JP3054424U - コンパウンド塗布具 - Google Patents
コンパウンド塗布具Info
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- JP3054424U JP3054424U JP1998004192U JP419298U JP3054424U JP 3054424 U JP3054424 U JP 3054424U JP 1998004192 U JP1998004192 U JP 1998004192U JP 419298 U JP419298 U JP 419298U JP 3054424 U JP3054424 U JP 3054424U
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 研磨剤を含むコンパウンドを自動車ボディの
塗装面などに塗布することに用いられるコンパウンド塗
布具において、コンパウンドの平滑性付与効果や艶出し
効果を十分に発揮させて処理面をきれいに仕上げる。 【解決手段】 連続気泡を持つポリウレタン発泡体1
に、そのポリウレタン発泡体よりも硬い材料でなるバッ
クアップ材4を貼り付けて保持させる。ポリウレタン発
泡体は一軸方向に圧縮してその一軸方向の表面を塗布面
とする。
塗装面などに塗布することに用いられるコンパウンド塗
布具において、コンパウンドの平滑性付与効果や艶出し
効果を十分に発揮させて処理面をきれいに仕上げる。 【解決手段】 連続気泡を持つポリウレタン発泡体1
に、そのポリウレタン発泡体よりも硬い材料でなるバッ
クアップ材4を貼り付けて保持させる。ポリウレタン発
泡体は一軸方向に圧縮してその一軸方向の表面を塗布面
とする。
Description
【0001】
本考案は、研磨剤を含むコンパウンドを自動車ボディの塗装面などに塗布する ことに用いられるコンパウンド塗布具に関する。
【0002】
自動車ボディの塗装面の傷痕にコンパウンドを塗布して補修する場合、コンパ ウンドの塗布具としては従来よりスポンジや綿タオルなどが用いられていた。
【0003】
しかしながら、コンパウンドの付着したスポンジを手で持って塗装面の傷付き 箇所に擦りつけて塗布すると、手の指で強く押圧した箇所が他の箇所に比べて強 く押圧され、処理面(塗装面)が局部的に強く擦られるので、コンパウンドに含 まれる研磨剤で処理面が傷付いて白っぽくなったり、コンパウンドが処理面の傷 付き箇所に均一に塗布されなくなってコンパウンドによる艶出し効果や処理面に 対する平滑性付与効果が良好に発揮されなかったり、コンパウンドの研削性が十 分に発揮されなくなって傷がきれいに消失しなかったりするという問題があった 。
【0004】 綿タオルを用いて処理を行ったときには、長時間に亘って擦り込まない限り処 理面への傷付きが問題になることはないが、処理面の艶を出すために長時間に亘 って擦り込むと処理面に傷が付いたり、処理面を平滑に仕上げにくくなったりす るという問題があった。
【0005】 本考案は以上の問題に鑑みてなされたものであり、当該塗布具を手で持って塗 装面のような処理面をコンパウンドで処理したときに、コンパウンドの平滑性付 与効果を十分に発揮させることができ、また、コンパウンドの艶出し効果を十分 に発揮させることができて処理面をきれいに仕上げることのできるコンパウンド 塗布具を提供することを目的とする。
【0006】
本考案に係るコンパウンド塗布具においては、連続気泡を持つポリウレタン発 泡体に、そのポリウレタン発泡体よりも硬い材料でなるバックアップ材が貼り付 けて保持されている。また、上記ポリウレタン発泡体が一軸方向に圧縮されてい て、その一軸方向の表面が塗布面とされている。
【0007】 ポリウレタン発泡体はきわめて多くのセルが集合した気泡構造を持っており、 その気泡構造の単位としてのセルについては、独立気泡のセルと連続気泡のセル とに分類することができる。独立気泡のセルはそれを形成している膜(セル膜) で囲まれているに対し、連続気泡のセルについては、セル膜で完全には囲まれて いないで隣接するセルと連絡している。
【0008】 本考案に係るコンパウンド塗布具においては、ポリウレタン発泡体における個 々のセルが連続気泡のセルになっており、しかも、個々のセルは完全なオープン セル構造の三次元網目構造を持っていることが望ましい。このようなポリウレタ ン発泡体としては、セル数が16〜100(個/25mm)であるポリウレタン 発泡体を好適に用いることができる。
【0009】 「オープンセル構造」とは、ポリウレタン発泡体を形成している独立気泡また は連続気泡のセルのセル膜を部分的にではなく完全に除去することによって形成 されるセル構造のことであり、そのようなオープンセル構造は、独立気泡または 連続気泡のポリウレタン発泡体を物理的に処理することによって得ることができ る。オープンセル構造を持ったポリウレタン発泡体については、互いに隣接する セルの相互間にセル膜は存在せず、隣接するセル同士が所謂ネットのような網目 構造を形成してつながっている。このため、立体的なセルの集合体は、三次元網 目構造を有している。
【0010】 また、本考案に係るコンパウンド塗布具に用いられる連続気泡のポリウレタン 発泡体は、そのセル数が16〜100(個/25mm)であることが望ましい。 ここでいうセル数(セルサイズ)は、長さ25mmの直線上にセルを数珠つなぎ 状態で互いに接触させて並べたときに何個のセルが存在できるか、という概念で ある。たとえばセル数が20(個/25mm)であれば、図1に説明的に示した ように、1つのセル10の大きさは、長さ25mmの直線L上にセル10を数珠 つなぎ状態で互いに接触させて20個のセル…が存在できる大きさに相当する。 セル数が16(個/25mm)よりも小さいと、三次元網目構造を形成してつな がっているオープンセル構造の空隙が大きくなりすぎ、適量のコンパウンドをポ リウレタン発泡体に保持させにくくなり、また、処理面にコンパウンドを万遍な く擦り付けにくくなる。セル数が100(個/25mm)より大きいと、三次元 網目構造を形成してつながっているオープンセル構造の空隙が小さくなりすぎ、 ポリウレタン発泡体の内層部にコンパウンドが入りにくくなるので、コンパウン ド保持性が低下する。
【0011】 ポリウレタン発泡体としては、ポリエステル系であってもポリエーテル系であ ってもよい。ポリエーテル系ポリウレタン発泡体は、耐油性に関してポリエステ ル系ポリウレタン発泡体よりも劣るため水系のコンパウンドについての使用に適 し、また、ポリエステル系ポリウレタン発泡体は、耐水性に関してポリエーテル 系ポリウレタン発泡体よりも劣るため油系のコンパウンドについての使用に適す る。また、ポリエーテル系ポリウレタン発泡体およびポリエステル系ポリウレタ ン発泡体はいずれも柔軟性や弾力性、復元性などの物理的性質に関してもコンパ ウンド塗布具に適している。
【0012】 本考案の塗布具を手で持って自動車ボディの塗装面のような処理面にコンパウ ンドを塗布するというような処理を行うと、その塗布具を手で持ったときの指の 押圧力がポリウレタン発泡体のクッション性により広い範囲に分散されるように なり、処理面が局部的に強く擦られてコンパウンドによる艶出し効果や処理面に 対する平滑性付与効果が良好に発揮されなくなるという事態が起こりにくく、ま た、コンパウンドの研削性が十分に発揮されなくなって傷痕がきれいに消失しな かったりするという事態が起こりにくい。
【0013】 本考案のコンパウンド塗布具においては、ポリウレタン発泡体の密度が25〜 90(kg/m3 )であることが望ましい。密度が25(kg/m3 )よりも小 さいと、三次元網目構造を形成してつながっているオープンセル構造の空隙が大 きくなりすぎ、適量のコンパウンドをポリウレタン発泡体に保持させにくくなり 、また、処理面にコンパウンドを万遍なく擦り付けにくくなる。密度が90(k g/m3 )より大きいと、三次元網目構造を形成してつながっているオープンセ ル構造の空隙が小さくなりすぎ、ポリウレタン発泡体の内層部にコンパウンドが 入りにくくなる。
【0014】 上記のように、本考案のコンパウンド塗布具においては、ポリウレタン発泡体 が一軸方向に圧縮されており、その一軸方向の表面が塗布面とされている。この 場合、ポリウレタン発泡体に関し、圧縮後の厚さが未圧縮時の1/3〜1/4程 度になるようにしておくとよい。圧縮率が過大であると、三次元網目構造を形成 してつながっているオープンセル構造の空隙が小さくなりすぎ、ポリウレタン発 泡体の内層部にコンパウンドが入りにくくなる。
【0015】 圧縮したポリウレタン発泡体は、未圧縮のポリウレタン発泡体よりも全体的な 弾力性と表面硬さが増し、部分的に加わった押圧力を分散させる性質がそれだけ 高まる。このため、指の押圧力で処理面が局部的に強く擦られるという事態が起 こりにくくなると同時に、コンパウンド塗布作業の作業性も向上する。
【0016】 本考案のコンパウンド塗布具においては、ポリウレタン発泡体が、それよりも 硬い材料でなるバックアップ材に保持されている。このため、指の押圧力で処理 面が局部的に強く擦られるという事態の起こる余地がなくなると同時に、コンパ ウンド塗布作業の作業性も向上する。バックアップ材としては、硬質合成樹脂発 泡体、木、非発泡の合成樹脂などを採用することができる。
【0017】
図2は本考案のコンパウンド塗布具に用い得るスポンジ状のポリウレタン発泡 体1の概略斜視図である。このポリウレタン発泡体は、上述したセルが完全なオ ープンセル構造になった三次元網目構造を持ち、セル数が16〜100(個/2 5mm)の範囲になっている。また、ポリウレタン発泡体の密度は25〜90( kg/m3 )の範囲になっている。上記ポリウレタン発泡体1は、一軸方向(矢 符Xで示してある)に圧縮されていることが望ましく、そのような圧縮品を用い るときには、一軸方向Xの表面が塗布面2として用いられる。
【0018】 図3は本考案の実施の他の形態に係るコンパウンド塗布具Aの概略斜視図であ り、このコンパウンド塗布具Aは、図2で説明したスポンジ状のポリウレタン発 泡体1が、それよりも硬い材料でなるバックアップ材4に接着剤で貼り付けられ て保持されている。このようにポリウレタン発泡体1をバックアップ材4に保持 させてあると、処理面をコンパウンドで処理するときに、ポリウレタン発泡体1 が指で押圧されないので、処理面が局部的に大きな力で擦られることがない。
【0019】 本考案に係る塗布具のポリウレタン発泡体としては、イノアックコーポレーシ ョン社の商品名「モルトフィルター」で表示される製品群のうち、MF−20、 MF−30、MF−40、MF−50、MF−55、MF−65、MF−80を 好適に採用することができる。なお、これらの製品についての密度とセル数は表 1の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
次に実施例を説明する。この実施例は、平均粒径2μの研磨剤を含むコンパウ ンドを、塗布具を手で持って黒色塗装板(焼付アミノアルキド塗装)に擦り付け て処理し、その後の処理面の状態を目視観察したものである。
【0022】 塗布具としては、セルが完全なオープンセル構造になった三次元網目構造を持 つスポンジ状のポリウレタン発泡体として、セル数が30(個/25mm)でエ ーテル系のものを供試品1、セル数が50(個/25mm)でエステル系のもの を供試品2、セル数が50(個/25mm)で一軸方向に1/4圧縮したエステ ル系のものを供試品3とした。比較品として、セルが完全なオープンセル構造に なった三次元網目構造を持ち、セル数が13(個/25mm)でスポンジ状のエ ステル系ポリウレタン発泡体を比較品1、綿タオルを比較品2、完全なオープン セル構造になっていない連続気泡の通常のスポンジを比較品3とした。
【0023】 結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】 表2において、艶出し効果、処理面の平滑性、研削性については、◎は優、○ は良、△は可、×は不可を表している。また、処理面の傷の有無については、◎ は傷をまったく観察できなかったもの、○は傷がほとんど観察できなかったもの 、△は傷がわずかに観察されたもの、×は傷付きが著しかったもの、を表してい る。
【0026】 表2より、供試品1〜3を用いて塗装面をコンパウンド処理すると、良好な艶 出し効果や平滑性、研削性が発揮されるだけでなく、処理面に傷が付くといった 事態もほとんど起こらないことが判る。このことより、供試品1〜3はコンパウ ンド塗布具に適しているといえる。一方、比較品については、最も良好な結果を 示した比較品2である綿タオルといえども、艶出し効果、処理面の平滑性、研削 性、傷付きなどに関し、供試品1〜3に劣るか、あるいは同等であって、コンパ ウンド塗布具としての適性が供試品1〜3を凌ぐものではない。
【0027】
本考案に係るコンパウンド塗布具は、処理面に対する艶出し効果、処理面の平 滑性、研削性などの適性に優れ、しかもコンパウンドの保持性にも富んでいるの で、自動車ボディの塗装面などをコンパウンド処理することに有効に使用するこ とができる。
【図1】セル数の概念を示す説明図である。
【図2】本考案のコンパウンド塗布具に用い得るポリウ
レタン発泡体の概略斜視図である。
レタン発泡体の概略斜視図である。
【図3】本考案の実施形態に係るコンパウンド塗布具の
概略斜視図である。
概略斜視図である。
A コンパウンド塗布具 1 ポリウレタン発泡体 4 バックアップ材
Claims (1)
- 【請求項1】 連続気泡を持つポリウレタン発泡体に、
そのポリウレタン発泡体よりも硬い材料でなるバックア
ップ材が貼り付けて保持されていると共に、上記ポリウ
レタン発泡体が一軸方向に圧縮されていて、その一軸方
向の表面が塗布面とされていることを特徴とするコンパ
ウンド塗布具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1998004192U JP3054424U (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | コンパウンド塗布具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1998004192U JP3054424U (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | コンパウンド塗布具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3054424U true JP3054424U (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=43188471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1998004192U Expired - Lifetime JP3054424U (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | コンパウンド塗布具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3054424U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002282770A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-02 | Soft 99 Corp | 防汚性被膜形成具及び防汚性被膜形成方法 |
-
1998
- 1998-05-27 JP JP1998004192U patent/JP3054424U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002282770A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-10-02 | Soft 99 Corp | 防汚性被膜形成具及び防汚性被膜形成方法 |
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