JP3054025U - 印象材料撹拌機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入れ歯の作成に用いるアガーに使用する印象
材料を均一に、且つ気泡残すことなく自動的に撹拌する
ことができる印象材料撹拌機を得る。 【解決手段】 印象材料撹拌機を中空台体１と、該台体
１中に配置するモーター８と、該モーター８を懸架しそ
の震動を吸収するために用いる複数個のバネ３と、該モ
ーター８により駆動される遊星歯車装置システムと、設
置カップ６とを有する構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、印象材料撹拌機に関する。特に、遊星歯車に類似したシステムを利 用し、歯科で用いる印象材料を高速公転に、さらに自転の方式を伴い、高密度で 、気泡のない状態に撹拌することができる印象材料撹拌機に係る。

【０００２】

【従来の技術】

歯科で入れ歯を作成する時、先ず患者の歯型を以て、アガーを製作する必要が あり、その後に該アガーを用いて入れ歯を製作する。前記アガーの材料は一般に は、印象粉、或いは石膏が用いられるが、該材料に水を加え、手を用いて均一に 撹拌し、どろどろ状にした後に使用する。前記材料は一定の時間内に凝固、定型 してしまうため、使用者が手を用いて撹拌する時間には制限があり、そのため印 象材料を均一に撹拌することができない。しかも、手を用いて撹拌する方式は、 労力を浪費し、しばしば材料内部に気泡を残してしまい、製作された型にも気泡 が入り、ざらざらした表面を形成する。この状態の入れ歯の完成品の品質に対す る影響は非常に大きい。 現在の所、歯科印象材料の撹拌方式は、依然として手で行われており、専用の 撹拌機はない。このため、上記の問題がしばしば見受けられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来品の欠点を改善するため、本考案は印象材料を高密度で、気泡のない 状態に撹拌することができる印象材料撹拌機の提供を課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、印象材料を十分に撹拌し、均一に混合することがで きるばかりでなく、高速回転による遠心力作用により印象材料中の気泡を排出さ せることができる印象材料撹拌機を提供する。 それは主に台体、該台体中に配置するモーター、該モーターを懸架しその震動 を吸収するために用いる複数個のバネ、該モーターにより駆動される遊星歯車装 置システム、設置カップ、該設置カップの開口部に蓋をする撹拌部品を具えた蓋 体を含む。該設置カップは遊星歯車装置システムの連動を受け、公転、及び自転 運動を行い、その内部のカップ体に載置した印象材料を十分に撹拌する。さらに 撹拌部品の撹拌により、印象材料はその内部に於いて滞ることはない。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１に示すように、本考案は機器全体を積載する矩形の中空台体１を含む。該 台体１の中央は、円柱形の中空で円柱形のモーター収容台２を設置する。さらに 該台体１の四辺の角には、それぞれ上に向かい垂直の支柱１１を設置し、バネ３ を支柱１１の頂点、及びモーター収容台２の辺縁に固定する。こうして、モータ ー収容台２、及びその上端の各機器部品を台体１の中空部に於いて懸架する。こ の構造により、四個の平均に設置したバネ３が具える弾力性を利用し、懸架した 機器が受ける振動を消除し、その使用時に於いて撹拌機を安定させることができ る。その原理は、洗濯機の脱水層と同様である。本考案は、高速偏芯転動により 撹拌するため、この防振設計は構造上必要不可欠である。 一方、モーター収容台２内にはモーターを具え、その上端はモーターの連動を 受け、同調回転を行うドラム４、及びＶ型架設台５を設置する。該Ｖ型架設台５ 上方には、円錐形の収容槽７、及び遊星歯車に類似したシステムを固設し、該歯 車システムの末端の歯車上には中空円柱形の設置カップ６を固設する。該設置カ ップ６は、傾斜し、しかも収容槽７を貫通し、上に向かい傾斜し開口している。 該設置カップ６内には印象材料の載置に用いる容器９を設置することができ、該 容器９はカップ体９１、及び分離可能な関係でカップ体９１の開口部の上縁に蓋 をする蓋体９２を含む。該蓋体９２頂点面上には通気孔９３を開設し、下縁に於 いては撹拌部品９４を伸び出した状態で形成する。該撹拌部品９４の末端とカッ プ体９１の底面は適当な距離を保持しており、印象材料の通過に供する。

【０００６】 撹拌機の作動を開始すると、前記の設置カップ６は遊星歯車に類似したシステ ムの連動を受け、公転、及び自転運動を行う。該公転、自転運動は、反対の方向 に（図示の矢印参照）進行する。この種の回転設計は、印象材料を十分に撹拌し 、均一に混合することができる。高速回転は印象材料に遠心力作用を及ぼし外部 に放出しようとするが、傾斜した設置カップ６の傾斜設計、及び蓋体９１の制限 を受け、印象材料が外部に放出されることはない。ただ、外側に集中し集まった 印象材料中の気泡は蓋体９２上の通気孔９３より排出される。また、印象材料は 設置カップ６の自転により、絶えず外側を離れ、加えて、撹拌部品９４の撹拌に より滞ることはないため、均一に混合することができるのである。この種の方式 により撹拌することにより、均一に混合することができるばかりでなく、質が密 で気泡のない状態とすることができる。しかも、その高速回転撹拌が必要とする 時間は極めて短く、他のアガー製造過程を完了させる十分な時間の余裕が生まれ る。

【０００７】 次に、図２に示すように、モーター収容台２内部にはきっちりとモーター８を 容置する。該モーター８の軸８１は中空状で、垂直に上に向かい設置されている 。その軸端はモーター収容台２上端に露出しており、軸８１が貫通し露出してい るモーター収容台２の境界面に於いて、モーター８の中空軸８１の定位に用いる 軸受台２１を設置する。一方、前記モーター８の外部に露出している中空軸８１ の軸端には、ドラム４を固設し、ドラム４上縁に於いてＶ型架設台５を固設する が、この両者は、モーターの連動を受け同調転動を行う。また、Ｖ型架設台５上 縁の中央軸に於いて太陽歯車５１を設置する。この太陽歯車５１は直線斜歯車で 、垂直に下に向かい、前記モーター８の中空軸８１を貫通する歯車軸５１１を具 える。該歯車軸５１１の末端は、モーター収容台２の底縁中央に固設され、Ｖ型 架設台５上縁に固設された軸受け台５０は歯車軸５１１の通過に用い、これによ り太陽歯車５１はＶ型架設台５の転動の影響を受けることなく、モーター収容台 ２の底縁に固定される。また、Ｖ型架設台５は二個の上に向かい傾斜した懸架ア ーム５６、５６´を具え、その内の懸架アーム５６は、回転機器の平衡を保つた めに用いる調節式の重りブロック５５を設置する。もう一方の懸架アーム５６´ は遊星歯車に類似したシステム（図３参照）を固設するが、第一遊星歯車装置５ ２は太陽歯車５１と噛み合う直線斜歯車である。この第一遊星歯車装置５２の中 心線は、Ｖ型架設台５の懸架アーム５６に於いて垂直で、しかも同軸で遊び車５ ３を設置する。該遊び車５３は正歯車で、しかも軸は懸架アーム５６´上に設置 され、遊び車５３の一方の側である懸架アーム５６´上には、さらに軸が遊び車 ５３と噛み合う第二遊星歯車装置５４を設置する。該第二遊星歯車装置５４は設 置カップ６を連動し回転させるために用いる。この遊星歯車に類似したシステム の相対連動関係は図中の矢印の指示する通りである。さらに図４に示すように、 モーターが連動するＶ型架設台５は時計回りの回転を行い、また印象材料は太陽 歯車５１が中心となって回転、撹拌される。Ｖ型架設台５上の第一遊星歯車装置 ５２はこの回転を受け、連動され、自転により時計回りの回転を行う。その同調 し回転する遊び車５３もまた、第二遊星歯車装置５４を連動し、自転により逆時 計回りの回転を行わせ、第二遊星歯車装置５４が駆動する設置カップ６により、 同時に時計回りの公転を形成し、逆時計回りの自転により前記印象材料撹拌の必 要を達成する。この種の快速高効率撹拌方式により、その撹拌に必要とする時間 は、手で行う方式に比べ著しく短縮される。 また、モーターの設定回転時間が至れば、モーターは転動を停止するが、駆動 されていた部品は慣性の法則に従い回転を継続する。それを迅速に停止させ時間 を節約するため、図４に示すように、回転部品と一体回転のドラム４を設置する 。 また、図５に示すように、モーター８の中空軸８１に固設されたドラム４の外 側の、モーター収容台２の上軸には帯状の作動制御器４１を設置し、軸接続端４ ０により固設するが、該帯状の作動制御器４１は可動端力の方向４２により制御 され、ドラム４との摩擦により回転している部品を停止させる。 本考案の機械構造は、制御回路により使用が操作、制御され、使用者はただ印 象粉を水と共に設置カップ６中に設置されたカップ体９１内に入れ、蓋体９２を 用いてその開口部を封鎖するだけで良い。さらに、制御プレートにより回転時間 、及びスタートを制御する。

【０００８】 なお、図６は本考案の別の実施例である。その蓋体９２は底端に凹槽９２２を 配置する外蓋９２１が上部に位置し、下縁に撹拌部品９４´が伸び出ている内蓋 ９２３が下部に位置し組成する。しかも、該外蓋９２１及び該内蓋９２３に於い て、通気孔９３１、９３２を対応して設置する。この構造により、該撹拌部品９ ４´が汚損、或いは損壊しても、内蓋９２３を交換するだけで良く、浪費を防ぐ ことができる。

【０００９】

【考案の効果】

上記のように、本考案印象材料撹拌機は台体、該台体中に配置するモーター、 該モーターを懸架しその震動を吸収する複数個のバネ、該モーターにより駆動さ れる遊星歯車装置システム、設置カップ、該設置カップの開口部に蓋をする撹拌 部品を具えた蓋体等の構造を利用し、撹拌作業を一層便利にし、効率を高めるこ とができる。さらには、手を用いて撹拌する従来の方法では避けることのできな い気泡の発生、及び不均質等の問題点を解決することもできる。また、蓋体を外 蓋及び内蓋により構成することもでき、該撹拌部品の汚損、損壊に対応し、内蓋 を交換するだけで良く、浪費を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】図１の正面断面図である。

【図３】本考案の遊星歯車装置システムを示す要部拡大
正面図である。ただし、収容槽を省略した状態を示す。

【図４】図３の平面図である。

【図５】本考案の作動制御器部分を示す要部拡大図であ
る。

【図６】図１と異なる実施例を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 台体 １１ 支柱 ２ モーター収容台 ２１ 軸受台 ３ バネ ４ ドラム ４０ 軸接続端 ４１ 作動制御器 ４２ 力の方向 ５ Ｖ型架設台 ５０ 軸受け台 ５１ 太陽歯車 ５１１ 歯車軸 ５２ 第一遊星歯車装置 ５３ 遊び車 ５４ 第二遊星歯車装置 ５５ 重りブロック ５６ 懸架アーム ５６´ 懸架アーム ６ 設置カップ ７ 収容槽 ８ モーター ８１ 軸 ９ 容器 ９１ カップ体 ９２ 蓋体 ９２１ 外蓋 ９２２ 凹槽 ９２３ 内蓋 ９３ 通気孔 ９３１ 通気孔 ９３２ 通気孔 ９４ 撹拌部品 ９４´ 撹拌部品

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空台体（１）、該台体（１）中に配置す
   るモーター（８）、該モーター（８）を懸架しその震動
   を吸収するために用いる複数個のバネ（３）、該モータ
   ー（８）により駆動される遊星歯車装置システム、設置
   カップ（６）を含み、 該遊星歯車装置システムはモーターの出力端（８１）に
   於いて固設し、モーターの出力端（８１）と同調回転を
   行うＶ型架設台（５）を設置し、該Ｖ型架設台（５）上
   には回転しない太陽歯車（５１）、及び太陽歯車（５
   １）と噛み合い太陽歯車（５１）を巡り転動する第一遊
   星歯車装置（５２）を設置し、Ｖ型架設台（５）上には
   第一遊星歯車装置（５２）と同軸の遊び車（５３）、及
   び前記遊び車（５３）の連動を受け転動する第二遊星歯
   車装置（５４）を設置し、 上記設置カップ（６）は、上記第二遊星歯車装置（５
   ４）上に同軸で固設し、 前記設置カップ（６）内には容器を配置し、該容器は印
   象材料の載置に用いるカップ体（９１）、及び分離可能
   な状態でカップ体（９１）の開口部上面に蓋をする蓋体
   （９２）を含み、該蓋体（９２）端面上には通気孔（９
   ３）を開設し、下縁には撹拌部品を伸び出した状態で形
   成することを特徴とする印象材料撹拌機。
2. 【請求項２】前記モーターの出力端（８１）にはモータ
   ーと同調回転を行うドラム（４）を設置し、モーター上
   端にはドラム（４）との摩擦により回転を停止させる帯
   状の作動制御器（４１）を設置することを特徴とする請
   求項１記載の印象材料撹拌機。
3. 【請求項３】前記蓋体は、底端に凹槽を配置する外蓋が
   上部に位置し、下縁に撹拌部品が伸び出ている内蓋が下
   部に位置し組成し、該外蓋及び該内蓋に於いて、二個の
   通気孔を対応して設置することを特徴とする請求項１記
   載の印象材料撹拌機。