JP3050652U - トイレブース用吊戸装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 間仕切りパネルを据付けして構成したトイレ
ブースの正面に吊戸を簡単に取付け出来、しかも外観を
損なわないようにレースの寸法も小さくしたトイレブー
ス用吊戸装置の提供。 【解決手段】 出入口を設けて据付した両正面パネル
３、３間に掛け渡して笠木１１を取付けし、この笠木１
１に沿ってレール１０を笠木１１と一体化した状態で取
着し、該レール１０に吊車を介して吊戸１を吊設すると
ともに、レール内側にはレールカバー２１を取付けして
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は間仕切りにて構成したトイレブースであって、トイレブースに取り付 けられる吊戸装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年のトイレブースは間仕切り用パネルを据え付けして構成されているが、こ のトイレブースの出入口には蝶番を介して開閉するドアが取り付けされている。 一般人はこのドアを開閉してトイレに出入りすることが出来るが、車椅子に乗っ た身体障害者にとってはこの開閉式ドアを操作して出入りすることは不便である 。車椅子が通過する分だけ一般の出入口開口より大きくなり、この出入口開口に 大きな開閉式ドアを取り付けするならば、内開きであっても外開きであっても開 閉操作は容易でない。

【０００３】 外開きドアであるならば手前に引きにくく、内開きドアであるならばトイレに 入った後で車椅子が邪魔になり該ドアを閉じにくい。そこで身体障害者のトイレ では一般に吊戸が用いられている。ところで、この吊戸はレールを走行する吊車 に吊設され、正面にはカバーとなる点検パネルが取り付けられている。レールは 両サイドにて支持された両端支持形態となっているが、比較的大きくて重い吊戸 を支えるにはレールの曲げ強度が必要となり、レールの断面係数を大きくする為 に高さ寸法は約１７０mm〜１８０mmとなっている。

【０００４】 従って、該レールをカバーする点検パネルの高さ寸法も同じく１７０mm〜１８ ０mmと大きくなる。勿論、自動開閉装置を備える場合には所定の空間を確保する 為にこの寸法も必要となるが、手動開閉式吊戸であるならば外観的にも好ましく ない大きさである。一方、吊戸を備えるトイレブースは必ずしも車椅子に乗る身 体障害者に限ることなく、一般のトイレブースにも使用される。例えば洋式トイ レの場合、内開きドアを取り付けするならば便器に当たって開くことが出来ない が、外開きドアもスペースの関係で無理がある時には吊戸を使用する。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、車椅子に乗る身体障害者用のトイレブースに取り付けする吊戸は 勿論のこと、一般のトイレブースであっても吊戸を取り付けするには上記のごと き問題がある。本考案が解決しようとする課題はこの問題点であり、吊戸を吊設 するレールが簡単に取り付け出来、しかも外観を損なわない程度の高さ寸法のレ ール並びにレールカバーにて構成する吊戸装置を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

特に身体障害者が車椅子に乗って出入りするには幅広の間口でなくてはならず 、一般人のトイレブースの出入り口に比較して大きく、従って取り付けする吊戸 幅は大きくなる。このような幅広の吊戸を吊設して開閉するには長いレールが必 要となり、強度上必然的に高さ寸法の大きなレールとなりがちであるが、本発明 ではトイレブースの笠木を利用する。すなわち、笠木とレールを組み合わせて一 体化することで笠木の強度がプラスされ、小さな寸法のレールであっても吊戸を 吊設する強度が備わる。しかも、笠木にレールを取り付けすることで、レールの 取り付け構造は簡単となる。勿論、本発明は対象を身体障害者用トイレに限定す るものではない。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案のトイレブースは間仕切りパネルを据え付けして構成され、形成される ブース空間は必要な大きさ、例えば身体障害者が車椅子に乗って入ることが出来 るに必要な大きさとなっている。そして正面パネルの上端には笠木が取り付けら れ、両正面パネルの出入口空間にも笠木が掛け渡され、レールはこの笠木の内側 に沿って取着される。そしてレールには吊戸の吊車が載って転動し、該吊戸をス ライドして出入口を開閉する。また正面パネルには吊戸が開閉した際のストッパ ーを設けている。

【０００８】 ところで、笠木にはレール受けを取着し、該レール受けにレールを取り付けす る。レール受けは笠木と共にパネル上端にネジ止めされ、強固に取着されたレー ル受けに該レールがネジ止めされて一体化する。勿論、レールとレール受けを一 体化した長尺材とすることも出来る。本発明では小さな高さ寸法のレールであっ ても十分な強度が得られる為に、笠木と一体的に組み合わせた点に特徴があり、 レールを笠木に沿って単に取り付けしただけの構造ではない。そしてレールには レールカバーが取り付けされて、内側をカバーする。以下、本考案に係る実施例 を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の吊戸１を備えたトイレブースを表している。トイレブースは同 図から明らかなように、左右の仕切りパネル２、２の先端に正面パネル３、３を 垂直に据え付けし、両正面パネル３、３間の出入口４に吊戸１を配置している。 吊戸１は正面パネル３の内側に位置してスライドし、そして吊戸１の開度と閉鎖 度を規制する為の戸当たりポール５ａ、５ｂが正面パネル１、１の内側に設けら れている。吊戸１の先端はこれら戸当たりポール５ａ、５ｂに当たって停止する ことになるが、戸当たりポール５ａ、５ｂに当たった際の衝撃を緩和する為の戸 当たりゴム６ａ、６ｂが両側端に取り付けられている。

【００１０】 同図では仕切りパネル２、２を用いてその先端に正面パネル３、３を垂直に据 え付けすることでトイレブースを構成しているが、仕切りパネル２を使用するこ となく、片側又は両側を建物の壁面とし、該壁面に正面パネル３の側端を突き合 わせて据え付けする場合もある。ただし、上記壁面とは間仕切りパネルにて構成 した壁面とすることも出来る。

【００１１】 同図の７は吊戸を開閉する際のハンドル、８は鍵、９は鍵が係合する鍵受けを 表している。鍵受け９は戸当たりポール５ａに取着され、吊戸１を閉じてから鍵 ８を鍵受けに係合して吊戸１をロックすることが出来る。ここで、吊戸１の具体 的な構造、並びに仕切りパネル２及び正面パネル３の構造は任意であるが、これ ら各パネル及び吊戸１は同じ構造のパネルが使用されている。又吊戸１が正面パ ネル３、３に沿ってスライドするように床面には振れ止め２２が突出し、該振れ 止め２２は吊戸下端に形成したガイド溝に嵌っている。

【００１２】 ところで、吊戸１はレール１０に吊設されることになるが、該レール１０は正 面パネルの上端に取り付けした笠木１１に沿って取着される。図２は図１（ｂ） の上部拡大図であり、笠木１１はコ型断面をなし、この笠木１１にはＬ型のレー ル受け１２が該笠木と共に固定されている。レール受け１２の下片１３が笠木１ １に嵌ってネジ止めされ、垂直片１４にはレール１０が取着されている。

【００１３】 該レール１０は上片１５、下片１６、それに垂直片１７を有す概略コ型断面の 長尺材であり、該垂直片１７とレール受け１２の垂直片１４とで笠木１１の側片 １８を挟み込んでネジ止めしている。吊車のローラ１９はレール１０の下片１６ に載って転動し、ローラ１９から垂下する連結具２０に吊戸１の上端が固定され ている。

【００１４】 又、レール内側にはレールカバー２１が取り付けされて該レール及び吊車をカ バーしているが、レールカバー２１は上片１５の先端にネジ止めされている。従 ってネジを緩めることで、該レールカバー２１を取り外すことが出来る。

【００１５】 この実施例ではレール１０を取着するに際してレール受け１２を用いているが 、レール受け１２を一体化した断面のレールを笠木１１の側片を挟み込んで取着 することも出来る。このように、該レール１０はレール受け１２及び笠木１１と ネジ止めされて一体化し、レール１０だけでなくレール受け１２及び笠木１１の 強度が加わって吊戸を支えることになる。従って、レール１０及びレールカバー ２１の高さ寸法は５０mm以下であるが、強度は十分である。

【００１６】 以上述べたように、本考案のトイレブース用吊戸装置は、そのレールを正面パ ネル上端に取り付けした笠木に沿って一体的に取着し、該レールに吊戸を吊設し たものであり、次のような効果を得ることが出来る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のトイレブース用吊戸装置は該吊戸を吊設する為のレールが笠木に沿っ て取り付けする為に、取り付け構造はいたって簡単である。しかも、該笠木とは ボルト締めして一体化され、吊戸はレールだけでなく笠木及びレール受けの強度 が加わった状態となり、従って高さの低いレールであっても吊戸を支えるには十 分な断面係数となる。従って車椅子に乗る身体障害者が利用する出入り口の広い トイレブースに用いる大きな吊戸であっても十分に支えることが出来る。そして 、レール内側にはレールカバーが取り付けられて、レール及び吊車が外部へ露出 しないようにしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】トイレブースの断面図であり、（ａ）は横断
面、（ｂ）は縦断面を示している。

【図２】吊戸を吊設するレールの取り付け構造を表して
いる実施例。

【符号の説明】

１ 吊戸 ２ 仕切りパネル ３ 正面パネル ４ 出入口 ５ 戸当たりポール ６ 戸当たりゴム ７ ハンドル ８ 鍵 ９ 鍵受け 10 レール 11 笠木 12 レール受け 13 下片 14 垂直片 15 上片 16 下片 17 垂直片 18 側片 19 ローラ 20 連結具 21 レールカバー 22 振れ止め

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【手続補正書】

【提出日】平成１０年２月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両側には仕切りパネルを据え付けし、該
   仕切りパネルの先端には正面パネルを垂直に据え付け
   し、両正面パネル間の出入口には吊戸を配置したトイレ
   ブースにおいて、正面パネルの上端に取り付けられると
   共に両正面パネル間に掛け渡しされた笠木に沿ってレー
   ルを該笠木と一体化した状態で取着し、該レールに吊車
   を介して吊戸を吊設し、レールの内側にはレールカバー
   を取り付けしていることを特徴とするトイレブース用吊
   戸装置。
2. 【請求項２】 両側には仕切りパネルを据え付けし、該
   仕切りパネルの先端には正面パネルを垂直に据え付け
   し、両正面パネル間の出入口には吊戸を配置したトイレ
   ブースにおいて、正面パネルの上端に取り付けられると
   共に両正面パネル間に掛け渡しされた笠木にＬ型断面を
   したレール受けの下片を該笠木と共に正面パネルに固定
   し、笠木の側片を概略コ型断面のレール垂直片とレール
   受けの垂直片とで挟み込んでレールを取り付けし、該レ
   ールの下片には吊車を介して吊戸を吊設し、そしてレー
   ルの上片にはレールカバーを取り付けしてレール及び吊
   車をカバーしたことを特徴とするトイレブース用吊戸装
   置。
3. 【請求項３】 上記仕切りパネルの代わりに、片側又は
   両側を建物の壁面（間仕切り壁を含む）とし、該壁面に
   正面パネルの側端を突き合わせ状態で据え付けした請求
   項１、又は請求項２記載のトイレブース用吊戸装置。