JP3048758U - 情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビテオテープレコーダなどの情報記録再生装
置において、フロントパネルをデッキケースの前端に取
り付ける作業を、カセットドアを閉じたまま行えるよう
にする。 【解決手段】 フロントパネル３に横軸４１を介して取
り付けたカセットドア４に、係合片部５とその前部位の
ガイド部８とを設ける。デッキケース１側のレバー２の
作動部２２をストッパ７によって所定位置に位置決めす
る。フロントパネル３をデッキケース１の前端に近付け
た後に取り付けると、レバー２の作動部２２がガイド部
８に当たった後、係合片部５の前部位まで移動する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、情報記録再生装置、詳しくは、デッキケースの前端にフロントパネ ルが取り付けられ、そのフロントパネルのカセット出入れ用の開口を開閉するカ セットドアが、カセット排出機構のカセット排出動作に連動して開動されるよう になっている情報記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

デッキケースの前端にフロントパネルが取り付けられ、そのフロントパネルに 設けられたカセット出入れ用の開口がカセットドアによって開閉されるようにな っている磁気記録再生装置については、たとえば特開平４−３１８３８８号公報 に記載があり、この公報に記載されている磁気記録再生装置では、フロントパネ ルがデッキケースの前端に取り付けられるようになっている。

【０００３】 この種の磁気記録再生装置において、カセットドアを開動させるためのレバー とそのレバーが連動するカセット排出機構とがデッキケース内に配備されたもの では、フロントパネルをデッキケースに取り付けたときに、上記レバーの作動部 がフロントパネルのカセットドアに機構的に関連付けられている必要がある。

【０００４】 次に、レバーの作動部にフロントパネルのカセットドアを機構的に関連付けて いる従来の構成を説明する。

【０００５】 図７のように、デッキケース１の内部で水平支軸２１によって揺動可能に支持 されたレバー２をそのデッキケース１の前端の取付口部１２からその前方へ突出 させ、そのように取付口部１２から突出されたレバー２の先端に横向き突起でな る作動部２２を設けてある。一方、デッキケース１の前端に取り付けられたフロ ントパネル３にはカセット出入れ用の横長の開口３１が備わっており、その開口 ３１の上部の横方向両端部のそれぞれに設けられた軸受部３２に、横長矩形のカ セットドア４の上端部に設けられた横軸４１が回転自在に支持され、その横軸４ １を中心にしてカセットドア４が開閉揺動可能になっている。そして、横軸４１ にカセットドア４を閉じ方向に常時付勢するばね４２が保持されている。また、 カセットドア４の左右いずれかの端部にそのカセットドア４の縦方向に長い板片 状の係合片部５が設けられており、カセットドア４の閉時には、その係合片部５ の前部位に上記レバー２の作動部２２が配備されている。このときの作動部２２ の位置はデッキケース１側に設けられたストッパ７によって規制される。

【０００６】 このように構成された従来の磁気記録再生装置において、デッキケース１内に 配備されたカセット排出機構（不図示）が作動すると、そのカセット排出機構に よって図８の矢印Ａのように前進されるカムバー６のカム６１が、上記レバー２ の後端部に設けられている突起２３を下方に押してその作動部２２を水平支軸２ １を中心に矢印Ｂのように上向き揺動させる。このため、その作動部２２によっ て係合片部５が持ち上げられ、カセットドア４が横軸４１を中心にして開動され る。こうしてカセットドア４が開動された後、カセット排出機構によって開口３ １からカセットが排出される。

【０００７】 図７や図８で説明した従来の磁気記録再生装置においては、図７で判るように 、カセットドア４が閉じているときには、レバー２がストッパ７に当たってその レバー２の作動部２２が係合片部５の前部位に位置決めされている。このことか ら、フロントパネル３をデッキケース１の前端に取り付けるときには次の手順を 行う必要がある。

【０００８】 すなわち、フロントパネル３をデッキケース１の前端に近づけたときに、スト ッパ７で位置決めされている作動部２２が、閉じているカセットドア４側の係合 片部５に当たることのないように、図６のように手の指などで矢印Ｆの方向にカ セットドア４を持ち上げて係合片部５を上方へ逃がしておき、その状態でフロン トパネル３をデッキケース１の前端に同図の矢印Ｘのように近付けて取り付け、 その後にカセットドア４から手を離して図７のようにそのカセットドア５を閉じ るという手順を採る必要がある。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のようにフロントパネル３をデッキケース１の前端に取り 付けるときに、手の指などでカセットドア４を持ち上げて係合片部５を上方へ逃 がした状態でフロントパネル３をデッキケース１の前端に取り付けるという作業 は煩わしく作業性が悪い。

【００１０】 本考案は以上の状況のもとでなされたものであり、フロントパネルをデッキケ ースの前端に取り付ける作業を、カセットドアを閉じたままで行うことができる ようになる磁気記録再生装置などの情報記録再生装置を提供することを目的とす る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る情報記録再生装置は、デッキケースの前端に取り付けられるフロ ントパネルの開口に、カセットドアの上端部が横軸を介して開閉揺動可能に取り 付けられ、上記デッキケース内に配備されたカセット排出機構のカセット排出動 作に連動して上向き揺動されるレバーの作動部が、上記カセットドアが閉じてい るときにそのカセットドアに設けられた係合片部の前部位に配備されていて、そ のレバーの上記作動部の上向き揺動によって上記係合片部がその作動部により持 ち上げられて上記カセットドアが開動されるようになっており、上記カセットド アに、上記係合片部に前方から対向しかつ上記フロントパネルの取付け時にその フロントパネルを上記デッキケースの前端に近付けたときに上記レバーの作動部 が当たってその作動部を上記係合片部の前部位へ案内するガイド部が設けられて いる、というものである。

【００１２】 この考案によると、フロントパネルをデッキケースの前端に取り付けるのに際 し、そのフロントパネルをデッキケースの前端に近付けたときにレバーの作動部 がガイド部に当たった後、その作動部がガイド部によって係合片部の前部位へ案 内される。このため、フロントパネルの取付け時に、図６で説明したようにカセ ットドアを手の指などで矢印Ｆの方向に持ち上げて開いておく、といった操作が 不要になり、カセットドアを閉じた状態のままフロントパネルをデッキケースの 前端に取り付けることができるようになる。

【００１３】 本考案においては、上記係合片部が、上記カセットドアの縦方向に長い板片状 に形成されてそのカセットドアの横方向端部に設けられていると共に、上記作動 部の上向き揺動によって上記係合片部がカセットドアと共にその作動部により持 ち上げられたときに上記係合片部の後端側に位置する部分に、その作動部に当た ってこの係合片部からの上記作動部の離脱を阻止する係合部が設けられているこ とが望ましい。

【００１４】 このように構成されていると、カセット排出機構のカセット排出動作に連動し て上向き揺動されることにより上記係合片部を持ち上げたレバーの作動部が、何 らかの原因で係合片部から外れようとしたときに、その作動部に係合片部の後端 側部分に設けられている係合部が当たって係合片部からの作動部の離脱が阻止さ れる。そのため、レバーの動作が安定する。

【００１５】 本考案においては、上記フロントパネルの取付け時に、上記レバーの作動部を 、上記デッキケースの前端に上記フロントパネルが取り付けられていて上記カセ ットドアが閉じているときの上記係合片部の下方で上記ガイド部に対向する位置 に位置決めするストッパを備えることが望ましい。

【００１６】 この考案によると、フロントパネルをデッキケースの前端に取り付けるときに 、レバーの作動部にガイド部の位置を合わせながらフロントパネルをデッキケー スの前端に近付けるという煩わしい手順を採る必要がなく、ただ単にフロントパ ネルをデッキケースの正面からまっすぐにそのデッキケースの前端に近付けるだ けで済むという利便がある。

【００１７】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る情報記録再生装置のフロントパネル３の要部をその裏面側 から見た一部破断背面図、図２は係合片部５やガイド部８を有するカセットドア ４やレバー２の一部などを示す概略斜視図、図３はデッキケース１にフロントパ ネル３を取り付けるときの手順を説明的に示した縦断側面図、図４はガイド部８ の作用を説明的に示した縦断側面図、図５はカセット排出時のレバー２の動作を 説明的に示した縦断側面図である。

【００１８】 この情報記録再生装置において、図６〜図８で説明した従来例と異なっている のは、係合片部５の構成、カセットドア４にガイド部８が設けられている点、ス トッパ７によるレバー２の作動部２２の位置決め位置だけである。その他の事項 、たとえば、デッキケース１の前端にフロントパネル３が取り付けられるように なっている点、フロントパネル３のカセット出入れ用の開口３１がカセットドア ４によって開閉されるようになっている点、カセットドア４を開動させるための レバー２の作動部２２がデッキケース１内に配備されたカセット排出機構のカセ ット排出動作に連動して上向き揺動される点、フロントパネル３へのカセットド ア４の取付構造、レバー２の取付構造などは、従来例と同様である。したがって 、図６〜図８で説明した部分又はそれらに相応する部分には同一符号を付して詳 細な説明を省略する。

【００１９】 図２などに示したように、上記係合片部５はカセットドア４の縦方向に長い板 片状に形成されていて、そのカセットドア４の左右いずれかの端部の裏面側にそ のカセットドア４と一体に設けられている。また、この係合片部５は、図５のよ うにカセットドア４が横軸４１を中心に持ち上げられて開姿勢になったときにそ の後端側に位置する部分が下向き弧状に曲がった係合部５１として形成されてい る。

【００２０】 上記ガイド部８は、カセットドア４の係合片部５が設けられている側の端部の 表面側にそのカセットドア４と一体に設けられていて、係合片部５に前方から対 向している。また、図２のようにガイド部８は係合片部５の係合部５１よりもさ らに下方に延び出ている。図例のガイド部８のガイド面８１は縦方向中央部が凹 んだ形状になっているけれども、この点はガイド面８１を平坦に形成してもよい 。

【００２１】 図３〜図５に示したように、デッキケース１側に設けられているストッパ７は 、図６〜図８で説明した従来例のストッパ７の位置よりも少し下位に配備されて いる。そして、図３のように、このストッパ７にレバー２が当たって作動部２２ が位置決めされたときのその作動部２２の位置は、図６に示した従来例のレバー ２の作動部２２の位置決め位置よりも下位、具体的には、デッキケース１の前端 にフロントパネル３が取り付けられていてカセットドア４が閉じているとしたと きの、係合片部５の下方でガイド部８に対向する位置である。

【００２２】 以上のように構成された情報記録再生装置において、フロントパネル３をデッ キケース１の前端に取り付けるときには、図３のようにばね４２の力でカセット ドア４が閉じている状態のままフロントパネル３をデッキケース１の取付口部１ ２の前方にもたらす。このときには、レバー２の作動部２２がストッパ７によっ て、上記のように係合片部５の下方でガイド部８に対向する位置に位置決めされ ている。そのため、フロントパネル３をデッキケース１の取付口部１２の前方か ら図４の矢符Ｘのようにデッキケース１の前端に近付けていくと、その途中で同 図に仮想線で示したようにレバー２の作動部２２がガイド部８のガイド面８１に 当たった後、そのガイド面８１を滑って矢印ａのように上方に移動する。そして 、デッキケース１の前端にフロントパネル３が取り付けられたときには、同図に 実線で示したように、レバー２の作動部２２が係合片部５の前部位まで案内され てその位置に位置決めされる。

【００２３】 このような情報記録再生装置において、デッキケース１内に配備されたカセッ ト排出機構（不図示）が作動すると、そのカセット排出機構によって図５の矢印 Ａのように前進されるカムバー６のカム６１が、上記レバー２の後端部に設けら れている突起２３を下方に押してその作動部２２を水平支軸２１を中心に矢印Ｂ のように上向き揺動させる。このため、カセット排出機構のカセット排出動作に 連動して上向き揺動されたレバー２の作動部２２によって係合片部５が持ち上げ られ、カセットドア４が横軸４１を中心にして開動される。こうしてカセットド ア４が開動された後、カセット排出機構によって開口３１からカセットが排出さ れる。

【００２４】 上記した情報記録再生装置において、図５のようにレバー２の作動部２２が係 合片部５を持ち上げたときに、何らかの原因でその作動部２２が係合片部５から 離脱させるような状況が生まれたときには、係合部５１が作動部２２に係合して その作動部２２の離脱を阻止する。そのため、カセット排出後にレバー２が図４ の位置に復帰する動作やカセットドア４の閉動動作に支障を来すことがなく、そ れらの動作が安定して行われる。このような係合部５１の作用は、たとえば情報 記録再生装置を運搬したりするときなどに作動部２２が係合片部５から離脱しよ うとするような状況が生じたときにも発揮される。

【００２５】 本考案の情報記録再生装置の具体例としては、ビデオテープレコーダやオーデ ィオテープレコーダといった磁気記録再生装置のほか、光信号などを利用して情 報を記録したり再生したりする装置も含まれる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案によれば、フロントパネルをデッキケースの前端に取り付ける作業を、 カセットドアを閉じたままで行うことができるようになるので、デッキケースへ のフロントパネルの取付作業性が向上する。特に、請求項３に係る考案によると ただ単にフロントパネルをデッキケースの正面からまっすぐにそのデッキケース の前端に近付けるという手順を踏むだけで取付けが行われるので、フロントパネ ルをデッキケースの前端に近付けるときに、レバーの作動部をガイド部に位置合 わせする必要がなくなり、組立作業性が大幅に向上する。また、請求項２に係る 考案によれば、レバーの作動部がカセットドア側の係合片部から離脱するといっ た事態が未然に防止されるので、レバーの動作が安定するという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る情報記録再生装置のフロントパネ
ルの要部をその裏面側から見た一部破断背面図である。

【図２】カセットドアやレバーの一部などを示す概略斜
視図である。

【図３】デッキケースにフロントパネルを取り付けると
きの手順を説明的に示した縦断側面図である。

【図４】ガイド部の作用を説明的に示した縦断側面図で
ある。

【図５】カセット排出時のレバーの動作を説明的に示し
た縦断側面図である。

【図６】従来の磁気記録再生装置において、デッキケー
スにフロントパネルを取り付けるときの手順を説明的に
示した縦断側面図である。

【図７】従来の磁気記録再生装置において、カセットド
アが閉じている状態の縦断側面図である。

【図８】従来の磁気記録再生装置において、 カセット
排出時のレバーの動作を説明的に示した縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

１ デッキケース ２ レバー ３ フロントパネル ４ カセットドア ５ 係合片部 ７ ストッパ ８ ガイド部 ２２ 作動部 ３１ 開口 ４１ 横軸 ５１ 係合部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 デッキケースの前端に取り付けられるフ
   ロントパネルの開口に、カセットドアがその上端部に設
   けられた横軸を介して開閉揺動可能に取り付けられ、上
   記デッキケース内に配備されたカセット排出機構のカセ
   ット排出動作に連動して上向き揺動されるレバーの作動
   部が、上記カセットドアが閉じているときにそのカセッ
   トドアに設けられた係合片部の前部位に配備されてい
   て、そのレバーの上記作動部の上向き揺動によって上記
   係合片部がその作動部により持ち上げられて上記カセッ
   トドアが開動されるようになっており、 上記カセットドアに、上記係合片部に前方から対向しか
   つ上記フロントパネルの取付け時にそのフロントパネル
   を上記デッキケースの前端に近付けたときに上記レバー
   の作動部が当たってその作動部を上記係合片部の前部位
   へ案内するガイド部が設けられていることを特徴とする
   情報記録再生装置。
2. 【請求項２】 上記係合片部が、上記カセットドアの縦
   方向に長い板片状に形成されてそのカセットドアの横方
   向端部に設けられていると共に、上記作動部の上向き揺
   動によって上記係合片部がカセットドアと共にその作動
   部により持ち上げられたときに上記係合片部の後端側に
   位置する部分に、その作動部に当たってこの係合片部か
   らの上記作動部の離脱を阻止する係合部が設けられてい
   る請求項１に記載した情報記録再生装置。
3. 【請求項３】 上記フロントパネルの取付け時に、上記
   レバーの作動部を、上記デッキケースの前端に上記フロ
   ントパネルが取り付けられていて上記カセットドアが閉
   じているときの上記係合片部の下方で上記ガイド部に対
   向する位置に位置決めするストッパを備える請求項１又
   は請求項２に記載した情報記録再生装置。