JP3050611B2 - 操向操作装置 - Google Patents

操向操作装置

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JP3050611B2
JP3050611B2 JP2413400A JP41340090A JP3050611B2 JP 3050611 B2 JP3050611 B2 JP 3050611B2 JP 2413400 A JP2413400 A JP 2413400A JP 41340090 A JP41340090 A JP 41340090A JP 3050611 B2 JP3050611 B2 JP 3050611B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農作業機等における左
右の走行装置を択一的に駆動し、停止、さらには制動し
て操向するための操向操作装置の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、農作業用のトラクタのように、
左右走行装置における履帯を一斉に同速度で回転駆動す
るときには直進し、一方の履帯の駆動を停止しつつ他方
の履帯を回転駆動すると、停止した側が旋回内側となる
ように旋回し、さらには、前記駆動停止した側の履帯に
ブレーキを掛けると、その箇所を中心にしていわゆる芯
地旋回するというように、操向操作できる装置は周知で
ある。
【0003】その場合、先行技術の特公昭58−903
5号公報に開示されているように、左右走行装置を各々
独立的に駆動停止するクラッチとブレーキとを備えた左
右一対の操向機構を、左右一対の油圧シリンダにて操作
し、前記各油圧シリンダにおけるピストンロッドが前進
方向に移動するとき、そのストロークの中途部でクラッ
チ切り状態となり、さらにピストンロッドが前進方向に
移動すると、クラッチ切り状態でブレーキ作動するよう
に構成してなる操向操作装置において、前記各油圧シリ
ンダの作動ストロークの中途部に排油ポートを設け、こ
の各排油ポートを開閉する左右一対の開閉弁と、旋回操
作のための一つの制御弁とを備え、開閉弁を開き状態
で、油圧シリンダを作動ストロークの中途まで作動させ
ると、クラッチ切りとなり、開閉弁を閉状態で油圧シリ
ンダを全作動ストローク作動すると、クラッチ切りでか
つブレーキ作動するように構成すると共に、前記制御弁
の切換操作をする操作具によって、当該制御弁の切り換
え後に開閉弁を可逆的に閉状態にすべく、開閉弁を操作
するように構成することを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この構成では、前記一
つの制御弁のほか、左右二つの開閉弁を必要とし、操作
系の構造が複雑になるという問題があった。
【0005】本発明はこの技術的課題を解決することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、旋回方向切り換え用制御
弁からの油圧にて左右一対の油圧シリンダを独立的に作
動させることにより、左右走行装置を各々独立的に駆動
停止するためのクラッチとブレーキとを備えた左右一対
の操向機構を作動させて旋回させるに際して、前記旋回
内側の走行装置に対応する油圧シリンダにおけるピスト
ンロッドが前進方向に移動するとき、そのストロークの
中途部でクラッチ切り状態となり、さらにピストンロッ
ドが前進方向に移動すると、クラッチ切り状態でブレー
キ作動するように構成してなる操向操作装置において、
ピストンの外周面にはそのストローク方向中途部には、
当該ピストンの軸線に対して適宜角度にて傾斜するよう
にした傾斜状溝部を形成し、該傾斜状溝部とシリンダ底
油圧室とに連通する通油路をピストン内に形成し、前記
油圧シリンダには、前記シリンダの底油圧室に連通する
底油圧ポートと、前記ピストンロッドの後退位置でピス
トンの外周面で閉塞され、且つ前記ピストンをストロー
ク中途部まで前進移動させたとき前記傾斜状溝部と対面
して連通する排油ポートとを設け、前記クラッチを入り
状態から切り状態に切り換え操作するとき、前記制御弁
から前記底油圧ポートに油圧を送るように構成する一
方、クラッチ切り状態からブレーキ作動状態に切り換え
操作するとき、前記ピストンをその軸線廻りに回動させ
て前記傾斜状溝部と排油ポートとが非連通状態になるよ
うに変更する連動手段を、操向操作レバーの操作に連動
させて設けたものである。
【0007】
【実施例】次に実施例について説明すると、図1におけ
る符号1,1は、履帯2,2をそれぞれ有する左右一対
の走行装置で、その各駆動軸3,3に設けた歯車4,4
は、図示しないエンジンにて回転駆動する駆動歯車5の
左右両側に設けた左右一対の操向機構6,6に関連させ
てある。即ち、左右一対の操向機構6,6における噛み
合い式のクラッチ7,7の伝達歯車8,8は前記歯車
4,4に常時噛み合いし、各クラッチ7,7の入り、切
りにて走行装置1,1をそれぞれ駆動、駆動解除するよ
うに構成すると共に、各クラッチ7,7の側部には、走
行装置1,1に制動力を与えるためのブレーキ9,9を
備える。
【0008】符号10,10は、一方向の動作によっ
て、クラッチ7,7を切った後にブレーキ9,9を作動
させるレバー機構であり、該各レバー機構10,10は
各々の油圧シリンダ11,11におけるピストンロッド
12,12の前進動ストロークにより作動する構成であ
る。なお、ピストンロッド12の前進方向と走行機体の
前進方向とは無関係であり、後述するいずれの実施例に
おいても油圧シリンダの取付け方向は任意に設定できる
ことはいうまでもない。
【0009】前記各油圧シリンダ11におけるピストン
13には、その作動ストローク方向中途部に、油圧導入
用の小径部14を形成し、該小径部14とシリンダ底油
圧室とに連通する通油路15をピストン13内に形成す
る。前記各油圧シリンダ11の側壁には、前記ピストン
ロッド12の後退位置で前記小径部14に油圧を導入
し、且つ前記ピストン13をストローク中途部まで距離
(L1)だけ前進移動させた状態にて、当該ピストン1
3の外周面で閉塞される側面油圧ポート16を設ける一
方、ピストンロッド12の後退位置でピストン13の外
周面で閉塞され、且つピストンロッド12の前進状態に
て前記シリンダ底油圧室に連通する低側油圧ポート17
を設ける。
【0010】符号18は前記各油圧シリンダ11,11
を独立的に作動させるための油圧回路で、該油圧回路1
8には、前記クラッチ7を入り状態から切り状態に切り
換え操作するとき、前記側面油圧ポート16,16に油
圧を送るための4ポート3位置切り換えの第1制御弁1
9と、クラッチ切り状態からブレーキ作動に切換え操作
するとき、前記低側油圧ポート17,17に油圧を送る
ための4ポート3位置切り換えの第2制御弁20とを備
える。
【0011】第1制御弁19は、操向操作レバー21を
回動するとき、油圧ポンプ22から油を側面油圧ポート
16に送り、左用の油圧シリンダ11を作動させるか、
右用の油圧シリンダ11を作動させるか、両油圧シリン
ダとも作動させない中立位置かのいずれかに切り換えす
ることができる電磁ソレノイド28,29付の制御弁で
あり、旋回方向を切り換えるためのものである。
【0012】前記第2制御弁20は、操向操作レバー2
1の回動に連動し、操向操作レバー21が中立位置Aに
あるときには、前記第1制御弁19からの油の送りは停
止され、且つ油圧シリンダ11における低側油圧ポート
17からの油圧が油タンク23に戻るように接続し、第
2制御弁20を前記中立位置A(クラッチ入り状態)か
らクラッチ切り位置Bに切り換えると、4ポートとも締
め切り状態となる。
【0013】また、第2制御弁20を前記クラッチ切り
位置Bからブレーキ作動位置Cに切り換えると、低側油
圧ポート17に油圧を送る一方、その送り回路の油圧が
一定以上になると、可変リリーフ弁24を介して油タン
ク24に油を戻す。
【0014】従って、第2制御弁20はクラッチ切りの
後に続いてブレーキ作動させるためのものである。
【0015】可変リリーフ弁24では、前記操向操作レ
バー21をクラッチ切り位置Bからブレーキ作動位置C
へ回動するとき、その回動角度に応じた油を油タンクに
戻すことになる。
【0016】符号25は前記各油圧シリンダ11におけ
るピストンロッド12を後退方向に付勢する戻しばね、
符号26は第1制御弁19に関連させたリリーフ弁、符
号27,27は逆止め弁である。
【0017】この構成において、例えば図1のように、
左側の油圧シリンダ11を作動させて左旋回しようとす
る場合、操向操作レバー21を前記クラッチ切り位置B
まで回動させて第1制御弁19の電磁ソレノイド28を
作動し、左側の油圧シリンダ11における側面油圧ポー
ト16に油圧を送る。そうするとピストン13における
小径部14に油が入り、通油路15を介して底油圧室に
入り、ピストン13を上向きに押すので、ピストンロッ
ド12を前進させる。この状態では第2制御弁20の4
ポートが閉止されているので低側油圧ポート17からの
油漏れはない。これにより、ピストン13が所定距離
(L1)前進すると、左側のクラッチ7が切りとなり、
左走行装置1への動力の伝達が遮断される。そして、前
記油圧シリンダ11におけるピストン13が前進してそ
の外周側面で側面油圧ポート16を閉塞した時点では、
リリーフ弁26が作動し、前記ピストン13の位置は保
持され、クラッチ切り状態を保持することになる。
【0018】次いで、操向操作レバー21をブレーキ作
動位置Cへ倒すと、油圧ポンプ22からの油は第1制御
弁19の出口ポートから逆止め弁27を介して第2制御
弁20を通過し、前記左側の油圧シリンダ11における
低側油圧ポート17から底油圧室に油圧を送り、ピスト
ン13をさらに前進させてブレーキ9を作動することに
なる(この状態でクラッチ7が切りであることはいうま
でもない)。
【0019】前記ブレーキ9作動状態では、操向操作レ
バー21の回動角度に応じて、可変リリーフ弁24から
油タンク23に適宜量の油が戻るので、ブレーキの制動
強さの調節が可能となる。
【0020】操向操作レバー21をブレーキ作動位置C
からさらに倒すと、ブレーキロックの必要圧に達してブ
レーキロックとなる。
【0021】前記と逆に操向操作レバー21を、ブレー
キ作動位置Cからクラッチ切り位置Bを経て中立位置A
方向に戻し回動すると、油圧シリンダ11における底油
圧室内の油は低側油圧ポート17から第2制御弁20を
介して油タンク23に戻され、ピストン13及びピスト
ンロッド12は後退して、ブレーキ解除後クラッチ入り
となる。このような操向操作は右走行装置1に対しても
同様に実行できる。
【0022】なお、可変リリーフ弁24の初期設定圧
は、クラッチ戻しばねと油圧シリンダ11の戻しばね2
5とによる戻し荷重と釣り合うような圧力に設定する。
【0023】図2から図5までは第2実施例を示し、前
記図1に示す左右の走行装置1,1における各操向機構
6,6に対応させて設ける油圧シリンダ31、31に
は、戻しばね32を介して底油圧室方向に付勢されたピ
ストンロッド12′とピストン33とを備え、左右走行
装置1,1を各々独立的に駆動停止するクラッチ7,7
とブレーキ9,9とを備えた左右一対の操向機構6,6
を、前記左右一対の油圧シリンダ31,31にて操作
し、前記各油圧シリンダ31におけるピストンロッド1
2′が前進方向に移動するとき、そのストロークの中途
部でクラッチ切り状態となり、さらにピストンロッド1
2′が前進方向に移動すると、クラッチ切り状態でブレ
ーキ作動するように構成することは前記実施例と同じで
ある。
【0024】前記各ピストン33の外周面にはそのスト
ローク方向中途部に、ピストン33の中心軸線に対して
適宜角度傾斜するようにした傾斜状溝部34を凹み形成
し、該傾斜状溝部34とシリンダ底油圧室(ピストンロ
ッド12′の配置位置と反対側)とに連通する通油路3
5をピストン33内に形成する。
【0025】なお、実施例では、傾斜状溝部34は図3
に示すように、ピストン33外周の略半周に渡って設け
られているが、後述するように、その傾斜角度及び溝部
の範囲は適宜に設定することができる。
【0026】前記各油圧シリンダ31には、前記シリン
ダ底油圧室31aに連通する底油圧ポート36を形成す
る一方、油圧シリンダ31の側面には、底面から距離
(L2)の位置に、前記ピストンロッド12′の後退位
置でピストン33の外周面で閉塞され、且つ前記ピスト
ン33をストローク中途部まで前進移動させた状態のと
き前記傾斜状溝部34に連通する排油ポート37を設け
る。
【0027】また、4ポート3位置の電磁ソレノイド式
制御弁38は、操作レバー21の操作に連動する旋回方
向切り換え用の制御弁であり、この制御弁38は、左右
各油圧シリンダ31における前記底油圧ポート36に送
るように連結し、旋回内側の操向機構6におけるクラッ
チを入り状態から切り状態に切り換え操作するとき、油
ポンプ22からの油圧を、旋回内側における油圧シリン
ダ31の前記底油圧ポート36に油圧を送るように構成
するものである。
【0028】前記排油ポート37から排出する油は油タ
ンク23に戻る。符号26はリリーフ弁である。
【0029】さらに、旋回内側の操向機構6をクラッチ
切り状態からブレーキ作動状態に切り換え操作すると
き、前記ピストン33を軸線廻りに回動させて前記傾斜
状溝部34と排油ポート37との連通状態を変更する連
動手段を備える。
【0030】この連動手段の一つの実施例は、油圧シリ
ンダ31外から底油圧室の端面に向かって嵌挿した回転
自在な操作軸39の軸端を、前記ピストン33の中心軸
上の嵌挿盲孔40にキー41ないしスプライン嵌挿し、
ピストン33を操作軸39に対して一体的に回動するが
軸線方向には摺動自在となるように構成する。
【0031】この操作軸39は、油圧シリンダ31の外
側においてレバー42にて軸線廻りに回動できるように
構成し、このレバー42は操向操作レバー21の操作回
動と連動するのであり、次に述べるような操作に連動す
る。
【0032】この構成によれば、予め前記左右両方の油
圧シリンダ31における排油ポート37とピストン33
における傾斜状溝部34の下端側とが対向するように、
ピストン33の軸線廻りの位相をレバー42にて設定し
ておく。旋回内側に対応する油圧シリンダ31を作動さ
せるため、操向操作レバー21を中立位置Aからクラッ
チ切り位置Bへと回動すると、制御弁38を介して油圧
シリンダ31の底油圧ポート36に油圧を送り、ピスト
ン33を前進動させ、前記旋回内側のクラッチ7を切り
状態にする。ピストン33が図4に示すように(L3)
だけ前進して傾斜状溝部34の下端側が、排油ポート3
7と対面すると、シリンダ底油圧室31aに連通する通
油路35を介して底油圧ポート36から導入された油圧
シリンダは排油ポート37から油タンク23に戻され、
従って、ピストン33はその高さ位置(前進位置)で停
止し位置保持される。
【0033】操向操作レバー21をさらに倒してブレー
キ作動位置Cにするとき、これに連動して前記レバー4
2を回動し、ピストン33を軸線廻りに適宜角度回動し
て、傾斜状溝部34と排油ポート37との対面状態を外
し、当該回動後のピストン33の外周面にて排油ポート
37が閉塞されるようにすると(図5参照)、ピストン
33はさらに前進してブレーキ作動することになる。さ
らにピストン33を軸線廻りに回動すれば、ピストン3
3のクラッチ切り状態からの前進距離が増大するので、
ブレーキロック位置に至る。
【0034】この構成によれば、前記ピストン33の外
周面に形成する傾斜状溝部34のピストン33円周廻り
の長さや傾斜角度を種々に設定することで中立位置から
クラッチ切り位置までの経過時間の長さ等のフイーリン
グや、クラッチ切り位置からブレーキ作動位置までの経
過時間の長さ等のフイーリングを種々変更することがで
きるし、レバー21の回動角度の大小設定によってもク
ラッチ切り位置からブレーキ作動位置までの経過時間の
長さ等のフイーリングを種々変更することができる。
【0035】さらにこの構成によれば、制御弁も一つで
済ますことができるという顕著な効果を奏する。
【0036】図6は第3実施例を示し、図1に示す左右
走行装置1,1を各々独立的に駆動停止するクラッチ
7,7とブレーキ9,9とを備えた左右一対の操向機構
6,6を、左右一対の油圧シリンダ45,45にて操作
し、前記各油圧シリンダ45におけるピストンロッド4
6が前進方向に移動するとき、そのストロークの中途部
でクラッチ切り状態となり、さらにピストンロッド46
が前進方向に移動すると、クラッチ切り状態でブレーキ
作動するように構成するもので、前記各油圧シリンダ4
5を、導入油圧室47と排油室48とを隔壁49を介し
て設けた外シリンダ50と、前記隔壁49を貫通して前
記導入油圧室47と排油室48とに跨がって摺動自在に
嵌挿したピストン51と、該ピストン51に摺動自在に
被嵌すると共に排油室48に摺動自在に嵌挿した内シリ
ンダ52とにより構成する。
【0037】ピストン51とピストンロッド46とは一
体的に進退動するものである。
【0038】戻しばね53を介してピストンロッド46
並びにピストン51をピストンロッド46後退方向に付
勢し、他方の戻しばね54にて内シリンダ52も後退方
向に付勢されている。蓋体55に接当して内シリンダ5
2はそれ以上後退不能に支持され、内シリンダ52の後
端に蓋体55から突出するボス部56には、操向操作レ
バー21の回動に連動する回動レバー57の先端をピン
58で係合し、回動レバー57の中途部はブラケット5
9に回動自在に軸60支持されている。
【0039】前記ピストン51には前記導入油圧室47
と、内シリンダ52の内径面に連通する油通路61を設
ける。前記内シリンダ52の側壁には、クラッチ切り状
態すべくピストン51が所定距離(L4)だけ前進動し
たとき、前記ピストン51における油通路61と排油室
48とに連通する連通路62を設ける。
【0040】油圧ポンプ22からの油圧は、4ポート3
位置電磁ソレノイド式の制御弁63を介して油圧導入ポ
ート64から導入油圧室47に導く。この制御弁63は
旋回方向切り換え用の制御弁である。また排油室48か
ら排油ポート65を介して油タンク23に戻す構成であ
る。符号26はリリーフ弁である。
【0041】この構成において、操向操作レバー21を
中立位置A(クラッチ入り状態)に保持するときには、
両油圧シリンダ45,45における内シリンダ25は後
退した位置にあり、且つこの内シリンダ52内でピスト
ン51も後退した位置にある。
【0042】従って、この状態では、内シリンダ52に
おける連通路62と排油室48とは連通しており、且つ
ピストン51の油通路61の出口は内シリンダ52の内
周面で閉塞され、油通路61が前記連通路62とは遮断
されている。
【0043】旋回内側の操向機構6に対応させた油圧シ
リンダ45を作動させるため、操向操作レバー21を中
立位置Aからクラッチ切り位置Bに回動する(倒す)
と、油圧は制御弁63を介して導入油圧室47に入り、
ピストンロッド46を下向きに押圧し、ピストンロッド
46の前進につれてクラッチ7が切り状態となる。
【0044】ピストンロッド46と一体的に前進したピ
ストン51の後端が内シリンダ52内で距離(L4)だ
け前進すると、ピストン51の油通路61の出口が内シ
リンダ52における連通路62に連通するので、油は排
油室48から油タンク23に戻り、ピストン51及びピ
ストンロッド46は前記クラッチ切り状態まで前進して
その位置を保持する。
【0045】次いで、前記操向操作レバー21をブレー
キ作動位置Cまで倒すと、これに連動してレバー57を
回動し、内シリンダ52を適宜距離(L5)だけ強制的
に前進移動させる。
【0046】このようにすると、再度ピストン51の油
通路61の出口は内シリンダ52の内周面で閉塞され、
油通路61が前記連通路62とは遮断されるので、制御
弁63から導入油圧室47に入った油でピストン51及
びピストンロッド46を前進させ、前記操向機構6では
クラッチ切り状態に続いてブレーキ作動することにな
る。
【0047】そして、ピストン51における油通路61
が内シリンダ52における連通路62を介して排油室4
8と連通すれば、ピストンロッド46とその前進位置で
停止する。さらに内シリンダ52を前進させるとブレー
キロックの位置となる。
【0048】前記と逆に、操向操作レバーをブレーキ作
動位置Cから中立位置Aに戻すと、油圧シリンダ45へ
の油の供給はなくなり、レバー57による内シリンダ5
2の後退もあるので、戻しばね53,54の力で、ピス
トンロッド46等は後退し、クラッチ入り状態に復帰で
きる。
【0049】
【発明の作用および効果】以上のように、請求項1に記
載の発明によれば、旋回方向切り換え用制御弁からの油
圧にて左右一対の油圧シリンダを独立的に作動させるこ
とにより、左右走行装置を各々独立的に駆動停止するた
めのクラッチとブレーキとを備えた左右一対の操向機構
を作動させて旋回させるに際して、前記旋回内側の走行
装置に対応する油圧シリンダにおけるピストンロッドが
前進方向に移動するとき、そのストロークの中途部でク
ラッチ切り状態となり、さらにピストンロッドが前進方
向に移動すると、クラッチ切り状態でブレーキ作動する
ように構成してなる操向操作装置において、ピストンの
外周面にはそのストローク方向中途部には、当該ピスト
ンの軸線に対して適宜角度にて傾斜するようにした傾斜
状溝部を形成し、該傾斜状溝部とシリンダ底油圧室とに
連通する通油路をピストン内に形成し、前記油圧シリン
ダには、前記シリンダの底油圧室に連通する底油圧ポー
トと、前記ピストンロッドの後退位置でピストンの外周
面で閉塞され、且つ前記ピストンをストローク中途部ま
で前進移動させたとき前記傾斜状溝部と対面して連通す
る排油ポートとを設け、前記クラッチを入り状態から切
り状態に切り換え操作するとき、前記制御弁から前記底
油圧ポートに油圧を送るように構成する一方、クラッチ
切り状態からブレーキ作動状態に切り換え操作すると
き、前記ピストンをその軸線廻りに回動させて前記傾斜
状溝部と排油ポートとが非連通状態になるように変更す
る連動手段を、操向操作レバーの操作に連動させて設け
たものであるから、前記従来の技術で奏する作用・効果
を有するものでありながら、制御弁の必要数が一つで済
むという顕著な効果を奏する。また、前記連動手段によ
り、ピストンを軸線廻りに回動させてそのピストン外周
面に設けた傾斜状溝部と排油ポートとの連通状態を変更
することができるので、クラッチの作動のフイーリング
やブレーキ作動のフイーリングを至極簡単に変更設定で
きるとういう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の油圧回路を含む説明図である。
【図2】第2実施例の油圧回路を含む説明図である。
【図3】図2の III−III 視断面図である。
【図4】クラッチ切り状態を示す説明図である。
【図5】クラッチ切り状態からブレーキ作動状態に変更
する場合の説明図である。
【図6】第3実施例の油圧回路を含む説明図である。
【符号の説明】
1 走行装置 6 操向機構 7 クラッチ 9 ブレーキ 11 油圧シリンダ 12 ピストンロッド 13 ピストン 14 小径部 15 通油路 16 側面油圧ポート 17 低側油圧ポート 19 第1制御弁 20 第2制御弁 22 油圧ポンプ 31 油圧シリンダ 33 ピストン 34 傾斜状溝部 35 通油路 36 底油圧ポート 37 排油ポート 38 制御弁 39 操作軸 45 油圧シリンダ 46 ピストンロッド 47 導入油圧室 48 排油室 50 外シリンダ 51 ピストン 52 内シリンダ 61 油通路 62 連通路 63 制御弁 64 油導入ポート 65 排油ポート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回方向切り換え用制御弁からの油圧に
    て左右一対の油圧シリンダを独立的に作動させることに
    より、左右走行装置を各々独立的に駆動停止するための
    クラッチとブレーキとを備えた左右一対の操向機構を作
    動させて旋回させるに際して、前記旋回内側の走行装置
    に対応する油圧シリンダにおけるピストンロッドが前進
    方向に移動するとき、そのストロークの中途部でクラッ
    チ切り状態となり、さらにピストンロッドが前進方向に
    移動すると、クラッチ切り状態でブレーキ作動するよう
    に構成してなる操向操作装置において、 ピストンの外周面にはそのストローク方向中途部には、
    当該ピストンの軸線に対して適宜角度にて傾斜するよう
    にした傾斜状溝部を形成し、該傾斜状溝部とシリンダ底
    油圧室とに連通する通油路をピストン内に形成し、前記
    油圧シリンダには、前記シリンダの底油圧室に連通する
    底油圧ポートと、前記ピストンロッドの後退位置でピス
    トンの外周面で閉塞され、且つ前記ピストンをストロー
    ク中途部まで前進移動させたとき前記傾斜状溝部と対面
    して連通する排油ポートとを設け、前記クラッチを入り
    状態から切り状態に切り換え操作するとき、前記制御弁
    から前記底油圧ポートに油圧を送るように構成する一
    方、クラッチ切り状態からブレーキ作動状態に切り換え
    操作するとき、前記ピストンをその軸線廻りに回動させ
    て前記傾斜状溝部と排油ポートとが非連通状態になるよ
    うに変更する連動手段を、操向操作レバーの操作に連動
    させて設けたことを特徴とする操向操作装置。
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