JP2021166823A - 洗浄用スポンジおよび洗浄用スポンジ用ポリウレタンフォーム - Google Patents

洗浄用スポンジおよび洗浄用スポンジ用ポリウレタンフォーム Download PDF

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Yuki Nakaya
善朗 山口
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Abstract

【課題】形状追従性のよい洗浄用スポンジを提供する。
【解決手段】洗浄用スポンジ10は、互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層12と、互いに連通する孔を有する多孔体からなり、第1層12よりも柔らかく設定された第2層14とを備えている。第1層12は、該第1層12と第2層14との積層方向と直交する第1面12aに存在するセル数よりも、該積層方向に沿った第2面12bに存在するセル数が多くなっている。
【選択図】図1

Description

この発明は、食器や調理器具などの洗浄に用いる洗浄用スポンジに関するものである。
食器や調理器具の洗浄に用いられる洗浄用スポンジとしては、軟質ポリウレタンフォームと、この軟質ポリウレタンフォームの一面に貼り付けられた不織布層とからなる複層構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。洗浄用スポンジは、微細なセルを有する軟質ポリウレタンフォームにより洗剤を泡立て、柔軟な軟質ポリウレタンフォームで食器を洗うようになっている。また、洗浄用スポンジは、軟質ポリウレタンフォームよりも硬い不織布層によって、フライパンや鍋などの調理器具にこびりついた汚れをかき取るようになっている。
特開2008−99916号公報
前述した洗浄用スポンジは、不織布層を、フライパン等に付着した焦げなどの硬い汚れをかき取り可能で、かつ繊維が毛羽立つことがないように硬く設定すると、不織布層が変形し難くなってしまう。このため、不織布層を有する洗浄用スポンジは、水が絞りにくくなったり、フライパン等の洗浄対象物への形状追従性が悪化してしまう難点がある。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、比較的硬質であっても絞り易く形状追従性がよい層を備えた洗浄用スポンジを提供することを目的とする。
第1の態様の洗浄用スポンジは、
互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層と、
互いに連通する孔を有する多孔体からなり、前記第1層よりも柔らかく設定された第2層とを備え、
前記第1層は、該第1層と前記第2層との積層方向と直交する面に存在するセルの数よりも、該積層方向に沿った面に存在するセルの数が多くなっていることを要旨とする。
第1の態様によれば、軟質ポリウレタンフォームからなる第1層を比較的硬く設定することができると共に、第1層を硬くしても該第1層の曲げ変形が許容されるので、洗浄対象物への形状追従性を向上できる。
第2の態様では、前記第1層は、除膜されてセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームからなることを要旨とする。
第2の態様によれば、第1層を、除膜されてセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームで構成することで、第1層から水を排出し易くなり、水切れ性を向上し得る。
第3の態様では、前記第1層は、前記積層方向と直交する面に存在するセルの数が、7個/25mm〜40個/25mmの範囲にあることを要旨とする。
第3の態様によれば、かき取り層において比較的大きく開口するセルによって、水切りをよくすることができる。
第4の態様では、前記第1層は、前記積層方向に沿った面に存在するセルの数が、14個/25mm〜160個/25mmの範囲にあることを要旨とする。
第4の態様によれば、かき取り層を洗浄対象物に押し当てた際に、かき取り層が圧縮し難く、適度な硬さになるので、汚れを好適にかき取ることができる。
第5の態様では、前記第1層は、密度が60kg/m〜120kg/mの範囲にあることを要旨とする。
第5の態様によれば、第1層における硬さ、水切れ性、洗浄対象物への形状追従性などの諸物性を適度なバランスになるように調節し易くなる。
第6の態様では、前記第1層は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、該圧縮加工成形物の圧縮方向が前記積層方向になるように配置されていることを要旨とする。
第6の態様によれば、かき取り層を洗浄対象物に押し当てた際に、かき取り層が圧縮し難く、適度な硬さになるので、汚れを好適にかき取ることができる。
第7の態様では、前記第1層は、元となる軟質ポリウレタンフォームの1/2〜1/4の厚みになった圧縮加工成形物であることを要旨とする。
第7の態様によれば、第1層における硬さ、水切れ性、洗浄対象物への形状追従性などの諸物性を適度なバランスになるように調節し易くなる。
第8の態様では、前記第2層をなす多孔体は、前記孔としてのセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームの非圧縮加工成形物であることを要旨とする。
第8の態様によれば、洗浄対象物を傷つけない適度な柔らかさが得られる。
本発明に係る洗浄用スポンジによれば、比較的硬い層を有していても洗浄対象物への形状追従性を向上できる。
本発明の好適な実施例に係る洗浄用スポンジを示す概略斜視図である。 かき取り層の耐摩耗試験に用いる装置を示す説明図である。
次に、本発明に係る洗浄用スポンジにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、本発明に係る洗浄用スポンジは、食器、調理器具、洗面台、浴室、トイレなど、様々な対象の洗浄に用いることができる。
図1に示すように、実施例に係る洗浄用スポンジ10は、矩形状の面で構成された立方体形状に形成されている。洗浄用スポンジ10は、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層(第1層)12と、このかき取り層12に重ねて配置され、該かき取り層12よりも柔らかく設定された洗浄層(第2層)14とからなる複層で構成されている。洗浄用スポンジ10は、一方の洗浄面がかき取り層12で構成されて、反対側の他方の洗浄面が洗浄層14で構成され、ひっくり返すことで、かき取り層12と洗浄層14とを切り替え可能である。なお、実施例の洗浄用スポンジ10は、かき取り層12が洗浄層14よりも薄く設定されており、例えば全体の厚みを3cm程度にした際に、かき取り層12の厚みを5mm程度にしてある。
前記かき取り層12は、互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームから構成される。特に、軟質ポリウレタンフォームの中でも、熔解等によりセル膜が除去されて、セルを形成する樹脂骨格だけからなる構造のものが好ましい。このような樹脂骨格だけからなる構造の軟質ポリウレタンフォームでかき取り層12を構成することで、かき取り層12の水切れがよくなるメリットがある。
前記かき取り層12は、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定されており、前記範囲の硬さのかき取り層12であれば、洗浄対象物に付着した汚れを好適にかき取ることができる。かき取り層12は、アスカーF硬度が40度未満であると、洗浄対象物に付着した汚れをかき取り可能な硬さが得られないおそれがあり、アスカーF硬度が85度より大きいと、その硬さにより洗浄対象物を傷付けるおそれがある。なお、かき取り層12は、アスカーF硬度を80度以下に設定することが好ましい。従来のような砥粒を接着したナイロン不織布で構成される洗浄用スポンジは、砥粒が硬いことからアスカーF硬度のスケールを超えるものもある。本発明の洗浄用スポンジ10は、前述した従来のナイロン不織布よりもかき取り層12の硬さを低く設定してあるので、フッ素樹脂等の表面処理を傷つけ難く、表面処理が施された調理器具に適している。
前記かき取り層12は、スラブ発泡等の所定の方法で得られる軟質ポリウレタンフォームを一軸圧縮して得られる圧縮加工成形物であり、圧縮成形によって元の軟質ポリウレタンフォームよりも硬くなっている。かき取り層12は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮方向が、洗浄用スポンジ10におけるかき取り層12と洗浄層14との積層方向(以下、単に積層方向という。)になるように配置されている。かき取り層12は、前記積層方向と直交する第1面12aに単位長さ当たりに存在するセル数よりも、該積層方向に沿った第2面12bに単位長さ当たりに存在するセル数が多くなっている。かき取り層12は、第1面12aに存在するセル数が元の軟質ポリウレタンフォームと同じであるのに対し、第2面12bに存在するセル数が元の軟質ポリウレタンフォームからの圧縮度合いに応じて元よりも多くなっている。また、かき取り層12は、洗浄用スポンジ10の中で最も大きな洗浄面の一方を構成する第1面12aにセルが第2面12bよりも大きく開口しており、洗浄用スポンジ10の中で側面を構成する第2面12bに、セルが第1面12aよりも小さく開口している。このように、圧縮成形によって軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層12を比較的硬く設定することができると共に、かき取り層12を硬くしても該かき取り層12の曲げ変形が許容されるので、かき取り層12の洗浄対象物への形状追従性を向上できる。
前記かき取り層12は、第1面12aに存在するセル数(JIS K6400−1準拠)を、7個/25mm〜40個/25mmの範囲になるように設定することが好ましい。かき取り層12における第1面12aのセル数を前記範囲に設定することで、比較的大きく開口するセルによって、水切りをよくすることができる。また、かき取り層12は、第2面12bに存在するセルの数(JIS K6400−1準拠)を、14個/25mm〜160個/25mmの範囲になるように設定することが好ましい。かき取り層12における第2面12bのセル数を前記範囲に設定することで、洗浄面となる第1面12aを洗浄対象物に押し当てた際に、かき取り層12が積層方向へ圧縮され難くて適度な硬さになるので、汚れを好適にかき取ることができる。なお、前記セル数は、かき取り層12の表面に露出するセルだけを規定するものではない。
前記かき取り層12は、元となる軟質ポリウレタンフォームの1/2〜1/4の厚みになった圧縮加工成形物であり、その密度(JIS K 7222準拠)が60kg/m〜120kg/mの範囲にあることが好ましい。このように、かき取り層12の密度が前記範囲であると、硬さ、水切れ性、洗浄対象物への形状追従性などの諸物性を適度なバランスになるように調節し易くなる。
前記洗浄層14は、孔が互いに連通した多孔体からなり、かき取り層12よりも柔らかく設定されている。ここで、多孔体としては、孔としてのセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームの非圧縮加工成形物が好適である。このような、軟質ポリウレタンフォームの非圧縮加工成形物からなる洗浄層14は、洗浄対象物を傷つけない適度な柔らかさが得られる。洗浄層14は、前記積層方向と直交する第1面に単位長さ当たりに存在するセル数と、該積層方向に沿った第2面に単位長さ当たりに存在するセル数とが同じであり、かき取り層12よりも密度が低い。洗浄層14としては、例えば、セル数(JIS K6400−1準拠)が7個/25mm〜40個/25mmの範囲で、密度(JIS K 7222準拠)が30kg/m〜100kg/mの範囲にある軟質ポリウレタンフォームを用いることができる。
前記かき取り層12および洗浄層14に用いる軟質ポリウレタンフォームとしては、エーテル系またはエステル系の何れであってもよいが、耐水性および耐湿熱老化性がよいエーテル系のほうが好ましい。
前記洗浄用スポンジ10は、例えば以下のように製造することができる。スラブ発泡等により得られた軟質ポリウレタンフォームを除膜処理することで、セル膜を除去し、セルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームからなる所定厚さの板状体を、かき取り層用と洗浄層用とのそれぞれについて用意する。かき取り層用の板状体を加熱しつつ厚み方向へ一軸圧縮して成形することで、圧縮加工成形物のかき取り層12を得る。ここで、かき取り層用の板状体を、元の厚みの1/2〜1/4になるように圧縮して、圧縮倍率2倍〜4倍のかき取り層12を形成している。一方、洗浄層用の板状体は、非圧縮加工成形物である。かき取り層12の圧縮方向が積層方向になるように、かき取り層12と洗浄層用の板状体とを重ね合わせて、ロールコーター等で圧着することで、反応タイプのポリウレタン系等のホットメルト接着剤によって貼り合わせて、洗浄用スポンジ10を得る。
前記洗浄用スポンジ10は、かき取り層12の洗浄面に、プレス加工等により凹凸を設けてもよく、これらの加工に由来するパターンおよびピッチで適宜の凹凸を簡単に形成することができる。同様に、洗浄層14の洗浄面に、プロファイル加工等により凹凸を設けてもよい。なお、ここでいうプロファイル加工は、公知の加工法、例えば、特開2006−14819号等に開示の加工法を指す。
(かき取り層の評価)
表1に示す様々な条件でかき取り層を作成し、アスカーF硬度、摩擦力、耐摩耗性および拭き取り性について評価を行った。表中の素材の商品名「CFH−13」等は、エーテル系軟質ポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製)において、除膜処理によりセルが互いに繋がる構造を有するフィルターフォームを示し、英文字の後の数字「13」がセル数を示している。素材の商品名「EPH−20」等は、商品名「CFH」の除膜前のエーテル系軟質ポリウレタンフォーム(株式会社イノアックコーポレーション製)を示し、英文字の後の数字「20」がセル数を示している。表2に示す比較例1は、研磨剤含有の不織布からなるかき取り層である。比較例1は、単糸繊度22デシテックスと単糸繊度16デシテックスとの2種類のナイロン繊維からなる、繊維目付量460g/mの繊維集合体(ランダムウェブ)の不織布を素材としている。また、比較例1は、研磨剤として平均粒径11μmの水酸化アルミニウムを、乾燥固形分が800g/mとなるよう、不織布に付着させたものであり、厚みが32mmである。
軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層は、軟質ポリウレタンフォームの板状体を厚さ方向に熱プレスして圧縮することで、表1に示す圧縮倍率で圧縮されたものを得ている。ここで、かき取り層の第1面とは、洗浄層との積層方向と直交することになる面であり、軟質ポリウレタンフォームの圧縮方向と直交している。また、かき取り層の第2面とは、洗浄層との積層方向と沿うことになる面であり、軟質ポリウレタンフォームの圧縮方向に沿っている。素材のセル数および密度は、素材メーカーの規格値であり、かき取り層の第2面のセル数およびかき取り層の密度は、素材の規格値から圧縮倍率に基づいて算出することができる。
前記軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層には、洗浄用スポンジの洗浄面となる第1面に、所定パターンの孔が設けられたプレス板を用いて熱プレスすることで、該孔に由来するパターンおよびピッチで凹凸が形成されている。表1に示す「丸孔」は、隣り合う3つ丸孔(3φ)の中心が正三角形になるように配置されたプレス板(太陽金網(株)製、No.30、孔径3.0mm、ピッチ4.0mm、孔明比率51.0%)を用いて、軟質ポリウレタンフォームを熱プレスし、得られるかき取り層の第1面に所定パターンの凹凸を形成している。表1に示す「角孔」は、3mm角の角孔を5mmピッチで碁盤状に配置したプレス板(太陽金網(株)製、No.188、孔径3.0mm、ピッチ5.0mm、孔明比率45.0%)を用いて、軟質ポリウレタンフォームを熱プレスし、得られるかき取り層の第1面に所定パターンの凹凸を形成している。表1に示す「丸孔+十字孔」は、中心が正四角形に並べられた隣り合う4つ丸孔(3φ)の中央に十字孔が配置されたプレス板(太陽金網(株)製、No.115、孔明比率34.2%)を用いて、軟質ポリウレタンフォームを熱プレスし、得られるかき取り層の第1面に所定パターンの凹凸を形成している。表1に示す「五角孔」は、隣り合う3つ五角孔(8mmの円に内接する大きさ)の中心が正三角形になるように配置されたプレス板を用いて、軟質ポリウレタンフォームを熱プレスし、得られるかき取り層の第1面に所定パターンの凹凸を形成している。
Figure 2021166823
(かき取り層の硬さ)
表1に示す厚さに素材を圧縮して得られたかき取り層について、かき取り層単体の硬さを測定した。また、表2に示す比較例のかき取り層についても、かき取り層単体の硬さを測定した。硬さは、アスカーゴム硬度計F型(高分子計器株式会社製)を用いて、表1に示す各かき取り層および比較例1についてアスカーF硬度を測定している。各かき取り層の硬さ測定結果を表2に示す。
(かき取り層の耐摩耗性)
各かき取り層の耐摩耗性は、図2に示すような学振式摩耗試験機(大栄科学精器製作所製、商品名:RT-300)20を用いて測定を行った。具体的には、かき取り層12を両面テープで学振式摩耗試験機20の可動台22に貼り付けて、可動台22にかき取り層12を設置する。学振式摩耗試験機20の押圧棒24の先端に摩擦対象物としてのサンドペーパー(三共理化学株式会社製、商品名:LACS−360、AA(酸化アルミニウム)砥粒)26を両面テープで貼り付けて、可動台22に設置されたかき取り層12にサンドペーパー26を接触させた状態で配置する。押圧棒24から定荷重(500g)をかけつつ、可動台22を移動距離100mmおよび30回/分のスピードで、摩擦回数が100回になるまで水平方向へ往復移動させ、かき取り層12をサンドペーパー26でこすった。かき取り層の試験前重量と試験後重量を測定し、試験前後の重量変化から摩耗率(%)を算出した。かき取り層の摩耗率が小さいほど、耐摩耗性に優れているといえる。各かき取り層の耐摩耗性の測定結果を表2に示す。
(かき取り層の摩擦力)
かき取り層の摩擦力は、動摩擦力であって、JIS K7125に規定されるプラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法に基づいて、ロードセルが100Nで、試験片寸法が約80×200mmで、すべり片の接触面積が40cm(一辺の長さ:63mm)の条件で測定した。各かき取り層の摩擦力の測定結果を表2に示す。
(かき取り層の拭き取り性−平面)
各かき取り層の平面拭き取り性は、以下のように評価した。アクリル・プラスチック板(板面の大きさ1830mm×915mm)に、青色の顔料(フタロシアニンブルー顔料)で着色したポリオール(三洋化成工業株式会社製:GP−3000NS)を市販のスポイドで10滴垂らした。かき取り層をプラスチック板に滴下したポリオールにのせて、かき取り層をプラスチック板の板面に沿って、モニターの試験者がまな板等の食器を洗浄する要領で、一定の力をかけつつ800mm移動させ、ポリオールを板面から拭き取った。プラスチック板の板面に残るポリオールの筋の範囲や濃さを基準として、平面拭き取り性を目視で評価した。ここで、比較例1の不織布からなるかき取り層を基準とし、比較例1よりも板面に残るポリオールが少なければ「○」と評価し、特にポリオールの残留が少ない場合を「◎」と評価した。各かき取り層の平面拭き取り性の結果を表2に示す。
(かき取り層の拭き取り性−曲面)
各かき取り層の曲面拭き取り性は、以下のように評価した。ステンレス製の半球状レードル(サイズ:直径φ95×柄長280mm、容量:200cc)に、青色の顔料(青色顔料 銅化合物のフタル酸−ジ−ノルマルブチル分散液)で着色したポリオール(三洋化成工業株式会社製、GP-3000NS)を市販のスポイドで30滴垂らした。レードルに滴下したポリオールに、上記かき取り層を接触させて、レードルの内面に沿ってモニターの試験者が通常の食器洗浄の要領で、かき取り層を180°回転させ、ポリオールをレードルから拭き取った。かき取り層の拭き取り前と拭き取り後との重量差から、ポリオールの拭き取り量を算出し、比較例1の不織布からなるかき取り層を基準とし、比較例1よりも拭き取り量が多ければ「○」と評価し、特にポリオールの拭き取り量が多い場合を「◎」と評価した。各かき取り層の曲面拭き取り性の結果を表2に示す。
Figure 2021166823
表3に示す様々な条件でかき取り層を作成し、前述した試験と同様に、アスカーF硬度、摩擦力、耐摩耗性および拭き取り性について評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2021166823
表2および表3に示すように、軟質ポリウレタンを圧縮倍率2倍〜4倍の範囲で圧縮することで、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に収まる適度な硬さのかき取り層が得られることが判る。また、表1および表3に示すように、圧縮成形により適度な硬さに設定したかき取り層は、第1面のセル数が素材のセル数と同じであるが、第2面のセル数が圧縮倍率に応じて第1面よりも多くなっていることが判る。また、圧縮成形により適度な硬さに設定したかき取り層は、圧縮倍率に応じて素材よりも密度が高くなっていることが判る。
表2および表3に示すように、圧縮成形により適度な硬さに設定したかき取り層は、不織布からなる比較例1と同等または比較例1よりも優れた耐摩耗性を示し、硬い汚れのかき取り用途に十分耐えることが判る。ここで、かき取り層は、圧縮倍率が高くなるほど、硬さおよび耐摩耗性が向上する傾向にあることが判る。
表2および表3に示すように、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層は、不織布からなる比較例1の2倍以上の摩擦力を有していることが判る。すなわち、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層によれば、不織布よりも弱い力で汚れをかき取ることができ、洗浄対象物の傷つけを防止できる。
表2および表3に示すように、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層は、不織布からなる比較例1と比べて平面拭き取り性が優れている。すなわち、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層によれば、不織布よりも弱い力で汚れを除去することができると共に、汚れが洗浄対象物に戻ることを防止できる。
表2および表3に示すように、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層は、不織布からなる比較例1と比べて曲面拭き取り性が優れている。これは、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層が、不織布と比べて、曲面に沿うように変形する形状追従性に優れているからである。そして、軟質ポリウレタンフォームからなるかき取り層は、不織布と同様の硬さに設定しても、不織布よりも高い曲面拭き取り性を示すことから、汚れをかき取り可能な程度に硬くしても、高い形状追従性を確保できることが判る。
以上の結果によれば、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物からなるかき取り層は、適度な硬さと洗浄対象物への優れた形状追従性とを併有していることから、不織布よりもかき取り層の洗浄性能が向上することが判る。また、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物からなるかき取り層によれば、硬くても変形するので、水を絞りやすく、握りやすい。
(変更例)
前述した構成に限定されず、例えば以下のようにも変更することができる。
(1)実施例では、洗浄層を1層構造としたが、洗浄層を2層以上の複層構造としてもよい。例えば、洗浄層においてかき取り層に接する中間層を、洗浄層において洗浄面を構成する層よりもセルを細かくかつ柔らかくすることで、中間層で洗剤の泡立ちをよくするように設定してもよい。
(2)かき取り層の洗浄面に設ける凹凸は、必須ではなく、洗浄面を平たく形成してもよい。
12 かき取り層(第1層),14 洗浄層(第2層)

Claims (8)

  1. 互いに連通するセルを有する軟質ポリウレタンフォームからなり、アスカーF硬度が40度〜85度の範囲に設定された第1層と、
    互いに連通する孔を有する多孔体からなり、前記第1層よりも柔らかく設定された第2層とを備え、
    前記第1層は、該第1層と前記第2層との積層方向と直交する面に存在するセルの数よりも、該積層方向に沿った面に存在するセルの数が多くなっている
    ことを特徴とする洗浄用スポンジ。
  2. 前記第1層は、除膜されてセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームからなる請求項1記載の洗浄用スポンジ。
  3. 前記第1層は、前記積層方向と直交する面に存在するセルの数が、7個/25mm〜40個/25mmの範囲にある請求項1または2記載の洗浄用スポンジ。
  4. 前記第1層は、前記積層方向に沿った面に存在するセルの数が、14個/25mm〜160個/25mmの範囲にある請求項1〜3の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
  5. 前記第1層は、密度が60kg/m〜120kg/mの範囲にある請求項1〜4の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
  6. 前記第1層は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、該圧縮加工成形物の圧縮方向が前記積層方向になるように配置されている請求項1〜5の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
  7. 前記第1層は、元となる軟質ポリウレタンフォームの1/2〜1/4の厚みになった圧縮加工成形物である請求項1〜6の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。
  8. 前記第2層をなす多孔体は、前記孔としてのセルが互いに連通する構造の軟質ポリウレタンフォームの非圧縮加工成形物である請求項1〜7の何れか一項に記載の洗浄用スポンジ。

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