JP3053945B2 - 中性点クランプ式電力変換器の制御装置 - Google Patents

中性点クランプ式電力変換器の制御装置

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JP3053945B2
JP3053945B2 JP4011112A JP1111292A JP3053945B2 JP 3053945 B2 JP3053945 B2 JP 3053945B2 JP 4011112 A JP4011112 A JP 4011112A JP 1111292 A JP1111292 A JP 1111292A JP 3053945 B2 JP3053945 B2 JP 3053945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電力を直流電力に
変換するパルス幅変調制御(PWM制御)コンバータ
や、直流電力を交流電力に変換するPWM制御インバー
タ等に適用されるもので、3レベルの出力電圧を発生す
る中性点クランプ式電力変換器の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、中性点クランプ式インバータの
主回路構成図を示す。図は1相分(U相分)を示し、3
相出力インバータの場合、V,W相も同様に構成され
る。
【0003】図中、Vd1,Vd2は直流電圧源、S1 〜S
4 は自己消弧素子、D1 〜D4 はフリーホイーリングダ
イオード、D5 ,D6 クランプ用ダイオード、LOAD
は負荷である。
【0004】このインバータの出力電圧Vu は、4つの
素子S1 〜S4 をオン、オフさせることによって、次の
ように変化する。ただし、全体の直流電圧をVd とし、
Vd1=Vd2=Vd /2とする。すなわち、 S1 とS2 がオンのとき、Vu =+Vd /2 S2 とS3 がオンのとき、Vu =0 S3 とS4 がオンのとき、Vu =−Vd /2
【0005】となる。この時、素子は2個ずつオンさせ
なければならない。素子が3個同時にオンになると、直
流電源を短絡し、過電流によって素子を破壊してしま
う。例えば、S1 〜S3 にオン信号が入ると、直流電圧
Vd1を素子S1 →S2 →S3 →ダイオードD6 で短絡
し、過大な短絡電流が素子に流れ、素子を壊してしま
う。
【0006】このような直流短絡を防止するため、素子
S1 とS3 を逆動作させ、素子S2とS4 を逆動作させ
ている。すなわち、S1 がオンのときはS3 をオフさ
せ、S3 がオンのときはS1 をオフさせている。同様
に、S2 がオンのときはS4 をオフさせ、S4 がオンの
ときはS2 をオフさせている。図9は、中性点クランプ
式インバータの従来のパルス幅変調制御法を説明するた
めのタイムチャート図である。
【0007】図中、X,YはPWM制御の搬送波信号で
あって、Xは0〜+Emax の間で変化する三角波、Yは
Xと逆相で、−Emax 〜0の間で変化する三角波であ
る。また、ei はPWM制御入力信号(電圧指令値)で
ある。入力信号ei と三角波X,Yとを比較し、素子S
1 〜S4 のゲート信号g1 ,g2 を作る。すなわち、 ei >Xのとき、g1 =1 で、S1 をオン、S3 をオ
フ ei ≦Xのとき、g1 =0で、S1 をオフ、S3 をオン ei <Yのとき、g2 =1で、S4 をオン、S2 をオフ ei ≧Yのとき、g2 =0で、S4 をオフ、S2 をオン させる。この結果、インバータの出力電圧Vu は、図の
最下段の波形のようになる。
【0008】このように、中性点クランプ式インバータ
では、出力電圧Vu として、3レベル(+Vd /2,
0,−Vd /2)の電圧が得られ、高調波成分の少ない
電圧波形となる。電動機負荷の場合、電流の脈動は小さ
くなり、トルクリプルも低減できる利点がある。また、
ゲート信号g1 ,g2 からも分かるように、出力周波数
の半サイクル期間はスイッチング動作を休止しており、
通常のブリッジインバータに比較すると、素子のスイッ
チング損失やスナバ回路損失が減少する利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の中性点
クランプ式インバータの制御装置は次のような問題点が
ある。図10は、図9と同様に従来の制御装置のPWM
制御方法を説明するためのタイムチャート図を示すもの
で、入力信号ei が非常に小さいときの動作を表す。
【0010】入力信号ei が小さいときゲート信号g1
,g2 のパルス幅が狭くなる。この幅がインバータを
構成する自己消弧素子S1 〜S4 の最小オン時間Δtよ
りも狭くなった場合に問題が発生する。
【0011】すなわち、大容量のインバータでは、自己
消弧素子としてGTO(ゲートターーンオフサイリス
タ)などが使われ、ターンオフ時の過電圧を抑制するた
めスナバ回路が設置される。このスナバ回路のコンデン
サの電圧を初期化する(放電させる)ため、GTOをオ
ンさせた時、一定時間(最小オン時間Δt:例えば10
0マイクロ秒程度)オン状態を維持しなければならな
い。
【0012】図10の場合、入力信号ei が小さくな
り、ゲート信号g1 =1の期間、すなわち素子S1 がオ
ン(S3 がオフ)する期間が上記最小オン時間Δtより
も短くなっている。従って、素子の最小オン時間を確保
するため、ゲート信号g1 はg1 ′ように補正される。
同様に、ゲート信号g2 もg2 ′のように補正され、出
力電圧Vu は最下段の波形になる。出力電圧の平均値V
u は破線で示すように、入力信号ei の値に関係なく正
または負の一定値になってしまう。
【0013】すなわち、従来の中性点クランプ式インバ
ータのPWM制御法では、入力信号ei のレベルが低く
なった場合、当該入力記号ei の値に関係なく出力電圧
Vuが一定値になってしまい、負荷電流Iu を制御する
ことができなくなる。特に、出力周波数が低い時にはこ
の電圧誤差が積算されて、負荷電流Iu を増大させ、最
悪の場合素子を破壊することにもなる。
【0014】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
ので、素子の最小オン時間を確保し、かつ入力信号(電
圧指令値)ei が小さいときでも当該入力信号に比例し
た出力電圧を発生させ、制御不能領域をなくした中性点
クランプ式電力変換器の制御装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明の中性点クランプ式電力変換器の制御装置
は、以下のような構成を具備している。すなわち、直流
電圧源Vd と、この直流電源電圧Vd に対し、+Vd /
2,0,−Vd /2の3レベルの出力電圧を発生する中
性点クランプ式電力変換器と、この電力変換器に電圧指
令値eを与える手段と、当該元の電圧指令値eに誤差信
号Δeのサンプルホールド値を加算する加算器と、この
加算器の出力信号を一定周期毎にサンプルホールドする
第1のサンプルホールド回路と、この第1のサンプルホ
ールド回路の出力信号e1 =e+Δeを入力し、この信
号e1 をあるレベル設定値Ea ,Eb (0≦Ea ≦Eb
)と比較し、−Eb >e1 のときe2 =e1 、−Eb
≦e1 <−Ea のときe2 =−Eb 、−Ea ≦e1 ≦+
Ea のときe2 =0、+Ea <e1 ≦+Eb のときe2
=+Eb 、+Eb <e1 のときe2 =e1 となるように
新たな電圧指令値e2 を出力する信号補正回路と、この
信号補正回路の入力信号e1 と出力信号e2 との差から
前記誤差信号Δe=e1 −e2 を求める減算器と、この
減算器の誤差信号Δeを一定周期毎にサンプルホールド
する第2のサンプルホールド回路と、前記新たな電圧指
令値e2 を入力とするPWM制御回路とを具備してい
る。
【0016】
【作用】本発明によれば、次のような作用が得られる。
通常、元の電圧指令値eは電力変換器に出力電流を制御
する回路から与えられる。また、信号補正回路のレベル
設定値Ea ,Eb は素子の最小オン時間Δtを考慮して
求められるもので、例えば、搬送波信号の最大値をEma
x 、キャリア周波数をfc とした場合、 Eb =Δt・fc ・Emax Ea =Eb /2
【0017】に選ばれる。前記元の電圧指令値eの絶対
値が大きい場合、すなわち、−Eb >e1 または+Eb
<e1 のときは、e2 =e1 となり、従来と同じように
PWM制御される。また、誤差信号はΔe=0となり、
第2のサンプルホールド回路の出力も零になる。
【0018】従来の中性点クランプ式電力変換器の制御
不能領域は、PWM制御入力信号(電圧指令値)eが、
−Eb <e<+Eb にある時に発生するので、ここで
は、e=+0.6・Eb で一定として説明する。
【0019】まず、第1のサンプルホールド回路をPW
M制御の搬送波信号(キャリア信号)に同期させて動作
させ、上記元の電圧指令値eと第2のサンプルホールド
回路に保持されていた誤差信号Δeの和を取り込む。最
初、Δe=0とした場合、加算値はe1 =e+Δe=+
0.6・Eb となる。故に、+Ea <e1 ≦+Eb とな
るので、信号補正回路の出力はe2 =+Eb となり、P
WM制御回路に入力される。
【0020】PWM制御回路では、当該信号e2 と搬送
波信号(キャリア信号)が比較され、最小オン時間Δt
のパルス幅のゲート信号が中性点クランプ式電力変換器
に送られる。変換器は+Eb に比例した電圧を発生す
る。結果的に、Eb −e1 =0.4・Eb に比例した分
だけ余分に電圧を出力することになる。第2のサンプル
ホールド回路は、やはりキャリア信号に同期させて動作
させるが、前記第1のサンプルホールド回路より若干遅
らせて動作させる。故に、誤差信号として、Δe=e1
−Eb =−0.4・Eb を保持する。この誤差信号Δe
は再び電圧指令値e=+0.6・Eb と加算され、第1
のサンプルホールド回路の次の動作で、e1 =e+Δe
=0.2・Eb が信号補正回路に入力される。
【0021】従って、今度は、−Ea ≦e1 ≦+Ea と
なり、e2 =0がPWM制御回路に入力される。e2 =
0では、ゲート信号のパルス幅は零となり、変換器の出
力電圧は零となる。故に、元の電圧指令値eをそのまま
使用した場合より、0.6・Eb に比例した分だけ少な
い電圧が出力されたことになる。前回の制御で0.4・
Eb に比例した分だけ多く出力されているので、合計で
は、0.2・Eb に比例した分だけ少なくなっている。
このとき、誤差信号Δe=e1 −e2 =0.2・Eb と
なって、サンプルホールドされる。
【0022】さらに、信号e=+0.6・Eb が入って
きた場合、上記誤差信号Δe=0.2・Eb が加算さ
れ、e1 =e+Δe=0.8・Eb が信号補正回路に入
力される。故に、+Ea <e1 ≦+Eb となって、PW
M制御回路にe2 =+Eb が与えられる。故に、元の電
圧指令値eをそのまま使用した場合より、0.4・Eb
に比例した分だけ多く電圧が出力されたことになる。前
回までの制御で0.2・Eb に比例した分だけ少なく出
力されているので、合計では、0.2・Eb に比例した
分だけ多くなっている。このとき、誤差信号Δe=e1
−e2 =−0.2・Eb となって、サンプルホールドさ
れる。すなわち、第2のサンプルホールド回路は今まで
の誤差電圧の合計(積算値)を保持するものである。こ
の誤差信号ΔeはPWM制御の搬送波の1サイクル毎に
補正され、その絶対値が0.5・Eb より大きくなるこ
とはない。従って、電圧指令値eが急激に変化しないか
ぎり、変換器の出力電圧の平均値は元の電圧指令値eに
比例した値となる。
【0023】このように、本発明の中性点クランプ式電
力変換器の制御装置によれば、元の電圧指令値eが、−
Eb <e<+Eb の範囲に入った場合、素子の最小オン
時間Δtを満足するパルスを発生させるか、それともパ
ルスを削除するかを選択しながら、平均値的に前記電圧
指令値eに比例した電圧を変換器から発生することがで
き、従来問題となっていた制御不能領域をなくすことが
できる。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の中性点クランプ式電力変換
器の制御装置の一実施例を示す主回路構成図および制御
回路ブロック図である。
【0025】図中、Vd1,Vd2は直流電圧源、S1 〜S
4 は自己消弧素子、D1 〜D4 はフリーホイリングダイ
オード、D5 ,D6 はクランプ用ダイオード、LOAD
は負荷、CTu は電流検出回路である。また、制御回路
として、比較器Cu 、電流制御補償回路Gu (S)、加
減算器A1 ,A2 、サンプルホールド回路SH1 ,SH
2 、信号補正回路FX、パルス幅変調制御回路(PWM
制御回路)PWMCが用意されている。この図は1相分
(U相分)のみを示しているが、3相負荷の場合、他の
2相(V,W相)も同様に構成される。
【0026】U相の負荷電流Iu を電流検出器CTu に
より検出し、電流制御回路の比較器Cu に入力する。比
較器Cu は電流指令値Iu * と電流検出値Iu とを比較
し、偏差εu =Iu * −Iu を求める。当該偏差εu を
次の制御補償回路Gu ( S)で増幅し、元の電圧指令値
eu とする。当該電圧指令値eu は加算器A1 に入力さ
れ、第2のサンプルホールド回路SH2 により保持され
た誤差信号Δeと加算される。
【0027】第1のサンプルホールド回路SH1 は、加
算器A1 の出力信号e1 =eu +ΔeをPWM制御の搬
送波信号に同期して取り込み、その値を保持する。当該
サンプルホールド回路SH1 の出力信号e1 は次の信号
補正回路FXに入力され、その信号の大きさにより、新
たな電圧指令値e2 に変換される。
【0028】図2に信号補正回路FXの入出力特性の具
体例を示す。入力はサンプルホールド回路SH1 からの
出力信号e1 で、当該入力信号e1 とレベル設定値Ea
,Eb (0≦Ea ≦Eb )を比較し、 −Eb >e1 のとき、e2 =e1 −Eb ≦e1 <−Ea のとき、e2 =−Eb −Ea ≦e1 ≦+Ea のとき、e2 =0 +Ea <e1 ≦+Eb のとき、e2 =+Eb +Eb <e1 のとき、e2 =e1 となるように新たな電圧指令値e2 を出力する。当該電
圧指令値e2 は図1のPWM制御回路PWMCに入力さ
れる。
【0029】この信号補正回路FXのレベル設定値Ea
,Eb は素子の最小オン時間Δtを考慮して決められ
るもので、例えば、搬送波信号の最大値をEmax 、キャ
リア周波数をfc とした場合、 Eb =Δt・fc ・Emax Ea =Eb /2
【0030】に選ばれる。すなわち、PWM制御回路P
WMCの入力信号(新たな電圧指令値)がe2 =Eb の
とき、素子に与えられるゲート信号のパルス幅がΔtに
なるように選んでいる。
【0031】図1に戻り、減算器A2 は上記信号補正回
路FXの入出力信号の差分を演算する。これを誤差信号
Δe=e1 −e2 として、第2のサンプルホールド回路
SH2 に入力する。当該第2のサンプルホールド回路S
H2 はやはりPWM制御の搬送波信号に同期して動作す
るが前記第1のサンプルホールド回路SH1 の動作とは
少しタイミングをずらして動作させる。次に、本発明装
置のPWM制御動作を説明する。
【0032】前記元の電圧指令値eu の絶対値が大きい
場合、すなわち、−Eb >e1 または+Eb <e1 のと
きは、e2 =e1 となり、従来と同じようにPWM制御
される。また、誤差信号はΔe=0となり、第2のサン
プルホールド回路の出力も零になる。
【0033】従来の中性点クランプ式電力変換器の制御
不能領域は、PWM制御入力信号(電圧指令値)eu
が、−Eb <eu <+Eb にある時に発生するので、こ
こでは、まず、eu =+0.6・Eb で一定として説明
する。図3にそのときのPWM制御動作波形を示す。
【0034】図中、X,YはPWM制御の搬送波信号
で、Xは0〜+Emax の間で変化する三角波、Y(破線
で示す)はXと逆相で、−Emax 〜0の間で変化する三
角波である。また、eu は元の電圧指令値、e2 は新た
な電圧指令値、SP1,SP2は各々サンプルホールド
回路SH1 ,SH2 の動作信号、g1 ,g2 はゲート信
号、Vu は変換器の出力電圧である。
【0035】第1のサンプルホールド回路SH1 の動作
信号SP1はPWM制御の搬送波信号(キャリア信号)
X,Yに同期して与えられ、X=+Emax (Y=−Ema
x )のとき動作するようにしている。また、第2のサン
プルホールド回路SH2 の動作信号SP2は前記SH1
の動作信号SP1より時間ts だけ遅れて与えられる。
【0036】図3の時刻ti で、第1のサンプルホール
ド回路SH1 を動作させ、上記元の電圧指令値eu と第
2のサンプルホールド回路SH2 に保持されていた誤差
信号Δeの和を取り込む。最初、Δe=0とした場合、
加算値はe1 =e+Δe=+0.6・Eb となる。故
に、+Ea <e1 ≦+Eb となるので、信号補正回路F
Xの出力はe2 =+Eb となり、PWM制御回路PWM
Cに入力される。PWM制御回路PWMCでは、新たな
電圧指令値e2 と三角波X,Yとを比較し、素子S1 〜
S4 のゲート信号g1 ,g2 を作る。すなわち、 e2 >Xのとき、g1 =1で、S1 をオン、S3 をオフ e2 ≦Xのとき、g1 =0で、S1 をオフ、S3 をオン e2 <Yのとき、g2 =1で、S4 をオン、S2 をオフ e2 ≧Yのとき、g2 =0で、S4 をオフ、S2 をオン させる。また、直流電源電圧をVd1=Vd2=Vd /2と
した場合、インバータの出力電圧Vu は、 S1 とS2 がオンのとき、Vu =+Vd /2 S2 とS3 がオンのとき、Vu =0 S3 とS4 がオンのとき、Vu =−Vd /2
【0037】となる。この場合、最小オン時間Δtだ
け、素子S1 がオン(S3 はオフ)となる。故に、イン
バータの出力電圧の平均値Vu は前記電圧指令値e2 =
+Eb に比例した値となる。従って、元の電圧指令値e
u =0.6・Eb をそのまま入力した場合に比較する
と、Eb −e1 =0.4・Eb に比例した分だけ余分に
電圧を出力することになる。時刻ti より、時間ts だ
け遅れて第2のサンプルホールド回路SH2 を動作さ
せ、誤差信号Δe=e1 −Eb =−0.4・Eb を保持
する。
【0038】この誤差信号Δeは、次の電圧指令値eu
=+0.6・Eb と加算され、時刻ti+1 で、再び第1
のサンプルホールド回路SH1 が動作し、信号e1 =e
u +Δe=0.2・Eb が信号補正回路FXに入力され
る。故に、今度は、−Ea ≦e1 ≦+Ea となり、e2
=0がPWM制御回路に入力される。e2 =0では、ゲ
ート信号のパルス幅は零となり、変換器の出力電圧Vu
は零となる。言い換えると、出力パルスが1つだけ削除
されたことになる。故に、元の電圧指令値euをそのま
ま使用した場合より、0.6・Eb に比例した分だけ少
ない電圧が出力されたことになる。前回の制御で0.4
・Eb に比例した分だけ多く出力されているので、合計
では、0.2・Eb に比例した分だけ少なくなってい
る。このとき、誤差信号はΔe=e1 −e2 =0.2・
Eb となって、サンプルホールドされる。
【0039】さらに、時刻ti+2 で、信号eu =+0.
6・Eb が入ってきた場合、上記誤差信号Δe=0.2
・Eb が加算され、第1のサンプルホールド回路SH1
からe1 =eu +Δe=0.8・Eb が信号補正回路F
Xに入力される。故に、+Ea <e1 ≦+Eb となっ
て、PWM制御回路PWMCにe2 =+Eb が与えら
れ、最小オン時間Δtだけ、素子S1 がオン(S3 はオ
フ)となる。故に、元の電圧指令値eu をそのまま使用
した場合より、0.4・Eb に比例した分だけ多く電圧
が出力されたことになる。前回までの制御で0.2・E
b に比例した分だけ少なく出力されているので、合計で
は、0.2・Eb に比例した分だけ多くなっている。こ
のとき、誤差信号Δe=e1 −e2 =0.2・Eb とな
って、サンプルホールドされる。すなわち、第2のサン
プルホールド回路SH2 は今までの誤差電圧の合計(積
算値)を保持するものである。
【0040】時刻ti+3 ,ti+4 ,ti+5 ,…でも同様
に誤差信号Δeを加味しながら、新たな電圧指令値e2
がPWM制御回路PWMCに与えられる。この時、誤差
信号ΔeはPWM制御の搬送波の1サイクル毎に補正さ
れ、その絶対値が0.5・Eb より大きくなることはな
い。従って、電圧指令値eu が急激に変化しないかぎ
り、変換器の出力電圧の平均値Vu は元の電圧指令値e
u に比例した値となる。また、素子のオン時間(あるい
はオフ時間)は最小オン時間Δtより短くなることはな
い。
【0041】図4は元の電圧指令値eu が小さい値で、
正から負に変化したときのPWM制御動作を示すもの
で、記号は図3と同じである。時刻ti 〜ti+7 まで
の各信号の値を表すと、次のようになる。 時刻ti で、eu =1.2Eb 、e1 =1.2Eb 、e
2 =1.2Eb 、Δe=0、時刻ti+1 で、eu =0.
9Eb 、e1 =0.9Eb 、e2 =Eb 、Δe=−0.
1Eb 、時刻ti+2 で、eu =0.6Eb 、e1 =0.
5Eb 、e2 =Eb 、Δe=−0.5Eb 、時刻ti+3
で、eu =0.3Eb 、e1 =−0.2Eb 、e2 =
0、Δe=−0.2Eb 、時刻ti+4 で、eu =0、e
1 =−0.2Eb 、e2 =0、Δe=−0.2Eb 、時
刻ti+5 で、eu =−0.3Eb 、e1 =−0.5Eb
、e2 =−Eb 、Δe=+0.5Eb 、時刻ti+6
で、eu =−0.6Eb 、e1 =−0.1Eb 、e2 =
0、Δe=−0.1Eb 、時刻ti+7 で、eu =−0.
9Eb 、e1 =−Eb 、e2 =−Eb 、Δe=0、
【0042】この場合でも、誤差信号Δeの絶対値は
0.5Eb より大きくなることない。また、Δeはその
時刻まで誤差分の積算値を示すもので、時刻ti+7 の時
点では、たまたまΔe=0となっている。
【0043】また、ゲート信号g1 ,g2 は、パルス幅
が最小オン時間Δtより必ず広くなっており、しかも、
インバータの出力電圧Vu の平均値は元の電圧指令値e
u に比例した値となり、従来問題となっていた制御不能
領域は無くなる。
【0044】PWM制御の三角波X,Yと新しい電圧指
令値e2 を比較し、ゲート信号g1,g2 を作る場合、
当該比較をデジタル的に行えばあまり問題はないが、ア
ナログ的に比較すると、e2 =0のとき若干問題が残
る。すなわち、電圧ドリフト等により、三角波X,Yの
零点がずれた場合、e2 =0でも三角波XあるいはYと
を交差し、ゲート信号g1 あるいはg2 を最小オン時間
Δtより短い時間「1」にしてしまう。素子を保護する
ため上記ゲート信号は最小オン時間まで広げられ、Δt
の幅の出力電圧Vu が発生し、e2 =0に比例しなくな
る。
【0045】図5はこの問題点を解決するための手法の
一例を示したもので、PWM制御の三角波XおよびYを
図示のように零点を中心として±δの間、削ってしま
う。電圧指令値e2 は+Eb ,0,−Eb とステップ状
に変化するので、0<δ<Ebの値に選べばよい。すな
わち、電圧指令値e2 が、時刻ti で零になった場合、
必ず、Y<e2 <Xとなり、ゲート信号は、g1 =0,
g2 =0となって上記問題は解決される。
【0046】図6は本発明の制御装置の別の実施例を示
すブロック図である。図中、Cu ,C1 ,C2 は比較
器、Gu ( S)は電流制御補償回路、A1 ,A2 は加減
算器、SH1 ,SH2 ,SH3 はサンプルホールド回
路、FXは信号補正回路、TRGは三角波発生器、LB
1,LB2はシュミット回路、PWMCはパルス幅変調
制御回路である。
【0047】図1と異なる所は、パルス幅変調制御回路
PWMCの構成である。図7に図6のPWM動作を説明
するためのタイムチャートを示す。すなわち、PWM制
御の搬送波として2つの三角波XおよびY′を用いる
が、Xは0〜+Emax の間で変化する三角波、Y′はX
と同相で、−Emax 〜0の間で変化する三角波である。
新たな電圧指令値e2 と三角波Xと比較し、素子S1 と
S3 のゲート信号g1を作る。すなわち、 e2 >Xのとき、g1 =1で、S1 :オン(S3 :オ
フ) e2 ≦Xのとき、g1 =0で、S1 :オフ(S3 :オ
ン)
【0048】とする。また、新たな電圧指令値e2 を第
3のサンプルホールド回路SH3 でサンプルホールド
し、その値e3 と三角波Y′を比較して、素子S2 とS
4 のゲート信号g2 を作る。すなわち、 e3 <Y′のとき、g2 =1で、S4 :オン(S2 :オ
フ) e3 ≧Y′のとき、g2 =0で、S4 :オフ(S2 :オ
ン)とする。ここで、第3のサンプルホールド回路SH
3 は三角波Y′が−Emax になったときに動作させる。
【0049】すなわち、時刻ti で第1のサンプルホー
ルド回路SH1 を動作させ、e1 =eu +Δeを保持す
る。信号補正回路FXを介して、新たな電圧指令値e2
を求め、当該信号e2 と三角波Xを比較し、上記のよう
にゲート信号g1 を求める。このとき、時刻ti から時
間ts だけ経った時点で、第2のサンプルホールド回路
SH2 を動作させ、誤差信号Δe=e1 −e2 を保持し
ておく。
【0050】一方、時刻ti ′で、第3のサンプルホー
ルド回路SH3 を動作させ、信号e3 として三角波Y′
と比較する。この場合、ti ′〜ti+1 ′の期間、e3
>Y′なので、ゲート信号g2 =0となる。
【0051】同様に、時刻ti+1 でSH1 を動作させ、
信号e1 =eu +Δe を保持し、信号補正回路FXを
介して新たな電圧指令値e2 を求め、当該信号e2 と三
角波Xを比較し、ゲート信号g1 を求める。
【0052】すなわち、三角波Xと比較する電圧指令値
e2 はti ,ti+1 ,ti+2 ,ti+3 ,…のタイミング
で保持されたサンプルホールド値を用い、三角波Y′と
比較する電圧指令値e3 はti ′,ti+1 ′,ti+2
′,ti+3 ′,…のタイミングで保持されたサンプル
ホールド値を用いる。このようにすることにより、三角
波Xと三角波Y′の位相が任意の角度ずれてもPWM制
御が可能となる。
【0053】以上のように、本実施例の中性点クランプ
式電力変換器の制御装置によれば、元の電圧指令値e
が、−Eb <e<+Eb の範囲に入った場合、素子の最
小オン時間Δtを満足するパルスを発生させるか、それ
ともパルスを削除するかを選択しながら、平均値的に前
記電圧指令値eに比例した電圧を変換器から発生するこ
とができ、従来問題となっていた制御不能領域をなくす
ことができる。
【0054】なお、図1の信号補正回路FXのレベル設
定値Eb は、最小オン時間Δtを満足するように選べば
よく、搬送波信号の最大値をEmax 、キャリア周波数を
fcとした場合、 Eb >Δt・Emax ・fc を満足すればよい。また、レベル設定値Ea は、0≦E
a ≦Eb の範囲で自由に選ぶことができる。
【0055】以上は中性点クランプ式電力変換器のU相
分について説明したが、V相、W相についても同様に実
現できる。また、3相3線式負荷の場合も同様に達成で
きることは言うまでもない。
【0056】また、実施例では直流電力を交流電力に変
換するインバータについて説明したが、交流電力を直流
電力に変換するコンバータについても同様に適用するこ
とができるのは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、PWM制御入力信号e
が小さくなっても素子の最小オン時間あるいは最小オフ
時間Δtによって制御不能になることはなくなり、当該
入力記号eに比例した出力電圧Vu が得られるようにな
る。すなわち、変換器の素子の最小オン、オフ時間を確
保し、かつ入力信号eが小さいときでも当該入力信号に
比例した出力電圧を発生させ、制御不能領域をなくした
中性点クランプ式電力変換器のPWM制御装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中性点クランプ式電力変換器の制御装
置の実施例を示す主回路構成図と制御回路ブロック図。
【図2】図1の制御装置の動作を説明するための特性曲
線図。
【図3】図1の制御装置のPWM制御動作を説明するた
めのタイムチャート。
【図4】図1の制御装置のPWM制御動作を説明するた
めのタイムチャート。
【図5】図1の制御装置のPWM制御動作を説明するた
めのタイムチャート。
【図6】本発明の制御装置の別の実施例を示す制御回路
ブロック図。
【図7】図6の装置のPWM制御動作を説明するための
タイムチャート。
【図8】従来の中性点クランプ式電力変換器の制御方法
を説明するための主回路構成図。
【図9】従来の制御装置を説明するためのタイムチャー
ト。
【図10】従来の制御装置を説明するためのタイムチャ
ート図。
【符号の説明】
Vd1,Vd2…直流電圧源、S1 〜S4 …自己消弧素子、
D1 〜D4 …フリーホイリングダイオード、D5 ,D6
…クランプ用ダイオード、LOAD…負荷、CTu …電
流検出器、Cu ,C1 ,C2 …比較器、Gu(S)…電流
制御補償回路、SH1 〜SH3 …サンプルホールド回
路、A1 ,A2 …加減算器、FX…信号補正回路、PW
MC…PWM制御回路、TRG…三角波発生器、LB
1,LB2…シュミット回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−253545(JP,A) 特開 昭64−50770(JP,A) 特開 平5−15167(JP,A) 特開 平5−207753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/42 - 7/98 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧源Vd と、この直流電源電圧V
    d に対し、 +Vd /2,0,−Vd /2の3レベルの出力電圧を発
    生する中性点クランプ式電力変換器と、 この電力変換器に電圧指令値eを与える手段と、 当該元の電圧指令値eに誤差信号Δeのサンプルホール
    ド値を加算する加算器と、 この加算器の出力信号を一定周期毎にサンプルホールド
    する第1のサンプルホールド回路と、 この第1のサンプルホールド回路の出力信号e1 =e+
    Δeを入力し、この信号e1 をあるレベル設定値Ea ,
    Eb (0≦Ea ≦Eb )と比較し、 −Eb >e1 のとき、e2 =e1 −Eb ≦e1 <−Ea のとき、e2 =−Eb −Ea ≦e1 ≦+Ea のとき、e2 =0 +Ea <e1 ≦+Eb のとき、e2 =+Eb +Eb <e1 のとき、e2 =e1 となるように新たな電圧指令値e2 を出力する信号補正
    回路と、 この信号補正回路の入力信号e1 と出力信号e2 との差
    から前記誤差信号Δe=e1 −e2 を求める減算器と、 この減算器の誤差信号Δeを一定周期毎にサンプルホー
    ルドする第2のサンプルホールド回路と、 前記新たな電圧指令値e2 を入力とするPWM制御回路
    と、 を具備した中性点クランプ式電力変換器の制御装置。
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