JP3047290B2 - コンクリ−ト打設用型枠 - Google Patents

コンクリ−ト打設用型枠

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JP3047290B2
JP3047290B2 JP10050104A JP5010498A JP3047290B2 JP 3047290 B2 JP3047290 B2 JP 3047290B2 JP 10050104 A JP10050104 A JP 10050104A JP 5010498 A JP5010498 A JP 5010498A JP 3047290 B2 JP3047290 B2 JP 3047290B2
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善規 石塚
信玄 長岡
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フリー工業株式会社
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリ−ト打設
用の埋め殺し型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜面等の地盤の安定を図る方法として、
従来から、コンクリートブロックをアンカーの定着端に
取り付けて斜面を押さえる方法が採用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】前記した従来の方法
にあっては、次のような問題点がある。 <イ>コンクリ−トブロックの外表面は平滑であるた
め、動物の移動が困難であり、また無味乾燥な平滑面で
あり、景観も良くない。
【0004】<ロ>コンクリ−トブロックの斜面を押さ
える支圧面(ブロック体底面)を増大すれば、斜面の安
定性がより向上するが、コンクリ−ト量も当然多くなり
不経済である。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記したような従来の問題を解
決するためになされたもので、コンクリ−トブロックの
表面に動物が移動しやすくデザイン的にも優れた凹凸を
形成できるコンクリ−ト打設用型枠を提供することを目
的とする。また、少ないコンクリ−ト量でコンクリ−ト
ブロックの支圧面を増大できるコンクリ−ト打設用型枠
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明は、コンクリートの打設用型枠にお
いて、型枠を形成する板体に、打設したコンクリートを
保持可能な複数の開口部を多段的に設け、型枠を法面に
設置した状態で開口部を構成する傾斜部は上方に向かっ
て次第に外側に傾斜して受け口状に形成したことを特徴
とする、コンクリート打設用型枠を提供する。
【0007】また、平板状型枠の上面側に放射状型枠を
一体に設け、両型枠の内部空間を連通して構成したこと
を特徴とする、コンクリ−ト打設用型枠を提供する。
【0008】
【本発明の実施の態様1】以下、図面を参照しながら本
発明の放射状型枠の構成について説明する。 <イ>型枠の外形 放射状型枠1は、側面と上面とよりなり、中心部より周
囲に向けて放射状に脚2を張り出した形状を有する。例
えば図1に示すような十文字の型枠であるが、それ以外
にも三本の脚2、五本、六本の脚2など複数の脚2を放
射状に張り出した形状を採用することができる。この脚
2は、中心部の断面が太く、先端に至るにしたがって徐
々に細くなるような形状に構成するとよい。
【0009】放射状型枠1の脚2の端面のうちの一部、
あるいはその他の位置に開口部を設ける。この開口部か
らコンクリートを流入させ、あるいはバイブレータを挿
入して振動を与えてコンクリートの均一化を図る。図3
に示すように、放射状型枠1の内部には、中心部より周
囲に向けて放射状に鉄筋3を配置する。この配筋を工場
で行っておけば、現場での作業はきわめて容易になる。
【0010】<ロ>開口部 放射状型枠1を形成する板体には、打設したコンクリ−
トを保持可能な開口部を複数設け、多孔性の板体を構成
する。図2に示すように、開口部11は、傾斜部11a
及び連結部11bで包囲されている。傾斜部11aは、
上方に向かって次第に外側に傾斜して形成されており、
連結部11bは、これらの隣接する傾斜部11a群を前
後にずらしてそれぞれ連結するものである。
【0011】そしてこのような傾斜部11a及び連結部
11bにより包囲される開口部11は、受け口状かつ多
段的に開口され、内部に打設されたコンクリ−トCが流
出しないよう構成されている。開口部11の作製方法
は、鋼板に同一方向の多数のスリットを入れて伸ばした
後、傾斜部11aをプレスして起こして作製することが
できる。
【0012】<ハ>コンクリ−ト流出防止部材 放射状型枠1の底部の縁周部には、コンクリ−ト流出防
止部材4を取り付ける。コンクリ−ト流出防止部材4と
しては、シート部材を袋状等に余裕を持たせて取り付け
る場合が考えられる。シ−ト部材としては、例えば地面
の不陸に追従し、コンクリートが流出せず、かつ水を排
出する程度の可撓性に富んだ織布、不織布のような材
料、あるいはモルタル成分がにじみ出る程度のネット状
の部材で構成することができる。
【0013】また、放射状型枠1の底部の縁周部に、地
面の不陸に追従し、コンクリートが流出せず、かつ水を
排出する程度の密度で植毛したブラシ部材を設ける場合
や、同じく上記条件を満たす十分な撓み性を有するゴム
等のスカ−ト部材を設ける場合などが考えられる。
【0014】<ニ>支持パイプ 放射状型枠1の中心部には上面から底部に向けて支持パ
イプ5を配置する。支持パイプ5は、放射状型枠1、鉄
筋3、あるいは図3に示すような放射状型枠1の隅部に
配置した補強用のアングル6などに溶接して位置を固定
する。
【0015】支持パイプ5は断面が等しい筒状体でもよ
いが、底部側に向けて断面を拡大した形状に形成すると
有効である。底部側に向けて断面を拡大したラッパ状に
形成しておくと、アンカー鋼線の角度が異なっている場
合にも容易に対応することができる。支持パイプ5の側
面には小径の窓などを開口しておくと、内部にコンクリ
ートを容易に導入することができる。
【0016】
【施工方法】次に上記の型枠を使用した斜面の安定化方
法について説明する。 <イ>アンカーの設置 図4に示すように、地盤には、公知の方法によってアン
カー7を打設する。アンカー7を構成するPC鋼線の端
は、アンカー7孔外に露出させておき、アンカー7孔の
口元にはガイドパイプ71を挿入して取り付ける。
【0017】<ロ>型枠の仮固定 口元から突出した状態のガイドパイプ71、その外径よ
りも内径の大きい支持パイプ5を挿入させて放射状型枠
1を仮固定する。こうしてガイドパイプ71への支持パ
イプ5の挿入のような作業を斜面で行う場合にも、放射
状型枠は多孔性の材料で構成してあるから、コンクリー
トブロックを扱う場合と比較してきわめて軽量であり安
全、簡単である。
【0018】さらに支持パイプ5が底部に向けて直径を
拡大した形状のものを採用すれば、アンカー7の設置角
度が地表面に対して直交していない場合でも容易に対応
することができる。こうしてアンカー7に放射状型枠1
をセットした後、アンカー7の尾端にジャッキを取り付
けて緊張を与える。すると緊張の反力によって放射状型
枠1を地山に押しつけて仮固定することができる。仮固
定する際の加圧強度は、次の工程で打設するコンクリー
トの重量によって、放射状型枠1が斜面に沿って移動す
るのを阻止できる程度でよい。
【0019】<ハ>コンクリートの投入 仮固定したら、放射状型枠1内にコンクリートを投入す
る。コンクリートの投入は、斜面において上部の脚2の
端面から行い、バイブレータを挿入して均一なコンクリ
ートを形成する。放射状型枠1の表面にはコンクリ−ト
を保持する開口部11が開設されているため、外部に漏
れ出すことがなく、図2に示すように表面に凹凸が形成
される。
【0020】<ニ>本定着 コンクリートが硬化したら、中央部を貫通した状態のア
ンカー7を本緊張する。こうしてアンカー7による地盤
補強が完成する。放射状型枠1の底部は、可撓性で透水
性のシート等のコンクリ−ト流出防止部材4が取り付け
あるから、コンクリートは地山の形状にぴったりと馴染
んで隙間が発生することがなく、かつモルタル分が染み
出すから地山に良好に付着する。
【0021】
【本発明の実施の形態2】上記の実施の形態1では中心
部より周囲に向けて放射状に脚2を張り出した形状の放
射状型枠1を使用した。しかし図5に示すような矩形の
型枠を使用することもできる。すなわち、平面形状がほ
ぼ正方形であって、かつ中心部の厚さを周辺よりも厚く
形成した形状の矩形型枠8を形成する方法である。
【0022】この矩形型枠8の場合も、上記実施の形態
1と同様に、開口部11、コンクリ−ト流出防止部材
4、支持パイプ5を有しており、施工の順序も同様であ
る。但し、矩形型枠8内へのコンクリートの投入は、矩
形型枠8の最も高い位置などに開口した開口部から行う
ことになる。
【0023】
【本発明の実施の形態3】図6に示す合成型枠9は、平
板状型枠91の上面に、中心部より周囲に向けて放射状
に張り出した脚92を一体に設けた型枠である。平板状
型枠91は、側面91aと上面91bとよりなり、その
上面に、上記<イ>に記載したものと同様な複数の脚9
2が設けられている。
【0024】平板状型枠91と脚92の内部空間は連通
してある。すなわち、脚92の底部には平板状型枠91
の上面91bは存在しない。また、図6に示すように、
平板状型枠91は平面を多角形に形成し、放射状型枠9
2は平板状型枠91の中心から各角部にかけて形成する
と強度状安定する。
【0025】この合成型枠9を形成する板体には、金
網、エキスパンドメタル、パンチメタルなどの多孔性の
ものを使用する。材料は鋼製のみならず、合成樹脂、木
製、硬質の紙製なども使用できる。
【0026】また、上記実施の形態1、2と同様に、開
口部11、コンクリ−ト流出防止部材4、支持パイプ5
を設けてもよい。
【0027】
【本発明の効果】本発明は以上説明したようになるから
次のような効果を得ることができる。 <イ>コンクリ−ト構造物の外表面に凹凸を形成するこ
とにより、動物の移動が容易になる。
【0028】<ロ>コンクリ−ト構造物の表面が無味乾
燥な平滑面でなく、凹凸模様が形成されるため、景観の
向上を図ることができる。
【0029】<ハ>平板状型枠と放射状型枠を一体に形
成した構造の場合、広い面積で地盤に圧力を伝達できる
と共に、コンクリ−ト量を低減できて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放射状型枠の説明図
【図2】 型枠に設けた開口部の説明図
【図3】 型枠を設置した状態の説明図
【図4】 アンカーを定着した状態の説明図
【図5】 本発明の矩形型枠の構造の説明図
【図6】 本発明の合成型枠の説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−133028(JP,A) 特開 平7−102572(JP,A) 特開 平4−216717(JP,A) 特開 平9−31975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/86 E02D 17/20 103 - 104

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートの打設用型枠において、 型枠を形成する板体に、 打設したコンクリートを保持可能な複数の開口部を多段
    的に設け、型枠を法面に設置した状態で開口部を構成する傾斜部は
    上方に向かって次第に外側に傾斜して受け口状に形成し
    たことを特徴とする、 コンクリート打設用型枠。
  2. 【請求項2】 側面及び上面よりなるコンクリートの打
    設用型枠において、前記型枠の上面を形成する板体に、 打設したコンクリートを保持可能な複数の開口部を多段
    的に設け、型枠を法面に設置した状態で開口部を構成する傾斜部は
    上方に向かって次第に外側に傾斜して受け口状に形成し
    たことを特徴とする、 コンクリート打設用型枠。
  3. 【請求項3】 平板状型枠の上面側に放射状型枠を一体
    に設け、 両型枠の内部空間を連通して構成したことを特徴とす
    る、 コンクリート打設用型枠。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のコンクリート打設用型
    枠において、平板状型枠は平面を多角形に形成し、放射
    状型枠は平板状型枠の中心から各角部にかけて形成する
    ことを特徴とする、コンクリート打設用型枠。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のコンクリート打
    設用型枠において、平板状型枠及び放射状型枠を形成す
    る板体に、打設したコンクリートを保持可能な複数の開
    口部を設けたことを特徴とする、 コンクリート打設用型枠。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至のいずれかに記載のコン
    クリート打設用型枠において、型枠の底部に、打設した
    コンクリートの流出防止部材を設けたことを特徴とす
    る、コンクリート打設用型枠。
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