JPH0644619A - 記録媒体及び記録媒体製造方法 - Google Patents

記録媒体及び記録媒体製造方法

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JPH0644619A
JPH0644619A JP21574092A JP21574092A JPH0644619A JP H0644619 A JPH0644619 A JP H0644619A JP 21574092 A JP21574092 A JP 21574092A JP 21574092 A JP21574092 A JP 21574092A JP H0644619 A JPH0644619 A JP H0644619A
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芳浩 柳沢
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春紀 河田
Nobuo Watanabe
信男 渡邊
Hiroshi Matsuda
宏 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査型トンネル顕微鏡の原理を応用した大容
量高密度情報処理装置に用いられる記録媒体を提供す
る。 【構成】 X,Y方向に平行で、且つその幅が0.1μ
mから単調に0.1μmずつ増加している第1,第2の
トラックの集合を形成している記録媒体。 【効果】 上記の様に0.1μm以上の差を有する予め
定められた数列から成る幅で形成されたトラックは記録
媒体のアドレスとして使用でき、これによりランダムア
クセスが可能となり、高速処理可能な記録媒体とするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の原理を応用した大容量高密度情報処理装置に用いられ
る記録媒体並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリー素子の用途はコンピュー
タ及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオー
ディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなす
ものであり、その開発も活発に進んでいる。メモリー素
子に要求される性能は一般的には (1)高密度で、記録容量が大きい (2)記録・再生の応答速度が速い (3)エラーレートが小さい (4)消費電力が少ない (5)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられる。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした磁
気メモリー、半導体メモリーが主流であったが、近年レ
ーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーな
どの有機薄膜を用いた安価で高密度な記録媒体を用いた
光メモリー素子などが登場してきた。
【0004】一方、最近、導体の表面原子の電子構造を
直接観測できる走査型トンネル顕微鏡(以後STMと略
す)が開発され[ジー・ビーニッヒら,フェルベティカ
フィジィカ アクタ,55,726(198
2).]、単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解
能の測定ができるようになり、しかも媒体に電流による
損傷を与えずに低電力で観測できる利点をも有し、更に
大気中でも動作させることが可能であるため広範囲な応
用が期待されている。
【0005】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより、実空
間の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全
電子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。
この際面内方向の分解能は0.1nm程度である。従っ
て、STMの原理を応用すれば十分に原子オーダー
(0.数nm)での高密度記録再生を行なうことが可能
である。この際の記録再生方法としては、プローブ電極
と基板電極間に局所的電界を加えることにより、基板電
極の表面形状を局所的に変化させる方法や、粒子線(電
子線、イオン線)或はX線等の高エネルギー電磁波及び
可視・紫外光等のエネルギー線を用いて適当な記録層の
表面状態を変化させて記録を行ない、STMで再生する
方法がある。或いはまた、記録層として電圧・電流のス
イッチング特性に対してメモリ効果(電気メモリー効
果)を持つ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲ
ン化物類の薄膜層を用いて、記録・再生をSTMを用い
て行なう方法等が提案されている(特開昭63−161
552,161553公報)。
【0006】このような大容量高密度記録装置を用い
て、記録媒体の広範な記録面への記録・再生を行う為に
は、記録・再生に用いられるプローブ電極を記録媒体上
の所望の情報記録部位まで素早く動かす必要が生じる。
このアクセスは、各記録媒体上に、位置に関する何らか
の情報を設置しておき、係る情報を検出して行ってい
る。具体的には、記録媒体上に位置に関する基準(以後
基準目盛りと呼ぶ)と係る基準目盛りの原点を設定し
て、係る原点より基準目盛りで測定して記録媒体上の位
置を特定している。係る基準目盛りとしては、例えば結
晶性基板の規則的な原子配列である結晶格子を利用し、
原点として例えば人工的に設けた凹凸を利用する例があ
る。また、上記以外にも、記録媒体の基板表面に凹状の
トラックを形成し、この凹状部分にプローブ電極を追従
させることにより、トラッキングを行う方法が提案され
ている。
【0007】従来、この凹状領域の形成方法としては、
通常のLSI製造方法の1つであるフォトリソ・エッチ
ング技術が応用されていた。即ち、レジストを塗布後、
紫外光あるいは電子線により所望の領域を感光させ、現
像によりレジストパターン形成後、ウエットエッチング
あるいはドライエッチングにより記録媒体の表面を局所
的に除去して凹状のトラックを形成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の基準目盛りを設けた記録媒体では、記録媒体上
での記録領域位置を特定するアドレスが無かったため、
ランダムアクセスを行うのが困難であった。
【0009】また、ビットサイズの小型化やエラービッ
トの低減の為には、記録媒体表面は原子オーダーでの平
滑性が保たれ、且つ不純物の付着の無い状態が必要とさ
れるにもかかわらず、フォトリソ・エッチング法を応用
した従来のトラック形成方法では、記録媒体表面上に少
なくとも1度は有機物であるレジスト材料、あるいは記
録媒体とは異なる金属材料あるいは金属化合物等の無機
薄膜を堆積しなければならず、記録媒体表面を汚したり
傷つけたりする場合があった。また、従来のフォトリソ
・エッチング法では、レジスト塗布、感光、現像、エッ
チング、レジスト除去等工程数が多く、歩留まりやコス
トの観点からも製造工程の簡略化が課題であった。
【0010】従って、本発明の目的とするところは、ラ
ンダムアクセスが可能で高速アクセスが得られる記録媒
体を提供することにあり、さらには、記録媒体表面を汚
染すること無く、上記トラックの形成可能な、且つ製造
工程を簡略化した記録媒体の製造方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために本発明第1では、トンネル電流を検知して情
報の記録再生を行う情報処理装置に用いられる記録媒体
において、少なくとも、互いに平行かつその幅が予め定
められた数列からなる直線状トラックの第1の集合と、
該直線状トラックの第1の集合と交差し、互いに平行か
つその幅が予め定められた数列からなる直線状トラック
の第2の集合を有する記録媒体としたものである。
【0012】本発明第1の記録媒体において、第1の集
合及び第2の集合のトラックの幅の組み合わせは、記録
媒体上のトラックで四方を囲まれた領域に割り当てるア
ドレスとして使用可能である。このため記録媒体を記録
再生装置に於いて予め決められた方位に設置すれば、プ
ローブ電極がトラックの形成されたいずれの領域にあっ
たとしても、そのトラックの幅を読み出すことで記録媒
体上の位置が検知できる。さらに、トラックの幅は、予
め定められた数列であることから、プローブ電極の現在
の位置が検知できれば、記録媒体上の他の任意のアドレ
スまで最短距離を経由してアクセスが可能になる。
【0013】本発明第1の記録媒体の一例として、図1
にその断面図を示す。本発明第1の記録媒体は、基本的
には基板1上に基板電極2、記録層3を順次積層するこ
とにより形成することができる。トラックは、素子にお
いて基板・基板電極・記録層のいずれかに形成される。
トラックとしては、凹凸形状を形成する場合と導電率の
差を形成する場合がある。具体的には、凹凸形状を形成
する例として基板1自身に溝を形成する構成(図1
(a)参照)、基板電極2に溝を形成する構成(図1
(b)参照)がある。また導電率の差を形成する構成と
しては、電気メモリー効果を有する記録層の一部に導電
性の異なる部位5を形成した構成(図1(c)参照)が
ある。更に、以上の例は凸形状としたがこれが凹形状で
あってもかまわない。また、記録層に凹凸を形成した構
造も可能である。以上のトラックの形成方法も従来公知
の方法で容易に達成可能である。例えば基板に形成する
のであれば、電子ビームを用いたコンタミの付着・レジ
ストのパターニング等数多くの方法が挙げられ、基板電
極に形成するのであれば、集束化イオンビームを用いた
基板電極の直接パターニングなどが挙げられる。
【0014】本発明第1に於けるトラックの幅は、予め
定めた数列をとる必要があり、各々の数列の中の各値
が、互いに少なくとも0.1μm以上の差があれば、ど
のような数列も可能で、例えば単調に増加する数列や、
あるいは等差数列・等比級数などの規則性を有するも
の、あるいはまた、ランダムな数列であってもかまわな
い。また、前記第1の集合と第2の集合のトラックは互
いに垂直に交差しても良いし、垂直以外で交差しても良
い。
【0015】本発明第1に用いられる基板1としては、
基板電極2を支持するために用いるので、表面が平滑で
あれば、どのような材料を用いても良いが、基板電極の
形成法によってある程度利用できる基板材料は限定され
る。
【0016】この様な基板1上に形成する基板電極2の
材料としては、高い導電性を有する材料が好ましく、例
えばAu,Pt,Ag,Pdなどの金属やこれらの合金
等の数多くの材料が挙げられ、これらの本発明への適用
が考えられる。係る材料を用いた電極形成法としても従
来公知の薄膜技術で十分である。尚、上記いずれの材料
を用いるにしても、その表面が平滑であることが好まし
い。
【0017】本発明第1で記録層3として用いる、有機
化合物絶縁層の材料としては、σ電子及びπ電子を有す
る有機材料であれば何を用いても良い。
【0018】記録層3の形成には、具体的には、蒸着法
やクラスターイオンビーム法等の適用も可能であるが、
制御性、容易性、再現性、そして記録層表面の平滑性か
ら公知の従来技術の中ではLB法が極めて好適である。
【0019】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜または
その累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子
オーダーの厚みを有し、かつ大面積にわたって均一、均
質で基板電極の平滑性を反映した平滑性を持つ有機超薄
膜を安定に供給することができる。
【0020】LB法は分子内に親水性部位と疎水性部位
とを有する構造の分子において、両者のバランス(両親
媒性のバランス)が適度に保たれているとき、分子は水
面上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利
用して単分子膜またはその累積膜を作成する方法であ
る。
【0021】疎水性部位を構成する基としては、一般に
広く知られている飽和及び不飽和炭化水素基や縮合多環
芳香族基及び鎖状多環フェニル基等の各種疎水基が挙げ
られる。これらは各々単独又はその複数が組み合わされ
て疎水性部位を構成する。一方、親水性部位の構成要素
として最も代表的なものは、例えばカルボキシル基、エ
ステル基、酸アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、更
にはアミノ基(1,2,3級及び4級)等の親水性基等
が挙げられる。これらも各々単独又はその複数が組み合
わされて上記分子の親水性部分を構成する。
【0022】これらの疎水性基と親水性基をバランス良
く併有し、絶縁性を有する有機分子であれば、水面上で
単分子膜を形成することが可能であり、本発明に対して
極めて好適な材料となる。
【0023】本発明で用いる記録層としては、電流−電
圧特性に於いてメモリースイッチング現象(電気メモリ
ー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ群と
σ電子準位を有する群を併有する分子を電極上に積層し
た有機単分子膜あるいはその累積膜を用いることが可能
となる。
【0024】一般に有機材料のほとんどは絶縁性もしく
は半絶縁性を示すことから、本発明に適用可能なπ電子
準位を持つ群を有する有機材料は著しく多岐にわたる。
本発明に好適なπ電子系を有する色素の構造として例え
ば、フタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン等の
ポルフィリン骨格を有する色素、スクアリリウム基及び
クロコニックメチン基を結合鎖として持つアズレン系色
素及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル等の2個の含窒素複素環をスクアリリウム基及びクロ
コニックメチン基により結合したシアニン系類似の色
素、またはシアニン色素、アントラセン及びピレン等の
縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化合物が重合し
た鎖状化合物及びジアセチレン基の重合体、さらにはテ
トラシアノキノジメタンまたはテトラチアフルバレンの
誘導体およびその類縁体およびその電荷移動錯体、また
さらにはフェロセン、トリスビピリジンルテニウム錯体
等の金属錯体化合物が挙げられる。
【0025】また、本発明で用いる記録層に好適な高分
子材料としては、例えばポリアクリル酸誘導体等の付加
重合体、ポリイミド等の縮合重合体、ナイロン等の開環
重合体、バクテリオロドプシン等の生体高分子が挙げら
れる。
【0026】これらのπ電子準位を有する化合物の電気
メモリー効果は数10μm以下の膜厚のもので観測され
ているが、記録・再生時にプローブ電極と基板電極間に
流れるトンネル電流を用いるため、プローブ電極と基板
電極間にトンネル電流が流れるよう両者間の距離を近づ
けなければならないので、本発明の記録層と有機化合物
絶縁層を加えた膜厚は、好ましくは0.数nm以上10
nm以下、より好ましくは0.数nm以上3nm以下で
ある。
【0027】次に、記録媒体表面を汚染すること無く、
トラックを形成するために成された本発明第2の記録媒
体製造方法を説明する。
【0028】即ち、本発明第2は、トンネル電流を検知
して情報の記録再生を行う情報処理装置に用いられ、平
面を有する基板表面に凹状のトラックを形成している記
録媒体の製造方法において、真空容器内に前記基板を設
置し、電子ビーム照射することによりその基板をエッチ
ングすることが可能なガスをその真空容器内に導入し、
前記基板表面に好ましくは10μm以下に集束された電
子ビームを照射することにより表面をエッチングして前
記凹状のトラックを形成する記録媒体製造方法である。
【0029】具体的には、金属あるいは金属化合物材料
等から成る導電性記録媒体表面、あるいは導電性基板上
に堆積した有機材料から成る記録媒体の導電性基板表面
あるいは有機材料膜表面にトラックを形成するにあた
り、その基板を真空容器内にセットする。トラックを形
成したい基板表面に例えばノズルによりそのエッチング
ガスを吹き付け、同時に基板表面上のエッチングしたい
箇所を電子ビームで走査する。電子ビームを照射するこ
とにより、エッチングガスは基板表面において分解反応
を生じて電子ビームの照射された箇所のみがエッチング
される。この時、エッチングガスの濃度、電子ビームの
電流密度、電子ビームの照射時間等によりトラックの深
さを制御することが可能である。また、電子ビームの走
査パターンや、加速電圧,スポット径,掃引速度等の走
査条件により任意の形状を有するトラックを形成可能で
ある。また、上記電子ビームをイオンビームあるいはレ
ーザー光に換えても同様の結果が得られる。
【0030】本発明の様に、電子ビーム、イオンビーム
あるいはレーザービームの照射により、記録媒体となる
材料をエッチングするガスとしては、 (ガス化学組成式) → (エッチング材料) CF4 → W,Mo,Ti,Zr Cl2 → Al,Au,Pt,GaAs XeF2 → Si ClF3 → Si O2 → 有機物 等が、一般に知られており、適応可能である。
【0031】上記本発明第2の記録媒体製造方法では、
従来のフォトリソ・エッチング法が不要となり、即ちレ
ジストプロセスが不要となり、記録媒体表面を汚染する
ことが無く、更には、レジストプロセスに付随する製造
工程を簡略化できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0033】実施例1 本実施例では図1(a)に示したような本発明第1の記
録媒体を作製し、情報の記録・再生・消去の実験を行っ
た。
【0034】まず、熱酸化膜を300nm形成したSi
ウエハを基板1とした。続いて基板1上に電子線描画装
置を用いてエレクトロン・ビーム照射でコンタミを付着
させてトラックとなる凹凸形状4を形成した。この時の
エレクトロン・ビームの描画条件は、加速電圧30k
V、電子線電流8×10-11 A、スポット径0.1μ
m、掃引速度10-4mm/secで行った。描画のパタ
ーンは図1に示されるように第1のトラックの集合をY
方向に平行に、第2のトラックの集合をX方向に平行に
とり、第1、第2のトラックを直交させた。各トラック
に囲まれる領域が記録領域21となるが、この大きさ
は、X・Y方向とも1μmの正方形である。トラックの
幅は、0.1μmから単調に0.1μmずつ増加させて
1.0μmまで第1、第2のトラックの集合をそれぞれ
10本づつ形成した。次に係るトラックが形成された基
板上に真空蒸着法により下引き層としてCrを3nm,
Auを100nm成膜して基板電極2を形成した。最後
に、基板電極2上に記録層3となるポリイミド(以下P
Iと略記する)LB膜を形成した。以下に、このLB膜
の成膜方法を示す。
【0035】(1)式に示すポリアミック酸(以下PA
と略す)をN,N−ジメチルアセドアミド−ベンゼン混
合溶液1:1(V/V)に溶解させた(単量体換算濃度
1×10-3M)後、別途調整したN,N−ジメチルオク
タデシルアミンの同溶媒による1×10-3Mとを1:2
(V/V)に混合して(2)式に示すポリアミド酸オク
タデシルアミン塩溶液を調整した。係る溶液を、20℃
の純水上に展開し、水面から溶媒を蒸発除去させた後、
その表面圧を25mN/mに高めて水面上単分子膜を形
成させた。次に、この表面圧を一定に保持したまま、前
記基板を水面に横切るように速度5mm/分で静かに浸
漬し、更に引き上げる動作を繰り返して4層のY形単分
子膜の累積を行った。最後に、係る基板を300℃で1
0分間熱処理することによりPA累積膜をイミド化して
((3)式)記録層3となるPI薄膜を形成し、記録媒
体を得た。
【0036】
【化1】 次に以上のように作製した記録媒体に対して、図4に示
されるようなSTMを応用した記録再生装置を用いて記
録・再生・消去の実験を行った。
【0037】図中、301は基板1、基板電極2、記録
層3からなる記録媒体である。この記録媒体301は、
XYステージ302上に設置され、記録媒体上の記録・
再生を行う大まかな位置が設定される。303は、プロ
ーブ電流増幅器で、304は、プローブ電極の記録媒体
からの高さが一定になるように圧電素子を用いたZ方向
微動制御機構305を制御するサーボ回路である。30
6は、プローブ電極307と基板電極2との間に記録・
消去用のパルス電圧を印加するための電源である。な
お、パルス電圧を印加するときにプローブ電流が急激に
変化するためサーボ回路304は、その間出力電圧が一
定になるように、サーボ回路内のHOLD回路をONに
なるように制御している。308は、プローブ電極30
7を309のXY方向微動制御機構を用いてXY方向に
移動制御するためのXY走査駆動回路である。310の
粗動機構と311の粗動駆動回路は、予め10-9A程度
のプローブ電流が得られるようにプローブ電極307と
記録媒体301との距離を粗動制御したり、プローブ電
極307と記録媒体301とのXY方向相対変位を大き
くとる(微動制御機構の範囲外)のに用いられる。これ
らの各機器は、全てマイクロコンピュータ312により
中央制御されている。また313は、表示装置である。
【0038】まず、第1、第2のトラックの集合の各ト
ラック幅の数列をマイクロコンピューター312に記憶
させた。次にXYステージ302上に記録媒体301の
XY方向を一致させて設置し、白金/ロジウムのプロー
ブ電極307を記録媒体301上のトラック4を形成し
た領域に接近させた。この時、記録媒体301の基板電
極2に対してプローブ電極307に−1.0Vの電圧を
印加し、記録層3に流れる電流をモニターしながらプロ
ーブ電極307と記録層3表面との距離(Z)を調整し
た。その後、Z方向微動制御機構305を制御してプロ
ーブ電極307と記録層3表面までの距離を変えていく
と、図4に示すような電流特性が得られた。なお、プロ
ーブ電流及びプローブ電圧を変化させることでプローブ
電極307と記録層3表面との距離(Z)を調整するこ
とができるが、距離(Z)を適当な値で一定に保持する
ためには、プローブ電流IP が10-7A≧IP ≧10
-12A、好適には10-8A≧IP ≧10-10 Aになるよ
うにプローブ電圧を調整する必要がある。ここでは、プ
ローブ電圧を0.5Vとし、プローブ電流IP を10 -9
A(図4のbの領域に相当する。)に設定して、プロー
ブ電極307と記録層3表面との距離を調整した。この
時の記録媒体301上の位置を図7に示すように第1の
記録点71とした。第1の記録点71の記録媒体301
上の位置の特定をするために、プローブ電極307をX
・Y方向に掃引して記録点を含む領域を挟むX・Y方向
それぞれ2本のトラックの幅及び第1の記録点71のト
ラックよりの距離を測定した。係るX・Y方向のトラッ
クの幅は、記録媒体301のアドレスとなる。この時の
記録条件は、プローブ電極307を+側、基板電極2を
−側にして、電気メモリー材料(ポリイミドLB膜4
層)が低抵抗状態(ON状態)に変化する図5に示すし
きい値電圧VthON以上の矩形パルス電圧を加えた。次
に、図8に示すように第2の記録点81に記録を行っ
た。第2の記録点81として記録媒体301上の任意の
場所を得るため、1度プローブ電極307を記録媒体3
01から引き離した後、再び記録媒体301に近づけ
た。第1の記録点71を検知した方法と同様の操作で記
録媒体301上の位置を特定したところ、第2の記録点
81の場所を特定できた。さらに係る場所に第1の記録
点71と同様の条件で記録を行った。
【0039】次に係る第1の記録点71・第2の記録点
81の読み出しを行った。このためにまずプローブ電極
307を一度記録媒体301より離した後、プローブ電
極307を記録媒体301に接近させ、上記した方法に
よって現在プローブ電極があるアドレスを判断し、第1
の記録点71及び第2の記録点81までの距離・方向を
マイクロコンピューター312で計算し、XYステージ
302及びプローブ電極307を走査して係る第1及び
第2の記録点の存在するアドレスまでアクセスした。係
る各アドレスに於ける記録点は、プローブ電極307を
走査することにより捜し当てることができた。各記録点
に於いては、10nA程度のプローブ電流が流れ、ON
状態となっていることが示された。係る再生の操作の
後、係る記録の消去も可能であった。係る記録ビットの
消去の条件は、図6に示した、プローブ電圧を電気メモ
リー材料がON状態からOFF状態に変化するしきい値
電圧VthOFF以上の10Vに設定して行った。
【0040】実施例2 実施例1で使用した数列を無秩序な数列に順番を変えた
以外は、同様に形成した記録媒体を作製した。この時の
数列は、マイクロコンピューター312に記憶させた。
次に係る記録媒体に対して実施例1と同様に実験を行っ
たところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0041】実施例3 実施例1に対して、トラックの第1の集合と第2の集合
が垂直に交わらず、かつ平行でもない以外は同様に形成
した記録媒体を作製した。この時トラックの第1の集合
と第2の集合の交わる角度を45度とし、それぞれの集
合においてトラック間の距離を1μmとした。
【0042】次に係る記録媒体に対して実施例1と同様
に実験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
この時の第1の記録点91を図9に、第2の記録点10
1を図10に示す。
【0043】実施例4 本実施例では図1(b)に示したような本発明第1の記
録媒体を作製し、情報の記録・再生・消去の実験を行っ
た。
【0044】実施例1に対してトラックを基板電極2に
形成した以外は同様に形成した記録媒体を作製した。こ
の時の記録媒体の作製手順は、基板1上に基板電極2を
蒸着法で実施例1と同様に形成した後、集束化イオンビ
ーム法によりドーズ量1×1011ions/cmで基板
電極2に実施例1と同様のパターンで直接、トラックと
なる溝を形成した。
【0045】次に係る記録媒体に対して実施例1と同様
の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
【0046】実施例5 本実施例は本発明第1の記録媒体に関連し、基板電極自
身に情報の記録を行ったものである。
【0047】実施例1の記録媒体に対して記録層を形成
しないで、Auのプローブ電極を用いて、プローブ電極
・基板電極間の局所的電界印加による基板電極の表面形
状の局所的変化を利用して、実施例1と同様のアドレス
確認の実験を行った。電圧は、プローブ側をアースにし
て、波高値3.6V/パルス幅600nsecで行っ
た。なお記録場所を観察したところ、大きさが直径20
nm・高さが3nmの記録ビットを見いだすことが出来
た。
【0048】以上述べてきた実施例1〜5中では、トラ
ックの形状が記録媒体表面で直線であるとしたが、アド
レスが判明できれば曲線も使用可能であり、トラックが
基板の深さ方向、あるいはその逆方向の3次元的にとら
れていても良い。また記録層の形成にLB法を使用して
きたが、極めて薄く均一な膜が形成できる成膜法であれ
ばLB法に限らず使用可能であり、具体的には蒸着法、
MBE法などが挙げられる。また、基板電極の成膜法と
しても公知のいずれの方法も適用が可能であり具体的に
は、MBE法やCVD法等の成膜法が挙げられる。更に
基板材料やその形状も本発明は何ら限定するものではな
い。
【0049】実施例6 本実施例では図11に示されるような装置を用いて本発
明第2の記録媒体製造方法により記録媒体を製造した。
【0050】図11(a)は記録媒体へのトラック形成
に用いるエッチングガスを導入する機構を有する電子ビ
ーム走査装置の概略構成図であり、図11(b)は記録
媒体近傍におけるエッチングの様子を模式的に示したも
のである。図中110は電子銃、111は電子銃室を排
気するための真空ポート、112は引き出し電極、集束
レンズ、偏向電極等を有する鏡筒、113は真空チャン
バー、114は試料ステージ、115は媒体基板11
6,媒体電極117から成る記録媒体基板、118はエ
ッチングガス導入管、119は真空チャンバーを排気す
るための真空ポート、120は電子ビームである。
【0051】以下、本実施例に於けるトラックの形成工
程を説明する。 (1)媒体基板116としてマイカを用い、劈開するこ
とにより平滑で清浄な表面を出した。通常の抵抗加熱蒸
着装置内にセットして、基板温度を400℃になにるよ
うに加熱した。媒体電極117としてAu(金)を、厚
さ0.5μmになるまで媒体基板116上に堆積した。
堆積後、媒体基板116を徐冷し、マイカ上に原子オー
ダーで平滑な表面を有するAu結晶を得た。 (2)図11(a)に示した様に、このAu結晶付きマ
イカ基板から成る記録媒体基板115を電子ビーム走査
機構付きエッチング装置内に設置し、真空チャンバー1
13を真空度1×10-5Pa程度になるまで排気した。 (3)ガス導入管118より、Cl2 (塩素)ガスを真
空チャンバー113の真空度が5×10-3Paになる様
に流量を調節しながら導入した。
【0052】ここで、図11(b)に示した様に、エッ
チングガスは導入管118により、媒体基板116上に
形成した媒体電極117の表面に吹き付けるのが良い。
通常、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビーム
は、真空度が悪いとガス分子と衝突・散乱を起こすため
に平均自由行程が短くなり、基板表面まで到達しなくな
る場合がある。 (4)Cl2 ガスを基板表面に吹き付けた状態で、電子
銃110より電子放出を行い、集束レンズ等から成る鏡
筒112で集束・偏向することにより、基板表面上でビ
ーム径約50nmに集束した電子ビーム120をパター
ン描画した。その結果、電子ビームが照射された基板の
Au表面のみが選択的にエッチングされた。
【0053】このエッチングのメカニズムとしては、A
u表面に吸着した、あるいは極めて近傍に存在したCl
2 ガスが電子ビームにより活性化しAuと反応してAu
Cl x (x=1〜3)が生成されることにより、電子ビ
ームの照射箇所のみがエッチングされた結果であると考
えられる。従って、エッチング線幅は電子ビーム径の影
響を受けるが、電子ビームをラインスキャンすることに
より0.2μm以下が容易に得られた。またエッチング
溝の深さとしては、走査型トンネル顕微鏡の分解能が1
nm以下であることから10nm程度以上あればよく、
電子ビームの照射時間、照射量、Cl2 ガスの供給量等
により容易に制御可能であった。
【0054】この様にして、極めて平滑性の良好なAu
結晶表面を有機物等の異種材料で汚染することなく、後
にトラックとなるエッチング溝を形成することが可能と
なった。 (5)この様にして、エッチング溝幅0.2μm、深さ
0.1μm、X方向の溝ピッチ2μm、Y方向の溝ピッ
チ3μmのトラックを基板上に形成した。次に、媒体電
極117表面に、記録層としてスイッチング現象が知ら
れているポリイミド膜をLB法によって形成した。
【0055】図12(a)は上記方法により形成したト
ラック付きの記録媒体の平面を、図12(b)は図3に
示したようなSTMを用いた記録再生装置のトンネル電
流を得るためのプローブ電極と記録媒体(図12(a)
のA−A’断面の一部)との関係を、それぞれ模式的に
示したものである。図中、121はトラック、122は
ポリイミド膜から成る記録層、123は記録再生領域、
307はSTMのプローブ電極を示している。
【0056】このトラック付き記録媒体に対して、図3
に示したようなSTM記録再生装置を用いて、記録・再
生・消去実験を行った。先ずSTM記録再生装置のXY
ステージ302上にそのXY方向と、トラックのXY方
向とが合致するように記録媒体をセットした。次に、プ
ローブ電極307を記録媒体表面に近付けXY走査しな
がらトンネル電流を測定し、記録媒体表面の凹凸を観察
した。このとき、図12(a)に示したトラック121
が凹部(電流が流れにくい領域あるいは他よりへこんだ
領域)として検知された。この凹部を、記録再生領域を
区別するためのトラックと判断し、そのトラックより僅
かに離れた領域を記録再生領域123とした。白金/ロ
ジウムのプローブ電極307を媒体電極117のトラッ
ク121近傍に接近させた。このとき、媒体電極117
に対してプローブ電極307に−1.0Vの電圧を印加
し、記録層122に流れる電流を検知しながらプローブ
電極307と記録層122との距離(Z)を調整した。
STM装置のZ方向の微動制御を行い距離(Z)を変化
させると、図4に示した様な電流特性が得られた。ここ
では、プローブ電極−媒体電極間の電圧を0.5Vと
し、電流を10-9A(図4のB領域に相当する)に設定
して、プローブ電極307と記録層122表面との距離
を調整した。このときの記録層上の位置を図13に示さ
れるように第1の記録点131とした。第1の記録点1
31の位置を特定するために、プローブ電極307をX
Y方向にそれぞれ掃引して、XY方向それぞれのトラッ
クと第1の記録点131との距離を測定した。このと
き、XYそれぞれのトラックとの距離がアドレスとな
る。記録点の形成条件は、プローブ電極を+側、媒体電
極を−側として、電気メモリー材料(ここではポリイミ
ドLB膜4層)が低抵抗(オン)状態に変化する様に図
5に示した様なパルス電圧を印加した。次に、第2の記
録点132を得るために、一旦プローブ電極と記録層と
の距離を離してプローブ電極を別の場所に移動した後、
記録層との距離を近付けて、記録層がオン状態を示すよ
うにパルス電圧を印加した。
【0057】次に、前記記録点131及び132の読み
出しを行った。先ず、プローブ電極を一度記録層より離
した後、再び記録層に接近させ、上記した方法により記
録点131の位置へプローブ電極を移動した。この記録
点においては、10nA程度の電流が流れ、オン状態と
なっていることが判明した。記録点132についても同
様であった。また、記録点をオフ状態にする方法として
は、オン状態にする時と同様にプローブ電極−媒体電極
間に図6に示したパルス電圧を印加すればよい。
【0058】この様に、本発明第2の製造方法によりト
ラックが形成された本実施例の記録媒体はSTMを利用
した記録再生装置の記録媒体として用いることができ、
ランダムアクセスが可能なことが確認できた。
【0059】実施例7 本実施例では実施例6で用いた電子ビームの代わりに集
束イオンビームを用いて同様な記録媒体を作製した。媒
体電極としては、実施例6と同様にマイカ上に抵抗加熱
蒸着により堆積した原子オーダーで平滑なAu結晶を用
いた。電子ビーム走査装置の代わりに、ガリウム(G
a)の液体金属イオン源を搭載した集束イオンビーム走
査装置を用いた。エッチングガス(Cl2 )を装置内部
へ導入し、ノズルにより媒体電極表面に吹き付けなが
ら、40keVに加速したGa+ イオンビームを照射し
た。その結果、Ga+ イオンビームが照射された領域の
みエッチングが進行し、トラックを形成することが出来
た。集束イオンビームは、そのビーム径を集束電子ビー
ムより小さくすることは困難であるが、レジスト描画
(感光)等では照射量が少なくて良いという結果が得ら
れている。本エッチングに於ても、同様の深さのトラッ
ク溝を形成するのに要する照射量は電子ビームより2桁
以上少なくて良い結果が得られた。
【0060】実施例8 実施例7において、液体金属イオン源としてAu−Si
−Beの共晶合金を用い、集束イオンビーム走査装置に
搭載されている質量分離器により、Siイオンのみを取
り出し集束、照射することによりエッチングしてトラッ
クを形成した。またAuイオン、Beイオンでもほぼ同
様の結果が得られた。集束イオンビーム装置は、通常軽
イオン種ほど、また加速電圧が高いほどビーム径を小さ
く集束されることが可能である。本エッチングに於て
も、ビーム径が小さいほど得られたエッチング溝の幅が
狭く、記録密度を向上させるのに有効であった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明第1の記録
媒体では、トラックの幅を記録媒体のアドレスとして使
用することにより、極めて単純な構成の高密度記録媒体
に於いてランダムアクセスが可能であり、任意のアドレ
スまで最短距離でアクセスすることができるため、情報
の高速処理可能な記録媒体となった。
【0062】また、本発明第2の記録媒体製造方法で
は、記録媒体のトラック形成に電子ビーム等によるエッ
チングを適用することにより、従来のフォトリソエッチ
ング法と比較して記録媒体表面を有機物等で汚染するこ
とがなく、原子オーダーで清浄な表面を保つことが可能
となるためにビットサイズの小型化やエラービットの低
減に繋がる効果がある。また、レジストプロセスが不要
となり、従来技術と比較して製造工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の記録媒体の断面図の例である。
【図2】本発明第1の記録媒体のトラックパターンの一
例である。
【図3】本発明による記録媒体に対して情報の記録再生
実験を行ったSTMを応用した記録再生装置のブロック
構成図である。
【図4】プローブ電極と記録層表面との距離と、流れる
電流の関係を示す図である。
【図5】本発明による記録媒体に対して記録を行う際に
加えるパルス信号波形である。
【図6】本発明による記録媒体に対して記録の消去を行
う際に加えるパルス信号波形である。
【図7】本発明第1の記録媒体における記録点を示す図
である。
【図8】本発明第1の記録媒体における記録点を示す図
である。
【図9】本発明第1の記録媒体における記録点を示す図
である。
【図10】本発明第1の記録媒体における記録点を示す
図である。
【図11】本発明第2の記録媒体製造方法を実施したエ
ッチングガス導入機構を有する電子ビーム走査装置及び
媒体電極近傍におけるエッチングの様子の模式図であ
る。
【図12】本発明第2により形成したトラック付き記録
媒体の平面図と、STMのプローブ電極と記録媒体基板
との関係の模式図である。
【図13】本発明第2により形成した記録媒体のトラッ
クと記録点との位置関係を示した図である。
【符号の説明】
1 基板 2 基板電極 3 記録層 4 凹凸形状(トラック) 5 導電性の異なる部位 21 記録領域 301 記録媒体 302 XYステージ 303 プローブ電流増幅器 304 サーボ回路 305 Z方向微動制御機構 306 パルス電源 307 プローブ電極 308 XY走査駆動回路 309 XY方向微動制御機構 310 粗動機構 311 粗動駆動回路 312 マイクロコンピューター 313 表示装置 71 第1の記録点 81 第2の記録点 91 第1の記録点 101 第2の記録点 110 電子銃 111 電子銃室を排気するための真空ポート 112 引き出し電極、集束レンズ、偏向電極等を有す
る鏡筒 113 真空チャンバー 114 試料ステージ 115 記録媒体基板 116 媒体基板 117 媒体電極 118 エッチングガス導入管 119 真空チャンバーを排気するための真空ポート 120 電子ビーム 121 トラック 122 記録層 123 記録再生領域 131 第1の記録点 132 第2の記録点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 信男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松田 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流を検知して情報の記録再生
    を行う情報処理装置に用いられる記録媒体において、少
    なくとも、互いに平行かつその幅が予め定められた数列
    からなる直線状トラックの第1の集合と、該直線状トラ
    ックの第1の集合と交差し、互いに平行かつその幅が予
    め定められた数列からなる直線状トラックの第2の集合
    を有することを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記予め定められた各々の数列の中の各
    値が、互いに少なくとも0.1μm以上の差を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記予め定められた数列が単調に増加す
    る数列であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記予め定められた数列が無秩序な数列
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記トラックが記録媒体の基板に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    の記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記トラックを、電子ビームを照射した
    ときに照射面に付加されるコンタミで形成することを特
    徴とする請求項5に記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記トラックが記録媒体の基板電極に形
    成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに
    記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記トラックを、集束化イオンビーム法
    により形成したことを特徴とする請求項7に記載の記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 前記基板電極が貴金属であることを特徴
    とする請求項7に記載の記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれかに記載の記録媒
    体において、該記録媒体の基板電極が記録層であること
    を特徴とする記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9いずれかに記載の記録媒
    体の記録層として、電気メモリー効果を有する記録層を
    設けたことを特徴とする記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記記録層が、有機化合物の単分子膜
    又は該単分子膜を累積した累積膜を有することを特徴と
    する請求項11に記載の記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記単分子膜又は累積膜を、LB法に
    より成膜したことを特徴とする請求項12に記載の記録
    媒体。
  14. 【請求項14】 前記有機化合物が、分子中にπ電子準
    位を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有することを特徴
    とする請求項12に記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】 トンネル電流を検知して情報の記録再
    生を行う情報処理装置に用いられ、平面を有する基板表
    面に凹状のトラックを形成している記録媒体の製造方法
    において、 真空容器内に前記基板を設置し、電子ビーム照射するこ
    とによりその基板をエッチングすることが可能なガスを
    その真空容器内に導入し、前記基板表面に電子ビームを
    照射することにより表面をエッチングして前記凹状のト
    ラックを形成することを特徴とする記録媒体製造方法。
  16. 【請求項16】 直径が10μm以下に集束された電子
    ビームを用いることを特徴とする請求項15に記載の記
    録媒体製造方法。
  17. 【請求項17】 電子ビームを前記基板表面の任意の箇
    所に走査することにより、その箇所にのみ選択的にエッ
    チングすることを特徴とする請求項15又は16に記載
    の記録媒体製造方法。
  18. 【請求項18】 前記凹状のトラックの深さを、電子ビ
    ームを照射する時間により制御することを特徴とする請
    求項15〜17いずれかに記載の記録媒体製造方法。
  19. 【請求項19】 前記凹状のトラックの深さを、照射す
    る電子ビームの電流値により制御することを特徴とする
    請求項15〜17いずれかに記載の記録媒体製造方法。
  20. 【請求項20】 前記凹状のトラックの深さを、基板の
    表面における導入ガスの濃度により制御することを特徴
    とする請求項15〜17いずれかに記載の記録媒体製造
    方法。
  21. 【請求項21】 基板のエッチング後の膜厚分布を、照
    射する電子ビームの走査条件により制御することを特徴
    とする請求項17に記載の記録媒体製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項15〜21いずれかに記載の記
    録媒体製造方法において、電子ビームのかわりにイオン
    ビームを用いることを特徴とする記録媒体製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項15〜21いずれかに記載の記
    録媒体製造方法において、電子ビームのかわりにレーザ
    ー光を用いることを特徴とする記録媒体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209000A (ja) * 2007-02-21 2007-08-16 Infineon Technologies Ag 所定の層の厚さ特性を有する層の製造方法

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