JP3086988B2 - 情報処理装置 - Google Patents

情報処理装置

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JP3086988B2
JP3086988B2 JP04314260A JP31426092A JP3086988B2 JP 3086988 B2 JP3086988 B2 JP 3086988B2 JP 04314260 A JP04314260 A JP 04314260A JP 31426092 A JP31426092 A JP 31426092A JP 3086988 B2 JP3086988 B2 JP 3086988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はプローブ電極によって
記録再生を行う記録媒体を用いた情報処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリー素子の用途はコンピュー
タ及びその関連機器、ビデオディスク、ディジタルオー
ディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなす
ものであり、その開発も活発に進んでいる。メモリー素
子に要求される性能は一般的には (1)高密度で、記録容量が大きい (2)記録・再生の応答速度が速い (3)エラーレートが小さい (4)消費電力が少ない (5)生産性が高く、価格が安い 等が挙げられる。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした磁
気メモリー、半導体メモリーが主流であったが、近年レ
ーザー技術の進展に伴い、有機色素、フォトポリマーな
どの有機薄膜を用いた安価で高密度な記録媒体を用いた
光メモリー素子などが登場してきた。
【0004】一方、最近導体の表面原子の電子構造を直
接観測できる走査型トンネル顕微鏡(以下「STM」と
記す)が開発され(G.Binnig et al.,
Helvetica Physica Acta,5
5,726(1982).)、単結晶、非晶質を問わず
実空間像の高い分解能の測定ができるようになり、しか
も媒体に電流による損傷を与えずに低電力で観測できる
利点をも有し、更に大気中でも動作させることが可能で
あるため広範囲な応用が期待されている。
【0005】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより実空間
の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電
子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。こ
の際面内方向の分解能は1Å程度である。従って、ST
Mの原理を応用すれば十分に原子オーダー(数Å)での
高密度記録再生を行うことが可能である。この際の記録
再生方法としては、粒子線(電子線、イオン線)或いは
X線等の高エネルギー電磁波及び可視・紫外光等のエネ
ルギー線を用いて適当な記録層の表面状態を変化させて
記録を行い、STMで再生する方法や、記録層として電
圧電流のスイッチング特性に対してメモリ効果を持つ材
料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲン化物類の薄
膜層を用いて、記録・再生をSTMを用いて行う方法等
が提案されている。
【0006】上記の様な記録・再生方法において、実際
に多量の情報を記録・再生するためには、プローブ電極
の可動範囲が狭いことやアクセスタイムを速くするとい
う観点から、記録媒体を多数の小さいエリア(一般にセ
クタと呼ばれているもの)に分割し、このセクタ毎に記
録・再生を行うという方法が考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如くセ
クタ毎に記録・再生を行うという方法では、例えば再生
時にどの情報を読み出しているのかを知るためには、プ
ローブ電極が現在どこのセクタ上に存在するかをあらか
じめ調べておく必要があった。従来、プローブ電極がど
のセクタの情報を読み出しているかを調べる方法とし
て、セクタのある決められた位置にあらかじめセクタ識
別信号をビット列で記録させておき、そのセクタへプロ
ーブ電極を移動した時最初にセクタ識別信号を読み出し
てどのセクタにいるかを認識するという方法をとってい
た。しかしこの方法の場合、プローブ電極をセクタ識別
信号の位置までアクセスし識別信号のビット列を読み出
すという手順を採らねばならず、セクタ認識を簡便に行
えず、結果としてアクセスタイムが遅くなるという問題
点があった。
【0008】即ち、本発明の目的とするところは、上述
した従来技術の問題点に鑑み、プローブ電極を用いた電
気的な高密度記録・再生方法において、多量の情報を記
録・再生する際に必要なセクタ認識を簡便に行えアクセ
スタイムを速くすることが可能な記録媒体を用いた情報
処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の特徴と
するところは、基板上に積層された仕事関数又は状態密
度関数が異なる複数の基板電極により形成された複数の
セクタと該電極上に積層された記録層とを有する記録媒
体と、該記録媒体に対向配置されたプローブ電極と、該
記録媒体とプローブ電極間に電圧を印加する手段と、該
基板電極の仕事関数又は状態密度関数を該プローブ電極
を介して測定する手段とを備え、前記測定された仕事関
数又は状態密度関数に基づいて、前記プローブ電極が位
置するセクタを識別することを特徴とする情報処理装置
である。
【0010】
【0011】
【0012】上記仕事関数又は状態密度関数の測定手段
としては、前記プローブ電極を記録媒体の垂直方向に微
小振動させる機構とその時プローブ電極に流れる電流変
化を検出することにより基板電極の仕事関数を測定する
機構からなる手段、或いはプローブ電極と基板電極間に
印加する電圧を微小変化させる機構とその時に流れる電
流変化により基板電極の状態密度関数を測定する機構
らなる手段が挙げられる。
【0013】
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の情報処理装置における記録・再生
方法は、プローブ電極(導電性探針)と基板電極(導電
性物質)との間に電圧を印加しつつ、両者の距離を10
nm以下にするとトンネル電流が流れることを利用して
いる。以下、本発明における記録媒体と基板電極の仕事
関数又は状態密度関数測定によるセクタ認識方法につい
て述べる。
【0016】ここでは先ず、仕事関数測定によりセクタ
認識する方法について図を用いて説明する。図1は、本
発明に用いられる記録媒体の一例である。図1中、10
1は記録媒体の基板であり、102は基板電極、103
は記録層を示している。図1では基板電極は2分割され
て、2つのセクタが形成され、各々のセクタ、つまり第
1セクタ及び第2セクタがそれぞれ異なる仕事関数の値
φ1 ,φ2 を持っている。
【0017】さて上述のような記録媒体への記録再生の
際のセクタ認識方法、即ち仕事関数測定方法であるが、
本発明ではプローブ電極に流れるトンネル電流を利用し
てその測定が行われる。図2に、仕事関数測定方法の一
例を示す。図2中、201はプローブ電極であり、記録
媒体に対向配置している。プローブ電極201はZ方向
微動制御機構202に、更にプローブ電極201を記録
媒体に接近させるために不図示のZ粗動制御機構に取り
付けられている。
【0018】記録再生時は、プローブ電極201と記録
媒体の間に電源204によりバイアス電圧を印加した状
態でZ粗動機構を動かし、トンネル電流が流れる程度ま
でプローブ電極を記録媒体に近づけ、その後両者間の距
離を一定とするように、Z方向微動制御機構202を制
御しサーボをかけておく。プローブ電極201から検出
したトンネル電流は、プローブ電流増幅器203により
いったん電圧に変換・増幅されその対数値が出力され、
Zサーボ回路205に入る。Zサーボ回路205からプ
ローブ電極と記録媒体間の距離が一定になるように距離
制御信号が出力され、これがプローブ電極をZ方向に位
置制御するZ方向微動制御機構202へ最終的に送られ
てプローブ電極と記録媒体間の距離が一定に保たれる。
【0019】さて仕事関数を測定する機構(図2中、波
線で囲んだ部分が仕事関数測定機構210)であるが、
その機構について以下に述べる。先ず、基準信号発振器
208から一定振幅の信号を距離制御信号に加算器20
9で加算してZ方向微動制御機構を駆動する。これによ
り、プローブ電極はZ方向に微小量(△z:1Å程度以
下)変調される。この時、変調信号の周波数をZサーボ
回路のカットオフ周波数より高くし、この時のトンネル
電流変化を検出して仕事関数を測定する。即ちプローブ
電流増幅器の出力から基準信号発生器の周波数成分をB
PF(BandPass Filter)206で取り
出し、検波回路207で基準発振器出力との位相検波を
行う(△I)。仕事関数はK×(△I/△z)2 :[但
しKは定数]で計算する。尚、ここで測定している値は
本来の試料表面の仕事関数の値ではなく、プローブ電極
と試料間のトンネル障壁を測定しており、プローブ電極
と試料両者の仕事関数の平均的なものを測っているわけ
であるが、本発明では広義的に仕事関数と呼んでいる。
以上のような方法により仕事関数値を得ることができる
ため、プローブ電極を任意の位置に移動しても、上記方
法によりその場所における仕事関数値を測定すれば現在
どのセクタにプローブ電極が位置するか、例えば図1の
記録媒体を用いた場合だと第1セクタか第2セクタかを
即座に知ることが可能となる。
【0020】次に、状態密度関数測定によるセクタ認識
方法について簡単に説明する。ここでは図1と同様の構
成で状態密度関数が異なる基板電極を持った記録媒体を
用いる。また、その測定方法および測定装置についても
ここでは不図示であるが、図2で示した仕事関数測定時
のプローブ電極微小振動機構のかわりにバイアス電圧微
小変化機構を設けてバイアス電圧微小変化時に流れるト
ンネル電流の変化を検出・検波し、その値から前記バイ
アス電圧での状態密度を計算することにより状態密度関
数を測定でき、その結果セクタ認識を簡便に行える。ま
た、装置に関しても後述する図3に仕事関数測定機構の
代わりに前述の状態密度関数測定機構を組み込むだけ
で、記録再生消去ができて状態密度関数測定によるセク
タ認識可能な情報処理装置となる。
【0021】本発明に用いられる記録媒体について以下
詳細に説明する。先ず、基板電極を分割しセクタごとに
異なる仕事関数又は状態密度関数の値にする方法として
は、ただ単にセクタごとに仕事関数又は状態密度関数が
異なる金属を多種類用いても良いし、主に基板電極を構
成する材料とは異なる元素を各セクタに注入することに
より仕事関数又は状態密度関数を変化させても良い。例
えば異なる金属を多種類用いて基板電極を構成する場
合、その材料としては表面がある程度平滑で導電性を有
するものであれば良く、Au,Pt,Ag,Pd,A
l,In,Sn,Wなどの金属やこれらの合金、更には
グラファイトやシリサイド、また更にはITOなどの導
電性酸化物を始めとして数多くの材料が挙げられ、その
時に応じて仕事関数又は状態密度関数が異なる様に組み
合わせを考慮して用いれば良い。
【0022】また、基板電極を構成する材料とは異なる
元素を各セクタに注入して仕事関数又は状態密度関数を
変化させる方法としては、先ず基板上に基板電極となる
材料を形成し、次に、基板電極表面に該基板電極を構成
する元素とは異なる元素を所望のセクタに応じて注入す
ることで行うのであるが、具体的には以下に述べるよう
な2つの方法がある。 基板電極の表面上にPMMA(ポリメチルメタクリレ
ート)等のレジストを塗布し、仕事関数又は状態密度関
数を変化させたいセクタに応じて露光を行うことにより
露光された部分のレジストを取り除き、注入すべき元素
を含んだ雰囲気中で熱処理を行うことにより、露光され
た部分に前記元素を注入する熱拡散法。 基板電極の表面上に、イオンビームにより所望のセク
タに応じてイオン化した元素を打ち込むイオン注入法。
【0023】これら2つの方法のうち、イオン注入法
は、ドープ量の精度、均一性、濃度分布の制御に優れて
いるため、熱拡散法よりも好ましい。
【0024】以上述べた方法では、異種元素注入方法に
おいて熱拡散法或いはイオン注入法を挙げたが、前記条
件を満たすセクタを形成できればこれに限定する必要は
ない。
【0025】異種元素を注入して仕事関数又は状態密度
関数が異なるセクタを形成する場合、基板電極を構成す
る元素及び注入する異種元素の種類の組み合わせとし
て、例えば、基板電極材料の元素としてWを用いた場
合、異種元素としてCs、Ba、Tb、Yt、Ce、L
a、V等が挙げられる。また、基板電極材料の元素とし
て他にCやMoも適しており、それらの元素に対して適
した注入異種元素として、CにはTi,Zr,Hf,N
b,Ta、MoにはThなどが挙げられる。例えば基板
電極材料の元素がWで、注入された元素がCsである場
合、基板電極を構成するWに比べ、WにCsを注入した
部分は合金のW−Csとなりその部分の仕事関数又は状
態密度関数は大きく変化して、第2のセクタが形成され
る。以上何組か本発明に適した元素を挙げたが、上述し
た元素の組み合わせに限らず、基板電極を構成する元素
と異種元素を注入した後できる合金の仕事関数又は状態
密度関数が大きく変化するものであれば、基板電極の元
素と注入する異種元素の組み合わせを自由に選ぶことが
できる。
【0026】また、基板上の電極形成方法に関しても、
基板上に均一に、平滑に形成できる方法であれば何でも
良く、例えば、真空蒸着法やスパッタ法等が挙げられ
る。
【0027】本発明で用いる記録層としては、電流−電
圧特性においてメモリースイッチング現象(電気メモリ
ー効果)を有する材料、例えばπ電子準位を持つ群とσ
電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に積層
した有機単分子膜或いはその累積膜を用いることが可能
となる。電気メモリー効果は前記の有機単分子膜、その
累積膜等の薄膜を一対の電極間に配置させた状態でそれ
ぞれ異なる2つ以上の導電率を示す状態へ遷移させるこ
とが可能な閾値を越えた電圧を印加することにより可逆
的に低抵抗状態(ON状態)及び高抵抗状態(OFF状
態)へ遷移(スイッチング)させることができる。また
それぞれの状態は電圧を印加しなくとも保持(メモリ
ー)しておくことができる。
【0028】一般に有機材料のほとんどは絶縁性もしく
は半絶縁性を示すことから係る本発明において、適用可
能なπ電子準位を持つ群を有する有機材料は著しく多岐
にわたる。
【0029】また、記録層の形成に関しても、具体的に
は蒸着法やクラスターイオンビーム法等の適用も可能で
あるが、制御性、容易性そして再現性から公知の従来技
術の中では前述したLB法が極めて好適である。
【0030】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜または
その累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子
オーダーの厚みを有し、且つ大面積にわたって均一、均
質な有機超薄膜を安定に供給することができる。
【0031】LB法は分子内に親水性部位と疎水性部位
とを有する構造の分子において、両者のバランス(両親
媒性のバランス)が適度に保たれている時、分子は水面
上で親水性基を下に向けて単分子の層になることを利用
して単分子膜又は累積膜を作成する方法である。
【0032】以上の点より、具体例として例えば、有機
材料としてクロコニックメチン色素や、有機高分子材料
として縮合重合体であるポリイミド等の材料が挙げられ
る。また、これら化合物の種々の置換体も本発明におい
て好適であることは言うにおよばない。
【0033】尚、上記以外でもLB法に適している有機
材料、有機高分子材料であれば、本発明に好適なのは言
うまでもない。例えば近年研究が盛んになりつつある生
体材料(例えばバクテリオロドプシンやチトクローム
C)や合成ポリペプチド(PBLG)等も適用が可能で
ある。
【0034】本発明において、上記の如き有機材料が積
層された薄膜を支持するための基板としては、表面が平
滑であれば、どの様な材料を用いても良いが、前述した
セクタ形成法によって利用できる基板材料は限定され
る。
【0035】また、プローブ電極の材料は、導電性を示
すものであれば何を用いてもよく、例えばPt,Pt−
Ir,W,Au,Ag等が挙げられる。プローブ電極の
先端は、記録・再生・消去の分解能を上げるためにでき
るだけ尖らせる必要がある。本発明では、針状の導電性
材料を電解研磨法を用い先端形状を制御して、プローブ
電極を作製しているが、プローブ電極の作製方法及び形
状は何らこれに限定するものではない。
【0036】更にはプローブ電極の本数も一本に限る必
要もなく、仕事関数または状態密度関数測定用と記録・
再生用とを分ける等、複数のプローブ電極を用いても良
い。
【0037】次に、本発明の情報処理装置を図3のブロ
ック図を用いて説明する。図3中、201は記録媒体に
電圧を印加するためのプローブ電極であり、このプロー
ブ電極から記録媒体に電圧を印加することによって記録
・再生を行う。対象となる記録媒体はXYステージ30
1上に載置される。また、記録媒体とプローブ電極間に
は、電源204から再生用のバイアス電圧や記録消去用
のパルス電圧を印加できるようになっている。また、2
10は図2で説明した仕事関数測定機構であり図2と同
様の構成となっている。
【0038】303はXY方向にプローブ電極201を
XY方向微動制御機構302を用いて移動制御するため
のXY走査駆動回路である。304と305は、あらか
じめ10-9A程度のプローブ電流が得られるようにプロ
ーブ電極201と記録媒体との距離を粗動制御したり、
プローブ電極と記録媒体とのXY方向相対変位を大きく
とる(微動制御機構の範囲外)のに用いられる。
【0039】これらの各機器は、全てマイクロコンピュ
ータ306により中央制御されている。また307は表
示装置を表している。
【0040】また、圧電素子を用いた移動制御における
機械的性能を下記に示す。 Z方向微動制御範囲 :0.1nm〜1μm Z方向粗動制御範囲 :10nm〜10mm XY方向微動制御範囲:0.1nm〜1μm XY方向粗動制御範囲:10nm〜10mm 計測、制御許容誤差 :<0.1nm (微動制御
時) 計測、制御許容誤差 :<1nm (粗動制御
時)
【0041】
【実施例】
(実施例1)光学研磨したガラス基板(基板101)を
中性洗剤及びトリクレンを用いて洗浄した後、フォトリ
ソ行程により先ずAuを用いて第1のセクタを形成し、
次にPtからなる第2のセクタを形成して、図1で示し
た様な基板電極102を作成した。尚、Au及びPt電
極の成膜はスパッタ法により行った。
【0042】次にスクアリリウム−ビス−6−オクチル
アズレン(以下SOAZと略す)を濃度0.2mg/m
lで溶かしたクロロホルム溶液を20℃の水相上に展開
し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒の蒸発を待ち係
る単分子膜の表面圧を20mN/mまで高め、更にこれ
を一定に保ちながら前記基板電極を形成した基板を水面
に横切るように速度5mm/分で静かに浸漬し、更に引
き上げて、2層のY形単分子膜の累積を行い、前記基板
電極102上に2層(厚さ30Å)の累積膜を形成し
て、記録層103とした。
【0043】以上の様な方法により作成した記録媒体
に、図3に示した情報処理装置を用いて記録再生、消去
の実験を行った。ただし、プローブ電極201として電
解研磨法によって作成した白金/ロジウム製のプローブ
電極を用いており、このプローブ電極201は記録層1
03に電圧を印加できるように、圧電素子により、その
距離(Z)が制御されている。更に上記機能を持ったま
まプローブ電極201が面内(X,Y)方向にも移動制
御できるように微動制御機構系が設計されている。
【0044】また、プローブ電極201は直接記録・再
生・消去を行うことができる。また、記録媒体は高精度
のXYステージ301の上に置かれ、任意の位置に移動
させることができる。よって、この移動制御機構により
プローブ電極201で任意の位置に記録・再生及び消去
を行うことができる。
【0045】前述したSOAZ2層を累積した記録層1
03を持つ記録媒体を情報処理装置にセットした。次
に、プローブ電極201と記録媒体の基板電極102と
の間に+1Vの電圧を印加し、記録層103に流れる電
流をモニターしながらプローブ電極201と基板電極1
02との距離(Z)を調整した。この時、距離Zを制御
するためのプローブ電流Ip を10-8A≧Ip ≧10
-10 Aになるように設定した。次に、距離Zを一定に保
ちながら、面内方向にプローブ電極201を走査させて
50nmピッチで情報の記録を行った。かかる情報の記
録は、プローブ電極201を+側、基板電極102を−
側にして、電気メモリー材料(SOAZ−LB膜2層)
が低抵抗状態(ON状態)に変化する様に、図4に示す
閾値電圧Vth -ON 以上の三角波パルス電圧を印加した。
その後、プローブ電極を記録開始点に戻し、再び走査さ
せたところ、記録ビットにおいては10μA以上のプロ
ーブ電流が流れ、ON状態となっていることが示され
た。
【0046】尚、プローブ電極を電気メモリー材料がO
N状態からOFF状態に変化する閾値電圧Vth-OFF以上
の10Vに設定し、再び記録位置をトレースした結果、
全ての記録状態が消去されOFF状態に遷移したことも
確認した。
【0047】さて次に、プローブ電極201を第1のセ
クタのAu電極上に移動させ、仕事関数測定機構210
を使って図2で説明したようにプローブ電極をZ方向に
微小振動させて仕事関数を測定したところ、その仕事関
数値は約2.5eVであった。また同様にして第2のセ
クタのPt電極上にプローブ電極を移動し仕事関数を測
ったところ、約2.8eVであり、両者における仕事関
数値は異なっており、所望の記録媒体が作成できている
ことがわかった。
【0048】ここで、プローブ電極201を適当に移動
させて仕事関数の測定を行ったところ、その値が2.5
eV程度の時はAu電極上即ち第1のセクタに、2.8
eV程度の時はPt電極上即ち第2のセクタにプローブ
電極が位置していた。つまり、このことから逆に、仕事
関数測定によりプローブ電極が現在どちらのセクタに位
置するかを知ることが可能であり、プローブ電極位置が
不明でもその場所の仕事関数を測定することによりどの
セクタにプローブ電極が存在するかを認識できることが
わかった。
【0049】また、仕事関数測定機構のかわりに前述し
た状態密度関数測定機構を組み込んだ情報処理装置を用
いて、前記記録媒体の状態密度関数を測定する実験も行
ったところ、Au電極上即ち第1のセクタとPt電極上
即ち第2のセクタにおける状態密度が異なっていること
が測定でき、やはり状態密度関数測定によってもどのセ
クタにプローブ電極が存在するかを認識できることがわ
かった。
【0050】(実施例2)実施例1の記録層として用い
た2層SOAZ単分子累積膜の代わりにルテチウムジフ
タロシアニン[LuH(Pc)2 ]のt−ブチル誘導体
の2層単分子累積膜を用いた以外は実施例1と同様にし
て実験を行った。その結果、記録再生及び消去が可能で
あり、尚且つ仕事関数測定によりセクタの認識も可能で
あった。
【0051】尚、LuH(Pc)2 のt−ブチル誘導体
の累積条件は下記の通りである。 溶媒:クロロホルム/トリメチルベンゼン/アセトン
(1/1/2) 濃度:0.5mg/ml 水相:純水、水温20℃ 表面圧:20mN/m、基板上下速度3mm/分
【0052】(実施例3)実施例1と同様の方法で基板
101を用意し、Wをスパッタ法により基板101上に
均一性良く成膜し、表面が平滑な基板電極を形成した。
その後、イオン注入装置を用いて、真空度1×10-6
orrの真空下で、100keV程度のエネルギーを持
つCsイオンビームを、先ほど形成したW上の右側半分
に照射することにより、異種元素としてCsのイオン注
入を行った。以上のようにして、Wのみからなる部分を
第1のセクタ、WにCsを注入した部分を第2のセクタ
として、図1で示した基板電極102を形成した。
【0053】その後、上述した基板電極102を積層し
た基板101を用いて実施例1と全く同じ方法で2層の
SOAZ−LB膜を記録層103として形成して記録媒
体を作成した。
【0054】以上のようにして作成した記録媒体を用い
実施例1と同様にして記録・再生実験を行ったところ、
実施例1と全く同じように記録再生を行うことができ、
消去も可能であった。また、本装置で第1のセクタと第
2のセクタの仕事関数を測定したところ、Wのみからな
る第1のセクタでは仕事関数値は2.2eV程度であっ
たが、Csを注入した第2のセクタではその値は1eV
以下になっており、仕事関数を測定することによりセク
タを認識することが可能であった。
【0055】(実施例4)異種元素としてBaを用いた
以外は実施例3と全く同様にして、異種元素(Ba)を
注入してセクタを形成した後、記録層として2層SOA
Z単分子累積膜を積層して記録媒体を作成した。係る記
録媒体について、実施例1と同様の記録・再生・消去の
実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られ
た。また、仕事関数もWのみの第1のセクタに比べBa
を注入した第2のセクタでは1eV以下であり、十分に
セクタの認識が可能であった。
【0056】(実施例5)基板電極材料の元素としてC
を、その異種元素としてTiを用いた以外は実施例3と
全く同様にしてセクタを形成した。その後、記録層10
3としてポリイミドLB膜を2層累積して記録媒体を作
成した。なお、ポリイミドLB膜の形成方法は以下の通
りである。
【0057】ポリアミック酸(分子量約20万)を濃度
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、水温20℃の純水の水相上に展開し、水面上
に単分子膜を形成した。この単分子膜の表面圧を25m
N/mまで高め、更にこれを一定に保ちながら、前記基
板を水面に横切るように5mm/分で移動させて浸漬、
引き上げを行い、Y型単分子膜の累積を行った。更にこ
れらの膜を300℃で10分加熱を行うことによりポリ
イミドにした。尚、ポリイミド1層当りの厚さは、エリ
プソメトリー法により約4Åと求められた。
【0058】この記録媒体についても実施例1と同様の
実験を行ったところ、記録再生及び消去可能であった。
また、仕事関数の値もCのみの第1のセクタの2.3e
Vに比べTiを注入した第2のセクタでは2eV以下で
あり、十分にセクタの認識が可能であった。
【0059】以上述べてきた実施例中では、セクタ形成
時に、イオン注入法を用いて異種元素を注入して仕事関
数又は状態密度関数を変化させるという方法を取った
が、この他熱拡散法を用いて異種元素を注入する方法を
用いることも可能であり、その他、注入量を変化させた
り何種類もの異種元素を注入することによって仕事関数
又は状態密度関数を変化させても良い。また、仕事関数
又は状態密度関数を部分的に所望の位置で変化させられ
る方法であれば、これらに限定する必要はない。また、
記録層の形成にLB法を使用してきたが、極めて薄く均
一な膜が作成できる成膜法であればLB法に限らず使用
可能であり、具体的にはMBEやCVD法等の成膜法が
挙げられる。更に基板材料やその形状も本発明は何ら限
定するものではない。更には、本実施例においてはプロ
ーブ電極を1本としたが、記録・再生用のものと仕事関
数又は状態密度関数測定用のものを各々分けるなどして
2本以上としても良い。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると即座
にプローブ電極が位置するセクタの認識を簡便に行うこ
とができ、それによりアクセスタイムを速くすることが
できる。従って従来と同じ面積でより多量の情報処理を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた記録媒体の一例を示す図であ
る。
【図2】本発明に用いた仕事関数測定方法の一例を示す
図である。
【図3】本発明情報処理装置の構成のブロック図であ
る。
【図4】本発明の情報処理装置において記録媒体に記録
を行う際に加えるパルス信号波形である。
【符号の説明】
101 基板 102 基板電極 103 記録層 201 プローブ電極 202 Z方向微動制御機構 203 プローブ電流増幅器 204 電源 205 Zサーボ回路 206 BPF 207 検波回路 208 基準信号発振器 209 加算器 210 仕事関数測定機構 301 XYステージ 302 XY方向微動制御機構 303 XY方向走査駆動回路 304 粗動機構 305 粗動駆動回路 306 マイクロコンピュータ 307 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 亨治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−254931(JP,A) 特開 平3−173956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に積層された仕事関数又は状態密
    度関数が異なる複数の基板電極により形成された複数の
    セクタと該電極上に積層された記録層とを有する記録媒
    体と、該記録媒体に対向配置されたプローブ電極と、該
    記録媒体とプローブ電極間に電圧を印加する手段と、該
    基板電極の仕事関数又は状態密度関数を該プローブ電極
    を介して測定する手段とを備え、前記測定された仕事関
    数又は状態密度関数に基づいて、前記プローブ電極が位
    置するセクタを識別することを特徴とする情報処理装
  2. 【請求項2】 前記仕事関数を測定する手段が、前記プ
    ローブ電極を記録媒体の垂直方向に微小振動させる機構
    とその時プローブ電極に流れる電流変化を検出する機構
    からなることを特徴とする請求項に記載の情報処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記状態密度関数を測定する手段が、前
    記プローブ電極に印加する電圧を微小変化させる機構と
    その時プローブ電極に流れる電流変化を検出する機構か
    らなることを特徴とする請求項に記載の情報処理装
    置。
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