JP3055705B2 - 電動二輪車用パワーユニットの冷却構造 - Google Patents

電動二輪車用パワーユニットの冷却構造

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JP3055705B2
JP3055705B2 JP3039364A JP3936491A JP3055705B2 JP 3055705 B2 JP3055705 B2 JP 3055705B2 JP 3039364 A JP3039364 A JP 3039364A JP 3936491 A JP3936491 A JP 3936491A JP 3055705 B2 JP3055705 B2 JP 3055705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電動二輪車用パワーユ
ニットの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電動二輪車は、特開昭54ー38043
号公報および実開昭51ー80848号公報等に記載さ
れるように、ケース内に電動モータと伝動機構等を組み
付けてパワーユニットを構成し、このパワーユニットの
電動モータにバッテリから給電して走行する。
【0003】ところが、このような電動二輪車は、電動
モータに比較的大きな出力トルクが求められ、電動モー
タに大きな電流を通電するため、電動モータの発熱量が
多く、熱がパワーユニットのケース内に籠るという不具
合があった。
【0004】そこで、本出願人にあっては、ケース内を
冷却して熱を放散できるようにした電動二輪車用のパワ
ーユニットを特願平1ー181496号で提案した(平
成1年7月13日差出)。この電動二輪車用のパワーユ
ニットは、ケースの前後に導風口と排風口とを形成し、
また、電動モータの回転軸にファンを取り付け、ファン
でケース内を強制冷却する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
先願にかかる電動二輪車のパワーユニットにあっては、
ケースが導風口から直接に外部に開放されるため、冷却
風とともに塵や水がケース内に侵入するおそれがあると
いう問題がある。この発明は、上記問題に鑑みてなされ
たもので、ケース内部に塵や水が侵入することがなく、
清浄な冷却風を得られるパワーユニットの冷却構造を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる電動二輪車用パワーユニットの冷
却構造は、請求項1では、車体に前輪と後輪との間で取
り付けられたケース内に電動モータと伝動機構とを収容
し、ケースに形成された吸気口からファンにより冷却風
を取り入れて電動モータと伝動機構とを冷却する電動二
輪車用パワーユニットにおいて、前記パワーユニットの
上方、及びシート下方部の車体にトランクボックスを配
置し、該トランクボックスの前下方のステップフロアの
下方部をバッテリ収納空間とし、該トランクボックスの
後方部を充電機構の収納空間とし、前記トランクボック
スと前記充電機構の収納空間と前記バッテリ収納空間と
をカバー部材で覆って車体空間を構成するとともに、
記吸気口に吸気ダクトを接続し、この吸気ダクトを前記
車体空間内部に開口させたことを特徴とする。
【0007】請求項2では、請求項1において、トラン
クボックスの下面に沿って前記吸気ダクトを配置し、こ
の吸気ダクトを前記トランクボックスの側方で車体内部
に開口させたことを特徴とする。 請求項3では、請求項
2において、ケースの前部を車体に揺動自在に取り付
け、このケースの後部に後輪を支持する電動二輪車に適
用する場合には、ケースに吸気口に接続する第1のダク
トを固定し、車体に車体内部に開口する第2のダクトを
取り付け、これら第1のダクトと第2のダクトとを可撓
性を有する接続ダクトで接続したことを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明の電動二輪車用パワーユニットの冷却
構造は、車体内部に開口する吸気ダクトをケースの吸気
口に接続するため、清浄な冷却風をケース内へ導くこと
ができ、ケース内へ塵や水が侵入することを防止でき
る。そして、吸気ダクトを車体に沿って配置するため、
自動二輪車全体としての幅方向寸法が大型化することを
防止できる。
【0009】また、車体に搭載された物入れ用のボック
スの外壁に沿って吸気ダクトを配置する構成を採用する
ことで、ボックスの容積を制限することなく吸気ダクト
を配置でき、ボックスの大容量化が図れる。さらに、パ
ワーユニットをケースを車体に揺動自在に支持してケー
スの後部に後輪を支持するスィング式に構成するものに
あっては、吸気ダクトをケースに固定された第1のダク
トと車体に固定された第2のダクトとを可撓性の接続ダ
クトで接続して構成することで、ケースの揺動が吸気ダ
クトで妨げられることもなく、また、揺動するケースが
吸気ダクトに干渉することも防止できる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図6はこの発明の一実施例にかかる電
動二輪車用パワーユニットの冷却構造を示し、図1が電
動二輪車の全体側面図、図2がパワーユニットの断面
図、図3が要部の平面図、図4が同正面図、図5が同側
面図、図6が同分解斜視図である。
【0011】図1において、11は側面視略U字状の車
体フレームであり、車体フレーム11はフロントフレー
ム11f、センタフレーム11dおよびリアフレーム1
1rを有する。この車体フレーム11はフロントカバー
21f、レッグシールド21a、ステップフロア21
b、リアカバー21cおよびアンダカバー21dからな
る合成樹脂製のボディ21によって覆われる。これら車
体フレーム11とボディ21とが車体に相当する。
【0012】車体フレーム11にはフロントフレーム1
1fの前部にヘッドチューブ12が固着され、このヘッ
ドチューブ12にフロントフォーク13を介し前輪14
fが操向ハンドル15による操向可能に支持されてい
る。ヘッドチューブ12には前部にコントロールボック
ス16が取り付けられ、このコントロールボックス16
の前方がフロントカバー21fにより覆われる。コント
ロールボックス16内にはECU等からなるコントロー
ラが収容され、このコントローラに後述する充電回路、
駆動回路、バッテリ等が接続する。
【0013】また、車体フレーム11には、センタフレ
ーム11dにバッテリボックス22が設けられ、センタ
フレーム11dの後部にパワースィングユニット50が
図示しないピボット軸によって揺動自在に支持される。
パワースィングユニット50は、後述するようにケース
51内に電動モータ52等を組み付けてなり、ケース5
1の後端に後輪14rを回転自在に支持する。なお、4
9はパワースィングユニット50の後部と車体フレーム
11との間に介設されたクッションユニットである。
【0014】バッテリボックス22は、センタフレーム
11dに固着されたバッテリホルダ23上に搭載され、
バンド24で締結される。バッテリボックス22には内
部に複数のバッテリが収容され、これらバッテリが並列
あるいは直列に結線されて駆動回路および前述のコント
ローラ等に接続されている。なお、図中明示しないが、
バッテリホルダ23はセンタフレーム11dの下部に車
幅方向に架設された板状の部材からなり、このバッテリ
ホルダ23に搭載されたバッテリボックス22上にはバ
ンド24を介して上述のステップフロア21bが止着さ
れる。
【0015】さらに、車体フレーム11には、リアフレ
ーム11rに上述のリアカバー21cが固定されてい
る。リアカバー21cは、上部が開口した略中空柱状を
なし、上部にシート26が開口を閉止可能に支持されて
いる。シート26は、前部がヒンジ等でリアカバー21
cの上部に取り付けられ、着座可能な状態(図1参照)
でリアカバー21cの開口を閉止し、また、前方に倒さ
れた状態でリアカバー21cの開口を開放する。
【0016】リアカバー21cの内側には、前方に物入
れ用のトランクボックス25が、後方に充電ボックス2
7が配設されている。図4に示すように、トランクボッ
クス25は、前部に深底部25aが、後部に浅底部25
bが形成され、深底部25aがヘルメットを収容可能な
大きさを有する。なお、後述するが、このトランクボッ
クス25には深底部25a内部後側に吸気ダクトが配置
される。
【0017】充電ボックス27は、前部がトランクボッ
クス25の浅底部25bの底部を貫通して上方へ突出す
る側面視略L状をなし、この突出した前上部が浅底部2
5b内で開口する。この充電ボックス27は、内部に充
電器およびAC電源との接続用コンセント等を収容し、
開口がリッド28で覆われる。リッド28は、取付部2
8aと蓋部28bとをヒンジ等で結合して構成され、取
付部28aがトランクボックス24の深底部25a後側
面にビスで固定される。このリッド28は、蓋部28b
が水平に位置して充電ボックス27の開口を覆い(図4
中、実線参照)、蓋部28bが起立して充電ボックス2
7の開口を開放し(図4中、二点鎖線参照)、蓋部28
bには上面(図4中、実線状態)に充電回路29が設け
られる。この充電回路29は充電器等に接続されてい
る。
【0018】パワースィングユニット50は、図2に示
すように、ケース51内に直流電動モータ52、ベルト
式の無段変速機53および終減速機構54を組み付けて
構成される。電動モータ52はケース51の前部右側に
形成された凹部51a内に収容され、無段変速機53は
ケース51の左側部にサイドカバー55により画成され
た変速室56内に収容され、終減速機構54はケース5
1の後部左側に軸受部材57によって画成された歯車室
58内に収容されている。変速室56は、凹部51aの
底部後方に形成された通孔34を介して凹部51a内部
と連通し、また、下部に形成された通孔(図示せず)か
ら大気に開放されている。
【0019】電動モータ52は、略有底円筒状のステー
タハウジング60がケース51の凹部51aに開口を一
致させてボルトで固定され、このステータハウジング6
0と凹部51aの底壁との間で回転軸61が回転自在に
支持される。回転軸61は、図2中の左端部が凹部51
aの底部を貫通して無段変速機53と連結し、また、凹
部51aの底部に近接してファン59が、凹部51aの
略中央に位置してマグネットからなるロータ63が固設
されている。
【0020】ステータハウジング60には、凹部51a
側(図2中左側)にステータを構成する3つのステータ
コイル62が固設され、図2中右側に駆動回路を構成す
るFET等のスイッチ素子(図示せず)がヒートシンク
66によって設けられている。このステータハウジング
60には径方向にコイル62と一致した位置に通孔60
aが形成され、この通孔60aが後述する冷却通路に開
口している。ステータコイル62は、回転軸61に対し
同心状に回転方向等間隔に配置され、駆動回路と接続さ
れている。
【0021】 ヒートシンク66は、図中明示しない
が、外周部が断面略六角形の筒状をなして各面にFET
が取り付けられ、また、内周部に放熱フィンが形成され
ている。ヒートシンク66は、カバー65で覆われ、こ
のカバー65との間に樹脂が充填されて樹脂によりカバ
ー65と固着する。このヒートシンク66はボルト98
でステータハウジング60に固定される。カバー65
は、樹脂のモールド成形等で成形され、右面に吸気口
(図示せず)が形成されている。このカバー65の吸気
口には吸気ダクトが接続する。
【0022】ヒートシンク66には、また、内周部中央
にコンデンサ68が配置されている。このヒートシンク
66の内周部にはコンデンサ68との間に冷却通路とし
て機能する断面環状の空間69(以下、冷却通路と称
す)が画成され、この冷却通路69に上述の放熱フィン
が臨んでいる。この冷却通路69は、右側に上記吸気口
が開口し、左側が前記通孔60aを介して凹部51a内
に連通する。
【0023】図示および詳細な説明は割愛するが、上述
の駆動回路は、バッテリのプラス、マイナス電極間に上
述の6つのFETをブリッジ状に結線して構成され、各
FETがゲートにコントローラから入力する信号に基づ
きコイル62に交番磁界を生じさせる電流を通電する。
そして、コンデンサ68はバッテリのプラス、マイナス
電極間で駆動回路64と並列に接続される。なお、70
は回転軸61の回転速度検出用のセンサであり、このセ
ンサ70は回転軸61に固設されたマグネットとステー
タハウジング60に取り付けられたMR素子から構成さ
れる。
【0024】無段変速機53は、ドライブプーリ72と
ドリブンプーリ73との間にベルト74を掛装して構成
される。ドライブプーリ72は電動モータ52の回転軸
61に設けられ、また、ドリブンプーリ73は終減速機
構54の入力軸71に回転自在に設けられたスリーブ7
8に取り付けられる。このドリブンプーリ73は入力軸
71に第1遠心クラッチ75と第2遠心クラッチ76と
を並列に介して連結する。
【0025】ドライブプーリ72は、回転軸61に固定
された固定フェース72aと回転軸61に軸方向移動可
能に設けられた可動フェース72bとから構成される。
このドライブプーリ72は、可動フェース72bがウェ
イト77aを有するガバナ機構77により駆動されて軸
方向に移動し、回転軸61の回転速度に応じてベルト7
4の巻掛径が変化する。
【0026】同様に、ドリブンプーリ73は、スリーブ
78に固設された固定フェース73aとスリーブ78に
軸方向移動自在に支持された可動フェース73bとから
構成される。このドリブンプーリ73は、可動フェース
73bが第2遠心クラッチ76のクラッチアウタ79と
の間に縮装されたスプリング80aにより固定フェース
73a側に付勢され、ドライブプーリ72のベルト巻掛
径の変化に応じ可動フェース73bが移動してベルト巻
掛径を変化させる。
【0027】第2遠心クラッチ76は、クラッチアウタ
79がスリーブ78に固定され、クラッチインナ80が
第1遠心クラッチ75のクラッチアウタ81に設けられ
る。この第2遠心クラッチ76は、第1遠心クラッチ7
5のクラッチアウタ81の回転速度に応じ接続、切離す
る。また、第1遠心クラッチ75は、クラッチアウタ8
1が入力軸71に固定され、クラッチインナ82が第2
遠心クラッチ76のクラッチアウタ79に設けられ、第
2遠心クラッチ76のクラッチアウタ79の回転速度に
応じ接続切離する。第1遠心クラッチ75は電動モータ
52の最大効率発生回転数より若干低い回転数で接続
し、第2遠心クラッチ76は第1遠心クラッチ75が接
続する回転数よりも低い回転数で接続する。なお、これ
ら第1、第2遠心クラッチ75,76の詳細な構造につ
いての説明は省略する。
【0028】終減速機構54は入力軸71に固設された
ギア71a、中間軸83に固設されたギア83a,83
bおよび出力軸84に固設されたギア84aを有し、ギ
ア71aとギア83a、ギア83bとギア84aとが噛
合する。入力軸71は、ケース51と軸受部材57とに
回転自在に支持され、上述のように左端が変速室56内
に突出して無段変速機53と連結する。出力軸84はケ
ース51の右側に突出し、この出力軸84の端部に後輪
14が固定される。
【0029】上述した吸気ダクト88は、図3から図6
に示すように、カバー65の吸気口65bに接続するユ
ニット固定ダクト87と、車体側の2つの車体固定ダク
ト90,91と、ユニット固定ダクト87と第1車体固
定ダクト90とを接続する接続ダクト89と、から構成
される。
【0030】ユニット固定ダクト87は、樹脂のモール
ド成形等で形成された断面略角筒状の中空部材からな
り、図5に示すようにカバー65の側方から斜後上方へ
延設されている。このユニット固定ダクトは、前部左側
にカバー65の吸気口と略等しい開口87aが、後部左
側に接続口87bが形成され、開口87aがカバー65
の吸気口と接続し、開口87bに接続ダクト89が接続
する。このユニット固定ダクト87は第1のダクトに相
当する。
【0031】接続ダクト89は、ゴムあるいは樹脂等を
材料として一部が蛇腹状に成形され、可撓性を有する。
この接続ダクト89は、ボディ21内に略上下に延設さ
れ、下端開口がユニット固定ダクト87の開口87bに
接続し、上端開口が上方に向って開口して第1車体固定
ダクト90と接続する。
【0032】第1車体固定ダクト90は、図4および図
5に示すように、略箱状をなし、トランクボックス25
の深底部25aの後方に配置される。この第1固定ダク
ト90は、トランクボックス25にビス等で固定され、
下端開口が下方に向って開口して上述の接続ダクト89
と接続し、上端開口90bが前方に向って開口して第2
車体固定ダクト91と接続する。
【0033】第2車体固定ダクト91も、略箱状をな
し、左右端に開口91a(一方は図示せず)が形成され
ている。この第2固定ダクト91は、トランクボックス
25の深底部25aの後部に配置され、左端開口が後方
に向って開口してトランクボックス25の後方で第1固
定ダクト90と接続し、右端開口91aがトランクボッ
クス25の右壁に形成された穴25d内に位置してボデ
ィ21内で右方に向って開口する。これら第1車体固定
ダクト90と第2車体固定ダクト91とは第2のダクト
に相当する。
【0034】この実施例のパワーユニットの冷却構造に
あっては、電動モータ52の回転軸61と一体にファン
59が回転し、このファン59の回転で冷却風を生じさ
せる。そして、冷却風は吸気ダクト88の第2車体固定
ダクト91の右端開口91aから取り込まれて第1固定
ダクト90、接続ダクト89およびユニット固定ダクト
87を経てカバー65の吸気口に導かれ、冷却通路69
を通過して駆動回路のFETを冷却し、また、通孔60
aから凹部51a内に流入してコイル62を冷却し、さ
らに、通孔34から変速室56内に流入して無段変速機
53を冷却し、この後に外部に排出される。したがっ
て、駆動回路64、電動モータ52のコイル62および
無段変速機53をともに効果的に冷却できる。
【0035】ここで、冷却風は吸気ダクト88の第2車
体固定ダクト91の開口91aから取り込まれ、この第
2車体固定ダクト91の開口は車体内、すなわちボディ
21によって覆われた空間内に開口する。このため、冷
却風への塵や水等の混入を防止でき、清浄な冷却風を電
動モータ52等へ導くことができ、電動モータ52等が
塵や水によって悪影響を受けることを防止できる。
【0036】そして、この冷却構造は、吸気ダクト88
をボディ21内に配置し、各固定ダクト90,91をボ
ディ21内に配設された機器、具体的にはトランクボッ
クス25に沿って取り付けるため、固定ダクト90,9
1等が車幅方向に突出することもなく車両全体としての
車幅の大型化を防止でき、また、トランクボックス25
の大容量化も図れる。
【0037】また、この冷却構造は、パワースイングユ
ニット50のケース51にカバー65を固定し、第2固
定ダクト91をトランクボックス25に固定するが、カ
バー65の吸気口65bを第2固定ダクト91に可撓性
を有する接続ダクト89で第2固定ダクト91に接続す
る。このため、後輪14rのバウンド、リバウンドでケ
ース51が揺動しても、このケース51の揺動にともな
うカバー65の変位を接続ダクト89の撓みで吸収で
き、カバー65あるいは固定ダクト87,90,91等
に過大な応力が生じることを防止できる。
【0038】一方、この実施例の電動二輪車は、トラン
クボックス25の後方に充電器等を収容される充電ボッ
クス27を配置し、この充電ボックス27の開口をリッ
ド28で開閉可能に覆い、さらに、これら充電ボックス
27とリッド28とをシート26で開閉可能に覆う。こ
のため、充電ボックス27内に雨水等が侵入することを
確実に防止でき、高い信頼性を得られる。そして、リッ
ド28には充電回路29を取り付けるため、充電器廻り
の配線を短縮、かつ簡素化できる。
【0039】図7にはこの発明の他の実施例に係る冷却
構造を示す。この実施例にあっては、同図に示すよう
に、ボディ21のリアカバー21cに開口98を形成
し、この開口98に吸気ダクト88の第2車体固定ダク
ト91の開口端を接続する。そして、開口98には雨水
等の侵入防止用にルーバ99を取り付ける。
【0040】この実施例にあっても、吸気ダクト88の
第2車体固定ダクト91に雨水等が侵入することを防止
でき、電動モータ52等の冷却に清浄な冷却風が得られ
る。なお、その他の構成および作用は上述の実施例と同
一であり、その説明は省略する。
【0041】なお、上述した各実施例では、スイング式
のパワーユニット50を有する電動二輪車を例示する
が、請求項1および請求項2に記載の発明はパワーユニ
ットが車体に搭載されるものにも適用できることは述べ
るまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、車体に前輪と後輪との間で取り付けられ
たケース内に電動モータと伝動機構とを収容し、ケース
に形成された吸気口からファンにより冷却風を取り入れ
て電動モータと伝動機構とを冷却する電動二輪車用パワ
ーユニットにおいて、パワーユニットの上方、及びシー
ト下方部の車体にトランクボックスを配置し、該トラン
クボックスの前下方のステップフロアの下方部をバッテ
リ収納空間とし、該トランクボックスの後方部を充電機
構の収納空間とし、トランクボックスと充電機構の収納
空間とバッテリ収納空間とをカバー部材で覆って車体空
間を構成するとともに、吸気口に吸気ダクトを接続し、
この吸気ダクトを前記車体空間内部に開口させたので、
清浄な冷却風をパワーユニットのケース内に導くことが
でき、また、吸気ダクトが車体から突出することもなく
車体の大型化が阻止できる。
【0043】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、トランクボックスの下面に沿って前記吸気ダクト
を配置し、この吸気ダクトを前記トランクボックスの側
方で車体内部に開口させたので、吸気ダクトをトランク
ボックスに沿って配設することにより、トランクボック
スと吸気ダクトとが干渉することを防止でき、トランク
ボックスの大容量化も図れる。
【0044】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項2において、ケースの前部を車体に揺動自在に取り付
け、このケースの後部に後輪を支持する電動二輪車に適
用する場合には、ケースに吸気口に接続する第1のダク
トを固定し、車体に車体内部に開口する第2のダクトを
取り付け、これら第1のダクトと第2のダクトとを可撓
性を有する接続ダクトで接続したので、ケースの揺動に
ともなう第1のダクトの変位を接続ダクトで吸収でき、
吸気ダクトに大きな応力が生じることを防止でき、ま
た、ケースの円滑な揺動を確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる電動二輪車用パワ
ーユニットの冷却構造が適用された電動二輪車の全体側
面図
【図2】この発明の一実施例にかかる電動二輪車用パワ
ーユニットの冷却構造が適用されたパワーユニットの断
面図
【図3】この発明の一実施例にかかる電動二輪車用パワ
ーユニットの冷却構造の要部の平面図
【図4】同要部の右側面図
【図5】同要部の分解斜視図
【図6】他の要部の右側面図
【図7】この発明の他の実施例にかかる電動二輪車用パ
ワーユニットの冷却構造の要部の後断面図
【符号の説明】 11・・・車体フレーム(車体)、14f・・・前輪、14r
・・・後輪、21・・・ボディ(車体)、22…バッテリ、2
5…トランクボックス、27…充電機構の収納空間であ
る充電ボックス、50・・・パワースイングユニット、5
1・・・ケース、52・・・電動モータ、53・・・無段変速機
(伝動機構)、54・・・終減速機構(伝動機構)、59・
・・ファン、65・・・カバー、65b・・・吸気口、87・・・
ユニット固定ダクト(第1のダクト)、88・・・吸気ダ
クト、89・・・接続ダクト、91・・・第1固定ダクト(第
2のダクト)、92・・・第2固定ダクト(第2のダク
ト)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−38043(JP,A) 特開 昭58−109762(JP,A) 特開 平2−182590(JP,A) 実開 平1−82994(JP,U) 実開 昭59−102430(JP,U) 実開 昭51−80848(JP,U) 実開 昭64−41489(JP,U) 実開 平3−63064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62J 9/00 B62J 11/00 B62J 39/00 B62M 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に前輪と後輪との間で取り付けられ
    たケース内に電動モータと伝動機構とを収容し、ケース
    に形成された吸気口からファンにより冷却風を取り入れ
    て電動モータと伝動機構とを冷却する電動二輪車用パワ
    ーユニットにおいて、前記パワーユニットの上方、及びシート下方部の車体に
    トランクボックスを配置し、該トランクボックスの前下
    方のステップフロアの下方部をバッテリ収納空間とし、
    該トランクボックスの後方部を充電機構の収納空間と
    し、前記トランクボックスと前記充電機構の収納空間と
    前記バッテリ収納空間とをカバー部材で覆って車体空間
    を構成するとともに、 前記吸気口に吸気ダクトを接続し、この吸気ダクトを
    車体空間内部に開口させた ことを特徴とする電動二輪車用パワーユニットの冷却構
    造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電動二輪車用パワーユ
    ニットの冷却構造であって、前記トランク ボックスの下面に沿って前記吸気ダクトを
    配置し、この吸気ダクトを前記トランクボックスの側方
    で車体内部に開口させたことを特徴とする電動二輪車用
    パワーユニットの冷却構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電動二輪車用パワーユ
    ニットの冷却構造であって、 前記ケースの前部を車体に揺動自在に取り付けてケース
    の後部に後輪を支持するとともに、前記吸気ダクトを前
    記ケースに固定された第1のダクトと、前記ボックスに
    固定された第2のダクトと、これら第1のダクトと第2
    のダクトとを接続する可撓性を有する接続ダクトとから
    構成したことを特徴とする電動二輪車用パワーユニット
    の冷却構造。
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