JP3053319B2 - 磁気記録媒体基板およびその耐久性試験装置 - Google Patents

磁気記録媒体基板およびその耐久性試験装置

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JP3053319B2 JP5208459A JP20845993A JP3053319B2 JP 3053319 B2 JP3053319 B2 JP 3053319B2 JP 5208459 A JP5208459 A JP 5208459A JP 20845993 A JP20845993 A JP 20845993A JP 3053319 B2 JP3053319 B2 JP 3053319B2
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶シリコンからな
る磁気ディスク用基板のような磁気記録媒体基板(以
下、基板と略称する)および該基板を高速回転させた場
合の耐衝撃性を試験するための耐久性試験装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展に伴い、大容量の記録
媒体が必要とされ、特にコンピュータの外部メモリとし
て中心的な役割をはたしている磁気ディスクは年々記録
容量、記録密度ともに増加しているが、さらに高密度な
記録を行うための開発が進められている。特に、ノート
型パソコンやパームトップパソコンの開発により、小型
で衝撃に強い記録装置が望まれ、そのために、より高密
度記録ができ、機械強度の強い磁気記録媒体が望まれて
いる。すなわち、磁気ディスクは、後記するようにかな
りの高速回転で使用されるため、基板はこの高速回転に
耐えうる材質と構造のものでなければならない。
【0003】このような磁気記録媒体である磁気ディス
ク用の基板としては、従来アルミニウム合金が用いられ
ているが、記録密度の向上に伴い、より表面荒さが小さ
く、耐磨耗性のよい堅い基板が求められている。特にノ
ート型パソコンの普及に伴い消費電力の少なくてすむ磁
気ディスクが求められている。磁気ディスクドライブの
電力消費の多くはスピンドルモータによるものである
が、電力消費を少なくするため、基板は軽量でなければ
ならない。
【0004】高記録密度のためには記録膜の保磁力は大
きい方が望ましい。一般に用いられているコバルト系合
金では、ある温度までは成膜温度が高ければ高いほど保
磁力は大きくなる。そこで、保磁力を大きくする目的で
成膜前に基板加熱を行なう。しかし、アルミニウム合金
は柔らかいため耐磨耗性、加工性が悪く、これを補うた
めに、表面にNiPメッキ処理が必要であるが、このN
iP膜とアルミニウム合金との熱膨張率の差のために、
成膜するときに行う基板加熱時に基板が反り易い。ま
た、NiPは280℃以上に温度を上げると磁性を帯び
てしまうため、あまり高温で成膜することはできない。
【0005】特に基板強度、表面荒さを小さくする目的
でガラス基板が一部用いられているが、磁気ディスクに
用いられているガラス基板は強化処理してあり、そのた
め表面に歪み層があり、圧縮応力が働いている。このた
め、基板を加熱すると基板が反り易いという欠点があ
る。また、基板が加熱しにくいため、十分な保磁力をだ
すのに、大きなパワーを必要とするという欠点がある。
【0006】これに対し、単結晶シリコンは高温特性が
よく、熱膨張率が小さく、アルミニウム合金より比重が
小さく、導電性があるなど多くの長所を有するため基板
材として最適のものである。すなわち、単結晶シリコン
基板は、ガラス基板と比べて 基板加熱に用いる赤外線ヒーターが少ないパワーです
む、 異種質材からなる層がないために温度上昇で基板に反
りが生じない、 600℃以上の高温に耐える、 等の利点がある。また、LSI製造プロセスの進歩と共
に微細加工技術が進歩し、これを応用することにより、
トラッキング用の溝等を容易に形成することができる。
【0007】ところで、このような単結晶シリコンから
なる基板の製造方法としては、例えば、単結晶シリコン
棒の外周を円筒研削し、中心孔をあけ、スライス、面取
り、表面研磨の順に加工する方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記単結晶シリコンか
らなる基板の製造における面取り加工は、以下の理由で
行われる。すなわち、単結晶シリコンはアルミニウム合
金と異なり硬脆性があるので、基板に角部があると該基
板周辺部に欠けが発生し易く、これを防止するために、
基板の外周面および中心孔内周面に対して面取り加工が
施されるものである。しかしながら、面取り加工後では
該面取り部表面に厚さ約数μmから数十μmの加工歪み
が残留するため、機械強度が下がり、磁気記録媒体装置
駆動時の高速回転で歪みが広がり耐衝撃性が弱くなった
り、磁気記録媒体の製造工程中に欠け、ひび割れが生じ
易くなり、製造装置の能率を低下させることはもとよ
り、割れた破片によって製造装置を破損したり、他の磁
気記録媒体に傷をつけ不良品が生じることもあるという
問題点があった。
【0009】一方、磁気記録媒体は使用に際し高速回転
されるものであるから、磁気記録媒体用基板の品質評価
項目の一つとして、高速回転時の耐久性(耐破損性)を
試験することが必要である。その理由は、ディスク回転
速度が速くなればなるほど磁気ディスクへのデータの書
き込み速度、読み取り速度が速くなるため、年々回転速
度が速くなっているからである。現在、磁気ディスクド
ライブで一般的に用いられているディスク回転数は3600
rpm から5000rpm を超えるものもある。もし,ディスク
端面、特に、内周部に微小クラックや加工歪み層がある
と、ディスクが高速回転した時に遠心力が加わり、ディ
スクが割れる可能性がある。特に、端面に角部があると
ハンドリングの最中にそこから微小クラックがはいりや
すい。そこで本発明者らは、耐久性試験装置として、試
料基板の中心孔を回転テーブルの突起部分に挿入して、
該基板を回転テーブル面に載置・固定するようにしたも
のを検討した。
【0010】また、前記の耐久性試験装置は1台だけ
で、中心孔の孔径が異なる種々の寸法の基板に対応でき
るものであるのが望ましい。
【0011】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その第1の目的は、割れや欠けが生じにくく、特に高速
回転時の耐衝撃性が向上した、単結晶シリコンからなる
磁気記録媒体基板を提供することにある。また、本発明
の第2の目的は、中心孔の孔径が異なる種々の磁気記録
媒体基板に対応可能な耐久性試験装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るための本発明の磁気記録媒体基板は、単結晶シリコン
からなる磁気記録媒体基板において、ドーナツ状の単結
晶シリコン基板の外周縁部および中心孔が機械加工によ
り形成された後に、加工面にケミカルエッチングを施し
たり、面取り形状を円弧状にすることを特徴とする。
【0013】また、前記第2の目的を達成するための本
発明の磁気記録媒体基板の耐久性試験装置は、強制回転
可能なスピンドルシャフトの一端部に複数の円環状定着
面を前記スピンドルシャフトと同心状、かつ段差部を介
し山型階段状に重層して磁気記録媒体基板の定着部材
を、構成すると共に、該定着部材の上端部にねじ軸を突
設し、該ねじ軸には、押さえナットを螺合すると共に、
該押さえナットと前記定着部材との間に、一端部に前記
複数の円環状定着面のいずれか一つと当接しうる当接面
を形成したディスククランプを挿入し、さらに前記定着
部材の段差部は、前記磁気記録媒体基板の中心孔内周面
と嵌合しうるものとしたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の磁気記録媒体基板では、基板の割れや
欠けの主原因部分である面取り部の角部を丸め、または
ケミカルエッチングを行なうことによって、基板の耐衝
撃性が著しく向上する。
【0015】一方、本発明に係る磁気記録媒体基板の耐
久性試験装置を使用するに当たっては、試料基板を、前
記定着部材の複数の円環状定着面のうち寸法が適合する
ものに載置したのち、該定着面に適合するディスククラ
ンプをねじ軸に挿入し、次いで該ねじ軸に押さえナット
を螺合して締めつけ、試料基板を、ディスククランプの
当接面と前記円環状定着面とにより適宜の締めつけ力で
挟持固定し、スピンドルシャフトを所望の回転数で回転
させる。この耐久性試験装置では、内径が異なる複数の
円環状定着面を設けてあるので、中心孔の孔径が異なる
複数種類の試料基板を、取り換えて固定することができ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により、さ
らに詳細に説明する。 実施例1 図1,2は単結晶シリコンからなる磁気記録媒体用の基
板の製造工程を示すもので、図1(a),(b)はドー
ナツ状円板の切り出し工程を、図2は面取り工程および
ケミカルエッチング工程を示している。また、図3は基
板の外周縁部の他、特に中心孔をなす内周側面取部のケ
ミカルエッチングの要領を示すものである。
【0017】基板の製造に際しては、まず大口径の単結
晶シリコン棒を作製し、これをスライスして、図1に示
す大口径の単結晶シリコンウェーハ(以下、ウェーハと
略称する)12を用意する。このウェーハ12について
砥石を用いてラップ仕上げを行い、その厚みと表面を整
えたのち、レーザ切断装置(図示せず)により図1
(a),(b)に示すように複数枚の小口径のドーナツ
状円板14を切り出す。
【0018】次に、このドーナツ状円板14について、
図2,図3に示すように面取り加工、表面研磨およびケ
ミカルエッチングの順に処理を施す。すなわち、面取り
砥石(図示せず)による外周縁部16および中心孔18
の面取り加工、およびメカノケミカルポリッシング装置
(図示せず)による上面20および下面22の鏡面研磨
を行い〔図2(a)→(b)〕、次いでケミカルエッチ
ングでは、図3に示す方法により面取り加工により発生
した加工歪み層24,26を除去し〔図2(c)〕、最
後に基板全体を洗浄して、所望の磁気記録媒体基板28
の作製が完了する。
【0019】前記ケミカルエッチングは、面取り加工後
のドーナツ状円板14の全体をエッチング液に浸漬して
行い、これにより前記上下面の鏡面研磨工程を省略する
こともできるが、図3に示すようにドーナツ状円板14
を多数枚重層したものをクランプ30で挟持固定し、こ
のクランプ30をエッチング液に浸漬すれば、多数枚の
基板について、前記面取部における加工歪み層24,2
6のみを選択的かつ同時にエッチング処理することがで
きる。なお、この場合、ドーナツ状円板14同士を直接
重層しているが、所望により基板間にダミー基板を挿入
してもよい。図3において47はエッチング液を通過さ
せるための貫通孔、32,34は挟持板、36,38は
ボルト、40,42は締めつけ用のナット、44,46
は座金である。
【0020】前記面取り加工は、一般には図2(b)に
示すように角部のある形に施されるが、該角度を丸めた
形に面取りすることによって、磁気記録媒体基板の耐衝
撃性をさらに高めることができる。
【0021】前記エッチング液としては酸性液またはア
ルカリ液が用いられる。前者の具体例としてフッ酸(H
F濃度50wt%)、硝酸(濃度70wt%)、メタノ
ール(濃度100%)の混合液(混合容積比2:5:
3)が、後者の具体例として適宜濃度のKOH水溶液ま
たはNaOH水溶液を用いることができ、これらにより
ケミカルエッチングを短時間に行うことができる。前記
面取り加工による加工歪みの厚さは約10μmであるた
め、エッチング液として前記混合酸性液すなわち混酸を
用いた場合のエッチング時間は10〜20秒程度でよ
い。
【0022】本発明の特徴は磁気記録媒体において、ケ
ミカルエッチングを施し、面取り後の歪み層を完全に除
去した単結晶シリコンを基板として用いることにあり、
この上に積層される膜の材質、構成が特別なものに限定
されることはない。例えば、記録膜としては従来から一
般に用いられているコバルト系合金やフェライト系でも
よく、膜構成としては基板側から下地膜、記録膜、保護
膜の順に積層したもの、またはこの膜構成で下地膜、保
護膜のどちらか一方または両方が欠如したものでもよ
く、下地膜、記録膜、保護膜のうち一層または二層以上
が多層膜で構成されているものも含まれる。また、島状
成長等を利用し、磁気ヘッドとの吸着防止のための層を
設けたものも含まれる。
【0023】なお、前記面取り工程前のドーナツ状円板
〔図2(a)の符号14に相当〕の作製方法の別例とし
ては、直径が該ドーナツ状円板よりわずかに大きい単結
晶シリコン棒の外周を円筒研削し、これに前記中心孔1
8に相当する貫通孔を形成したのち、所定の厚みにスラ
イスする方法も採用できる。
【0024】(試験例)前記実施例により得られた外径
95.0mm,内径25.0mm基板と、面取り部にケ
ミカルエッチングを施さない以外は前記実施例と全く同
一の工程および条件で得られた基板(比較例)多数枚に
ついて、高速回転による耐衝撃性試験を行った。この場
合、エッチング液として前記混酸または濃度20wt%
のKOH水溶液を使用した。また、耐衝撃試験はまず1
mの高さから基板を落下させたのち、回転試験を行なっ
た。回転試験では、まず15000 rpmまで15秒で立ち上
げ、15000 rpmのまま5分間保持し、次に15秒で停止
させ、また15000 rpmまで回転速度を上げる。この周
期を10回繰り返した後、割れたもの、顕微鏡下で内周
部のクラック、割れが見えるものを不良品としたとこ
ろ、図4のような結果が得られた。
【0025】この図から明らかなように、比較例におい
て「角部有りで、エッチングなし」の不良品数の割合を
1.0とした場合、本発明の試験例では「丸みを付与
で、エッチングなし」では同上割合が約0.64で、
「角部有りで、エッチング有り」の場合、同上割合は
0.3前後となり、「丸みを付与で、エッチング有り」
の場合には同上割合はゼロと、究めて良好な結果が得ら
れた。以上のことから、歪み層をエッチングにより取り
除いたり、面取り部を丸めたりした方がよく、さらに両
方の処理をしたほうがさらによいことがわかる。
【0026】(実施例2)次に、本発明に係る耐久性試
験装置の実施例を図5,6を参照して説明する。この試
験装置は、磁気記録媒体用の基板101を定着するため
の定着部材50と、この定着部材50と協働して基板1
01を挟持固定するためのディスククランプ60と、こ
のディスククランプ60を前記定着部材50側に締め付
けるための押さえナット70および座金80とを備えて
いる。そして、図5は定着部材50の最下段の円環状定
着面56aに基板101を載置し、ディスククランプ6
0a次いで座金80をねじ軸58に挿入したのち、該ね
じ軸に押さえナット70を螺合してディスククランプ6
0aを締め付けることにより、前記基板101をディス
ククランプ60aと前記定着面56aとで挟持固定し、
スピンドルシャフト52を高速回転させて耐久性試験を
行うようにした状態を示している。
【0027】前記定着部材50は、スピンドルシャフト
52と、該スピンドルシャフトの上端部に一体的に設け
た山型階段状の基板定着部54とにより構成し、スピン
ドルシャフト52は、例えばあらかじめ無段変速可能な
回転装置(図示せず)の回転軸に連結しておく。前記基
板定着部54は、直径が異なる複数の円環状定着面56
a〜56eを、前記スピンドルシャフト52の回転軸線
と同心状に(すなわち該回転軸線と直交させて)互いに
平行に、かつ直径の大きさの順に段差部55を介して階
段状に、しかも直径が最大の定着面56aをスピンドル
シャフト52側に最寄りに形成して構成する。そして、
この基板定着部54の頂部にねじ軸58を前記回転軸線
と同心状に突設する。
【0028】前記ディスククランプ60は、前記5つの
定着面56a〜56eに対応して5種類のものを用意し
ておく。図5に示すディスククランプ60aは定着面5
6aに対応し、図6に示すディスククランプ60dは定
着面56dに対応しており、これら5種類のディスクク
ランプは互いにほぼ相似形である。したがって、以下デ
ィスククランプ60aの構造について説明する。
【0029】ディスククランプ60aは、前記基板定着
部54の全体を被蓋できる円錐台状(円筒状でもよい)
のキャップ体とし、底面61を定着面56aとほぼ合同
の円環状として、実質的に全面が該定着面56aの全面
と密着しうるように形成する。また、このディスククラ
ンプ60aの頂部中心部には貫通孔62を形成し、前記
ねじ軸58に挿入可能とする。この場合、ディスククラ
ンプ60aの底部の内径は、段差部55a(円柱体の外
周面に相当する)の直径よりも大きくする必要がある
が、図5に示すように、わずかに大として前記底部の内
周面が、前記段差部55aと嵌合するように設定するの
が好ましく、これにより、スピンドルシャフト52とデ
ィスククランプ60aとの芯出しを簡便に行うことがで
きる。
【0030】また、各ディスククランプ60aの底面6
1すなわち前記定着面との当接可能な面には、図5に示
すように軟質のゴム板または軟質のプラスチック板から
なるパッキング63を装着することが好ましく、これに
より、基板101の表面を保護することができ、該基板
を、的確かつ均等な挟圧力で挟持固定することが可能に
なると共に、押さえナット70の締め過ぎによる基板1
01の損傷を防止することができる。さらに、基板定着
部54の段差部55aの直径は、図5に示すように基板
101の中心孔内周面と嵌合するように設定することが
好ましく、これにより、基板101と段差部55aとの
隙間にゴミ等が挟まったり、基板101が面ブレする心
配がなくなる。
【0031】前記スピンドルシャフト52は、高速回転
装置(図示せず)の出力軸にあらかじめ連結しておく
か、または着脱自在に連結するが、この回転装置として
は例えば、500rpm〜15000rpmの範囲内で
無段変速可能であり、かつスピンドルシャフト52を回
転させた場合の直径方向、軸方向の振れができるだけ小
さいもの(例えば15000rpmにおいて3μm以
下)とするのが好ましい。
【0032】前記押さえナット70は、めねじを貫通形
成した通常のナットを用いることもできるが、図5のよ
うに袋ナットとすると共に表面にローレット加工を施し
たものが好ましい。なお、図5において90はねじ穴、
92は加工上直角に形成できないために設ける溝であ
り、この溝により、基板の内周部に力がかからなくな
り、クランプ時の割れを防ぐことができる。
【0033】この試験装置では、前記のように同一のス
ピンドルシャフト上に直径の異なる複数の円環状定着面
を複数段に形成すると共に、これらの定着面に対応して
複数のディスククランプを用意したので、中心孔の孔径
が異なる磁気記録媒体基板を一つの試験装置で試験する
ことができる。
【0034】ところで、図5は基板101を、その中心
孔102を段差部55aに遊嵌させて定着面56aとデ
ィスククランプ60aとで固定した場合を示している
が、中心孔径がこれよりも小さい基板103を固定する
要領について、図5,6により説明する。図5の状態か
ら押さえナット70、座金80、ディスククランプ60
a、基板101の順に取り外したのち、図6のように、
この基板より小径(したがって中心孔の孔径も小径)の
基板103を定着面56d上に載置して、次いで前記デ
ィスククランプ60aより小径のディスククランプ60
dをねじ軸58に挿入し、押さえナット70の螺合、締
め付けを行えばよい。この場合、ディスククランプ60
dは基板定着部54の上半部を被蓋するものとなる。な
お、所望により、同一寸法の基板を複数枚、共通の定着
面上に載置し、固定してもよい。また、この試験装置
は、単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基板に限ら
ず、ガラス製の基板や、半導体ウェーハの耐久性試験用
に供することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
磁気記録媒体基板では、中心孔の縁部を円弧状に面取り
加工後に残留する加工歪み層をケミカルエッチングによ
り除去して鏡面状態に仕上げてあるから、面取り加工部
の強度が向上し、耐久性に優れた磁気記録媒体基板とな
るものである。また、本発明の磁気記録媒体基板の耐久
性試験装置では、同一のスピンドルシャフト上に直径の
異なる複数の円環状定着面を複数段に形成すると共に、
これらの定着面に対応して複数のディスククランプを用
意したので、中心孔の孔径が異なる磁気記録媒体基板を
一つの試験装置で試験することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体基板を製造する工程の一
例を示すもので、(a)はドーナツ状円板の切り出し要
領の説明平面図であり、(b)は図1の側面図である。
【図2】図1の要領で切り出されたドーナツ状円板の仕
上げ加工工程を、その断面図で示したものであり、
(a)は面取り加工前の、(b)は面取り加工後の、
(c)はケミカルエッチング後の状態をそれぞれ示す。
【図3】図2(b)のドーナツ状円板をケミカルエッチ
ングする要領を示すもので、多数枚の基板をクランプで
固定した状態の断面図である。
【図4】本発明の試験例および比較例の結果を示すグラ
フである。
【図5】本発明に係る耐久性試験装置の実施例の構造お
よび使用要領の一例を示す縦断面図である。
【図6】図5実施例の使用要領の別例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
12 単結晶シリコンウェーハ 14 ドーナツ状円板 16 外周縁部 18 中心孔 20 上面 22 下面 24,26 加工歪み層 28 磁気記録媒体基板 30 クランプ 32,34 挟持板 36,38 ボルト 40,42 ナット 44,46 座金 47 貫通孔 50 定着部材 52 スピンドルシャフト 54 基板定着部 55,55a 段差部 56a〜56e 円環状定着面 58 ねじ軸 60,60a,60d ディスククランプ 61 底面 62 貫通孔 63 パッキン 70 押さえナット 80 座金 90 ねじ孔 92 溝 101,103 基板 102 中心孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 泰章 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電 子工業株式会社内 (72)発明者 青木 豊文 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電 子工業株式会社内 (72)発明者 黒柳 逸夫 東京都千代田区丸の内1丁目4番2号 信越半導体株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−172220(JP,A) 特開 昭64−67714(JP,A) 特表 昭61−502787(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/84

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板において、ドーナツ状の単結晶シリコン基板の外周縁
    部および中心孔が機械加工により形成され、その後の機
    械加工終了後にケミカルエッチングを施したものである
    ことを特徴とする磁気記録媒体基板。
  2. 【請求項2】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板において、ドーナツ状の単結晶シリコン基板の外周縁
    部および中心孔が機械加工により形成された後、該外周
    縁部および中心孔の縁部に面取り加工を行なった後に、
    該面取り加工面にケミカルエッチングを施したものであ
    ことを特徴とする磁気記録媒体基板。
  3. 【請求項3】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板において、ドーナツ状の単結晶シリコン基板の外周縁
    部および中心孔が機械加工により形成された後、該外周
    縁部および中心孔に円弧状の面取り面を形成したもので
    あることを特徴とする磁気記録媒体基板。
  4. 【請求項4】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板において、ドーナツ状の単結晶シリコン基板の外周縁
    部および中心孔が機械加工により形成された後、該外周
    縁部および中心孔に円弧状の面取り面を形成した後にケ
    ミカルエッチングを施したものであることを特徴とする
    磁気記録媒体基板。
  5. 【請求項5】 強制回転可能なスピンドルシャフトの一
    端部に複数の円環状定着面を前記スピンドルシャフトと
    同心状、かつ段差部を介し、山型階段状に重層して磁気
    記録媒体基板の定着部材を構成すると共に、該定着部材
    の上端部にねじ軸を突設し、該ねじ軸には、押さえナッ
    トを螺合すると共に、該押さえナットと前記定着部材と
    の間に、一端部に前記複数の円環状定着面のいずれか一
    つと当接しうる当接面を形成したディスククランプを挿
    入し、さらに前記定着部材の段差部は、前記磁気記録媒
    体基板の中心孔内周面と嵌合しうるものとしたことを特
    徴とする磁気記録媒体基板の耐久性試験装置。
  6. 【請求項6】 前記ディスククランプは前記定着部材の
    上部を被蓋しうる円錐台状または円筒状のキャップ体と
    し、該キャップ体の底部内周面は前記定着部材の段差部
    と嵌合しうるものとすると共に、底面は円環状に形成し
    て前記円環状定着面との当接面となし、さらに該当接面
    に軟質のゴム板または軟質のプラスチック板を装着した
    ものとしたことを特徴とする請求項5に記載の耐久性試
    験装置。
  7. 【請求項7】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板の製造方法において、ドーナツ状の単結晶シリコン基
    板の外周縁部および中心孔を機械加工により形成し、そ
    の後の機械加工終了後にケミカルエッチングを施すこと
    を特徴とする磁気記録媒体基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板の製造方法において、ドーナツ状の単結晶シリコン基
    板の外周縁部および中心孔を機械加工により形成した
    後、該外周縁部および中心孔の縁部に面取り加工を行な
    った後に、該面取り加工面にケミカルエッチングを施す
    ことを特徴とする磁気記録媒体基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体基
    板の製造方法において、ドーナツ状の単結晶シリコン基
    板の外周縁部および中心孔を機械加工により形成した
    後、該外周縁部および中心孔に円弧状の面取り面を形成
    することを特徴とする磁気記録媒体基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 単結晶シリコンからなる磁気記録媒体
    基板の製造方法において、ドーナツ状の単結晶シリコン
    基板の外周縁部および中心孔を機械加工により形成した
    後、該外周縁部および中心孔に円弧状の面取り面を形成
    した後にケミカルエッチングを施すことを特徴とする磁
    気記録媒体基板の製造方法。
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