JP3044421B2 - 記録媒体製造方法 - Google Patents

記録媒体製造方法

Info

Publication number
JP3044421B2
JP3044421B2 JP4141923A JP14192392A JP3044421B2 JP 3044421 B2 JP3044421 B2 JP 3044421B2 JP 4141923 A JP4141923 A JP 4141923A JP 14192392 A JP14192392 A JP 14192392A JP 3044421 B2 JP3044421 B2 JP 3044421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording medium
electrode
probe
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4141923A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05314551A (ja
Inventor
芳浩 柳沢
有二 笠貫
春紀 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP4141923A priority Critical patent/JP3044421B2/ja
Publication of JPH05314551A publication Critical patent/JPH05314551A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3044421B2 publication Critical patent/JP3044421B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の技術を応用した情報処理装置に用いられる記録媒体
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリー素子の用途はコンピュー
タ及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオー
ディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなす
ものであり、その開発も活発に進んでいる。メモリー素
子に要求される性能は一般的には (1)高密度で、記録容量が大きい (2)記録・再生の応答速度が速い (3)エラーレートが小さい (4)消費電力が少ない (5)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられる。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした半
導体メモリや磁気メモリが主であったが、近年レーザー
技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーなどの有
機薄膜を用いた光メモリによる安価で高密度な記録媒体
が登場してきた。
【0004】一方、最近、導体の表面原子の電子構造を
直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後、STMと
略す)が開発され[G.Binnig et al.P
hys.Rev.Lett,49,57(198
2)]、単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能
の測定ができるようになり、しかも試料に電流による損
傷を与えずに低電力で観測できる利点も有し、さらに大
気中でも動作し、種々の材料に対して用いることができ
るため広範囲な応用が期待されている。
【0005】かかるSTMは、金属の探針(プローブ電
極)と導電性物質間に電圧を加えて1nm程度の距離ま
で近づけるとトンネル電流が流れることを利用してい
る。この電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、ト
ンネル電流を一定に保つように探針を走査することによ
り、実空間の表面構造を描くことができると同時に表面
原子の全電子雲に関する種々の情報をも読みとることが
できる。この際面内方向の分解能は0.1nm程度であ
る。従って、STMの原理を応用すれば十分に原子オー
ダー(0.数nm)での高密度記録再生を行うことが可
能である。この際の記録再生方法としては、プローブ電
極と基板電極間に局所的電界を加えることにより、基板
電極の表面形状を局所的に変化させる方法や、粒子線
(電子線、イオン線)或はX線等の高エネルギー電磁波
及び可視・紫外光等のエネルギー線を用いて適当な記録
層の表面状態を変化させて記録を行い、STMで再生す
る方法や、記録層として電圧・電流のスイッチング特性
に対してメモリ効果(電気メモリー効果)をもつ材料、
例えばπ電子系有機化合物やカルコゲン化物類の薄膜層
を用いて、記録・再生をSTMを用いて行う方法等が提
案されている。この方法によれば、記録のビットサイズ
を10nmとすれば、1012bit/cm2もの高密度
で大容量記録再生が可能である。
【0006】このような大容量高密度記録装置を用い
て、実際に多量の情報を記録・再生する為には、プロー
ブ電極のXY方向(記録媒体面内方向)の位置検出及び
補正制御(トラッキング)が必要となる。このトラック
の形成方法としては、既に記録媒体基板の原子配列を利
用して、高密度かつ高精度に行う方法が提案されている
が、原子配列の検出を極めて高精度に行う必要があるた
め、取扱上簡便とはいい難かった。
【0007】そこで、トラッキングを簡便に行うため
に、記録媒体の基板にあらかじめ凹凸を設けることによ
り案内溝(トラック)を形成し、そのトラックの凹状部
分あるいは凸状部分にプローブ電極を追従させることに
より、トラッキングを行う方法が提案されている。
【0008】係る基板上に凹型または、凸型の段差を形
成する方法としては、従来のレジストを用いたリソグラ
フィー技術を利用した金属、無機物、有機物等のエッチ
ングやリフトオフ、或いはレジストそのものを段差とし
て利用することも可能である。また、電子ビームやイオ
ンビーム等の高エネルギーの放射線を照射することによ
り基板電極や基板を加工して、これらに直接段差を形成
することも考えられる。
【0009】この、イオンビームによって電極を加工す
る方法は、一般には、集束させたビームを利用するため
に、集束イオンビーム法と呼ばれ、ビームで直接、電極
などに所定のトラックパターンの描画をするだけの工程
であるため、極めて簡便なトラック形成方法であるとい
える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の集束イオンビーム法によるトラックの形成にお
いては、イオンビームを照射した影響がイオンビームの
径の外側にも生じ、記録媒体の記録面となるところの電
極表面の平滑性を悪化させる場合があるため、記録・再
生時のビットエラーレートが増加するという問題があっ
た。
【0011】即ち、本発明の目的は、上記従来技術の問
題点に鑑みなされたものであり、記録媒体に集束イオン
ビーム法によりトラックを形成する際に生じていた記録
媒体表面のダメージを無くし、平滑性、S/N比の高い
記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は、以
下の本発明により達成される。
【0013】即ち、本発明は、トンネル電流を検知して
情報の記録再生を行う情報処理装置に用いられ基板電極
上に記録層を有する記録媒体の製造方法において、該
板電極に対して直接集束イオンビーム法でトラックを形
成した後にエッチングにより該基板電極表面を平滑化す
ることを特徴とする記録媒体の製造方法である。
【0014】上記本発明によれば、基板電極に直接集束
イオンビーム法でトラックを形成した際に生じたダメー
ジをエッチングにより除去することにより、基板表面を
平滑にすることが可能であり、プローブ電極を用いた電
気的な高密度記録再生を再現性良く行うことができる。
【0015】次に、図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0016】図1は基板電極に直接集束イオンビーム法
でトラックを形成した際に生じたダメージをエッチング
で除去する本発明の記録媒体製造方法の工程図の一例で
ある。
【0017】図1(a)に示すように、まず、基板1上
に基板電極2を形成する。
【0018】基板1は、後述する記録層5となる有機化
合物絶縁層と、トラック4が形成された基板電極2を支
持するために用いるので、表面が平滑であれば、どの様
な材料を用いても良いが、記録層5となる有機化合物絶
縁層、トラック4、基板電極2の形成法によってある程
度利用できる基板材料は限定される。
【0019】基板電極2の材料は、高い導電性を有する
ものであればよく、例えばAu,Pt,Ag,Pd,A
l,In,Sn,Pb,Wなどの金属やこれらの合金、
さらにはグラファイトやシリサイド、またさらにはIT
Oなどの導電性酸化物を始めとして数多くの材料が挙げ
られ、これらの本発明への適用が考えられる。これらの
材料を用いた基板電極2の形成法としては従来公知の薄
膜技術で十分である。但し、基板電極2の材料は表面が
記録層形成の際、絶縁性の酸化物をつくらない導電材
料、例えば貴金属やITOなどの導電性酸化物を用いる
ことが望ましく、なおかつ何れの材料を用いるにしても
その表面が平滑であることが好ましい。
【0020】次に、図1(b)に示すように、基板電極
2にトラック4となる凹型の溝をFIB法により形成す
る。
【0021】このFIB法において、イオン種は、基
電極2をエッチングできれば良く、元素としては、A
u,Si,Be等の数多くの種類を挙げることができ
る。但し、この時イオンの重量により、溝を形成する際
のドーズ量を適当に選択する必要がある。
【0022】次に、図1(c)に示すように、FIB法
により基板電極2にトラック4を形成した際に、FIB
のビーム径外の基板電極面に生じた荒れをエッチングに
よって取り除いている。このエッチングの方法として
は、ドライ・ウエットの何れでも可能であるが、本発明
においては、エッチングは、単にFIBによって生じた
表面の凹凸をならすためだけに行うので、極めて、簡単
に行うだけでよい。
【0023】最後に、図1(d)に示すように、記録層
5を、基板電極2上に形成する。
【0024】記録層5として用いる有機化合物絶縁層の
材料としては、絶縁性を示す有機材料であれば何を用い
ても良い。
【0025】有機化合物絶縁層の形成には、具体的に
は、蒸着法やクラスターイオンビーム法等の適用も可能
であるが、制御性、容易性そして再現性から公知の従来
技術の中ではLB法が極めて好適である。
【0026】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜または
その累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子
オーダーの厚みを有し、かつ大面積にわたって均一、均
質な有機超薄膜を安定に供給することができる。
【0027】LB法は分子内に親水性部位と疎水性部位
とを有する構造の分子において、両者のバランス(両親
媒性のバランス)が適度に保たれているとき、分子は水
面上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利
用して単分子膜またはその累積膜を作成する方法であ
る。
【0028】疎水性部位を構成する基としては、一般に
広く知られている飽和及び不飽和炭化水素基や縮合多環
芳香族基及び鎖状多環フェニル基等の各種疎水基が挙げ
られる。これらは各々単独又はその複数が組み合わされ
て疎水性部位を構成する。一方、親水性部位の構成要素
として最も代表的なものは、例えばカルボキシル基、エ
ステル基、酸アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、更
にはアミノ基(1,2,3級及び4級)等の親水性基等
が挙げられる。これらも各々単独又はその複数が組み合
わされて上記分子の親水性部分を構成する。
【0029】これらの疎水性基と親水性基をバランス良
く併有し、絶縁性を有する有機分子であれば、水面上で
単分子膜を形成することが可能であり、本発明に対して
極めて好適な材料となる。
【0030】本発明で用いる記録層としては、さらに特
開昭63−161552及び63−161553に於い
て開示したような、電流−電圧特性に於いてメモリース
イッチング現象(電気メモリー効果)を有する材料、例
えば、π電子準位をもつ群とσ電子準位を持つ群とを有
する分子を電極上に積層した有機単分子膜あるいはその
累積膜を用いることが可能となる。
【0031】一般に有機材料のほとんどは絶縁性もしく
は半絶縁性を示すことから、本発明に適用可能なπ電子
準位を持つ群を有する有機材料は著しく多岐にわたる。
【0032】本発明に好適なπ電子系を有する色素の構
造として、例えば、フタロシアニン、テトラフェニルポ
ルフィリン等のポルフィリン骨格を有する色素、スクア
リリウム基及びクロコニックメチン基を結合鎖として持
つアズレン系色素及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベ
ンゾオキサゾール等の2個の含窒素複素環をスクアリリ
ウム基及びクロコニックメチン基により結合したシアニ
ン系類似の色素、またはシアニン色素、アントラセン及
びピレン等の縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化
合物が重合した鎖状化合物及びジアセチレン基の重合
体、さらにはテトラシアノキノジメタンまたはテトラチ
アフルバレンの誘導体およびその類縁体およびその電荷
移動錯体、またさらにはフェロセン、トリスビピリジン
ルテニウム錯体等の金属錯体化合物が挙げられる。
【0033】また本発明で用いる記録層に好適な高分子
材料としては、例えばポリアクリル酸誘導体等の付加重
合体、ポリイミド等の縮合重合体、ナイロン等の開環重
合体、バクテリオロドプシン等の生体高分子が挙げられ
る。
【0034】上述の、本発明で用いられる記録層として
極めて好適な材料の具体例としては、例えば下記のよう
な分子等が挙げられる。 <有機材料> [I]クロコニックメチン色素
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】 ここでR1は前述のσ電子準位をもつ群に相当したもの
で、しかも水面上で単分子膜を形成し易くするために導
入された長鎖アルキル基で、その炭素数nは5≦n≦3
0が好適である。 [II]スクアリリウム色素 [I]で挙げた化合物のクロコニックメチン基を下記の
構造を持つスクアリリウム基で置き換えた化合物。
【0037】
【化3】 [III]ポルフィリン系色素化合物
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】 Rは単分子膜を形成しやすくするために導入されたもの
で、ここで挙げた置換基に限るものではない。又、R1
〜R4,Rは前述したσ電子準位をもつ群に相当してい
る。 [IV]縮合多環芳香族化合物
【0041】
【化7】 [V]ジアセチレン化合物
【0042】
【化8】 Xは親水基で一般的には−COOHが用いられるが−O
H,−CONH2等も使用できる。 [VI]その他
【0043】
【化9】 <有機高分子材料> [I]付加重合体
【0044】
【化10】 [II]縮合重合体
【0045】
【化11】 [III]開環重合体
【0046】
【化12】 前記化学式中、R1は水面上で単分子膜を形成し易くす
るために導入された長鎖アルキル基で、その炭素数nは
5≦n≦30が好適である。
【0047】また、R5は短鎖アルキル基であり、炭素
数nは1≦n≦4が好適である。重合度mは100≦m
≦5000が好適である。
【0048】以上、具体例として挙げた化合物は基本構
造のみであり、これら化合物の種々の置換体も本発明に
於いて好適である。
【0049】尚、上記以外でもLB法に適している有機
材料、有機高分子材料であれば、本発明に好適であり、
例えば近年研究が盛んになりつつある生体材料(例えば
バクテリオロドプシンやチトクロームC)や合成ポリペ
プチド(PBLG)等も適用が可能である。
【0050】これらのπ電子準位を有する化合物の電気
メモリー効果は数10μm以下の膜厚のもので観測され
ているが、記録・再生時にプローブ電極と基板電極間に
流れるトンネル電流を用いるため、プローブ電極と基板
電極間にトンネル電流が流れるよう両者間の距離を近づ
けなければならないので、本発明の記録層と有機化合物
絶縁層を加えた膜厚は、好ましくは0.数nm以上10
nm以下、より好ましくは、0.数nm以上3nm以下
である。
【0051】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。
【0052】実施例1 本実施例は図1に示したような製造方法により記録媒体
を作製し、情報の記録・再生・消去の実験を行ったもの
である。
【0053】まず、光学研磨したガラス基板(基板1)
を中性洗剤およびトリクレンを用いて洗浄した後、蒸着
法によりCrを5nm、Auを100nm順次積層し
た。
【0054】次に、この基板1上にAu側から集束イオ
ンビーム照射装置を用いてイオン・ビームを照射して、
トラック4となる溝を形成した。この時のイオン・ビー
ムの描画条件は、加速電圧40kV、イオン電流30p
A、ドーズ量5.0×1011ions/cmで行い、
1.0mm×0.5mmの領域に2.0μmピッチで幅
約0.5μmの溝を形成した。
【0055】次に、この基板電極上の荒れをウエットエ
ッチングを行って取り除いた。この時の条件は、I2
0.025Nで、KIが0.25Nである水溶液を用
い、1秒間行った。この基板電極の表面をSTMで観察
したところ、荒れは除去され、平滑性は、全体的に通常
の蒸着面程度に回復した。
【0056】最後に、記録層となるポリイミドLB膜を
形成した。以下に、このLB膜の成膜方法を示す。
【0057】ポリアミック酸(以下PAと略す)を繰り
返し単位濃度1.0mol/lで溶かしたジメチルアセ
トアミドとベンゼンの混合溶液を、20℃の純水上に展
開し、水面から溶媒を蒸発除去させた後、その表面圧を
25mN/mに高めて水面上単分子膜を形成させた。次
に、この表面圧を一定に保持したまま、前記基板を水面
に横切るように速度5mm/分で静かに浸漬し、更に引
き上げて2層のY形単分子膜の累積を行った。次に、係
る基板を300℃で10分間熱処理する事によりPA累
積膜をイミド化してポリイミド(以下PIと略す)薄膜
を形成し、記録層とした。
【0058】以上の様な方法により作製したすべての記
録媒体に対して、図2に示した記録・再生装置を用いて
記録・再生・消去の実験を行った。
【0059】図2中、41は記録媒体に電圧を印加する
ためのプローブ電極であり、このプローブ電極41から
記録層5に電圧を印加することによって記録・再生を行
う。
【0060】記録媒体は、XYステージ42上に載置さ
れる。このXYステージ42により、記録媒体上で記録
・再生を行う、大まかな場所が設定される。43はプロ
ーブ電流増幅器で、44は、プローブ電極の記録媒体か
らの高さが一定になるように圧電素子を用いたZ方向微
動制御機構45を制御するサーボ回路である。46はプ
ローブ電極41と基板電極2との間に記録・消去用のパ
ルス電圧を印加するための電源である。なお、パルス電
圧を印加するときに、プローブ電流が急激に変化するた
めサーボ回路44は、その間出力電圧が一定になるよう
に、HOLD回路をONにするように制御している。
【0061】47は、プローブ電極41を、48のXY
方向微動制御機構を用いてXY方向に移動制御するため
のXY走査駆動回路である。49の粗動機構と50の粗
動駆動回路は、あらかじめ10-9A程度のプローブ電流
が得られるようにプローブ電極41と記録媒体との距離
を粗動制御したり、プローブ電極41と基板1とのXY
方向相対変位を大きくとる(微動制御機構の範囲外)の
に用いられる。
【0062】これらの各機器は、全てマイクロコンピュ
ータ51により中央制御されている。また52は表示装
置を表している。
【0063】本実施例では、プローブ電極41として、
電界研磨法によって作製した白金/ロジウム製のプロー
ブ電極を用いた。
【0064】プローブ電極41の材料は、導電性を示す
ものであれば何を用いてもよく、例えばPt,Pt−I
r,W,Au,Ag等が挙げられる。またプローブ電極
の先端は、記録・再生・消去の分解能を上げるためでき
るだけ尖らせる必要があるがその作成方法及び形状は、
本実施例に限定されない。
【0065】また、プローブ電極の本数も一本に限る必
要はなく、位置検出用と記録・再生用とを分ける等、複
数のプローブ電極を用いても良い。
【0066】また、本装置の圧電素子を用いた移動制御
における機械的性能を下記に示す。
【0067】 Z方向微動制御範囲 :0.1nm〜1μm Z方向粗動制御範囲 :10nm〜10mm XY方向走査範囲 :0.1nm〜1μm XY方向粗動制御範囲:10nm〜10mm 計測、制御許容誤差 :<0.1nm (微動制御
時) 計測、制御許容誤差 :<1nm (粗動制御
時) 本装置において、プローブ電極41と記録層5の距離
(Z)は、サーボ回路44からZ方向微動制御機構45
に適度な電圧を与えることにより制御し、さらにこの機
能を保持したまま、プローブ電極41が面内(X,Y)
方向にも移動制御できるようにXY方向微動制御機構4
8をXY走査駆動回路47によって制御している。ま
た、記録媒体は高精度のXYステージ42の上に置か
れ、任意の位置に移動させることができる。よって、こ
れらの移動制御機構によりプローブ電極41で記録媒体
の任意の位置で記録・再生及び消去を行うことができ
る。
【0068】前述したPI2層を累積した記録層5を持
つ記録媒体を記録・再生装置にセットした。この時、ト
ラックの長さ方向と記録・再生装置のY方向がほぼ平行
となる様に設置した。次に、記録媒体の基板電極2に対
してプローブ電極41に−1.0Vの電圧を印加し、記
録層5に流れる電流をモニターしながらプローブ電極4
1と基板電極2との距離(Z)を調整した。その後、Z
方向微動制御機構45を制御してプローブ電極41と記
録層5の表面までの距離を変えていくと、図3に示すよ
うな電流特性が得られた。なお、プローブ電流及び、プ
ローブ電圧を変化させることでプローブ電極41と記録
層5の表面との距離(Z)を調整することができるが、
距離(Z)を適当な値で一定に保持するためには、プロ
ーブ電流IPが10-7A≧IP≧10-12A、好適には1
-8A≧IP≧10-10Aになるようにプローブ電圧を調
整する必要がある。ここではプローブ電圧を0.5Vと
し、プローブ電流IPを10-9A(図3のb領域に相当
する。)に設定して、プローブ電極41と記録層5の表
面までの距離(Z)を制御した。次にこの距離(Z)を
一定に保ちながら、プローブ電極41をX方向、即ちト
ラック4を横切る方向に走査させ、記録媒体にトラック
が形成されていることを確認した後、プローブ電極41
を任意の隣合う2本のトラックの間(記録面)で保持し
た。
【0069】次に、プローブ電極41をトラック4にそ
って走査させながら、10nmピッチで情報の記録を行
った。トラッキングは、サーボ回路44の出力電圧を一
定(HOLD回路ON)でも、サーボ回路44を動作さ
せたまま(HOLD回路OFF)でも行うことができ
る。この時トラックの検出は、サーボ回路44の出力電
圧を一定にした場合(HOLD回路ON)は、プローブ
電流が測定限界までの減少、サーボ回路44を動作させ
たまま(HOLD回路OFF)の場合は、サーボ回路の
出力電圧の変化として、0.1Vの減少をもってトラッ
クと認識した。かかる情報の記録は、図4に示すような
波形を有するしきい値電圧VthON以上のパルス電圧
(Vmax=−15V)を印加して、ON状態を書き込ん
だ。なお、パルス電圧を印加する際は、サーボ回路44
の出力電圧を一定にしている。書き込まれた情報は、書
き込みの際と同じ条件でプローブ電極41と記録層5の
表面までの距離を制御した後、サーボ回路44の出力を
一定に保持したままで、プローブ電極41を走査し、O
N状態領域とOFF状態領域とのプローブ電流の変化で
直接読みとるか、または、サーボ回路44を動作させた
まま(HOLD回路OFF)プローブ電極41を走査し
て、ON状態領域とOFF状態領域とでのサーボ回路4
4の出力電圧の変化で読みとることができる。本実施例
では、ON状態領域でのプローブ電流が記録前(または
OFF状態領域)と比較して3桁以上変化していたこと
を確認した。
【0070】更に書き込みの際と同じ条件でプローブ電
極41と記録層5の表面までの距離を制御した後サーボ
回路44の出力を一定に保持し、プローブ電圧をVth
FF以上の8Vに設定して、再びプローブ電極41を走
査して記録位置に図5に示すような波形を有するパルス
電圧を印加した結果、全ての記録状態が消去され、OF
F状態に遷移したことも確認した。以上の再生実験に於
いて、ビットエラーレートは3×10-6程度であった。
【0071】実施例2 本実施例は、実施例1の他の態様を示すものである。
【0072】実施例1に対して、FIBによって生じた
基板電極上の荒れを取り除く際に、ドライエッチングに
よって行った以外は、同様に形成した記録媒体に対して
実施例3と同様の記録・再生・消去の実験を行った。そ
の結果、ビットエラーレートは3×10-6であり、消去
も可能であった。この時のドライエッチングの条件は、
使用ガスとして、CF4を用いて、圧力4Pa、パワー
デンシティー470W/cm2、エッチングレート6.
5nm/minで行った。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による記録
媒体では、集束イオンビーム法でトラックを形成する際
に生じていたダメージの除去をして、記録媒体表面の平
滑性を高めることにより、情報の記録再生時においてS
/N比が高く、ビットエラーレートが非常に小さい信頼
性の高い記録媒体となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体の製造方法の工程図の一例で
ある。
【図2】本発明の記録媒体に対して情報の記録再生の実
験を行った記録・再生装置のブロック構成図である。
【図3】プローブ電極と記録層表面との距離と、流れる
電流の関係を示す図である。
【図4】本発明の記録媒体に対して記録を行う際に加え
るパルス信号波形である。
【図5】本発明の記録媒体に対して記録の消去を行う際
に加えるパルス信号波形である。
【符号の説明】
1 基板 2 基板電極 4 トラック 5 記録層 41 プローブ電極 42 XYステージ 43 プローブ電流増幅器 44 サーボ回路 45 Z方向微動制御機構 46 パルス電源 47 XY走査駆動回路 48 XY方向微動制御機構 49 粗動機構 50 粗動駆動回路 51 マイクロコンピューター 52 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−1947(JP,A) 特開 昭60−57935(JP,A) 特開 平4−97521(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14 H01L 21/302

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル電流を検知して情報の記録再生
    を行う情報処理装置に用いられ基板電極上に記録層を有
    する記録媒体の製造方法において、該基板電極に対して
    直接集束イオンビーム法でトラックを形成した後、エッ
    チングにより該基板電極表面を平滑化することを特徴と
    する記録媒体製造方法。
  2. 【請求項2】 前記記録層として、電気メモリー効果を
    有する記録層を設けることを特徴とする請求項1に記載
    の記録媒体製造方法。
  3. 【請求項3】 前記記録層が、有機化合物の単分子膜又
    は該単分子膜を累積した累積膜を有することを特徴とす
    請求項2に記載の記録媒体製造方法。
  4. 【請求項4】 前記単分子膜又は累積膜を、LB法によ
    り成膜することを特徴とする請求項3に記載の記録媒体
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機化合物が、分子中にπ電子準位
    を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有することを特徴と
    する請求項3に記載の記録媒体製造方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチングが、ウエットエッチング
    或いはドライエッチングであることを特徴とする請求項
    に記載の記録媒体製造方法。
JP4141923A 1992-05-08 1992-05-08 記録媒体製造方法 Expired - Fee Related JP3044421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4141923A JP3044421B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 記録媒体製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4141923A JP3044421B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 記録媒体製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05314551A JPH05314551A (ja) 1993-11-26
JP3044421B2 true JP3044421B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=15303304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4141923A Expired - Fee Related JP3044421B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 記録媒体製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3044421B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102409151B (zh) * 2011-11-29 2013-12-18 中国重汽集团济南动力有限公司 汽车驱动桥内齿圈热处理工艺

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100679604B1 (ko) * 2006-01-20 2007-02-06 삼성전자주식회사 정보 처리 장치의 제조 방법
FR2925748B1 (fr) * 2007-12-21 2010-01-29 Commissariat Energie Atomique Support de stockage de donnees et procede associe

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102409151B (zh) * 2011-11-29 2013-12-18 中国重汽集团济南动力有限公司 汽车驱动桥内齿圈热处理工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05314551A (ja) 1993-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2794348B2 (ja) 記録媒体、その製造方法、情報処理装置
JP2859715B2 (ja) 記録媒体用基板及びその製造方法、記録媒体、記録方法、記録再生方法、記録装置、記録再生装置
EP0551964B1 (en) Recording and reproducing device
JP2981804B2 (ja) 情報処理装置、それに用いる電極基板、及び情報記録媒体
JPH05282717A (ja) 記録媒体の製造方法、及び記録媒体、及び情報処理装置
EP0553938B1 (en) Recording and reproducing device
JP3044421B2 (ja) 記録媒体製造方法
JP3220914B2 (ja) 記録媒体製造方法
JP2981789B2 (ja) 記録媒体及び情報処理装置
JP3054895B2 (ja) 記録媒体
JP2926522B2 (ja) 記録媒体及びその製造方法と情報処理装置
JP2936290B2 (ja) 記録媒体の製造方法、記録媒体及びこれを備えた情報処理装置
JP3261539B2 (ja) 電極基板の製造方法
JP2981786B2 (ja) 記録媒体、およびそれを用いて記録、再生、消去を行う情報処理装置
JP2961451B2 (ja) 平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置
JP2992908B2 (ja) 基板電極の製造方法、記録媒体の製造方法
JP2872662B2 (ja) 記録媒体及びその消去方法
JP2866165B2 (ja) 記録媒体およびその製造方法、情報処理方法、情報処理装置
JP3086988B2 (ja) 情報処理装置
JP2932220B2 (ja) 記録媒体製造方法
JP2782275B2 (ja) 電極基板及び記録媒体の製造方法
JP2859652B2 (ja) 記録・再生方法及び記録・再生装置
JPH04117642A (ja) 記録媒体、その製造方法及び該記録媒体を用いた記録再生装置、記録装置、再生装置
JPH03295043A (ja) 記録媒体
JPH0291836A (ja) 記録・再生装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000208

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees