JP3239944U - ズボン - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単にズボンの股下寸法の調節ができ、着用され、また洗濯され、これらが繰り返されるうちに生地を傷めることを防ぐズボンを提供する。【解決手段】裾部9に周方向に沿って取り付けられる帯状の一対の芯材12を有し、一対の芯材12はその端部同士の間に位置する前側の隙間と後側の隙間とを有し、裾部から上下方向に沿って前後の隙間を通る前クリース線7および後クリース線8を有し、 芯材はインベル芯で四角が斜めに切り取られた八角形に形成され、縫い代11の内側に取り付けられ、縫い代を縫合する縫合線14はインベル芯の上縁の左右の角が斜めに切り取られた辺と交差する位置にある。【選択図】図2
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本考案は、股下寸法を調節することができるズボンに関するものである。
従来、購入したズボンの股下寸法が合わない場合には、着用者に合わせた裾上げが行われている。この裾上げは縫製をすることによりなされ、時間がかかり、すぐに履くことができない。このため、ズボンの股下寸法を容易に調整変更することができるズボンが提案されている。例えば特許文献1によれば、周方向に沿って一対の板状の芯材がズボンの裾部に取り付けられたズボンが開示されている。同文献によれば、一対の芯材の各芯材は、延在方向に折曲げられた2重構造になっており、曲げに対する弾発性を有している。一対の芯材の周方向両端部が互いに離間しており、その離間部分にズボン生地に形成されたクリース線が通過する。芯材に沿って折りかえして裾上げすると、芯材の弾発力によりその裾上げ状態が維持される。また、特許文献2によれば、周方向に沿って一対の板状の芯材をズボンの裾部に取り付け、さらに、クリース線を跨ぐように保型部材を取り付けたズボンが開示されている。裾上げしたときに、クリース線の箇所の保型部材を塑性変形させることにより、クリース線の折り目が維持される。
しかし、特許文献1に示すズボンは、各芯材が2重構造になっているため、離間部分のズボン生地が芯材の厚みにより引き延ばされて、ズボン生地に形成されたクリース線が消失したように見えてしまう。また、この離間部分のズボン生地は、芯材により引き延ばされた状態で着用され、また洗濯され、これらが繰り返えされるうちに、芯材の角がズボンの生地を傷めてしまう。また、特許文献2に示すズボンは、クリース線の箇所に保型部材が存在するために、クリース線をシャープに見せることができない。
そこで、本考案は、簡単にズボンの股下寸法の調節ができ、繰り返し使用して生地を傷めることを防ぎ、クリース線をシャープに見せることができるズボンを提供することを目的とする。
そこで、本考案は、簡単にズボンの股下寸法の調節ができ、繰り返し使用して生地を傷めることを防ぎ、クリース線をシャープに見せることができるズボンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案のズボンは、裾部に周方向に沿って取り付けられる帯状の一対の芯材を有し、前記一対の芯材はその端部同士の間に位置する前側の隙間と後側の隙間とを有し、前記裾部から上下方向に沿って前記隙間を通る前後2つのクリース線を有するズボンにおいて、 前記芯材は一重のインベル芯で縫い代の内側に接着剤で取り付けられている。また、前記インベル芯は、四角が斜めに切り取られた八角形に形成されている。また、前記裾部のインベル芯が取り付けられた縫い代を縫合する縫合線は、前記インベル芯の上縁の左右の角が斜めに切り取られた辺と交差する位置にある。
この考案によれば、インベル芯を使用した芯材の入った裾部を折り返すことにより、簡単に股下寸法の調節ができ、クリース線の形状を保持することができる。芯材の四角が切り取られていることにより、生地を痛めることを軽減させることができる。そして、芯材の四角が切り取られたことにより生じた新たな2つの角の間を縫合線が通る。芯材をズボン生地に固定する接着剤の強度が低下してきても、この新たな2つの角の間を1本の縫合線が押さえることができるため、この新たな2つの角をきっかけとして芯材が剥がれてしまうことを軽減することができる。
以下、本考案に係るズボンを、図面に基づいて説明する。
図1はズボン1の側面図で、ズボン1は前身頃2、後身頃3、ウエスト部4などからなる。前身頃2と後身頃3が脇線5と内股線6で互いに縫い合わされ、前後には上下方向に沿って前クリース線7、後クリース線8が形成されている。クリース線7、8は山折りの折り目線である。ズボン1の下端部には裾部9が形成され、裾部9の内部に一対の芯材が取り付けられている。
図1はズボン1の側面図で、ズボン1は前身頃2、後身頃3、ウエスト部4などからなる。前身頃2と後身頃3が脇線5と内股線6で互いに縫い合わされ、前後には上下方向に沿って前クリース線7、後クリース線8が形成されている。クリース線7、8は山折りの折り目線である。ズボン1の下端部には裾部9が形成され、裾部9の内部に一対の芯材が取り付けられている。
図2は、春夏用の薄い生地を使用し裾部において生地を3つ折りした例である。縫合状態を説明するために、ズボン1を後クリース線8で切断して展開し、裾部9を拡大して示している。芯材12は、合成繊維の織地からなる帯状部材で、ズボンやスカート等のウエスト部分に用いられるインベル芯を使用する。芯材12は、幅寸法w1が28mmである。芯材12の長さは裾部9を内向きに折り返したとき、裾部9の全周を折り返すことが可能な長さを有する。芯材12は、帯状部材の四角が斜めに切り取られた八角形に形成されている。
図2Aにおいて、芯材12が縫い代11に接着剤により取り付けられている。図中、一点鎖線は裾出来上がり線10で、その下方に縫い代11を有する。芯材12は、縫い代11の内側で、周方向に沿わされている。クリース線を崩さないように、クリース線の位置において一対の芯材12の端部同士に二つの隙間13が形成される。二つの隙間13は裾部9の前後に位置しており、前側の隙間13に前クリース線7が通り、後側の隙間13に後クリース線8が通る状態になっている。クリース線から芯材の端部までの幅寸法w2は3mmである。
図2Bにおいて、裾部9は生地を3つ折りされている。縫い代11の下端部の生地は、芯材12に向けて折り曲げられている。図2Cにおいて、裾出来上がり線10に沿って折り曲げ、芯材12は縫合線14によりズボンの生地に縫合されている。裾部において生地を3つ折りにするため、縫い代の幅は芯材の幅の1.5倍程度にする。このようにズボンの生地が薄い場合には、縫い代11の下端部が芯材12を包むように折り返され、この状態で、芯材12を裾出来上がり線10で折り返し、芯材12の上端部を前後身頃2、3に縫合する。このようにして、ズボン1の下端部に裾9部が形成される。
秋冬用の厚い生地を使用し裾部において生地を2つ折りした例を図3に示す。図2と同様にズボン1を後クリース線8で切断して展開し、裾部9を拡大して示している。芯材12は、幅寸法w3が33mmのインベル芯を使用する。ズボン1の生地が厚い場合には、折り返す回数が多くなると裾部9が嵩張り、美感を害することになる。よって、1回で調節する寸法を長くするのである。
図3Aにおいて、芯材12が縫い代11に接着剤により取り付けられている。図3Aにおいて、一点鎖線は裾出来上がり線10で、その下方に縫い代11を有する。芯材12は、縫い代11の内側で、周方向に沿わさせている。クリース線を崩さないように、クリース線の位置において一対の芯材12の端部同士に二つの隙間13が形成されている。二つの隙間13は裾部9の前後に位置しており、前側の隙間13に前クリース線7が通り、後側の隙間13に後クリース線8が通る状態になっている。クリース線から芯材の端部までの幅寸法w4は5mmである。
図3Bにおいて、裾出来上がり線10に沿って折曲げられ、芯材12が縫合線14によりズボン生地に縫合されている状態である。裾部9においてズボン生地を2つ折りにして仕上げるため、縫い代11の幅は芯材の幅より2~3mm長くする。図に示すように、芯材12を裾出来上がり線10で折り返し、芯材12の上端部を前後身頃2、3に縫合する。このようにして、ズボン1の下端部に裾部9が形成される。
図4を用いて、芯材12についてさらに詳細を説明する。芯材12であるインベル芯は、リール巻きの状態で提供される(図4A)、これを必要な長さの短冊に切断し(図4B)、さらに四角を斜めに切断する(図4C)。この結果、芯材12は、帯状部材の四角が斜めに切り取られた辺12a、12b、12c、12dが形成される。芯材12は縫い代11の内側にあり、ズボン1の前後身頃2、3と芯材12の上縁部を縫合されているが、縫合線14が芯材12の斜めに切り取られた辺12a、12bに交差するように縫合されている(図4D)。芯材の四角が切り取られたことにより新たな角s、tが生じることになるが、縫合線14が角s、tの間を通ることにより、両方の角s、tの間を押さえることができる。芯材12をズボン生地に固定する接着剤の強度が低下してきても、角s又は角tをきっかけとして、芯材12が剥がれてしまうことを軽減することができる。
図5は、ズボン1の使用状態を示す部分説明図で、図5Aは裾部9を折り返していない状態、図5Bは内側に1回折り返した状態を示す図である。裾部9を折り返すと、芯材14の幅寸法よりわずかに大きい幅寸法分、股下寸法が短くなる。芯材14に使用するインベル芯は保形性に優れているため、折り返すだけでたわむことなく、折り返された状態を維持することができる。必要に応じて、裾部を2、3回折り返して裾上げをする。
1 ズボン
2 前身頃
3 後身頃
4 ベルト部
5 脇線
6 内股線
7 前クリース線
8 後クリース線
9 裾部
10 裾出来上がり線
11 縫い代
12 芯材
13 隙間
14 縫合線
2 前身頃
3 後身頃
4 ベルト部
5 脇線
6 内股線
7 前クリース線
8 後クリース線
9 裾部
10 裾出来上がり線
11 縫い代
12 芯材
13 隙間
14 縫合線
Claims (3)
- 裾部に周方向に沿って取り付けられる帯状の一対の芯材を有し、前記一対の芯材はその端部同士の間に位置する前側の隙間と後側の隙間とを有し、前記裾部から上下方向に沿って前記隙間を通る前後2つのクリース線を有するズボンにおいて、 前記芯材は一重のインベル芯で縫い代の内側に接着剤で取り付けられていることを特徴とするズボン。
- 請求項1のズボンにおいて、前記インベル芯は四角が斜めに切り取られた八角形に形成されていることを特徴とするズボン。
- 請求項2のズボンにおいて、前記裾部のインベル芯が取り付けられた縫い代を縫合する縫合線は、前記インベル芯の上縁の左右の角が斜めに切り取られた辺と交差する位置にあることを特徴とするズボン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022003215U JP3239944U (ja) | 2022-09-28 | 2022-09-28 | ズボン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022003215U JP3239944U (ja) | 2022-09-28 | 2022-09-28 | ズボン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3239944U true JP3239944U (ja) | 2022-11-25 |
Family
ID=84139532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022003215U Active JP3239944U (ja) | 2022-09-28 | 2022-09-28 | ズボン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3239944U (ja) |
-
2022
- 2022-09-28 JP JP2022003215U patent/JP3239944U/ja active Active
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Legal Events
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