JP3056119U - 梁と桁を結合するための金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 梁と桁を結合するための金具を提供すること 【解決手段】 凹状の形状の、その折返されている二つ
の突起部３の内縁部３″，３′の上部が底部２へと曲線
部６を経て落込み、ほぼ中央部においてほぼ直角に内側
面方向に湾曲して段差７を形成しており、他方桁Ａ側の
ほぞ孔４に固定するためのボルト５を備えた金具１０
０、Ｔ字形の形材からなりその頭端部８が内方へと屈曲
していてかつ梁Ｂ側に埋設される金具２００と、この金
具を梁内に固定するためのロッド３００との組合せから
成る金具

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、梁と桁を結合するための金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、梁と桁とを接合する際は、一つの手法としてあり落としの手法により行 われてきた。この接続手法は伝統的な手法であり、主として横材の端部を蟻形に きざみ、他材の上側面にこれに対応した溝を形成して、横材端部を他材の上部か ら落としこんで接合が行われる。

【０００３】 この接合方法は確かに梁と桁を接合するのには確実な手法の一つである。しか し、建物の揺れに対する強度、例えば耐震性を考慮した際、即ち建物に縦横上下 の力が加わった際の強度を考慮した際、このようなあり落としの手法によるよう な接合を更に強固なものにする必要性が求められてきている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の根底をなす課題は、上記のような要望に沿うような梁と桁とを接合す るための、あり落としの様式の接合金具を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による金具の特徴とするところは、凹状の形材から成り、この凹状の形 状の折返されている突起部の内縁部の上部が底部へとゆるい曲線部を経て湾曲し て落込み、ほぼ中央部においてほぼ直角に内側面方向に湾曲して段差を形成する ようにして終わっており、他方の突起部も突起部の内縁部と同様な形状を有して おり、これら凹状の形状の折返されている突起部により内部係合空域が形成され る構造となっており、かつ桁側のほぞ孔内への埋設固定のためのボルトを備えた 金具と、 Ｔ字形の形材から成り、その頭端部が内方へと屈曲している梁側に埋設される金 具と 上記梁側の金具に形成された孔に挿入されてこの金具を梁内に固定するためのロ ッドとの 組合せから成り、この場合梁と桁との接合が、上記桁側の金具のＴ字形の頭端部 が梁側の金具の突起部の湾曲した内縁部に沿って滑動することによりこの金具の 係合空域内に嵌合することにより行われることである。

【０００６】

【考案の実施の態様】

図３に示したように、桁Ａ側の金具１００は本質的に縦長であり、凹状の形状 を有しており、この凹状の形状の内方へと折返されている二つの突起部３，３の 内縁部３″は上部から底部２へとゆるい曲線部６を経て湾曲して落込み、ほぼ内 縁部３″の中央部においてほぼ直角に内側面方向に湾曲して段差７を形成して終 わっている。他方の相手方の凹状の形状の内方へと折返されている突起部３′も 、上記突起部３の内縁部３″と同様な形状を有している。

【０００７】 これら凹状の形状の折返されている突起部の内縁３″、３′により、これらに より区画されている内部係合空域２が形成され、以下に説明するようにこの内部 係合空域２内に梁Ｂ側の金具２００が上方から嵌合される。 この金具１００は桁Ａのほぞ孔（柱孔）４内に埋設されて固定されるが、その ためボルト５が設けられている。

【０００８】 このボルト５は、図１と図２から認められるように、頭部が平坦なナット５′ との組合せで使用されるので、ほぞ孔４（柱孔）内に突出した凸凹が生じること がない。その際、もちろん桁Ａにはこのボルトおよびナットに適合した孔が予め 形成されている。 梁Ｂ側の金具２００はＴ字形であり、このＴ字形の頭端部８，８は内方へと屈 曲している。従って金具１００と２００同士が内部係合空域２内で組合わされた 際、これらの両頭端部８は内部係合空域２内で上記の突起部３の内縁３″、３′ を自己の中に抱くようにして、これらに嵌合する。

【０００９】 この嵌合の際、金具１００の凹状の形状の内方と折返されている二つの内縁部 ３″、３′が上部から底部２へとゆるい曲線部６をもって形成されており、かつ 中央部においてほぼ直角に内側面方向に湾曲して段差７を形成しているので、金 具２００が上方から叩き込まれた際、頭端部８，８はこれらの内縁部３″に沿っ て内部係合空域２内を滑動することにより、内方へと押圧されるような作用、即 ち金具１００にますます接近するような作用を受けて、しっかりと金具１００に 嵌合され、最後に段差部７に当接して止まる。従って、頭端部８、即ち金具２０ ０は金具１００と一体的に緊定される。このような接合手法はあり落としと同じ 手法であるが、接合材となるのは形鋼から成る金具であることに相違がある。

【００１０】 その際、梁側には接合の際金具１００の突起部３が入込むための、この突起部 の幅の寸法の切込み１０１が形成されている。従って、桁と梁とが接合された際 両者の間に隙間が生じることがなく、密着される。 金具１００と金具２００の解離は困難である。何故ならこの金具１００の上記 の内縁部３″，３′が曲線６を描いていおり、金具２００のＴ字形の屈曲した頭 端部８，８がこの曲線部により押圧状態で嵌合されるからである。

【００１１】 上記梁Ｂ側の金具２００の梁Ｂへの固定は、図１、図２および図３に示したよ うに、この梁にこの金具の厚み分だけの切込みが形成されており、この切込み内 にそのＴ字形の頭部８，８の上面２０１が桁Ａ側に面するようにして梁の上記の 切込み内に叩き込まれ、次いでこの金具に穿孔された孔１０を貫通するボルト３ ００、３００を梁内に貫入して行われる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案による桁と梁とを接合するための金具により、従来のあり落としによる 接合よりも、更に強い接合力が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による金具を使用して桁と梁とを接合し
た状態の平面図である。

【図２】本考案による金具を使用して桁と梁とを接合し
た状態の側面図である。

【図３】本考案による金具による桁と梁の接合方法を示
した図である。

【符号の説明】

２ 底部 ３ 突起部 ３′，３″ 折り返し縁部 ４ ほぞ孔 ５ ボルト ５′ ナット ６ 折り返し縁部の曲線部 ７ 段差部 ８ 梁側の金具のＴ字形の頭端部 １０ 梁側の金具を固定するためのボルト孔 １００ 桁側の金具 ２００ 梁側の金具 ２０１ 梁側の金具のＴ字形の頭端部の上面 ３００ ボルト Ａ 桁 Ｂ 梁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 梁と桁を結合するための金具において、
   凹状の形材から成り、この凹状の形状の折返されている
   突起部（３）の内縁部（３″）の上部が底部（２）へと
   ゆるい曲線部（６）を経て湾曲して落込み、ほぼ中央部
   においてほぼ直角に内側面方向に湾曲して段差（７）を
   形成するようにして終わっており、他方の突起部
   （３′）も突起部（３）の内縁部（３″）と同様な形状
   を有しており、これら凹状の形状の折返されている突起
   部（３）により内部係合空域が形成される構造となって
   おり、かつ桁（Ａ）側のほぞ孔（４）内への埋設固定の
   ためのボルト（５）を備えた金具（１００）と、Ｔ字形
   の形材から成り、その頭端部（８，８）が内方へと屈曲
   している梁（Ｂ）側に埋設される金具（２００）と上記
   梁（Ｂ）側の金具（２００）に形成された孔に挿入され
   てこの金具を梁内に固定するためのロッド（３００）と
   の組合せから成り、この場合梁（Ａ）と桁（Ｂ）との接
   合が、上記桁（Ｂ）側の金具（２００）のＴ字形の頭端
   部（８，８）が梁（Ａ）側の金具（１００）の突起部
   （３，３′）の湾曲した内縁部（３″）に沿って滑動す
   ることによりこの金具（１００）の係合空域（２）内に
   嵌合することにより行われる金具。