JP3049276U - 焦電型赤外線センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】従来の焦電型赤外線センサは、焦電素子と配線
基板との間に支持台となる独立した単一構成部品を必要
とし、焦電型赤外線センサの品質特性を安定させる為
に、その位置，サイズ等の精度が求められていた。 【解決手段】配線基板６の焦電素子４を実装する面の焦
電素子支持部に、あらかじめバンプ５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、人体、炎等より発せられる赤外線を検知する焦電型赤外線センサの 構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

焦電型赤外線センサは、赤外線エネルギーの温度変化に応じて、電気信号が現 れる焦電効果を利用したものである。 図４に、従来の一般的な焦電型赤外線センサの各構成部品の組み合わせ構成図 を示す。 印刷等の技術により、回路が配線してある配線基板の焦電素子を支持する為の 支持台を導電性の接着剤にて接着し、その上に同じく導電性の接着剤を塗布し、 焦電素子が実装される。この焦電素子の表、並びに、裏面には、蒸着等の技術に より、受光電極が形成されている。焦電素子を実装する面の反対側の配線基板の 面には、この焦電素子より得られた信号を出力信号へと変換するＦＥＴと抵抗等 の部品をチップ部品自動実装機により実装される。これらの各構成部品が、実装 される配線基板は、電源供給端子、出力端子、アース端子等の各端子を具備した 金属製のステムと半田付け等の技術により、電気的に接続並びに機械的に支持固 定される。このようにして組み立てられた製品は、図５の断面図に示す様に人体 等より発せられる赤外線を透過させるシリコン等のフィルターを窓部に接着され たＣＡＮとかん合、溶接されて気密に且つ固定されている。この構造により、焦 電素子は、配線基板との空間を支持台で保つことができ、焦電素子自身が吸収し た赤外線、熱をダイレクトに配線基板側へ損失することなく人体検知時に高い信 号出力を得ることが出来る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが人体検知時に高い信号出力を得るための支持台は、その形状、寸法を 正確に作成し、焦電素子を実装した時に、焦電素子が傾くことなく精度良く作る ことを求められていた。又、焦電素子を実装する前に一度支持台を導電性の接着 剤にて接着、乾燥するという工程を必要とし、さらには、その支持台を実装する 位置は、焦電素子が焦電型赤外線センサとしての的確な位置に実装しなければな らない実装位置精度も求められていた。この支持台の材質に於いても、配線基板 と焦電素子の熱膨張のストレスを低減し、熱伝導のロスを抑え、焦電型赤外線セ ンサの各種電気的特性を向上させる材質を選択する必要があった。又、支持台の 数は、一つでは焦電型赤外線センサとして成り立たず少なくとも二つ以上準備す る必要があった。このように支持台ひとつに於いても、その役割は重要でこれら の条件を満足しなければ安定した品質、特性を有する焦電型赤外線センサとして 成り立たないという問題点があった。本考案は、これらの問題点を解決する為に 成されたものであり、その意図とするところは、支持台という独立した単一の構 成部品を使用することなく、焦電素子と配線基板との空間を保ち、焦電素子の実 装位置を確実とし、安定した品質、特性を有する焦電型赤外線センサを提供する ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前途の課題を解決するため図１に示す様に、配線基板の焦電素子を 実装する面の焦電素子支持部に、蒸着やメッキ技術により形成したバンプ又は、 ワイヤーバンピング法にて形成されたバンプ（以下、バンプという。）を具備し たことを特徴とする焦電型赤外線センサである。

【０００５】

【考案に実施の形態】

本考案は、前途の配線基板を用いることにより、この配線基板のバンプへ、直 接導電性の接着剤を塗布し、その上に焦電素子を実装するという簡素的な組立工 程で、従来の焦電型赤外線センサの支持台と同等以上の焦電素子の実装位置精度 、各種電気的特性、安定した品質等の各重要ポイントを満足することができる。

【０００６】

【実施例】

図１に、本考案の焦電型赤外線センサの組み合わせ図を示す。図２には、本考 案の焦電型赤外線センサの断面図を示す。以下、図１にて本考案の構成を具体的 に述べる。 配線パターンの印刷された配線基板の裏背面側には、ペースト上の半田をメタル スクリーンを用いてスクリーン印刷等の技術により半田塗布され、半田塗布部分 にチップ自動実装機を用いてＦＥＴ、抵抗等の部品を実装し、リフロー炉にて半 田付けし、これらの部品は電気的に接続し、機械的に固定される。これら電子部 品が実装された配線基板は、電源供給端子、出力端子、アース端子等の各端子を 具備した金属製のステムと半田付け等の技術により、電気的に接続並びに機械的 に支持固定される。この様にして組み立てられた製品の配線基板の表面側の焦電 素子を実装する支持部分には、あらかじめバンプが具備してある。このバンプは 、焦電素子の両短辺を支持出来る様に片方の短辺に二つ、もう片方の短辺に二つ 合計四つが配線基板の焦電素子を実装する表面に備わっている。このバンプの材 質は、金属より成り配線基板の配線パターンと同一材質で、配線基板の表上面か らの高さは、０．２ｍｍ、四つの高さバラツキは、±０．０２ｍｍに保たれてい る。このバンプ上へ、導電性の接着剤を塗布し、その上へ焦電素子をを実装する 。この場合、バンプは、焦電素子の各短辺側にそれぞれ二つずつ備わっているた めに、焦電素子は傾く事なく実装され配線基板との空間を保つことができる。又 、焦電素子の実装位置は、配線基板上のバンプよりあらかじめ決定され正規の位 置に精度良く納めることができる。又、焦電素子と配線基板との熱膨張係数との 違いを緩和、吸収させるためにフレキシブルな導電性接着剤を用いることで、こ の熱膨張係数の違いによるストレスを抑えている。このようにして組み立てられ た製品は、人体等より発せられる赤外線を透過させるシリコン等のフィルターを 窓部に接着されたＣＡＮとかん合、溶接されて気密に且つ固定されている。 本実施例に於ける焦電型赤外線センサと、従来の支持台という独立した単一の 構成部品をしようした焦電型赤外線センサの特性比較を行った結果を（表１）に 示す。─────┬───────┬───────┬───────┐ 尚、表中の信号出力、雑音出力、バランス出力は、従来品の出力を１とした場 合の相対比較で表した。この結果によれば、全項目に於いて、本考案の焦電型赤 外線センサは、従来品と同等もしくは、同等以上の特性が、得られることが分か った。これは、焦電素子の位置が安定し、効率良く赤外線を信号出力として出力 できたこと、バンプで支持点の位置が固定され不安定要素がなくなり、バランス 出力を低く抑えることが本考案の効果として伺える。又、図１のような位置にバ ンプを設けなくとも図３に示すようにバンプを焦電素子の四隅の位置に設けるこ とでも本考案の実施例と同等の効果、実力を得ることができた。 尚、この度の実施例の場合は、バンプの配線基板の表上面からの高さは、０． ２ｍｍ、四つの高さバラツキは、±０．０２ｍｍで作製した場合を例に取ったが 、同様な検証を行った結果によりバンプの高さは、０．０５〜０．７ｍｍでも配 線基板と焦電素子との空間を保つことができ同様な効果も確認できた。

【０００７】

【考案の効果】

本考案により、支持台という独立した単一の構成部品を使用することなく、配 線基板上にあらかじめバンプを備えることにより、焦電素子と配線基板との空間 を保ち、焦電素子の実装位置を確実とし、安定した品質、特性を可能とした焦電 型赤外線センサを提供できる効果がある。これらに於いて本考案は、工業的に価 値がある。 （表１） ┌──────────────┬────┬────┬────┬────┐ │ 項 目 │信号出力│雑音出力│バランス│サンプル│ │ │ │ │ 出力 │ 数 │ │タイプ │ │ │ │ｐｃｓ．│ ├──────────────┼────┼────┼────┼────┤ │本考案の焦電型赤外線センサ │１．０１│ １ │０．９４│ １００ │ ├──────────────┼────┼────┼────┼────┤ │従来の焦電型赤外線センサ │ １ │ １ │ １ │ １００

【図面の簡単な説明】

図１本考案の焦電型赤外線センサの構成部品の組み合わ
せ図。 図２本考案の焦電型赤外線センサの断面図。 図３本考案の焦電型赤外線センサの他の実施例の構成部
品の組み合わせ図。 図４従来の焦電型赤外線センサの構成部品の組み合わせ
図。 図５従来の焦電型赤外線センサの断面図。

【符号の説明】 １：フィルター ２：ＣＡＮ ３：受光電極 ４：焦電素子 ５：バンプ ６：配線基板 ７：配線パターン ８：抵抗 ９：ＦＥＴ １０：ステム １１：アース端子 １２：出力端子 １３：電源供給端子 １４：フレキシブな導電性接着剤 １５：支持台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】焦電効果を有する焦電素子、ＦＥＴ、抵抗
   を実装する配線基板の焦電素子を実装する面の焦電素子
   支持部に、蒸着やメッキ技術により形成したバンプ又
   は、ワイヤーバンピング法にて形成されたバンプを具備
   したことを特徴とする焦電型赤外線センサ。