JP3056564B2 - L−カルニチン高含有物の製造法 - Google Patents

L−カルニチン高含有物の製造法

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なつ子 田村
邦子 長田
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂質代謝改善効果、心
不全改善効果の点で期待されるL−カルニチンを高い割
合で含有する素材の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下記の化1に構造を示したL−カルニチ
ンは、血中脂質レベル改善効果、心不全改善効果の点で
期待されており、また、高カロリー輸液として用いるこ
とができることが知られている。特に、L−カルニチン
は、活性化した長鎖の遊離脂肪酸をミトコンドリア膜か
ら通過させる担体としての働きを有する物質でビタミン
T とも呼ばれている。
【0003】
【化1】
【0004】天然中に存在するカルニチンは左旋性のL
−カルニチンであり、一方、右旋性のD−カルニチンは
拮抗阻害を示す。従来、ラセミ体(DL−体)のカルニ
チンが食欲昂進剤などに用いられてきたが、ラセミ体の
カルニチンを長期間投与した場合、心筋に対する副作用
が認められることなどから、心血管系疾患等の治療学的
使用には、L−カルニチンのみを使用する方が効果的で
あることが明らかとなった。
【0005】カルニチンは、主として化学合成法によっ
て製造されており、その場合にはラセミ体(DL体)が
生成するため、その化学分割のための工程が必要とな
り、製造工程が煩雑となる。一方、L体は、微生物を用
いた合成前駆体の変換により製造されている。これらの
合成品は、直接食品及び食品素材として使用することは
できない。
【0006】3−デヒドロカルニチン、γ−ブチロベタ
イン、クロトノベタイン、o−アシルカルニチンを前駆
物質として、微生物或いはその微生物の生産する酵素に
より、L−カルニチンを製造する方法も知られている
が、何れも前駆物質が不安定であったり、前駆物質或い
は補酵素が高価であったり、前駆物質とL−カルニチン
の分離が困難である等の問題を有している。
【0007】また、化学合成法による製造、微生物或い
は酵素による変換工程を含む半合成法による製造法を用
いて生産されるL−カルニチンは合成品であり、医薬外
への利用は認められていない。
【0008】合成品以外のL−カルニチンの調整法とし
ては、乳あるいは乳製品より分離調整する方法が知られ
ている(特開昭62−63553号)が、乳あるいは乳
製品自体が高価であり、この乳あるいは乳製品からL−
カルニチンを取り出すには、乳中には多量の無機塩が存
在しており、それらを除去するため精製工程が煩雑とな
る。
【0009】そこで、エメリセラ属微生物を用いたL−
カルニチン及びγ−ブチロベタインの製造法(特開昭6
0−214890号)及び食品等に添加することができ
るL−カルニチンを得ることを目的として、伝統的な発
酵食品に利用されている微生物を用いたL−カルニチン
の製造法が提案されている(特願平1−39215
号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
微生物による製造法では、L−カルニチンの生産能が著
しく低く、実用的でない等の問題があった。また、食品
の中にL−カルニチン含有物はいくつか存在するが、比
較的含有量の高いのは、畜肉、魚肉等に偏っているた
め、利用範囲が狭く、L−カルニチン含量も低く、物性
の点でも強い味、臭、色等の特有の風味を持つため、そ
のままでは利用範囲の広い実用的なL−カルニチン含有
食品素材となり難いものであった。
【0011】本発明者らは、鋭意研究の結果、例えば畜
肉・魚肉等の抽出物のようなL−カルニチンの含有物を
出発材料として、物理的に異味、異臭等を除去すること
によって、L−カルニチン濃度が増大し、呈味性が改善
され、利用範囲の広いL−カルニチン高含有物を得るこ
とが可能である事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】本発明は、L−カルニチンを含有する素材
から、L−カルニチン含量を向上させ、無色透明かつ殆
ど無味となったL−カルニチン高含有物の製造法を得る
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るL−カルニ
チン高含有物の製造法は、L−カルニチンを含有する
エキス又は魚肉エキスの水溶液を、有効平均ポア−サイ
ズが15〜30Åの活性炭又は多孔性合成樹脂で吸着処
理をすることにより、効果的に不要物が除去でき、L−
カルニチン含量が濃縮されたL−カルニチン含有素材を
提供するものである。
【0014】また、前記活性炭又は多孔性合成樹脂吸着
体の有効平均ポア−サイズは好ましくは20〜25Å、
より好ましくは24〜25Åであるものを開示する。
【0015】
【作用】本発明では、L−カルニチンを含有する肉エキ
ス又は魚肉エキスの水溶液を、有効平均ポア−サイズが
15〜30Åの活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体で、吸
着処理をするものであるため、L−カルニチンを含有す
る食品中の不要物を、物理的な吸着作用を利用して、吸
着体に吸着させることによって除去し、食品素材として
高品質な、無色・透明で殆ど味のない、なおかつ、L−
カルニチン含有量を向上させた素材を得ることができ
る。
【0016】不要な味,臭,色等を除去して改質を行な
う際に使用する活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体の吸着
体は、L−カルニチンに吸着能を持たず、不要な物質、
特に味,臭,色成分を特異的に吸着除去する性能を有す
るものとする。一般に肉エキスや魚肉エキス等の熱水抽
出物は、熱水に溶出するエキス成分の分子量の大きさが
ある程度揃っており、一方、エキス成分と共に溶出する
L−カルニチンの分子量は遥かに小さい。このため、前
述の通り、有効平均ポア−サイズが15Åより小さい活
性炭又は多孔性合成樹脂吸着体が、味,臭,色成分を全
く吸着せず、加えて、L−カルニチンを吸着するおそれ
がある。また、前述の通り、肉エキスや魚肉エキス等の
熱水抽出物では、熱水に溶出するエキス成分の分子量の
大きさがある程度揃っているため、特定のポア−サイズ
の吸着体でエキス成分が吸着され、この特定のポア−サ
イズよりも大きくなると徐々に吸着性能が低下する。
【0017】従って、本発明では、平均ポアサイズが1
5〜30Åの活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体が、L−
カルニチンに吸着能を持たず、不要物を特異的に吸着除
去することが確認された。特に、後述する実施例のよう
に有効平均ポア−サイズが24〜25Åの活性炭又は多
孔性合成樹脂吸着体では、特に味,臭,色成分を特異的
に吸着除去することが確認された。
【0018】本発明に使用される物理的な吸着手段は、
多孔性吸着体を利用した方法であり、天然吸着体として
の活性炭、化学合成品の極性・非極性多孔性吸着体の何
れでも使用することができる。例えば、活性炭としては
醸造用白鷺ニューゴールド[武田薬品工業(株)製]、
醸造用白鷺RM[武田薬品工業(株)製]、食品製造用
タケコール[武田薬品工業(株)製]等、多孔性合成吸
着体としてはHP−10,HP−20等HPシリーズ
[三菱化成工業(株)製]、XAD−2等 XADシリ
ーズ(ローム・アンドハース社製)等を挙げることがで
きる。尚、本発明のL−カルニチンの含有物の不要物の
吸着除去は、前述の吸着体の単独使用、あるいは複数の
組合わせ使用からなるものである。
【0019】尚、当然のことながら、L−カルニチンの
含有物に高分子物質あるいは不要物が存在するときに
は、吸着処理に先立ち、限外濾過,微細濾過,遠心分離
等でそれらを除去した後、吸着処理を行なう。また、処
理時の温度条件は、通常20℃から40℃付近で行なう
が、この範囲外の低温側から高温側に至る何れの温度で
も支障はない。処理時間は、粉末活性炭使用の場合、添
加後10分以上とれば、完全に効果を発揮する。更に、
合成吸着体等では、空間速度(SV)が、0.5hr-1
から10hr-1の間で最も効果的であるが、より速度を
上げても、良好な結果を得られる。
【0020】
【実施例】実施例1. 10%固型分を含有する肉エキス10リット
ルに食品製造用活性炭タケコール[武田薬品工業(株)
製](有効平均ポア−サイズ24〜25Å)500gを
加え、30℃で30分間攪拌後、ニユー・ハンディ・フ
ィルター[内外醸機工業(株)製]で活性炭除去を行な
い、処理液を回収した。回収された処理液のL−カルニ
チンの回収率、脱色率風味の変化を次の表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例 前述の実施例1.において、タケコールの代わりに、食
品製造用活性炭白鷺MC−100(有効平均ポア−サイ
ズ5Å)又は同白鷺MCL(有効平均ポア−サイズ10
Å)を500g加えて、同様の条件で処理を行ったが、
いずれも全く脱色・脱臭されず風味の改善は見られなか
った。
【0023】実施例2.魚肉エキス[カルチベータ No.
400、焼津水産化学工業(株)製]の10%溶液5リ
ットルに醸造用活性炭白鷺[ニューゴルド、武田薬品工
業(株)製](有効平均ポア−サイズ24〜25Å)5
00gを加えて、28℃で15分間攪拌後ニュー・ハン
ディ・フィルターで濾過し、清澄な処理液を得た。得ら
れた処理液を凍結乾燥した。得られた処理液中のL−カ
ルニチンの回収率、脱色率、風味の変化を次の表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3.固型分10%含有牛肉抽出液1
0リットルに、食品製造用活性炭タケコール140gを
加え、30℃で30分間攪拌後、ニュー・ハンディ・フ
ィルターで濾過して得た濾液7.0リットルを多孔性合
成吸着体HP−20(有効成分としてポア−サイズ25
Åを含む)充填カラムにSV=5.0hr-1で通液し、
淡黄色の処理液を得た。得られた処理液の成分の変化を
次の表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】以上説明した通り、L−カルニチンを含
有する抽出物の水溶液を、有効平均ポア−サイズが15
〜30Åの活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体で、吸着処
理をするものであるため、L−カルニチンを含有する食
品中の不要物を、物理的な吸着作用を利用して、吸着体
に吸着させることによって除去し、食品素材として高品
質な、無色・透明で殆ど味のない、なおかつ、L−カル
ニチン含有量を向上させた素材を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 綿貫 雅章 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式 会社ヤクルト本社内 (56)参考文献 特開 昭61−65851(JP,A) 特開 昭63−185947(JP,A) 特開 平1−213259(JP,A) 特開 平1−213258(JP,A) 特開 平2−67256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 229/22 CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−カルニチンを含有する肉エキス又は
    魚肉エキスの水溶液を、有効平均ポア−サイズが15〜
    30Åの活性炭又は多孔性合成樹脂吸着体で、吸着処理
    をすることを特徴とするL−カルニチン高含有物の製造
    法。
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