JP3050354B2 - 処理方法 - Google Patents

処理方法

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JP3050354B2
JP3050354B2 JP5296148A JP29614893A JP3050354B2 JP 3050354 B2 JP3050354 B2 JP 3050354B2 JP 5296148 A JP5296148 A JP 5296148A JP 29614893 A JP29614893 A JP 29614893A JP 3050354 B2 JP3050354 B2 JP 3050354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリーニング時の摩耗
等に対応する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路を製造するため
にはウエハに対して成膜、エッチング処理等の各種の処
理が施される。例えば1枚毎のウエハ表面に成膜するC
VD装置においては、ウエハ載置台(サセプタ)上に半
導体ウエハを載置し、これを所定の温度に加熱しながら
ウエハ表面に成膜用の処理ガスを供給し、このガスの分
解生成物或いは反応生成物をウエハ上に堆積させるよう
になっている。
【0003】このようにしてウエハ表面に成膜を行った
場合、成膜が必要とされるウエハ表面の他に、ウエハ載
置台、処理容器の内側表面、処理ガスの供給ヘッダ等の
不要な部分にまでも膜が付着してしまう。このような不
要な部分における成膜は、パーティクルとなって浮遊
し、半導体集積回路の欠陥の原因となることから、この
成膜を除去するために真空処理装置は定期的に或いは不
定期的にクリーニング処理が施される。このようにクリ
ーニング処理を施す必要があるのは上述したいわゆる枚
葉式の処理装置のみならず、例えば同心状に配置された
内側管と外側管とを有する縦型式2重管構造の処理装
置、いわゆるバッチ式のホットウォール型のCVD(C
hemical Vapor Deposition)
装置においても同様である。
【0004】従来、ホットウォール型のLP−CVD装
置においては、横型、縦型を問わず、その定期洗浄にお
いて、薬液を用いたウエットクリーニング法を行うのが
一般的であった。しかしながら、このウエットクリーニ
ング法は装置保守時間に伴うダウンタイムの増加など生
産性の面から見て以下に示すような問題点が生じる。生
産性向上に関する問題点 石英反応管の脱着に伴う煩雑な作業が要求される。 石英反応管の取り外しの為のヒータ温度の低温化に長
時間を要する。 石英反応管の取り付け後のリークチェック及び温度プ
ロファイルの実施に長時間を要する。
【0005】上記問題点を解決する手段として最も効率
が良いのは、各LP−CVD装置にインサイトで行える
クリーニング機能を持たせ、その装置自身にて堆積した
CVD膜のクリーニングを行わせることである。そこ
で、ホットウォール型LP−CVD装置のクリーニング
法として、エッチングガスにNF3 を用いたプラズマク
リーニング法が提案された。
【0006】このクリーニング方法は、クリーニングガ
スとしてNF3 を含むガスを処理容器内へ導入し、この
クリーニングガスで載置台や処理容器内面等に付着した
成膜を除去するものである。しかしながら、このクリー
ニング法は技術的且つコスト的に量産装置向けとはなら
なかった。その理由として、NF3 ガスはガス自体の分
解性があまり良好でないことからプラズマ励起しなけれ
ばエッチング能力を持たないので、プラズマ発生機構が
必要となる。すなわち、処理容器内に載置台と対向する
位置に電極板を配置し、この載置台と電極間に高周波電
圧を印加してプラズマを発生させ、これによってNF3
を励起させて活性化し、クリーニングを促進させるよう
になっている。
【0007】このようなプラズマ発生機構の装着の必要
性より次のような問題点が生じる。 石英反応管の内側或いは外側にプラズマ発生機構を設
けることにより、シールドを完全に行わないと外部に対
し輻射ノイズ等の問題が生じる。 プラズマ発生機構を付加することによる装置本体がコ
ストアップする。 NF3 をエッチングガスとして用いることにより、有
毒ガスであるNOxが発生し、また、その廃ガス処理の
難しさが新たな問題となる。
【0008】更に、上記したNF3 プラズマ方式のクリ
ーニング方法にあってはプラズマが分布する載置台表面
やウエハの周辺部の成膜は効果的に除去することはでき
るが、プラズマの及ばない部分、例えば処理容器の内面
や特に処理ガスの供給ヘッド内面に付着した成膜、ウエ
ハ搬送時に剥がれ落ちて容器底部に付着した膜片等を効
果的に除去することができないという問題点もあった。
また、プラズマ電極を配置することができない2重管構
造の処理装置にあっては、気体によるクリーニングが不
十分なことから分解洗浄の頻度が多くなっていたという
問題点もあった。
【0009】そこで、より効果的に成膜等をクリーニン
グ除去するために、特開昭64−17857号公報や特
開平2−77579号公報等に開示されているようにク
リーニングガスとしてClF系のガスを用いることが提
案されている。このClF系のガス特に、ClF3 (三
フッ化塩素)ガスを用いたクリーニング方式によればプ
ラズマを用いることなく載置台表面は勿論のこと処理ガ
ス供給ヘッダの内面、処理容器の内外壁等の隅々まで効
率的に成膜を除去することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなクリーニング処理を行うと、クリーニングガスは各
種部材との反応性が強いので処理装置内の構成部材が摩
耗や損傷を受けて、ある程度の期間、装置を使用したら
構成部材を新たなものと交換するための保守管理が行わ
れる。例えば、2重管を構成する石英製の内側管や外側
管等の消耗品は共に透明であるためにこの壁面に付着す
る成膜の厚さは実際に管を取り外さなければ判別でき
ず、従って、適当な時期にクリーニング処理を行うので
あるが、クリーニングを行う毎にその表面全体が僅かず
つ削られ、ある程度の期間使用したらこれら消耗品は新
たなものと交換される。また、消耗品ではないがアルミ
ニウムよりなる載置台やこれにウエハを保持する保持リ
ング等の構成部品は、ClF系ガスに対して耐腐食性を
有しているといえども長期間の使用によりある程度の損
傷を受けるので新たなものと交換される。
【0011】従来、このような保守管理は、装置をある
程度の期間使用したならば交換対象部品、例えば2重管
や載置台を装置内から取り出してその消耗や損傷の度合
いをチェックし、交換が必要な場合にはそこで交換し、
不必要な場合、例えば消耗や損傷の程度が軽い場合には
それを再度装置内に組み付けて使用する。このため、交
換のタイミングを知るためにその都度、構成部品等を装
置から取り外して検査しなければならず、作業が非常に
大変であるのみならず、検査のために稼働率が低くなっ
てスループットを低下させるという問題がある。
【0012】ところで、半導体集積回路の微細化及び高
集積化によってスループット及び歩留まりを更に向上さ
せるために、同一真空処理装置或いは異なる処理装置を
複数個結合してウエハを大気に晒すことなく各種工程の
連続処理を可能としたクラスタ装置がすでに提案されて
いる。このクラスタ装置化により、再現性の高い被成膜
表面の維持、コンタミネーションの防止、処理時間の短
縮化等を図ることができるが、上述のように集積回路の
更なる高微細化、高集積化により64Mから256MD
RAMに移行する場合に不良原因の80%以上が主とし
て成膜装置内におけるパーティクルや金属汚染に依って
生じることが判明しており、このクラスタ装置も上記し
たClF系ガスを用いてクリーニングを行うことが考え
られるが、スループット等を低下させることなく装置内
の消耗品や構成部材を交換するための効率的な保守管理
が望まれている。
【0013】本発明は、以上のような問題点に着目し、
クリーニングの自動化を達成したものである。本発明の
他の目的は、装置内の消耗品や構成部品の少なくとも一
つを適切な時期に変換することができるようにした処理
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
【0015】第の発明は、上記問題点を解決するため
に、真空処理容器内に、被処理体を収容して処理する方
法において、1回のプラズマレスガスクリーニングによ
り生ずる前記真空処理容器内の構成部品や消耗品の損傷
量や消耗量をそれぞれ予め測定し、この損傷量や消耗量
に基づいて前記構成部品または消耗品の限界損傷量や限
界消耗量に達するまでのプラズマレスガスクリーニング
回数を求め、この回数だけプラズマレスクリーニングし
たことに応答して、前記真空処理容器内の構成部品また
は消耗品の少なくとも一品を交換するように構成したも
のである。
【0016】第の発明は、上記問題点を解決するため
に、被処理体を処理するための、内側管と外側管とより
なる真空処理容器を有する第1の真空処理装置と、処理
室内に、前記被処理体を載置する載置台とこの載置台に
載置された前記被処理体を保持する保持部材を有する第
2の真空処理装置と、前記第1及び第2の真空処理装置
にロードロックバルブを介して連設されて前記被処理体
を搬入・搬出するためのロボットアームを有する移載室
と、複数枚の前記被処理体を収容可能なカセットを収容
するカセット室とを有する真空処理装置集合体により処
理する方法において、1回のクリーニングにより生ずる
前記真空処理容器内の消耗品の消耗量や前記真空処理室
内の構成部品の損傷量を予め測定し、前記消耗量や損傷
量に基づいて前記消耗品と前記構成部品のそれぞれの限
界消耗量や限界損傷量に達するまでのクリーニング回数
を求め、この回数だけクリーニングしたことに応答し
て、少なくとも前記内側管と前記外側管を含む、前記真
空処理容器内の消耗品または少なくとも前記載置台と前
記保持部材を含む、前記真空処理室内の構成部品を交換
するように構成したものである。
【0017】
【作用】
【0018】第の発明によれば、真空処理容器内に付
着した成膜を除くために例えばClF系ガスを含むクリ
ーニングガスによりクリーニングを行うが、これを所定
の回数行ったならば載置台や被処理体の保持部材を含む
構成部品や消耗品が交換されることになる。この交換の
ためのクリーニング回数を決定するためには外観検査で
は消耗量の読み取れない各構成部品の損傷程度を、代わ
りに1回のクリーニング操作で傷つけられる各構成部品
の損傷の程度や消耗品の消耗量を予め求め、クリーニン
グ回数に依存して求められる積算損傷量や積算消耗量が
各構成部品や消耗品の限界値に達した時の回数が交換の
タイミングとして決定される。これにより、構成部品や
消耗品交換のための効率的な保守管理を行うことが可能
となる。
【0019】第の発明によれば、真空処理装置を集合
させていわゆるクラスタ装置化した真空処理装置に第1
及び第2の処理方法を適用したものであり、集合体内の
全部または一部を所定の回数クリーニングしたことに応
答して内部の消耗品や構成部品が交換される。各消耗品
や各構成部品を交換するタイミングは、1回のクリーニ
ングによる消耗量や損傷量を各消耗品や各構成部品毎に
それぞれ予め求めておき、これに基づいて各消耗品や各
構成部品毎の交換のためのクリーニング回数を予め決定
しておく。これにより、クラスタ装置化された真空処理
装置集合体の保守管理を効率的に行うことが可能とな
る。
【0020】
【実施例】以下に、本発明に係る処理方法の一実施例を
添付図面に基づいて詳述する。まず、本発明の説明に先
立って、本発明者が行ったClF3 ガスによるクリーニ
ングの有効性の評価結果について説明する。
【0021】まず、ClF3 の特長はCl−Fの結合エ
ネルギーが253.6KJ/molと非常に小さいこと
である。これはプラズマの助けを借りずに熱エネルギー
のみで、活性な反応種を生成することができることを示
す。このClF3 の物理的特性を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】各プロセスの成膜温度によっても異なる
が、ホットウォール型LP−CVD装置のプロセス温度
は、一般的に500℃以上の温度領域、例えば620℃
を用いるので、ClF3 をエッチングガスとして用いた
場合、特別な熱エネルギーを与える必要がなく、これは
大きなメリットとなる。また、ClF3 は液化ガスであ
り、その取扱い方法に注意を要するが、しかしながら、
シリコン窒化膜プロセスで日常的にジクロルシランとい
う液化ガスの使用に慣れている点を考慮すれば、これは
さほど大きな問題とはならない。図6はClF3 の蒸気
圧曲線を示し、これによると温度13℃程度で蒸気圧は
1kg/cm2 となっており、常温で液体状態になって
いる。ここで、ClF3 ガスの各反応膜種に対するエッ
チングレートを検討したが、その結果を表2及び図7乃
至図8に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2はクリーニングメンテナンス時におい
て各項目に記す操作を行うに要する時間を示す。図7は
表2に示す各クリーニング操作を行った時の総合時間を
示す。図7からはClF3 ガスによるクリーニングは、
従来のウエットクリーニングと比較してはるかにその操
作時間を短縮化できることが判明する。図8はLP−C
VD法により成膜したポリシリコン(Poly−S
i)、シリコン窒化膜(SiN4 )及び酸化炉により形
成した熱酸化膜(SiO2 )(Th−Ox)に対するC
lF3 によるエッチングレートを示す。
【0026】温度により異なるが、LP−CVDに用い
られる一般的な温度、すなわち500℃以上では曲線A
で示されるポリシリコン及び曲線Bで示されるシリコン
窒化膜に対しては熱酸化膜と比較して1桁から2桁以上
大きな十分なエッチングレートが得られる。これに対し
て、曲線Cで示される熱酸化膜(SiO2 )に対しては
十分なエッチングレートが得られない。このことからポ
リシリコン及びシリコン窒化膜と熱酸化膜との間で十分
大きなエッチングの選択比が得られることが判明する。
ホットウォール型LP−CVDは一般的に石英を反応管
として用いるので、石英(SiO2 )に対するダメージ
を最小限に抑え得ることが、この図8に示すグラフより
判明する。
【0027】ここでClF3 ガスが石英反応管に与える
ダメージについての評価を行う。クリーニングガスを流
すガスクリーニング法と従来のウエットクリーニング法
とを比較した場合の石英に対するダメージ評価について
その評価手順とその結果を以下に示す。評価手順として
は、まず、2つの石英反応管内にそれぞれ石英試験片を
投入し、それぞれに同じプロセス条件でCVDにより成
膜を行う。そして、一方の石英反応管内にはそのプロセ
ス温度を維持しつつClF3 クリーニングガスを流して
石英試験片をクリーニング処理し、その後、その試験片
の表面粗さを測定した。
【0028】また、他方の石英反応管については、成膜
後、時間をかけて室温まで降温し、その中の石英試験片
に従来のウエットクリーニングを施し、その後、試験片
の表面粗さを測定した。その結果を図9に示す。図9
(A)及び図9(C)はそれぞれ成膜前のウエットクリ
ーニング用及びClF3 ガスクリーニング用の試験片の
表面粗さを示し、図9(B)及び図9(D)はそれぞれ
ウエットクリーニング用及びClF3 ガスクリーニング
用の試験片の表面粗さを示す。
【0029】図9に示す如く、ウエットクリーニング法
では石英表面に図9(B)中のポイントP1にて示すよ
うにマイクロクラックの発生が見られたが、ClF3
スクリーニング法では図9(C)に示す成膜前の表面粗
さと略同様の表面粗さを示している。これは、CVD膜
の線膨張係数と石英のそれとが異なっているため、室温
への降温中に石英表面にマイクロクラックが発生したも
のと考えられる。このような目に見えないマイクロクラ
ックが積み重なると、真空引き時に石英反応管の破壊に
つながる。従って、反応温度に近い温度領域において、
すなわち大きな温度変化を生ぜしめることなくClF3
ガスクリーニングを行うことが、石英反応管に対するダ
メージを最小限に抑える方法として非常に有効である。
【0030】次に、ClF3 ガスクリーニングに対して
行われたパーティクルの評価について説明する。ClF
3 ガスクリーニングのエッチング条件最適化を行った後
に、パーティクル評価を行ったのでその結果を示す。こ
の評価は同一の石英反応管にて成膜とClF3 ガスクリ
ーニングの繰り返しを行ったものである。図10に評価
手順及び図11にその結果を示す。この評価手順は、図
10に示すように、まず、石英反応管をHFによりウエ
ット洗浄し(S1)、その後、ベアウエハに対してN2
空シーケンスに行って、パーティクルチェックを2回行
う(S2)。
【0031】次に、このウエハにポリシリコンを厚さ1
μmプリコートし(S3)、この表面のパーティクルチ
ェックを2回行う(S4)。更に、上記ウエハ上にポリ
シリコンを厚さ9μm成膜し(S5)、この表面のパー
ティクルチェックを2回行う(S6)。
【0032】次に、ClF3 ガスのクリーニング処理を
行い(S7)、パーティクルチェックを4回行う(S
8)。そして、このS8からS3に戻り、同様な操作を
複数回、例えば4回繰り返す。この結果は、図11に示
されており、ウエット洗浄後、成膜後、ClF3 ガスク
リーニング後、それぞれにおいて目立ったパーティクル
の増加は見られず、良好な値を示している。従って、量
産工場での運用を考えた場合、石英反応管の脱着なし
で、つまりウエットクリーニングをしないで、ClF3
ガスクリーニングのみでの連続運用が可能であることが
判明する。
【0033】次に、コンタミネーションの評価について
説明する。従来、CVD反応チャンバー内にエッチング
ガスを導入することは行われていないが、これは反応チ
ャンバーの構造として一般的に石英反応管とステンレス
製マニホールドが用いられており、ClF3 によるステ
ンレス製マニホールドの腐食が懸念されたからである。
また、石英反応管内に残留した塩素(Cl)及びフッ素
(F)によるウエハの汚染も懸念されたからである。そ
こで、これらの評価を行った。
【0034】評価手順を以下に示し、その結果を図12
及び図13に示す。評価手順は、まず、反応管内に収容
したベアウエハ上に厚さ1μmのポリシリコンを成膜し
てサンプルAを作り、次に、この反応管をClF3 ガス
によりクリーニング処理する。
【0035】次に、このクリーニング処理後に、新たな
ベアウエハ上に厚さ1μmのポリシリコンを成膜してサ
ンプルBを作る。尚、この成膜時に反応管内壁にも厚さ
1μmの膜が付着することになる。更に、この膜が付着
した反応管を用いて新たなベアウエハ上に厚さ1μmの
ポリシリコンを成膜してサンプルCを作る。そして、上
記サンプルA、B、CをSIMS(二次イオン分質量分
析計)にかけて元素分析をしたところ図12及び図13
に示す結果を得た。
【0036】図12はFeのコンタミ評価を示すグラフ
であり、図12(A)はサンプルAの断面プロファイル
を、図12(B)はサンプルBの断面プロファイルを、
図12(C)はサンプルCの断面プロファイルをそれぞ
れ示す。また、図13はCl・Fのコンタミ評価を示す
グラフであり、図13(A)はサンプルAの断面プロフ
ァイルを、図13(B)はサンプルBの断面プロファイ
ルを、図13(C)はサンプルCの断面プロファイルを
それぞれ示す。
【0037】図12に示す結果より、サンプルA、B、
Cの全てにおいて、Fe成分は基準値よりも下回ってお
り、ステンレス鋼の主成分である鉄(Fe)については
全く問題ないことが判った。すなわち、ClF3 は液体
ガスであるためマニホールド表面に吸着した場合、炉口
開放時に持ち込まれる水分によりマニホールド表面が腐
食される可能性が考えられたが、全く問題ないことが判
った。
【0038】次に、残留塩素(Cl)及びフッ素(F)
によるウエハ汚染の問題であるが、図13に示すように
成膜された膜中には塩素(Cl)及びフッ素(F)は含
まれておらず、少なくともSIMS(質量分析計)の検
出下限値以下の成分量である。この評価においては、シ
リコン基板とポリシリコンの界面に塩素(Cl)及びフ
ッ素(F)のピークが見られ、クリーニング直後の場
合、特に大きなピーク値を示す(図13(B))。しか
しながら、同様の評価手法にてウエットクリーニングと
の比較を行った場合でも、クリーニング直後にシリコン
基板とポリシリコン界面の不純物(Cl・F)の面密度
が最大となることは相互とも同じである。
【0039】このように界面にピーク値が表れる理由
は、今回使用した評価ウエハに対しては前処理として希
フッ酸洗浄及び塩酸過水洗浄を行ったが、これらの前処
理を行うとウエハ最表面には必ず塩素(Cl)及びフッ
素(F)が吸着するためであると考えられる。そして、
半導体の製造工程の中には数多くのウエハ洗浄工程が入
るわけであるが、この場合、ウエハ最表面には必ず塩素
やフッ素が吸着しており、今までの実績からすると、上
記図13(A)、(B)、(C)に示すようなレベルで
は問題のないことが判っている以上のような結果から、
ClF3 ガスクリーニングをクラスタ装置へ適用するこ
とによりウエハの品質劣化を生ずることなく効率的生産
が可能であることが判明する。
【0040】次に、本発明に係る処理方法を説明する。
図1は本発明に係る処理方法を実施するための真空処理
装置集合体を示す概略平面図、図2は図1に示す処理装
置集合体を示す概略斜視図、図3は図1に示す処理装置
集合体中の一つの真空処理装置の一例を示す断面図、図
4は図1に示す処理装置集合体中の他の一つの真空処理
装置の一例を示す断面図、図5は図4に示す装置に用い
るヘッダ加熱手段を示す構成図である。
【0041】まず、本発明方法を実施するための真空処
理装置集合体の一例について説明する。本実施例におい
ては第1及び第2の2つの真空処理装置2A、2B、2
Cをロードロックバルブを介してそれぞれ共通の移載室
4に接続し、この移載室4に対してロードロックバルブ
を介して共通に連設された第1及び第2の予備真空室6
A、6Bを介して他の移載室8を設け、更にこの移載室
8に対してロードロックバルブを介して第1及び第2の
カセット室10A、10Bを連設して、いわゆるクラス
タ装置化して真空処理装置集合体を形成した場合を例に
とって説明する。
【0042】上記各真空処理装置2A、2Bは、被処理
体である半導体ウエハ表面に連続的に処理する時に必要
とされる装置の集合体であり、第1の真空処理装置2A
は処理、例えば一度に多数枚のウエハ表面上にポリシリ
コン(Poly−Si)層をCVDにより形成するバッ
チ式の処理装置であり、第2の真空処理装置2Bは処
理、例えば上記ポリシリコン層上にSiO2 層をCVD
により成膜する枚葉式の処理装置である。これら各種処
理装置は、この数量及び種類には限定されない。
【0043】まず、この処理装置集合体について説明す
ると、第1の移載室8の両側にはそれぞれロードロック
バルブとしてゲートバルブG1、G2を介して第1のカ
セット室10A及び第2のカセット室10Bがそれぞれ
接続されている。これらカセット室10A、10Bは処
理装置集合体のウエハ搬出入ポートを構成するものであ
り、それぞれ昇降自在なカセットステージ12(図2参
照)を備えている。
【0044】第1の移載室8及び両カセット室10A、
10Bはそれぞれ気密構造に構成され、両カセット室1
0A、10Bには、外部の作業室雰囲気との間を開閉し
て大気開放可能にそれぞれゲートドアG3、G4が設け
られると共に、コ字形の保持部材を有する搬出入ロボッ
ト15が設けられる(図2参照)。この搬出入ロボット
15は、図2に示すように外部で前向きにセットされた
ウエハカセット14を両カセット室10A、10B内に
搬入して横向きにセットするように構成されており、ウ
エハカセット14はカセット室10A、10B内に搬入
された後、カセットステージ12により突き上げられて
所定の位置まで上昇する。
【0045】第1の移載室8内には、ロボットアームと
して例えば多関節アームよりなる搬送アームとしての第
1の移載手段16と、被処理体としての半導体ウエハW
の中心及びオリフラ(オリエンテーションフラット)を
位置合わせするための回転ステージ18とが配設されて
おり、この回転ステージ18は図示しない発光部と受光
部とにより位置合わせ手段を構成する。
【0046】この第1の移載手段16は、上記両カセッ
ト室10A、10B内のカセット14と予備真空室6
A、6Bとの間でウエハを移載するためのものであり、
ウエハ保持部であるアームの先端部の両側には、ウエハ
Wを真空吸着するための吸引孔16Aが形成されてい
る。この吸引孔16Aは図示しない通路を介して真空ポ
ンプに接続されている。
【0047】上記第1の移載室8の後方側には、それぞ
れゲートバルブG5、G6を介して第1の予備真空室6
A及び第2の予備真空室6Bが接続されており、これら
第1及び第2の予備真空室6A、6Bは同一構造に構成
されている。これらの予備真空室6A、6Bは内部に、
ウエハ載置具と、これに保持したウエハを次の処理のた
めの例えば予備加熱する加熱手段と処理済ウエハを常温
方向に冷却する冷却手段とを備えており、必要に応じて
ウエハを加熱或いは冷却するようになっている。そして
上記第1及び第2の予備真空室6A、6Bの後方側に
は、ゲートバルブG7、G8を介して第2の移載室4が
接続されている。
【0048】前記第2の移載室4内には、第1及び第2
の予備真空室6A、6Bと3つの真空処理装置2A〜2
Cとの間でウエハWを移載するためのロボットアームと
して例えば多関節アームよりなる搬送アームとしての第
2の移載手段20が配置されている。この第2の移載室
20には、それぞれゲートバルブG9、G10を介して
図中左右に上記2つの真空処理装置2A、2Bが接続さ
れている。
【0049】次に、第1の真空処理装置2Aについて説
明する。この真空処理装置2Aは、前述のようにバッチ
式のホットウォール型縦型熱処理装置であり、例えばポ
リシリコン膜をCVDにより形成する。図3に示すよう
に処理容器22は円筒状に成形された石英製の内側管2
4とこの内側管24の外周に同心状に配置された有天井
の石英製の外側管26とにより構成され、この処理容器
22の外側には容器全体を巻回する如く配置された加熱
ヒータ28と断熱材30が設けられており、加熱炉32
を構成している。この加熱炉32全体は例えばステンレ
スにより被われる。そして、上記内側管26の内側に、
石英製のウエハボート33に所定のピッチで多数枚載置
した半導体ウエハWがロード・アンロード可能に収容さ
れる。
【0050】上記処理容器22の内側管24及び外側管
26の下端はそれぞれステンレスよりなる円筒状のマニ
ホールド34により支持されており、特に外側管26の
下端はOリング36を介して気密に支持されている。こ
のマニホールド34には処理ガスを処理容器22内へ導
入するための処理ガス導入ポート38、容器内の雰囲気
を真空引きするために真空ポンプ40に接続された排気
ポート42及び容器内へクリーニングガスを導入するた
めのクリーニングガス導入ポート44がそれぞれ個別に
独立させて設けられている。
【0051】上記マニホールド34の下端開口部は、例
えばステンレスよりなる蓋体46によりOリング48を
介して開閉可能に気密に被われている。この蓋体46に
はこれを気密に貫通した回転軸を介して石英製の保温筒
52が設けられ、この上に上記ウエハボート33が載置
される。そして、上記蓋体46はボートエレベータの如
き昇降手段50により昇降可能になされ、これと一体的
にウエハボート33も昇降されることになる。そして、
処理容器22の下方全体は、例えばステンレスよりなる
区画壁54により密閉されて、ロード・アンロード56
を形成しており、上記区画壁54の一側はゲートバルブ
G9を介して第2の移載室4に連設される。
【0052】一方、上記処理ガス導入ポート38には処
理ガスを供給するための処理ガス供給系58が接続さ
れ、上記クリーニングガス導入ポート44には、Cl
F、ClF3 、ClF5 等のClF系のガスをプラズマ
レスクリーニングガスとして供給するためのクリーニン
グガス供給系60がそれぞれ別個独立させて接続されて
いる。上記処理ガス供給系58は、本実施例においては
ポリシリコン膜を形成することからシラン(Si)系の
ガス、例えばSiH4 を供給するものであり、上記処理
ガス導入ポート38に接続される処理ガス導入通路62
は、途中に流量調整弁としての第1のマスフローコント
ローラ64A及び第1の開閉弁66Aを介して処理ガス
源68に接続される。
【0053】そして、この処理ガス導入通路62には途
中で分岐路70が形成されており、この分岐路70には
第2のMFC64B及び第2の開閉弁66Bが介設され
て不活性ガス源として第1の窒素源72Aに接続され、
後述するようにクリーニング時に不活性ガスを流すよう
になっている。尚、この不活性ガスは必要に応じて流さ
なくてもよい。上記クリーニングガス供給系60を構成
するクリーニングガス導入通路74は上記クリーニング
ガス導入ポート44に接続され、この導入通路74は途
中に流量調整弁としての第3のマスフローコントローラ
64C及び第3の開閉弁66Cを介してクリーニングガ
ス源76に接続されており、クリーニングガスとしてC
lF系のガス、例えばClF3 ガスをバブリングにより
気化させて供給し得るようになっている。上記クリーニ
ングガス導入通路74には途中で分岐路78が形成され
ており、この分岐路78には第4のマスフローコントロ
ーラ64D及び第4の開閉弁66Dを介して第2の窒素
源72Bが接続されて、必要に応じてクリーニングガス
を希釈して濃度を制御し得るように構成されている。
【0054】ところで、クリーニングガスとして用いる
ClF系ガス、例えばClF3 は沸点が+17℃程度で
あり、室温(+25℃)では液化してしまう。従って、
供給時には液体ClF3 を加熱しつつバブリングによっ
て気化させて供給するのであるが、供給系路においてこ
のガスが液化すると供給系路を回復させるために多くの
時間を費やしてしまって装置の稼働率が低下する。そこ
で、このクリーニングガスの液化を防止するためにクリ
ーニングガス導入通路78には例えばヒーティングテー
プをその通路全体に渡って巻回することによって形成さ
れた液化防止用加熱手段80が設けられており、ガスの
流れ方向に沿って次第に温度を高くするようにして温度
勾配がつけられる。
【0055】一方、上記ロード・アンロード室56を区
画する区画壁54の全体には、加熱手段として例えばセ
ラミックヒータ82が設けられており、例えばこのロー
ド・アンロード室56内をクリーニングする場合にはこ
の区画壁54の温度を上昇させて壁面にClF系ガスが
付着することを防止するようになっている。そして、上
記各マスフローコントローラ、開閉弁、液化防止用加熱
手段、セラミックヒータ等は、例えばマイクロプロセッ
サ等よりなる制御部84により予め記憶されたプログラ
ムに基づいて制御される。
【0056】特に、本実施例においてはクリーニング操
作によって消耗する消耗品、例えば石英製の内側管22
及び外側管26等の交換時期をクリーニング回数に対応
させて制御部84に予め記憶させてプログラミングされ
ており、所定の回数のクリーニングを行った時に、交換
指示を図示しない表示器等に出力するようになってい
る。この場合、1回のクリーニングによる各消耗品の消
耗量を予め測り、これに基づいて限界消耗量に何回のク
リーニングで達成するかを求めて交換すべきクリーニン
グ回数を決定し、これを予めプログラムしておく。例え
ば内側管24及び外側管26はそれぞれ2cm程度の厚
さに形成されており、1回のクリーニング毎に例えば5
μm程度の厚さで削られることから、例えば100回程
度のクリーニングを行った時に交換の指示を出力するよ
うに設定する。尚、この交換クリーニング回数は、各消
耗品によりそれぞれ対応させて別個に求められるのは勿
論である。
【0057】次に、第2の真空処理装置2Bについて説
明する。この真空処理装置2Bは、前述のようにウエハ
を1枚ずつ処理する枚葉式のコールドウォール型熱処理
装置であり、例えばSiO2 膜をCVDにより形成す
る。図4に示すように真空処理容器86は、例えはアル
ミニウムにより略円筒状に成形されて内部に真空処理室
90が形成され、処理容器86の一側壁にはゲートバル
ブG10を介して第2の移載室4が接続される。
【0058】この処理容器86内にはウエハWをその上
に載置するための例えばアルミニウム等よりなるウエハ
載置台92が容器底部より起立した支持筒94により支
持されて設置されている。ウエハ載置台92の上面周縁
部には、ウエハを保持する保持部材として保持リング9
6が設けられている。
【0059】上記ウエハ載置台92の下方の容器底部は
開口され、この開口部にはクオーツウィンドウ98が気
密に取り付けられ、この下方には加熱用のハロゲンラン
プ100が配設されている。そして、成膜工程時にはこ
のハロゲンランプ100からの光はクオーツウィンドウ
98を通って載置台92の裏面を照射し、この光エネル
ギでウエハWを所定の処理温度まで間接加熱するように
なっている。上記処理容器86の底部には、真空ポンプ
102に接続された排気通路104が接続されており、
必要に応じて処理容器86内を真空引きするようになっ
ている。
【0060】一方、処理容器86の天井部には、処理ガ
ス供給ヘッダ106を装着するための例えば円形の装着
孔108が設けられており、この装着孔108には例え
ばアルミニウムにより円筒状に成形された処理ガス供給
ヘッダ106が挿入され、その周辺部に形成したフラン
ジ部110を、Oリング112を介して天井部の円周縁
に支持させて気密に取り付け固定している。
【0061】この供給ヘッダ106の上部には処理ガス
を供給するための処理ガス供給系114と、ClF、C
lF3 、ClF5 等のClF系のガスをクリーニングガ
スとして供給するためのクリーニングガス供給系116
がそれぞれ別個独立させて接続されている。この供給ヘ
ッダ106内には、図示例にあっては水平に配置させて
その上方より仕切板118、拡散板120及び整流板1
22が順次設けられて3つの部屋52A、52B、52
Cに区画されている。
【0062】仕切板118の中央部には1つの連通孔1
18Aが形成され、拡散板120には、多数の拡散孔1
20Aがその全面に渡って分散させて形成され、更に整
流板122には多数の整流孔122Aがその全面に渡っ
て分散させて形成されている。この場合、拡散孔120
Aの直径は0.2〜1.5mm程度の範囲に設定されて
少ない密度で分散されているに対して整流孔122Aの
直径は拡散孔120Aよりも大きい0.5〜2.0mm
程度の範囲に設定されて大きな密度で分散されている。
また、連通孔118Aの直径は0.5〜3.0mm程度
の範囲に設定されている。従って、孔径と孔の分布を変
化させることによって上下の各部屋に渡って差圧を持た
せ、局所的に導入した複数の処理ガスを均等に混合し、
且つウエハ表面上に均等に供給するようになっている。
そのために、ウエハWの直径が約200mmである場合
には、整流板122の直径はこれよりも少し大きい値、
例えば220〜230mm程度に設定される。尚、これ
ら拡散板120或いは整流板122は、更に数を増やし
て多段に設けるようにしてもよい。上記供給ヘッダ10
6の内外面、仕切板118、拡散板120、整流板12
2及び処理容器86の内面は、クリーニング時にClF
系ガスが吸着することを防止するための表面研磨処理が
施されている。
【0063】上記処理ガス供給系114は、本実施例に
おいてはSiO2 膜を形成することから2種類の処理ガ
スを導入するために供給ヘッダ106に接続された第1
及び第2の処理ガス導入ポート124、126を有して
おり、これら各ポートにはそれぞれ第1及び第2のポー
ト開閉弁124A、126Aが介設されている。第1及
び第2の処理ガス導入ポート124A、126Aにそれ
ぞれ接続される第1及び第2の処理ガス導入通路12
8、130は、途中にそれぞれ流量調整弁としての第1
及び第2のマスフローコントローラ132A、132B
及び第1及び第2の開閉弁134A、134Bを介して
第1及び第2の処理ガス源136A、136Bにそれぞ
れ接続されている。本実施例においては、第1の処理ガ
スとしてSiH4 が、第2の処理ガスとしてO2 が使用
される。
【0064】また、上記第1及び第2の処理ガス導入通
路128、130にはそれぞれ途中で分岐路138A、
138Bが形成されており、各分岐路138A、138
Bにはそれぞれ第3及び第4のマスフローコントローラ
132C、132D及び第3及び第4の開閉弁134
C、134Dが介設されて、それぞれ不活性ガス源とし
て第1の窒素源140Aに共通に接続され、後述するよ
うにクリーニング時に不活性ガスを流すようになってい
る。
【0065】一方、上記クリーニンガス供給系116
は、供給ヘッダ106に接続されたクリーニングガス導
入ポート142を有しており、このポート142にはク
リーニングガスポート開閉弁142Aが介設されてい
る。このクリーニングガス導入ポート142に接続され
るクリーニングガス導入通路144は途中に流量調整弁
としての第5のマスフローコントローラ132E及び第
5の開閉弁134Eを介してクリーニングガス源146
に接続されており、クリーニングガスとしてClF系の
ガス、例えばClF3 ガスをバブリングにより気化させ
て供給し得るようになっている。上記クリーニングガス
導入通路144は途中で分岐路138Cが形成されてお
り、この分岐路138Cには第6のマスフローコントロ
ーラ132F及び第6の開閉弁134Fを介して第2の
窒素源140Bが接続され、必要に応じてクリーニング
ガスを希釈して濃度を制御し得るように構成される。そ
して、上記各マスフローコントローラ、開閉弁等は、例
えばマイクロプロセッサ等よりなる制御部84により予
め記憶されたプログラムに基づいて制御される。
【0066】また、クリーニングガスの液化を防止する
ためにクリーニングガス導入通路144には図3に示す
装置と同様に例えばヒーティングテープをその通路全体
に渡って巻回することによって形成された液化防止用加
熱手段148が設けられており、ガスの流れ方向に沿っ
て次第に温度を高くするようにして温度勾配がつけられ
る。
【0067】一方、処理容器86の内壁面や処理ガス供
給ヘッダ106の内外壁面は、ClF3 ガスの付着を防
止するために表面研磨処理されているとはいえ、付着を
完全に防止し得るものではない。そこで、ClF3 ガス
の付着を略完全に防止するために、図4及び図5に示す
ように処理ガス供給ヘッダ106にはヘッダ加熱手段1
50が設けられている。このヘッダ加熱手段150はヘ
ッダ側壁全体に渡って形成した媒体通路152とセラミ
ックヒータ154とにより形成されており、媒体通路1
52には最高温度で100℃の温水を流し、それ以上の
温度に加熱したい場合にはセラミックヒータ154に通
電することにより例えば100℃〜200℃程度の範囲
まで加熱するようになっている。
【0068】また、この媒体通路152は導入側で温水
側と冷水側に2つに分岐され、制御部84からの指令に
より切替弁156、158を操作することにより温水と
冷水を必要に応じて択一的に流し得るように構成されて
おり、成膜時には冷水を流すことによりヘッダ106を
冷却してこれに成膜されることを防止している。
【0069】また、処理容器86の壁部にも、上記した
ヘッダ加熱手段150と同様な構成の壁部加熱手段16
0が設けられ、この加熱手段160もセラミックヒータ
162及び媒体通路164により構成されて、この内壁
面への成膜及びクリーニング時のClF3 ガスの付着を
阻止するようになっている。
【0070】また、本実施例にあっては、クリーニング
ガスとしてClF系のガスを使用することからこのガス
に晒される部分、例えば処理容器86や、処理容器86
内のウエハ載置台92や保持リング96等は、ClF系
ガス耐腐食性材料で構成し、耐腐食性温度で用いなけれ
ばならない。
【0071】このような材料としては、ポリイミド、シ
リコンゴムは、使用することはできず、SiC、セラミ
ック系材料、テフロン、アルミナセラミック、石英ガラ
ス(200℃以下)、カーボン(300℃以下)等を使
用することができる。そして、上記各マスフローコント
ローラ、開閉弁、液化防止用加熱手段、ヘッダ加熱手
段、壁部加熱手段等は、前述と同様に制御部48により
制御される。
【0072】また、本実施例においては、クリーニング
操作によって僅かずつ損傷する構成部品、例えば載置台
92や保持リング96等の交換時期を、前述の消耗品と
同様にクリーニング回数に対応させて制御部84に予め
記憶させてプログラミングされており、所定の回数のク
リーニングを行った時に図示しない表示器等に出力する
ようになっている。この場合、1回のクリーニングによ
る各構成品の損傷量を予め測り、これに基づいて限界損
傷量に何回のクリーニングで達成するかを求めて交換す
べきクリーニング回数を決定し、これを予めプログラム
しておく。この交換クリーニング回数は、各構成部品の
損傷量によりそれぞれ対応させて別個に求められる。
【0073】ところで、クリーニング操作を行う場合に
は、各真空処理装置2A、2Cのみならず処理装置集合
体全体、すなわち第1及び第2移載室8、4、第1及び
第2の予備真空室6A、6B及び第1及び第2のカセッ
ト室10A、10Bも同様に或いは個別に行うことから
各室にも第1及び第2の真空処理装置2A、2Bに接続
されたクリーニングガス供給系60、116と同様に構
成されたクリーニングガス供給系166や真空排気系1
68がそれぞれ接続されている。また、各室には、図示
されないが、不活性ガスを室内へ供給するためのガス供
給管も接続されている。また、各室を区画する壁面や、
第1及び第2の移載室8、4内のアーム状の第1及び第
2の移載手段16、20にも加熱ヒータ(図示せず)が
それぞれ埋め込まれて、クリーニング時のClF系ガス
の付着を防止している。そして、これら各室における部
材もClF系ガスに耐腐食性のある前述した材料により
構成する。
【0074】次に、以上のように構成された装置に基づ
いて本発明の処理方法の一例について説明する。まず、
ウエハWを例えば25枚収容したカセット14が搬出入
ロボット15により第1のカセット室10A内のカセッ
トステージ12上に載置され、続いてゲートドアG3を
閉じて室内を不活性ガス雰囲気にする。
【0075】次に、ゲートバルブG1を開き、カセット
14内のウエハWが第1の移載手段16のアームに真空
吸着され、予め不活性ガス雰囲気にされている第1の移
載室8内にウエハを搬入する。ここで回転ステージ18
によりウエハWのオリフラ合わせ及び中心位置合わせが
行われる。
【0076】位置合わせ後のウエハWは、予め大気圧の
不活性ガス雰囲気になされている第1の予備真空室6A
内に搬入された後、ゲートバルブ5を閉じ、例えばこの
真空室6A内を10-3〜10-6Torrまで真空引き
し、これと共に30〜60秒間で500℃程度にウエハ
Wを予備加熱する。また、続いて搬入されてきた未処理
のウエハWは、同様にして第2の予備真空室6Bに搬入
され、予備加熱される。
【0077】予備加熱後のウエハWは、ゲートバルブG
7を開いて予め10-7〜10-8Toor程度の真空度に
減圧された第2の移載室4の第2の移載手段20のアー
ムにより保持されて取り出され、所望の処理を行うべく
予め減圧雰囲気になされた所定の真空処理装置内へロー
ドされる。
【0078】また、一連の処理が完了した処理済みのウ
エハWは、第2の移載手段20により保持されて真空処
理装置から取り出され、空き状態となった第1の予備真
空室6A内に収容される。そして、この処理済みのウエ
ハWは、この真空室6A内で所定の温度まで冷却された
後、前述したと逆の操作により処理済みのウエハを収容
する第2のカセット室10B内のウエハカセット14に
収容する。
【0079】そして、上記予備加熱されたウエハWは、
予めプログラムされた所望の順序に従って順次、成膜処
理が行われる。例えば、まず、第1の真空処理装置2A
にて例えばポリシリコン膜の成膜を行い、次に、第2の
真空処理装置2Bにて例えばSiO2 の成膜を行い、全
体の処理を完了する。
【0080】ここで、第1の真空処理装置2Aにおける
ポリシリコン膜の成膜操作について図3も参照しつつ説
明する。まず、第2の移載手段20によりウエハボート
33に積層載置された複数のウエハWは、昇降手段50
を上昇させることによりウエハボート33を処理容器2
2内へその下方よりロードし、蓋体46により内部が密
閉される。
【0081】そして、真空ポンプ40により内部を真空
引きし、所定の流量の処理ガス、例えばSiH4 ガスを
2 ガスで希釈しつつ供給して内部を所定の処理圧力に
維持し且つ加熱ヒータ28によりウエハWを所定の処理
温度に維持する。このようにして所定の時間だけ成膜処
理を行ってウエハ表面にポリシリコン膜を形成する。
【0082】このようにしてポリシリコン膜が成膜され
たウエハは、昇降手段50を駆動してウエハボート33
を降下させることにより処理容器内からアンロードし、
例えば前記したウエハ搬入経路と反対の経路を経て、例
えばカセット室のカセット等に一時的に保管しておく。
そして、次にこれらポリシリコン膜が形成されたウエハ
表面に第2の真空処理装置2BにてSiO2 膜の成膜を
行うべく、各ウエハは、1枚ずつ第2の真空処理装置2
B内へ搬入される。
【0083】まず、ハロゲンランプ100からの光エネ
ルギによりウエハ載置台92を加熱することによりこの
上に載置されているウエハWを所定の処理温度に維持
し、これと同時に真空ポンプ102により真空処理室9
0内を真空引きしつつ第1の処理ガス源136Aから第
1の処理ガスを、第2の処理ガス源136Bから第2の
処理ガスを、それぞれ流量制御しながら処理室90内へ
導入して内部雰囲気を所定の処理圧力に維持し、成膜処
理を行う。
【0084】本実施例では、例えば第1の処理ガスとし
てSiH4 が、第2の処理ガスとしてO2 が使用され、
第1の窒素源140Aからの窒素ガスにより所定の濃度
に希釈された或いは希釈されないSiH4 、O2 がそれ
ぞれ第1及び第2の処理ガス導入通路128、130を
介して処理ガス供給ヘッダ106の最上段の混合室内へ
導入される。混合室内へ導入された2種類の処理ガスは
ここで混合されつつ仕切板118の連通孔118Aを介
してその下段の拡散室へ導入される。この混合ガスは、
拡散板120の拡散孔120Aを介してその下段の整流
室へ導入され、その後、整流板122の整流孔122A
を介してウエハ表面全体に渡って均一に処理ガスを供給
する。
【0085】成膜処理時に処理ガス供給ヘッダ106の
温度や処理容器86の内壁の温度が高くなると、反応生
成物がウエハ表面以外のこの壁面等にも成膜してしま
う。これを防止するために、プロセス中において供給ヘ
ッダ106に設けた媒体通路152と処理容器86の壁
部に設けた壁部加熱手段160の媒体通路164にそれ
ぞれ約15℃程度の冷水よりなる冷媒を流して供給ヘッ
ダや処理容器の壁部を冷却し、これらに膜が形成されな
いようにしている。
【0086】さてこのようにウエハWの一連の処理を、
所定枚数、例えば数ロット行ったならば、各処理装置内
には僅かではあるが成膜が付着し、また、ウエハWの搬
送ルートにおいても処理済みウエハWの受け渡し時等に
成膜が剥がれてパーティクルとなって浮遊していたり底
部に沈殿する傾向となる。従って、このような欠陥の原
因となる不要部分への成膜や成膜片を除去するために、
クリーニング操作が行われる。このクリーニング操作
は、処理装置集合体全体を一度に行ってもよいし、また
は、特定の真空処理装置や搬送ルートの特定の部屋を個
別に行うようにしてもよい。また、このクリーニング操
作は、各処理装置における成膜の付着量に応じて行わ
れ、異なる時期に個別にクリーニングを行う場合もあ
る。
【0087】ここでは処理装置集合体全体を一度にクリ
ーニングする場合について説明する。成膜処理の終了に
より各真空処理装置2A、2Bの各処理ガス供給系5
8、114の各開閉弁を閉じ、対応する処理装置へ供給
していた処理ガスの供給が停止されている。
【0088】この状態で各室間を気密に閉じている各ゲ
ートベンを開くと、各室間に存在していた差圧により内
部に好ましからず気流が発生し、例えばパーティクル等
の飛散の原因となる。そのために、各ゲートベンを閉じ
た状態で、すなわち各室個別の気密状態を維持した状態
でそれぞれの室に個別に不活性ガス、例えばN2 ガスを
流す。
【0089】各真空処理装置2A、2Bの真空処理室に
2 ガスを流す場合には、これに接続された各処理ガス
供給系58、114に設けた第1の窒素源72A、14
0Aや各クリーニングガス供給系60、116に設けた
第2の窒素源から供給する。また、第1及び第2の移載
室8、4、第1及び第2のカセット室10A、10B及
び第1及び第2の予備真空室6A、6BにN2 ガスを流
す場合には、それぞれの室に接続した各クリーニングガ
ス供給系166の希釈用の窒素源から供給する。
【0090】このようにして各室内の圧力がN2 雰囲気
によりそれぞれ同圧、例えば大気圧になったならば、各
室間を区画しているゲートバルブG1、G2、G5〜G
10を開状態とし、処理装置集合体内全体を連通させ、
1つの連通された空間とする。この状態では、カセット
室10A、10BのゲートドアG3、G4はそれぞれ閉
じられており大気開放はされていない。
【0091】次に、この処理装置集合体にClF系ガ
ス、例えばClF3 ガスを含むクリーニングガスを流す
ことによりクリーニングを行う。この場合には、各真空
処理装置2A、2Cからクリーニングガスを供給しつつ
これを装置集合体全体に流し、下流側である両カセット
室10A、10Bの各真空排気系168から系外へ排気
する。すなわち、各真空処理装置2A、2Bに接続した
クリーニングガス供給系60、116の各クリーニング
ガス源76、146からClF3 ガスをバブリングによ
り発生させ、これを各マスフローコントローラ64C、
132Eにより流量制御しつつ各クリーニングガス導入
通路74、144に流し、各クリーニングガス導入ポー
ト44、142からそれぞれの処理容器22、86内へ
供給する。
【0092】集合体全体を一度にクリーニングする場合
は、第1の真空処理装置2Aにおいてはウエハボート3
3は処理容器22内から降下されてアンロードされてお
り、従って、クリーニングガスは主にロード・アンロー
ド室56内に流れ、これに浮遊している或いは落下して
いる膜片と反応して除去することになり、ゲートベンG
9を介して第2の移載室4に流入する。尚、この時、こ
の装置の真空ポンプ40も稼働すれば、一部のクリーニ
ングガスは内側管24内を上昇してこれと外側管26と
の管を流下するように流れるので、これら壁面に付着し
ている成膜を除去することができる。
【0093】一方、第2の真空処理装置2Bにおいて
は、クリーニングガスは供給ヘッダ106内を流下して
処理容器86内を流れ、ヘッダ壁面や処理容器の内壁或
いはウエハ載置台92、保持リング96等に付着してい
る成膜や膜片と反応してこれを除去しつつゲートバルブ
G10を介して第2の移載室4に流入する。
【0094】この移載室4に流入して合流したClF3
ガスは、次にゲートバルブG7、G8を介して第1及び
第2の予備真空室6A、6Bに流れ、更に、ゲートバル
ブG5、G6を介して第1の移載室8に流入する。そし
て、次にこのClF3 ガスはゲートバルブG1、G2を
介してそれぞれ第1のカセット室10Aと第2のカセッ
ト室10Bに分岐して流れ、最終的に各カセット室の真
空排気系116、116から真空引きされて排出され
る。
【0095】このようにしてクリーニングガスを流すこ
とにより、各処理容器内壁等に付着している成膜等は勿
論のこと、処理済ウエハ搬送途中において例えばウエハ
受け渡しの際に剥がれ落ちて移載室4、8、予備真空室
6A、6B、カセット室10A、10Bに浮遊している
膜片、或いは底部に沈降した膜片等を迅速に且つ効率的
にクリーニング除去することができる。従って、半導体
製品の歩留まりを大幅に向上させることが可能となる。
【0096】この場合、各クリーニングガス供給系から
のClF3 ガスの流量は例えば5リットル/分以下に設
定し、必要に応じてそれぞれのクリーニングガス供給系
の窒素源から窒素ガスを流量制御しつつ供給し、クリー
ニングガスを希釈する。また、このクリーニング時の内
部の圧力は例えば0.1〜100Torrの範囲内に設
定する。
【0097】ここで、ClF3 ガスが各処理容器の内
壁、区画壁、ヘッダ、各移載室4、8、予備真空室6
A、6B、カセット室10A、10Bの内壁等に付着し
ていると、クリーニング処理後に引き続いて行われる、
成膜時、或いはウエハ搬送時に、壁面から分離したCl
3 ガスが成膜中に取り込まれ、欠陥の原因となる。
【0098】そこで、ClF3 ガスの壁面への付着を防
止するために各部分は加熱される。図3に示す装置にあ
っては、加熱ヒータ28に電力を供給することにより、
内側管24と外側管を所定のクリーニング温度に加熱
し、また、区画壁54に設けたセラミックヒータ82に
通電することによりこの内面を所定のクリーニング温度
に設定し、これら壁面にClF3 ガスが付着することを
防止する。また、図に示す装置にあっては、供給ヘッダ
106の壁部に設けた壁部加熱段150の媒体通路15
2及び処理容器86の壁部に設けた壁部加熱手段106
の媒体通路164に例えば80℃程度の温水よりなる熱
媒体を流し、ヘッダ106や処理容器86を加熱する。
この場合、更に加熱する時にはヘッダに設けたセラミッ
クヒータ154や処理容器の壁部に設けたセラミックヒ
ータ162に通電し、クリーニング温度を高く設定す
る。また、ウエハ載置台92及びこの近傍はウエハを加
熱するのに用いるハロゲンランプ100を駆動すること
により、載置台92及びこの近傍を所定の温度まで加熱
することができる。この時のクリーニング温度は、例え
ばClF3 ガスの沸点温度である+17℃〜+700℃
の範囲内で設定する。
【0099】このようなクリーニング中における加熱は
他の室においても上記したと同様に行われる。すなわ
ち、各移載室、予備真空室、カセット室においてはそれ
ぞれの壁部に設けた各加熱ヒータを駆動することによ
り、そして、各アーム状の移載手段にはそれぞれに設け
た加熱ヒータを駆動することにより全体を前記した所定
の温度範囲内で加熱する。この場合、加熱温度は、使用
される材質がClF3 ガスに対して耐腐食性を発揮し得
る温度範囲に設定するのは勿論である。
【0100】このようにクリーニング操作中に処理装置
の供給ヘッダや処理容器壁面、移載室、予備真空室、カ
セット室の壁面等を加熱するようにしたので、クリーニ
ングガスがその壁面等に吸着することがなくなり、従っ
て、クリーニング終了後に再開される成膜処理において
成膜中に欠陥の原因となるClF3 ガスが取り込まれる
ことがなく、歩留まりを大幅に向上させることが可能と
なる。
【0101】また、各真空処理装置2A、2Bにおい
て、このクリーニングガスを流すと同時に、各処理ガス
供給系58、114に設けた第1の窒素源72A、14
0Aから不活性ガスとして窒素ガスを各処理ガス導入通
路62、128、130を介して供給する。この場合、
窒素ガスの供給圧力は、クリーニングガスの供給圧力よ
りも僅かに高く設定し、クリーニングガスが第2の処理
ガス導入通路側に逆流してこないようにする。このよう
に、クリーニング処理中に各処理ガス供給系に不活性ガ
スを流すことにより、クリーニングガスが逆流して処理
ガス導入通路の内面に付着することを防止することがで
きる。従って、クリーニング終了後に再開される成膜処
理時において成膜中にClF3 ガスが取り込まれること
がなく、上記した理由と相俟って歩留まりを一層向上さ
せることができる。
【0102】上記実施例にあっては、装置集合体を連通
させて一度にクリーニングを行う場合について説明して
いるが、前述のように各処理装置や各室をそれぞれゲー
トベンで区画密閉し、それぞれ単独でクリーニングする
こともできる。例えば第1の真空処理装置2A内にあっ
ては、これを単独でクリーニングする場合には、保温筒
52上にウエハボート33を載せた状態或いは載せない
状態でこれを処理容器22内へロードして内部を密閉し
ておく。この状態で、処理容器22内へ導入されたクリ
ーニングガスは、内側管24内を上昇して上部に至り、
これより内側管24と外側管26との間を流下して排気
される。この時、内側管24の両側面に付着している膜
や外側管26の内側面に付着している膜とクリーニング
ガスが反応し、成膜が除去されることになる。このよう
なクリーニング操作は、必要に応じて、或いは所定の枚
数のウエハを処理する毎に繰り返して行われることにな
る。
【0103】ところで、上述のようにクリーニング処理
を行うと、このClF系ガスは非常に反応性に富むこと
から不要な成膜を除去するのみならず、僅かずつではあ
るが第1の真空処理装置2Aにおける石英製の処理容器
22等の消耗品や第2の真空処理装置2Bにおける載置
台92や保持リング96等の構成部品と反応し、これら
を削ったり或いは損傷を与えたりする。ここで、本実施
例においては、この装置全体の動作を制御するための制
御部84に所定回数のクリーニング操作を行った時に消
耗品や構成部品を新たなものと交換するように指示を出
力するように予めプログラムが組み込まれている。
【0104】従って、上述したクリーニング操作が所定
回数行われたことに応答して制御部84は対応する消耗
品或いは構成部品の交換指示を操作者に対して出すこと
になる。このような交換するまでのクリーニング回数
は、各消耗品や各構成部品によって一般的には異なり、
それぞれ個別に決定される。交換までのクリーニング回
数を決定するには、1回のクリーニングにより生ずる部
品毎の消耗量や損傷量を予め測定し、これに基づいて各
部品毎の限界消耗量や限界損傷量に達するまでのクリー
ニング回数を決定する。
【0105】例えば、第1の真空処理装置2Aの石英製
の内側管24及び外側管26を例にとれば、例えばこの
厚みが2cmであって、1回のクリーニング操作で5μ
mの消耗が生ずるとすれば、100回のクリーニング操
作を行った時にこれら内側管24及び外側管26の交換
指示を出力させる。また、第2の真空処理装置2Cを例
にとれば、構成部品である載置台92及び保持リング9
6はそれぞれ50〜200回及び50〜200回のクリ
ーニング回数で交換指示を出力させる。このように予め
1回のクリーニングによる消耗量や損傷量を求めて、こ
れに基づいて消耗品や構成部品の交換時期を知らせるよ
うにしたので、適切な時期に部材の交換を行うことがで
きる。
【0106】従って、従来のように消耗や損傷の度合い
をチェックするための工程をなくすことができ、装置の
保守管理を効率的に行うことが可能となり、装置の稼働
率及びスループットも向上させることが可能となる。ま
た、本発明の保守管理方法を、複数の真空処理装置を寄
せ集めて連結したクラスタ装置に適用することにより、
消耗量や損傷量をチェックするために装置自体の稼働を
停止させることがなくなり、装置全体の稼働率を大幅に
向上させて、スループットも一層向上させることができ
る。
【0107】特に、ClF3 ガスを用いた、上述したよ
うな処理方法を半導体デバイスの量産工場であるクラス
タ装置に適用することにより、定期保守時間の大幅な削
減による生産性の向上で大きな効果を上げることができ
る。そして今後、半導体工場のFA化或いは無人化が進
むにつれてクリーニングの技術は、ますます重要になっ
てくるので、上述のようなクリーニング方法を採用する
ことにより、生産性の高い半導体工場の実現に寄与でき
る。
【0108】尚、上記実施例にあっては、消耗品として
石英製の処理容器すなわち内側管24と外側管26を、
構成部品として載置台92と保持リング96を例にとっ
て説明したが、これらに限定されず、クリーニングに起
因して交換する必要性の生ずる全ての部材について適用
し得るのは勿論である。また、上記実施例にあっては、
クリーニングガスとしてClF系ガスを用いた場合につ
いて説明したが、これに限定されず、他のクリーニング
ガス、例えばNF3 等を用いた場合にも適用し得る。
【0109】また更に、本発明方法は、CVD装置のみ
ならず、スパッタ装置、LCD装置、拡散装置等にも適
用可能である。また、上記実施例にあっては真空処理装
置を例にとって説明したが、本発明は常圧の処理装置に
も適用し得る。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のように優れた作用効果を発揮することができる。第
の発明によれば、所定の回数のプラズマレスガスクリー
ニング操作を行ったことに応答して処理室内の構成部品
や消耗品を交換するようにしたので、損傷量や消耗量の
チェックのための検査を行う必要がなく、適切な時期に
交換作業を行うことができ、保守点検を効率的に行うこ
とができる。従って、装置の稼働率を向上させてスルー
プットを上げることができる。第の発明によれば、複
数の真空処理装置を集合させた集合体において、クリー
ニング回数に応答させて装置内部の消耗品や構成部品を
交換するようにしたので、消耗量や損傷量チェックのた
めの検査を行う必要がなく、保守点検効率を向上させる
ことができる。従って、装置全体の稼働率を向上させ
て、スループットを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理方法を実施するための真空処
理装置集合体を示す概略平面図である。
【図2】図1に示す処理装置集合体を示す概略斜視図で
ある。
【図3】図1に示す処理装置集合体中の一の真空処理装
置の一例を示す断面図である。
【図4】図1に示す処理装置集合体中の他の一つの真空
処理装置の一例を示す断面図である。
【図5】図4に示す装置に用いるヘッダ加熱手段を示す
構成図である。
【図6】ClF3 の蒸気圧曲線を示すグラフである。
【図7】ウエットクリーニングとClF3 ガスクリーニ
ングに要する総合時間を比較するグラフである。
【図8】各種成膜のClF3 ガスによるエッチングレー
トを示すグラフである。
【図9】ウエットクリーニングとClF3 ガスクリーニ
ングの場合の表面粗さの測定結果を示すグラフである。
【図10】パーティクル評価の手順を示すフローチャー
トである。
【図11】パーティクル評価のための測定結果を示すグ
ラフである。
【図12】ClF3 ガスクリーニング時のFeのコンタ
ミ評価を示すグラフである。
【図13】ClF3 ガスクリーニング時のCl・Fのコ
ンタミ評価を示すグラフである。
【符号の説明】
2A 第1の真空処理装置 2B 第2の真空処理装置 4 第2の移載室 8 第1の移載室 10A 第1のカセット室 10B 第2のカセット室 22 処理容器 24 内側管(消耗品) 26 外側管(消耗品) 32 加熱炉 58 処理ガス供給系 60 クリーニングガス供給系 68 処理ガス源 86 真空処理容器 90 真空処理室 92 載置台(構成部品) 96 保持リング(構成部品) 114 処理ガス供給系 116 クリーニングガス供給系 136A 第1の処理ガス源 136B 第2の処理ガス源 146 クリーニングガス源 W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空処理容器内に、被処理体を収容して
    処理する方法において、1回のプラズマレスガスクリー
    ニングにより生ずる前記真空処理容器内の構成部品や消
    耗品の損傷量や消耗量をそれぞれ予め測定し、この損傷
    量や消耗量に基づいて前記構成部品または消耗品の限界
    損傷量や限界消耗量に達するまでのプラズマレスガスク
    リーニング回数を求め、この回数だけラズマレスクリ
    ーニングしたことに応答して、前記真空処理容器内の構
    成部品または消耗品の少なくとも一品を交換するように
    構成したことを特徴とする処理方法。
  2. 【請求項2】 被処理体を処理するための、内側管と外
    側管とよりなる真空処理容器を有する第1の真空処理装
    置と、処理室内に、前記被処理体を載置する載置台とこ
    の載置台に載置された前記被処理体を保持する保持部材
    を有する第2の真空処理装置と、前記第1及び第2の真
    空処理装置にロードロックバルブを介して連設されて前
    記被処理体を搬入・搬出するためのロボットアームを有
    する移載室と、複数枚の前記被処理体を収容可能なカセ
    ットを収容するカセット室とを有する真空処理装置集合
    体により処理する方法において、1回のクリーニングに
    より生ずる前記真空処理容器内の消耗品の消耗量や前記
    真空処理室内の構成部品の損傷量を予め測定し、前記消
    耗量や損傷量に基づいて前記消耗品と前記構成部品のそ
    れぞれの限界消耗量や限界損傷量に達するまでのクリー
    ニング回数を求め、この回数だけクリーニングしたこと
    応答して、少なくとも前記内側管と前記外側管を含
    む、前記真空処理容器内の消耗品または少なくとも前記
    載置台と前記保持部材を含む、前記真空処理室内の構成
    部品を交換するように構成したことを特徴とする処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記クリーニングはClF3 ガスを用い
    たクリーニングであることを特徴とする請求項1または
    記載の処理方法。
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