JPH0628990B2 - 油圧制御式クラツチ、トランスミツシヨンの非常用コントロ−ル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、油圧制御式クラッチ、トランスミッションの
非常用コントロール装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 自動車のクラッチ及びトランスミッションを油圧により
自動制御する装置がある。その機構は、オイルポンプか
ら吐出される圧油を一定流量に制御する流量制御弁と、
一定流量に制御された圧油をクラッチ制御用シリンダ側
とトランスミッション制御用シリンダ側とに切替える電
磁切替弁と、前記圧油をクラッチ制御用シリンダのクラ
ッチ切断室側とクラッチ接続室側とに切替供給する切替
弁と、この切替弁を切替制御するクラッチ油圧制御弁
と、このクラッチ油圧制御弁を制御する電磁圧力制御弁
とを備えたものである。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 上記装置において、電気制御系に万一故障が発生する
と、電磁切替弁や電磁圧力制御弁が作動不能となり自走
ができなくなる。

本発明は、電気制御系が万一故障した場合でも、手動に
よりコントロールし、自走を可能とした非常用コントロ
ール装置を提供するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の問題点を解決するための本発明の特徴とする構成
は、オイルポンプから吐出される圧油を一定流量に制御
する流量制御弁と、一定流量に制御された圧油をクラッ
チ制御用シリンダ側とトランスミッション制御用シリン
ダ側とに切替える電磁切替弁と、前記圧油をクラッチ制
御用シリンダのクラッチ切断室側とクラッチ接続室側と
に切替供給する切替弁と、この切替弁を切替制御するク
ラッチ油圧制御弁と、このクラッチ油圧制御弁を制御す
る電磁圧力制御弁と、前記クラッチ油圧制御弁と電磁圧
力制御弁との間に設けられたクラッチ用マニアルコント
ロール弁と、前記トランスミッション制御用シリンダを
制御する電磁セレクト・シフト弁とを備えた油圧制御式
クラッチ、トランスミッションにおいて、前記電磁セレ
クト・シフト弁を迂回して前記トランスミッション制御
用シリンダに接続した圧油通路と、この圧油通路の圧油
を切替制御するトランスミッション用マニアルコントロ
ール弁とを備え、前記電磁切替弁のソレノイドに、この
電磁切替弁の制御用電気回路とは別系統で電源と非常用
コントロール切換スイッチを介して電気的に接続したも
のである。

＜作 用＞ 本発明は、電気制御系が万一故障した場合、非常用コン
トロール切換スイッチを手動で切替えて別系統の電気回
路より電磁切替弁に通電してオイルポンプからの圧油を
クラッチ制御用シリンダ側とトランスミッション制御用
シリンダ側とに切替可能とし、クラッチ制御用シリンダ
はクラッチ用マニアルコントロール弁で、また、トラン
スミッション制御用シリンダはトランスミッション用マ
ニアルコントロール弁により手動操作を行うものであ
る。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。１はオ
イルポンプ、33は前記オイルポンプ１から吐出された圧
油を一定流量とする流量調整弁、34はフィルタである。
このオイルポンプ１より吐出された圧油はクラッチ側へ
の圧油給送通路２とトランスミッション側の圧油給送通
路３とに分流される。４は電磁切替弁である。

前記クラッチ側には、クラッチ制御用シリンダ８を有し
ている。このクラッチ制御用シリンダ８は、ピストン９
によりクラッチ切断室10とクラッチ接続室11とが形成さ
れ、この両室10、11はピストン９に設けられたオリフィ
ス12を介して連通されている。

このクラッチ制御用シリンダ８への圧油の供給制御回路
構成は次の通りである。前記圧油給送通路２よりクラッ
チ圧油制御弁５を介してクラッチ切断側室10に連通する
回路６と、圧油給送通路２よりチェック弁13及び切替弁
14を介してクラッチ切断側室10に連通する回路15と、前
記クラッチ油圧制御弁５を制御するための低圧側に通じ
るレリーフ通路17に配置した電磁圧力制御弁16とを有
し、前記回路６にはクラッチ切断側室10に圧油を常に一
定圧に制御して供給する背圧弁７とを備えている。

さらにクラッチ側にクラッチ用マニアルコントロール弁
24が設けられている。

前記クラッチ用マニアルコントロール弁24は、クラッチ
油圧制御弁５と電磁圧力制御弁16との間で切替弁14と関
係して配置される。すなわち、クラッチ圧油制御弁５と
電磁圧力制御弁16のレリーフ通路17を開閉する弁部とチ
ェック弁13より前の圧油給送通路２から通路18を介して
切替弁14の図において右方のオペレーションポートに接
続される通路19を開閉する弁部と、切替弁14の図におい
て左方のオペレーションポートに回路６より通路20を介
して供給されている一定圧の信号圧を低圧側へレリーフ
させる弁部と、電磁圧力制御弁16と同じ機能を有する油
圧制御弁25とから構成されている。

一方、トランスミッション側には、図略のトランスミッ
ションをセレクト作動するセレクト用シリンダ60と、シ
フト作動するシフト用シリンダ70とを有し、圧油給送通
路３の圧油をセレクト用シリンダ60に供給し、かつ低圧
側へ排出する電磁セレクト弁60a と、シフト用シリンダ
70に供給し、かつ低圧側へ排出する電磁シフト弁70a と
を備えている。

本発明は、上記の構成において、前記電磁セレクト弁60
a を迂回してセレクト用シリンダ60に接続した圧油通路
61a,61b と、電磁シフト弁70a を迂回してシフト用シリ
ンダ70に接続した圧油通路71a ，71b と、この圧油通路
61a，61b及び71a ，71b の圧油を手動レバー50によりス
プール42a を移動して切替制御するトランスミッション
用コントロール弁42とを備え、オイルポンプ１からの圧
油をクラッチ制御用シリンダ側とトランスミッション制
御用シリンダ側とに切替える電磁切替弁４のソレノイド
に、この電磁切替弁４の制御用電気回路とは別系統で電
源41と非常用コントロール切替スィッチ40を介して電気
的に接続したものである。尚、電磁切替弁４のソレノイ
ドはダブルソレノイド構成とし、その１つのソレノイド
は自動制御するコントローラと接続し、他の１つのソレ
ノイドは前記別系統の電源41と接続される。

次に上記構成の作用について説明する。先ず、通常にお
いては、クラッチ用マニアルコントロール弁24は、クラ
ッチ油圧制御弁５と電磁圧力制御弁16間のレリーフ通路
17を開口し、通路18、19間を連通状態とし、通路26と圧
油制御弁25のレリーフ回路を閉止している。これによ
り、電磁圧力制御弁16が作動することによりクラッチ油
圧制御弁５を制御し、このクラッチ油圧制御によって切
替弁14が切替制御され、クラッチ接続側室10にクラッチ
切断側室11に供給されている一定圧以上の圧油を供給す
ることによりクラッチ接となり、この供給圧油を切替弁
14により低圧側にレリーフすることによりクラッチ断の
動作を行う。

一方、トランスミッションは、電磁セレクト弁60a と電
磁シフト弁70a との制御によって所定のレンジにシフ
ト、セレクト作動される。

この時、トランスミッション用マニアルコントロール弁
42のスプール42a は圧油通路61a,61b 及び71a ，71b と
セレクト用シリンダ60及びシフト用シリンダ70とを連通
するポートを遮断し、電磁セレクト弁60a 及び電磁シフ
ト弁70a とセレクト用シリンダ60及びシフト用シリンダ
70とを連通するポートを開口した状態に位置している。

また、オイルポンプ１からの圧油は電磁切替弁４によっ
てクラッチ制御用シリンダ側とトランスミッション制御
用シリンダ側とに切替え制御される。

そこで、前記電磁切替弁４を切替え制御するコントロー
ラからの電気制御系に故障が発生した場合、電磁切替弁
４は勿論のこと電磁圧力制御弁16、電磁セレクト弁60a
及び電磁シフト弁70a も作動不能となる。

このような場合、非常用コントロール切換スイッチ40を
操作して電源41より直接電磁切替弁４のソレノイドに通
電して圧油をクラッチ制御用シリンダ側とトランスミッ
ション制御用シリンダ側とに切替え、圧油の切替供給を
可能な状態に保全する。

そして、クラッチ用マニアルコントロール弁24を手動で
操作する。このクラッチ用マニアルコントロール弁24に
より、クラッチ圧油制御弁５と電磁圧力制御弁16のレリ
ーフ通路17を開閉し、チェック弁13より前の圧油給送通
路２から通路18を介して切替弁14の図において右方のオ
ペレーションポートに接続されている通路19を開閉し
て、切替弁14の図において左方のオペレーションポート
に回路６より通路20を介して供給されている一定圧の信
号圧を低圧側へレリーフさせ、電磁圧力制御弁16と同じ
機能を行ってクラッチの接、断制御する。

一方、トランスミッションはトランスミッション用マニ
アルコントロール弁42に設けられている手動レバー50に
よってスプール42a を手動により移動して圧油通路61a,
61b 及び71a ，71b を切替え、セレクト用シリンダ60及
びシフト用シリンダ70に対し圧油給送通路３からの圧油
を制御し、少なくとも第１速と後退のレンジにシフト、
セレクト作動して、他に迷惑のかからない場所まで自走
を可能とするものである。

＜発明の効果＞ 以上のように本発明によると、電気制御系に故障が発生
し、圧油を制御する各電磁弁が作動不能となっても、圧
油をクラッチ制御用シリンダ側とトランスミッション制
御用シリンダ側に切替える電磁切替弁には別系統の電源
により非常用コントロール切換スイッチの操作にて通電
して切替えを可能とし、圧油の切替え供給を保全した状
態でクラッチ用マニアルコントロール弁並びにトランス
ミッション用マニアルコントロール弁を手動操作してク
ラッチ並びにトランスミッションを油圧制御する構成で
あるから、電気制御系に故障が発生しても手動制御によ
る自走が可能となり安全性を確保する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の圧油制御回路図である。 １……オイルポンプ、２、３……圧油給送通路、４……
電磁切替弁、５……クラッチ油圧制御弁、８……クラッ
チ制御用シリンダ、14……切替弁、16……電磁圧力制御
弁、40……非常用コントロール切換スイッチ、41……電
源、42……トランスミッション用マニアルコントロール
弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】オイルポンプから吐出される圧油を一定流
   量に制御する流量制御弁と、一定流量に制御された圧油
   をクラッチ制御用シリンダ側とトランスミッション制御
   用シリンダ側とに切替える電磁切替弁と、前記圧油をク
   ラッチ制御用シリンダのクラッチ切断室側とクラッチ接
   続室側とに切替供給する切替弁と、この切替弁を切替制
   御するクラッチ油圧制御弁と、このクラッチ油圧制御弁
   を制御する電磁圧力制御弁と、前記クラッチ油圧制御弁
   と電磁圧力制御弁との間に設けられたクラッチ用マニア
   ルコントロール弁と、前記トランスミッション制御用シ
   リンダを制御する電磁セレクト・シフト弁とを備えた圧
   油制御式クラッチ、トランスミッションにおいて、前記
   電磁セレクト・シフト弁を迂回して前記トランスミッシ
   ョン制御用シリンダに接続した圧油通路と、この圧油通
   路の圧油を切替制御するトランスミッション用マニアル
   コントロール弁とを備え、前記電磁切替弁のソレノイド
   に、この電磁切替弁の制御用電気回路とは別系統で電源
   と非常用コントロール切換スイッチを介して電気的に接
   続したことを特徴とする油圧制御式クラッチ、トランス
   ミッションの非常用コントロール装置。