のズレ
を好適に防止したものである。
【0014】請求項3では、請求項1または請求項2に
記載した曲率半径として、板厚の3/4〜1倍に形成す
ることにより、耐久性の向上等を好適に実現したもので
ある。ここで、3/4倍以下であると、板厚の1/2に
近くなり、耐久性にさほど効果がなく、一方、板厚以上
になると、可動コンタクトが固定コンタクトと面接触と
なり、接触作用が不安定になるから、上述の範囲である
ことが好ましい。
【0015】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0016】図1はシフトポジションスイッチ10を搭
載したオートマチック車のトランスミッションに用いら
れるシフトポジションスイッチ10を示す分解斜視図で
ある。
【0017】シフトポジションスイッチ10は、ボディ
12と、このボディ12にパッキン14を介してシール
されると共にリベット15で一体化されるステータ20
と、ボディ12の回転支持凹所12a及びステータ20
の回転支持凹所20aにリップシール16を介して回動
自在に支持されたロータ30とを備えており、ロータ3
0の回動によりステータ20に埋設された固定コンタク
ト40(図2参照)と、ロータ30に装着された可動コ
ンタクト50とを接離するものである。
【0018】上記ステータ20は、外部コンピュータや
電源に接続するためのコネクタ20bを有すると共に、
このコネクタ20bに接続された上記固定コンタクト4
0(図2参照)が埋設されている。すなわち、図2に示
すように、固定コンタクト40は、各シフトポジション
に対応して設けられた固定コンタクト40aと、固定コ
ンタクト40bとを備えている。
【0019】上記固定コンタクト40aは、ステータ2
0のステータ平面21に形成された凹所22内に設けら
れている。この凹所22の両側には、傾斜面23を有す
るガイド部24が形成されている。この傾斜面23は、
ステータ平面21から固定コンタクト40に対して滑ら
かにガイドする面に形成されている。
【0020】一方、固定コンタクト40bは、上記固定
コンタクト40aの内周側に形成された凹所25内に埋
設されており、各固定コンタクト40aとの間で可動コ
ンタクト50を介して接離するように配置されている。
【0021】一方、ロータ30は、ボディ12の回転支
持凹所12aとステータ20の回転支持凹所20aとに
回転自在に支持されかつ回転軸孔31aを有する回転基
部31と、回転基部31から扇状に一体成形されたロー
タ本体32とを備えている。ロータ本体32のロータ平
面33には、凹所34が形成されている。この凹所34
には、固定コンタクト40に接離する可動コンタクト5
0がスプリング36を介して収納されている。この可動
コンタクト50は、引き抜きまたは冷間鍛造工程で形成
された板片であり、図3に示すように、その接触先端部
50aは、可動コンタクト50の板厚をt、曲率半径を
R1とすると、3/4t≦R1≦tの式を満たす湾曲面5
0bに形成されている。
【0022】次に、シフトポジションスイッチ10の動
作について説明する。ロータ30に装着された可動コン
タクト50が図2に示すようにステータ20のステータ
平面21上に位置している。この状態から、ロータ30
が回転すると、可動コンタクト50は、スプリング36
により付勢された状態にて、ステータ平面21からガイ
ド部24へ移行し、さらに傾斜面23に倣いつつ固定コ
ンタクト40に接触する(図4の右側の2点鎖線の状
態)。これにより、可動コンタクト50は、固定コンタ
クト40の固定コンタクト40aと固定コンタクト40
bとを接続して、その間に電流を流す。
【0023】さらに、ロータ30が回動して、可動コン
タクト50が固定コンタクト40上を移動すると、可動
コンタクト50は、その側部50cが傾斜面23に接触
し、傾斜面23を乗り上げていく(図4の実線)。これ
により、可動コンタクト50は、固定コンタクト40か
ら離れ、オフになる。つまり、可動コンタクト50が固
定コンタクト40から離れる位置は、傾斜面23と接触
した接点OS0であり、これを可動コンタクト50の中
心位置で表わすと、オフ位置OP0である。
【0024】次に、可動コンタクト50の接触先端部5
0aの曲率半径R1を板厚tの1/2以上に形成した理
由について説明する。いま、可動コンタクト50の接触
先端部50aが摩耗すると、図5に示すように、接点O
S0が接点OS1へ移動する。そのとき、可動コンタクト
50のオフ位置OP0は、OP1へ移動する。
【0025】この関係を定量的に表わすと、可動コンタ
クト50の板厚tを2mm、曲率半径R1を1.5mm
または2mmとし、その摩耗量m1が0.38mmとな
った場合において、変動量θ1は、37’から33’と
なり、図8に示す曲率半径R1が1mmの場合における
変動量θ1 (39’)と比べて、小さくなることが分か
る。
【0026】また、可動コンタクト50の接触先端部5
0aの摩耗量m2が0.50mmである場合にも、変動
量θ2は、44’、40’であるから、図8の変動量θ2
の46’と比べて小さいことが分かる。
【0027】したがって、上記シフトポジションスイッ
チ10によれば、可動コンタクト50の接触先端部50
aとして、可動コンタクト50の板厚tの1/2より大
きい曲率半径R1を有する湾曲面50bで形成すること
により、可動コンタクト50の接触先端部50aが摩耗
した場合におけるオフ位置OP0の変動量が少なくな
り、安定した接離動作を行なうことができる。
【0028】ここで、可動コンタクト50の接触先端部
50aの曲率半径R1は、板厚tの3/4〜1倍に形成
することが好ましい。これは、3/4倍以下であると、
板厚tに近くなり、耐久性にさほど効果がなく、一方、
板厚tを越えると、可動コンタクト50が固定コンタク
ト40に対して面接触となって接触作用が不安定になる
から、上述の範囲であることが好ましい。
【0029】なお、可動コンタクト50の接触先端部5
0aの曲率半径R1を大きくすることは、可動コンタク
ト50の摩耗の大きい場合、つまり、固定コンタクト4
0との間で流れる電流が大きい場合に特に有効であり、
例えば、シフトポジションスイッチでは、バックアップ
ランプへの通電を行なうための可動コンタクトに、特に
有効である。
【0030】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0031】上記実施例では、シフトポジションスイッ
チに適用した場合について説明したが、これに限らず、
可動コンタクトが固定コンタクトに対して段差切替タイ
プのものであればそのスイッチ構成は特に限定されず、
例えば、ロータリ式以外のスイッチでもよい。
【0032】可動コンタクトの製造方法としては、上記
実施例では冷間鍛造または引き抜きであることが製造コ
ストの点から望ましいが、この方法に特に限定されるも
のではなく、例えば、薄板を折曲し、その先端部を切削
等により所定の湾曲面に形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスイ
ッチによれば、可動コンタクトの接触先端部として、可
動コンタクトの板厚の1/2より大きい曲率半径を有す
る湾曲面で形成することにより、可動コンタクトの接触
先端部が摩耗した場合におけるオンオフ位置の変動量が
少なくなり、安定した接離動作を行なうことができる。
【0034】請求項2のスイッチによれば、可動コンタ
クト保持部材として、ケースに対して所定角度範囲内で
回動するロータリ式に用いることにより、オンオフ位置
のズレを好適に防止することができる。
【0035】請求項3のスイッチによれば、請求項1ま
たは請求項2に記載した曲率半径として、板厚の3/4
〜1倍に形成することにより、耐久性の向上及安定した
接触動作を好適に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシフトポジションスイ
ッチ10を示す分解斜視図。
【図2】同実施例の要部である固定コンタクト40及び
可動コンタクト50の周辺を示す斜視図。
【図3】同実施例の可動コンタクト50の摩耗による接
触点の移動を説明する説明図。
【図4】可動コンタクト50が摩耗していない状態にお
ける動作を説明する説明図。
【図5】可動コンタクト50が摩耗した状態における動
作を説明する説明図。
【図6】従来の可動コンタクト106が摩耗していない
状態における動作を説明する説明図。
【図7】従来の可動コンタクト106が摩耗した状態に
おける動作を説明する説明図。
【図8】従来の可動コンタクト106の摩耗による接触
点の移動を説明する説明図。
【符号の説明】
10…シフトポジションスイッチ 12…ボディ 12a…回転支持凹所 14…パッキン 15…リベット 16…リップシール 20…ステータ 20a…回転支持凹所 20b…コネクタ 21…ステータ平面 22…凹所 23…傾斜面 24…ガイド部 25…凹所 30…ロータ 31…回転基部 31a…回転軸孔 32…ロータ本体 33…ロータ平面 34…凹所 36…スプリング 40…固定コンタクト 40a…固定コンタクト 40b…固定コンタクト 50…可動コンタクト 50a…接触先端部 50b…湾曲面 50c…側部 t…板厚 OP0…オフ位置 OS0…接点 OS1…接点 R1…曲率半径 θ1,θ2…変動量 m1,m2…摩耗量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 15/04 H01H 15/06 H01H 1/44 H01H 1/36 H01H 21/02 H01H 21/78 H01H 19/10 H01H 19/02 H01H 19/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース平面から段状に形成された凹所を
    有するケースと、 上記凹所内に、上記ケース平面から所定の傾斜面を経
    て、ケース平面より低い位置に配置された固定コンタク
    トと、 この固定コンタクトに接離される接触先端部を有する板
    状の可動コンタクトと、 この可動コンタクトを保持すると共に、該可動コンタク
    トを固定コンタクト側へ付勢するスプリングを有し、可
    動コンタクトをケース平面から傾斜面に倣った経路にて
    固定コンタクトに接離するように移動させる可動コンタ
    クト保持部材と、 を備え、 上記可動コンタクトの接触先端部は、該可動コンタクト
    の板厚の1/2より大きい曲率半径を有する湾曲面で形
    成されていることを特徴とするスイッチ。
  2. 【請求項2】 可動コンタクト保持部材は、ケースに対
    して所定角度範囲内で回動するロータリ式に構成された
    請求項1に記載のスイッチ。
  3. 【請求項3】 曲率半径は、板厚の3/4〜1倍に形成
    された請求項1または請求項2に記載のスイッチ。
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