JP3050676B2 - トコフェロールエステルの製造方法 - Google Patents

トコフェロールエステルの製造方法

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JP3050676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トコフェロールとコハ
ク酸無水物および無水酢酸から選ばれる酸無水物とを反
応させて酸性コハク酸トコフェロールおよび酢酸トコフ
ェロールから選ばれるトコフェロールエステルを製造す
る方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】酸性コハク酸トコフェロールの製造に
は、例えばトコフェロールと無水コハク酸とをピリジン
などの含窒素塩基化合物を触媒として加熱下に反応させ
る方法(J.A.C.S, 65, 922 (1943)、英国特許第866
489号明細書など)が行われるが、ピリジンなどの触
媒の回収が困難で工業的に不利であるばかりか、エステ
ル化収率が70%以下と低く反応生成物が着色するとい
う問題がある。
【0003】酢酸ナトリウムを用いて酢酸溶液中で上記
のエステル化反応を行う方法も報告されている(特公昭
42−17822)が、この方法では反応生成物の着色
を抑える目的で還元的条件下に反応を進めるために亜鉛
などの金属を加えることが必要とされ、これにより反応
生成物中に含まれることになる亜鉛などの金属の除去処
理が環境への金属放出防止の観点から大きな課題となっ
ており、また反応混合物からの濾過によって取り出され
た金属粉には自然発火の危険があるなどから、工業上有
利な方法とは言えない。
【0004】さらにトコフェロールと無水コハク酸との
反応を両者の混合物を無水コハク酸の融点以上に加熱し
て行う方法も提案されている(特公昭60−4184号
公報)。この方法では触媒、溶媒、着色防止のための金
属などを使用しないのでこれらの分離除去工程を省略す
ることができ工業的に極めて有利な方法ではあるが、生
成物が着色するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、これらの従来
法においてトコフェロールと無水コハク酸または無水酢
酸との反応によってトコフェロールのエステル化合物を
合成するのに際して遭遇した触媒回収の問題、金属除去
処理の問題、および生成物の着色を防止する問題が解決
されるべき課題であったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明者らは鋭意研究した結果、トコフェロール
の着色がトコフェロールを約80℃以上の高温に加熱す
ることにより顕著に起こり、約40℃以下では殆ど着色
が見られないこと、および触媒として脂肪族第3アミン
を使用することによってトコフェロールと無水コハク酸
または無水酢酸との反応を低温度においても短時間で進
行せしめうることを見出して本発明を完成したのであ
る。
【0007】すなわち、本発明はトコフェロールと無水
コハク酸および無水酢酸から選ばれる酸無水物とを脂肪
族第3アミン触媒の存在下に室温〜40℃の温度で反応
させることを特徴とする。ここでトコフェロールとは、
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフ
ェロールおよびδ−トコフェロールを総称するものとす
る。そしてこれらの天然産生のl体のみならず、合成に
よって得られるdl体を含むものとする。
【0008】本発明の方法によれば、トコフェロールと
無水コハク酸または無水酢酸との反応は40℃以下の温
度で行われるために反応混合物には着色がみられず、し
かも特定の触媒を使用するために、例えば従来法で使用
された触媒のピリジン、などを使用した場合には反応が
進行しない室温〜40℃の温度範囲においても実用上な
んらの支障のない反応速度、例えば数時間内に反応が完
結する反応速度において反応を進行せしめうるのであ
る。
【0009】反応は酸素を例えば窒素雰囲気とすること
で遮断して行うことが好ましく、また40℃よりも可及
的に低温で行うことがより着色の少ない生成物を得るこ
とができることから好ましい。
【0010】本方法で使用される第3アミン触媒の具体
例としては、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テ
トラメチルエチレンジアミン、1,5−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−5、4−ジメチルアミノピリ
ジンなどを挙げることができる。
【0011】使用する第3アミン触媒の量は、トコフェ
ロールに対して0.2〜2.0当量程度が望ましい。そし
て触媒としてトリエチルアミンを用いる場合はトコフェ
ロールに対してほぼ当モル量であることが好ましい。
【0012】無水コハク酸または無水酢酸はトコフェロ
ールに対して当モル量以上、好ましくは2〜3当量の量
で用いられる。
【0013】反応は非プロトン溶媒中で行うことが好ま
しく、この溶媒の具体例としてはアセトン、メチルエチ
ルケトン、ジオキサンなどを挙げることができる。無水
酢酸の場合には、溶媒を用いないで反応を行うこともで
きる。次に本発明を実施例によって更に詳細に説明する
ことにする。
【0014】実施例1 d,l−α−トコフェロール10gと無水コハク酸4.8
gをメチルエチルケトン15mlに溶解する。トリエチル
アミン2.55gを加えて、室温で3時間撹拌し、薄層
クロマトグラフィ(トルエン:氷酢酸=19:1)で原
料の消失を確認した。反応液にイソプロピルエーテル4
0mlを加え、希硫酸水(約5%)20mlで有機層を2回
洗浄する。次いで、中性になるまで水洗し、飽和食塩水
で脱水し、無水硫酸マグネシウムで脱水する。有機層を
減圧下に濃縮し、酸性コハク酸トコフェロール12.4
g(収率101%、定量値96.9%)を得た。
【0015】実施例2 反応時の溶剤をジオキサン20mlに変更し、実施例1と
同様に処理し、コハク酸トコフェロール11.8g(収
率96%、定量値96.8%)を得た。
【0016】実施例3 d,l−α−トコフェロール10gと無水コハク酸4.8
gをメチルエチルケトン15mlに溶解する。テトラメチ
ルエチレンジアミン0.55gを加えて、35℃で4時
間撹拌した。以下実施例1と同様に処理し、酸性コハク
酸トコフェロール12.0g(収率97%、定量値96.
8%)を得た。
【0017】実施例4 実施例1のトリエチルアミンの代わりに1,5−ジアザ
ビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−5 0.73gを用い
た。以下同様に処理して、酸性コハク酸トコフェロール
12.1g(収率98%、定量値97.9%)を得た。
【0018】実施例5 d−α−トコフェロール(定量値70%程度)10gと
無水コハク酸4.8gをジオキサン20mlに溶解する。
ジメチルアミノピリジン0.5gを加えて、室温で24
時間撹拌し、薄層クロマトグラフィ(トルエン:氷酢酸
=19:1)で原料の消失を確認した。反応液を減圧下
に濃縮し、残渣にヘキサン40mlを加え、加温して溶解
し、不溶物を濾過する。濾液を5℃に冷却し、析出する
結晶を濾過し乾燥する。酸性コハク酸−d−α−トコフ
ェロール8.4g(収率97%、定量値96.8%、融点
77℃)を得た。
【0019】実施例6 d,l−α−トコフェロール10gと無水酢酸4.8gを
酢酸エチル20mlに溶解する。トリエチルアミン2.5
5gを加えて、36〜38℃で6時間撹拌し、薄層クロ
マトグラフィ(トルエン:氷酢酸=19:1)で原料の
消失を確認した。反応液を希硫酸水(約5%)20mlで
有機層を2回洗浄する。次いで、炭酸カリウム水溶液
(5%)で洗浄し、さらに中性になるまで水洗し、飽和
食塩水で脱水し、無水硫酸マグネシウムで脱水する。有
機層を減圧下に濃縮し、酢酸−d,l−α−トコフェロ
ール11g(収率100%、定量値98.6%)を得
た。
【0020】実施例7 d,l−α−トコフェロール10gと無水酢酸10gを
混合する。トリエチルアミン2.8gを加えて、36〜
38℃で6時間撹拌した。以下実施例6と同様に処理
し、酢酸−d,l−α−トコフェロール10.9g(収率
99%、定量値98.4%)を得た。
【0021】実施例8 d,l−α−トコフェロール10gと無水コハク酸4.8
gをメチルエチルケトン15mlに溶解する。トリエチル
アミン4.7gを加えて、室温で3時間撹拌し、以下実
施例1と同様に処理し、コハク酸トコフェロール11.
9g(収率97%、定量値96.5%)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−240784(JP,A) 特開 昭59−219279(JP,A) 特開 昭56−73081(JP,A) 特開 昭49−55633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/72 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トコフェロールと無水コハク酸および無
    水酢酸から選ばれる酸無水物とを、脂肪族第3アミン触
    媒の存在下に、室温〜40℃の温度で反応させることを
    特徴とする、酸性コハク酸トコフェロールおよび酢酸ト
    コフェロールから選ばれるトコフェロールエステルの製
    造方法。
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