JP3052144B2 - 芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリエステルの製造方法Info
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- JP3052144B2 JP3052144B2 JP1292562A JP29256289A JP3052144B2 JP 3052144 B2 JP3052144 B2 JP 3052144B2 JP 1292562 A JP1292562 A JP 1292562A JP 29256289 A JP29256289 A JP 29256289A JP 3052144 B2 JP3052144 B2 JP 3052144B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形性に優れ、かつ異方性が改善された成形
体を与えるのみならず耐熱性にも優れた芳香族ポリエス
テルの製造方法に関するものである。
体を与えるのみならず耐熱性にも優れた芳香族ポリエス
テルの製造方法に関するものである。
芳香族ポリエステルは、その構造に基づく優れた諸性
質を有するが、特に耐熱性の点ではあらゆる樹脂の中で
抜きんでている。特に芳香族ヒドロキシカルボン酸なか
でもp−ヒドロキシ安息香酸あるいはその機能性誘導体
を主体として製造される芳香族ポリエステルは、圧縮、
トランスファー、押出、射出等の成形が可能で、機械
的、電気的性質とともに耐熱性がすぐれており、機械部
品、電気・電子部品、自動車部品、食器等の種々の分野
に用いられている。
質を有するが、特に耐熱性の点ではあらゆる樹脂の中で
抜きんでている。特に芳香族ヒドロキシカルボン酸なか
でもp−ヒドロキシ安息香酸あるいはその機能性誘導体
を主体として製造される芳香族ポリエステルは、圧縮、
トランスファー、押出、射出等の成形が可能で、機械
的、電気的性質とともに耐熱性がすぐれており、機械部
品、電気・電子部品、自動車部品、食器等の種々の分野
に用いられている。
しかしながら、その優れた耐熱性ゆえに成形に高温を
必要とし、高温であるがゆえにポリマーの劣化や着色が
起こるという問題があった。また射出成形のようなせん
断の大きい成形の場合には、配向しやすい性質があり、
機械的軸方向(MD)とそれに直角な方向(TD)とでは、
収縮率に差ができたり、機械的強度の異方性も大とな
り、ウェルド部を有する成形品は、ウェルド部の強度が
弱いという問題があった。
必要とし、高温であるがゆえにポリマーの劣化や着色が
起こるという問題があった。また射出成形のようなせん
断の大きい成形の場合には、配向しやすい性質があり、
機械的軸方向(MD)とそれに直角な方向(TD)とでは、
収縮率に差ができたり、機械的強度の異方性も大とな
り、ウェルド部を有する成形品は、ウェルド部の強度が
弱いという問題があった。
このような芳香族ポリエステルの有する問題点、即ち
成形性の悪さと、成形時の異方性を改善するため、従来
から種々の方法が試みられている。
成形性の悪さと、成形時の異方性を改善するため、従来
から種々の方法が試みられている。
例えば、成形性を改良する方法としては、より流動性
の良い樹脂、即ちポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート等の成形性の良い樹脂とブレンドする方法が
知られている。
の良い樹脂、即ちポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート等の成形性の良い樹脂とブレンドする方法が
知られている。
しかしながら、これら成形性の良い樹脂と、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジフ
ェノール類等から得られる芳香族ポリエステルとをブレ
ンドして成形する場合は、芳香族ポリエステルが均一化
する温度領域で実施すると、耐熱性に劣るポリエチレン
テレフタレートやポリカーボネートの熱分解が惹起され
るという問題があった。また逆にこれらの樹脂が安定に
均一化する温度領域で実施すると、芳香族ポリエステル
の流動性が不十分なため、組成物が均一分散体にはなり
にくいという問題があった。
ドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジフ
ェノール類等から得られる芳香族ポリエステルとをブレ
ンドして成形する場合は、芳香族ポリエステルが均一化
する温度領域で実施すると、耐熱性に劣るポリエチレン
テレフタレートやポリカーボネートの熱分解が惹起され
るという問題があった。また逆にこれらの樹脂が安定に
均一化する温度領域で実施すると、芳香族ポリエステル
の流動性が不十分なため、組成物が均一分散体にはなり
にくいという問題があった。
また成形性と成形時の異方性を改善する方法として、
芳香族ポリエステルの構造中にエチレングリコール単位
などの脂肪族基を導入して、分子間凝集力を減少させる
方法も試みられているが、通常は耐熱性の低下を招き、
芳香族ポリエステルの持つ優れた性質が相殺されてしま
うという結果に終わっている。
芳香族ポリエステルの構造中にエチレングリコール単位
などの脂肪族基を導入して、分子間凝集力を減少させる
方法も試みられているが、通常は耐熱性の低下を招き、
芳香族ポリエステルの持つ優れた性質が相殺されてしま
うという結果に終わっている。
そこで、耐熱性を低下させずに成形性と成形時の異方
性を改善する方法として、芳香族ヒドロキシカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジフェノール類等を重
縮合する際に、反応系に1,3,5−トリヒドロキシベンゼ
ン等の芳香族トリヒドロキシ化合物、3,5−ジヒドロキ
シ安息香酸等の芳香族ジヒドロキシモノカルボン酸、5
−ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族モノヒドロキシジ
カルボン酸などの芳香族多官能性化合物を添加して、芳
香族ポリエステルに分岐構造を与える方法が提案されて
いる(特開昭59−120626号公報)。
性を改善する方法として、芳香族ヒドロキシカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジフェノール類等を重
縮合する際に、反応系に1,3,5−トリヒドロキシベンゼ
ン等の芳香族トリヒドロキシ化合物、3,5−ジヒドロキ
シ安息香酸等の芳香族ジヒドロキシモノカルボン酸、5
−ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族モノヒドロキシジ
カルボン酸などの芳香族多官能性化合物を添加して、芳
香族ポリエステルに分岐構造を与える方法が提案されて
いる(特開昭59−120626号公報)。
しかしながら、成形性、異方性は改善されるものの、
熱変形温度が十分高くなく、加熱減量が比較的大きいと
いう問題があった。
熱変形温度が十分高くなく、加熱減量が比較的大きいと
いう問題があった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、芳香族ポリエステルに分岐構造を与え
る方法におけるこのような問題点を解決すべく鋭意検討
を重ねた結果、芳香族多官能性化合物として、ヒドロキ
シ基が二つ以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ以上
のフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物とい
う特定の化合物を使用することにより、上記問題点を解
決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
る方法におけるこのような問題点を解決すべく鋭意検討
を重ねた結果、芳香族多官能性化合物として、ヒドロキ
シ基が二つ以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ以上
のフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物とい
う特定の化合物を使用することにより、上記問題点を解
決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、 A:芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその機能性誘導体か
ら選ばれる一つ以上の化合物と B:芳香族ジカルボン酸及びその機能性誘導体から選ばれ
る一つ以上の化合物と C:芳香族ジフェノール類及びその機能性誘導体から選ば
れる一つ以上の化合物とを 重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法におい
て、重縮合反応の際、反応系に、 D:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−p−
(4−ヒドロキシフェニル−2,2−プロピリデン)フェ
ニルエタン、トリメシン酸トリス〔4−(4′−ヒドロ
キシ)ビフェニル〕、トリメシン酸トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)及びその機能性誘導体から選ばれる一つ
以上の化合物を、 一度に又は逐次に添加することを特徴とする工業的に優
れた芳香族ポリエステルの製造方法を提供するものであ
る。
ら選ばれる一つ以上の化合物と B:芳香族ジカルボン酸及びその機能性誘導体から選ばれ
る一つ以上の化合物と C:芳香族ジフェノール類及びその機能性誘導体から選ば
れる一つ以上の化合物とを 重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法におい
て、重縮合反応の際、反応系に、 D:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−p−
(4−ヒドロキシフェニル−2,2−プロピリデン)フェ
ニルエタン、トリメシン酸トリス〔4−(4′−ヒドロ
キシ)ビフェニル〕、トリメシン酸トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)及びその機能性誘導体から選ばれる一つ
以上の化合物を、 一度に又は逐次に添加することを特徴とする工業的に優
れた芳香族ポリエステルの製造方法を提供するものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるDの化合物であるヒドロキシ基が二つ
以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ以上のフェノー
ル性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物及びその機能性
誘導体としては、例えばトリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−p−(4−ヒドロキシフェニル−2,2−プロピリデ
ン)フェニルエタン(以下、Tris−PAと略称する)、ト
リメシン酸トリス〔4−(4′−ヒドロキシ)ビフェニ
ル〕、トリメシン酸トリ(4−ヒドロキシフェニル)及
びこれらの機能性誘導体が挙げられる。
以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ以上のフェノー
ル性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物及びその機能性
誘導体としては、例えばトリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−p−(4−ヒドロキシフェニル−2,2−プロピリデ
ン)フェニルエタン(以下、Tris−PAと略称する)、ト
リメシン酸トリス〔4−(4′−ヒドロキシ)ビフェニ
ル〕、トリメシン酸トリ(4−ヒドロキシフェニル)及
びこれらの機能性誘導体が挙げられる。
またDの化合物の添加量としては、Cの化合物とDの
化合物の和に対して0.3〜5モル%が好ましい。より好
ましくは0.5〜3モル%である。5モル%より多くなる
と架橋が優先して成形が困難となる傾向にあり、0.3モ
ル%より少なくなると効果が明確ではなくなる傾向にあ
る。
化合物の和に対して0.3〜5モル%が好ましい。より好
ましくは0.5〜3モル%である。5モル%より多くなる
と架橋が優先して成形が困難となる傾向にあり、0.3モ
ル%より少なくなると効果が明確ではなくなる傾向にあ
る。
芳香族ポリエステルの重縮合方法としては、溶液重合
法、界面重合法、懸濁重合法、塊状重合法などが知られ
ているが、生成ポリマーの溶媒への溶解度が乏しいこと
から、懸濁重合法、塊状重合法が望ましい。
法、界面重合法、懸濁重合法、塊状重合法などが知られ
ているが、生成ポリマーの溶媒への溶解度が乏しいこと
から、懸濁重合法、塊状重合法が望ましい。
本発明に用いられるA、B及びCの化合物の代表例と
しては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−5−ナフ
トエ酸、2−ヒドロキシ−7−ナフトエ酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフォン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジ
オール、1,5−ナフタレンジオール等やこれらに反応に
不活性な置換基を有するものやそれらの機能性誘導体等
が挙げられる。Aの化合物とBの化合物のモル比は、通
常10:1〜1:10程度、Bの化合物とCの化合物のモル比
は、通常10:9〜9:10程度である。
しては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−5−ナフ
トエ酸、2−ヒドロキシ−7−ナフトエ酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフォン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジ
オール、1,5−ナフタレンジオール等やこれらに反応に
不活性な置換基を有するものやそれらの機能性誘導体等
が挙げられる。Aの化合物とBの化合物のモル比は、通
常10:1〜1:10程度、Bの化合物とCの化合物のモル比
は、通常10:9〜9:10程度である。
A、B、C及びDの化合物において、それらが重縮合
されて−O及び−CO−結合を与える官能基は芳香核上に
隣接しないことが好ましい。
されて−O及び−CO−結合を与える官能基は芳香核上に
隣接しないことが好ましい。
また触媒残渣が、得られた芳香族ポリエステルの物性
に影響を与えないような触媒、又は簡単な処理により活
性を失う触媒を用いて、重縮合を進行させることも可能
である。
に影響を与えないような触媒、又は簡単な処理により活
性を失う触媒を用いて、重縮合を進行させることも可能
である。
このようにして得られた芳香族ポリエステルは、成形
性と成形時の異方性が改善されるのみならず加熱減量が
減少して耐熱性も改善され、バランスのとれたポリマー
である。
性と成形時の異方性が改善されるのみならず加熱減量が
減少して耐熱性も改善され、バランスのとれたポリマー
である。
本発明による芳香族ポリエステルは、充填剤等を配合
しなくても、機械的物性や他の物性を十分満足するもの
であるが、必要に応じて、各種充填剤、安定剤、着色剤
などを、重合体の特性を損なわない範囲で加えることが
できる。
しなくても、機械的物性や他の物性を十分満足するもの
であるが、必要に応じて、各種充填剤、安定剤、着色剤
などを、重合体の特性を損なわない範囲で加えることが
できる。
ここで、充填剤としては、例えばシリカ、粉末石英、
砂、ヒュームドシリカ、炭化珪素、酸化アルミニウム、
ガラス繊維、炭素繊維、酸化錫、酸化鉄、酸化亜鉛、炭
素、グラファイト、ウォラストナイト、タルク、二酸化
チタン等の無機材料及び耐熱性の有機顔料などを用いる
ことができる。
砂、ヒュームドシリカ、炭化珪素、酸化アルミニウム、
ガラス繊維、炭素繊維、酸化錫、酸化鉄、酸化亜鉛、炭
素、グラファイト、ウォラストナイト、タルク、二酸化
チタン等の無機材料及び耐熱性の有機顔料などを用いる
ことができる。
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。な
お、実施例中の各物性は、下記の方法によって測定した
ものである。
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。な
お、実施例中の各物性は、下記の方法によって測定した
ものである。
加熱減量:粒径250μm以下のサンプル樹脂10gを空気
中で380℃に加熱し、3時間及び5時間後の重量減少を
測定した。
中で380℃に加熱し、3時間及び5時間後の重量減少を
測定した。
流動温度:毛細管型レオメーター((株)島津製作所
製フローテスターCFT500型)を用い、サンプル樹脂を4
℃/分の速度で昇温しつつ、100kg/cm2の荷重下で内径1
mm、長さ10mmのノズルから押出しながら、サンプル樹脂
の温度と溶融粘度を測定し、溶融粘度が48,000ポイズを
示した時の温度を求めた。
製フローテスターCFT500型)を用い、サンプル樹脂を4
℃/分の速度で昇温しつつ、100kg/cm2の荷重下で内径1
mm、長さ10mmのノズルから押出しながら、サンプル樹脂
の温度と溶融粘度を測定し、溶融粘度が48,000ポイズを
示した時の温度を求めた。
引張試験:成形品を用い、ASTM D−638に準拠してダ
ンベル型試験片、試料数6、標線間距離40mm、引張速度
5mm/分で行った。なお、ウェルド部評価用金型は成形品
の厚さ3mm、幅12.5mm、1辺の外側長さ64mmの窓枠型金
型を用い、ゲートを中央部としてウェルド部を作るよう
にした。
ンベル型試験片、試料数6、標線間距離40mm、引張速度
5mm/分で行った。なお、ウェルド部評価用金型は成形品
の厚さ3mm、幅12.5mm、1辺の外側長さ64mmの窓枠型金
型を用い、ゲートを中央部としてウェルド部を作るよう
にした。
熱変形温度:ASTM D−638に準拠し、18.6kg/cm2の圧力
下に測定した。
下に測定した。
実施例1 いかり型攪拌翼を有し、かつ重合槽の槽壁と攪拌翼と
のクリアランスの小さな重合槽に、パラヒドロキシ安息
香酸688.7g(4.99モル)、テレフタル酸417.3g(2.51モ
ル)、4,4′−ジヒドロキシジフェニル457.2g(2.45モ
ル)、Tris−PA7.9g(0.091モル、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルと合算量の0.77モル%)及び無水酢酸1123g
(11モル)を投入した。
のクリアランスの小さな重合槽に、パラヒドロキシ安息
香酸688.7g(4.99モル)、テレフタル酸417.3g(2.51モ
ル)、4,4′−ジヒドロキシジフェニル457.2g(2.45モ
ル)、Tris−PA7.9g(0.091モル、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルと合算量の0.77モル%)及び無水酢酸1123g
(11モル)を投入した。
窒素気流下攪拌しながら、140℃で3時間反応させ
た。副生する酢酸を留去しながら、2℃/minの速度で31
0℃まで昇温し、同温度で90分保持して反応させた後、
溶融状態で1400g(理論量の100%)の淡黄色ポリマーを
回収した。
た。副生する酢酸を留去しながら、2℃/minの速度で31
0℃まで昇温し、同温度で90分保持して反応させた後、
溶融状態で1400g(理論量の100%)の淡黄色ポリマーを
回収した。
これを粉砕機で平均粒径0.5mm以下の粒子に粉砕した
後、窒素雰囲気炉中で230℃まで1時間、その後330℃ま
で5時間かけて昇温し、同温度で3時間固相重合し、目
的ポリマー1343g(固相重合時の減量4.1%)を粉末状で
得た。
後、窒素雰囲気炉中で230℃まで1時間、その後330℃ま
で5時間かけて昇温し、同温度で3時間固相重合し、目
的ポリマー1343g(固相重合時の減量4.1%)を粉末状で
得た。
このポリマーの流動温度は388℃であり、380℃におけ
る加熱減量は5時間後で5.94%であった。
る加熱減量は5時間後で5.94%であった。
このポリマー600gと直径13μm、重量平均長さ95μm
のガラス繊維400gとからなる混合物は380℃で良好に造
粒することができ、ペレットを得た。このペレットは日
精樹脂工業(株)製の射出成形機PS40E 5ASEによりシリ
ンダー温度400℃で良好に射出することができ、試験片
を得た。得られた試験片の引張強度は1230kg/cm2、熱変
形温度は341℃であった。
のガラス繊維400gとからなる混合物は380℃で良好に造
粒することができ、ペレットを得た。このペレットは日
精樹脂工業(株)製の射出成形機PS40E 5ASEによりシリ
ンダー温度400℃で良好に射出することができ、試験片
を得た。得られた試験片の引張強度は1230kg/cm2、熱変
形温度は341℃であった。
実施例2 Tris−PAを4,4′−ジヒドロキシジフェニルとの合算
量の1.5モル%を加える以外は、実施例1に準拠して実
施した。評価結果を表1に示した。
量の1.5モル%を加える以外は、実施例1に準拠して実
施した。評価結果を表1に示した。
比較例1 Tris−PAを含まない系すなわちパラヒドロキシ安息香
酸828g(6モル)、テレフタル酸489g(3モル)、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル558g(3モル)及び無水
酢酸1346g(13.2モル)を用いる以外は、実施例1に準
拠して実施し、結果を表1に示した。
酸828g(6モル)、テレフタル酸489g(3モル)、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル558g(3モル)及び無水
酢酸1346g(13.2モル)を用いる以外は、実施例1に準
拠して実施し、結果を表1に示した。
実施例1及び2は成形品表面の配向による肌荒れが抑
えられ、外観も滑らかであり、成形時の加工性も良好で
ウェルド部強度も向上することが明らかになった。また
耐熱性の指標の一つである熱変形温度も330以上と実用
上問題のないレベルであった。
えられ、外観も滑らかであり、成形時の加工性も良好で
ウェルド部強度も向上することが明らかになった。また
耐熱性の指標の一つである熱変形温度も330以上と実用
上問題のないレベルであった。
実施例3 1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライド53.1g
(0.2モル)と4,4′−ジヒドロキシジフェニル148.8g
(0.8モル)とを脱水したキシレン200mlに加えて還流下
9時間反応させた後、反応液を濾過し、濾過物を200ml
のメタノールに懸濁させ、これを濾過することにより、
未反応物を除去したこの操作を2回繰り返した後、乾燥
してトリメシン酸トリ〔4−(4′−ヒドロキシビフェ
ニル)〕(以下、TMSDと略称する)を得た。このもの
は、IRにより、1740cm-1にエステル特有の吸収及び3364
cm-1に芳香族水酸基の吸収があることを確認した。
(0.2モル)と4,4′−ジヒドロキシジフェニル148.8g
(0.8モル)とを脱水したキシレン200mlに加えて還流下
9時間反応させた後、反応液を濾過し、濾過物を200ml
のメタノールに懸濁させ、これを濾過することにより、
未反応物を除去したこの操作を2回繰り返した後、乾燥
してトリメシン酸トリ〔4−(4′−ヒドロキシビフェ
ニル)〕(以下、TMSDと略称する)を得た。このもの
は、IRにより、1740cm-1にエステル特有の吸収及び3364
cm-1に芳香族水酸基の吸収があることを確認した。
このTMSDを4,4′−ジヒドロキシジフェニルとの合算
量の1.5モル%を加える以外は、実施例1に準拠して実
施した。評価結果を表1に示した。実施例1、2と同様
にウェルド部曲げ強度、熱変形温度共に問題なかった。
量の1.5モル%を加える以外は、実施例1に準拠して実
施した。評価結果を表1に示した。実施例1、2と同様
にウェルド部曲げ強度、熱変形温度共に問題なかった。
比較例3 2,4,4−トリメチル−2′,4′−7−トリヒドロキシフ
ラバン (住友化学工業(株)製、以下TMHFと略称する)を4,
4′−ジヒドロキシジフェニルとの合算量の3モル%を
加える以外は、実施例1に準拠して反応を実施した。回
収時にポリマーが黒化(おそらく炭化)していたので、
その後の評価は行わなかった。水酸基が同一の環上にあ
るフラバン系のトリヒドロキシ化合物は熱安定性の点で
問題である。
ラバン (住友化学工業(株)製、以下TMHFと略称する)を4,
4′−ジヒドロキシジフェニルとの合算量の3モル%を
加える以外は、実施例1に準拠して反応を実施した。回
収時にポリマーが黒化(おそらく炭化)していたので、
その後の評価は行わなかった。水酸基が同一の環上にあ
るフラバン系のトリヒドロキシ化合物は熱安定性の点で
問題である。
本発明によれば、芳香族多官能性化合物として、ヒド
ロキシ基が二つ以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ
以上のフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物
という特定の化合物を使用することにより、成形性と成
形時の異方性が改善されるのみならず加熱減量が減少
し、熱変形温度も向上して耐熱性も改善されたバランス
のとれた芳香族ポリエステルが得られる。
ロキシ基が二つ以上同一ベンゼン環上になく、かつ三つ
以上のフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族化合物
という特定の化合物を使用することにより、成形性と成
形時の異方性が改善されるのみならず加熱減量が減少
し、熱変形温度も向上して耐熱性も改善されたバランス
のとれた芳香族ポリエステルが得られる。
フロントページの続き (72)発明者 早津 一雄 茨城県つくば市北原6番 住友化学工業 株式会社内 (72)発明者 水本 孝一 茨城県つくば市北原6番 住友化学工業 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−51028(JP,A) 特開 昭59−120626(JP,A) 特公 昭38−20746(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/87
Claims (2)
- 【請求項1】A:芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその機
能性誘導体から選ばれる一つ以上の化合物と B:芳香族ジカルボン酸及びその機能性誘導体から選ばれ
る一つ以上の化合物と C:芳香族ジフェノール類及びその機能性誘導体から選ば
れる一つ以上の化合物とを 重縮合させて芳香族ポリエステルを製造する方法におい
て、重縮合反応の際、反応系に、 D:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−p−
(4−ヒドロキシフェニル−2,2−プロピリデン)フェ
ニルエタン、トリメシン酸トリス〔4−(4′−ヒドロ
キシ)ビフェニル〕、トリメシン酸トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)及びその機能性誘導体から選ばれる一つ
以上の化合物を、 一度に又は逐次に添加することを特徴とする芳香族ポリ
エステルの製造方法。 - 【請求項2】Dの化合物を、Cの化合物とDの化合物の
和に対して、0.3〜5モル%用いることを特徴とする請
求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292562A JP3052144B2 (ja) | 1989-11-09 | 1989-11-09 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1292562A JP3052144B2 (ja) | 1989-11-09 | 1989-11-09 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03152123A JPH03152123A (ja) | 1991-06-28 |
JP3052144B2 true JP3052144B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=17783374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1292562A Expired - Fee Related JP3052144B2 (ja) | 1989-11-09 | 1989-11-09 | 芳香族ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3052144B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102297211B1 (ko) * | 2017-03-07 | 2021-09-01 | 상하이 퍼시픽 햇 매뉴팩쳐링 씨오., 엘티디. | 방울술이 달린 양면 사용 가능 비니 |
-
1989
- 1989-11-09 JP JP1292562A patent/JP3052144B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102297211B1 (ko) * | 2017-03-07 | 2021-09-01 | 상하이 퍼시픽 햇 매뉴팩쳐링 씨오., 엘티디. | 방울술이 달린 양면 사용 가능 비니 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03152123A (ja) | 1991-06-28 |
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