JP2003111428A - インバータ制御エンジン駆動発電機 - Google Patents

インバータ制御エンジン駆動発電機

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JP2003111428A
JP2003111428A JP2001300889A JP2001300889A JP2003111428A JP 2003111428 A JP2003111428 A JP 2003111428A JP 2001300889 A JP2001300889 A JP 2001300889A JP 2001300889 A JP2001300889 A JP 2001300889A JP 2003111428 A JP2003111428 A JP 2003111428A
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Abstract

(57)【要約】 始動時において瞬時に過負荷状態となる負荷を使用した
場合であっても、エンジンがストールすることを効果的
に防止することが可能であるとともに、前記負荷の始動
性を向上させることが可能であるインバータ制御エンジ
ン駆動発電機を提供する。 【課題手段】 インバータ制御手段10は、検出電流値
が予め定められる第1の基準値以下の場合には、インバ
ータの出力電圧及び出力周波数が一定となるように定電
圧・定周波数制御を行うとともに、前記検出電流値が前
記第1の基準値を越えた場合には、前記インバータの出
力電力が一定となるように前記出力電圧を制御して定電
力制御を行い、かつ、出力周波数を垂下させる出力周波
数垂下制御を行うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンにより駆
動される発電機の出力を整流し、インバータで規定電圧
及び規定周波数の交流電力に変換して外部に出力するイ
ンバータ制御エンジン駆動発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】垂下特性を有する発電機をエンジン駆動
発電機としての発電装置として使用する場合には、出力
電圧及び出力周波数を一定とする定電圧及び定周波数出
力特性を得る必要がある。この場合に、前記定電圧及び
定周波数出力特性を得るための制御を行うと、始動時に
定常運転時の数倍以上の始動電流が流れるモータや水銀
灯等の負荷を使用した場合に過負荷運転状態となり、エ
ンジンへの負担が大きくなることから、エンジンがスト
ールしてしまうことがあるという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題点を解決する
ために、本出願人は、発電機の出力特性における最大出
力点をあらかじめ把握しておき、その最大出力点に到達
する以前の基準点まではインバータの出力電圧が一定と
なるように定電圧制御を行い、当該基準点に達した場合
にはインバータの出力電力を一定とする(出力電流の増
加とともに出力電圧を減少させる)定電力制御を行うこ
とで、発電機の最大出力点に到達する前にインバータの
出力電圧を低下させることを可能としたインバータ制御
エンジン駆動磁石式発電機の開発を行った(特願200
0−239576参照)。
【0004】しかし、前記インバータ制御エンジン駆動
磁石式発電機を使用した場合には、インバータ出力を略
定電力特性となるように制御することにより、発電機の
出力をインバータの出力として有効に活用することがで
き、また、発電機が過出力領域に入ることを防止するこ
とで、過負荷及び短絡時に過電流保護の遮断器を有効に
作動させることが可能であり、さらに、定電力制御する
領域でのインバータの制御素子等を保護することが可能
であるが、急激な負荷運転に対してエンジンがストール
することは解決されることはなく、加えて、負荷の始動
性が悪いため、その改善が望まれていた。
【0005】本発明は前記問題点を解消するためになさ
れたものであり、負荷投入時の始動時における瞬時に過
負荷状態となる負荷を使用した場合であっても、エンジ
ンがストールすることを効果的に防止することが可能で
あるとともに、前記負荷の始動性を更に向上させること
が可能であり、更に、過電流からインバータの回路素子
等の保護を図ることがで可能となるインバータ制御エン
ジン駆動発電機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機は、エン
ジンにより駆動される発電機の出力を整流手段により整
流し、この整流出力をインバータで規定電圧及び規定周
波数の交流電力に変換して出力するインバータ制御エン
ジン駆動発電機において、前記インバータの出力電流を
検出する電流検出手段と、前記インバータの出力電圧を
検出する電圧検出手段と、前記電流検出手段により検出
された検出電流と前記電圧検出手段により検出された検
出電圧とに応じて前記インバータの出力を制御するイン
バータ制御手段とを備え、前記インバータ制御手段は、
前記検出電流が予め定められる第1の基準電流値以下の
場合には、前記インバータの出力電圧及び出力周波数が
一定となるように定電圧・定周波数制御を行うととも
に、前記検出電流が前記第1の基準電流値を越えた場合
には、前記インバータの出力電力が一定となるように前
記出力電圧を制御して定電力制御を行い、かつ、出力周
波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行うこと、を特
徴としている。
【0007】本発明では、インバータの出力電流を検出
して、発電機とエンジンの最大出力を越えない範囲にお
いて、前記検出電流が予め設定されている第1の基準電
流値を越えた場合には、前記インバータの出力電力が一
定となるように前記出力電圧を制御して定電力制御を行
い、かつ、出力周波数を垂下させる出力周波数垂下制御
を行っている。従って、前記定電力制御を行うことによ
り、水銀灯等に代表される始動時に瞬時に過負荷状態と
なる負荷を使用した場合であっても、出力電圧を必要最
小限下げることで、エンジンに一定以上の過負荷をかけ
ることなく点灯させることができ、当該エンジンへの負
担をも軽減することができるため、エンジンがストール
することを防止することができる。
【0008】また、モータ負荷等の場合は、発電機の出
力周波数を小さくすることにより、少ない始動電流で始
動可能となる。従って、前記出力周波数垂下制御を行う
ことにより、負荷の始動時においてエンジン及び発電機
にかかる負担を小さくすることができるため、スムーズ
に始動させることで負荷の始動性の向上を図ることがで
きる。
【0009】さらに、前記インバータ制御エンジン駆動
発電機において、前記インバータ制御手段は、前記検出
電流が前記第1の基準電流値より大きい予め定められる
第2の基準電流値を超えた場合には、前記インバータの
出力電圧を垂下させる出力電圧垂下制御を行うものとし
て構成することもできる。
【0010】本発明によれば、前記インバータ制御手段
は、前記検出電流が前記第1の基準電流値より大きい予
め定められる第2の基準電流値を超えた場合には、前記
定電力制御を行った場合の電力と比較して、その電力を
小さくするように前記インバータの出力電圧を垂下させ
る出力電圧垂下制御を行うため、インバータの回路素子
等に過電流が流れることを効果的に防止することができ
る。
【0011】また、前記インバータ制御エンジン駆動発
電機において、前記インバータ制御手段は、前記検出電
流が前記第1の基準電流値以下である場合には、前記検
出電流に応じて前記インバータの各スイッチング素子を
制御して前記定電圧・定周波数制御を行い、前記検出電
流が前記第1の基準電流値を超えた場合には、前記検出
電流に応じて前記インバータの前記各スイッチング素子
を制御して前記定電力制御を行い、かつ、前記出力周波
数垂下制御を行うためのパルス幅変調信号を出力するパ
ルス幅変調制御手段と、前記検出電流が前記第2の基準
電流値を超えた場合には、前記出力電圧垂下制御を行う
ように所定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変
調信号の出力を阻止させるための第1のパルス幅変調信
号出力阻止手段とを備えるように構成することにより、
定電圧・定周波数制御、定電力制御、出力周波数垂下制
御及び出力電圧垂下制御を効果的に行わせることが可能
となる。ここで、所定のスイッチング素子とは、出力電
圧垂下制御を行うために必要となる前記インバータの各
スイッチング素子の中の一部のスイッチング素子をい
う。
【0012】また、前記インバータ制御エンジン駆動発
電機において、前記インバータの回路素子又は前記整流
手段の温度を検出する温度検出手段を備え、前記インバ
ータ制御手段は、前記検出電流が、前記第2の基準電流
値より大きい予め定められる第3の基準電流値を超えた
場合と、前記温度検出手段により検出された検出温度が
予め定められる基準温度値を超えた場合との少なくとも
いずれか一方の場合には、前記インバータの出力電流を
制限するように前記各スイッチング素子への前記パルス
幅変調信号の出力を阻止させるための第2のパルス幅変
調信号出力阻止手段とを備える構成とすることもでき
る。
【0013】本発明によれば、第2のパルス幅変調信号
出力阻止手段を備えることにより、予め定められる第3
の基準電流値又は基準温度値を超えた際に、少なくとも
前記第3の基準電流値を越えた出力電流を流さないよう
に出力電流を制御することが可能となるため、過電流か
らインバータの回路素子等の保護を図ることができる。
また、出力電流の制限は、検出電流と検出温度の少なく
とも一方を検出することで、より確実に行うことができ
る。
【0014】さらに、前記インバータ制御エンジン駆動
発電機において、前記インバータ制御手段は、前記出力
周波数垂下制御を行う場合には、前記出力周波数が予め
定められる下限周波数以下とならないようにその制御を
行う構成とすることもできる。
【0015】本発明では、負荷の始動性を向上させるた
めに出力周波数垂下制御を行っているが、所定の出力周
波数以下にまで過度にその周波数を低下させると、当該
負荷は再び始動性が悪化してしまう。従って、本発明に
よれば、インバータ制御手段が前記出力周波数垂下制御
を行う場合において、出力周波数が予め定められる下限
周波数以下にならないように制御を行うことで、周波数
の過度の低下による負荷の始動性の低下を防止すること
ができる。
【0016】また、前記インバータ制御エンジン駆動発
電機において、前記インバータ制御手段はマイクロコン
ピュータを備えており、前記定電圧・定周波数制御を行
う場合には、前記電流検出手段及び前記電圧検出手段か
らの入力信号を前記マイクロコンピュータの演算手段が
演算処理した出力信号を基に、前記パルス幅変調信号の
制御を行うことで前記出力電圧及び前記出力周波数を一
定とする制御を行い、前記定電力制御及び前記出力周波
数垂下制御を行う場合には、前記検出電流が前記第1の
基準電流値を超えた場合における前記電流検出手段及び
前記電圧検出手段からの入力信号を前記演算手段が演算
処理した出力信号に応じて、前記パルス幅変調信号の制
御を行うことで、前記出力電圧を低下させる電力一定の
制御、かつ、前記出力周波数を垂下させる制御を行い、
前記出力電圧垂下制御を行う場合には、前記演算手段を
介さずに、前記検出電流が前記第2の基準電流値を超え
た場合に発せられる基準信号により、所定の前記スイッ
チング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止する
ことで前記検出電流に応じて前記出力電圧を垂下させる
制御を行う構成とすることもできる。
【0017】本発明において、インバータ制御手段は、
定電圧・定周波数制御、定電力制御、及び、出力周波数
垂下制御の際には、マイクロコンピュータの演算手段で
演算処理した出力信号に応じてパルス幅変調信号の制御
を行っている。一方、検出電流が、第2の基準電流値を
超えた場合には、迅速にその処理を行わないと、処理速
度により発電機出力がエンジン出力を上回り、エンジン
がストールしてしまうことがあることから、出力電圧垂
下制御を行う際には、前記マイクロコンピュータの演算
手段を介さずに、検出電流が第2の基準電流値を超えた
場合に発せられる基準信号により、所定のスイッチング
素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止することで
その制御を行っている。従って、本発明によれば、高速
で制御を行う必要がある出力電圧垂下制御を行う際に、
一般的に使われている一定の演算処理時間を要するマイ
クロコンピュータを高速演算処理を行うマイクロコンピ
ュータに変更して制御を行う必要がなく、インバータを
構成するハード側で直接その制御を行うことで、迅速に
制御を行うことができ、エンジンがストールすることを
効果的に防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明におい
て、第1の基準電流値、第2の基準電流値及び第3の基
準電流値は、前記の順でその値が大きくなるように予め
定められており、さらに、前記第1の基準電流値は、発
電機Gの最大出力に達する以前の値又はエンジンEの最
大出力以内の値の両者を包含する値として定められるも
のとする。さらに、コンデンサ若しくはスイッチング素
子等の回路素子又は整流手段(以下、「回路素子等」と
いう)が過電流による発熱により破損することを防止す
るために、その基準値として基準温度値が予め定められ
ている。
【0019】[概略構成]図1に示すように、本発明の
インバータ制御エンジン駆動発電機は、エンジンEによ
り駆動される発電機Gと、整流手段RECと、インバー
タ主回路IVと、電流検出器6(電流検出手段)と、電
圧検出器7(電圧検出手段)と、温度検出器8(温度検
出手段)と、インバータ制御手段10と、を主要部とし
ている。そして、発電機Gの交流出力電圧を整流手段R
ECで整流することにより直流のリップル電圧を出力
し、当該リップル電圧をコンデンサC1により直流電圧
に平滑化するとともに、インバータ制御手段10により
制御されているインバータ主回路IVのスイッチング素
子5A〜5Dで規定電圧及び規定周波数の交流電力に変
換して、LCフィルタにより波形成形した後に外部へ出
力している。
【0020】図2に示すように、前記インバータ主回路
IVは、スイッチング素子5A〜5D(本実施形態で
は、MOSFET)を、整流手段RECの直流側で接続
することにより形成されている(以下、インバータ主回
路IVにおける正極側に接続されたスイッチング素子5
A,5Cを「上アーム」と、負極側に接続されたスイッ
チング素子5B,5Dを「下アーム」という場合があ
る)。また、LCフィルタはフィルタコンデンサC2及
び、リアクタL1,L2によりより形成されている。な
お、本実施形態では、整流手段として、ダイオードブリ
ッジを使用しているが、インバータ主回路IVの保護と
して、サイリスタ制御による安定電源を使用しても良
い。また、図2には、インバータ主回路IVを単相とし
て図示しているが、多相とするものであってもよい。さ
らに、前記スイッチング素子5A〜5Dにかえて、IG
BT等のスイッチング素子を使用してもよい。
【0021】前記電流検出器6は、インバータ主回路I
Vの出力電流を検出する装置であり、検出された検出電
流に比例した電圧が後記マイクロコンピュータ(以下、
「マイコン11」という)のA/D(アナログデジタ
ル)コンバータ11aに出力されている。しかも、この
電流検出器6は、検出電流が第2の基準電流値を超えた
場合には、ハイレベル信号を後記第1フリップフロップ
31(以下、フリップフロップを「FF」という)のリ
セット入力部31dに出力して(それ以外の場合には、
ロウレベル信号を出力する)、当該第1FF31の出力
部31eからの出力をロウレベルにし、第3の基準電流
値を超えた場合には、ハイレベル信号を後記第2FF3
2のリセット入力部32dに出力して(それ以外の場合
には、ロウレベル信号を出力する)、当該第2FF32
の出力部32eからの出力をロウレベル信号にするよう
に構成されている。
【0022】また、電圧検出器7は、インバータ主回路
IVの出力電圧を検出する装置であり、検出された検出
電圧に比例した電圧がマイコン11のA/Dコンバータ
11bと第2演算増幅器23に出力されている。さら
に、温度検出器8は、回路素子等の温度を検出する装置
であり、検出された検出温度に比例した電圧がマイコン
11のA/Dコンバータ11cに出力されている。な
お、本実施形態では、検出温度はマイコン11を介して
処理しているが、当該マイコン11を介さずに処理する
ことも可能である。
【0023】[インバータ制御手段]インバータ制御手
段10は、制御部であるマイコン11と、パルス幅変調
制御手段20(以下、パルス幅変調を「PWM」とい
う)と、PWM信号出力阻止手段30と、インバータ駆
動回路40と、を主要部として構成されている。
【0024】○マイコン マイコン11は、主として、インバータ主回路IVの出
力電圧及び出力周波数の制御を行うための装置であり、
検出電流、検出電圧及び検出温度の入力データをA/D
変換するためのA/Dコンバータ11a〜11cと、電
圧・周波数制御演算部11d(演算手段)と、基準クロ
ック発生部11eと、温度演算部11fとを備えてい
る。
【0025】前記電圧・周波数制御演算部11dは、入
力された検出電流及び検出電圧からPWM信号の基準と
なる正弦波のデータを生成して、その値をD/A(デジ
タルアナログ)コンバータ21を介して、第1演算増幅
器22に出力している。
【0026】この電圧・周波数制御演算部11dは、検
出電流が第1の基準電流値以下の場合には、検出電流及
び検出電圧の入力信号を演算処理することにより、予め
定められる一定値を出力信号として出力し、検出電流が
第1の基準電流値を超えた場合には、前記検出電流及び
検出電圧の入力信号を演算処理し、その演算結果に応じ
て前記一定値よりも所定の値だけ小さい値を出力するよ
うに構成されている。
【0027】前記基準クロック発生部11eは、三角波
発生演算増幅器25と、PWM信号出力阻止手段30に
おける第1FF31及び第2FF32のクロック入力部
31b,32bに、基準クロック信号をそれぞれ出力し
ている。また、前記温度演算部11fは、温度検出器8
で検出された回路素子等の検出温度に応じて、第2FF
32のデータ入力部32aに出力信号を出力しており、
検出温度が予め定められる基準温度値以下の場合にはハ
イレベル信号を、前記基準温度値を超えた場合にはロウ
レベル信号をそれぞれ出力することができるように構成
されている。
【0028】○PWM制御手段 PWM制御手段20は、D/Aコンバータ21と、第1
演算増幅器22と、第2演算増幅器23と、反転増幅器
24と、三角波発生演算増幅器25と、第1PWM信号
発生回路26と、第2PWM信号発生回路27と、を主
要部として構成されている。
【0029】前記D/Aコンバータ21は、電圧・周波
数制御演算部11dから出力されたデジタル信号をアナ
ログ変換し、入力値に比例した電圧を第1演算増幅器2
2に出力している。そして、第1演算増幅器22では、
入力電圧に応じて波高値及び波形振幅を変化させた正弦
波である交流波形を生成して(以下、生成された交流波
形を「生成交流波形」という)、第2演算増幅器23に
出力している。
【0030】前記第2演算増幅器23は、検出電圧の交
流波形と前記生成交流波形とを比較して演算増幅するこ
とにより、反転増幅器24及び第1PWM信号発生回路
26に出力している。このとき、前記第2演算増幅器2
3は、検出電圧が生成交流波形の出力電圧よりも小さい
場合には、両電圧の差分を前記生成交流波形に加算し
て、前記交流波形の出力を大きくした波形信号を出力
し、検出電圧が生成交流波形の出力電圧よりも大きい場
合には、両電圧の差分を前記生成交流波形から減算し
て、前記交流波形の出力を小さくした波形信号を出力す
る。
【0031】前記反転増幅器24は、入力された交流波
形(正弦波)と比較して180度位相がずれた交流波形
(以下、「反転生成交流波形」という)を生成して、第
2PWM信号発生回路27に出力している。
【0032】前記三角波発生演算増幅器25は、基準ク
ロック発生部11eから出力される基準クロック信号か
ら三角波を生成し、生成された三角波を第1PWM信号
発生回路26と第2PWM信号発生回路27にそれぞれ
出力している。
【0033】前記第1PWM信号発生回路26は、入力
された生成交流波形と三角波とを比較して、インバータ
主回路IVにおけるスイッチング素子5A,5Bをイン
バータ駆動回路40を介して駆動させるPWM信号を生
成し、第1AND回路15Aのゲートと、第1反転回路
16Aを介して第2AND回路15Bのゲートに出力し
ている。また、前記第2PWM信号発生回路27は、入
力された反転生成交流波形と三角波とを比較して、イン
バータ主回路IVにおけるスイッチング素子5C,5D
を駆動させるPWM信号を生成し、第3AND回路15
Cのゲートと、第2反転回路16Bを介して第4AND
回路15Dのゲートに出力している。インバータ駆動回
路40を用いて、これらのPWM信号により上アームと
下アームの駆動を制御することにより、規定電圧及び規
定周波数、又は、定電力及び出力周波数低下の交流電力
を生成することになる。
【0034】前記第1AND回路15A、第2AND回
路15B、第3AND回路15C及び第4AND回路1
5Dの出力は、インバータ駆動回路40を介して対応す
るスイッチング素子5A乃至5Dのゲートに入力されて
いる。
【0035】○PWM信号出力阻止手段 PWM信号出力阻止手段30は、第1FF31(第1の
パルス幅変調信号出力阻止手段)と、第2FF32(第
2のパルス幅変調信号出力阻止手段)とから構成されて
いる。両者は、それぞれ、第1PWM信号発生回路26
及び第2PWM信号発生回路27が生成するPWM信号
が、上アーム(所定のスイッチング素子に相当)又は上
下のアームに伝達されることを阻止するための制御信号
を発生するための回路であり、DタイプFFから形成さ
れている。
【0036】前記第1FF31のデータ入力部31aに
はハイレベル信号が、セット入力部31cにはロウレベ
ル信号が、それぞれ、常時、入力されている。また、リ
セット入力部31dには、検出電流に応じて電流検出器
6が発する出力信号が入力されており、検出電流が第2
の基準電流値以下の場合にはロウレベル信号が、検出電
流が第2の基準電流値を超えた場合にはハイレベル信号
が、それぞれ入力されるようになっている。
【0037】前記第2FF32のデータ入力部32aに
は、温度検出器8の検出温度に応じて温度演算部11f
から出力されるハイレベル信号又はロウレベル信号(前
記マイコン11の説明参照)が、セット入力部32cに
はロウレベル信号がそれぞれ入力されるようになってい
る。また、リセット入力部32dには、検出電流に応じ
て電流検出器6が発する出力信号が入力されており、検
出電流が第3の基準電流値以下の場合にはロウレベル信
号が、検出電流が第3の基準電流値を超えた場合にはハ
イレベル信号が、それぞれ入力されるようになってい
る。
【0038】前記第1AND回路15A及び第3AND
回路15Cのゲートは、順方向の第1ダイオードD1を
介して第1FF31の出力部31eと接続され、かつ、
順方向の第2ダイオードD2を介して第2FF32の出
力部32eと接続されている。なお、符号Rは第1AN
D回路15A及び第3AND回路15Cのゲートと接続
されているプルアップ抵抗であり、当該第1AND回路
15A及び第3AND回路15Cのゲートをハイの状態
に保持する役割を果たしている。また、前記第2AND
回路15B及び第4AND回路15Dのゲートは、第2
FF32の出力部32eと接続されている。
【0039】前記構成である第1FF31及び第2FF
32は、その出力部31e,32eから出力されるハイ
レベル信号とロウレベル信号により、第1AND回路1
5A乃至第4AND回路15Dのゲートの開閉を制御す
ることができるようになっている。すなわち、前記第1
FF31の出力部31eから出力されるロウレベル信号
により第1AND回路15A及び第3AND回路15C
のゲートがブロックされ、PWM出力信号が上アームに
出力されることを阻止できるようになっており、また、
ハイレベル信号により前記第1AND回路15A及び第
3AND回路15Cのゲートのブロックが解除されるよ
うになっている。このように、前記第1FF31の出力
部31eから出力されるロウレベル信号は、上アームへ
のPWM出力信号の出力を阻止するための出力阻止信号
となっている。
【0040】また、前記第2FF32の出力部32eか
ら出力されるロウレベル信号により第1AND回路15
A乃至第4AND回路15Dのゲートがブロックされ、
PWM出力信号が上アーム及び下アームに出力されるこ
とを阻止できるようになっており、ハイレベル信号によ
り前記第1AND回路15A乃至第4AND回路15D
のゲートのブロックが解除されるようになっている。こ
のように、前記第2FF32の出力部32eから出力さ
れるロウレベル信号は、上アームへ及び下アームへのP
WM出力信号の出力を阻止するための出力阻止信号とな
っている。
【0041】○インバータ駆動回路 インバータ駆動回路40は、PWM信号により、インバ
ータ主回路IVにおけるスイッチング素子5A乃至5D
を駆動させるための回路であり、PWM制御手段20と
インバータ主回路IVとを電気的に絶縁するためのホト
カプラ41A乃至41Dから構成されている。
【0042】[作用]以下、図1乃至図4を参照して、
前記インバータ制御エンジン駆動発電機の作用を説明す
る。ここで、図4は、インバータ主回路IVの出力特性
を示したものであり、縦軸のeは出力電圧、fは出力周
波数を、横軸のiは出力電流をそれぞれ示している。ま
た、同図中のア点及びイ点を通る直線E1は発電機Gの
直流出力を入力としてインバータ制御で規定電圧として
の定格電圧の交流出力を生成した場合の定電圧特性、曲
線E2はイ点及びウ点を通る交流出力の定電力特性、直
線E3はウ点及びエ点を通る交流出力の電圧垂下特性、
直線E4はエ点及びオ点を通る交流出力の定電流特性を
それぞれ示している。さらに、同図中のカ点及びキ点
(規定周波数としての定格周波数)を通る直線F1は交
流出力の定周波数特性、直線F2はキ点及びク点を通る
交流出力の周波数垂下特性、直線F3はク点(下限設定
周波数)を通る交流出力の定周波数特性をそれぞれ示し
ている。
【0043】(1)検出電流が第1の基準電流値以下の
場合 エンジンEの始動に伴い、発電機Gの出力が整流手段R
ECで整流されてインバータ主回路IVに供給される。
そして、インバータ主回路IVは、供給された直流出力
を定格電圧(規定電圧)及び定格周波数(規定周波数)
の交流電力に変換して出力を行っており、当該インバー
タ主回路IVの出力電流、出力電圧及び回路素子等の温
度は、それぞれが電流検出器6、電圧検出器7及び温度
検出器8で検出され、マイコン11に入力されている
(図3におけるS1,S7,S10,S13参照)。
【0044】このとき、検出電流は第1の基準電流値以
下であるため、電圧・周波数制御演算部11dは、検出
電流及び検出電圧の入力信号を演算処理することによ
り、予め定められる一定値を出力信号としてD/Aコン
バータ21を介して第1演算増幅器22に伝達する。第
1演算増幅器22は入力信号に対応して、正弦波の波高
値及び波形振幅を変化させて第2演算増幅器23に出力
する。
【0045】第2演算増幅器23は、入力された生成交
流波形と電圧検出器7の検出電圧とを演算増幅し、正弦
波の波高値及び波形振幅を増減して、第1PWM信号発
生回路26と、反転増幅器24を介して第2PWM信号
発生回路27とにそれぞれ出力する。また、三角波発生
演算増幅器25は、基準クロック発生部11eから出力
される基準クロック信号を入力して三角波を生成し、第
1PWM信号発生回路26と第2PWM信号発生回路2
7に出力する。そして、第1PWM信号発生回路26と
第2PWM信号発生回路27では、入力された正弦波と
三角波とを比較することによりPWM信号を生成し、当
該PWM信号をそれぞれ第1AND回路15A乃至第4
AND回路15Dに出力する(図3におけるS2→S3
参照)。
【0046】この段階では、検出電流が第1の基準電流
値以下であることから、第1FF31及び第2FF32
の出力は、ともに、連続したハイレベル信号となる。そ
のため、第1AND回路15A乃至第4AND回路15
Dの各ゲートは開放されており、上下の各アームにはP
WM信号が阻止されることなく伝達されることになる。
そして、このPWM信号によりインバータ駆動回路40
が制御されることで、インバータ主回路IVの交流出力
電圧及びその周波数が負荷の大小にかかわらず一定とな
り、定電圧・定周波数制御が行われることになる(図3
におけるS5→S6、図4における定電圧特性E1及び
定周波数特性F1参照)。
【0047】(2)検出電流が第1の基準電流値を超え
る場合 インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検出電流が
第1の基準電流値を超えた場合には、電圧・周波数制御
演算部11dは、検出電流及び検出電圧の入力信号を演
算処理することにより、その演算結果に応じて前記一定
値よりも所定の値だけ小さい値を出力信号として、D/
Aコンバータ21を介して第1演算増幅器22に伝達す
る。そして、第1演算増幅器22は入力信号に対応し
て、正弦波の波高値及び波形振幅を変化させて第2演算
増幅器23に出力すると、前記検出電流が第1の基準電
流値以下の場合と同様の手順でPWM信号が生成され
て、それぞれ第1AND回路15A乃至第4AND回路
15Dに出力される(図3におけるS1→S2→S4参
照)。
【0048】この段階においても、検出電流は第2の基
準電流値に達していないため、第1FF31及び第2F
F32の出力は、ともに、連続したハイレベル信号とな
る。そのため、第1AND回路15A乃至第4AND回
路15Dの各ゲートは開放されており、上下の各アーム
にはPWM信号が阻止されることなく伝達され、このP
WM信号によりインバータ駆動回路40が制御されるこ
とになるが、第1演算増幅器22により出力される波高
値及び波形振幅を変化させた生成交流波形を使用してP
WM信号を生成しているため、出力電流に対して出力電
圧を低下させることにより出力電力を一定とする定電力
制御が行われると共に、正弦波の周波数を変化させるこ
とにより出力周波数垂下制御が行われる。(図3におけ
るS5→S6、図4における定電力特性E2及び周波数
垂下特性F2参照)。
【0049】なお、一例として、定電力制御及び出力周
波数垂下制御を行う場合には、予め定められる規定電
力、定格周波数、第1の基準電流値を超えた出力電流に
基づいて、それぞれ、以下の式(a)及び式(b)を相
互に満たすように、マイコン11及びPWM制御手段2
0で制御することになる。ここで、規定電力とは、発電
機Gの最大出力に達する以前の値であり、エンジンEの
最大出力以内の値を加味し、エンジンEがストールしな
い範囲の値を基準点としたインバータ主回路IVの出力
電力である。 ○定電力制御 出力電圧=規定電力/出力電流 ・・(a) ○出力周波数垂下制御 出力周波数=定格周波数−(出力電流−第1の基準電流値)×k ・・(b) k:換算係数(Hz/A)(本実施形態では1に設定)
【0050】(3)検出電流が第2の基準電流値を超え
る場合 インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検出電流が
第2の基準電流値を超えた場合においても、前記と同様
の方法で、マイコン11及びPWM制御手段20により
定電力制御及び出力周波数垂下制御を行う場合のPWM
信号が生成されて、それぞれ第1AND回路15A乃至
第4AND回路15Dに出力される(図3におけるS1
→S2→S4参照)。
【0051】一方、検出電流が第2の基準電流値に達し
ているため、第1FF31のリセット入力部31dに電
流検出器6の発するハイレベル信号が入力される。する
と、第1FF31の出力部31eからの出力がハイレベ
ル信号からロウレベル信号(上アームへの出力阻止信号
に相当)に変化し、それに伴い第1AND回路15A及
び第3AND回路15Cのゲートがブロックされる(図
3におけるS7→S8→S9参照)。そのため、第1A
ND回路15A及び第3AND回路15Cから上アーム
に出力されるPWM信号が阻止されるため、インバータ
駆動回路40を介して上アームがオフになり、下アーム
のみがオン、オフ制御を行うことになる(図3における
S5→S6参照)。なお、このときには、インバータ主
回路IVに接続されている負荷の環流電流が流れること
と、出力周波数垂下制御とにより、負荷の始動性が良好
になる。
【0052】そして、上アームがオフになることによ
り、インバータ主回路IVの検出電流が一瞬、第2の基
準電流値以下になるため、電流検出器6から第1FF3
1のリセット入力部31dに発せられる出力信号がロウ
レベル信号になる。それに伴い、第1FF31の出力信
号はロウレベル信号からハイレベル信号に変化して、第
1AND回路15A及び第3AND回路15Cのゲート
のブロックが解除される。それにより、第1AND回路
15A及び第3AND回路15CからPWM信号が出力
され、インバータ主回路IVからの出力がなされること
になる。
【0053】以下同様に、前記第1AND回路15A及
び第3AND回路15Cのゲートの制御を繰り返すこと
で、前記と同様の作用により出力電圧垂下制御が行われ
ることになる(図4における電圧垂下特性E3参照)。
なお、このときの交流出力の出力周波数は、前記検出電
流が第1の基準電流値を超える場合に引き続いて出力周
波数垂下制御が行われる(図4における周波数垂下特性
F2参照)。
【0054】前記出力電圧垂下制御を行なう場合には、
前記定電力制御を行った場合の電力と比較して、その電
力を小さくするように出力電圧を低下させるため、回路
素子等に過電流が流れることを効果的に防止することが
できる。さらに、出力電圧垂下制御は、マイコン11の
電圧・周波数制御演算部11dで演算された結果を直接
的に用いるものではなく、電流検出器6から発せられる
出力信号により上アームの制御を行っているため、高速
でその制御を行うことができる。
【0055】(4)検出電流が第3の基準電流値を超え
る、又は、検出温度が基準温度値を超える場合 さらに、インバータ主回路IVの出力電流が増加し、検
出電流が第3の基準電流値を超えた場合においても、前
記と同様の方法により定電力制御及び出力周波数垂下制
御を行う場合のPWM信号が生成されて、それぞれ第1
AND回路15A乃至第4AND回路15Dに出力され
るとともに(図3におけるS1→S2→S4参照)、出
力電圧垂下制御が行われている(図3におけるS7→S
8→S9→S5→S6参照)。
【0056】一方、検出電流は第3の基準電流値に達し
ているため、第2FF32のリセット入力部32dに電
流検出器6の発するハイレベル信号が入力される。する
と、第2FF32の出力部32eからの出力は、ハイレ
ベル信号からロウレベル信号(上下アームへの出力阻止
信号に相当)に変化し、それに伴い、第1AND回路1
5A乃至第4AND回路15Dのゲートがブロックさ
れ、第1AND回路15A乃至第4AND回路15Dか
ら出力されるPWM信号が阻止されるため、インバータ
駆動回路40を介して上アーム及び下アームがオフにな
る(図3におけるS10→S11→S12→S5→S6
参照)。
【0057】すると、インバータ主回路IVからの出力
が一瞬停止するため、検出電流が第3の基準電流値以下
になり過電流の状態が解除される。それに伴い、電流検
出器6から第2FF32のリセット入力部32dに発せ
られる出力信号がロウレベル信号になるため、当該第2
FF32の出力部32eからの出力は、ロウレベル信号
からハイレベル信号に変化して、第1AND回路15A
乃至第4AND回路15Dのゲートのブロックが解除さ
れる。そして、第1AND回路15A乃至第4AND回
路15Dからインバータ駆動回路40を介して上アーム
及び下アームにPWM信号が出力され、インバータ主回
路IVからの出力が行われることになる。
【0058】以下同様に、前記第1AND回路15A乃
至第4AND回路15Dのゲートの制御を繰り返すこと
により、第3の基準電流値以上の電流が流れないように
出力電流を制限する出力電流の制御を行い、インバータ
主回路IVの回路素子等の保護を図ることができる(図
4における定電流特性E4及び周波数垂下特性F2参
照)。
【0059】なお、前記出力周波数垂下制御を行う場合
において、電圧・周波数制御演算部11dは、出力周波
数が予め定められる下限周波数以下とならないようにそ
の制御を行っているため、周波数の過剰な低下による負
荷の始動性の低下を防止させることができる(図4にお
ける定周波数特性F3参照)。また、本実施形態では、
定周波数特性F3のク点については、第2の基準電流値
と第3の基準電流値との間に存在する場合を想定してそ
の説明を行っているが、周波数垂下特性F2の勾配の程
度によっては、第1の基準電流値と第3の基準電流値の
間に存在するものである。
【0060】さらに、前記の出力電流の制御は、回路素
子等の検出温度が基準温度値より大きくなった場合に、
温度演算部11fから第2FF32のデータ入力部32
aにロウレベル信号が入力されることを契機として、当
該第2FF32の出力部32eからの出力がロウレベル
信号になり、第1AND回路15A乃至第4AND回路
15Dのゲートがブロックされ、第1AND回路15A
乃至第4AND回路15Dから出力されるPWM信号が
阻止されて上アーム及び下アームがオフになることによ
っても同様の動作で行われる(図3におけるS13→S
14→S12→S5→S6参照)。つまり、出力電流制
御は、電流検出器6からの出力信号と、温度検出器8か
らの出力信号との2系統でその制御を行っており、少な
くとも一方の動作で制御を行うことができることから、
より確実にその制御を行うことができる。
【0061】また、検出温度による第2FF32からの
ロウレベル信号の出力は、基準温度値を超えたときに行
われるが、当該ロウレベル信号の出力を解除するには検
出温度が基準温度値を下回ったときに当該第2FF32
のデータ入力部32aにハイレベル信号が入力されるこ
と、或いは、検出温度が基準温度値を下回り、回路素子
等の安全が確認された後に、復帰信号により、第2FF
32のデータ入力部32aにハイレベル信号を入力させ
ることで行うことも可能である。
【0062】このように、本発明によれば、図4に示す
ように、インバータ制御手段10は、発電機Gとエンジ
ンEの出力特性における最大出力点をあらかじめ把握し
ておき、その最大出力点に達する以前の第1の基準電流
値に対応する第1基準点イに達するまではインバータ主
回路IVの出力電圧が一定となるように定電圧制御を行
い(ア点〜イ点)、当該第1基準点イを超えた場合に
は、インバータ主回路IVの交流出力は電流の増加とと
もに電圧を減少させて定電力制御を行うことで(イ点〜
ウ点)、発電機Gの最大出力点に達する前にインバータ
主回路IVの出力電圧を低下させることが可能となる。
従って、始動時に定常運転時の数倍以上の始動電流が流
れるモータや水銀灯等の負荷を使用した場合であって
も、エンジンEへの負担を軽減し、当該エンジンEがス
トールしてしまうことを効果的に防止することができ
る。また、前記第1基準点イを超えた場合には、出力周
波数を垂下させる出力周波数垂下制御を行い、負荷の始
動時においてエンジンE及び発電機Gにかかる負担を小
さくすることで、スムーズに始動させ、負荷の始動性の
向上を図ることができる。
【0063】さらに、本発明によれば、インバータ制御
手段10は、前記検出電流が第2の基準電流値を超えた
場合には、前記定電力制御を行った場合の電力と比較し
て、その電力を小さくするように出力電圧を低下させる
出力電圧垂下制御を行うことで(ウ点〜エ点)、インバ
ータ主回路IVの回路素子等に過電流が流れることを効
果的に防止することができる。
【0064】また、本発明によれば、インバータ制御手
段10は、予め定められる第3の基準電流値又は基準温
度値を超えた際に、少なくとも前記第3の基準電流値を
越えた出力電流を流さないように出力電流の制御を行う
ことで(エ点〜オ点)、前記回路素子等に過電流が流れ
ることを防止してその保護を図ることができる。
【0065】以上、本発明について、好適な実施形態の
一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限
られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。特に、
検出電流が第2の基準電流値を超えた場合において、出
力電圧垂下制御を行う場合に、上アームに伝達されるパ
ルス幅変調信号の出力を阻止するように構成したが、下
アームに伝達されるパルス幅変調信号の出力を阻止する
ように構成するものでもよい。また、前記発電機の制御
において、上アームと、下アームへの少なくとも一方の
出力阻止信号の出力は、マイコンのみで行うことも可能
である。さらに、前記インバータ制御エンジン駆動発電
機は、可変速発電機や溶接発電機にも適用可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、負荷投入時の始動時に
おける瞬時に過負荷状態となる負荷を使用した場合であ
っても、エンジンがストールすることを効果的に防止す
ることが可能であるとともに、前記負荷の始動性を更に
向上させることが可能であり、更に、過電流からインバ
ータの回路素子等の保護を図ることがで可能となるイン
バータ制御エンジン駆動発電機を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインバータ制御エンジン駆動発
電機の構成を示すブロック図である。
【図2】インバータ主回路を示す回路図である。
【図3】本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機の
出力制御の方法を示すフロー図である。
【図4】本発明のインバータ制御エンジン駆動発電機の
出力特性を示す概念図である。
【符号の説明】
E エンジン G 発電機 REC 整流手段 IV インバータ主回路 5A〜5D スイッチング素子 6 電流検出器(電流検出手段) 7 電圧検出器(電圧検出手段) 8 温度検出器(温度検出手段) 10 インバータ制御手段 11 マイコン(マイクロコンピュータ) 11d 電圧・周波数制御演算部(演算手段) 20 PWM制御手段21 D/Aコンバータ 22 第1演算増幅器 23 第2演算増幅器 24 反転増幅器 25 三角波発生演算増幅器 26 第1PWM信号発生回路 27 第2PWM信号発生回路 30 PWM信号出力阻止手段 31 第1FF(第1のパルス幅変調信号出力阻止手
段) 32 第2FF(第2のパルス幅変調信号出力阻止手
段) 40 インバータ駆動回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動される発電機の出力
    を整流手段により整流し、この整流出力をインバータで
    規定電圧及び規定周波数の交流電力に変換して出力する
    インバータ制御エンジン駆動発電機において、 前記インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、 前記インバータの出力電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電流検出手段により検出された検出電流と前記電圧
    検出手段により検出された検出電圧とに応じて前記イン
    バータの出力を制御するインバータ制御手段とを備え、 前記インバータ制御手段は、前記検出電流が予め定めら
    れる第1の基準電流値以下の場合には、前記インバータ
    の出力電圧及び出力周波数が一定となるように定電圧・
    定周波数制御を行うとともに、 前記検出電流が前記第1の基準電流値を越えた場合に
    は、前記インバータの出力電力が一定となるように前記
    出力電圧を制御して定電力制御を行い、かつ、出力周波
    数を垂下させる出力周波数垂下制御を行うこと、 を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインバータ制御エンジ
    ン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、 前記検出電流が前記第1の基準電流値より大きい予め定
    められる第2の基準電流値を超えた場合には、前記イン
    バータの出力電圧を垂下させる出力電圧垂下制御を行う
    こと、 を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のインバータ制御エンジ
    ン駆動発電機において、前記インバータ制御手段は、 前記検出電流が前記第1の基準電流値以下である場合に
    は、前記検出電流に応じて前記インバータの各スイッチ
    ング素子を制御して前記定電圧・定周波数制御を行い、 前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合に
    は、前記検出電流に応じて前記インバータの前記各スイ
    ッチング素子を制御して前記定電力制御を行い、かつ、
    前記出力周波数垂下制御を行うためのパルス幅変調信号
    を出力するパルス幅変調制御手段と、 前記検出電流が前記第2の基準電流値を超えた場合に
    は、前記出力電圧垂下制御を行うように所定の前記スイ
    ッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止さ
    せるための第1のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備
    えること、 を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載のインバー
    タ制御エンジン駆動発電機において、 前記インバータの回路素子又は前記整流手段の温度を検
    出する温度検出手段を備え、 前記インバータ制御手段は、 前記検出電流が、前記第2の基準電流値より大きい予め
    定められる第3の基準電流値を超えた場合と、 前記温度検出手段により検出された検出温度が予め定め
    られる基準温度値を超えた場合との少なくともいずれか
    一方の場合には、 前記インバータの出力電流を制限するように前記各スイ
    ッチング素子への前記パルス幅変調信号の出力を阻止さ
    せるための第2のパルス幅変調信号出力阻止手段とを備
    えることを特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電
    機。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、 前記インバータ制御手段は、前記出力周波数垂下制御を
    行う場合に、前記出力周波数が予め定められる下限周波
    数以下とならないようにその制御を行うことを特徴とす
    るインバータ制御エンジン駆動発電機。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に
    記載のインバータ制御エンジン駆動発電機において、 前記インバータ制御手段はマイクロコンピュータを備え
    ており、 前記定電圧・定周波数制御を行う場合には、 前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力信号
    を前記マイクロコンピュータの演算手段が演算処理した
    出力信号を基に、前記パルス幅変調信号の制御を行うこ
    とで前記出力電圧及び前記出力周波数を一定とする制御
    を行い、 前記定電力制御及び前記出力周波数垂下制御を行う場合
    には、 前記検出電流が前記第1の基準電流値を超えた場合にお
    ける前記電流検出手段及び前記電圧検出手段からの入力
    信号を前記演算手段が演算処理した出力信号に応じて、
    前記パルス幅変調信号の制御を行うことで、前記出力電
    圧を低下させる電力一定の制御、かつ、前記出力周波数
    を垂下させる制御を行い、 前記出力電圧垂下制御を行う場合には、 前記演算手段を介さずに、前記検出電流が前記第2の基
    準電流値を超えた場合に発せられる基準信号により、所
    定の前記スイッチング素子への前記パルス幅変調信号の
    出力を阻止することで前記検出電流に応じて前記出力電
    圧を垂下させる制御を行うこと、 を特徴とするインバータ制御エンジン駆動発電機。
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