JP3051227B2 - シアノアクリレート系接着剤用下塗剤 - Google Patents

シアノアクリレート系接着剤用下塗剤

Info

Publication number
JP3051227B2
JP3051227B2 JP3305352A JP30535291A JP3051227B2 JP 3051227 B2 JP3051227 B2 JP 3051227B2 JP 3305352 A JP3305352 A JP 3305352A JP 30535291 A JP30535291 A JP 30535291A JP 3051227 B2 JP3051227 B2 JP 3051227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer
polypropylene
adhesive
reference example
ptfe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3305352A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05140512A (ja
Inventor
恵三 近常
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alpha Technical Research Co Ltd
Original Assignee
Alpha Technical Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alpha Technical Research Co Ltd filed Critical Alpha Technical Research Co Ltd
Priority to JP3305352A priority Critical patent/JP3051227B2/ja
Publication of JPH05140512A publication Critical patent/JPH05140512A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3051227B2 publication Critical patent/JP3051227B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シアノアクリレート系
接着剤用の下塗剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアノアクリレート系接着剤は、その接
着反応の迅速性から、いわゆる瞬間接着剤として非常に
多く使用されている。この接着剤は、α−シアノアクリ
レート系を主剤とするものであって、α−シアノアクリ
レートが数秒〜数10秒といういような非常に速い速度
で重合するという性質を利用したものである。この瞬間
接着剤は、家庭用として陶器、金属、プラスチックスな
どの修繕用または成形物の接着用として多く販売されて
いるだけでなく、工業用としても非常に多く使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
アノアクリレート系接着剤も、高結晶度のプラスチック
スや非極性のプラスチックスにはほとんど接着力を示さ
ないという大きな欠点がある。このことは、日常汎用さ
れているポリプロピレンやポリエチレンを接着できない
ということであり、プラスチックス容器等の成形物の修
繕が困難なケースが多かった。ポリプロピレンやポリエ
チレンのほか、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリ
コーン樹脂、ポリアセタール、ナイロン、軟質PVC
(ポリ塩化ビニル)なども、同様に接着が困難である。
【0004】そこで接着力を向上させる方法として、こ
れらの成形物に火炎処理、コロナ放電処理、放射線処
理、重クロム酸塩−硫酸液処理等の処理を施し、カルボ
ニル基等の官能基を被接着物の表面に生成させることが
行われている。このようにして官能基が生成すると、シ
アノアクリレート系接着剤による接着が可能になる。こ
のような方法が採用されるのは、主としてポリエチレ
ン、ポリプロピレン等である。
【0005】また、リチウム、ナトリウムなどを用いた
特殊な化学的処理も考えられている。これは主として表
面に酸性基を生成しえないものに提案されている方法で
あり、たとえばポリテトラフルオロエチレンに適用でき
る。しかしながら、このような方法は、特殊な装置を必
要としたり、特殊な作業を必要としたりするため、到底
家庭で行えるようなものではなく、しかも処理コストも
大きい。
【0006】そこで、接着に先立ち接着面に塗布するこ
とによって接着力を向上させる下塗剤が開発されてい
る。たとえば、アルミニウムアルコラートやアルミニウ
ムキレート化合物を主剤とする下塗剤である。しかしな
がら、このような下塗剤によっても接着力がほとんど発
現しないプラスチックスもあり、また接着力向上の程度
も大きいものではなかった。
【0007】このように、従来の方法には欠点が多く、
実際の使用に耐えるものでないということが、上述のよ
うな種々のプラスチックスが構造材料として普及しにく
い理由の一つとなっている。
【0008】下塗剤として、たとえば、特公昭43−5
004号公報、特開昭59−66471号公報、特開平
3−207779号公報のように、各種のアミン系化合
物も提案されており、それ相応の接着力の向上がなされ
るが、市場の要求は日に日に厳しくなっており、従来の
下塗剤の限界を越えるようなさらにすぐれた下塗剤を見
い出すことが望まれている。
【0009】本発明は、このような背景下において、被
接着物が難接着材であっても、殊に難接着材の中でも特
に接着が難しいと言われるシリコーン樹脂、PTFE、
ポリプロピレンのいずれに対しても、シアノアクリレー
ト系接着剤で強固に接着することができる下塗剤を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のシアノアクリレ
ート系接着剤用下塗剤は、ジメチルラウリルアミンを主
成分とするものである。
【0011】本発明の下塗剤の作用機構は明らかではな
いが、Nに、2つのメチル基と、炭素数12のラウリル
基とが結合した化合物であるジメチルラウリルアミン
は、後にも述べるように、シアノアクリレート系接着剤
用の下塗剤として大きな効果を発揮するという事実があ
る。
【0012】ジメチルラウリルアミンを主成分とする
発明の下塗剤は、通常は、ジメチルラウリルアミンを溶
媒で希釈して用いる。これは、塗布を容易にすること
と、被接着表面に薄く塗布するためである。ジメチルラ
ウリルアミンの希釈濃度は0.001 〜10重量%程度が適
当であり、より好ましい濃度は0.05〜0.15重量%程度で
ある。ただし塗布の方法によっては、比較的高い濃度で
あってもよい。たとえば、一旦塗布したものを布等で拭
き取る方法である。
【0013】溶媒は、ジメチルラウリルアミンが溶解す
るものであればどのようなものでもよいが、揮発性が高
く、かつ毒性、危険性のないものを選択することが望ま
しい。たとえば、イソプロピルアルコール等のアルコー
ヘキサンなどである。溶媒は本発明の下塗剤の主成
分ではないので、ジメチルラウリルアミンが塗布できる
ものであればどのようなものでもよく、溶媒によって本
発明が限定されるものではない。溶媒は、本発明の下塗
剤としての効果とは直接的な関係を有しないからであ
る。なお塗布が容易で薄く塗布することも可能な場合に
は、必ずしも溶媒を用いるには及ばない。
【0014】そして本発明の下塗剤を使用した場合は、
難接着材の中でも特に接着が難しいと言われるシリコー
ン樹脂、PTFE、ポリプロピレンを含む種々の難接着
材に対しても強固な接着力が得られるのみならず、シア
ノアクリレート系接着剤の特長である接着の迅速性が損
なわれず、従来と変わらない速さで接着できる点も大き
な利点である。
【0015】本発明の下塗剤は、シアノアクリレート系
接着剤の下塗に使用するものであり、被接着物はどのよ
うなものであってもよい。本発明の下塗剤を用いれば、
シリコーン樹脂、PTFE、ポリオレフィン、軟質ポリ
塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイドなどの難接着
材の接着も可能となる。
【0016】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0017】実施例1、参考例1〜11、比較例1〜2 下塗剤として下記の塩基性物質を主成分とする下塗剤、
接着剤としてα−シアノアクリレート系接着剤を用い
て、難接着材の代表例であるシリコーン樹脂、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリプロピレンの接
着を行った。 ・実施例1:ジメチルラウリルアミン ・参考例1:トリオクチルアミン ・参考例2:ジエチルシクロヘキシルアミン ・参考例3:N,N−ジエチル−4−メチルフェニルア
ミン ・参考例4:エチルフェニルベンジルアミン ・参考例5:エチルジシクロヘキシルアミン ・参考例6:トリフェニルアミン ・参考例7:トリエチルアミン 参考例8:エチルメチルベンジルアミン参考例9:ピリジン 参考例10:N−エチルピペリジン 参考例11:ビニルピリジン
【0018】(イ)実験方法 上記の塩基性物質の希薄な溶剤溶液からなる下塗剤を被
接着物の表面に刷毛で薄く塗布し、それが乾いた後に、
α−シアノアクリレート系接着剤により接着させた。比
較例1は、下塗剤を使用しないでα−シアノアクリレー
ト系接着剤により直接接着を行った場合である。比較例
2は、市販のα−シアノアクリレート系接着剤(プラス
チックス用で下塗剤を備えたもの)を、その用例に従っ
て塗布した場合である。
【0019】(ロ)接着強度の測定方法 ・引張剪断強度(Kg/cm2)は、JIS K6861−19
77に準拠して、ストログラフW型試験機を用いて引張
速度20mm/分で測定した。 ・剥離接着強度(Kg/25mm) は、JIS K6854−1
977に準拠して、ストログラフW型試験機を用いて負
荷速度100mm/分で測定した。
【0020】(ハ)結果実施例1、参考例1〜11、比較例1〜2の結果を、紙
面の都合上、表1および表2に分けて示す。また、その
ときの実施例1および参考例1〜11のデータをグラフ
化したものを図1に示す。これらの表1〜2および図1
からも明らかなように、実施例1においては、従来はほ
とんど接着できなかったプラスチックスについても非常
に強固に接着できることがわかる。
【0021】
【表1】 被接着物の種類 引張剪断強度 剥離接着強度 (Kg/cm 2 ) (Kg/25mm) 実施例1 シリコーン樹脂 31.2 6.8 PTFE 26.6 5.1 ポリプロピレン 27.6 6.1 参考例1 シリコーン樹脂 30.4 6.0 PTFE 20.4 4.1 ポリプロピレン 24.6 5.4 参考例2 シリコーン樹脂 27.7 5.1 PTFE 20.5 4.1 ポリプロピレン 21.2 4.9 参考例3 シリコーン樹脂 25.1 4.1 PTFE 20.9 3.1 ポリプロピレン 24.4 4.0 参考例4 シリコーン樹脂 28.1 4.9 PTEFE 23.1 3.9 ポリプロピレン 25.6 4.8 参考例5 シリコーン樹脂 21.0 3.5 PTFE 19.9 3.1 ポリプロピレン 19.5 3.4 参考例6 シリコーン樹脂 24.1 4.1 PTFE 20.1 3.1 ポリプロピレン 21.7 3.9
【0022】
【表2】 被接着物の種類 引張剪断強度 剥離接着強度 (Kg/cm 2 ) (Kg/25mm) 参考例7 シリコーン樹脂 30.2 6.3 PTFE 24.4 4.8 ポリプロピレン 25.5 5.9 参考例8 シリコーン樹脂 28.7 4.8 PTFE 21.5 3.4 ポリプロピレン 24.9 4.9 参考例9 シリコーン樹脂 28.6 4.1 PTFE 21.1 3.6 ポリプロピレン 22.6 3.9 参考例10 シリコーン樹脂 23.9 4.4 PTFE 20.6 3.8 ポリプロピレン 23.3 4.0 参考例11 シリコーン樹脂 26.5 5.1 PTFE 22.1 3.9 ポリプロピレン 23.9 4.7 比較例1 シリコーン樹脂 * * PTFE * * ポリプロピレン 0.2 0.01 比較例2 シリコーン樹脂 * * PTFE * * ポリプロピレン 19.8 3.0 (*印:ほとんど接着せず)
【0023】
【発明の効果】本発明の下塗剤を用いれば、シアノアク
リレート系接着剤による接着が強固なものとなり、従来
はほとんど接着できなかった被接着物にも大きな効果を
発揮する。また単に塗布するだけであるため、処理が簡
単で、特別な装置や操作を必要としない。従って、シア
ノアクリレート系接着剤の適用可能な用途が大きく広が
ると共に、従来は接着が困難であったプラスチックス等
の用途も大きく広がることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1および表2における実施例1および参考例
1〜11のデータをプロットしたグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 C09D 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジメチルラウリルアミンを主成分とするシ
    アノアクリレート系接着剤用下塗剤。
JP3305352A 1991-10-23 1991-10-23 シアノアクリレート系接着剤用下塗剤 Expired - Fee Related JP3051227B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3305352A JP3051227B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 シアノアクリレート系接着剤用下塗剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3305352A JP3051227B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 シアノアクリレート系接着剤用下塗剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05140512A JPH05140512A (ja) 1993-06-08
JP3051227B2 true JP3051227B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=17944081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3305352A Expired - Fee Related JP3051227B2 (ja) 1991-10-23 1991-10-23 シアノアクリレート系接着剤用下塗剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3051227B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101926064B1 (ko) * 2017-02-28 2019-02-26 주식회사 현대표지 방풍 및 소음 감소 구조체

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3798502B2 (ja) * 1997-04-11 2006-07-19 株式会社アルテコ プライマーおよび難接着性被着体の接着方法
JP4843161B2 (ja) * 2001-08-01 2011-12-21 株式会社アルテコ 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用プライマー
WO2003042311A1 (en) * 2001-11-14 2003-05-22 Loctite (R & D) Limited Activator compositions for cyanoacrylate adhesives

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101926064B1 (ko) * 2017-02-28 2019-02-26 주식회사 현대표지 방풍 및 소음 감소 구조체

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05140512A (ja) 1993-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2519524B2 (ja) 無極性基質の結合用接着促進プライマ―組成物、該組成物を含む二液型接着剤系および接着方法
KR970005974B1 (ko) 양면, 감압성(感壓性) 접착테이프 및 이의 제조방법
JPH0471415B2 (ja)
US5821297A (en) Laminating adhesive
KR100231970B1 (ko) 경화성 접착제용 비휘발성 접착 촉진조성물
JP3051227B2 (ja) シアノアクリレート系接着剤用下塗剤
EP0271675A2 (en) Primer for alpha-cyanoacrylate-base resin compositions
US2268611A (en) Process of laminating
JP2533692B2 (ja) 接着剤プライマ―
JPH0463112B2 (ja)
JPH06122855A (ja) シアノアクリレート系接着剤用下塗剤
AU732754B2 (en) Non-ozone depleting co-solvent compositions
EP0295013B1 (en) Primer composition and use thereof in bonding non-polar substrates
JP3092640B2 (ja) 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用プライマー
JPH011783A (ja) 無極性支持体の予備処理調整方法、接着方法、使用するプライマーおよび二液型接着剤系
JP3248721B2 (ja) 消費者用ポリオレフィンプライマー
JPS6218486A (ja) 瞬間接着剤用プライマ−
JPH07252374A (ja) プラスチック材料及びプラスチックの塗装方法
JPH05239228A (ja) 接着層付シリコーンゴム部材
JPH04159379A (ja) 接着剤用、インク用又は塗料用合成樹脂組成物
JPH10121014A (ja) ポリオレフィン用水性エマルジョン接着剤組成物
JPH11286669A (ja) 感圧接着剤及び表面保護材
JP4843161B2 (ja) 2−シアノアクリレート系瞬間接着剤用プライマー
JPH08199119A (ja) プライマー及び該プライマーを用いた接着方法
SE501427C2 (sv) Lim innehållande lågmolekylära estrar av organiska dikarboxylsyror för limning av plastpartiklar samt sätt att framställa en limmad fog

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000316

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees