JP6580086B2 - 複合スポンジバフ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの塗装表面や樹脂成形品表面などのバフ表面研磨具に関し、特にこの研磨具に用いられるスポンジバフに関する。
塗装表面の仕上げとして表面光沢を与えるために、各種の回転型ポリッシャー(回転型研磨具)を用いて塗装表面のバフ研磨を行うことが広く行われている。塗装表面の仕上げ研磨は、表面を滑らかな均一の光沢表面に仕上げるために行うもので、一般の金属成形品の鏡面仕上げと異なり、表面は柔軟な樹脂で構成されており、バフ研磨により表面光沢を付与するためには研磨具に装着するバフが重要な役割を果たし、各種のバフが使用されている。バフとしては、タオルバフ、ウールバフ、フェルトバフ、布被覆バフ等の繊維素材によるバフ、及びスポンジバフなどが用いられてきた。特にスポンジバフは、主としてポリウレタンフォームが用いられ、基材自体の物性や目の粗さも種々のものが提供されており、被研磨材の種類や表面の状態に応じて、適正な目の粗さや物性のスポンジを選択することができる。さらにスポンジバフは多孔質の素材であり、コンパウンドを含有保持する性能も優れており、よく用いられている。
塗装表面や樹脂成形品表面の仕上げ工程として行われるバフ研磨は、塗装表面の突起や凹部などの欠陥を修正するペーパー掛け工程に続いて行われ、このペーパー掛けにより生じたペーパー目を消しながら、表面光沢を付与するために行われる。しかしながら、塗装表面のように樹脂により構成される柔軟な表面では、バフ研磨を行った表面は一見すると均一に綺麗に仕上がったように見えても、細かい研磨傷が残されていることが多い。そのため、このようなバフ研磨ではコンパウンドの粗さを順次細かくして行くと共に、種類の異なるバフを使い分けることで、塗装表面に既に存在している研磨傷を研削して消去し、新たに発生する研磨傷はより細かく、より小さくすることで表面光沢を付与していた。
スポンジバフでは、研磨作業により発生する研磨傷をより細かく、小さくすることができ、良好な表面光沢を得ることができるため、バフ研磨の仕上げによく使用される。しかし、スポンジバフは塗装表面に既に存在しているペーパー目や研磨傷などの欠陥を消去する研削力は小さい。この研削力を高めるためには、バフ素材のスポンジの物性をより硬いものとすればよいが、より硬い物性のスポンジの使用は新たに発生する研磨傷を大きくするため、良好な表面光沢を得る研磨力に劣るスポンジバフとなる。そのため、スポンジバフとして適正な物性のバフを設計するのは容易ではなく、バフ研磨においては複数のバフを使い分けることが多かった。
良好なバフ研磨を実現するために、スポンジバフを改良した各種の複合スポンジバフがこれまでにも提案されており、例えば、特許文献1には、研磨表面をポリウレタンからなる第1気泡構造体層とし、この構造体層の裏面側にゴムまたは樹脂から成る第2気泡構造体層を結合させた複合スポンジバフが提案され、特許文献2には、発泡体から成る基材セクション(基材層)と異なる柔軟性を持つ発泡体から成る接触セクション(研磨部材層)とを接合した複合スポンジバフが提案されている。しかしながら、特許文献1に示される複合スポンジバフは研磨面が磨滅しても終始一定の弾性が得られるようにするもので、各層の硬度などの物性値は具体的に示されていない。特許文献2に示される複合スポンジバフにおいても、定性的に各層の柔軟性が異なるとしているだけで、具体的な物性値は示されていない。
また、特許文献3には、軟質ウレタンフォームの基材の表面に、熱プレス成形により圧縮して表面に凸部と溝とが備えられた軟質ウレタンフォームの表面材が固着された複合スポンジバフが提案されている。この複合スポンジバフは研磨に際して、研磨面の温度上昇を防ぎ、バフの早期劣化を防ぐものである。そして、特許文献3には、ウレタンフォームの密度や寸法は示されているが、硬度などの物性値は示されていない。
一方、特許文献4には塗装表面の艶出し仕上げ研磨に用いる研磨用パッド(バフ)として、対象物の表面に接触する表面材のバックアップ材が、アスカーFタイプ硬度で60以上の発泡ポリウレタン、軟質ゴム等の素材である複合バフが示されている。しかし、この複合バフは、バックアップ材はスポンジであるが、表面材は織布、不織布のいずれかであり(特許文献4の段落[0017]を参照)、表面材としてスポンジを用いることは示されていない。
特開平10−244470号公報 特表2002−507156号公報 特開平11−300630号公報 特開2001−105296号公報
本発明の課題は、バフ研磨時において、良好な表面光沢を得ることができるスポンジバフの特性を活かしつつ、ペーパー目や研磨傷などの欠陥を消去する研削力に優れた複合スポンジバフを提供することである。
本発明で提供される複合スポンジバフは、被研磨表面に接触して研磨を行うスポンジ素材からなる表面部材が、それより硬い素材からなる支持部材の頂面で背面より部分的に支えられる構造となっており、表面部材の支えられている部分における硬さと支えられていない部分の硬さの差が特定の範囲の硬度となるように、この部分における表面部材の厚さが設定されている構造の複合スポンジバフである。
本発明においては、上記した各部材の硬さはJIS K 6253-3:2012で規定されるデュロメータ(ゴム硬度計)ないしはこの規定に準じて改良されたデュロメータ(ゴム硬度計)で測定した硬度で示し、その数値が大きいほど硬い素材である。そして、このデュロメータのタイプや型式に応じて、測定した硬度をタイプAデュロメータで測定した数値はA硬度、タイプEデュロメータで測定した数値はE硬度などと称する。さらに、前記JISで規定されるEタイプに準じて、柔らかいスポンジ素材でも適正に測定できるように改良されたタイプFデュロメータ(高分子計器株式会社製、商品名:アスカーゴム硬度計F型)にて測定した数値をF硬度と称する。デュロメータにて測定する硬度の数値は各タイプとも0〜100で示されるが、測定試料の硬度により、いずれかのタイプが選択され、タイプAで硬度が90を超える場合はタイプDを選択し、硬度が20未満ではタイプEを選択するように前記JISで規定されており、本発明でもそれに準じて、F硬度が90を超える場合にはタイプAないしはタイプEを選択しA硬度ないしはE硬度の測定を行った。
スポンジ素材の試料の硬度測定では、測定試料の厚さにより、測定硬度の数値は変動する。すなわち、スポンジは柔らかい素材でありその影響は大きく、測定試料の厚さが十分でない場合には、背面に置かれた素材の硬さの影響を受け、素材自体の硬さである素材硬度でなく、測定試料の厚さと背面に置かれた素材の硬さの影響を受けた測定値となる。本発明においては、このように測定値が測定試料の厚さと背面に置かれた素材の影響を受けることを利用して、前記した課題を克服できる複合スポンジバフを提供すべく、表面部材と支持部材の選択とそれらの適切な組み合わせを検討し、前記した複合スポンジバフの構成に至ったものである。
本発明では、表面部材を支持部材にて背面より部分的に支える構造としているが、この支えられた部分における硬度を特定の範囲とすることで、支えられていない部分との間で特定の硬度差を生じさせ、研磨力の向上を図るものである。そして、本発明においては、測定試料の厚さと背面に置かれた素材の硬さの影響を受ける状態で測定された硬度を、測定試料素材の実効硬度とし、前記したように測定に用いたデュロメータの各タイプに応じて、タイプFによるものを実効F硬度、タイプEによるものを実効E硬度と定義する。また、背面に置かれた素材の硬さの影響を受けない状態、すなわち十分な厚さの測定試料により測定した硬度を、素材本来の硬度と見做して素材硬度とし、同様にタイプAによるものを素材A硬度、タイプFによるものを素材F硬度、タイプEによるものを素材E硬度と定義する。
前記した本発明の複合スポンジバフは、前面で被研磨表面と接触する表面部材と、該表面部材の背面を部分的に支える支持部材とを有する複合スポンジバフであって、表面部材はスポンジ素材からなり、支持部材は表面部材より硬い素材であり、かつ素材F硬度70より硬く、素材A硬度70より柔らかい素材からなり、表面部材を支える部分の支持面の総面積が表面部材の前面の面積の20%〜70%であって、表面部材の支持部材で支えられている部分における実効F硬度と、支えられていない部分における実効F硬度もしくはスポンジ素材の素材F硬度との数値差が3〜10の範囲となるように、支えられている部分における表面部材の厚さが設定されている複合スポンジバフである。
そして、表面部材となるスポンジ素材は素材F硬度30〜90であることが好ましく、特に、軟質ウレタンフォームであることが好ましい。
本発明の複合スポンジバフは、塗装表面などの被研磨表面と接触する表面部材の前面における硬さを部分的に変化させている。この硬さを部分的の変化させる基準としては、デュロメータ―(ゴム硬度計)による測定値を基にしている。デュロメータ―測定による硬度は、測定用の押針を測定試料に押し込んだ時の押針の押し込み深さから得られる値であり、測定試料が押針を押し返す力から得られる値でもある。そのため、デュロメータによる硬度を基にした表面部材の前面における硬さを部分的に変化させることは、表面部材が被研磨面を押す力を部分的に変化させることになり、本発明の複合スポンジバフのペーパー目や研磨傷などの欠陥を消去する研削力を向上させている。
そのため、本発明の複合スポンジバフは、良好な表面光沢を得ることができるスポンジバフの特性を活かしながら、研削力の向上したバフ研磨を行うことができるスポンジバフとなる。そのため、この複合スポンジバフを用いることで、研磨作業の進行に伴いスポンジバフを取り替えることもなく、研磨作業を行うことができ、良好な表面光沢を得ることができると共に、バフ研磨効率を向上することができる。
本発明の複合スポンジバフの一部断面斜視図と断面側面図である。 本発明の他の形態の複合スポンジバフの一部断面斜視図と断面側面図である。 本発明のその他の形態の複合スポンジバフの一部断面斜視図である。 本発明のその他の形態の複合スポンジバフの一部断面斜視図である。 複合スポンジバフを取付けた研磨具の側面説明図である。
本発明の実施の形態につき、図を基にして以下詳細に説明する。
本発明の複合スポンジバフは回転型ポリッシャータイプの研磨具に取付けられて、バフ研磨に供されるが、図5に複合スポンジバフ10が取り付けられた研磨具50の側面説明図を示す。研磨具50は本体51に内蔵するモーター52と、モーター52からの駆動力を出力する駆動軸53と、これに固定された回転円盤54とを有し、複合スポンジバフ10は取付け部材7により、回転円盤54に着脱自在に取付けられる。バフ研磨具1による研磨作業は、作業者がメイングリップ55とサブグリップ56を掴み、複合スポンジバフ10の前面を被研磨面に押し付けて行うことができる。
図5では、バフ研磨具1としては、回転円盤54を単純な回転運動をさせて研磨を行うシングル回転型ポリッシャーを示したが、ハンディポリッシャーには、その他、正逆転運動を交互に行う揺動型ポリッシャー、複雑なトロコイド運動をするギアアクションポリッシャー、および駆動出力軸53の中心から偏心した位置に回転円盤の回転軸中心を設置し、回転円盤54の回転運動を不規則かつ複雑な運動とするランダムアクションポリッシャーなどがある。しかし、バフ10を回転円盤54に取付けてバフ研磨作業に供されるのはいずれのタイプも同じであり、本発明の複合スポンジバフはいずれのポリッシャーにも適用可能である。
図1は、本発明の複合スポンジバフを示し、上図は一部断面斜視図であり、下図は断面側面図である。複合スポンジバフ11は、スポンジ素材からなる表面部材1を、基材6の上に平行して複数配置された角材状の支持部材2が支持面4にて、表面部材1を部分的に支持した構成となっている。この実施例では、表面部材1は各支持部材2を包埋した構造であり、非支持部5にもスポンジ素材が充填されている。また、各支持部材2は基材6の上に配置されているが、各支持部材2と基材6とは同じ素材で構成されていてもよく、一体物として成形されていてもよい。
複合スポンジバフ11は、前記したように研磨具50の回転円盤54に取付け部材7にて取付けられ、表面部材1の前面3を被研磨表面に押し付けて研磨作業に供せられる。取付け部材7は着脱自在に取付け可能とするために、面ファスナーが好ましく用いられる。
複合スポンジバフ11では、表面部材1は支持部材2の頂面である支持面4にて背面から部分的に支持されており、支持面4の総面積は、表面部材1の前面3の面積の20%〜70%に設定されている。この表面部材1の前面3において、支持されている部分である被支持部分Aと、支持部材2が存在しない非支持部5に対面する支持されていない部分である非被支持部分Bとの間で、硬さに差をつけることで、良好な研磨表面を得ると共に、バフ研磨時の研削力も向上させている。この硬さに差をつけるとは、被支持部分Aにおける実効硬度と、非被支持部分Bにおける実効硬度もしくは素材硬度とで、数値差をつけることであり、前者をより硬くすることである。前記したように、表面部材1を構成するスポンジ素材の硬度は、スポンジ素材の厚さの硬さの影響が大きいので、被支持部分Aにおける表面部材1の厚さを調整することで硬さに差をつける。
具体的には、被支持部分Aにおける表面部材1の実効F硬度が、非被支持部分Bにおける表面部材1の実効F硬度もしくはスポンジ素材の素材F硬度より数値として3〜10硬くなるように、被支持部分Aにおける表面部材1の厚さdを設定することで、被支持部分Aと非被支持部分Bとの間で、良好な研磨表面を得ると共に、バフ研磨時の研削力も向上させることのできる硬さの差をつけることができる。この場合、非被支持部分Bにおける表面部材1の硬度は、支持部材2の高さが十分に高く、基材6から前面3までの表面部材1の全体厚さが十分にあり、素材F硬度を測定できる厚さ以上であれば、素材F硬度となり、厚さが薄い場合はこの部分における実効F硬度となる。
複合スポンジバフ11において、表面部材1の被支持部分Aにおける実効F硬度と、非被支持部分Bにおける実効F硬度もしくはスポンジ素材の素材F硬度との硬度差が3未満では研磨力が向上せず、10を超えると研磨表面を噛みこんだ傷が入りやすく、良好な表面光沢が得られない。
図2は、別の形態の複合スポンジバフ12を示し、上図は一部断面斜視図であり、下図は断面側面図である。複合スポンジバフ12は、スポンジ素材からなる表面部材21を、基材26に平行して複数配置された角材状の支持部材22が支持面24にて、表面部材21を部分的に支持した構成となっている。この実施例では、表面部材21は各支持部材22の頂面である支持面24に接合して配置されており、各支持部材22は表面部材21には包埋されてなく、非支持部25は空洞となっている。各支持部材22は基材26の上に配置されているが、前記と同様に各支持部材22と基材26とは同じ素材で構成されていてもよく、一体物として成形されていてもよい。そして、複合スポンジバフ11と同様に、支持面24の総面積は、表面部材21の前面23の面積の20%〜70%に設定されている。
複合スポンジバフ12においては、表面部材21の非被支持部分Bは、背面は空洞の非支持部25となっているため、この部分における硬度は、スポンジ素材の素材F硬度と見做して、被支持部分Aにおける表面部材21の厚さdは、被支持部分Aにおける表面部材21の実効F硬度が、表面素材21を構成するスポンジ素材の素材F硬度より数値として3〜10硬くなるように設定する。このように設定することで、図1に示した複合スポンジバフ11と同様に、表面部材21の前面23において、被支持部分Aと非被支持部分Bとの間で、硬さに差をつけることができる。この複合スポンジバフ12は研磨具50に取付け部材27にて取付けられて研磨作業に供され、研削力に優れた効率の良い研磨作業により、良好な研磨面を得ることができる。
図3は、さらに別の形態の複合スポンジバフ13を示し、図4は複合スポンジバフ14を示す。図3に示す複合スポンジバフ13は、スポンジ素材からなる表面素材31を、基材36の上に配置された多数の円柱状の支持部材32の支持面34にて、表面部材31を部分的に支持した構成となっており、図4に示す複合スポンジバフ14は、スポンジ素材を構成素材とする表面素材41を、基材46の上に配置された多数の円形の孔を有する支持部材42の支持面44にて表面部材41を部分的に支持した構成となっている。複合スポンジバフ13では、支持部材32の周囲が空間の非支持部35となっており、複合スポンジバフ14では、円形の孔が非支持部45となっている。
上記の複合スポンジバフ13、14では、前記した複合スポンジバフ11、12と同様に、表面部材31、41は、支持部材32、42の頂面34、44で支持されている部分と、空洞である非支持部35、45に位置し支持されていない部分とに分かれ、支持面となる頂面34、44のそれぞれの総面積は、表面部材31、41のそれぞれの前面33、43のそれぞれの面積の20%〜70%に設定されている。
そして、複合スポンジバフ13,14でも、前者の支持されている部分での表面部材31、41の各厚さは、複合スポンジバフ12と同様に設定される。この場合、支持されていない部分の表面部材31、41の背面は空洞であり、支持されている部分の各厚さは表面部材13、14の実効F硬度とスポンジ素材の素材F硬度との差から設定される。そのため、同様に、表面部材31、41においても、支持されている部分と支持されていない部分とにおける硬さに差が生じ、同様の作用効果のある複合スポンジバフとなっている。
また、複合スポンジバフ13、14においても、複合スポンジバフ11と同様に、表面部材31を構成するスポンジ素材で円柱状の支持部材32を包埋したり、表面部材41を構成するスポンジ素材を、歯部材32の円形の孔である非支持部45に挿入したりすることもできる。この場合は、複合スポンジバフ11と同様にして、支持部材32、33の頂面34、44で支持されている部分の厚さを設定することができる。
また、複合スポンジバフの支持部材の形状は、以上例示した形状だけでなく、表面部材を部分的に支える構造であり、支える支持面の総面積が表面部材の前面の面積の20%〜70%となっておればよい。また、支持部材の支持面や非支持部の上面の形状は、楕円形、多角形、格子形などの形状であってもよい。
スポンジ素材とは、通常スポンジと称される軟質多孔質の素材であって、ゴムや軟質合成樹脂を発泡させた素材である。特に、ポリウレタン樹脂を発泡させたウレタンフォームは、使用するポリウレタン樹脂の物性値や発泡倍率を調整することで硬さを順次柔らかく変化させて使用することもでき、軟質ウレタンフォームがスポンジ素材として好ましい。そして、素材F硬度が30〜90であることが好ましい。
支持部材となる素材は、表面部材を構成するスポンジ素材より硬い素材であって、硬度としては、素材F硬度70より硬く、素材A硬度70より柔らかい素材である。このような素材としては、各種のゴム、合成樹脂およびこれらの発泡体を用いることができる。素材F硬度が70未満では、表面部材の支持部材で支えられている部分と、支えられていない部分とにおける硬度の数値差を好ましい範囲に収めることが難しく、素材A硬度が70を超えるとバフが塗膜面に追従しづらく、却って研磨効率が低下し、バフの周端部で支持部材の角部が塗膜面に接触した場合は、噛み込み傷が入り易くなり、きれいな塗膜面が得られ難い。
以下、実施例として、表面部材を構成する各種スポンジ素材と支持部材を構成する各種素材を組み合わせて、スポンジ素材の実効F硬度と素材F硬度を測定し、その測定結果に基づいて、複合スポンジバフを構成し、この複合スポンジバフを使用したバフ研磨結果を示す。
各実施例における硬度測定に使用したデュロメータ(ゴム硬度計)は、タイプA、タイプE、タイプFとして、それぞれアスカーゴム硬度計A型、E型、F型(高分子計器株式会社製)を用い、それぞれの型式による計測値はA硬度、E硬度、F硬度とし、前記した定義に基づき、それぞれ実効硬度と素材硬度に振り分けた。
(硬度測定)
試料として表面部材を構成するスポンジ素材の各種の厚さのスポンジ板状体を準備し、この板状体の背面に支持部材を構成する素材の支持板状体を配置して測定試料として、タイプFデュロメータ―により実効F硬度を測定する。測定方法は、各種のスポンジ板状体の厚さを順次変更し、各種の板状体と組み合わせて測定試料とし、この試料により測定を行い表面部材の厚さと実効F硬度との関係、および素材F硬度を決定した。各素材の硬度は上記したように各種のデュロメータ―(ゴム硬度計)により素材A硬度、素材E硬度、素材F硬度を測定した。F硬度の測定は、硬度計を測定試料片の中央において、60秒経過後、計測値を読み取った。
硬度の測定結果を表1および2に示す。表1は表面部材を構成するスポンジ素材として一般用ウレタンフォームの板状体を、表2は低反発ウレタンフォームの板状体を使用した結果である。各スポンジ素材の厚さを増加させて、各厚さにおける実効F硬度の測定を行い、厚さを増加させても実効F硬度の変化が無くなる測定値をスポンジ素材の素材F硬度とした。数値差は測定した実効F硬度と素材F硬度との数値差を示す。
Figure 0006580086
Figure 0006580086
表1におけるNo.1〜6、および表2におけるNo.25〜32は支持部材として硬質メタアクリルシートを使用し、このシートの硬度はA硬度95以上の硬さであり、参考例である。これらの参考例以外の組み合わせにおいて、数値差が3〜10となる組合せの支持部材と表面部材となるスポンジ素材とを選択し、この組み合わせのスポンジ素材厚を支持部材で支えられている部分における表面部材の厚さdに設定することで、複合スポンジバフを作成することができる。実際に上記範囲の数値差が得られるように、表面部材の厚さを設定して作成した複合スポンジバフでは、スポンジバフの特性を維持しながら、研削力の優れたバフとなったが、数値差が3未満では、研削力の向上が見られず、数値差が10を超えると、噛み込み傷が入り易く、表面光沢度が損なわれ易くなった。
(バフ研磨テスト)
さらに、研削力と表面光沢とのバランスをより細かく評価するために、表面部材のスポンジ素材として低反発ウレタンフォームを、支持部材としてウレタンフォームゴムシートを用いる表2におけるNo.41〜48に該当する組み合わせにて、複数の複合スポンジバフを作成し、回転型ポリッシャーに取付けてバフ研磨テストを行った。支持部材にて支持する部分の総面積は表面部材の前面の面積の30%に設定し、表面部材の支持部分の厚さは、テスト結果の表3に示すスポンジ素材厚に設定した。各組合せの硬度値、数値差も表3に示した。
被研磨面は、特殊変性ポリエステル樹脂塗料(ロックペイント株式会社製、黒色、商品名プロタッチ)とクリヤコートとして2液型アクリルウレタンクリヤ塗料(ロックペイント株式会社製)を塗装し、パネル温度60℃の遠赤外線ヒーターにて1時間乾燥させた塗装面を用いた。
上記塗装面をサンドペーパーにてペーパー掛けしてペーパー目を発生させ、次いで上記の各複合スポンジバフを取付けた回転型ポリッシャーにてバフ研磨を行い、何番手のペーパーによるペーパー目が消去できたかの確認を行い、研削力を評価した。そして、ペーパー目を消した後の研磨面の状態の観察と研磨面のツヤの濃さの評価を行った。
バフ研磨テスト結果を表3に示す。研削力は消せる番手で示し、番手番号が小さい(ペーパー目が粗い)程研削力が高いことを示す。研磨面のツヤの濃さの評価としては、測色計で測定したL***表色系の数値から、評価できると本願の発明者によりレポートされており(「塗膜表面における綺麗を考える 第20回」、カーディテイリングニュース121号、株式会社ジェイシーレゾナンス発行、2016年10月25日を参照)、本テストにおいても、次の計算式にて表される色差にて評価した。
ΔE*ab=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
表3における色差はペーパー掛けしない塗装面と研磨後の塗装面とで測色した数値から上記計算式にて算出したΔE*abを示し、併せて表4に示す感覚的表現も記載した。
また、研磨面の状態も目視観察で評価を行った。
表3におけるNo.62〜65が実施例に相当し、研削力も#1500の番手のペーパーによるペーパー目を消すことができ、研磨面の状態も良好であり、さらに研磨面のツヤも、ペーパー掛けを行っていない塗装面とほぼ同等のツヤを維持している。これに対し、硬度の数値差が10を超えているNo.61では、研削力は良好であるが、研磨面の噛み込み傷が多く、研磨面のツヤも色差が大きく、白ボケしていた。一方、硬度の数値差が3未満のNo.66、67ではそれぞれ、消せるペーパー目が#2000と#3000となり研磨力に劣っている。
Figure 0006580086
Figure 0006580086
本発明の方法は、自動車の塗装面などのバフ研磨に好ましく応用できる複合スポンジバフであるが、合成樹脂成形品の鏡面化研磨にも応用できる。
1、21、31、41 表面部材
2、22、32、42 支持部材
3、23、33、43 前面
4、24、34、44 支持面
5、25、35、45 非支持部
6、26、36、46 基材
7、27 取付け部材
10、11、12、13、14 複合スポンジバフ
50 研磨具 51 本体 52 モーター 53 駆動軸
54 回転円盤 55 メイングリップ 56 サブグリップ
A 被支持部分 B 非被支持部分
d 被支持部分の表面部材の厚さ

Claims (3)

  1. 前面で被研磨表面と接触する表面部材と、該表面部材を背面より部分的に支える支持部材とを有する複合スポンジバフであって、表面部材は素材F硬度30〜90であるスポンジ素材からなり、支持部材は表面部材より硬い素材であり、かつ素材F硬度70より硬く、素材A硬度70より柔らかい素材からなり、表面部材を支持部材が部分的に支える支持面の総面積は表面部材の前面の面積の20%〜70%であって、表面部材の支持部材で支えられている部分における実効F硬度と、支えられていない部分における実効F硬度もしくはスポンジ素材の素材F硬度との数値差が3〜10の範囲となるように、支持面部分における表面部材の厚さが設定されていることを特徴とする複合スポンジバフ。
  2. 表面部材となるスポンジ素材は、素材F硬度30〜69であることを特徴とする請求項1に記載の複合スポンジバフ。
  3. スポンジ素材が軟質ウレタンフォームであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合スポンジバフ。
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