JP2024006481A - キッチンスポンジ - Google Patents
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Abstract
【課題】汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立できるキッチンスポンジを提供する。【解決手段】キッチンスポンジLBは、基層L3と、基層の積層方向第1側X1の面L3aの上に形成された中間層L2と、中間層の積層方向第1側の面L2aの上に形成された表層L1と、を備えた、キッチンスポンジであって、基層、中間層、及び表層は、それぞれ、ウレタンフォームからなり、表層は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、キッチンスポンジの積層方向第2側X2の面L3bを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200~350Nである。【選択図】図1
Description
この発明は、キッチンスポンジに関するものである。
従来より、複数層を積層してなるキッチンスポンジがある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、従来の技術では、食器などの洗浄対象物に対する汚れかき取り性と洗浄対象物に対する傷つけにくさとの両立に関し、向上の余地があった。
この発明は、上述した課題を解決するためのものであり、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立できるキッチンスポンジを提供することを目的とするものである。
〔1〕基層と、
前記基層の積層方向第1側の面の上に形成された中間層と、
前記中間層の前記積層方向第1側の面の上に形成された表層と、
を備えた、キッチンスポンジであって、
前記基層、前記中間層、及び前記表層は、それぞれ、ウレタンフォームからなり、
前記表層は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、
前記キッチンスポンジの積層方向第2側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第1側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200~350Nである、キッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立することができる。
前記基層の積層方向第1側の面の上に形成された中間層と、
前記中間層の前記積層方向第1側の面の上に形成された表層と、
を備えた、キッチンスポンジであって、
前記基層、前記中間層、及び前記表層は、それぞれ、ウレタンフォームからなり、
前記表層は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、
前記キッチンスポンジの積層方向第2側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第1側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200~350Nである、キッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立することができる。
〔2〕前記キッチンスポンジの前記積層方向第1側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第2側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、340N以下である、〔1〕に記載のキッチンスポンジ。
これにより、ユーザがキッチンスポンジを積層方向第2側から手で持った場合に、キッチンスポンジが手になじみやすくなり、使用感を向上できる。
これにより、ユーザがキッチンスポンジを積層方向第2側から手で持った場合に、キッチンスポンジが手になじみやすくなり、使用感を向上できる。
〔3〕前記キッチンスポンジの前記積層方向第1側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第2側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200N以上である、〔1〕又は〔2〕に記載のキッチンスポンジ。
これにより、ユーザがキッチンスポンジを積層方向第2側から手で持った場合に、キッチンスポンジが手になじみやすくなり、使用感を向上できる。
これにより、ユーザがキッチンスポンジを積層方向第2側から手で持った場合に、キッチンスポンジが手になじみやすくなり、使用感を向上できる。
〔4〕前記表層のアスカーF硬度は、55~88である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のキッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
〔5〕前記表層の厚みは、6mm以下である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のキッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
〔6〕前記中間層の厚みは、前記表層の厚みの2~4倍であり、
前記基層の厚みは、前記表層の厚みの3.5~7倍である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のキッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
前記基層の厚みは、前記表層の厚みの3.5~7倍である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のキッチンスポンジ。
これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
この発明によれば、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立できるキッチンスポンジを提供できる。
本発明に係るキッチンスポンジは、食器や調理器具等のキッチンにおける洗浄対象物を洗浄するために用いられると、好適なものである。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係るキッチンスポンジの実施形態を例示説明する。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係るキッチンスポンジの実施形態を例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るキッチンスポンジLBを概略的に示している。
キッチンスポンジLBは、基層L3と、中間層L2と、表層L1と、を備えている。本実施形態のキッチンスポンジLBは、これらの3層が積層されてなる3層構造からなる。
本明細書では、図1に表記する通り、基層L3、中間層L2、及び表層L1が積層された方向を、キッチンスポンジLBの「積層方向X」という。また、積層方向Xにおける一方側を「積層方向第1側X1」といい、積層方向Xにおける他方側を「積層方向第2側X2」という。
中間層L2は、基層L3の積層方向第1側X1の面L3aの上に形成されている。表層L1は、中間層L2の積層方向第1側X1の面L2aの上に形成されている。
キッチンスポンジLBは、基層L3と、中間層L2と、表層L1と、を備えている。本実施形態のキッチンスポンジLBは、これらの3層が積層されてなる3層構造からなる。
本明細書では、図1に表記する通り、基層L3、中間層L2、及び表層L1が積層された方向を、キッチンスポンジLBの「積層方向X」という。また、積層方向Xにおける一方側を「積層方向第1側X1」といい、積層方向Xにおける他方側を「積層方向第2側X2」という。
中間層L2は、基層L3の積層方向第1側X1の面L3aの上に形成されている。表層L1は、中間層L2の積層方向第1側X1の面L2aの上に形成されている。
本実施形態では、基層L3、中間層L2、及び表層L1どうしは、互いに固着されている。
例えば、基層L3、中間層L2、及び表層L1どうしは、接着剤を介して互いに固着されてもよい。接着剤は任意のものを使用することができ、一例として、ウレタン系接着剤を使用することができる。ウレタン系接着剤は、相溶性がよく、各層の骨格内にまで含浸して強固に接着することとなる。
あるいは、基層L3、中間層L2、及び表層L1どうしは、接着剤を介さずに、熱溶着等によって互いに固着されてもよい。
例えば、基層L3、中間層L2、及び表層L1どうしは、接着剤を介して互いに固着されてもよい。接着剤は任意のものを使用することができ、一例として、ウレタン系接着剤を使用することができる。ウレタン系接着剤は、相溶性がよく、各層の骨格内にまで含浸して強固に接着することとなる。
あるいは、基層L3、中間層L2、及び表層L1どうしは、接着剤を介さずに、熱溶着等によって互いに固着されてもよい。
基層L3、中間層L2、及び表層L1は、それぞれ、ウレタンフォームからなる。
表層L1は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物である。表層L1は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物であると、好適である。
ここで、ウレタンフォームの「圧縮加工成形物」とは、ウレタンフォームに熱と圧力をかけることによりプレスすること(圧縮加工成形)により得られた成形物である。ウレタンフォームの圧縮加工成形により、ウレタンフォーム自体に永久変形を付与して体積密度及び硬度の増加がもたらされる。よって、永久変形をもたらされたウレタンフォームの圧縮加工成形物は、強度的にも、耐油性、耐溶剤性にも、極めて優れたものとなる。
本実施形態では、表層L1は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であるので、洗浄対象物の表面にこびりついた汚れに対して効果的な汚れかき取り性(汚れをかき取る性能)を有することができる。
仮に、表層L1を、ウレタンフォームの非圧縮加工成形物(すなわち、圧縮加工成形がされていないウレタンフォーム)から構成した場合、十分な汚れかき取り性が得られにくいおそれがある。また、仮に、表層L1を、研磨剤入りの不織布から構成した場合、洗浄対象物に対して傷をつけやすい(すなわち、十分な傷つけにくさが得られにくい)おそれがある。
表層L1は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物である。表層L1は、軟質ポリウレタンフォームの圧縮加工成形物であると、好適である。
ここで、ウレタンフォームの「圧縮加工成形物」とは、ウレタンフォームに熱と圧力をかけることによりプレスすること(圧縮加工成形)により得られた成形物である。ウレタンフォームの圧縮加工成形により、ウレタンフォーム自体に永久変形を付与して体積密度及び硬度の増加がもたらされる。よって、永久変形をもたらされたウレタンフォームの圧縮加工成形物は、強度的にも、耐油性、耐溶剤性にも、極めて優れたものとなる。
本実施形態では、表層L1は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であるので、洗浄対象物の表面にこびりついた汚れに対して効果的な汚れかき取り性(汚れをかき取る性能)を有することができる。
仮に、表層L1を、ウレタンフォームの非圧縮加工成形物(すなわち、圧縮加工成形がされていないウレタンフォーム)から構成した場合、十分な汚れかき取り性が得られにくいおそれがある。また、仮に、表層L1を、研磨剤入りの不織布から構成した場合、洗浄対象物に対して傷をつけやすい(すなわち、十分な傷つけにくさが得られにくい)おそれがある。
中間層L2及び基層L3は、いずれも非圧縮加工成形物であると、好適である。
以下、圧縮試験装置によってキッチンスポンジLBに対して圧縮試験をすることにより得られる種々の測定値の好ましい値について説明する。
ここで、本明細書において、「圧縮試験装置」とは、(株)島津製作所製AGS-J 5kNを指す。図示は省略するが、圧縮試験装置は、支持台と、支持台の上方に位置する圧盤と、を備えている。圧縮試験装置を用いたキッチンスポンジLBの圧縮試験において、キッチンスポンジLBは、支持台の上面の上に置かれた状態で、上側から圧盤によって押圧されながら圧縮される。圧縮試験装置は、キッチンスポンジLBを圧縮する間、圧盤がキッチンスポンジLBに作用する圧縮荷重を所定時間間隔(0.3秒)毎に測定する。
なお、本明細書に説明する圧縮試験は、いずれも、キッチンスポンジLBの圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向Xに速度50mm/分で圧盤を変位させながらキッチンスポンジLBを押圧(ひいては圧縮)し、その間の圧縮荷重を測定するものとする。
ここで、キッチンスポンジLBの「圧縮ひずみ」(%)とは、圧縮前のキッチンスポンジLBの厚さ(積層方向Xの長さ)L(mm)に対する、圧縮によりキッチンスポンジLBが縮んだ長さ(すなわち、圧盤の変位長さ)λ(mm)の割合(λ×100/L)(%)を指す。
圧縮試験においては、基本的には、圧縮ひずみが大きくなるほど圧縮荷重が大きくなる傾向にあるが、圧縮ひずみが徐々に増大する間、圧縮荷重は、測定誤差等により、僅かに上下に変動し得る。
ここで、本明細書において、「圧縮試験装置」とは、(株)島津製作所製AGS-J 5kNを指す。図示は省略するが、圧縮試験装置は、支持台と、支持台の上方に位置する圧盤と、を備えている。圧縮試験装置を用いたキッチンスポンジLBの圧縮試験において、キッチンスポンジLBは、支持台の上面の上に置かれた状態で、上側から圧盤によって押圧されながら圧縮される。圧縮試験装置は、キッチンスポンジLBを圧縮する間、圧盤がキッチンスポンジLBに作用する圧縮荷重を所定時間間隔(0.3秒)毎に測定する。
なお、本明細書に説明する圧縮試験は、いずれも、キッチンスポンジLBの圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向Xに速度50mm/分で圧盤を変位させながらキッチンスポンジLBを押圧(ひいては圧縮)し、その間の圧縮荷重を測定するものとする。
ここで、キッチンスポンジLBの「圧縮ひずみ」(%)とは、圧縮前のキッチンスポンジLBの厚さ(積層方向Xの長さ)L(mm)に対する、圧縮によりキッチンスポンジLBが縮んだ長さ(すなわち、圧盤の変位長さ)λ(mm)の割合(λ×100/L)(%)を指す。
圧縮試験においては、基本的には、圧縮ひずみが大きくなるほど圧縮荷重が大きくなる傾向にあるが、圧縮ひずみが徐々に増大する間、圧縮荷重は、測定誤差等により、僅かに上下に変動し得る。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200N以上であると好適であり、230N以上であるとより好適であり、240N以上であるとさらに好適である。これにより、圧縮ひずみが75.1%近傍のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さが十分に硬いので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して強い力でこすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、350N以下であると好適であり、300N以下であるとより好適であり、270N以下であるとさらに好適であり、250N以下であるとよりさらに好適である。これにより、圧縮ひずみが75.1%近傍のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さが硬すぎないので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して強い力でこすった際の、洗浄対象物に対する傷のつけにくさ(傷つけにくさ)を向上できる。
よって、上記圧縮荷重の範囲を上記のように設定することにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立することができる。
ここで、「キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態」とは、すなわち、当該面LBbが下を向くようにキッチンスポンジLBを指向させて、当該面LBbを固定平面(すなわち、圧縮試験装置の支持台の上面)と接触させた状態を指す。
また、「キッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から・・・押圧し」とは、すなわち、圧縮試験装置の圧盤を、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaと接触させた状態で、下側へ(積層方向第1側X1から積層方向第2側X2に向かって)変位させることにより、圧盤によってキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から押圧することを指す。
また、「圧縮荷重」とは、圧縮試験装置によって測定される圧縮荷重を指す。
また、「キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重」は、通常、圧縮ひずみが75.1%近傍になったときに最大値を取る。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、350N以下であると好適であり、300N以下であるとより好適であり、270N以下であるとさらに好適であり、250N以下であるとよりさらに好適である。これにより、圧縮ひずみが75.1%近傍のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さが硬すぎないので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して強い力でこすった際の、洗浄対象物に対する傷のつけにくさ(傷つけにくさ)を向上できる。
よって、上記圧縮荷重の範囲を上記のように設定することにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立することができる。
ここで、「キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態」とは、すなわち、当該面LBbが下を向くようにキッチンスポンジLBを指向させて、当該面LBbを固定平面(すなわち、圧縮試験装置の支持台の上面)と接触させた状態を指す。
また、「キッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から・・・押圧し」とは、すなわち、圧縮試験装置の圧盤を、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaと接触させた状態で、下側へ(積層方向第1側X1から積層方向第2側X2に向かって)変位させることにより、圧盤によってキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から押圧することを指す。
また、「圧縮荷重」とは、圧縮試験装置によって測定される圧縮荷重を指す。
また、「キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重」は、通常、圧縮ひずみが75.1%近傍になったときに最大値を取る。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、340N以下であると好適であり、320N以下であるとより好適であり、300N以下であるとさらに好適である。これにより、圧縮ひずみが75.1%近傍のときのキッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の部分の硬さが十分に柔らかいので、ユーザがキッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から手で持った場合に、キッチンスポンジLBが手になじみやすくなり、手にかかる負荷が低減され、ユーザが感じる使用感を向上できる。
ここで、「キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態」とは、すなわち、当該面LBaが下を向くようにキッチンスポンジLBを指向させて、当該面LBaを固定平面(すなわち、圧縮試験装置の支持台の上面)と接触させた状態を指す。
また、「キッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から・・・押圧し」とは、すなわち、圧縮試験装置の圧盤を、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbと接触させた状態で、下側へ(積層方向第2側X2から積層方向第1側X1に向かって)変位させることにより、圧盤によってキッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から押圧することを指す。
また、「キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重」は、通常、圧縮ひずみが75.1%近傍になったときに最大値を取る。
ここで、「キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態」とは、すなわち、当該面LBaが下を向くようにキッチンスポンジLBを指向させて、当該面LBaを固定平面(すなわち、圧縮試験装置の支持台の上面)と接触させた状態を指す。
また、「キッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から・・・押圧し」とは、すなわち、圧縮試験装置の圧盤を、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbと接触させた状態で、下側へ(積層方向第2側X2から積層方向第1側X1に向かって)変位させることにより、圧盤によってキッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から押圧することを指す。
また、「キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重」は、通常、圧縮ひずみが75.1%近傍になったときに最大値を取る。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200N以上であると好適であり、250N以上であるとより好適であり、280N以上であるとさらに好適である。これにより、圧縮ひずみが75.1%近傍のときのキッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の部分の硬さが柔らかすぎないので、ユーザがキッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から手で持った場合に、ユーザが感じる使用感を向上できる。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.5%になったときの圧縮荷重が、15.0N以上であると好適であり、17.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが6.5%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.5%になったときの圧縮荷重が、30.0N以下であってもよく、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.5%になったときの圧縮荷重が、30.0N以下であってもよく、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.0%になったときの圧縮荷重が、15.0N以上であると好適であり、16.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが6.0%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.0%になったときの圧縮荷重が、30.0N以下であってもよく、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが6.0%になったときの圧縮荷重が、30.0N以下であってもよく、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.6%になったときの圧縮荷重が、10.0N以上であると好適であり、15.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが5.6%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.6%になったときの圧縮荷重が、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよく、17.0N以下であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.6%になったときの圧縮荷重が、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよく、17.0N以下であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.0%になったときの圧縮荷重が、10.0N以上であると好適であり、13.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが5.0%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.0%になったときの圧縮荷重が、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよく、16.0N以下であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが5.0%になったときの圧縮荷重が、25.0N以下であってもよく、20.0N以下であってもよく、16.0N以下であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが4.0%になったときの圧縮荷重が、5.0N以上であると好適であり、8.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが4.0%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが4.0%になったときの圧縮荷重が、20.0N以下であってもよく、15.0N以下であってもよく、10.0N以下であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが4.0%になったときの圧縮荷重が、20.0N以下であってもよく、15.0N以下であってもよく、10.0N以下であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮荷重が8.6Nになったときの圧縮ひずみが、5.0%以下であると好適であり、4.5%以下であるとより好適であり、4.2%以下であるとさらに好適である。これにより、より低い圧縮ひずみから、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して柔らかいタッチで(弱い力で)こすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮荷重が8.6Nになったときの圧縮ひずみが、3.2%以上であってもよく、3.8%以上であってもよい。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮荷重が8.6Nになったときの圧縮ひずみが、3.2%以上であってもよく、3.8%以上であってもよい。
キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.0%になったときの圧縮荷重が、35.0N以上であると好適であり、38.0N以上であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが40.0%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さを高めることができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して普通の(すなわち、通常使われる、中間の)力でこすった際の、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)を向上できる。
同様の観点から、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、35.0N以上であると好適であり、38.0N以上であるとより好適である。
また、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.0~50.0%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、6.0N以下であると好適であり、5.2N以下であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが40~50%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さをほぼ一定に維持することができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して普通の(すなわち、通常使われる、中間の)力でこする間、力の強さが多少変動しても、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)をほぼ一定に維持でき、ひいては、ユーザが感じる使用感の安定性を向上できる。
同様の観点から、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6~50.3%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、5.0N以下であると好適であり、4.0N以下であるとより好適である。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.0%になったときの圧縮荷重が、50N以下であってもよく、45N以下であってもよく、41N以下であってもよい。
同様に、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、50N以下であってもよく、45N以下であってもよく、41N以下であってもよい。
同様の観点から、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、35.0N以上であると好適であり、38.0N以上であるとより好適である。
また、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.0~50.0%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、6.0N以下であると好適であり、5.2N以下であるとより好適である。これにより、圧縮ひずみが40~50%のときのキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の部分の硬さをほぼ一定に維持することができるので、ユーザがキッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(本実施形態では、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って洗浄対象物に対して普通の(すなわち、通常使われる、中間の)力でこする間、力の強さが多少変動しても、汚れかき取り性(特に、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性)をほぼ一定に維持でき、ひいては、ユーザが感じる使用感の安定性を向上できる。
同様の観点から、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6~50.3%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、5.0N以下であると好適であり、4.0N以下であるとより好適である。
なお、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.0%になったときの圧縮荷重が、50N以下であってもよく、45N以下であってもよく、41N以下であってもよい。
同様に、キッチンスポンジLBは、圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面を固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧する間、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、50N以下であってもよく、45N以下であってもよく、41N以下であってもよい。
以下、キッチンスポンジLBの好ましい構成について、さらに詳しく説明する。なお、上述した圧縮試験をすることにより得られる種々の測定値の好ましい値は、キッチンスポンジLBを構成する各層の硬さ、厚さ、材料等を適宜調整することによって実現することができ、例えば、以下に説明する種々の構成によって、実現しやすくなる。
基層L3、中間層L2、及び表層L1を形成するウレタンフォームは、エステル系ウレタンフォームであっても、エーテル系ウレタンフォームであってもよい。
エステル系ウレタンフォームはコハク酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸等にて代表される脂肪族ジカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等にて代表される脂肪族及び/又は脂環族ポリオールとを反応して得られるポリエステルポリオールと、TDI、MDI、TODI、XDI等にて代表されるポリイソシアネートとの反応によってフォーム化し、セル形成されたもので、通常はセル膜が全ての骨格に付着した状態である。そして性状はセルの性状がバラツキが少なく、優れた外観を呈し、引っ張り強度、伸び等が大きく、耐油性、耐溶剤性にも優れたものである。
基層L3及び表層L1は、それぞれ、互いに連通するセルを有する三次元網状化ウレタンフォームであると、好適である。三次元網状化ウレタンフォームとは、ウレタンフォームのセル膜を除去したウレタンフォームであって、骨格のみが残り三次元網状化を呈するものである。通常はこのセル膜の除去は公知の爆発法にて行うものであり、除去されたセル膜は骨格に一体に付着するため、処理前に比べて強度的に、更には、耐油性、耐溶剤性にも優れたものとなる。
中間層L2は、セル膜未除去ウレタンフォームであると、好適である。但し、一部のセル膜はセル室間を互いに連通する孔を有していてもよい。この場合、中間層L2のウレタンフォームは、セル膜が除去されていないため、中間層L2は洗剤及び水の保持をする機能(保持機能)を有する。
基層L3は、上述した通り、非圧縮成型物であると、好適である。基層L3は、セル膜未除去ウレタンフォームであると、好適である。この場合、基層L3は、素早く洗剤がなじみ一気に泡立てを行うことを可能にし、洗浄力を増す機能(泡立て機能)を有する。
表層L1のアスカーF硬度は、55以上であると好適であり、60以上であるとより好適である。これにより、ユーザが表層L1を使って洗浄対象物に対してこすった際の、汚れかき取り性を向上できる。
また、表層L1のアスカーF硬度は、88以下であると好適であり、83以下であるとより好適である。これにより、ユーザが表層L1を使って洗浄対象物に対してこすった際の、傷つけにくさを向上できる。
本明細書において、任意の部材(表層L1、中間層L2、基層L3等)の「アスカーF硬度」は、当該部材を水平な台の上に載置し、測定器としてのアスカーゴム硬度計F型(高分子計器株式会社製)を、当該部材の上に載せてから、当該測定器の測定値が安定した後(例えば、載せてから20秒以降1分30秒以内)に、当該測定器から得られる測定値を指すものとする。測定するまでの時間は、測定器を載せてから安定することを目的として適宜調整してよい。
また、表層L1のアスカーF硬度は、88以下であると好適であり、83以下であるとより好適である。これにより、ユーザが表層L1を使って洗浄対象物に対してこすった際の、傷つけにくさを向上できる。
本明細書において、任意の部材(表層L1、中間層L2、基層L3等)の「アスカーF硬度」は、当該部材を水平な台の上に載置し、測定器としてのアスカーゴム硬度計F型(高分子計器株式会社製)を、当該部材の上に載せてから、当該測定器の測定値が安定した後(例えば、載せてから20秒以降1分30秒以内)に、当該測定器から得られる測定値を指すものとする。測定するまでの時間は、測定器を載せてから安定することを目的として適宜調整してよい。
表層L1のアスカーF硬度は、中間層L2のアスカーF硬度よりも大きいことが好ましい。これにより、汚れかき取り性を向上できる。
また、表層L1のアスカーF硬度は、基層L3のアスカーF硬度よりも大きいことが好ましい。
また、表層L1のアスカーF硬度は、基層L3のアスカーF硬度よりも大きいことが好ましい。
表層L1の厚み(積層方向Xの長さ)は、6mm以下であると好適であり、4mm以下であるとより好適であり、3mm以下であるとさらに好適である。これにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。また、洗浄対象物に対する形状追随性を向上できる。
なお、表層L1の厚みは、1mm以上であると好適である。
なお、表層L1の厚みは、1mm以上であると好適である。
中間層L2の厚み(積層方向Xの長さ)は、表層L1の厚みの2~4倍であると、好適である。
基層L3の厚み(積層方向Xの長さ)は、表層L1の厚みの3.5~7倍であると、好適である。
これらにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
基層L3の厚み(積層方向Xの長さ)は、表層L1の厚みの3.5~7倍であると、好適である。
これらにより、汚れかき取り性と傷つけにくさとをさらに良好に両立できる。
中間層L2の厚みは、例えば、9~11mmとしてもよい。
基層L3の厚みは、例えば、17~19mmとしてもよい。
基層L3の厚みは、例えば、17~19mmとしてもよい。
表層L1を構成するウレタンフォームの圧縮加工成形前の密度は、例えば、27.5~32.5kg/m3としてもよい。
中間層L2の密度は、例えば、29~33kg/m3としてもよい。
基層L3の密度は、例えば、26~30kg/m3としてもよい。
ここで、「密度」は、JIS K6400-1に準拠して測定されるものとする。
中間層L2の密度は、例えば、29~33kg/m3としてもよい。
基層L3の密度は、例えば、26~30kg/m3としてもよい。
ここで、「密度」は、JIS K6400-1に準拠して測定されるものとする。
表層L1の圧縮加工成形前の硬さ(N)は、例えば、105~155Nとしてもよい。
中間層L2の硬さ(N)は、例えば、150~250Nとしてもよい。
基層L3の硬さ(N)は、例えば、70~130Nとしてもよい。
ここで、「硬さ(N)」は、JIS K6400-2(D法)に準拠して測定した25%ILD硬度である。
中間層L2の硬さ(N)は、例えば、150~250Nとしてもよい。
基層L3の硬さ(N)は、例えば、70~130Nとしてもよい。
ここで、「硬さ(N)」は、JIS K6400-2(D法)に準拠して測定した25%ILD硬度である。
表層L1としての圧縮加工成形されたウレタンフォームのセル数は5~10個/インチとしてもよい。
中間層L2のウレタンフォームのセル数は25~35個/インチとしてもよい。
基層L3のウレタンフォームのセル数は10~20個/インチとしてもよい。
中間層L2のウレタンフォームのセル数は25~35個/インチとしてもよい。
基層L3のウレタンフォームのセル数は10~20個/インチとしてもよい。
表層L1としての圧縮加工成形物の圧縮倍率は、4.5以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。これにより、汚れかき取り性を向上できる。
また、表層L1としての圧縮加工成形物の圧縮倍率は、7未満であることが好ましい。これにより、傷つきにくさを向上できる。
また、表層L1としての圧縮加工成形物の圧縮倍率は、7未満であることが好ましい。これにより、傷つきにくさを向上できる。
表層L1は、圧縮加工成形物の圧縮加工成形時の圧縮方向と、キッチンスポンジLBの積層方向Xとが、一致するように配置されていることが好ましい。これにより、基層L3、中間層L2、及び表層L1が、積層体として一体的に製造しやすくなる。また、基層L3及び中間層L2での泡立ちが表層L1に引き継がれやすくなる。
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。
例えば、キッチンスポンジLBは、表層L1、中間層L2、及び基層L3に加え、他の層を更に備えてもよい。具体的には、例えば、基層L3の積層方向第2側X2の面L3bの上に、他の層が形成されてもよい。他の層の素材は、ウレタンフォームに限られず、任意のものとすることができる。具体的には、他の層は、例えば、セルロース等の有機繊維、又はメラミンフォーム、ポリエチレンフォーム、及びポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂を任意に用いて形成することが可能である。
例えば、キッチンスポンジLBは、表層L1、中間層L2、及び基層L3に加え、他の層を更に備えてもよい。具体的には、例えば、基層L3の積層方向第2側X2の面L3bの上に、他の層が形成されてもよい。他の層の素材は、ウレタンフォームに限られず、任意のものとすることができる。具体的には、他の層は、例えば、セルロース等の有機繊維、又はメラミンフォーム、ポリエチレンフォーム、及びポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂を任意に用いて形成することが可能である。
実施例1及び比較例1~4に係るキッチンスポンジLBを準備し評価したので説明する。圧縮率、圧縮荷重、ひずみ等の値を小数点以下第1位で記載する場合は、いずれも小数点以下第2位を四捨五入した。
各例に係るキッチンスポンジLBの諸元は、表1に示すとおりである。
各例のキッチンスポンジLBについて、上記圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態で、圧縮ひずみが最大75.1%になるまで、キッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧した際の、圧縮荷重-圧縮ひずみ曲線は、図4に示すとおりであり、また、当該押圧をする間に測定された圧縮荷重の最大値は、図2に示すとおりである。
各例のキッチンスポンジLBについて、上記圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定された圧縮荷重の最大値は、図3に示すとおりである。なお、図2及び図3は小数点以下を四捨五入し整数表記とした。
各例に係るキッチンスポンジLBの諸元は、表1に示すとおりである。
各例のキッチンスポンジLBについて、上記圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第2側X2の面LBbを固定平面に接触させた状態で、圧縮ひずみが最大75.1%になるまで、キッチンスポンジLBを積層方向第1側X1から速度50mm/分で押圧した際の、圧縮荷重-圧縮ひずみ曲線は、図4に示すとおりであり、また、当該押圧をする間に測定された圧縮荷重の最大値は、図2に示すとおりである。
各例のキッチンスポンジLBについて、上記圧縮試験装置を用いた圧縮試験において、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBaを固定平面に接触させた状態でキッチンスポンジLBを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで積層方向第2側X2から速度50mm/分で押圧する間に測定された圧縮荷重の最大値は、図3に示すとおりである。なお、図2及び図3は小数点以下を四捨五入し整数表記とした。
なお、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮ひずみが4.0%になったときの圧縮荷重が8.6Nであり、圧縮ひずみが5.6%になったときの圧縮荷重が16.2Nであり、圧縮ひずみが6.5%になったときの圧縮荷重が17.9Nである。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮荷重が8.6Nになったときの圧縮ひずみが、4.0%であった。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、39.2Nであった。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮ひずみが40.6~50.3%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、3.7Nであった。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮荷重が8.6Nになったときの圧縮ひずみが、4.0%であった。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮ひずみが40.6%になったときの圧縮荷重が、39.2Nであった。
また、図4に示す圧縮試験において、実施例1のキッチンスポンジLBは、圧縮ひずみが40.6~50.3%の範囲内における圧縮荷重の最小値及び最大値どうしの差が、3.7Nであった。
各例のキッチンスポンジLBについて、汚れかき取り性、傷つけにくさ、及び使用感に関する評価を行った。
汚れかき取り性の評価においては、キッチンスポンジLBを50mm幅にカットしたサンプルを得た後、サンプルの厚みを測定した。また、サンプルを厚み方向に徐々に圧縮していき、圧縮荷重が20Nとなるときのサンプルの厚み(以下、「設定厚み」という)を求めた。その後、サンプルの厚みが設定厚みになるように、サンプルを測定装置にセットした。測定装置は、互いに上下方向に対向する上板及び下板と、上板及び下板どうしの間に配置された複数のスペーサーと、サンドペーパーとを、備えていた。サンプルは、サンプルの表層L1を上に指向した状態で、上板及び下板どうしの間に配置し、上板及び下板どうしの間隔は、スペーサーにより調整し、それにより、サンプルの厚みを設定厚みになるように調整した。サンドペーパーは、粗さが1000番であり、10mm幅であった。サンドペーパーの粗さを1000番とすることにより、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性を評価できるようにした。サンドペーパーは、サンドペーパーの長手方向をサンプルの幅方向に一致させた状態で、サンプルと上板との間に挟んだ。その状態で、サンドペーパーを貼り付けた治具をサンプルの幅方向に20mmだけ引っ張り、引っ張った際における、サンプルの表層L1とサンドペーパーとの間の摩擦力を測定した。ここで、サンドペーパーを取り付けたプレートの先端に作用する引張力を引張試験機で測定し、その測定値を摩擦力とした。また、圧縮荷重を40N、60Nとした場合についても、同様にして摩擦力を測定した。圧縮荷重20N、40N、60Nのそれぞれについて、摩擦力の測定値を、指数値として、汚れかき取り性の評価値とした。測定毎に、サンプル及びサンドペーパーは新面を使用した。その結果を表1に示す。汚れかき取り性の指数値は、その値が高いほど、摩擦力が高く、ひいては、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性が高いことを示す。圧縮荷重を20Nとした場合は、洗浄対象物に対して弱い力でこすった場合を再現し、圧縮荷重を40Nとした場合は、洗浄対象物に対して普通の力でこすった場合を再現し、圧縮荷重を60Nとした場合は、洗浄対象物に対してやや強めの力でこすった場合を再現したといえる。
傷つけにくさの評価においては、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(すなわち、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って、洗浄対象物に対して強い力でこすった際の傷つけにくさを、◎(優)、〇(良)、△(可)、×(不可)の4段階で評価した。その結果を、表1に示す。
使用感の評価においては、キッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から手で持った際の手へのなじみやすさを、〇、△の2段階で評価した。〇は程よく柔らかくて手の馴染みが良いことを示す。△は、手へのなじみやすさが良好ではないことを示す。その結果を、表1に示す。
汚れかき取り性の評価においては、キッチンスポンジLBを50mm幅にカットしたサンプルを得た後、サンプルの厚みを測定した。また、サンプルを厚み方向に徐々に圧縮していき、圧縮荷重が20Nとなるときのサンプルの厚み(以下、「設定厚み」という)を求めた。その後、サンプルの厚みが設定厚みになるように、サンプルを測定装置にセットした。測定装置は、互いに上下方向に対向する上板及び下板と、上板及び下板どうしの間に配置された複数のスペーサーと、サンドペーパーとを、備えていた。サンプルは、サンプルの表層L1を上に指向した状態で、上板及び下板どうしの間に配置し、上板及び下板どうしの間隔は、スペーサーにより調整し、それにより、サンプルの厚みを設定厚みになるように調整した。サンドペーパーは、粗さが1000番であり、10mm幅であった。サンドペーパーの粗さを1000番とすることにより、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性を評価できるようにした。サンドペーパーは、サンドペーパーの長手方向をサンプルの幅方向に一致させた状態で、サンプルと上板との間に挟んだ。その状態で、サンドペーパーを貼り付けた治具をサンプルの幅方向に20mmだけ引っ張り、引っ張った際における、サンプルの表層L1とサンドペーパーとの間の摩擦力を測定した。ここで、サンドペーパーを取り付けたプレートの先端に作用する引張力を引張試験機で測定し、その測定値を摩擦力とした。また、圧縮荷重を40N、60Nとした場合についても、同様にして摩擦力を測定した。圧縮荷重20N、40N、60Nのそれぞれについて、摩擦力の測定値を、指数値として、汚れかき取り性の評価値とした。測定毎に、サンプル及びサンドペーパーは新面を使用した。その結果を表1に示す。汚れかき取り性の指数値は、その値が高いほど、摩擦力が高く、ひいては、比較的細かい汚れ(具体的には、粒径100μm以下(特に10~70μm)の汚れ)に対する汚れかきとり性が高いことを示す。圧縮荷重を20Nとした場合は、洗浄対象物に対して弱い力でこすった場合を再現し、圧縮荷重を40Nとした場合は、洗浄対象物に対して普通の力でこすった場合を再現し、圧縮荷重を60Nとした場合は、洗浄対象物に対してやや強めの力でこすった場合を再現したといえる。
傷つけにくさの評価においては、キッチンスポンジLBの積層方向第1側X1の面LBa(すなわち、表層L1の積層方向第1側X1の面L1a)を使って、洗浄対象物に対して強い力でこすった際の傷つけにくさを、◎(優)、〇(良)、△(可)、×(不可)の4段階で評価した。その結果を、表1に示す。
使用感の評価においては、キッチンスポンジLBを積層方向第2側X2から手で持った際の手へのなじみやすさを、〇、△の2段階で評価した。〇は程よく柔らかくて手の馴染みが良いことを示す。△は、手へのなじみやすさが良好ではないことを示す。その結果を、表1に示す。
表1の結果からわかるように、実施例1のキッチンスポンジLBは、比較例1~4のキッチンスポンジLBに比べて、汚れかき取り性と傷つけにくさとをより良好に両立できている。比較例1は、図2や図4からもわかるように、表層が硬く、汚れかきとり性には優れるものの、表層が、硬すぎるとともに、研磨剤入り不織布で構成されているため、傷つけやすい。比較例2は、表層がウレタンフォームの圧縮加工成形物で構成されている点で実施例1と共通し、傷つけにくいものの、図2や図4からもわかるように、表層の硬さが足りないために、汚れかきとり性が弱く、洗浄力が実施例1に対し劣る。比較例3は、図2及び図3に示される数値が実施例1に近いが、表層が研磨剤入り不織布で構成されているため、実施例1と比較して傷をつけやすい。比較例4は、図2や図4からもわかるように、表層が柔らかいが、表層は研磨剤入り不織布で構成されているために傷をつけやすい。また、使用感に関しては、実施例1、比較例2、比較例3は、良好な結果が得られたのに対し、比較例1については硬すぎて持ちにくく、比較例4については柔らかすぎて持ちにくく、洗いにくい結果となった。
本発明に係るキッチンスポンジは、食器や調理器具等のキッチンにおける洗浄対象物を洗浄するために用いられると、好適なものである。
LB:キッチンスポンジ、 LBa:積層方向第1側の面、 LBb:積層方向第2側の面、
L1:表層、 L1a:積層方向第1側の面、 L1b:積層方向第2側の面、
L2:中間層、 L2a:積層方向第1側の面、 L2b:積層方向第2側の面、
L3:基層、 L3a:積層方向第1側の面、 L3b:積層方向第2側の面、
X:積層方向、 X1:積層方向第1側、 X2:積層方向第2側
L1:表層、 L1a:積層方向第1側の面、 L1b:積層方向第2側の面、
L2:中間層、 L2a:積層方向第1側の面、 L2b:積層方向第2側の面、
L3:基層、 L3a:積層方向第1側の面、 L3b:積層方向第2側の面、
X:積層方向、 X1:積層方向第1側、 X2:積層方向第2側
Claims (6)
- 基層と、
前記基層の積層方向第1側の面の上に形成された中間層と、
前記中間層の前記積層方向第1側の面の上に形成された表層と、
を備えた、キッチンスポンジであって、
前記基層、前記中間層、及び前記表層は、それぞれ、ウレタンフォームからなり、
前記表層は、ウレタンフォームの圧縮加工成形物であり、
前記キッチンスポンジの積層方向第2側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第1側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200~350Nである、キッチンスポンジ。 - 前記キッチンスポンジの前記積層方向第1側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第2側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、340N以下である、請求項1に記載のキッチンスポンジ。
- 前記キッチンスポンジの前記積層方向第1側の面を固定平面に接触させた状態で前記キッチンスポンジを圧縮ひずみが最大75.1%になるまで前記積層方向第2側から速度50mm/分で押圧する間に測定される圧縮荷重の最大値が、200N以上である、請求項1又は2に記載のキッチンスポンジ。
- 前記表層のアスカーF硬度は、55~88である、請求項1又は2に記載のキッチンスポンジ。
- 前記表層の厚みは、6mm以下である、請求項1又は2に記載のキッチンスポンジ。
- 前記中間層の厚みは、前記表層の厚みの2~4倍であり、
前記基層の厚みは、前記表層の厚みの3.5~7倍である、請求項1又は2に記載のキッチンスポンジ。
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---|---|---|---|
JP2022107374A JP2024006481A (ja) | 2022-07-01 | 2022-07-01 | キッチンスポンジ |
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2022
- 2022-07-01 JP JP2022107374A patent/JP2024006481A/ja active Pending
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Legal Events
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---|---|---|---|
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