JP3054895B2 - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体

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JP3054895B2
JP3054895B2 JP4215740A JP21574092A JP3054895B2 JP 3054895 B2 JP3054895 B2 JP 3054895B2 JP 4215740 A JP4215740 A JP 4215740A JP 21574092 A JP21574092 A JP 21574092A JP 3054895 B2 JP3054895 B2 JP 3054895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の原理を応用した大容量高密度情報処理装置に用いられ
る記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリー素子の用途はコンピュー
タ及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオー
ディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなす
ものであり、その開発も活発に進んでいる。メモリー素
子に要求される性能は一般的には (1)高密度で、記録容量が大きい (2)記録・再生の応答速度が速い (3)エラーレートが小さい (4)消費電力が少ない (5)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられる。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした磁
気メモリー、半導体メモリーが主流であったが、近年レ
ーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーな
どの有機薄膜を用いた安価で高密度な記録媒体を用いた
光メモリー素子などが登場してきた。
【0004】一方、最近、導体の表面原子の電子構造を
直接観測できる走査型トンネル顕微鏡(以後STMと略
す)が開発され[ジー・ビーニッヒら,フェルベティカ
フィジィカ アクタ,55,726(198
2).]、単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解
能の測定ができるようになり、しかも媒体に電流による
損傷を与えずに低電力で観測できる利点をも有し、更に
大気中でも動作させることが可能であるため広範囲な応
用が期待されている。
【0005】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより、実空
間の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全
電子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。
この際面内方向の分解能は0.1nm程度である。従っ
て、STMの原理を応用すれば十分に原子オーダー
(0.数nm)での高密度記録再生を行なうことが可能
である。この際の記録再生方法としては、プローブ電極
と基板電極間に局所的電界を加えることにより、基板電
極の表面形状を局所的に変化させる方法や、粒子線(電
子線、イオン線)或はX線等の高エネルギー電磁波及び
可視・紫外光等のエネルギー線を用いて適当な記録層の
表面状態を変化させて記録を行ない、STMで再生する
方法がある。或いはまた、記録層として電圧・電流のス
イッチング特性に対してメモリ効果(電気メモリー効
果)を持つ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲ
ン化物類の薄膜層を用いて、記録・再生をSTMを用い
て行なう方法等が提案されている(特開昭63−161
552,161553公報)。
【0006】このような大容量高密度記録装置を用い
て、記録媒体の広範な記録面への記録・再生を行う為に
は、記録・再生に用いられるプローブ電極を記録媒体上
の所望の情報記録部位まで素早く動かす必要が生じる。
このアクセスは、各記録媒体上に、位置に関する何らか
の情報を設置しておき、係る情報を検出して行ってい
る。具体的には、記録媒体上に位置に関する基準(以後
基準目盛りと呼ぶ)と係る基準目盛りの原点を設定し
て、係る原点より基準目盛りで測定して記録媒体上の位
置を特定している。係る基準目盛りとしては、例えば結
晶性基板の規則的な原子配列である結晶格子を利用し、
原点として例えば人工的に設けた凹凸を利用する例があ
る。また、上記以外にも、記録媒体の基板表面に凹状の
トラックを形成し、この凹状部分にプローブ電極を追従
させることにより、トラッキングを行う方法が提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の基準目盛りを設けた記録媒体では、記録媒体上
での記録領域位置を特定するアドレスが無かったため、
ランダムアクセスを行うのが困難であった。
【0008】従って、本発明の目的とするところは、ラ
ンダムアクセスが可能で高速アクセスが得られる記録媒
体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために本発明では、トンネル電流を検知して情報の
記録再生を行う情報処理装置に用いられる記録媒体にお
いて、少なくとも、互いに平行かつ各幅が互いに異なる
数値を持つ直線状トラックの第1の集合と、該直線状ト
ラックの第1の集合と交差し、互いに平行かつ各幅が互
いに異なる数値を持つ直線状トラックの第2の集合を有
する記録媒体としたものである。
【0010】本発明の記録媒体において、第1の集合及
び第2の集合のトラックの幅の組み合わせは、記録媒体
上のトラックで四方を囲まれた領域に割り当てるアドレ
スとして使用可能である。このため記録媒体を記録再生
装置に於いて予め決められた方位に設置すれば、プロー
ブ電極がトラックの形成されたいずれの領域にあったと
しても、そのトラックの幅を読み出すことで記録媒体上
の位置が検知できる。さらに、トラックの幅は、各幅が
互いに異なる数値を持つことから、プローブ電極の現在
の位置が検知できれば、記録媒体上の他の任意のアドレ
スまで最短距離を経由してアクセスが可能になる。
【0011】本発明の記録媒体の一例として、図1にそ
の断面図を示す。本発明の記録媒体は、基本的には基板
1上に基板電極2、記録層3を順次積層することにより
形成することができる。トラックは、素子において基板
・基板電極・記録層のいずれかに形成される。トラック
としては、凹凸形状を形成する場合と導電率の差を形成
する場合がある。具体的には、凹凸形状を形成する例と
して基板1自身に溝を形成する構成(図1(a)参
照)、基板電極2に溝を形成する構成(図1(b)参
照)がある。また導電率の差を形成する構成としては、
電気メモリー効果を有する記録層の一部に導電性の異な
る部位5を形成した構成(図1(c)参照)がある。更
に、以上の例は凸形状としたがこれが凹形状であっても
かまわない。また、記録層に凹凸を形成した構造も可能
である。以上のトラックの形成方法も従来公知の方法で
容易に達成可能である。例えば基板に形成するのであれ
ば、電子ビームを用いたコンタミの付着・レジストのパ
ターニング等数多くの方法が挙げられ、基板電極に形成
するのであれば、集束化イオンビームを用いた基板電極
の直接パターニングなどが挙げられる。
【0012】本発明に於けるトラックの幅は、各幅が互
いに異なる数値を持つ必要があり、互いに少なくとも
0.1μm以上の差があれば、どのような数列も可能
で、例えば単調に増加する数列や、あるいは等差数列・
等比級数などの規則性を有するもの、あるいはまた、ラ
ンダムな数列であってもかまわない。また、前記第1の
集合と第2の集合のトラックは互いに垂直に交差しても
良いし、垂直以外で交差しても良い。
【0013】本発明に用いられる基板1としては、基板
電極2を支持するために用いるので、表面が平滑であれ
ば、どのような材料を用いても良いが、基板電極の形成
法によってある程度利用できる基板材料は限定される。
【0014】この様な基板1上に形成する基板電極2の
材料としては、高い導電性を有する材料が好ましく、例
えばAu,Pt,Ag,Pdなどの金属やこれらの合金
等の数多くの材料が挙げられ、これらの本発明への適用
が考えられる。係る材料を用いた電極形成法としても従
来公知の薄膜技術で十分である。尚、上記いずれの材料
を用いるにしても、その表面が平滑であることが好まし
い。
【0015】本発明で記録層3として用いる、有機化合
物絶縁層の材料としては、σ電子及びπ電子を有する有
機材料であれば何を用いても良い。
【0016】記録層3の形成には、具体的には、蒸着法
やクラスターイオンビーム法等の適用も可能であるが、
制御性、容易性、再現性、そして記録層表面の平滑性か
ら公知の従来技術の中ではLB法が極めて好適である。
【0017】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜または
その累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子
オーダーの厚みを有し、かつ大面積にわたって均一、均
質で基板電極の平滑性を反映した平滑性を持つ有機超薄
膜を安定に供給することができる。
【0018】LB法は分子内に親水性部位と疎水性部位
とを有する構造の分子において、両者のバランス(両親
媒性のバランス)が適度に保たれているとき、分子は水
面上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利
用して単分子膜またはその累積膜を作成する方法であ
る。
【0019】疎水性部位を構成する基としては、一般に
広く知られている飽和及び不飽和炭化水素基や縮合多環
芳香族基及び鎖状多環フェニル基等の各種疎水基が挙げ
られる。これらは各々単独又はその複数が組み合わされ
て疎水性部位を構成する。一方、親水性部位の構成要素
として最も代表的なものは、例えばカルボキシル基、エ
ステル基、酸アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、更
にはアミノ基(1,2,3級及び4級)等の親水性基等
が挙げられる。これらも各々単独又はその複数が組み合
わされて上記分子の親水性部分を構成する。
【0020】これらの疎水性基と親水性基をバランス良
く併有し、絶縁性を有する有機分子であれば、水面上で
単分子膜を形成することが可能であり、本発明に対して
極めて好適な材料となる。
【0021】本発明で用いる記録層としては、電流−電
圧特性に於いてメモリースイッチング現象(電気メモリ
ー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ群と
σ電子準位を有する群を併有する分子を電極上に積層し
た有機単分子膜あるいはその累積膜を用いることが可能
となる。
【0022】一般に有機材料のほとんどは絶縁性もしく
は半絶縁性を示すことから、本発明に適用可能なπ電子
準位を持つ群を有する有機材料は著しく多岐にわたる。
本発明に好適なπ電子系を有する色素の構造として例え
ば、フタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン等の
ポルフィリン骨格を有する色素、スクアリリウム基及び
クロコニックメチン基を結合鎖として持つアズレン系色
素及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル等の2個の含窒素複素環をスクアリリウム基及びクロ
コニックメチン基により結合したシアニン系類似の色
素、またはシアニン色素、アントラセン及びピレン等の
縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化合物が重合し
た鎖状化合物及びジアセチレン基の重合体、さらにはテ
トラシアノキノジメタンまたはテトラチアフルバレンの
誘導体およびその類縁体およびその電荷移動錯体、また
さらにはフェロセン、トリスビピリジンルテニウム錯体
等の金属錯体化合物が挙げられる。
【0023】また、本発明で用いる記録層に好適な高分
子材料としては、例えばポリアクリル酸誘導体等の付加
重合体、ポリイミド等の縮合重合体、ナイロン等の開環
重合体、バクテリオロドプシン等の生体高分子が挙げら
れる。
【0024】これらのπ電子準位を有する化合物の電気
メモリー効果は数10μm以下の膜厚のもので観測され
ているが、記録・再生時にプローブ電極と基板電極間に
流れるトンネル電流を用いるため、プローブ電極と基板
電極間にトンネル電流が流れるよう両者間の距離を近づ
けなければならないので、本発明の記録層と有機化合物
絶縁層を加えた膜厚は、好ましくは0.数nm以上10
nm以下、より好ましくは0.数nm以上3nm以下で
ある。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0026】実施例1 本実施例では図1(a)に示したような本発明の記録媒
体を作製し、情報の記録・再生・消去の実験を行った。
【0027】まず、熱酸化膜を300nm形成したSi
ウエハを基板1とした。続いて基板1上に電子線描画装
置を用いてエレクトロン・ビーム照射でコンタミを付着
させてトラックとなる凹凸形状4を形成した。この時の
エレクトロン・ビームの描画条件は、加速電圧30k
V、電子線電流8×10-11A、スポット径0.1μ
m、掃引速度10-4mm/secで行った。描画のパタ
ーンは図1に示されるように第1のトラックの集合をY
方向に平行に、第2のトラックの集合をX方向に平行に
とり、第1、第2のトラックを直交させた。各トラック
に囲まれる領域が記録領域21となるが、この大きさ
は、X・Y方向とも1μmの正方形である。トラックの
幅は、0.1μmから単調に0.1μmずつ増加させて
1.0μmまで第1、第2のトラックの集合をそれぞれ
10本づつ形成した。次に係るトラックが形成された基
板上に真空蒸着法により下引き層としてCrを3nm,
Auを100nm成膜して基板電極2を形成した。最後
に、基板電極2上に記録層3となるポリイミド(以下P
Iと略記する)LB膜を形成した。以下に、このLB膜
の成膜方法を示す。
【0028】(1)式に示すポリアミック酸(以下PA
と略す)をN,N−ジメチルアセドアミド−ベンゼン混
合溶液1:1(V/V)に溶解させた(単量体換算濃度
1×10-3M)後、別途調整したN,N−ジメチルオク
タデシルアミンの同溶媒による1×10-3Mとを1:2
(V/V)に混合して(2)式に示すポリアミド酸オク
タデシルアミン塩溶液を調整した。係る溶液を、20℃
の純水上に展開し、水面から溶媒を蒸発除去させた後、
その表面圧を25mN/mに高めて水面上単分子膜を形
成させた。次に、この表面圧を一定に保持したまま、前
記基板を水面に横切るように速度5mm/分で静かに浸
漬し、更に引き上げる動作を繰り返して4層のY形単分
子膜の累積を行った。最後に、係る基板を300℃で1
0分間熱処理することによりPA累積膜をイミド化して
((3)式)記録層3となるPI薄膜を形成し、記録媒
体を得た。
【0029】
【化1】 次に以上のように作製した記録媒体に対して、図3に示
されるようなSTMを応用した記録再生装置を用いて記
録・再生・消去の実験を行った。
【0030】図中、301は基板1、基板電極2、記録
層3からなる記録媒体である。この記録媒体301は、
XYステージ302上に設置され、記録媒体上の記録・
再生を行う大まかな位置が設定される。303は、プロ
ーブ電流増幅器で、304は、プローブ電極の記録媒体
からの高さが一定になるように圧電素子を用いたZ方向
微動制御機構305を制御するサーボ回路である。30
6は、プローブ電極307と基板電極2との間に記録・
消去用のパルス電圧を印加するための電源である。な
お、パルス電圧を印加するときにプローブ電流が急激に
変化するためサーボ回路304は、その間出力電圧が一
定になるように、サーボ回路内のHOLD回路をONに
なるように制御している。308は、プローブ電極30
7を309のXY方向微動制御機構を用いてXY方向に
移動制御するためのXY走査駆動回路である。310の
粗動機構と311の粗動駆動回路は、予め10-9A程度
のプローブ電流が得られるようにプローブ電極307と
記録媒体301との距離を粗動制御したり、プローブ電
極307と記録媒体301とのXY方向相対変位を大き
くとる(微動制御機構の範囲外)のに用いられる。これ
らの各機器は、全てマイクロコンピュータ312により
中央制御されている。また313は、表示装置である。
【0031】まず、第1、第2のトラックの集合の各ト
ラック幅の数列をマイクロコンピューター312に記憶
させた。次にXYステージ302上に記録媒体301の
XY方向を一致させて設置し、白金/ロジウムのプロー
ブ電極307を記録媒体301上のトラック4を形成し
た領域に接近させた。この時、記録媒体301の基板電
極2に対してプローブ電極307に−1.0Vの電圧を
印加し、記録層3に流れる電流をモニターしながらプロ
ーブ電極307と記録層3表面との距離(Z)を調整し
た。その後、Z方向微動制御機構305を制御してプロ
ーブ電極307と記録層3表面までの距離を変えていく
と、図4に示すような電流特性が得られた。なお、プロ
ーブ電流及びプローブ電圧を変化させることでプローブ
電極307と記録層3表面との距離(Z)を調整するこ
とができるが、距離(Z)を適当な値で一定に保持する
ためには、プローブ電流IPが10-7A≧IP≧10-12
A、好適には10-8A≧IP≧10-10Aになるようにプ
ローブ電圧を調整する必要がある。ここでは、プローブ
電圧を0.5Vとし、プローブ電流IPを10-9A(図
4のbの領域に相当する。)に設定して、プローブ電極
307と記録層3表面との距離を調整した。この時の記
録媒体301上の位置を図7に示すように第1の記録点
71とした。第1の記録点71の記録媒体301上の位
置の特定をするために、プローブ電極307をX・Y方
向に掃引して記録点を含む領域を挟むX・Y方向それぞ
れ2本のトラックの幅及び第1の記録点71のトラック
よりの距離を測定した。係るX・Y方向のトラックの幅
は、記録媒体301のアドレスとなる。この時の記録条
件は、プローブ電極307を+側、基板電極2を−側に
して、電気メモリー材料(ポリイミドLB膜4層)が低
抵抗状態(ON状態)に変化する図5に示すしきい値電
圧VthON以上の矩形パルス電圧を加えた。次に、図8
に示すように第2の記録点81に記録を行った。第2の
記録点81として記録媒体301上の任意の場所を得る
ため、1度プローブ電極307を記録媒体301から引
き離した後、再び記録媒体301に近づけた。第1の記
録点71を検知した方法と同様の操作で記録媒体301
上の位置を特定したところ、第2の記録点81の場所を
特定できた。さらに係る場所に第1の記録点71と同様
の条件で記録を行った。
【0032】次に係る第1の記録点71・第2の記録点
81の読み出しを行った。このためにまずプローブ電極
307を一度記録媒体301より離した後、プローブ電
極307を記録媒体301に接近させ、上記した方法に
よって現在プローブ電極があるアドレスを判断し、第1
の記録点71及び第2の記録点81までの距離・方向を
マイクロコンピューター312で計算し、XYステージ
302及びプローブ電極307を走査して係る第1及び
第2の記録点の存在するアドレスまでアクセスした。係
る各アドレスに於ける記録点は、プローブ電極307を
走査することにより捜し当てることができた。各記録点
に於いては、10nA程度のプローブ電流が流れ、ON
状態となっていることが示された。係る再生の操作の
後、係る記録の消去も可能であった。係る記録ビットの
消去の条件は、図6に示した、プローブ電圧を電気メモ
リー材料がON状態からOFF状態に変化するしきい値
電圧VthOFF以上の10Vに設定して行った。
【0033】実施例2 実施例1で使用した数列を無秩序な数列に順番を変えた
以外は、同様に形成した記録媒体を作製した。この時の
数列は、マイクロコンピューター312に記憶させた。
次に係る記録媒体に対して実施例1と同様に実験を行っ
たところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0034】実施例3 実施例1に対して、トラックの第1の集合と第2の集合
が垂直に交わらず、かつ平行でもない以外は同様に形成
した記録媒体を作製した。この時トラックの第1の集合
と第2の集合の交わる角度を45度とし、それぞれの集
合においてトラック間の距離を1μmとした。
【0035】次に係る記録媒体に対して実施例1と同様
に実験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
この時の第1の記録点91を図9に、第2の記録点10
1を図10に示す。
【0036】実施例4 本実施例では図1(b)に示したような本発明の記録媒
体を作製し、情報の記録・再生・消去の実験を行った。
【0037】実施例1に対してトラックを基板電極2に
形成した以外は同様に形成した記録媒体を作製した。こ
の時の記録媒体の作製手順は、基板1上に基板電極2を
蒸着法で実施例1と同様に形成した後、集束化イオンビ
ーム法によりドーズ量1×1011ions/cmで基板
電極2に実施例1と同様のパターンで直接、トラックと
なる溝を形成した。
【0038】次に係る記録媒体に対して実施例1と同様
の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0039】実施例5 本実施例は本発明の記録媒体に関連し、基板電極自身に
情報の記録を行ったものである。
【0040】実施例1の記録媒体に対して記録層を形成
しないで、Auのプローブ電極を用いて、プローブ電極
・基板電極間の局所的電界印加による基板電極の表面形
状の局所的変化を利用して、実施例1と同様のアドレス
確認の実験を行った。電圧は、プローブ側をアースにし
て、波高値3.6V/パルス幅600nsecで行っ
た。なお記録場所を観察したところ、大きさが直径20
nm・高さが3nmの記録ビットを見いだすことが出来
た。
【0041】以上述べてきた実施例1〜5中では、トラ
ックの形状が記録媒体表面で直線であるとしたが、アド
レスが判明できれば曲線も使用可能であり、トラックが
基板の深さ方向、あるいはその逆方向の3次元的にとら
れていても良い。また記録層の形成にLB法を使用して
きたが、極めて薄く均一な膜が形成できる成膜法であれ
ばLB法に限らず使用可能であり、具体的には蒸着法、
MBE法などが挙げられる。また、基板電極の成膜法と
しても公知のいずれの方法も適用が可能であり具体的に
は、MBE法やCVD法等の成膜法が挙げられる。更に
基板材料やその形状も本発明は何ら限定するものではな
い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録媒体
では、トラックの幅を記録媒体のアドレスとして使用す
ることにより、極めて単純な構成の高密度記録媒体に於
いてランダムアクセスが可能であり、任意のアドレスま
で最短距離でアクセスすることができるため、情報の高
速処理可能な記録媒体となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体の断面図の例である。
【図2】本発明の記録媒体のトラックパターンの一例で
ある。
【図3】本発明による記録媒体に対して情報の記録再生
実験を行ったSTMを応用した記録再生装置のブロック
構成図である。
【図4】プローブ電極と記録層表面との距離と、流れる
電流の関係を示す図である。
【図5】本発明による記録媒体に対して記録を行う際に
加えるパルス信号波形である。
【図6】本発明による記録媒体に対して記録の消去を行
う際に加えるパルス信号波形である。
【図7】本発明の記録媒体における記録点を示す図であ
る。
【図8】本発明の記録媒体における記録点を示す図であ
る。
【図9】本発明の記録媒体における記録点を示す図であ
る。
【図10】本発明の記録媒体における記録点を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 基板電極 3 記録層 4 凹凸形状(トラック) 5 導電性の異なる部位 21 記録領域 301 記録媒体 302 XYステージ 303 プローブ電流増幅器 304 サーボ回路 305 Z方向微動制御機構 306 パルス電源 307 プローブ電極 308 XY走査駆動回路 309 XY方向微動制御機構 310 粗動機構 311 粗動駆動回路 312 マイクロコンピューター 313 表示装置 71 第1の記録点 81 第2の記録点 91 第1の記録点 101 第2の記録点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 信男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 松田 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−314551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流を検知して情報の記録再生
    を行う情報処理装置に用いられる記録媒体において、少
    なくとも、互いに平行かつ各幅が互いに異なる数値を持
    直線状トラックの第1の集合と、該直線状トラックの
    第1の集合と交差し、互いに平行かつ各幅が互いに異な
    る数値を持つ直線状トラックの第2の集合を有すること
    を特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記トラック間における幅の数値の差は
    少なくとも0.1μm以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記数値は、各集合の中で一方向に単調
    に増加することを特徴とする請求項1又は2に記載の記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 前記幅が異なるトラックは、各集合の中
    で無秩序に配列していることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記トラックが記録媒体の基板に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    の記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記トラックが記録媒体の基板電極に形
    成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに
    記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記基板電極が貴金属であることを特徴
    とする請求項6に記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基板電極が記録層であることを特徴
    とする請求項6に記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7いずれかに記載の記録媒体
    の記録層として、電気メモリー効果を有する記録層を設
    けたことを特徴とする記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記記録層が、有機化合物の単分子膜
    又は該単分子膜を累積した累積膜であることを特徴とす
    請求項9に記載の記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記有機化合物が、分子中にπ電子準
    位を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有することを特徴
    とする請求項10に記載の記録媒体。
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