JP3055900B1 - 茹麺装置 - Google Patents

茹麺装置

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JP3055900B1
JP3055900B1 JP11290975A JP29097599A JP3055900B1 JP 3055900 B1 JP3055900 B1 JP 3055900B1 JP 11290975 A JP11290975 A JP 11290975A JP 29097599 A JP29097599 A JP 29097599A JP 3055900 B1 JP3055900 B1 JP 3055900B1
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健一 大迫
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Abstract

【要約】 【課題】 茹時間が異なる複数種類の麺を容易に茹で上
げることができ、しかも、高さ方向のスペース面の制約
が小さい茹麺装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 無端状の上部搬送チェーン10で搬送さ
れる麺搬送バケット11が設けられ、麺搬送バケット1
1は、麺投入口1の下方位置で麺を収納し、複数の麺収
納ポイントPのうちから選択された麺収納ポイントPの
上方位置まで移動して、該上方位置において麺を茹バケ
ット2内に落下させることを解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うどん、そば、中
華麺等の麺類を茹で上げる茹麺装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、図5の如き製麺機は、小
麦粉等の原料混練物を圧延して麺帯とし、該麺帯を細長
く裁断して麺線とし、該麺線を所定長さに切断して生の
麺を製造する麺線製造機50と、該麺を茹で上げて茹麺
とする茹麺装置51と、該茹麺を水洗冷却する水洗装置
52と、該水洗後の茹麺を袋詰め等して包装する包装装
置53とが連続的に配置されて構成されてなる。
【0003】そして、前記茹麺装置51は、麺を収納す
る茹バケット54が無端状の搬送チェーン55に所定間
隔毎に複数本支持され、麺を収納した茹バケット54が
搬送チェーン55で搬送されながら、湯が入った茹槽5
6内を通過することによって麺を茹で上げるよう構成さ
れている。また、一般には、搬送方向と略直交する方向
に沿って複数の収納室が並設された茹バケット54が使
用される。
【0004】そして、麺線製造機50で製造された生の
麺が、麺線製造機50と茹麺装置51の麺投入口57と
を結ぶ導入シュート58を経て麺投入口57から投入さ
れ、麺投入口57の下方に配された投入シュート59を
介して麺収納ポイントPにおいて各収納室に投入され、
麺を収納した茹バケット54が所定の時間、茹槽56内
を通過する間に麺が茹で上がり、該茹麺は、茹麺シュー
ト60を介して水洗装置へと送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、茹でる対象
となる麺が、うどんからそばへ、そばから中華麺へとい
うように別の種類の麺に変更する場合には、麺を収納し
た茹バケット54が茹槽56内を通過する間の茹時間を
変更する必要がある。例えば、うどんからそばに変更す
る場合には、一般に茹時間を短くする必要がある。
【0006】この場合、上記従来の茹麺装置51におい
ては、茹バケット54の搬送経路において、麺を収納し
た茹バケット54が茹槽56内に位置している経路の長
さ(以下、茹上経路長という)が一定であるため、茹時
間を変更するためには搬送チェーン55の走行速度を増
減させる必要がある。
【0007】しかるに、搬送チェーン55の走行速度を
変更すると、一定時間あたりに茹で上がる麺の数も増減
することとなり、以下の工程の水洗装置52や包装装置
53等もその速度に対応して変更する必要があって変更
作業が煩雑となるうえに、これらの工程の能力の限界、
あるいは最終的に仕上がる食数の減少による生産効率の
低下等、種々の支障が生じやすいという問題がある。
【0008】そこで、図6の如く、麺収納ポイントPを
搬送方向に沿って二箇所設けると共に、各麺収納ポイン
トPの上方に各々麺投入口57と導入シュート58とを
設けることも考えられる。該構成では、二つの導入シュ
ート58から選択した一つの導入シュート58に麺線製
造装置50から麺を落下させることにより、搬送チェー
ン55の走行速度を変更することなく茹時間を変更する
ことが可能となる。
【0009】しかしながら、離れた二箇所の麺投入口5
7と麺線製造装置50とを導入シュート58で結び、該
導入シュート58内を確実に麺が通るようにするために
は、麺線製造装置50を茹麺装置51から上方に遠く離
して設置し、導入シュート58の傾きが緩くならないよ
うにする必要がある。そのため、麺収納ポイントPが一
箇所のみの茹麺装置51に比して、高さ方向のスペース
面の制約が大きいという問題がある。
【0010】それゆえに本発明は、上記従来の問題点に
鑑みてなされ、茹時間が異なる複数種類の麺を容易に茹
で上げることができ、しかも、高さ方向のスペース面の
制約が小さい茹麺装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、本発明の茹麺装置は、麺
を収納する茹バケット2が無端状の搬送チェーン3に所
定間隔毎に複数支持されてなり、麺を収納した茹バケッ
ト2が搬送チェーン3で搬送されて茹槽4内を通過する
ことによって麺を茹で上げるよう構成されてなる茹麺装
置において、麺を茹バケット2に収納する麺収納ポイン
トPが、各々麺の茹時間が異なるように、茹バケット2
の搬送方向に沿って複数設けられてなり、茹麺装置への
麺の投入口である麺投入口1と前記麺収納ポイントPと
の間には、麺投入口1の下方位置から各麺収納ポイント
Pの上方位置を順に経由して麺投入口1の下方位置まで
戻る搬送経路を循環移動するように、無端状の上部搬送
チェーン10で搬送される麺搬送バケット11が設けら
れ、上部搬送チェーン10には所定間隔毎に麺搬送バケ
ット11が複数支持されて、麺搬送バケット11と前記
茹バケット2とは同期して搬送され、且つ、麺搬送バケ
ット11は、麺投入口1の下方位置で麺を収納し、複数
の麺収納ポイントPのうちから選択された麺収納ポイン
トPの上方位置まで移動して、該上方位置において麺を
茹バケット2内に落下させるよう構成されてなることを
特徴とする。
【0012】該構成からなる茹麺装置にあっては、麺収
納ポイントPが複数設けられ、各麺収納ポイントPにお
いて麺を茹バケット2に収納した際の麺の茹時間が各々
異なるため、麺の種類によって適宜、麺収納ポイントP
を選択し、選択した麺収納ポイントPにおいて麺を茹バ
ケット2に収納することができる。尚、各々の麺収納ポ
イントPの麺の茹時間が異なるとは、各々の麺収納ポイ
ントPから先の茹上経路長が異なっていることを意味す
る。
【0013】また、麺投入口1と麺収納ポイントPとの
間に上部搬送チェーン10を設けてなるので、麺投入口
1から麺収納ポイントPの上方位置まで麺搬送バケット
11で容易に麺を搬送することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る茹麺装置の一
実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。図1
は、茹麺装置を正面から見て、内部の状態を概略的に示
したものであり、該茹麺装置は、上部に設けられた麺投
入口1から投入された麺を、茹バケット2に収納し、該
茹バケット2を搬送チェーン3で搬送して茹槽4内を通
過させることによって麺を茹で上げるよう構成され、茹
で上げられた麺は麺排出部において茹バケット2から落
下して茹麺シュート5を通って、水洗工程等の次工程へ
排出される。
【0015】この茹バケット2は、複数のスプロケット
6に巻き付けられて走行方向を変えながら走行する左右
一対の無端状の搬送チェーン3に、所定間隔毎に多数本
支持されてなり、各茹バケット2は、図2にその概略を
平面的に示しているように、搬送方向と略直交する方向
(左右方向)に沿って複数の収納室7が並設された構成
で、各収納室7に麺を収納することで、複数個の麺を互
いに区画、分離した状態で個別収納でき、本実施形態で
は合計12個の収納室7を有してなる。即ち、一本の茹
バケット2につき、合計12個の麺を収納して搬送する
ことができる。また、上面開口には蓋体が設けられ、搬
送経路中に設けられた蓋開閉手段で蓋体が開閉される。
【0016】ここで、茹バケット2の搬送経路、即ち、
搬送チェーン3の走行経路について説明すると、その走
行経路のうちの所定領域において、搬送チェーン3は、
茹槽4の長手方向に沿って上下のスプロケット6に交互
に巻き付きながらジグザグ走行する領域を有している。
即ち、図1の如く、その領域において、スプロケット6
は、上下二列共に茹槽4の長手方向に沿って一定間隔毎
に配置され、上方には合計7つ、下方側には合計6つ設
けられて、下方側のスプロケット6の上方側に上方側の
スプロケット6が略位置している。そして、搬送チェー
ン3はその走行が斜めになるように、上下のスプロケッ
ト6に交互に巻き付き、これによって茹バケット2が茹
槽4内の深い部分と浅い部分とを交互に通過するように
しており、且つ、上下に往復するのではなく、上下方向
に対して所定角度傾斜した斜め方向に沿って往復するよ
うにしている。
【0017】このように、上方側のスプロケット6に搬
送チェーン3が巻き付くときに、茹バケット2は茹槽4
の浅い部分に位置することとなり、その回数は合計7回
あり、上方側のスプロケット6に搬送チェーン3が巻き
付いて茹バケット2が最も高くなる箇所が、茹バケット
2に麺を投入して収納する麺収納ポイントPとなってい
る。従って、本実施形態では麺収納ポイントPは上方側
のスプロケット6の個数分の合計7箇所設けられてい
る。そして、麺収納ポイントPは一定間隔毎に設けら
れ、隣り合う二箇所の麺収納ポイントP間の搬送経路長
は一定となっている。
【0018】また、図中左側から順に麺の茹時間が比例
して長くなっている。例えば、最も茹時間の短い一番目
の麺収納ポイントP1における茹時間を20秒としたと
き、二番目から7番目の麺収納ポイントPにおける茹時
間は、各々、69秒、118秒、167秒、216秒、
265秒、314秒となる。即ち、n番目の茹時間は、
1番目の茹時間をaとすると、a+49×(n−1)、
と表される。更に、隣り合った二箇所の麺収納ポイント
P間の茹時間差49秒は、一番目の茹時間の20秒より
も長く、その2倍以上ある。そして、最も茹時間が長い
7番目の茹時間314秒は、一番目の茹時間の10倍以
上あり、15倍以上もある。
【0019】以上のように、該茹麺装置にあっては、麺
収納ポイントPが、各々の茹時間に差が生じるように、
茹バケット2の搬送方向に沿って複数設けられてなる。
また、各麺収納ポイントPの上方には、それぞれ投入シ
ュート8が配設されており、該投入シュート8の下端開
口はゲート9によって開閉される。そして、各麺収納ポ
イントPに茹バケット2が到達する際に、自動的に蓋体
が蓋開閉手段によって開かれて麺が各収納室7に収納さ
れ、収納後、蓋開閉手段によって自動的に閉じられる。
尚、麺収納ポイントP毎に投入シュート8を設けるので
はなく、例えば投入シュート8を一つ設け、該投入シュ
ート8が各麺収納ポイントP上まで移動できる構成とし
てもよい。
【0020】一方、上述したように該茹麺装置への麺の
投入口である麺投入口1は、茹麺装置の上部に設けられ
ているが、前記麺収納ポイントPの上方に配設された投
入シュート8と麺投入口1との間の上下の空間には、麺
投入口1の下方位置から各麺収納ポイントPの上方位置
を順に経由して麺投入口1の下方位置まで戻る搬送経路
を循環移動するように、無端状の上部搬送チェーン10
で搬送される麺搬送バケット11が設けられている。
【0021】具体的には、上部搬送チェーン10は、前
後二箇所に配設された両スプロケット12に巻き付けら
れて略水平に走行する。そして、麺搬送バケット11が
上段側を移動する間に、麺投入口1から麺が投入され、
前方側のスプロケット12を下方側に向けて回走した
後、各投入シュート8の上端開口の上部を茹バケット2
の搬送方向と逆行する方向に(茹時間が長くなる方の麺
収納ポイントP側に向けて)移動し、下段側を走行する
間に、7箇所のうちから選択された1箇所若しくは所定
箇所の麺収納ポイントPの上方位置において麺を投入シ
ュート8に向けて落下させ、後方側のスプロケット12
を上方側に向けて回走した後、再度、麺投入口1の下方
位置に戻る。
【0022】また、麺搬送バケット11は、図3の如
く、左右一対の上部搬送チェーン10に所定間隔毎に複
数本支持されており、その間隔は前記茹バケット2の間
隔と略同一で、上部搬送チェーン10の走行速度(麺搬
送バケット11の搬送速度)と搬送チェーン3の走行速
度(茹バケット2の搬送速度)とは略一致している。即
ち、麺搬送バケット11と茹バケット2とは同期して搬
送される。
【0023】かかる麺搬送バケット11も、茹バケット
2と同様に、搬送方向と略直交する方向に複数の収納室
12が並設されてなるものであるが、本実施形態では、
茹バケット2の収納室7の個数の半分の6個となってい
る。
【0024】そして、該上部搬送チェーン10で搬送さ
れる麺搬送バケット11が横方向(搬送方向と略直交す
る方向)に沿って二列設けられてなり、二列の麺搬送バ
ケット11によって収納室12が合計12個列設され、
茹バケット2の収納室7の個数(12個)に対応する。
即ち、左右一対の上部搬送チェーン10が二組設けら
れ、二組の上部搬送チェーン10は、例えば駆動源を共
通することで、同一速度で同一方向に並進する。また、
各々独立した上部搬送チェーン10に搬送されることに
より、二列の麺搬送バケット11は互いに独立して上下
反転することができ、上部開口に設けられた蓋体も独立
して開閉できる構成となっている。
【0025】更に、麺搬送バケット11は、図4のよう
に、選択された麺収納ポイントPの上方位置で上下反転
することで、収納していた麺を投入シュート8内に落下
するよう構成されてなる。具体的には、支持フレーム
(図示せず)から内側に突出した状態にある反転ピン1
3に麺搬送バケット11の下端が当接することによって
回動軸14を中心として麺搬送バケット11が上下反転
し、その後、麺搬送バケット11の前方側上方に設けら
れた当接ピン15が固定された揺動カム16に当接する
ことで、逆さ状態にある麺搬送バケット11が上下に揺
動し、これによって麺搬送バケット11から麺を確実に
投入シュート8へと落下させる。
【0026】このような反転ピン13と揺動カム16と
からなる麺落下手段17が図1の如く各投入シュート8
毎に設けられている。尚、反転ピン13は、支持フレー
ムから内側に向けて出退自在に構成され、通常は引っ込
んだ状態にあって麺搬送バケット11とは干渉しない状
態にあり、麺収納ポイントPを選択すると、電気制御に
よりその麺収納ポイントPの上方位置の反転ピン13の
みが内側に突出して麺搬送バケット11と干渉する状態
となる。従って、麺搬送バケット11は、選択された麺
収納ポイントPの上方の反転ピン13にのみ当接してそ
の位置で反転することとなる。このように、何れの反転
ピン13を凸状態にするかを選択することで麺収納ポイ
ントPを選択できるようになっている。また、前記当接
ピン15は、麺搬送バケット11が反転ピン13に当接
して上下反転しないと揺動カム16に当接しない。即
ち、揺動カム16は、麺搬送バケット11が上下反転し
ない状態では、当接ピン15とは当接しない位置関係に
あるため、選択された麺収納ポイントPの上方位置での
み当接ピン15は揺動カム16に当接することとなる。
【0027】尚、麺搬送バケット11が二列設けられて
なるので、かかる麺落下手段17も各列毎に設けられて
おり、二列共に同一の麺収納ポイントPを選択すること
もでき、また、各列毎に異なる麺収納ポイントPの上方
位置で落下させることもできる。
【0028】次に以上の構成からなる茹麺装置の動作に
ついて説明する。まず、麺投入口1の下方位置に麺搬送
バケット11が到達する毎に、麺投入口1から合計12
個の麺が分離状態で投入され、麺は各列の麺搬送バケッ
ト11に各々6個ずつ別れて、各収納室12に一つずつ
個別収納される。そして、二列の麺搬送バケット11が
並進し、7箇所のうちから選択された一つの麺収納ポイ
ントPの上方位置において両方共に反転すると共に蓋体
が開き、収納していた麺を投入シュート8に投下する。
この投入シュート8内も合計12個に区画されているた
め、そのゲートが開かれると、12個の麺は互いに分離
した状態を保って茹バケット2の各収納室7に収納され
る。
【0029】次に、麺の種類を変更したり、麺の茹具合
を変更したりする場合等、麺の茹時間を変更する場合に
は、所望の茹時間に合致した別の麺収納ポイントPを選
択してその反転ピン13のみを凸状態とし、その麺収納
ポイントPの上方の投入シュート8に来た時に麺搬送バ
ケット11から麺を投下させる。あるいは、所望の茹時
間に完全に合致しない場合には、所望の茹時間に近い麺
収納ポイントPを選択し、搬送チェーン3と上部搬送チ
ェーン10の走行速度を微調整する。
【0030】このように、茹でる対象の麺の種類や茹具
合に応じた茹時間の麺収納ポイントPを選択すること
で、茹上経路長を変更できて茹時間を容易に調節するこ
とができ、従来のようにその都度搬送チェーン3の走行
速度を変化させる必要がなくなったり、あるいは、その
走行速度の変化が僅かで済むという利点がある。特に、
麺収納ポイントPを三箇所以上、本実施形態では7箇所
設けてなるので、少なくとも、うどん、そば、中華麺の
三種類を一台の茹麺装置で容易に茹で上げることがで
き、7箇所であるので、各々の茹具合にも容易に対応で
きる。
【0031】尚、下方側のスプロケット6を上方側のス
プロケット6に向けて接近させたり離反させたりできる
よう構成すれば、より一層微調整が可能となる。また、
本実施形態のように、搬送チェーン3が斜めに走行する
ことにより、上下方向に走行する場合のように、搬送チ
ェーン3が弛んで下方側のスプロケット6から外れたり
するおそれがなくなる。
【0032】更に、上部搬送チェーン10を設けて麺を
麺搬送バケット11に収納して、選択した麺収納ポイン
トPまで麺を搬送する構成を採用してなるため、複数の
麺収納ポイントPが離れていても容易に選択した麺収納
ポイントPの投入シュート8まで麺を搬送できる。ま
た、麺投入口1の場所も麺線製造装置との関係で自在に
設定することができる。更に、麺搬送バケット11を二
列設けているので、例えば、各列毎に異なる位置で麺搬
送バケット11に麺を収納するように、各列毎の麺投入
口1の位置を搬送方向にずらせて配置してもよい。この
ように、上部搬送チェーン10で搬送する構成なるた
め、麺投入口1の配置も自由度が高く、その結果、麺線
製造装置の配置もフレキシブル性が高くなるうえに、麺
収納ポイントPの数に応じた導入シュートを設ける必要
もないので、麺線製造装置も低い位置に設置でき、高さ
方向のスペース面での制約が小さいという利点がある。
【0033】更に、上述のように一種類の麺を茹で上げ
るのみならず、茹時間の異なる二種類の麺を同時に茹で
上げることもできる。
【0034】例えば、長い茹時間が必要なうどんと、そ
れに比して短い茹時間でよいそばの二種類の麺を同時に
茹で上げる場合を例に説明する。例えば、麺投入口1か
ら投入した12個(うどん6個、そば6個)の麺を各列
の麺搬送バケット11に各々6個ずつ投入する。即ち、
左列の麺搬送バケット11にはうどんを6個、右列の麺
搬送バケット11にはそばを6個というようにする。
【0035】そして、右列の麺搬送バケット11は、例
えば、一番目の麺収納ポイントP1の上方位置で反転
し、そばは、投入シュート8を介して茹バケット2の右
側6個の収納室7に各々収納される。その後、7番目の
麺収納ポイントP7の上方位置に到達した時、左列の麺
搬送バケット11が反転してうどんを投下し、うどんは
茹バケット2の左側6個の収納室7に収納される。この
動作が順に繰り返されるため、7番目の麺収納ポイント
P7にてうどんを収納した茹バケット2は、その状態で
は右側6個の収納室7が空の状態であるが、1番目の麺
収納ポイントP1まで来ると、そこで、後の麺搬送バケ
ット11からそばが左側6個の収納室7に投入されるこ
ととなって12個の収納室7が全て埋まる。
【0036】従って、7番目の麺収納ポイントP7から
1番目の麺収納ポイントP1までの間に、うどんは所定
の時間(294秒)茹でられることとなり、1番目の麺
収納ポイントP1から更に(20秒)茹でられて合計で
所望の茹時間(314秒)となる一方、そばは一番目の
麺収納ポイントP1で収納されるのでそこから以降の茹
時間(20秒間)のみであり、この茹バケット2が茹槽
4内を通過し終えた状態では、うどんもそばも両方共に
所望の茹具合に茹でられたことになる。そして、茹麺シ
ュート5から水洗工程を経た後には、一つの容器にうど
んとそばとを同時に順に詰めることができるのである。
【0037】また、うどんとそばとを茹バケット2に収
納する際に例えば同じ収納室7に重ねて収納するという
ことも可能であるが、上述のように、うどんとそばとを
茹バケット2の異なる領域に互いに分離した状態で収納
することによって、その後の包装や容器詰めに有効とな
る。尚、麺搬送バケット11の収納室12や茹バケット
2の収納室7の全てに麺を収納しなくとも、一つおきに
収納するなど、種々の収納状態が採用できる。また、茹
槽4に仕切を入れてうどん用とそば用とに区画すること
もできる。その場合、各茹槽4毎に搬送チェーン3を設
ける。
【0038】更に、麺搬送バケット11の列数も三列以
上であってもよく、その場合には、その列数に応じた数
の麺収納ポイントPにおいて各々独立して麺を茹バケッ
ト2に収納することもできる。
【0039】また、搬送チェーン3の走行経路(茹バケ
ット2の搬送経路)も上述のようなジグザグ斜め状には
限定されず、種々の形状を採用できるが、上述の如き茹
バケット2を斜め方向にジグザグに搬送することで、多
数の麺収納ポイントPを容易に設けることができる。無
論、麺収納ポイントPの数も7箇所には限定されず、二
箇所でもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の茹麺装置にあっ
ては、麺収納ポイントを複数設けたことにより、搬送チ
ェーンの速度を変化せずとも、麺収納ポイントを適宜選
択することによって茹時間を調節でき、茹時間が異なる
複数種類の麺を容易に茹で上げることができる。
【0041】しかも、麺投入口から麺収納ポイントの上
方位置まで麺搬送バケットで容易に麺を搬送することが
できるので、麺収納ポイントを多数設けることが容易に
なり、その結果、より微妙な茹時間の調節も可能にな
る。更に、麺収納ポイントを複数設けても長い導入シュ
ートを用いる必要がないので、高さ方向のスペースが少
なくて済み、スペース面の制約が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における茹麺装置の内部の
状態を示す概略正面図。
【図2】同実施形態における茹麺装置の要部を示すの概
略平面図。
【図3】同実施形態における茹麺装置の要部を示す概略
平面図。
【図4】同実施形態における茹麺装置の要部を示す概略
正面図。
【図5】従来の茹麺装置を示す概略正面図。
【図6】本発明を説明するための参考図。
【符号の説明】
P…麺収納ポイント、1…麺投入口、2…茹バケット、
3…搬送チェーン、4…茹槽、7…収納室、10…上部
搬送チェーン、11…麺搬送バケット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麺を収納する茹バケット(2)が無端状
    の搬送チェーン(3)に所定間隔毎に複数支持されてな
    り、麺を収納した茹バケット(2)が搬送チェーン
    (3)で搬送されて茹槽(4)内を通過することによっ
    て麺を茹で上げるよう構成されてなる茹麺装置におい
    て、麺を茹バケット(2)に収納する麺収納ポイント
    (P)が、各々麺の茹時間が異なるように、茹バケット
    (2)の搬送方向に沿って複数設けられてなり、茹麺装
    置への麺の投入口である麺投入口(1)と前記麺収納ポ
    イント(P)との間には、麺投入口(1)の下方位置か
    ら各麺収納ポイント(P)の上方位置を順に経由して麺
    投入口(1)の下方位置まで戻る搬送経路を循環移動す
    るように、無端状の上部搬送チェーン(10)で搬送さ
    れる麺搬送バケット(11)が設けられ、上部搬送チェ
    ーン(10)には所定間隔毎に麺搬送バケット(11)
    が複数支持されて、麺搬送バケット(11)と前記茹バ
    ケット(2)とは同期して搬送され、且つ、麺搬送バケ
    ット(11)は、麺投入口(1)の下方位置で麺を収納
    し、複数の麺収納ポイント(P)のうちから選択された
    麺収納ポイント(P)の上方位置まで移動して、該上方
    位置において麺を茹バケット(2)内に落下させるよう
    構成されてなることを特徴とする茹麺装置。
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