JP3046026B1 - 蒸気タ―ビン仕切り及びその製造方法 - Google Patents

蒸気タ―ビン仕切り及びその製造方法

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JP3046026B1 JP11169922A JP16992299A JP3046026B1 JP 3046026 B1 JP3046026 B1 JP 3046026B1 JP 11169922 A JP11169922 A JP 11169922A JP 16992299 A JP16992299 A JP 16992299A JP 3046026 B1 JP3046026 B1 JP 3046026B1
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  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 内リングおよび外リングをスペーサリングと
ノズル片に一体接合した蒸気タービン仕切り及びその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 内スペーサリング3aと外スペーサリン
グ3bに複数個形成されたノズル片6の断面形状と同一
形状の貫通孔にノズル片6を挿入して内スペーサリング
3aの内側と外スペーサリング3bの外側に向けてノズ
ル片6の一部を突出させる。ノズル片6を介して接続さ
れた内スペーサリング3aと外スペーサリング3bをそ
れぞれ内側被鋳ぐるみ材、外側被鋳ぐるみ材とし、内側
被鋳ぐるみ材および外側被鋳ぐるみ材のそれぞれの表面
の一部に自溶性合金を配置した後、内側および外側の被
鋳ぐるみ材を、それぞれ内リング16の形状の鋳ぐるみ
材と外リング17の形状の鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことに
よって蒸気タービン仕切り18を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービン仕切り
及びその製造方法に関するものであり、特に本発明は鋳
込み形式に属する蒸気タービン仕切りの製造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】蒸気
タービン仕切りの製造法としては、溶接により構成部品
を組み立てる溶接形式と、構成部品の一部を溶融状態の
他の構成部品にて鋳ぐるむことにより一体化を図る鋳込
形式とに大別されるとともに、それぞれの形式において
も、種々の異なる製造方法が開発されており、その蒸気
タービン仕切りが組み込まれ、使用される条件、環境に
応て最適な製造方法が採用されている。
【0003】ところで、ノズル片の蒸気流路部の表面形
状は、蒸気タービンの性能に大きな影響を与えるので、
その表面形状は平滑なものが好ましい。
【0004】例えば、溶接形式で蒸気タービン仕切りを
製造する場合、特開平2−16304号公報には、図8
に示すように、ノズル片31の外端側を、(ノズル片の
断面形状に合わせて穿設された孔を有する)外スペーサ
リング32に嵌合し、外スペーサリング32に外リング
33を当接し、ノズル片31の内端側を、(ノズル板の
断面形状に合わせて穿設された孔を有する)内スペーサ
リング34に嵌合し、内スペーサリング34に内リング
35を当接し、ノズル片31の外端部36および外リン
グ33の内周側に形成された開先部37、38を溶接す
ることによりノズル片31と外スペーサリング32と外
リング33を接合し、同様に、ノズル片31の内端部3
9および内リング35の外周側に形成された開先部4
0、41を溶接することによりノズル片31と内スペー
サリング34と内リング35を接合する構造のものが開
示されている。
【0005】ところが、ノズル片31と外スペーサリン
グ32と内スペーサリング34へ伝達される溶接時の熱
影響によってノズル片31や外スペーサリング32や内
スペーサリング34等に変形が生じることがある。この
ような変形は、タービンの蒸気流路における流体の抵抗
となり、蒸気タービンの性能を低下させる。
【0006】また、鋳込形式で蒸気タービン仕切りを製
造する場合、ノズル片を鋳型の中に配し、内リングおよ
び外リングの形状に形成された鋳型の空間に溶解した金
属溶湯を流し込んでノズル片とスペーサリングを鋳ぐる
み固定する方法が一般的である。例えば、特開昭54−
38414号公報には、図9に示すように、ノズル片5
1をスペーサリング52、53にシール溶接し、溶接に
より一体に組み立てられたノズル片51とスペーサリン
グ52、53を鋳造砂型(図示せず)の中に配し、内リ
ング54と外リング55の形状に作られた砂型の空間に
溶解した鋳鋼または鋳鉄を流し込んでノズル片51とス
ペーサリング52、53で鋳ぐるんで固定する方法であ
る。さらに、ノズル片51およびスペーサリング52、
53と内リング54または外リング55との付着力を高
めるために、ノズル片51の端部には複数の開端溝孔状
のアンカーホール56が形成され、スペーサリング5
2、53の内リング54側と外リング55側には、複数
のアリ溝(台形状切欠き溝)57が形成されている。さ
らに、スペーサリング52、53と内リング54または
外リング55との間の隙間は、高圧蒸気側から低圧蒸気
側に蒸気を漏洩させ、蒸気流路部を流れる蒸気量を減少
させることにより蒸気タービンの性能を低下させるの
で、この蒸気の漏洩を防ぐために、内・外リングの両側
面または一方の側面には、スペーサリングと内・外リン
グとの隙間を埋めるためにシール溶接58を施さねばな
らない。
【0007】ところが、アンカーホール56やアリ溝5
7の設置は、その加工に多額の費用を要する。また、シ
ール溶接は、内・外リングが鋳鉄の場合、鋳鉄の溶接そ
のものが容易でなく、また、内・外リングが鋳鋼の場合
には、スペーサリングが溶接により歪みを発生し、蒸気
流路部形状を変形させ、蒸気タービン性能を低下させ
る。
【0008】さらに、特開昭54−38414号公報に
記載されたように、固体金属Aをそれと同材質または異
材質の溶融金属Bで鋳ぐるむ場合、両金属の接合面を通
して溶融金属側から固体金属側に熱が伝達されるため、
溶融金属Bの接合面は温度低下により固体層が形成され
やすくなる。この場合、溶融金属Bの熱容量が固体金属
Aの熱容量に比べて十分に大きい場合、固体層が形成さ
れることなく、あるいは、固体層が形成されても、瞬時
に溶融して固体金属Aを溶融金属Bで鋳ぐるむことは可
能である。しかし、固体金属Aが一定以上の容積を有す
る場合、両金属の接合面を通して溶融金属Bから固体金
属A側に向けて相当量の熱が移動するので、両金属の接
合面の温度は低下し、溶融金属Bと個体金属Aが融合一
体化して鋳ぐるみが完了するまでに、図10(a)に示
すように、溶融金属Bの接合面には固体層S0 が形成さ
れることがある。この固体層S0 の形成に伴って収縮が
生じるので、両金属の接合面61をミクロ的に見た場
合、図10(b)に示すように、微小な凹凸が形成され
るので、両金属を完全に密着接合することは困難にな
る。このように、固体金属を溶融金属で良好に鋳ぐるむ
ことは容易でない。さらに、鋳ぐるみ端部における良好
な金属接合を確保するのは一層困難である。というの
は、図11に示すように、直接外気にさらされることの
ない溶融金属Bの内側部分62では、大量の熱を保有す
る溶融金属Bから固体金属A側に連続的に熱が供給され
るので良好な接合が可能であるが、外気に触れることの
ない端部63付近の溶融金属Bの温度は低下しやすいの
で(図11において、色の濃い部分は溶湯の温度が低い
ことを示す)、固体層が形成されやすくなるからであ
る。
【0009】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、内リ
ングおよび外リングをスペーサリングとノズル片に一体
接合した蒸気タービン仕切り及びその製造方法を提供す
ることにある。また、本発明は、蒸気流路部に流体の抵
抗となる部分がなく、また、高圧蒸気側から低圧蒸気側
への蒸気漏洩による蒸気流路部の蒸気流量の減少がな
く、蒸気タービンの性能を低下させることのない蒸気タ
ービン仕切り及びその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明は、低コストの蒸気タービン仕切り及び
その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被鋳ぐるみ材であるノズル片およびスペー
サリングの表面の一部にろう材または自溶性合金を配置
した後、被鋳ぐるみ材を、内リングまたは外リングとな
る鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことにより、鋳ぐるみ材の熱で
溶融したろう材または自溶性合金が、被鋳ぐるみ材と鋳
ぐるみ材の間の接合部に隈無く浸透し、良好な金属接合
を達成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の要旨は、内ス
ペーサリングと外スペーサリングに複数個形成されたノ
ズル片断面形状と同一形状の貫通孔に該ノズル片を挿入
して内スペーサリングの内側と外スペーサリングの外側
に向けてノズル片の一部を突出させ、ノズル片を介して
接続された内スペーサリングと外スペーサリングをそれ
ぞれ内側被鋳ぐるみ材、外側被鋳ぐるみ材とし、内側被
鋳ぐるみ材と外側被鋳ぐるみ材をそれぞれ内リング形状
の鋳ぐるみ材と外リング形状の鋳ぐるみ材で鋳ぐるむこ
とによって蒸気タービン仕切りを製造する方法におい
て、内側被鋳ぐるみ材および外側被鋳ぐるみ材のそれぞ
れの表面の一部にろう材または自溶性合金を肉盛り溶接
した後、内側被鋳ぐるみ材および外側被鋳ぐるみ材を鋳
ぐるみ材で鋳ぐるむことを特徴とする蒸気タービン仕切
りの製造方法にある。
【0012】本発明によれば、ろう材または自溶性合金
が配置された内側被鋳ぐるみ材および外側被鋳ぐるみ材
の部分において、鋳ぐるみ材の熱で溶融した、ろう材ま
たは自溶性合金が被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材を接合し、
さらに、鋳ぐるみ材の熱で溶融した、ろう材または自溶
性合金が、ろう材または自溶性合金が配置されていなか
った被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材の間の接合部に隈無く浸
透し、かくして、溶融ろう材または溶融自溶性合金によ
り、鋳ぐるみ材(内リングおよび外リング)と被鋳ぐる
み材(内スペーサリングおよび外スペーサリング)を良
好に金属接合し、内リングおよび外リング内にノズル片
の一部を埋設した状態で内リングと外リングとスペーサ
リングを一体接合することができる。
【0013】ろう材または自溶性合金を被鋳ぐるみ材の
表面の一部に配置する方法としては、現場的に簡単に行
える方法として、例えば、ろう材または自溶性合金その
ものを被鋳ぐるみ材の表面に部分的に肉盛り溶接する方
法を採用することができる。また、箔状、棒状または線
状のろう材または自溶性合金をスポット溶接等の溶接手
段で被鋳ぐるみ材の表面の一部に固定する方法はより簡
単な仮固定手段であり、さらに好ましい。さらに、箔
状、棒状または線状のろう材または自溶性合金を、ねじ
止めまたはコーキング等の機械的固定手段により固定す
る方法も現場的で簡単な方法であり、好ましい。ろう材
または自溶性合金を被鋳ぐるみ材の表面の一部に配置す
る方法は、上記方法に限定されるものではなく、被鋳ぐ
るみ材を鋳ぐるみ材で鋳ぐるむまでに、ろう材または自
溶性合金を仮固定できる手段であれば、他の固定手段を
採用することも、もちろんできる。
【0014】自溶性合金は、フラックス、すなわち、融
剤としての機能を果たすものであり、例えば、Ni−S
i−B系自溶性合金を使用するのが好ましい。Niを主
成分として含有することで高強度を確保でき、Bは融点
低下元素として若干量必要であって、2.0重量%以上
含有することが好ましいが、多量に含有すると不要なホ
ウ化物の析出量が多くなり、機械的特性を劣化させるの
で、4重量%以下に抑えるのが好ましい。
【0015】上記したような本発明の方法を適用するこ
とによって、良好な金属接合の蒸気タービン仕切りを得
ることができる。すなわち、内スペーサリングと外スペ
ーサリングに複数個形成されたノズル片断面形状と同一
形状の貫通孔に該ノズル片を挿入して内スペーサリング
の内側と外スペーサリングの外側に向けてノズル片の一
部を突出させ、ノズル片を介して接続された内スペーサ
リングと外スペーサリングをそれぞれ内側被鋳ぐるみ
材、外側被鋳ぐるみ材とし、内側被鋳ぐるみ材および外
側被鋳ぐるみ材のそれぞれの表面の一部にろう材または
自溶性合金を肉盛り溶接した後、内側被鋳ぐるみ材と外
側被鋳ぐるみ材をそれぞれ内リング形状の鋳ぐるみ材と
外リング形状の鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことによってその
表面の一部に肉盛り溶接したろう材または自溶性合金を
溶融し、溶融したろう材または自溶性合金が内側被鋳ぐ
るみ材および外側被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材の間の接合
部に浸透し、浸透した溶融ろう材または溶融自溶性合金
により、鋳ぐるみ材(内リングおよび外リング)と被鋳
ぐるみ材(内スペーサリングおよび外スペーサリング)
を良好に金属接合し、内リングおよび外リング内にノズ
ル片の一部を埋設した状態で内リングと外リングとスペ
ーサリングを一体接合した蒸気タービン仕切りを得るこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しなが
ら、蒸気タービン仕切りの製造工程に従って順次説明す
る。 (1)スペーサリングおよびノズル片の形成 図1は、本発明の蒸気タービン仕切りの製造方法の一例
を示す工程図である。図1において、矩形板素材(一般
構造用圧延鋼材、SS400相当品)1a、1bを円形
に曲げて、それぞれ両端部2a、2bを溶接し(図1
(a)(b))、円形の内スペーサリング3aと外スペ
ーサリング3bを形成した。内スペーサリング3aと外
スペーサリング3bには、後記するノズル片の断面形状
と同一形状の貫通孔4が複数個穿設されている(図1
(c)、(d))。
【0017】また、角棒素材(耐熱鋼棒、SUS304
相当品)5を削り出してノズル片6を得た(図1
(e))。 (2)被鋳ぐるみ材の表面への自溶性合金の仮固定 そして、ノズル片6を内スペーサリング3aと外スペー
サリング3bの貫通孔4に挿入し、図1(f)に示すよ
うに、内スペーサリング3aの内側と外スペーサリング
3bの外側に向けてノズル片6の一部を突出させ、スポ
ット溶接Wにて仮固定した。
【0018】次に、内スペーサリング3aの曲面に沿っ
て曲げられた、以下の表1の組成(重量%)を有する丸
棒状のNi−Si−B系自溶性合金7aと7bを、図2
(a)に拡大して示すように、内スペーサリング3aの
内側面の高圧蒸気側側面8および低圧蒸気側側面9の近
傍に、それぞれリング状に1本、スポット溶接Wにて仮
固定し、同様に、外スペーサリング3bの曲面に沿って
曲げられた、同上組成の丸棒状のNi−Si−B系自溶
性合金7c、7dを、図2(b)に拡大して示すよう
に、外スペーサリング3bの外側面の高圧蒸気側側面8
および低圧蒸気側側面9の近傍に、それぞれリング状に
1本、スポット溶接Wにて仮固定した(図1(g))。
【0019】
【表1】
【0020】Ni−Si−B系自溶性合金7a〜7dは
必ずしも連続したリングである必要はなく、複数個の円
弧状に分割された丸棒状の自溶性合金を内または外スペ
ーサリング上に仮固定する構成のものでもよい。また、
Ni−Si−B系自溶性合金7a〜7dは、内または外
スペーサリングを削り込んだ表面上に仮固定することも
可能である。 (3)鋳造 次に、図3(a)に示すように、蒸気タービン仕切りの
蒸気流路部に相当する空間に砂込め10をしたものを鋳
造砂型に配置して、一般構造用鋳鋼(SC450鋳鋼品
相当の化学成分のもの)の溶湯を、注湯口11から湯道
12を経て、内リング形状のキャビティ13、外リング
形状のキャビティ14および押し湯15の部分に注湯し
た。 (4)鋳ぐるみ品 そして、湯道12および押し湯15の部分を除去して、
図4に示すように、ノズル片6を介して接続された内ス
ペーサリング3aと外スペーサリング3bをそれぞれ内
側被鋳ぐるみ材、外側被鋳ぐるみ材とし、内側被鋳ぐる
み材と外側被鋳ぐるみ材をそれぞれ内リング形状の鋳ぐ
るみ材と外リング形状の鋳ぐるみ材で鋳ぐるみ、内リン
グ16および外リング17内にノズル片6の一部を埋設
した状態で内リング16、外リング17およびスペーサ
リング3a、3bを一体に接合した、蒸気タービン仕切
り18を得ることができた。 (5)接合状況の確認(写真観察) さらに、被鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材の接合状況を確認す
るために、同上工程により蒸気タービン仕切りを製造
し、一枚のノズル片を含む内リングおよび外リングを部
分的に切断し、内・外リングとノズル片および内・外ス
ペーサリングとの接合状況を観察した。その写真を図5
(a)に示し、そのスケッチを図5(b)に示す。図5
(b)において、19は内リング、20は外リング、2
1はノズル片、22は内スペーサリング、23は外スペ
ーサリングである。図5に示すように、内スペーサリン
グ22と内リング19ならびに外スペーサリング23と
外リング20は良好に金属接合されており、内リング1
9と外リング20内に埋設されたノズル片21の一部と
内・外リングとの間には間隙はなく、本発明の方法で製
造された蒸気タービン仕切りは構成部材が密に接合一体
化されたものであることを確認できた。その結果、図7
に示すように、高圧蒸気側流路部29から低圧蒸気側側
面9あるいは低圧蒸気側流路部30への蒸気の漏洩を防
止し、さらに、高圧蒸気側側面8から低圧蒸気側側面9
あるいは低圧蒸気側流路部30への蒸気の漏洩を防止す
ることが可能になる。
【0021】以上のように本発明によれば、蒸気流路部
に流体の抵抗となる部分のない蒸気タービン仕切りを、
被鋳ぐるみ材の表面の一部にろう材または自溶性合金を
配置した後に鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことにより製造する
ことが可能であるという、低コストの蒸気タービン仕切
り及びその製造方法を提供できる。
【0022】また、比較のために、同上工程において、
Ni−Si−B系自溶性合金を内または外スペーサリン
グ上に配置せずに蒸気タービン仕切りを製造し、一枚の
ノズル片を含む内リングおよび外リングを部分的に切断
し、内・外リングとノズル片および内・外スペーサリン
グとの接合状況を観察した。その写真を図6(a)に示
し、そのスケッチを図6(b)に示す。図6(b)にお
いて、24は内リング、25は外リング、26はノズル
片、27は内スペーサリング、28は外スペーサリング
である。図6に示すように、内スペーサリング27と内
リング24、外スペーサリング28と外リング25、お
よびノズル片26と内リング24または外リング25と
の間には、それぞれ間隙が形成されており、良好に金属
接合されなかったことが分かった。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、以下のような効果を奏する。 (1)内リングおよび外リングをスペーサリングとノズ
ル片に一体接合した蒸気タービン仕切り及びその製造方
法を提供することができる。 (2)蒸気流路部に流体の抵抗となる部分がなく、ま
た、高圧蒸気側から低圧蒸気側への蒸気漏洩による蒸気
流路部の蒸気流量の減少がなく、蒸気タービンの性能を
低下させることのない蒸気タービン仕切り及びその製造
方法を提供することができる。 (3)低コストの蒸気タービン仕切り及びその製造方法
を提供することができる。 (4)高圧蒸気側流路部から低圧蒸気側側面あるいは低
圧蒸気側流路部への蒸気の漏洩を防止し、さらに、高圧
蒸気側側面から低圧蒸気側側面あるいは低圧蒸気側流路
部への蒸気の漏洩を防止しうる蒸気タービン仕切り及び
その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気タービン仕切りの製造方法の一例
を示す概略フロー図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図であり、図2
(a)は、内リングの一部を内側から見た正面図、図2
(b)は、外リングの一部を外側から見た正面図であ
る。
【図3】本発明の蒸気タービン仕切りの鋳造方法を示す
図であり、図3(a)は蒸気流路部に相当する部位に砂
込した状態を示す斜視図、図3(b)は鋳造砂型の断面
図である。
【図4】本発明の蒸気タービン仕切りの斜視図であり、
端面を示すために2分割されている。
【図5】図5(a)は本発明の方法によって製造した蒸
気タービン仕切りの一部の断面写真であり、図5(b)
は図5(a)の写真をスケッチした図である。
【図6】図6(a)は被鋳ぐるみ材の表面の一部にろう
材または自溶性合金を配置せずに被鋳ぐるみ材を鋳ぐる
み材で鋳ぐるむことによって製造した蒸気タービン仕切
りの一部の断面写真であり、図6(b)は図6(a)の
写真をスケッチした図である。
【図7】本発明の蒸気タービン仕切りの一部を模式的に
示す図である。
【図8】従来の蒸気タービン仕切りの一部を示す断面図
である。
【図9】従来の別の蒸気タービン仕切りの一部を示す断
面図である。
【図10】図10(a)は従来の方法により固体金属を
溶融金属で鋳ぐるむ状態を拡大して示す図であり、10
(b)は固体金属と固体金属との接合部を拡大して示す
図である。
【図11】従来の鋳ぐるみ方法による鋳ぐるみ端部を拡
大して示す図である。
【符号の説明】
3a、22、27…内スペーサリング 3b、23、28…外スペーサリング 4…貫通孔 6、21、26…ノズル片 7a、7b、7c、7d…Ni−Si−B系自溶性合金 8…高圧蒸気側側面 9…低圧蒸気側側面 11…注湯口 12…湯道 13、14…キャビティ 15…押し湯 18…蒸気タービン仕切り 16、19、24…内リング 17、20、25…外リング 29…高圧蒸気側流路部 30…低圧蒸気側流路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−38414(JP,A) 特開 昭63−183771(JP,A) 特開 昭57−36053(JP,A) 実開 昭63−196347(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内スペーサリングと外スペーサリングに
    複数個形成されたノズル片断面形状と同一形状の貫通孔
    に該ノズル片を挿入して内スペーサリングの内側と外ス
    ペーサリングの外側に向けてノズル片の一部を突出さ
    せ、ノズル片を介して接続された内スペーサリングと外
    スペーサリングをそれぞれ内側被鋳ぐるみ材、外側被鋳
    ぐるみ材とし、内側被鋳ぐるみ材と外側被鋳ぐるみ材を
    それぞれ内リング形状の鋳ぐるみ材と外リング形状の鋳
    ぐるみ材で鋳ぐるむことによって蒸気タービン仕切りを
    製造する方法において、内側被鋳ぐるみ材および外側被
    鋳ぐるみ材のそれぞれの表面の一部にろう材または自溶
    性合金を肉盛り溶接した後、内側被鋳ぐるみ材および外
    側被鋳ぐるみ材を鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことを特徴とす
    る蒸気タービン仕切りの製造方法。
  2. 【請求項2】 肉盛り溶接に代えて、箔状、棒状または
    線状のろう材または自溶性合金を機械的固定手段で固定
    することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン仕切
    りの製造方法。
  3. 【請求項3】 肉盛り溶接に代えて、箔状、棒状または
    線状のろう材または自溶性合金を溶接により固定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン仕切りの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 自溶性合金が、Ni−Si−B系合金で
    あることを特徴とする請求項1、2または3記載の蒸気
    タービン仕切りの製造方法。
  5. 【請求項5】 内スペーサリングと外スペーサリングに
    複数個形成されたノズル片断面形状と同一形状の貫通孔
    に該ノズル片を挿入して内スペーサリングの内側と外ス
    ペーサリングの外側に向けてノズル片の一部を突出さ
    せ、内スペーサリングの内側に内リングを有し、外スペ
    ーサリングの外側に外リングを有する蒸気タービン仕切
    りにおいて、ノズル片を介して接続された内スペーサリ
    ングと外スペーサリングをそれぞれ内側被鋳ぐるみ材、
    外側被鋳ぐるみ材とし、内側被鋳ぐるみ材および外側被
    鋳ぐるみ材のそれぞれの表面の一部にろう材または自溶
    性合金を肉盛り溶接した後、内側被鋳ぐるみ材と外側被
    鋳ぐるみ材をそれぞれ内リング形状の鋳ぐるみ材と外リ
    ング形状の鋳ぐるみ材で鋳ぐるむことによってろう材ま
    たは自溶性合金を溶融し、溶融したろう材または自溶性
    合金が内側被鋳ぐるみ材および外側被鋳ぐるみ材と鋳ぐ
    るみ材の間の接合部に浸透し、浸透した溶融ろう材また
    は溶融自溶性合金により内側被鋳ぐるみ材および外側被
    鋳ぐるみ材と鋳ぐるみ材を接合することにより得た蒸気
    タービン仕切り。
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