JP2872662B2 - 記録媒体及びその消去方法 - Google Patents

記録媒体及びその消去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡の原理を用いた超高密度メモリーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリー素子の用途はコンピュー
タ及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオー
ディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなす
ものであり、その開発も活発に進んでいる。メモリー素
子に要求される性能は一般的には (1)高密度で、記録容量が大きい (2)記録・再生の応答速度が速い (3)エラーレートが小さい (4)消費電力が少ない (5)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられる。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした磁
気メモリー、半導体メモリーが主流であったが、近年レ
ーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーな
どの有機薄膜を用いた安価で高密度な記録媒体を用いた
光メモリー素子などが登場してきた。
【0004】一方、最近導体の表面原子の電子構造を直
接観測できる走査型トンネル顕微鏡(以下「STM」と
記す)が開発され(ジー・ビーニッヒら,フェルベティ
カフィジィカ アクタ,55,726(198
2).)、単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解
能の測定ができるようになり、しかも媒体に電流による
損傷を与えずに低電力で観測できる利点をも有し、更に
大気中でも動作させることが可能であるため広範囲な応
用が期待されている。
【0005】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより実空間
の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電
子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。こ
の際面内方向の分解能は1オングストローム程度であ
る。従って、STMの原理を応用すれば十分に原子オー
ダー(数オングストローム)での高密度記録再生を行な
うことが可能である。この際の記録再生方法としては、
粒子線(電子線、イオン線)或はX線等の高エネルギー
電磁波及び可視・紫外光等のエネルギー線を用いて適当
な記録層の表面状態を変化させて記録を行ない、STM
で再生する方法が提案されている。
【0006】また、記録層として電圧電流のスイッチン
グ特性に対してメモリ効果をもつ材料、例えばπ電子系
有機化合物やカルコゲン化物類の薄膜層を用いて、記録
・再生をSTMを用いて行なう方法等が提案されている
(特開昭63−161552)。この方式の場合、電気
メモリー効果を持つ記録層に、STMのプローブ電極か
ら直接電圧を印加することによって理想的には記録層を
原子オーダーの大きさでスイッチングさせて記録を行う
わけであり、光記録に比べてもはるかに高密度な記録及
び再生が可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記電気メモリー効果
の技術を用いて実際に記録及び再生を行った後、記録し
た部分を消去するには、記録したビットにプローブ電極
をアクセスし、1ビットずつ元の状態にスイッチングさ
せて消去する方法をとらなければならず、例えば記録層
全面或いはセクタ単位での消去等、広範囲にわたる消去
を行う場合膨大な時間が必要となり高速応答が困難にな
るという問題点があった。また、係る状況において電圧
値や記録媒体・プローブ電極間距離など、高い制御性が
要求される。最適条件からのずれは、消去不十分を引き
起こす。従って、高い制御性を必要とせず、容易に、多
数ビットを同時に消去可能とする記録媒体及び消去方法
が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プローブ電極
により素子に流れる電流を検出する情報処理装置に用い
る記録媒体であって、プローブ電極と対向配置する基板
電極上に、有機化合物の単分子膜又は該単分子膜を累積
した累積膜からなり電気メモリー効果を有する記録層を
設け、該記録層上に光導電性薄膜を積層したことを特徴
とする記録媒体を提供するものである。
【0009】また本発明は、上記記録媒体と該記録媒体
に対向配置するプローブ電極を用いて、基板電極とプロ
ーブ電極との間に電圧を印加することにより電気特性を
変化させて記録した記録領域に対して光照射を行うこと
によって光導電性薄膜の導電性を一時的に高め、該薄膜
と該基板電極間に電圧を印加することにより記録の消去
を行うことを特徴とする消去方法を提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0011】図3に本発明の記録媒体の第一の構成例を
示す。図3中、601は基板、602は基板上に設けた
基板電極、603は電気メモリー効果を持つ有機化合物
からなる記録層、604は本発明で特徴的な光導電性薄
膜を表わしており、光照射によって高導電性を示す材料
でできている。また、図3では、基板601上に基板電
極602を設けたが、基板自身が導電性を有するもので
あれば、基板そのものが基板電極を兼ねることができ
る。
【0012】本記録媒体を用いた記録・再生・消去の基
本原理を説明する。先ず、記録・再生については、本発
明者等が提案した方法(特開昭63−161552号)
と全く同じ方法である。つまり、プローブ電極と基板電
極間にトンネル電流が流れる程度までプローブ電極を記
録媒体に接近させた後、プローブ電極から記録層に記録
用電圧を印加することによって記録層の電気特性を変化
させて情報ビットを書き込む。記録層に所望の情報を記
録した後、プローブ電極をトンネル電流が流れる程度ま
で接近させたまま再生用電圧をプローブ電極に印加し、
プローブ電極を記録媒体表面上を走査させることによっ
て記録ビット部の電気特性の変化をプローブ電極による
検出電流の変化を読み出すことで再生を行う。
【0013】次に、消去方法について、図4を用いて説
明する。前述のようにして記録層603に情報を記録し
た後、消去したい記録ビット部上の光導電性薄膜604
(図4では全面を示している)に、光照射を行う。この
時、光導電性薄膜604の導電性が一時的に高まり、見
かけ上、光照射した消去したい部分の記録層だけを一対
の電極でサンドイッチした構成になる。ここで光照射と
同時に、消去用電源701から光導電性薄膜604と基
板電極602の間に消去用電圧を印加すると、光照射部
の所の記録層にのみ消去用電圧が印加され、光照射領域
の記録ビット全体の消去が行われる。即ち、消去したい
領域への光照射と消去用電圧印加により、所望領域の多
数ビットを同時にかつ容易に消去することができる。
尚、図4の例では、消去用電圧印加のために消去用電源
701を光導電性薄膜604と基板電極602の間に別
に設けて接続しているが、これに限ることはなく、例え
ば、プローブ電極から光導電性薄膜604を通して消去
用電圧を印加する方法を採っても構わない。
【0014】本発明で用いる記録層としては、電流−電
圧特性においてメモリースイッチング現象(電気メモリ
ー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ群と
σ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に積
層した有機単分子膜或いはその累積膜を用いることが可
能となる。電気メモリー効果は前記の有機単分子膜、そ
の累積膜等の薄膜を一対の電極間に配置させた状態でそ
れぞれ異なる2つ以上の導電率を示す状態(図10:O
N状態、OFF状態)へ遷移させることが可能な閾値を
越えた電圧を印加することにより可逆的に低抵抗状態
(ON状態)および高抵抗状態(OFF状態)へ遷移
(スイッチング)させることができる。またそれぞれの
状態は電圧を印加しなくとも保持(メモリー)しておく
ことができる。ただし、本発明の1つの特徴である消去
方法の点から鑑み、記録層材料として、光導電性を有す
る材料は適さない。
【0015】一般に有機材料のほとんどは絶縁性もしく
は半絶縁性を示すことから係る本発明において、適用可
能なπ電子準位を持つ群を有し、光導電性を持たない有
機材料は著しく多岐にわたる。
【0016】また、記録層の形成に関しては、具体的に
は蒸着法やクラスターイオンビーム法等の適用も可能で
あるが、制御性、容易性そして再現性から公知の従来技
術の中ではLB法が極めて好適である。
【0017】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜又はそ
の累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子オ
ーダーの厚みを有し、且つ大面積にわたって均一、均質
な有機超薄膜を安定に供給することができる。
【0018】LB法は分子内に親水性部位と疎水性部位
とを有する構造の分子において、両者のバランス(両親
媒性のバランス)が適度に保たれているとき、分子は水
面上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利
用して単分子膜又はその累積膜を作成する方法である。
【0019】以上の点より、具体例として例えば、有機
材料としてクロコニックメチン色素や、有機高分子材料
として縮合重合体であるポリイミド等の材料が挙げられ
る。また、これら化合物の種々の置換体も本発明におい
て好適であることは言うにおよばない。
【0020】尚、上記以外でもLB法に適している有機
材料、有機高分子材料であれば、本発明に好適なのは言
うまでもない。例えば近年研究が盛んになりつつある生
体材料(例えばバクテリオロドプシンやチトクローム
C)等も適用が可能である。
【0021】本発明に用いられる光導電性薄膜の形態
は、記録・再生時にプローブ電極と基板電極間にトンネ
ル電流を流さなければならないため、トンネル電流が流
れる程度に充分に薄く、且つ均一である必要がある。ま
た、光導電性薄膜の材料としては、光導電性材料として
代表的なSi、或いはGaAs、或いはCdSe,Cd
S,ZnSなどの無機半導体材料の他、種類が豊富で材
料設計の自由度の高い光導電性有機化合物などの適用が
可能である。また、形成方法に関しても、通常の蒸着法
や分子線エピタキシー法、スパッタ法、塗布法などの従
来公知の薄膜形成手段によって本発明の目的を達成する
ことができる。
【0022】しかし、本発明の好適な態様においては、
係る薄膜は親水性部位と疎水性部位とを併有し、且つ光
導電性を示す有機分子からなる単分子膜又は単分子累積
膜によって構成される。係る単分子膜又は単分子累積膜
は、高度の秩序性を有し、均一で欠陥の無い超薄膜を簡
易に形成し得る点で本発明の適用に極めて好都合であ
る。有機分子として具体的には、親水性部位と疎水性部
位を併有した従来公知の有機色素分子がある。好適な色
素としては、例えば、シアニン色素、メロシアニン色
素、フタロシアニン色素、トリフェニルメタン色素、ア
ズレン色素等が挙げられる。また、クロロフィル、ロー
ダミン、チトクローム等の供給素タンパク質等の生体材
料の適用も可能である。
【0023】さらに、係る光導電性有機薄膜層を形成す
る好適な方法として、前述したLB法を挙げることがで
きる。前述のように、トンネル電流の収量を大きくする
ために時として膜厚が数10オングストローム以下で、
且つ均一であることが要求される場合があるが、LB法
であれば係る形態を容易に実現し得る。
【0024】尚、本発明における記録層及び光導電性薄
膜の膜厚であるが、記録層に用いる、π電子準位を有す
る化合物の電気メモリー効果は数10μm以下の膜厚の
もので観測されているが、記録・再生時にプローブ電極
と基板電極間に流れるトンネル電流を用いるため、プロ
ーブ電極と基板電極間にトンネル電流が流れるよう両者
間の距離を近づけなければならないので、本発明の記録
層と光導電性薄膜を加えた膜厚は、好ましくは数オング
ストローム以上100オングストローム以下、さらに好
ましくは、数オングストローム以上30オングストロー
ム以下である。
【0025】本発明において、上記のごとき有機材料が
積層された薄膜を支持するための基板としては、表面が
平滑であれば、どの様な材料を用いても良く、例えば、
金属、ガラス、セラミックス、プラスチックス材料等が
挙げられ、さらに、耐熱性の著しく低い生体材料も使用
できる。
【0026】本発明で用いられる基板電極の材料も高い
導電性を有するものであればよく、例えばAu,Pt,
Ag,Pd,Al,In,Sn,Pb,Wなどの金属や
これらの合金、さらにはグラファイトやシリサイド、ま
たさらにはITOなどの導電性酸化物を始めとして数多
くの材料が挙げられ、これらの本発明への適用が考えら
れる。係る材料を用いた電極形成法としても従来公知の
薄膜技術で十分である。但し、基板電極の材料は表面が
記録層形成の際、絶縁性の酸化物をつくらない導電材
料、例えば貴金属やITOなどの酸化物導電体を用いる
ことが望ましく、なおかつ何れの材料を用いるにしても
その表面が平滑であることが好ましい。
【0027】また、プローブ電極の材料は、導電性を示
すものであれば何を用いてもよく、例えばPt,Pt−
Ir,W,Au,Ag等が挙げられる。プローブ電極の
先端は、記録・再生・消去の分解能を上げるためできる
だけ尖らせる必要がある。本発明では、針状の導電性材
料を電解研磨法を用い先端形状を制御し、プローブ電極
を作製しているが、プローブ電極の作製方法及び形状は
何らこれに限定するものではない。
【0028】さらにはプローブ電極の本数も一本に限る
必要もなく、位置検出用と記録・再生用とを分ける等、
複数のプローブ電極を用いても良い。
【0029】次に、本発明の記録媒体及び消去方法につ
いて図5の情報処理装置ブロック図を用いて説明する。
図5中、806は記録媒体に電圧を印加するためのプロ
ーブ電極であり、このプローブ電極から記録層603に
電圧を印加することによって記録・再生を行なう。ま
た、807は光照射装置であり、この光照射装置により
消去したい部分の記録媒体に光を照射しながらプローブ
電極806から消去用電圧を印加することによって消去
を行う。
【0030】対象となる記録媒体は、XYステージ81
4上に載置される。812はバイアス電圧源およびプロ
ーブ電流増幅器で、811はプローブ電流を読み取りプ
ローブ電極の高さが一定になるように圧電素子を用いた
微動機構、809を制御するサーボ回路である。813
はプローブ電極806と基板電極602との間に記録・
消去用のパルス電圧を印加するための電源である。
【0031】パルス電圧を印加するときプローブ電流が
急激に変化するためサーボ回路811は、その間出力電
圧が一定になるように、HOLD回路をONにするよう
に制御している。
【0032】808及び810はXY方向にプローブ電
極806を移動制御するためのXY方向微動制御機構及
びXY走査駆動回路である。815と816は、あらか
じめ10-9A程度のプローブ電流が得られるようにプロ
ーブ電極806と記録媒体との距離を粗動制御したり、
プローブ電極と基板とのXY方向相対変位を大きくとる
(微動制御機構の範囲外)のに用いられる。
【0033】これらの各機器は、全てマイクロコンピュ
ータ817により中央制御されている。また818は表
示装置を表している。
【0034】また、圧電素子を用いた移動制御における
機械的性能を下記に示す。
【0035】 Z方向微動制御範囲 :0.1nm〜1μm Z方向粗動制御範囲 :10nm〜10mm XY方向走査範囲 :0.1nm〜1μm XY方向粗動制御範囲:10nm〜10mm 計測、制御許容誤差 :<0.1nm(微動制御時) 計測、制御許容誤差 :<1nm (粗動制御時)
【0036】本発明の記録媒体を用いると、記録ビット
を消去する際に、部分的或いは全体に光照射を行って、
消去したい領域の光導電性薄膜の導電性を一時的に高
め、プローブ電極から前記薄膜を通して電圧を印加して
消去するため、記録媒体の広範囲にわたる所望領域を同
時に、且つ容易に消去することが可能となる。
【0037】次に、本発明の記録媒体の第二の好ましい
構成例を図7に示す。図7中、111は基板、112は
基板上に設けた基板電極、113は電気メモリー効果を
持つ有機化合物からなる記録層、114は本発明で特徴
的な光導電性層をあらわしており、光照射によって高導
電性を示す材料でできており、あらかじめ所望の大きさ
および所望の位置に孤立して形成され、セクタとしての
機能をも果たしている。また、図7では、基板111上
に基板電極112を設けたが、基板自身が導電性を有す
るものであれば、基板そのものが基板電極をかねること
ができる。
【0038】本発明における記録・再生・消去の基本原
理を説明する。先ず、記録・再生については、先に示し
た特開昭63−161552号と全く同じ方法である。
【0039】次に、本発明の消去方法について、図8を
用いて説明する。前述のようにして記録層113に情報
を記録した後、消去したい記録ビット部上の光導電性層
114のセクタを含む領域に光照射を行う(図8では全
面を示している)。この時、光導電性層114の導電性
が一時的に高まり、見かけ上、光照射した部分の記録層
だけを一対の電極でサンドイッチした構成になる。ここ
で光照射と同時に、消去用電源115から、消去したい
光導電性層セクタと基板電極112の間に消去用電圧を
印加すると、消去したい光導電性層セクタの所の記録層
にのみ消去用電圧が印加され、この領域の記録ビット全
体の消去が行われる。すなわち、消去したいセクタを含
む領域への光照射と消去用電圧印加により、所望セクタ
の多数ビットを同時にかつ容易に消去することができ
る。尚、図8の例では、消去用電圧印加のために消去用
電源115を光導電性層114と基板電極112の間に
別に設けて接続しているが、これに限ることはなく、例
えば、プローブ電極から光導電性層114を通して消去
用電圧を印加する方法を採っても構わない。
【0040】本発明の記録媒体の第二の構成例の記録
層、光導電性層、及び当該記録媒体に係るプローブ電極
の材質、形成方法、形態は前記した本発明の記録媒体の
第一の構成例と同じである。
【0041】次に、本発明の記録媒体の第二の構成例及
び消去方法について図9の情報処理装置ブロック図を用
いて説明する。図9中、116は記録媒体に電圧を印加
するためのプローブ電極であり、このプローブ電極から
記録層113に電圧を印加することによって記録・再生
を行なう。また、117は光照射装置であり、この光照
射装置により消去したい部分の光導電性層セクタの記録
媒体に光を照射しながらプローブ電極116から消去用
電圧を印加することによって消去を行う。
【0042】対象となる記録媒体は、XYステージ12
4上に載置される。122はバイアス電圧源およびプロ
ーブ電流増幅器で、121はプローブ電流を読み取りプ
ローブ電極の高さが一定になるように圧電素子を用いた
微動機構,119を制御するサーボ回路である。123
はプローブ電極116と基板電極112との間に記録・
消去用のパルス電圧を印加するための電源である。
【0043】パルス電圧を印加するときプローブ電流が
急激に変化するためサーボ回路121は、その間出力電
流が一定になるように、HOLD回路をONにするよう
に制御している。
【0044】118および120はXY方向にプローブ
電極116を移動制御するためのXY方向微動制御機構
及びXY走査駆動回路である。125と126は、あら
かじめ10-9A程度のプローブ電流が得られるようにプ
ローブ電極115と記録媒体との距離を粗動制御した
り、プローブ電極と基板とのXY方向相対変位を大きく
とる(微動制御機構の範囲外)のに用いられる。
【0045】これらの各機器は、全てマイクロコンピュ
ータ127により中央制御されている。また128は表
示装置を表している。
【0046】また、圧電素子を用いた移動制御における
機械的性能を下記に示す。
【0047】 Z方向微動制御範囲 :0.1nm〜1μm Z方向粗動制御範囲 :10nm〜10mm XY方向走査範囲 :0.1nm〜1μmμm XY方向粗動制御範囲:10nm〜10mm 計測、制御許容誤差 :<0.1nm(微動制御時) 計測、制御許容誤差 :<1nm (粗動制御時)
【0048】本発明の記録媒体の第二の構成例による
と、記録層上に複数個の孤立した光導電性層を積層して
セクタを設けた記録媒体を用い、また、記録ビットを消
去する際に、一括消去したい孤立光導電性層(セクタ)
部分に光照射を行って、所望の部分の光導電性層の導電
性を一時的に高め、プローブ電極から前記層を通して電
圧を印加して消去するため記録媒体の広範囲にわたる所
望領域を同時に、かつ容易に消去することが可能とな
る。また、この時、光照射は消去したい孤立光導電性層
部分を含む領域に実行すれば良く、例えば記録媒体全面
への照射でも良いため、光照射位置の精密な制御は不必
要となり、より簡単に広範囲の一括消去が可能となる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。
【0050】実施例1 光学研磨したガラス基板(基板601)を中性洗剤及び
トリクレンを用いて洗浄した後、下引き層としてCrを
真空蒸着(抵抗加熱)法により厚さ30オングストロー
ム堆積させ、さらにAuを同法により1000オングス
トローム蒸着し、基板電極602を形成した。
【0051】次にSOAZを濃度0.2mg/mlで溶
かしたクロロホルム溶液を20℃の水相上に展開し、水
面上に単分子膜を形成した。溶媒の蒸発を待ち係る単分
子膜の表面圧を20mN/mまで高め、さらにこれを一
定に保ちながら前記の基板電極を形成した基板を水面に
横切るように速度5mm/分で静かに浸漬し、さらに引
き上げて、2層のY形単分子膜の累積を行ない、前記基
板電極602上に2層(厚さ30オングストローム)の
累積膜を形成して、記録層603とした。尚、このSO
AZについて光照射して光導電性を調べたが、SOAZ
は光導電性を有していなかった。
【0052】記録層形成後、光導電性薄膜604として
6層のフタロシアニン誘導体(詳しくは、tert−ブ
チル・銅フタロシアニン)単分子累積膜を記録層603
上に積層した。尚、係る単分子累積膜の作成方法の詳細
は以下の通りである。
【0053】粉末状のフタロシアニン誘導体を濃度0.
2mg/mlでクロロホルム溶液に溶かし、水温20℃
の水相上に展開し水面上に単分子膜を形成した。溶媒の
蒸発除去を待って係る単分子膜の表面圧を20mN/m
まで高め、次に表面圧を一定に保った状態下で記録層6
03及び基板電極602が積層された基板を水面を横切
る方向に速度10mm/分で静かに浸漬し、続いて5m
m/分で静かに引き上げ2層のY型単分子膜を係る基板
上に累積した。累積操作を3回繰り返すことによって、
該基板上に6層の単分子累積膜を形成した。
【0054】以上の様な方法により作成した記録媒体
に、図5に示した情報処理装置を用いて記録・再生、消
去の実験を行なった。ただし、プローブ電極806とし
て電解研磨法によって作成した白金/ロジウム製のプロ
ーブ電極を用いており、このプローブ電極806は、記
録層603に電圧を印加できるように、圧電素子によ
り、その距離(Z)が制御されている。さらに上記機能
を持ったままプローブ電極806が面内(X,Y)方向
にも移動制御できるように微動制御機構系が設計されて
いる。
【0055】また、プローブ電極806は直接記録・再
生・消去を行うことができる。また、記録媒体は高精度
のXYステージ814の上に置かれ、任意の位置に移動
させることができる。よって、この移動制御機構により
プローブ電極806で任意の位置上に記録・再生及び消
去を行なうことができる。
【0056】前述したSOAZ2層からなる記録層60
3及びtert−ブチル・銅フタロシアニン6層からな
る光導電性薄膜604を持つ記録媒体を記録・再生装置
にセットした。次に、プローブ電極806と記録媒体の
基板電極602との間に+1Vの電圧を印加し、両電極
間に流れる電流をモニターしながらプローブ電極806
と基板電極602との距離(Z)を調整した。この時、
距離Zを制御するためのプローブ電流IPを10-8A≧
P≧10-10Aになるように設定した。
【0057】次に、プローブ電極を走査させながら、1
00オングストロームピッチで情報の記録を行った。係
る情報の記録は、プローブ電極806を+側、基板電極
602を−側にして、電気メモリー材料(SOAZ−L
B膜2層)が初期の高抵抗状態(OFF状態)から低抵
抗状態(ON状態)に変化する様に、図9に示す閾値電
圧Vth-ON以上の三角波パルス電圧を印加した。その
後、プローブ電極を記録開始点に戻し、再び記録媒体上
を走査させた。その結果、記録ビットにおいては0.7
mA程度のプローブ電流が流れ、ON状態となっている
ことが示された。以上の実験により、光導電性薄膜と記
録層を積層した記録媒体においても、超高密度な記録が
可能であることがわかった。
【0058】次に、光照射装置807により、先ほど記
録を行った記録媒体にたいして、中心波長が650nm
の光を照射しながらプローブ電極から消去用電圧(波高
値10Vのパルス電圧)を印加した。その後、先ほど消
去操作を行った領域についてプローブ電極を操作させて
再生を行ったところ、先ほど記録した記録ビット全てが
ON状態からOFF状態へと戻っており、一度に全ての
記録ビットを消去できたことがわかった。
【0059】尚、上記の操作を繰り返し行っても、記録
媒体を損傷することなく記録・再生、及び一括消去を容
易に行うことができた。
【0060】実施例2 実施例1と全く同様の方法で、ガラス基板601(コー
ニング社製#7059)上に基板電極602を形成し
た。
【0061】次に、基板電極上に4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル及び無水ピロメリット酸からなるポリ
イミド(以下PIと略記する)単分子累積膜(4層)を
記録層603としてLB法により形成し、その後1,6
−ジアミノカルバゾール及び無水ピロメリット酸からな
るPI単分子累積膜(8層)を光導電性薄膜604とし
てLB法により積層し記録媒体を作成した。尚、記録層
として用いたPIの光導電性について調べたが、このP
Iは光導電性を有していなかった。
【0062】係る記録媒体を用い、実施例1と同様にし
て、記録・再生実験を行ったところ、超高密度な記録・
再生が可能であることがわかった。また、記録後、実施
例1と同じく記録領域に光照射しながら消去用電圧をプ
ローブ電極から印加することにより消去実験を行ったと
ころ、記録ビット全てを一度に消去することが可能であ
った。
【0063】実施例3 実施例2と全く同様の方法で、ガラス基板601(コー
ニング社製#7059)上に基板電極602を形成した
後、基板電極上に4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル及び無水ピロメリット酸からなるPI単分子累積膜
(4層)を記録層603としてLB法により積層した。
【0064】その後、記録層603上に、プラズマCV
D法により膜厚約50オングストロームのアモルファス
シリコン(以下、a−Si:Hと記す)からなる光導電
性薄膜604を形成して記録媒体を作成した。尚、a−
Si:H膜の形成方法を以下に示す。
【0065】先ず、記録層及び基板電極が積層された基
板をプラズマCVD装置の真空容器内にセットした。次
に、基板温度を200℃、SiH4ガスの流量を10s
ccmに設定し、圧力0.4Torrに保ちながら、R
Fパワー4.0Wでa−Si:H膜の形成を行った。
【0066】係る記録媒体を用い、実施例1と同様にし
て、記録・再生実験を行ったところ、超高密度な記録・
再生が可能であることがわかった。また、記録後、実施
例1と同じく記録領域に光照射しながら消去用電圧をプ
ローブ電極から印加することにより消去実験を行ったと
ころ、記録ビット全てを一度に消去することが可能であ
った。
【0067】即ち、本発明における記録層として、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル及び無水ピロメリッ
ト酸からなるPILB膜(4層)を、光導電性薄膜とし
てa−Si:H膜を用いても良いことがわかった。
【0068】以上述べてきた実施例中では、特に、光を
照射する領域に関して限定はしなかったが、記録媒体全
面を消去するときは記録媒体全面に光を照射しながら消
去用電圧を印加すれば良いし、部分的に消去したいとき
は、消去したい部分にのみ光を照射しながら、消去用電
圧を印加すれば良い。また、記録ビットを1ビットづつ
消去したい場合は、従来通りの方法で消去することも可
能である。また、本実施例では消去用電圧をプローブ電
極から印加する方法を用いたが、この方法に限定するも
のではなく、別に消去用電源を設けても構わない。
【0069】また、記録層の形成にLB法を使用してき
たが、極めて薄く均一な膜が作成できる成膜法であれば
LB法に限らず使用可能であり、具体的にはMBEやC
VD法等の成膜法が挙げられる。更に基板材料やその形
状も本発明は何ら限定するものではない。さらには、本
実施例においてはプローブ電極を1本としたが、記録・
再生用のものと位置検出用のものを各々分けて2本以上
としても良い。
【0070】実施例4 光学研磨したガラス基板(基板111)を中性洗剤およ
びトリクレンを用いて洗浄した後、下引き層としてCr
を真空蒸着(抵抗加熱)法により厚さ30オングストロ
ーム堆積させ、更にAuを同法により1000オングス
トローム蒸着し、基板電極112を形成した。
【0071】次にSOAZを濃度0.2mg/mlで溶
かしたクロロホルム溶液を20℃の水相上に展開し、水
面上に単分子膜を形成した。溶媒の蒸発を待ち係る単分
子膜の表面圧を20mN/mまで高め、更にこれを一定
に保ちながら前記の基板電極を形成した基板を水面に横
切るように速度5mm/分で静かに浸漬し、更に引き上
げて、2層のY形単分子膜の累積を行ない、前記基板電
極112上に2層(厚さ30オングストローム)の累積
膜を形成して、記録層113とした。尚、このSOAZ
について光照射して光導電性を調べたが、SOAZは光
導電性を有していなかった。
【0072】記録層形成後、光導電性薄膜114として
6層のフタロシアニン誘導体(詳しくは、t−ブチル・
銅フタロシアニン)単分子累積膜を記録層113上に積
層した。なお、係る単分子累積膜の作成方法の詳細は以
下の通りである。
【0073】粉末状のフタロシアニン誘導体を濃度0.
2mg/mlでクロロホルム溶液に溶かし、水温20℃
の水相上に展開し水面上に単分子膜を形成した。溶媒の
蒸発除去を待って係る単分子膜の表面圧を20mN/m
まで高め、次に表面圧を一定に保った状態下で記録層1
13及び基板電極112が積層された基板を水面を横切
る方向に速度10mm/分で静かに浸漬し、続いて5m
m/分で静かに引き上げ2層のY型単分子膜を係る基板
上に累積した。累積操作を3回繰り返すことによって、
該基板上に6層の単分子累積膜を形成した。
【0074】次に、記録層上全面に積層された光導電性
層上に、ビーム径100オングストローム、加速電圧1
00KV、ビーム電流5pAで電子ビームを2000オ
ングストロームピッチ、長さ1μmに渡って横方向およ
び縦方向に網の目状に順次照射することにより光導電性
層を部分的に除去して、1μm角内に合計25個のセク
タを形成した。また、この時電子ビームのドーズ量が約
1C/cm2になる様に走査速度を調節した。
【0075】以上の様な方法により作成した記録媒体
に、図9に示した情報処理装置を用いて記録・再生、消
去の実験を行なった。ただし、プローブ電極116とし
て電解研磨法によって作成した白金/ロジウム製のプロ
ーブ電極を用いており、このプローブ電極116は、記
録層113に電圧を印加できるように、圧電素子によ
り、その距離(Z)が制御されている。さらに上記機能
を持ったままプローブ電極116が面内(X,Y)方向
にも移動制御できるように微動制御機構系が設計されて
いる。
【0076】また、プローブ電極116は直接記録・再
生・消去を行うことができる。また、記録媒体は高精度
のXYステージ124の上に置かれ、任意の位置に移動
させることができる。よって、この移動制御機構により
プローブ電極116で任意のセクタおよび任意の位置に
記録・再生及び消去を行なうことができる。
【0077】前述したSOAZ2層からなる記録層11
3及びt−ブチル・銅フタロシアニン6層からなる光導
電性薄膜114を持つ記録媒体を記録・再生装置にセッ
トした。次に、プローブ電極116と記録媒体の基板電
極112との間に+1Vの電圧を印加し、両電極間に流
れる電流をモニターしながらプローブ電極116と基板
電極112との距離(Z)を調整した。この時、距離Z
を制御するためのプローブ電流IPを10-8A≧IP≧1
-10Aになるように設定した。
【0078】次に、プローブ電極を走査しながら、プロ
ーブ電極と基板電極間に電気メモリー効果を生じる閾値
電圧を越えていない電圧である0.5V読み取り電圧を
印加して電流値を測定したところ、μA以下で走査領域
全面にわたってOFF状態を示した。この後、プローブ
電極を走査させながら、第1のセクタに100オングス
トロームピッチで情報の記録を行った。かかる情報の記
録は、プローブ電極116を+側、基板電極112を−
側にして、電気メモリー材料(SOAZ−LB膜2層)
が先ほどの高抵抗状態(OFF状態)から低抵抗状態
(ON状態)に変化する様に、図1に示す閾値電圧V
th-ON以上の三角波パルス電圧を印加した。なお、パル
ス電圧を印加する際は、サーボ回路の出力電圧を一定に
している。その後、プローブ電極を記録開始点に戻し、
再び読み取り電圧0.5Vを印加しながら記録媒体上を
走査させた。その結果、記録ビットにおいては0.3m
A程度のプローブ電流が流れ、ON状態となっているこ
とが示された。以上の実験により、光導電性層と記録層
を積層した記録媒体においても、超高密度な記録が可能
であることがわかった。また、同様の方法で、第2のセ
クタにも情報の記録および再生を実行し、記録できてい
ることを確認した。
【0079】次に、光照射装置117により、先ほど記
録を行った記録媒体にたいして、中心波長が650nm
の光を全面に照射しながら、第1のセクタにプローブ電
極から消去用電圧(図2参照)を印加した。その後、先
ほど消去操作を行った第1のセクタ領域についてプロー
ブ電極を操作させて再生を行ったところ、第1のセクタ
領域全面に渡って、先ほど記録した記録ビット全てがO
N状態からOFF状態(プローブ電流値がμA以下)へ
と戻っており、一度に第1セクタの全ての記録ビットを
消去できたことがわかった。また、光照射したが消去用
電圧を印加しなかった第2のセクタについてプローブ電
極を走査させて再生を行ったところ、記録ビットは消去
されることなくON状態(プローブ電流値は0.3m
A)のまま保存されており、本方法によれば、希望した
特定のセクタだけを消去可能であることが分かった。
【0080】尚、上記の操作を繰り返し行っても、記録
媒体を損傷することなく記録・再生、及び一括消去を容
易に行うことができた。
【0081】実施例5 実施例4と全く同様の方法で、ガラス基板111(コー
ニング社製#7059)上に基板電極112を形成し
た。
【0082】次に、基板電極上に4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル及び無水ピロメリット酸からなるPI
単分子累積膜(4層)を記録層113としてLB法によ
り形成し、その後1,6−ジアミノカルバゾール及び無
水ピロメリット酸からなるPI単分子累積膜(8層)を
光導電性層114としてLB法により積層し、実施例8
と全く同様にして電子ビーム照射によりセクタ分けされ
た記録媒体を作成した。尚、記録層として用いたPIの
光導電性について調べたが、このPIは光導電性を有し
ていなかった。
【0083】係る記録媒体を用い、実施例4と同様にし
て、記録・再生実験を行ったところ、超高密度な記録・
再生が可能であることがわかった。また、記録後、実施
例4と同じく所望の記録セクタ領域に光照射しながら消
去用電圧をプローブ電極から印加することにより消去実
験を行ったところ、所望のセクタ内だけの記録ビット全
てを一度に消去することが可能であった。
【0084】実施例6 実施例5と全く同様の方法で、ガラス基板111(コー
ニング社製#7059)上に基板電極112を形成した
後、基板電極上に4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル及び無水ピロメリット酸からなるPI単分子累積膜
(4層)を記録層113としてLB法により積層した。
【0085】係るPI記録層の上にネガ型レジスト材料
(商標名RD−2000N−10)をスピナー塗布し、
プリベークを行なう。この時膜厚は0.7μmおきに大
きさ1μmの孤立光導電性層セクタが格子点状に形成で
きるようにレジストパターンを作成した。
【0086】係る基板上に、プラズマCVD法により膜
厚約50オングストロームのa−Si:Hからなる光導
電性層114を形成した。尚、a−Si:H膜の形成方
法を以下に示す。
【0087】先ず、記録層および基板電極が積層された
基板をプラズマCVD装置の真空容器内にセットした。
次に、基板温度を200℃、SiH4ガスの流量を10
sccmに設定し、圧力0.4Torrに保ちながら、
RFパワー4.0Wでa−Si:H膜の形成を行った。
【0088】次に、係る基板をアセトン超音波処理、D
MF超音波処理、純水洗浄、ベーキングを行ない、リフ
トオフにより大きさ1μmの複数個からなる孤立光導電
性層セクタを形成して、記録媒体を作成した。
【0089】係る記録媒体を用い、実施例4と同様にし
て、記録・再生を行ったところ、超高密度な記録・再生
が可能であることがわかった。また、記録後、実施例4
と同じく所望の記録セクタ領域に光照射しながら消去用
電圧をプローブ電極から印加することにより消去実験を
行ったところ、所望のセクタ内だけの記録ビット全てを
一度に消去することが可能であった。
【0090】即ち、本発明における記録層として、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル及び無水ピロメリッ
ト酸からなるPILB膜(4層)を、光導電性層として
a−Si:H膜を用いても良いことがわかった。
【0091】前記実施例4〜6中では、特に、光を照射
する領域に関して限定はしなかったが、消去したい光導
電性層セクタを全て含む領域で有れば良く、記録媒体全
面に光を照射しながら消去用電圧を印加しても良い。ま
た、光導電性層セクタ内の記録ビットを部分的に消去し
たいときは、消去したい部分にのみ光を照射しながら、
消去用電圧を印加すれば良い。また、記録ビットを1ビ
ットづつ消去したい場合は、従来通りの方法で消去する
ことも可能である。また、本実施例では消去用電圧をプ
ローブ電極から印加する方法を用いたが、この方法に限
定するものではなく、別に消去用電源を設けても構わな
い。
【0092】また、記録層の形成にLB法を使用してき
たが、極めて薄く均一な膜が作成できる成膜法であれば
LB法に限らず使用可能であり、具体的にはMBEやC
VD法等の成膜法が挙げられる。更に基板材料やその形
状も本発明は何ら限定するものではない。さらには、本
実施例においてはプローブ電極を1本としたが、記録・
再生用のものと位置検出用のものを各々分けて2本以上
としても良い。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の記録媒体に
よれば、超高密度記録が可能な記録媒体において、情報
を記録した領域の所望の一部あるいは全面に渡って、1
度に且つ容易に消去することが可能になった。
【0094】さらに本発明の記録媒体において、複数個
の孤立した光導電性薄膜を用いることによって、超高密
度記録が可能な記録媒体において、情報を記録した所望
のセクタだけを、1度にかつ容易に消去することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体に記録を行う際に加えるパル
ス信号波形である。
【図2】本発明の記録媒体の消去を行う際に加えるパル
ス信号波形である。
【図3】本発明の記録媒体の構成の一例を示す図であ
る。
【図4】本発明の記録媒体の消去方法を示す図である。
【図5】本発明の記録媒体を用いる情報処理装置の構成
のブロック図である。
【図6】本発明の記録媒体に記録を行う際に加えるパル
ス信号波形である。
【図7】本発明の記録媒体の構成の一例を示す図であ
る。
【図8】本発明の記録媒体の消去方法を示す図である。
【図9】本発明の記録媒体を用いる情報処理装置の構成
のブロック図である。
【図10】電気メモリー効果の説明図である。
【符号の説明】
111 基板 112 基板電極 113 記録層 114 光導電性薄膜 115 消去用電源 116 プローブ電極 117 光照射装置 118 XY方向微動制御機構 119 Z方向微動制御機構 120 XY方向走査駆動回路 121 サーボ回路 122 バイアス電圧源及びプローブ電流増幅器 123 記録消去用電源 124 XYステージ 125 粗動機構 126 粗動駆動回路 127 マイクロコンピュータ 128 表示装置 601 基板 602 基板電極 603 記録層 604 光導電性薄膜 701 消去用電源 806 プローブ電極 807 光照射装置 808 XY方向微動制御機構 809 Z方向微動制御機構 810 XY走査駆動回路 811 サーボ回路 812 バイアス電圧源及びプローブ電流増幅器 813 記録消去用電源 814 XYステージ 815 粗動機構 816 粗動駆動回路 817 マイクロコンピュータ 818 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 有子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 河出 一佐哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 瀧本 清 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 河岸 秀行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 貴志 悦朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−263633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 9/00 G11B 9/04 G01N 37/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブ電極により素子に流れる電流を
    検出する情報処理装置に用いる記録媒体であって、プロ
    ーブ電極と対向配置する基板電極上に、有機化合物の単
    分子膜又は該単分子膜を累積した累積膜からなり電気メ
    モリー効果を有する記録層を設け、該記録層上に光導電
    性薄膜を積層したことを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 光導電性薄膜が複数個の孤立した光導電
    性薄膜であることを特徴とする請求項1記載の記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 記録層と光導電性薄膜を加えた膜厚が、
    5オングストローム以上100オングストローム以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層と光導電性薄膜を加えた膜厚が、
    5オングストローム以上30オングストローム以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録層がLB法により形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 光導電性薄膜が有機化合物の単分子膜又
    は該単分子膜を累積した累積膜からなることを特徴とす
    る請求項1〜5記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 光導電性薄膜がLB法により形成されて
    いることを特徴とする請求項6記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録層を形成する有機化合物が分子中に
    π電子準位を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有するこ
    とを特徴とする請求項1〜7記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8記載の記録媒体と該記録媒
    体に対向配置するプローブ電極を用いて、基板電極とプ
    ローブ電極との間に電圧を印加することにより電気特性
    を変化させて記録した記録領域に対して光照射を行うこ
    とによって光導電性薄膜の導電性を一時的に高め、該薄
    膜と該基板電極間に電圧を印加することにより記録の消
    去を行うことを特徴とする消去方法。
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