JP3050571B2 - 高速耐久性に優れる空気入りタイヤ - Google Patents

高速耐久性に優れる空気入りタイヤ

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JP3050571B2 JP2180517A JP18051790A JP3050571B2 JP 3050571 B2 JP3050571 B2 JP 3050571B2 JP 2180517 A JP2180517 A JP 2180517A JP 18051790 A JP18051790 A JP 18051790A JP 3050571 B2 JP3050571 B2 JP 3050571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は空気入りタイヤの改良に関し、さらに詳しく
は、高速耐久性を改良した空気入りタイヤに関するもの
である。
(従来の技術) 従来、とくに高速走行に供される空気入りタイヤのト
レッド部補強構造としては、一般にスーチルコードコー
ドを基本とし、タイヤの周方向に対し比較的小さな角度
で交差する少なくとも2層の主ベルト層と、さらに高速
性を高めるために前記主ベルト層の半径方向外方に直接
接触する、ナイロンに代表される熱収縮性繊維コードか
らなる補助ベルト層を設けた構成からなるベルト構体が
使用されて。
すなわち、第2図(a)は従来の空気入りタイヤのク
ラウン区域を示す断面説明図、第2図(b)は同トレッ
ド部の部分展開説明図であり、円筒状トレッドTには、
このトレッドTの両端から夫々径方向内側へ延びる一対
のサイドウォールSwと、一方のサイドウォールSwからト
レッドT区域及び他方のサイドウォールに亙って補強し
たラジアルカーカル1と、実質上トレッド幅に相当する
幅を有し、前記トレッドTと前記ラジアルカーカス1と
の間に配置したベルト構体Bとが含まれている。
また、トレッド部Tには周方向に平行な複数の周方向
溝4及びこの周方向溝4と交差して延びる複数の横方向
溝5によって多数のブロックRが形成されている。
そして、上記ベルト構体Bは、非伸長性コード(金属
コード)を赤道面Oに対し浅い角度で傾斜配列したプラ
イの少なくとも2枚を、コードが互に交差するように重
ね合わせた主ベルト層2、2′と、この主ベルト層2、
2′の外周に、熱収縮性繊維コードを前記赤道面Oと実
質上平行に配列した補助ベルト層3、3′から構成され
ている。
ここで、ベルト構体Bの補助ベルト層3は、一般的に
はトレッド部Tの全幅区域に1層(3)及びトレッド部
Tの両側区域に1層又は2層(3′)配置されており、
タイヤの高速転動時における遠心力による主ベルト層2
の径方向外方への膨脹を抑制し、高速耐久性を確保し得
るように図られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、近年のめざましい車輌の高速化及び大
型化などにともない、上述した従来の高性能空気入りタ
イヤにおいては、荷重の増大や、車輪に設定されるキャ
ンバーアングルの増大傾向に起因して、超高速走行、特
に300km/h以上の超高速走行を行う場合に、負荷転動時
の遠心力による径方向外方への膨脹を起こし易く、主ベ
ルト層の両端部でセパーレーションを生じ、高速耐久性
が低下するという問題があった。
かかる主ベルト層両端部のセパーレーションによる高
速耐久性の低下を抑制するためには、タイヤのショルダ
ー部における補助ベルト層3を2層、さらに3層と増加
して配置し、主ベルト層両端部の周方向拘束力を増加す
る方法が一般的にとられている。
しかるに、補助ベルト層3の枚数を単純に増加する
と、タイヤのショルダー部において発熱の増加並びに放
熱の減少を生ずるため、高速走行時に熱に起因する破壊
を招き、高速耐久性が阻害されるという新たな問題を生
じていた。
本発明は、上述した従来の空気入りタイヤが有する問
題点を解決するために検討した結果、達成されたもので
ある。
したがって本発明の目的は、補助ベルト層の枚数に制
限を受けることがなく、高速耐久性を改良した空気入り
タイヤを提供することにある。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明の空気入りタイヤは、一対のビード
と、両ビード間に亘って延びるラジアルカーカスと、該
カーカスのクラウン部に位置するトレッド部と、上記カ
ーカスとトレッド部との間に、該トレッド部の幅いっぱ
いに配置して補強したベルト構体とを備え、上記ベルト
構体は金属コードをタイヤの赤道面に対して浅い角度で
配列したプライの複数を、それらのコードが互に交差す
るように重ね合わせた主ベルト層と、該主ベルト層の少
なくとも両端部における外周に、タイヤの赤道面とほぼ
平行に熱収縮性コードを配列してなる補助ベルト層とか
ら構成された空気入りタイヤであって、上記主ベルト層
の両端部に対応するトレッド部の外面に、放熱凹部をベ
ルト両端部の周方向への延びに沿って連続して設けたこ
とを特徴とする。
また第2の発明は、上記主ベルト層の両端部に対応す
るトレッド部の外面に、放熱凹部をベルト両端部の周方
向への延びに沿って断続して設けたことを特徴とする。
(発明の作用) 本発明の空気入りタイヤによれば、主ベルト層の両端
部に対応するトレッド部の外面に、放熱凹部をベルト両
端部の周方向への延びに沿って連続又は断続して設けた
ため、上記主ベルト層両端部に対応するトレッド部外面
の表面積が増大して、補助ベルト層の枚数増加により主
ベルト層両端部に蓄熱する熱量を効果的に放熱すること
ができるばかりか、主ベルト層両端部に集中していた応
力が分散されて、発熱の低減をも図ることができる。
したがって、本発明の空気入りタイヤは、補助ベルト
層の枚数増加による高速耐久性改善効果をより効率的に
発揮したものであり、高速走行用超高性能タイヤとして
の、理想的な特性を備えている。
(実施例) 以下、図面にしたがって本発明の高速耐久性に優れる
空気入りタイヤの実施例について、詳細に説明する。
第1図(a)は本発明の空気入りタイヤのクラウン区
域における左半分を示す断面説明図、第1図(b)は第
1図(a)における放熱凹部部分の拡大説明図、第1図
(c)は同トレッド部の部分展開説明図、第1図(d)
は他の実施態様を示すトレッド部の部分展開説明図であ
る。
なお、第1図においてはトレッド部以外の部分の図示
は省略しているが、図示以外の部分は周知の構造であ
る。
すなわち、第1図(a)及び(b)において、本発明
の高速耐久性に優れる空気入りタイヤの円筒状トレッド
部Tには、その両端から夫々径方向内側へ延びるサイド
ウォールSwと、一方のサイドウォールSwからトレッド部
T区域を通り他方のサイドウォールへ掛けて、図示して
いない一対のビード間に亘って延びるラジアルカーカス
10と、該カーカス10とトレッド部Tとの間に、該トレッ
ド部Tの幅いっぱいに配置したベルト構体Bが含まれて
いる。
また、第1図(c)に示したように、トレッド部Tに
は周方向に平行な複数の周方向溝40、41及びこの周方向
溝40、41と交差して延びる複数の横方向溝50によって多
数のブロックRが形成されている。
そして、上記ベルト構体Bは、非伸長性コード(たと
えば金属コード)を赤道面Oに対し公知の浅い角度で傾
斜配列したプライの少なくとも2枚を、コードが互に交
差するように重ね合わせた主ベルト層20、21と、この主
ベルト層20、21の外周に、熱収縮性繊維コードを前記赤
道面Oと実質上平行に配列した補助ベルト層30、31から
構成されてる。
ここで、カーカス10はレーヨンやポリエステルなどの
有機繊維コードを赤道面に対し実質上直交する方向に配
列した層の少なくとも1プライからなり、図示していな
い一対のビードワイヤで折り返されて、カーカス折り返
し部を形成すると共に、カーカス1とその折り返し部と
の間には通常硬質ゴムフィラーが配置されている。
そして、前記主ベルト層20、21は、金属で代表される
非伸長性コードの少なくとも2プライを、各コードが相
互に交差するように重ね合せてなり、カーカス10上の赤
道面Oに対し浅い角度(通常は5゜〜35゜)で配置され
ているが、この実施例において主ベルト層20はその径方
向幅が大きく、両端部20′がトレッドショルダー部Sdに
まで達している。
また、補助ベルト層30,31は、ナイロンに代表される
熱収縮性コードを複数本並べたゴム引きテープをもって
赤道面Oと実質的平行に螺旋巻き配列してなり、なかで
も幅が最も広い補助ベルト層30は、前記主ベルト層20の
径方向外側に前記主ベルト層20の幅を若干越える広さを
以て、配置されその上部両側には、狭幅の補助ベルト層
31、が夫々配置された構造からなっている。
なお、補助ベルト層30並びにトレッド部Tの両側区域
における補助ベルト層31は、図面では1層配置している
が、2層又はそれ以上の層を必要に応じ配置することが
できる。
さて、本発明の空気入りタイヤにおいては、上記広幅
の主ベルト層20の両端部20′に対応するトレッド部の外
面に、放熱凹部60をベルト両端部の周方向への延びに沿
って連続又は断続して設ける。
ここで、放熱凹部60は、第1図(b)に示したよう
に、主ベルト層20の端部20′を通るタイヤの外郭線M上
の法線lが、上記タイヤの外郭線Mと交わる交点Aを中
心として設けられ、その深さdは、上記法線l上の端部
20′とタイヤ外郭線(仮想線)Mとの間隔Dの好ましく
は20〜70%の範囲に設定されている。
また、放熱凹部60の溝幅rは、上記周方向40、41の溝
幅よりも狭く、通常は1〜5mmの範囲に設定される。
この放熱凹部60は、第1図(c)に示したように、周
方向に沿って連続した凹溝60Aとしてもよく、また第1
図(d)に示したように、各ブロックRの周方向に断続
したディンプルまたは穴60Bとしてもよい。なお、上記
凹溝60A及び穴60Bは目的を損わない限りジクザク状また
は千鳥状に同方向に向って配列することができる。
上記のように放熱凹部60を設けることによって、タイ
ヤの高速耐久性を高めるために補助ベルト層31の枚数を
増加しても、上記主ベルト層両端部20′に対応するトレ
ッド部外面の表面積が増大して、その部分に蓄熱する熱
量を効果的に放熱することができ、しかも主ベルト層両
端部に集中する応力が分散されて、発熱が低減するとい
う効果を期待することができる。
以下に試験例を挙げて、本発明の高速耐久性に優れる
空気入りタイヤの構成および効果についてさらに説明す
る。
(試験例) タイヤサイズ255/50ZR16の空気入りタイヤについて、
上述の第1図に示した構造を付与した。
すなわち、カーカス10としてレーヨンコード1650d/2
を用い、ベルト構体Bの主ベルト層20、21として0.23×
1×5のスチールコードをタイヤの周方方向に対し25度
の角度で互に交差させて配置した。
また、補助ベルト層30として、前記主ベルト層20の径
方向外側に、その全幅を覆い、タイヤの周方向に実質上
平行なナイロンコード1260d/2を10本横に並べたゴム引
きテープをタイヤの赤道面0とほぼ平行な螺旋巻きによ
って一層配置すると共に、さらにその上部両側に同様に
してこの補助ベルト層30と同じ材質からなる狭幅補助ベ
ルト層31を配置した。
そして、第1図(c)に示したように、主ベルト層20
の両端部20′に対応するタイヤのショルダー部Sdを、深
さ2.0mm、溝幅3.0mmの周方向に沿って連続した凹溝状の
放熱凹部60Aを設けることにより、本発明タイヤAを得
た。
また、第1図(d)に示したように、主ベルト層20の
両端部20′に対応するタイヤショルダー部Sdの各ブロッ
クRに、深さ2.0mm、直径2.0mmのディンプル状放熱凹部
60Bを、各ブロックの周方向に沿って4つづつ設けるこ
とにより、本発明タイヤBを得た。
なお、比較のために、上記放熱凹部60の配置を省略し
た以外は上記と同様の構造として、従来タイヤを得た。
これら3種類のタイヤについて、次の基準による高速
耐久性を評価した結果を第2表に示す。
<高速耐久性の評価方法> 各タイヤを、荷重600kgの車輌に装着し、これをドラ
ム径:2m、CA:3゜のドラム上で、第1表に示したテスト
プログラムによりステップアップする走行テストに供
し、主ベルト層両端のセパレーションを起こすステップ
(速度×時間)を高速耐久性の評価基準とした。
上記の結果から、本発明タイヤA及びBは、従来タイ
ヤに比較して高速耐久性が優れていることが明らかであ
る。
[発明の効果] 以上、詳細に説明したように、本発明の空気入りタイ
ヤによれば、主ベルト層の両端部に対応するトレッド部
の外面に、放熱凹部をベルト両端部の周方向への延びに
沿って連続又は断続して設けたため、上記主ベルト層両
端部に対応するトレッド部外面の表面積が増大して、補
助ベルト層の枚数増加により主ベルト層両端部に蓄熱す
る熱量を効果的に放熱することができるばかりか、主ベ
ルト層両端部に集中していた応力が分散されて、発熱の
低減をも図ることができる。
したがって、本発明の空気入りタイヤは、補助ベルト
層の枚数増加による高速耐久性改善効果をより効率的に
発揮したものであり、高速走行用超高性能タイヤとして
の、理想的な特性を備えている。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の空気入りタイヤのクラウン区域
を示す断面説明図、第1図(b)は第1図(a)におけ
る放熱凹部部分の拡大説明図、第1図(c)は同トレッ
ド部の部分展開説明図、第1図(d)は他の実施態様を
示すトレッド部の部分展開説明図、第2図(a)は従来
の空気入りタイヤのクラウン区域を示す断面説明図、第
2図(b)は同トレッド部の部分展開説明図である。 T……トレッド部 Sw……サイドウォール Sd……ショルダー部 O……赤道面 10……ラジアルカーカス B……ベルト構体 20、21……主ベルト層 20′……主ベルト層の端部 30……補助ベルト層 31……補助ベルト層 40……周方向溝 50……横方向溝 R……ブロック 60……放熱凹部 60A……連続凹溝状放熱凹部 60B……断続ディンプル状放熱凹部 M……タイヤ外郭線 l……法線 A……Mとlの交点

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のビードと、両ビード間に亘って延び
    るラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部に位置
    するトレッド部と、上記カーカスとトレッド部との間
    に、該トレッド部の幅いっぱいに配置して補強したベル
    ト構体とを備え、上記ベルト構体は金属コードをタイヤ
    の赤道面に対して浅い角度で配列したプライの複数を、
    それらのコードが互に交差するように重ね合わせた主ベ
    ルト層と、該主ベルト層の少なくとも両端部における外
    周に、タイヤの赤道面とほぼ平行に熱収縮性コードを配
    列してなる補助ベルト層とから構成された空気入りタイ
    ヤであって、上記主ベルト層の両端部に対応するトレッ
    ド部の外面に、放熱凹部をベルト両端部の周方向への延
    びに沿って連続して設けたことを特徴とする高速耐久性
    に優れる空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】一対のビードと、両ビード間に亘って延び
    るラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部に位置
    するトレッド部と、上記カーカスとトレッド部との間
    に、該トレッド部の幅いっぱいに配置して補強したベル
    ト構体とを備え、上記ベルト構体は金属コードをタイヤ
    の赤道面に対して浅い角度で配列したプライの複数を、
    それらのコードが互に交差するように重ね合わせた主ベ
    ルト層と、該主ベルト層の少なくとも両端部における外
    周に、タイヤの赤道面とほぼ平行に熱収縮性コードを配
    列してなる補助ベルト層とから構成された空気入りタイ
    ヤであって、上記主ベルト層の両端部に対応するトレッ
    ド部の外面に、放熱凹部をベルト両端部の周方向への延
    びに沿って断続して設けたことを特徴とする第1項記載
    の高速耐久性に優れる空気入りタイヤ。
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