JP3049426U - 表面化粧シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】木粉と樹脂を混合形成した母材、または金属母
材等の表面に、スライスした天然木材シートを接着し
て、温かい無垢木材の感触を出す表面化粧シートであっ
て、木材を薄くスライスした省資源の材料シートによる
表面化粧シートの構成についての考案である。 【解決手段】予め天然木材を０、２乃至０、３ｍｍに薄
くスライスした木材シート１、２の片面の全面に補強シ
ート４、５を接着し、その後木目に直角方向の接続には
鋸刃状の凹凸３を形成し、鋸刃の凹凸を噛み合せて突き
合わせ、噛み合せ部に補強シート側より薄い接続テープ
６を接着接続して、大面積の表面化粧シートを構成する
もので、従来の表面化粧シートに比べ、天然木材資源の
有効活用と合理的生産が可能な木材シートの構成によ
り、安価に多量にまた良質な表面化粧シートの供給がで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家具や建築用材の母材の表面に接着して、天然無垢木材の感触を現 出する表面化粧シートについての考案である。

【０００２】

【従来の技術】

通常、家具や建築用材料は、天然の木材が使用されていたが、多量の木材伐採 により、自然環境の破壊を促進する懸念から、近年は木材粉と樹脂を混合成形し た材料、または金属材料を母材として使用し、母材表面に、ナラ、オーク、タモ 、黒檀、紫檀などの天然木材を、厚み０、６ｍｍ程度にスライスした木材シート に加工を施して、厚みを０、２乃至０、３ｍｍとした表面化粧シートを接着して 、材料があたかも天然無垢木材の如き、温かい感触を現出して、家具や建築用材 料として使用されている事は周知である。 本考案は、母材の表面に接着する表面化粧シートに関する構成の考案であり、以 下に従来の表面化粧シートの構成を、製造工程順に詳述する。 一般に天然木材を一定の厚みにスライスする場合、木材の太さや長さによって 、スライスした木材シートの、幅や長さが異なるとともに面積が小さいため、表 面化粧シートとして使用する場合には、木材シートを接続して大面積とする必要 がある。接続方法としては、縦方向、即ち木目に平行な方向を接続する場合は、 スライスをした木材シートの、木目に平行な方向に直線に切断をし、端面を突き 合わせて接続しても、外見上木目に違和感は極めて少ないが、横方向即ち、木目 に対し直角方向の接続は、突き合わせて接続したのでは、異なった木目が目立ち 違和感が顕著に現れる。またスライスした天然木材シートのみでは脆く、破れ、 割れ、反り、崩れ等が起こる憂いがある。このためシート裏面に補強シートの接 着や、木目に直角方向の接続方法等には工夫がなされている。 以下、従来の表面化粧シートの構造を製造工程にしたがって、図２によって説 明をする。 図２（ヘ）は、接続前の、木材シートの木目に対して直角方向の接続部の端面を 平面図で示したもので、図２（ト）は、図２（ヘ）の木材シートの矢視線Ｂ−Ｂ を断面図で示した。 予め、０、６ｍｍ程度の厚みに、天然木材をスライスした木材シート７、と他 の木材シート８は、木目に直角に接続する端面を、夫々鋸刃状の凹凸９を構成し 、凹凸が互いに噛み合う様に形成する。 図２（チ）は、木材シートを接続した状態を断面図で示した。前述の木材シー ト７と、別の木材シート８の、鋸刃状の凹凸９を互いに噛み合せて同一面とし、 木材シート７と、木材シート８の片面より噛み合せ部へ、和紙等による厚み０、 １ｍｍ程度の接続テープ１０の接着により、木材シート７と他の木材シート８を 接続する。 次に、図２（リ）は、接続テープにより接続した木材シートの破れ、割れ、崩 れや、温湿度等による反り等を防止するために、図２（チ）によって木材シート ７、と他の木材シート８を接続テープ１０によって接着した反対側より、木材シ ート全面に和紙等による厚み０、１ｍｍ程度の補強シート１１を接着した状態を 断面図で示した。 図２（ヌ）は、表面化粧シートとしての完成状態を断面で示したもので、図２ （リ）において接着した接続テープ１０側より、研削加工によって、接続テープ １０の全てと、木材シート７、および他の木材シート８を削り、当初の木材シー トの厚み０、６ｍｍを、０、２乃至０、３ｍｍになるように削り、家具、建築材 の母材の角部や、多少の凹凸に柔軟に張付け接着が容易なように、木材シートの 厚みを薄く加工を施して表面化粧シートとする。 図２（ル）は、表面化粧シートを母材の表面に接着した使用状態の局部断面の 説明図である。表面化粧シート７、８は、補強シート１１面を木材粉と樹脂を混 合成形した材料、または金属材料の母材１２の表面に接着して家具や建築用材料 として使用をする。 以上、加工工程順に表面化粧シートとしての構成を工程順に説明したように、 予め０、６ｍｍの木材シート７、８を、接続テープ１０の接着によって木目に直 角な方向を接続し、その後、木材シート７、８の接続テープ１０の反対側より、 補強シート１１を全面に接着して補強し、その上で最終工程では、接続テープ１ ０の全てと、木材シート７、８の厚みの多くを研削加工を順に施しつつ、通常で は、木目に直角方向の化粧シートの幅は６００ｍｍ、９００ｍｍ等の寸法とし、 木目に平行の長手方向は３００ｍ、５００ｍ等のロール巻状態にして、家具、建 築メーカーに供給を行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来例による表面化粧シートでは、予め天然木材を０、６ｍｍ程度にスライス した木材シートが必要であるが、日本が輸入している木材が、世界の自然環境の 破壊を促進する懸念があり、その貴重な資源を従来の表面化粧シートの製造工程 では、研削加工を施して厚みを、０、２乃至０、３ｍｍまで当初の全厚のほぼ、 １／２乃至２／３までを屑として捨てている。 更に、一旦接続した接続テープ１０を削り取るために研削加工を施す工程により 材料の消耗による価格の上昇や多量生産の妨げ等の支障となっていた、本考案は これらの問題を解決するものとしての表面化粧シートの構成を考案した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このように表面化粧シートの構成は、その製造工程と関連が深い。 本考案の表面化粧シートの構成は、予め準備する天然木材シートを当初より必要 とする厚みの０、２乃至０、３ｍｍにスライスした木材シートとし、先ず木材シ ートに補強シートを接着し、接続部分の凹凸を加工し、その上で接続テープによ り接続をするもので、従来より木材シート、接続テープの厚みを薄くして材料を 節減し、製造工程では研削工程を無くしたもので、本構成による表面化粧シート の製造は大幅に簡略化され、従来と同品質の表面化粧シートが大量に、安価に供 給できるものとした。

【０００５】

【作用】

本考案の構成による表面化粧シートでは、スライスする木材シートは、従来に 比べて、薄いため同面積で２枚乃至３枚の表面化粧シートが得られ、貴重な地球 資源使用の節減が図れるとともに、構成材料の接続テープを従来より薄くして材 料費を節約し、研削加工を無くして廃却する材料を無くすなどにより低価格化を 実現し、従来と同一品質の表面化粧シートを得るものである。

【０００６】

【実施例】

本考案による表面化粧シートの、構成および製造工程を図１によって詳述する 。 図１（イ）は、接続前の木材シートの木目に対して直角方向の端面切断形状の鋸 刃状を平面図で示し、（ロ）は、図１（イ）の矢視線Ａ−Ａを断面で示した側面 図である。 図１（イ）において、天然木材のナラ、オーク、タモ、黒檀、紫檀等の木材を 、厚み０、２乃至０、３ｍｍにスライスした木材シート１、および他の木材シー ト２は、片面を厚み０、０６乃至０、１２ｍｍ程度の薄い抗張力、屈曲性の優れ た和紙等による補強シート４、５を、予め酢酸ビニールエマルジョン等の接着剤 によって接着し、木材シート１、２の破れ、割れ、崩れ等の変形や、温度、湿度 等による反りを予め防止すると同時に、製造工程内での木材シートの取扱性を容 易にするために補強をする。 次に木材シート１と、他の木材シート２の木目に直角方向に接続する端面は、 互いに鋸刃状の凹凸３を形成する。なお木目に平行に接続する部分は前述の如く 目立たないために、端面を直線に切断して突き合わせて、補強シート４、５によ って、予め平面に接着している。またこの鋸刃状の凹凸３を形成する場合におい ても、補強シート４、５によって木材シートの破れ、崩れ等の変形はなく、容易 に加工ができる。 次に図１（ハ）は、木材シートの端面の鋸刃状を互いに噛み合せて突き合わせ た状態を断面で示したもので、木材シート１と、他の木材シート２の木目に直角 方向の端面の鋸刃状の凹凸３を互いに噛み合せて突き合わせ、平面状態とする。 この工程では、木材シート１、２は厚みが薄いが、裏面の補強シート４、５が接 着されているために、前述の破れや崩れ等の憂いは全くなく、製造工程内での取 扱いも極めて容易である。 図１（ニ）は、接続した木材シートに捕強シート４、５側より、接続テープ６ を接着した状態を断面図で示したもので、前工程で突き合わせた木材シート１、 および２の、補強シート４、および５側より、平面状態に係合した鋸刃状の凹凸 ３を噛み合せた部分に、厚み０、０２乃至０、０８ｍｍ程度の薄い和紙による接 続テープ６を接着して、木材シート１と、他の木材シート２を接続する。この場 合に接続テープ６と、補強シート４、５とは互いに同材質の和紙であるため強固 に接着ができる。以上の構成による加工を順次行い、木目に直角方向の化粧シー トの幅は６００ｍｍ、９００ｍｍ等の寸法とし、木目に平行の長手方向は３００ ｍ、５００ｍ等のロール巻状態にして、表面化粧シートを完成させ、家具、建築 材の製造メーカーに供給をする。 図１（ホ）は家具、建築材メーカーが、母材に本考案の表面化粧シートを接着 した状態を局部的に示した図である。木材シート１、２は補強シート４、５を施 し、接続部は接続テープ６によって接続したものを、木材粉と樹脂を混合成形し た材料、または金属材料の母材１２の表面に接着を行うが、図１（ニ）において 接続テープ６は、補強シート４、５側より接着するために接続テープ６の厚みが 凸状となっていたが、母材に接着した状態では、補強シート４、５および接続テ ープ６は互いに柔軟性の材質であるために、接続テープ６は補強シート４、５内 に埋もれてしまい、母材１２の面や角に良く密着した張付けができる。なおこの 後、木材シート１、２側の表面に防湿性被膜等のコーティングを施して家具、建 築用材料として使用している。 なお、補強シート４、５、および接続テープ６の材料は抗張力、柔軟性、接着 性の優れた材料として和紙が一般には使用されているが、和紙と同様な特性を有 する別の材料に変えても、同じ効果がでる事は当然である。 また補強シートの厚みと、接続テープの厚みは母材の形状、材質により、また母 材との接着時に、前述の補強シート内に接続テープの埋もれる状態、即ち補強シ ート、接続シートの硬度差によって異なり、補強シートは０、０６乃至０、１２ ｍｍに、接続テープは０、０２乃至０、０８ｍｍの間から相互に選択使用するこ とになる。 以上の如く、従来の表面化粧シートと本考案による表面化粧シートの構成を比 較すると、準備する木材シートの厚みを、０、６ｍｍのものを、厚み０、２乃至 ０、３ｍｍの薄い天然木材をスライスしたシートと省材料化の構成とし、また製 造工程では、先ず木材シートに補強シートの接着を施して工程内での作業性を良 くし、研削工程を省略するなど、従来の表面化粧シートの構成による工程に比べ て、取扱性が良く、短工程で、また廃却する消耗材料がなく、連続生産が可能で 、接続テープの省材料等により安価となり、良品質なものを多量に供給が可能な 表面化粧シートとした。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による表面化粧シートの構成と製造工程
を図示した。（イ）は、接続前の天然木材シートの木目
に対して直角方向の接続部の端面の切断形状の鋸刃状凹
凸を平面図で示した。（ロ）は、図１（イ）の矢視線Ａ
−Ａを断面図で示した。（ハ）は、木材シートの端面の
鋸刃状を係合した状態を断面で示した。（ニ）は、接続
した木材シートの補強シート側より接続テープを張り付
けた状態を断面図で示した。（ホ）は、母材に表面化粧
シートを接着した状態を局部的に断面で図示した。

【図２】従来の表面化粧シートの構成と製造工程を図示
した。（ヘ）は、接続前の天然木材シートの木目に対し
て直角方向の接続部の端面の切断形状の鋸刃状凹凸を平
面図で示した。（ト）は、図２（ヘ）の矢視線Ｂ−Ｂを
断面図で示した。（チ）は、木材シートを突き合わせ、
片面より接続テープにより接続した状態を断面図で示し
た。（リ）は、接続した木材シートの接続テープの反対
側より全面に補強シートを張り付けた状態を断面図で示
した。（ヌ）は、木材シートの接続テープ側より接続テ
ープ全部と木材シートの上面を研削加工により削り取っ
た状態を断面図で示した。（ル）は、母材に表面化粧シ
ートを接着した状態を局部的に断面で図示した。

【符号の説明】

１ 木材シート ２ 木材シート ３ 鋸刃状の凹凸 ４ 補強シート ５ 補強シート ６ 接続テープ ７ 木材シート ８ 木材シート ９ 鋸刃状の凹凸 １０ 接続テープ １１ 補強シート １２ 母材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】家具、建築用母材の表面に接着して天然無
   垢木材の感触をだす表面化粧シートにおいて、天然木材
   をスライスした木材シートの片面全面に柔軟性の補強シ
   ートを接着し、木材シートの木目に直角方向の接続を、
   木材シート端面に鋸刃状の凹凸を設け、該鋸刃状の凹凸
   を互いに噛み合せ、噛み合せ部の補強シート側より、該
   噛み合せ部に接続テープを接着して、木材シートの木目
   に直角方向の接続をしてなる表面化粧シート。
2. 【請求項２】家具、建築用母材の表面に接着して天然無
   垢木材の感触をだす表面化粧シートにおいて、天然木材
   をスライスする木材シートの厚みを、０、２乃至０、３
   ｍｍとし、片面全面に厚み０、０６乃至０、１２ｍｍの
   柔軟性の補強シートを接着し、木材シートの木目に直角
   方向に接続した部分に、厚み０、０２乃至０、０８ｍｍ
   の接続テープを補強シート側より接着したことを特徴と
   した表面化粧シート。