JP3048453B2 - 外装材の取付け工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外装材の取付け工法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、建築構造物の壁部を軽量気泡
コンクリートパネルによって構成し、該軽量気泡コンク
リートパネルの外側に外装材を取り付ける外装材の取付
け工法が種々提案されている。

【０００３】図５および図６は、このような従来の外装
材の取付け工法の例を示すものである。

【０００４】図５における工法では、建築構造物の壁部
を構成する軽量気泡コンクリートパネル１にストレート
ボルト２を貫通させ、次いで、外装材３を支持する帯鋼
４に上記ストレートボルト２を締結することによって、
外装材３を軽量気泡コンクリートパネル１に固定するよ
うにしている。

【０００５】また、図６に示す工法では、軽量気泡コン
クリートパネル１にアンカーボルト５を打ち込んで、該
アンカーボルトに帯鋼４を固定するようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、軽量気泡コ
ンクリートパネル１は、一般的に、脆く、強度が低いも
のである。

【０００７】しかし、上記従来の外装材の取付け工法の
いずれにおいても、外装材３および帯鋼４の重量を軽量
気泡コンクリートパネル１によって直接支持するように
している。

【０００８】このため、軽量気泡コンクリートパネル１
のストレートボルト２またはアンカーボルト５を支える
部分が崩れて、該軽量気泡コンクリートパネルとストレ
ートボルト２またはアンカーボルト５との結合が次第に
弱くなり、外装材３の取付け上の安定性に問題があっ
た。

【０００９】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、外装材の取付け上の安定性が高い外装材の取付け工
法を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、軽量気泡コンクリートパネル内に埋設
したアンカープレートにその内側からパネル取付部材を
締結させて該軽量気泡コンクリートパネルを鉄骨に固定
した後、上記軽量気泡コンクリートパネルの外側に外装
材を取り付ける外装材の取付け工法において、上記パネ
ル取付部材としてパネル取付ボルトを用い、上記軽量気
泡コンクリートパネルの取付に際して、上記パネル取付
ボルトを上記アンカープレートに螺合させ、しかる後、
上記軽量気泡コンクリートパネルに外側から穴を掘削
し、該穴を通してスタッド部材の先端部を上記パネル取
付ボルトの先端部に螺合させ、さらに、上記スタッド部
材の後端部に上記外装材を固定するようにした構成とし
ている。

【００１１】

【実施例】以下、本発明に係る外装材の取付け工法の実
施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。

【００１２】図１〜図４は、本発明の一実施例を示すも
のである。本実施例の外装材の取付け工法では、建築構
造物の壁部を構成する軽量気泡コンクリートパネル１の
内部に埋設されたアンカープレート６と、該軽量気泡コ
ンクリートパネルを鉄骨７に固定するためにその内側か
らアンカープレート６の雌ネジ孔６ａに締結されたパネ
ル取付ボルト８と、先端部９ａに雌ネジ孔９ｂを有する
スタッド部材９とを利用している。

【００１３】アンカープレート６は、従来より、工場で
の生産段階から予め軽量気泡コンクリートパネル１の両
端内部に埋設されているものである。

【００１４】なお、アンカープレート６は、軽量気泡コ
ンクリートパネル１の内部上下部分の通常２箇所に埋設
されているが、もちろん数カ所に埋設することも可能で
ある。

【００１５】この場合、上下２箇所以外のアンカープレ
ート６は、後述するように、外装材３の取り付けのみの
役目をする。

【００１６】本実施例では、まず、アンカープレート６
に予め螺合された後述するパネル取付ボルト８の先端部
８ａに狙いを付けて、軽量気泡コンクリートパネル１に
その外側から穴１０を掘削する。

【００１７】次いで、穴１０を通してスタッド部材９を
その雌ネジ孔９ｂにパネル取付ボルト８の先端部８ａに
螺合させて、該スタッド部材を直接パネル取付ボルト８
に連結する。

【００１８】この後、雨水の侵入防止のシーリング材お
よび溶接部所における防錆処理のための補修材等から成
る充填材１１で穴１０を埋め、しかる後、スタッド部材
９の後端部９ｃに帯鋼４を、軽量気泡コンクリートパネ
ル１の外面に密着した状態で溶着する。

【００１９】さらに、帯鋼４の複数箇所に断面略クラン
ク形状の取付金具１２を溶着した後、該取付金具に外装
材３を例えばネジ等を用いて取り付ける。

【００２０】なお、外装材３としては、鋼板、一般的な
建築構造物の外壁面構成用ボード、乾式タイル、石板、
看板、樋および手摺等である。

【００２１】ここで、軽量気泡コンクリートパネル１の
上記建築構造物の鉄骨７への取り付けについて、簡単に
説明する。

【００２２】すなわち、鉄骨７の上面側端部には、予
め、定規アングル材１３が溶着固定されており、該定規
アングル材の外側面には、水平に突出する断面略Ｌ字形
状のウケプレート１４と、下方に延びる平板状のバック
プレート１５とが溶着固定されているとともに、定規ア
ングル材１３の上部内側面には、断面略クランク字形状
の取付部材１６が溶着固定されている。

【００２３】バックプレート１５と取付部材１６には、
軽量気泡コンクリートパネル１内のアンカープレート６
に設けた雌ネジ孔６ａに対応してボルト挿通孔１５ａ，
１６ａがそれぞれ設けられている。

【００２４】そして、取付部材１６とウケプレート１４
には、軽量気泡コンクリートパネル１の下部を当接さ
せ、バックプレート１５には、その下方に位置する別の
軽量気泡コンクリートパネル１の上部を当接させる。

【００２５】このまま、ボルト８，８をバックプレート
１５と取付部材１６のボルト挿通孔１５ａ，１６ａを介
してアンカープレート６，６の雌ネジ孔６ａ，６ａに締
結させることにより、軽量気泡コンクリートパネル１，
１は鉄骨７に固定される。

【００２６】なお、図１において、１７は鉄骨７によっ
て支えられる床材、１８は建築構造物の壁部と床材１７
との間の隙間を埋める一般的な充填材、１９はバックア
ップ材、２０はシーリング材である。

【００２７】本実施例では、外装材３および帯鋼４の重
量は、アンカープレート６によって支持されるととも
に、軽量気泡コンクリートパネル１を鉄骨７に固定する
ためのボルト８を介して鉄骨７によっても支持される。

【００２８】このため、軽量気泡コンクリートパネル１
が崩れることも無く、外装材３の支持が弱く、不安定に
なることも無い。

【００２９】なお、上記実施例では、スタッド部材９を
ボルト８に螺合させて互いに連結するようにしたが、本
発明はこれに限らず、スタッド部材９の先端部９ａをボ
ルト８の先端部８ａを覆う態様でアンカープレート６に
溶接するようにしても良い。

【００３０】また、上記実施例では、スタッド部材９を
ボルト８の付近に連結したが、本発明はこれに限らず、
スタッド部材９をアンカープレート６の任意の位置に連
結するようにしても良い。

【００３１】さらに、本発明では、外装材３は、帯鋼４
を介さずにスタッド部材９に直接取り付けても良い。

【００３２】さらにまた、本発明では、軽量気泡コンク
リートパネル１内の上下部分以外に埋設したアンカープ
レートがある場合、そのアンカープレートは必ずしもボ
ルト８を介して鉄骨７に固定されていなくとも良い。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る外装
材の取付け工法によれば、軽量気泡コンクリートパネル
内に埋設したアンカープレートにその内側からパネル取
付部材を締結させて該軽量気泡コンクリートパネルを鉄
骨に固定した後、上記軽量気泡コンクリートパネルの外
側に外装材を取り付ける外装材の取付け工法において、
上記パネル取付部材としてパネル取付ボルトを用い、上
記軽量気泡コンクリートパネルの取付に際して、上記パ
ネル取付ボルトを上記アンカープレートに螺合させ、し
かる後、上記軽量気泡コンクリートパネルに外側から穴
を掘削し、該穴を通してスタッド部材の先端部を上記パ
ネル取付ボルトの先端部に螺合させ、さらに、上記スタ
ッド部材の後端部に上記外装材を固定するようにした構
成としているので、次のような効果を得ることができ
る。すなわち、本発明では、上記パネル取付ボルトを上
記アンカープレートに直接螺合させるようにしたので、
上記パネル取付ボルトによって上記軽量気泡コンクリー
トパネルを上記鉄骨に確実に支持させることができると
ともに、上記軽量気泡コンクリートパネルの取付作業を
スムーズに行うことができる。しかも、上記パネル取付
ボルトとして大径の十分に強度の高いものを使用するこ
とができるとともに、上記アンカープレートとして十分
厚い強度の高いものを使用することもでき、上記軽量気
泡コンクリートパネルの支持強度を簡単により一層向上
させることができる。

【００３４】また、本発明では、上記スタッド部材を上
記パネル取付ボルトに直接螺合させるようにしたので、
上記スタッド部材の取付作業をスムーズに行うことがで
きる。同時に、上記スタッド部材は上記パネル取付ボル
トを介して上記鉄骨に直接的に固定されるので、上記ス
タッド部材による上記外装材の支持強度を十分に大きく
することができる。 さらに、本発明では、上記スタッド
部材を上記パネル取付ボルトと略直線的にに締結させる
ようにしているので、上記外装材から大きな力が上記ア
ンカープレートに加わったときでも、上記アンカープレ
ートにおいてねじりが生じることなく、その大きな力を
上記鉄骨に確実に受け止めさせることができ、さらに
は、上記外装材が看板等の比較的重量のあるものであっ
ても問題なく取付けることができ、その取付上の安定性
も極めて良い。

【００３５】さらにまた、上記軽量気泡コンクリートパ
ネルに埋設されたアンカープレートは、該パネルの取付
用として所定部所に位置されているものであるため、該
パネルの外側からの上記スタッド部材の取付位置を正確
かつ簡単に確認することができるので、施工性が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る外装材の取付け工法の一実施例を
示す断面図である。

【図２】本発明に係る外装材の取付け工法の一実施例の
スタッド部材を示す斜視図である。

【図３】本発明に係る外装材の取付け工法の一実施例を
示す正面図である。

【図４】本発明に係る外装材の取付け工法の一実施例の
要部を示す斜視図である。

【図５】従来の外装材の取付け工法の一例を示す断面図
である。

【図６】従来の外装材の取付け工法の他の例を示す断面
図である。

【符号の説明】

１ 軽量気泡コンクリートパネル ３ 外装材 ４ 帯鋼 ６ アンカープレート ７ 鉄骨 ８ パネル取付ボルト ９ スタッド部材 ９ａ 先端部 ９ｃ 後端部 １０ 穴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軽量気泡コンクリートパネル内に埋設し
   たアンカープレートにその内側からパネル取付部材を締
   結させて該軽量気泡コンクリートパネルを鉄骨に固定し
   た後、上記軽量気泡コンクリートパネルの外側に外装材
   を取り付ける外装材の取付け工法において、上記パネル
   取付部材としてパネル取付ボルトを用い、上記軽量気泡
   コンクリートパネルの取付に際して、上記パネル取付ボ
   ルトを上記アンカープレートに螺合させ、 しかる後、上
   記軽量気泡コンクリートパネルに外側から穴を掘削し、
   該穴を通してスタッド部材の先端部を上記パネル取付ボ
   ルトの先端部に螺合させ、 さらに、上記スタッド部材の
   後端部に上記外装材を固定するようにしたことを特徴と
   する外装材の取付け工法。