JP3054199B2 - 溶銑脱燐方法 - Google Patents
溶銑脱燐方法Info
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- JP3054199B2 JP3054199B2 JP2404464A JP40446490A JP3054199B2 JP 3054199 B2 JP3054199 B2 JP 3054199B2 JP 2404464 A JP2404464 A JP 2404464A JP 40446490 A JP40446490 A JP 40446490A JP 3054199 B2 JP3054199 B2 JP 3054199B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶銑の脱燐処理方法に
関する。
関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、トピード等の溶銑収容容器内の
溶銑の脱燐処理では、酸化鉄と生石灰を主たる成分とす
る脱燐造滓剤とを溶銑浴中に吹き込んで脱燐処理を行な
っている。一方、脱燐剤の添加方法としては、特開昭５
９−４７３１７号公報のように、脱燐造滓剤を溶銑浴中
に吹込み、同時に酸化鉄を浴面上に上添加する方法も行
なわれている。
溶銑の脱燐処理では、酸化鉄と生石灰を主たる成分とす
る脱燐造滓剤とを溶銑浴中に吹き込んで脱燐処理を行な
っている。一方、脱燐剤の添加方法としては、特開昭５
９−４７３１７号公報のように、脱燐造滓剤を溶銑浴中
に吹込み、同時に酸化鉄を浴面上に上添加する方法も行
なわれている。
【０００３】また、特開平２−９３０１１号公報のよう
に、溶銑中に酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤とを
同時に同位置に吹込み、かつ、処理終了まで酸化鉄を溶
銑上面に連続的に上添加する方法もある。しかし、 １） 酸化鉄とＣａＯを主体とする造滓剤とからなる脱
燐剤を溶銑浴中へ吹込むのみの方法では、脱燐剤使用量
の多い高Ｓｉ溶銑では処理時間が長くなる。また、吹込
みのみではＣａＯの吹込量に限度があり脱Ｓｉ期のスラ
グ塩基度を上げることができず、スロッピングによる操
業阻害が発生する。低Ｓｉ溶銑でもＣａＯを全量吹込む
と吹込時間が長くなる。
に、溶銑中に酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤とを
同時に同位置に吹込み、かつ、処理終了まで酸化鉄を溶
銑上面に連続的に上添加する方法もある。しかし、 １） 酸化鉄とＣａＯを主体とする造滓剤とからなる脱
燐剤を溶銑浴中へ吹込むのみの方法では、脱燐剤使用量
の多い高Ｓｉ溶銑では処理時間が長くなる。また、吹込
みのみではＣａＯの吹込量に限度があり脱Ｓｉ期のスラ
グ塩基度を上げることができず、スロッピングによる操
業阻害が発生する。低Ｓｉ溶銑でもＣａＯを全量吹込む
と吹込時間が長くなる。
【０００４】２） 特開昭５９−４７３１７号公報に開
示された方法では、酸化鉄は上添加により溶銑面上に供
給され、造滓剤のみを吹込んでいるため、溶銑中での酸
化鉄とＣの反応によるＣＯガス発生が少ないので、ＣＯ
ガスによる溶銑撹拌が不十分になり、脱燐反応を十分に
進行させることができない。 ３） 特開平２−９３０１１号公報に開示された方法で
は、酸化鉄とＣａＯを主体する造滓剤とを吹込み、か
つ、酸化鉄のみを上添加しているので、ＣａＯを主体と
する造滓剤の吹込時間が長いとともに、高Ｓｉ溶銑を脱
燐処理する場合には、ＣａＯ供給が吹込みのみのため初
期のスラグの塩基度（ＣａＯ／ＳｉＯ2 ）を確保するの
が難しく、スロッピングが多発し操業阻害要因となる。
示された方法では、酸化鉄は上添加により溶銑面上に供
給され、造滓剤のみを吹込んでいるため、溶銑中での酸
化鉄とＣの反応によるＣＯガス発生が少ないので、ＣＯ
ガスによる溶銑撹拌が不十分になり、脱燐反応を十分に
進行させることができない。 ３） 特開平２−９３０１１号公報に開示された方法で
は、酸化鉄とＣａＯを主体する造滓剤とを吹込み、か
つ、酸化鉄のみを上添加しているので、ＣａＯを主体と
する造滓剤の吹込時間が長いとともに、高Ｓｉ溶銑を脱
燐処理する場合には、ＣａＯ供給が吹込みのみのため初
期のスラグの塩基度（ＣａＯ／ＳｉＯ2 ）を確保するの
が難しく、スロッピングが多発し操業阻害要因となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における欠点を解決するために、操業阻害が発生せ
ず、処理時間が短く、酸化鉄が十分に脱燐反応を行う、
新規な溶銑脱燐方法を提供しようとするものである。
術における欠点を解決するために、操業阻害が発生せ
ず、処理時間が短く、酸化鉄が十分に脱燐反応を行う、
新規な溶銑脱燐方法を提供しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤と
を、溶銑浴中に吹込むとともに溶銑上面に上添加するも
ので、さらには溶銑上面への上添加を脱燐処理末期には
停止することができる。
するために、酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤と
を、溶銑浴中に吹込むとともに溶銑上面に上添加するも
ので、さらには溶銑上面への上添加を脱燐処理末期には
停止することができる。
【０００７】
【作用】本発明によれば、高Ｓｉ溶銑を脱燐処理するに
当り、酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤とを、溶銑
中へ吹込むと同時に溶銑上面に上添加しているため、ス
ラグ塩基度（ＣａＯ／ＳｉＯ2 ）を初期から高くできＳ
ｉの酸化反応を早く進行させることができ、また、Ｃａ
Ｏ／ＳｉＯ2 で定義されるスラグ塩基度を早期に高く維
持することができるため、脱燐処理時間の短縮及び高ス
ラグ塩基度の確保によるスロッピングの防止ができるよ
うになった。さらに、酸化鉄も吹込んでいるため、溶銑
中で脱炭反応により多量のＣＯガスを発生させることが
でき溶銑を十分に撹拌できるため、脱珪及び脱燐反応を
促進することも可能である。
当り、酸化鉄とＣａＯを主成分とする造滓剤とを、溶銑
中へ吹込むと同時に溶銑上面に上添加しているため、ス
ラグ塩基度（ＣａＯ／ＳｉＯ2 ）を初期から高くできＳ
ｉの酸化反応を早く進行させることができ、また、Ｃａ
Ｏ／ＳｉＯ2 で定義されるスラグ塩基度を早期に高く維
持することができるため、脱燐処理時間の短縮及び高ス
ラグ塩基度の確保によるスロッピングの防止ができるよ
うになった。さらに、酸化鉄も吹込んでいるため、溶銑
中で脱炭反応により多量のＣＯガスを発生させることが
でき溶銑を十分に撹拌できるため、脱珪及び脱燐反応を
促進することも可能である。
【０００８】また、上添加された酸化鉄とＣａＯを主体
とする造滓剤とはすぐには反応に寄与しないが、脱燐処
理末期に上添加を停止して吹込みのみを継続して処理を
行うことにより、上添加された酸化鉄とＣａＯを主体と
する造滓剤とが十分に脱燐反応に寄与するまでの時間を
確保でき、脱燐酸素効率は従来の吹込みのみの場合より
も高くかつ脱燐処理時間の短縮が可能である。
とする造滓剤とはすぐには反応に寄与しないが、脱燐処
理末期に上添加を停止して吹込みのみを継続して処理を
行うことにより、上添加された酸化鉄とＣａＯを主体と
する造滓剤とが十分に脱燐反応に寄与するまでの時間を
確保でき、脱燐酸素効率は従来の吹込みのみの場合より
も高くかつ脱燐処理時間の短縮が可能である。
【０００９】なお、脱燐処理末期とは、脱燐処理終了前
の５〜１０分程度の期間で溶銑中の燐濃度等を勘案して
適宜定められる。また、本発明における酸化鉄として
は、ミルスケール、鉄鉱石、製鋼ダスト等が用いられ、
造滓剤には蛍石、ソーダ灰等を添加してもよい。
の５〜１０分程度の期間で溶銑中の燐濃度等を勘案して
適宜定められる。また、本発明における酸化鉄として
は、ミルスケール、鉄鉱石、製鋼ダスト等が用いられ、
造滓剤には蛍石、ソーダ灰等を添加してもよい。
【００１０】
【実施例】３５０ｔスピードに溶銑２８０ｔを入れて溶
銑脱燐処理実験を実施した。表１に実験条件及び結果
を、表２に脱燐処理前後の溶銑成分（重量％）を示す。
なお、実験に際して若干の蛍石を添加した。
銑脱燐処理実験を実施した。表１に実験条件及び結果
を、表２に脱燐処理前後の溶銑成分（重量％）を示す。
なお、実験に際して若干の蛍石を添加した。
【００１１】
【表１】 ─────────────────────────────────── ＣａＯ スケール 処理時間 スロッピング滓 （ｋｇ／ｔ） （ｋｇ／ｔ） （分） （ｋｇ／ｔ） 吹込みのみ １５．５ ３７．６ ３３ １８．５ 吹込み＋上添加 ＊８．５ ２０．６ １８ １．２ ※７．０ １７．６ ─────────────────────────────────── 註 ＊：吹込み ※：上添加
【００１２】
【表２】 ─────────────────────────────────── Ｃ Ｓｉ Ｍｎ Ｐ Ｓ 脱燐処理前 ４．５ ０．３０ ０．２０ ０．１１５ ０．０３０ 脱燐処理後 ４．２ ０．０１ ０．２０ ０．０２５ ０．０２０ ─────────────────────────────────── 吹込み＋上添加法により、脱燐処理前溶銑Ｓｉ濃度が
０．３０％でも脱燐処理時間１８分、スロッピング滓原
単位１．２ｋｇ／ｔで処理ができ、吹込みのみの従来法
に比べて処理時間で１５分の短縮、スロッピング滓１
７．３ｋｇ／ｔの低減が得られた。
０．３０％でも脱燐処理時間１８分、スロッピング滓原
単位１．２ｋｇ／ｔで処理ができ、吹込みのみの従来法
に比べて処理時間で１５分の短縮、スロッピング滓１
７．３ｋｇ／ｔの低減が得られた。
【００１３】また、同様の溶銑量で処理前Ｓｉ濃度０．
０５％の溶銑についても実験を行なった。表３に処理前
後の成分濃度を表４に実験条件及び結果を示す。
０５％の溶銑についても実験を行なった。表３に処理前
後の成分濃度を表４に実験条件及び結果を示す。
【００１４】
【表３】 ─────────────────────────────────── Ｃ Ｓｉ Ｍｎ Ｐ Ｓ 脱燐処理前 ４．５ ０．０５ ０．２０ ０．１１５ ０．０３０ 脱燐処理後 ４．２ ０．０１ ０．２０ ０．０２５ ０．０２０ ───────────────────────────────────
【００１５】
【表４】 ─────────────────────────────────── ＣａＯ スケール 処理時間 スロッピング滓 （ｋｇ／ｔ） （ｋｇ／ｔ） （分） （ｋｇ／ｔ） 吹込み １０．０ ２５．８ ２２ ５．０ 吹込み＋上添加 ＊５．０ １５．０ １２ ０ ※５．０ １０．８ ─────────────────────────────────── 註 ＊：吹込み ※：上添加処理前Ｓｉ濃度０．０５
％では、上添加法を行うことにより処理時間が１０分短
くなり処理時間１２分で、スロッピングは吹込みのみの
従来法の５．０ｋｇ／ｔに対して吹込＋上添加の場合は
全くなかった。
％では、上添加法を行うことにより処理時間が１０分短
くなり処理時間１２分で、スロッピングは吹込みのみの
従来法の５．０ｋｇ／ｔに対して吹込＋上添加の場合は
全くなかった。
【００１６】次に、上添加終了時期を変更して実験を行
なった。表５に実験条件を示すように、上添加終了時期
を吹込みによる脱燐処理終了時及びその４分前及び７分
前とした。
なった。表５に実験条件を示すように、上添加終了時期
を吹込みによる脱燐処理終了時及びその４分前及び７分
前とした。
【００１７】
【表５】 ─────────────────────────────────── 実験Ａ 吹込みのみ 実験Ｂ 吹込み＋処理終了まで上添加 実験Ｃ 吹込み＋処理終了４分前で上添加終了 実験Ｄ 吹込み＋処理終了７分前で上添加終了 ─────────────────────────────────── 図１に脱燐酸素効率に及ぼす上添加終了時期の影響を示
す。
す。
【００１８】従来方法である実験Ａと比較して、本発明
方法の実験Ｂでは脱燐酸素効率は同程度であるが、上添
加を脱燐処理末期に停止した実験Ｃ及びＤでは向上し
た。なお、本実施例では吹込み及び溶銑表面への吹付ガ
スとして窒素を用い酸素を使用しない場合のみについて
行ったが、本発明はこれに限るものではなく、気体酸素
の吹込み又は溶銑表面への吹付けを併用してもよい。
方法の実験Ｂでは脱燐酸素効率は同程度であるが、上添
加を脱燐処理末期に停止した実験Ｃ及びＤでは向上し
た。なお、本実施例では吹込み及び溶銑表面への吹付ガ
スとして窒素を用い酸素を使用しない場合のみについて
行ったが、本発明はこれに限るものではなく、気体酸素
の吹込み又は溶銑表面への吹付けを併用してもよい。
【００１９】
【発明の効果】本発明により、脱燐処理時間が短縮で
き、スロッピングも大幅に低減させることができた。ま
た、処理時間を短縮できるので、処理量を増大すること
ができるだけでなく、脱燐処理後の温度も上昇し転炉歩
留の向上も達成できた。
き、スロッピングも大幅に低減させることができた。ま
た、処理時間を短縮できるので、処理量を増大すること
ができるだけでなく、脱燐処理後の温度も上昇し転炉歩
留の向上も達成できた。
【図１】実施例における脱燐酸素効率に及す上添加時間
の影響を示すグラフである。
の影響を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項１】 溶銑の脱燐処理を行うに当り、酸化鉄と
ＣａＯを主成分とする造滓剤とを、溶銑浴中に吹込みつ
つ溶銑上面にも添加することを特徴とする溶銑脱燐方
法。 - 【請求項２】 該溶銑上面への上添加を、脱燐処理末期
には停止する請求項１記載の溶銑脱燐方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2404464A JP3054199B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 溶銑脱燐方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2404464A JP3054199B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 溶銑脱燐方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04221007A JPH04221007A (ja) | 1992-08-11 |
| JP3054199B2 true JP3054199B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=18514133
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2404464A Expired - Fee Related JP3054199B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 溶銑脱燐方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3054199B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007092181A (ja) * | 1998-06-18 | 2007-04-12 | Jfe Steel Kk | 低燐溶銑の製造方法 |
-
1990
- 1990-12-20 JP JP2404464A patent/JP3054199B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04221007A (ja) | 1992-08-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |