JP3056496U - ズボン又はつなぎ服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸び縮みの激しい膝部において伸縮性を有
し、しかも丈夫で装飾性の良いズボン又はつなぎ服を提
供する。 【解決手段】 つなぎ服の膝部３において、伸縮性の裏
当て布４と非伸縮性の布で構成されたひだ部５とが縫い
付けられている。膝部３に、脚部の長さ方向に相当する
張力がかかると、裏当て布４が伸びるとともに、ひだ部
５が、ひだ９を起点として両側に開くことで伸びること
ができ、また、逆の機構で縮むことが可能となる。この
ような構成により、本考案のつなぎ服はその膝部３にお
いて伸縮性を有するものとなっている。また、ひだ部５
は非伸縮性の布であるため丈夫であり、摩擦等にも強
く、他の部分の布と同じ材質の繊維から構成されている
ため装飾性も良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ズボン又はつなぎ服に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来からのズボン又はつなぎ服においては、脚部の材質が非伸縮性の布で構成 されたものが多い。非伸縮性の布は安価ながらも丈夫であるため、広く用いられ ている。しかしながら、非伸縮性の布は、膝部などの引張力が加わる部位におい ては着用者が動きにくくなり、例えば何らかの作業を行う場合に支障を来す問題 があり、さらには繰返しの引張力による劣化のために、膝部が前に膨らみ出て見 栄が悪くなったり、膝部が破れやすいということもあった。

【０００３】 上記のような問題を解決するために、膝部をゴム性の布で構成したズボン又は つなぎ服が提案されているが、そのような構成では見栄が悪く、また、ゴムの部 分が摩擦等で擦れて破れやすいという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、引張力が繰返しかかる膝部において伸縮性を有し、しかも丈 夫で装飾性の良いズボン又はつなぎ服を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用・効果】

上記課題を解決するために、本考案のズボン又はつなぎ服は、 非伸縮性の布で形成された脚部のうち、膝部に相当する部分に、少なくとも脚 部の長さ方向に伸縮性を有する裏当て布を設け、かつ、その裏当て布の表側の非 伸縮性の布は、脚部の長さ方向に複数のひだが折り返すように繰り返されるひだ 部とされ、 さらにその各ひだの谷の部分が伸縮性の裏当て布に縫い付けられるとともに、 そのひだ部の両側端部が、伸縮性の裏当て布とともに膝部付近の非伸縮性の布に 、脚部の長さ方向に縫い付けられていることを特徴とする。

【０００６】 上記裏当て布は、例えばゴム性の布を用いることができる。この裏当て布によ り、膝部に伸縮性の一因をもたらすことができるが、表側の布自身が非伸縮性で あるために、伸び縮みが自在に行われない。そこで、上記本考案の構成では、該 表側の非伸縮性の布に、上記折り返しの山と谷とを有するひだ部を形成している 。その裏当て布とひだ部との組み付けは、各ひだの谷の部分を裏当て布に縫い付 け、さらに、ひだ部の両側端部を裏当て布とともに膝部付近の非伸縮性の布に、 脚部の長さ方向に縫い付けることで行われる。これにより、折り返しの部分を起 点として、該ひだ部がその両側に開くことで、膝部が伸びることができ、また閉 じることで膝部が縮むことができるようになっている。

【０００７】 このような構成とすることで、表面が非伸縮性の布であるため丈夫であり、摩 擦にも強い膝部を形成でき、しかも脚部全体を構成している布と同じ材質のもの を使用できるため装飾性も良い。そして、膝部にひだ部を形成し、その裏側に伸 縮性の裏当て布を形成したため、該膝部が伸縮性を有し動きやすいズボン又はつ なぎ服を提供することが可能となった。また、伸び縮み可能ということで、伸び た膝部が縮んで元の形状に戻り、該膝部において布が伸びてしまうことを防ぐ構 成ともなっている。

【０００８】 また、上記構成においてひだ部は、脚部の長さ方向に複数のひだが折り返すよ うに繰り返されるものであるため、上下いずれかの方向にひだを折り返す構成が 考えられるが、この場合、下向きに複数のひだを折り返し重なるように形成する ことができる。上向きにひだを形成すると、ひだの谷の所にほこり等のゴミが溜 まりやすいが、下向きにすると、その点が改善される。

【０００９】 さらに、上記構成のズボン又はつなぎ服においては、膝部の伸縮性の裏当て布 及び非伸縮性のひだ部の上下左右は、方形状に膝部近傍の非伸縮性の布に縫い付 けられ、かつ、そのひだ部の左右の縫い目は、脚部の前と後の布の縫合部のさら に内側に形成することができる。このように縫い付けを行うことで、必要最小限 のスペースで伸縮性の膝部を形成することができ、さらに、ひだ部のところが摩 擦等で劣化しても、該ひだ部のところを交換することも可能である。また、方形 状にしたので装飾性も良い。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に示す実施例に基づき説明する。 図１は、本考案の一実施例たるつなぎ服１を示している。つなぎ服１の脚部２ は非伸縮性の布で形成されており、その膝部３には、脚部２の長さ方向に複数の ひだが折り返すように繰り返されるひだ部５が形成されている。本実施例の非伸 縮性の布は、例えば綿その他の天然繊維、合成繊維、あるいは綿その他の天然繊 維と合成繊維との混紡品等で構成されている。また、そのひだ部５の裏側には、 図２に示すように裏当て布４が縫い付けられており、裏当て布４は、少なくとも 脚部の長さ方向に伸縮性を有するゴム性の布で構成されている。また、裏当て布 ４及びひだ部５の上下左右は、方形状にて膝部３の非伸縮性の布に縫い付けられ ている。

【００１１】 図３に示すように、ひだ部５においては、各ひだの谷の部分（谷部）６が伸縮 性の裏当て布４に縫合部９ａにより縫い付けられている。ひだ部５は、複数のひ だ（ひだの山の部分）９が下向きに折り返され重なるように形成されている。ま た、図２及び図４のように、ひだ部５の両側端部及び上下端部は、伸縮性の裏当 て布４とともに膝部３の非伸縮性の布に、縫合部７にて縫い付けられている。両 側端部の縫合部７は、図４のように脚部２の前と後の縫合部８の内側に形成され ている。

【００１２】 ここで、膝部３の伸縮機構について、膝部３の部分を拡大した断面図である図 ７を用いて説明する。膝部３に脚部２の長さ方向に相当する張力がかかると、裏 当て布４が伸びるとともに、ひだ部５がひだ９を起点として両側に開くことで伸 びることができ、また逆の機構で縮むことが可能である。このように本実施例の つなぎ服１は、その膝部３において伸縮性を有する構成となっている。

【００１３】 次に、膝部３の伸縮の作用状況を図５及び図６を用いて説明する。図５に示す ように、膝を曲げたときに膝部３において伸びが働くと、上述した伸縮作用によ りひだ部５が伸びるわけであるが、縫合部７において非伸縮性の布に縫い付けて あるために、その縫合部７においては伸縮作用が働かない。よって、図６のよう にひだ部５においては、両縫合部７，７より遠くなるほど伸縮性が大きくなり、 つまりひだ部５の中心軸線が最も大きく伸びるようになっている。

【００１４】 上記のように、膝部３においてひだ部５が伸縮性を示すことで、どのような姿 勢においても自由に膝を曲げ延ばしすることができ動きやすい。また、ひだ部５ は非伸縮性の布と同じ材質の繊維から構成されているため丈夫であり、摩擦等に も強く、さには装飾性も良いという長所がある。一方、膝を曲げた状態から延ば すときにも、上記膝部３の伸びる機構と全く反対の機構で縮みが起こり、元の形 状に戻ることで膝部３において布が伸びてしまうことも防止されている。

【００１５】 なお、以上は本考案の一例としてつなぎ服（上衣部と一体のズボン）を例にと ったが、上衣部のない単純なズボンにも適用し得ることはもちろんである。また 、ズボン又はつなぎ服は、作業ズボン又はつなぎ作業服としての用途、ならびに 作業用以外の通常の用途に広く使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例たるつなぎ服の正面図。

【図２】図１のつなぎ服の膝部付近の表側及び裏側の構
成を示す拡大図。

【図３】図１のつなぎ服のひだ部と裏当て布との縫い付
け状態を示す半断面図。

【図４】図１のつなぎ服のひだ部の縫い付け状態を示す
拡大図。

【図５】図１のつなぎ服の伸縮の作用を示す側面図。

【図６】同じく伸縮の作用を示す正面図。

【図７】図１のつなぎ服の裏当て布とひだ部との伸縮の
機構を示す説明図。

【符号の説明】

１ つなぎ服 ２ 脚部 ３ 膝部 ４ 裏当て布 ５ ひだ部 ６ 谷部（谷） ７ 縫合部（ひだ部の両側端部） ８ 縫合部 ９ ひだ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 非伸縮性の布で形成された脚部のうち、
   膝部に相当する部分に、少なくとも脚部の長さ方向に伸
   縮性を有する裏当て布を設け、かつ、その裏当て布の表
   側の非伸縮性の布は、脚部の長さ方向に複数のひだが折
   り返すように繰り返されるひだ部とされ、 さらにその各ひだの谷の部分が前記伸縮性の裏当て布に
   縫い付けられるとともに、そのひだ部の両側端部が、前
   記伸縮性の裏当て布とともに前記膝部付近の非伸縮性の
   布に、前記脚部の長さ方向に縫い付けられているズボン
   又はつなぎ服。
2. 【請求項２】 前記膝部の、伸縮性の裏当て布の表側に
   形成された非伸縮性の布のひだ部は、下向きに複数のひ
   だが折り返され重なるように形成されている請求項１記
   載のズボン又はつなぎ服。
3. 【請求項３】 前記膝部の伸縮性の裏当て布及び非伸縮
   性のひだ部の上下左右は、方形状に膝部近傍の非伸縮性
   の布に縫い付けられ、かつ、そのひだ部の左右の縫い目
   は、前記脚部の前と後の布の縫合部のさらに内側に形成
   されている請求項１又は２に記載のズボン又はつなぎ
   服。