JP2021166823A - 洗浄用スポンジおよび洗浄用スポンジ用ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄用スポンジ10は、互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層12と、互いに連通する孔を有する多孔体からなり、第1層12よりも柔らかく設定された第2層14とを備えている。第1層12は、該第1層12と第2層14との積層方向と直交する第1面12aに存在するセル数よりも、該積層方向に沿った第2面12bに存在するセル数が多くなっている。
【選択図】図1
Description
互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層と、
互いに連通する孔を有する多孔体からなり、前記第1層よりも柔らかく設定された第2層とを備え、
前記第1層は、該第1層と前記第2層との積層方向と直交する面に存在するセルの数よりも、該積層方向に沿った面に存在するセルの数が多くなっていることを要旨とする。
第1の態様によれば、軟質ポリウレタンフォームからなる第1層を比較的硬く設定することができると共に、第1層を硬くしても該第1層の曲げ変形が許容されるので、洗浄対象物への形状追従性を向上できる。
第2の態様によれば、第1層を、除膜されてセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームで構成することで、第1層から水を排出し易くなり、水切れ性を向上し得る。
第3の態様によれば、かき取り層において比較的大きく開口するセルによって、水切りをよくすることができる。
第4の態様によれば、かき取り層を洗浄対象物に押し当てた際に、かき取り層が圧縮し難く、適度な硬さになるので、汚れを好適にかき取ることができる。
第5の態様によれば、第1層における硬さ、水切れ性、洗浄対象物への形状追従性などの諸物性を適度なバランスになるように調節し易くなる。
第6の態様によれば、かき取り層を洗浄対象物に押し当てた際に、かき取り層が圧縮し難く、適度な硬さになるので、汚れを好適にかき取ることができる。
第7の態様によれば、第1層における硬さ、水切れ性、洗浄対象物への形状追従性などの諸物性を適度なバランスになるように調節し易くなる。
第8の態様によれば、洗浄対象物を傷つけない適度な柔らかさが得られる。
表1に示す様々な条件でかき取り層を作成し、アスカーF硬度、摩擦力、耐摩耗性および拭き取り性について評価を行った。表中の素材の商品名「CFH−13」等は、エーテル系軟質ポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製)において、除膜処理によりセルが互いに繋がる構造を有するフィルターフォームを示し、英文字の後の数字「13」がセル数を示している。素材の商品名「EPH−20」等は、商品名「CFH」の除膜前のエーテル系軟質ポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製)を示し、英文字の後の数字「20」がセル数を示している。表2に示す比較例1は、研磨剤含有の不織布からなるかき取り層である。比較例1は、単糸繊度22デシテックスと単糸繊度16デシテックスとの2種類のナイロン繊維からなる、繊維目付量460g/m2の繊維集合体(ランダムウェブ)の不織布を素材としている。また、比較例1は、研磨剤として平均粒径11μmの水酸化アルミニウムを、乾燥固形分が800g/m2となるよう、不織布に付着させたものであり、厚みが32mmである。
表1に示す厚さに素材を圧縮して得られたかき取り層について、かき取り層単体の硬さを測定した。また、表2に示す比較例のかき取り層についても、かき取り層単体の硬さを測定した。硬さは、アスカーゴム硬度計F型(高分子計器株式会社製)を用いて、表1に示す各かき取り層および比較例1についてアスカーF硬度を測定している。各かき取り層の硬さ測定結果を表2に示す。
各かき取り層の耐摩耗性は、図2に示すような学振式摩耗試験機(大栄科学精器製作所製、商品名:RT-300)20を用いて測定を行った。具体的には、かき取り層12を両面テープで学振式摩耗試験機20の可動台22に貼り付けて、可動台22にかき取り層12を設置する。学振式摩耗試験機20の押圧棒24の先端に摩擦対象物としてのサンドペーパー(三共理化学株式会社製、商品名:LACS−360、AA(酸化アルミニウム)砥粒)26を両面テープで貼り付けて、可動台22に設置されたかき取り層12にサンドペーパー26を接触させた状態で配置する。押圧棒24から定荷重(500g)をかけつつ、可動台22を移動距離100mmおよび30回/分のスピードで、摩擦回数が100回になるまで水平方向へ往復移動させ、かき取り層12をサンドペーパー26でこすった。かき取り層の試験前重量と試験後重量を測定し、試験前後の重量変化から摩耗率(%)を算出した。かき取り層の摩耗率が小さいほど、耐摩耗性に優れているといえる。各かき取り層の耐摩耗性の測定結果を表2に示す。
かき取り層の摩擦力は、動摩擦力であって、JIS K7125に規定されるプラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法に基づいて、ロードセルが100Nで、試験片寸法が約80×200mmで、すべり片の接触面積が40cm2(一辺の長さ:63mm)の条件で測定した。各かき取り層の摩擦力の測定結果を表2に示す。
各かき取り層の平面拭き取り性は、以下のように評価した。アクリル・プラスチック板(板面の大きさ1830mm×915mm)に、青色の顔料(フタロシアニンブルー顔料)で着色したポリオール(三洋化成工業株式会社製:GP−3000NS)を市販のスポイドで10滴垂らした。かき取り層をプラスチック板に滴下したポリオールにのせて、かき取り層をプラスチック板の板面に沿って、モニターの試験者がまな板等の食器を洗浄する要領で、一定の力をかけつつ800mm移動させ、ポリオールを板面から拭き取った。プラスチック板の板面に残るポリオールの筋の範囲や濃さを基準として、平面拭き取り性を目視で評価した。ここで、比較例1の不織布からなるかき取り層を基準とし、比較例1よりも板面に残るポリオールが少なければ「○」と評価し、特にポリオールの残留が少ない場合を「◎」と評価した。各かき取り層の平面拭き取り性の結果を表2に示す。
各かき取り層の曲面拭き取り性は、以下のように評価した。ステンレス製の半球状レードル(サイズ:直径φ95×柄長280mm、容量:200cc)に、青色の顔料(青色顔料 銅化合物のフタル酸−ジ−ノルマルブチル分散液)で着色したポリオール(三洋化成工業株式会社製、GP-3000NS)を市販のスポイドで30滴垂らした。レードルに滴下したポリオールに、上記かき取り層を接触させて、レードルの内面に沿ってモニターの試験者が通常の食器洗浄の要領で、かき取り層を180°回転させ、ポリオールをレードルから拭き取った。かき取り層の拭き取り前と拭き取り後との重量差から、ポリオールの拭き取り量を算出し、比較例1の不織布からなるかき取り層を基準とし、比較例1よりも拭き取り量が多ければ「○」と評価し、特にポリオールの拭き取り量が多い場合を「◎」と評価した。各かき取り層の曲面拭き取り性の結果を表2に示す。
前述した構成に限定されず、例えば以下のようにも変更することができる。
(1)実施例では、洗浄層を1層構造としたが、洗浄層を2層以上の複層構造としてもよい。例えば、洗浄層においてかき取り層に接する中間層を、洗浄層において洗浄面を構成する層よりもセルを細かくかつ柔らかくすることで、中間層で洗剤の泡立ちをよくするように設定してもよい。
(2)かき取り層の洗浄面に設ける凹凸は、必須ではなく、洗浄面を平たく形成してもよい。
Claims (8)
- 互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層と、
互いに連通する孔を有する多孔体からなり、前記第1層よりも柔らかく設定された第2層とを備え、
前記第1層は、該第1層と前記第2層との積層方向と直交する面に存在するセルの数よりも、該積層方向に沿った面に存在するセルの数が多くなっている
ことを特徴とする洗浄用スポンジ。 - 前記第1層は、除膜されてセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームからなる請求項1記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第1層は、前記積層方向と直交する面に存在するセルの数が、7個/25mm〜40個/25mmの範囲にある請求項1または2記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第1層は、前記積層方向に沿った面に存在するセルの数が、14個/25mm〜160個/25mmの範囲にある請求項1〜3の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第1層は、密度が60kg/m3〜120kg/m3の範囲にある請求項1〜4の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第1層は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、該圧縮加工成形物の圧縮方向が前記積層方向になるように配置されている請求項1〜5の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第1層は、元となる軟質ポリウレタンフォームの1/2〜1/4の厚みになった圧縮加工成形物である請求項1〜6の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
- 前記第2層をなす多孔体は、前記孔としてのセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームの非圧縮加工成形物である請求項1〜7の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
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