JP2999382B2 - 消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法 - Google Patents

消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法

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JP2999382B2 JP6291569A JP29156994A JP2999382B2 JP 2999382 B2 JP2999382 B2 JP 2999382B2 JP 6291569 A JP6291569 A JP 6291569A JP 29156994 A JP29156994 A JP 29156994A JP 2999382 B2 JP2999382 B2 JP 2999382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消失模型鋳造法を用い
た鋳ぐるみ法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車に使用されている吸気
マニホールドは、例えば本発明の説明図である図2に示
すように、曲げ加工等により成型した複数本のアルミニ
ウムパイプからなる吸気管1…の一端部が、アルミ合金
鋳造物からなるエンジン本体取付用のフランジ部2に接
続されると共に、他端部が、アルミ合金鋳造物からなる
スロットル取付用のフランジ部3に接続された構成とな
っている。
【0003】上記のような吸気マニホールドは、例えば
消失模型を用いた鋳造法を用いた鋳ぐるみ法によって得
られる。この方法では、得ようとするフランジ部と同一
形状の発泡スチロールからなる消失模型を吸気管である
アルミニウムパイプの両端部に固定して、鋳造容器内に
配置し、この鋳造容器内にアルミ合金の溶湯を流し込
み、この溶湯の熱量で消失模型を溶解しながら、消失模
型が溶湯に置換されるようになっている。
【0004】ところで、上記のような鋳造法によって、
アルミニウムパイプとアルミ合金鋳造物とを鋳ぐるむ場
合、アルミニウムパイプとアルミ合金鋳造物とを良好に
接続するには、予めアルミニウムパイプの鋳ぐるみ部の
酸化被膜(アルミナ)を除去し、メッキ処理を施す必要
がある。
【0005】このようなメッキ処理の方法として、例え
ば特開昭61−115658号公報の「鋳ぐるみ法」に
開示されているように、被鋳ぐるみ部材としてのアルミ
ニウムパイプの表面の鋳ぐるみ部に、超音波をかけなが
ら溶融アルミはんだのメッキ処理を施す方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
「鋳ぐるみ法」のように、アルミニウムパイプに溶融ア
ルミはんだのメッキ処理を施した場合、アルミニウムパ
イプとアルミ合金鋳造物との溶着を可能とするものの、
吸気マニホールドの様な軽量化を要求される部品におい
ては、鋳ぐるみ部を大きくすることができないため、上
記メッキを施しても鋳ぐるみ部において、気密性を保つ
ように完全に溶着させることが困難となっている。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みなされたも
のであって、その目的は、メッキ処理を施さず、被鋳ぐ
るみ部材と鋳ぐるみ部材との密着性を向上させるような
消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の消失模型鋳造
法を用いた鋳ぐるみ法は、溶湯により溶解可能な素材か
らなり、鋳ぐるみ部材と同一形状に成型された消失模型
を、その一部が被鋳ぐるみ部材と重なるように結合した
後、湯口系から溶湯を消失模型に流し込み、消失模型を
溶解して鋳ぐるみ部材を被鋳ぐるみ部材に鋳ぐるむ消失
模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法において、消失模型と被
鋳ぐるみ部材との結合前に、被鋳ぐるみ部材を、消失模
型と重なる部分の先端側が被鋳ぐるみ部材の他の部分よ
りも薄くなるように成形することを特徴としている。
【0009】請求項2の消失模型鋳造法を用いた鋳ぐる
み法は、請求項1記載の消失模型鋳造法を用いた鋳ぐる
み法において、湯口系に流し込まれた溶湯を、被鋳ぐる
み部材と消失模型との重なり部分に対向する位置近傍に
設けられたせきから消失模型に注湯することを特徴とし
ている。
【0010】
【作用】請求項1の製造方法によれば、消失模型と被鋳
ぐるみ部材との結合前に、被鋳ぐるみ部材を、消失模型
と重なる部分の先端側の厚みが被鋳ぐるみ部材の他の部
分よりも薄くなるように成形することで、溶湯を消失模
型に流し込んだ場合、溶湯の熱量で容易に被鋳ぐるみ部
材の肉厚の薄い部分の表面を均一に溶解することができ
る。
【0011】これにより、被鋳ぐるみ部材の結合部分を
薄肉に形成することで、被鋳ぐるみ部材の結合部分を容
易に溶解させることができ、この結果、被鋳ぐるみ部材
と鋳ぐるみ部材とを、被鋳ぐるみ部材の薄肉部分の溶解
により完全に溶着させることができるので、鋳ぐるみ部
材を溶着させるための、例えば被鋳ぐるみ部材の結合部
分におけるメッキ加工等の処理を施すことなく、被鋳ぐ
るみ部材と鋳ぐるみ部材との溶融一体性を向上させるこ
とができる。
【0012】したがって、被鋳ぐるみ部材と鋳ぐるみ部
材の鋳ぐるみにおける製造工程を少なくし、この結果、
製造に係る時間を短縮することができると共に、製造に
係る費用を低減することができる。
【0013】請求項2の構成によれば、請求項1の作用
に加えて、湯口系に流し込まれた溶湯を、被鋳ぐるみ部
材と消失模型との重なり部分に対向する位置近傍に設け
られたせきから消失模型に注湯することで、溶湯の温度
低下を少なくして被鋳ぐるみ部材に溶湯を接触させるこ
とができる。これにより、被鋳ぐるみ部材の表面をさら
に均一に溶解することができるので、被鋳ぐるみ部材と
鋳ぐるみ部材との密着を完全なものとすることができ
る。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図3に
基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、本実施例
では、消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法によって、被
鋳ぐるみ部材としてのアルミニウムパイプと、鋳ぐるみ
部材としてのアルミ合金鋳造物とからなる吸気マニホー
ルドの製造方法について説明する。
【0015】図2に示すように、本実施例に係る吸気マ
ニホールド6は、複数の吸気管1…と、吸気管1…の一
端部に接続されたエンジン本体取付用の第1フランジ部
2と、吸気管1…の他端部に接続されたスロットルボデ
ィー取付用の第2フランジ部3とで構成されている。
【0016】上記吸気管1…は、被鋳ぐるみ部材として
のアルミニウムパイプ(以下、アルミパイプと称する)
からなり、曲げ加工により所望する形状に成型されてい
る。また、上記第1フランジ部2および第2フランジ部
3は、アルミ合金からなる鋳造物(以下、アルミ合金鋳
造物と称する)からなり、鋳ぐるみ法によって上記吸気
管1…の両端部と接続部位4・5にて鋳ぐるまれてい
る。
【0017】ここで、上記吸気マニホールド6の製造方
法について、図1ないし図3を参照しながら以下に説明
する。
【0018】先ず、図3に示すように、予め発泡スチロ
ールにより、図2に示す第1フランジ部2および第2フ
ランジ部3と同一形状に形成された消失模型、即ち、第
1フランジ部2に対応する第1消失模型7、第2フラン
ジ部3に対応する第2消失模型8を、それぞれ予め所望
する形状に曲げ加工して成型された吸気管1…の両端側
にそれぞれ接続して、鋳造容器9内の所定位置に配置す
る。
【0019】このとき、上記吸気管1は、図1(a)に
示すように、第1消失模型7および第2消失模型8との
接続部位の、端部1aが所定範囲だけ吸気管1の他の部
分よりも薄く成形されている。
【0020】尚、本実施例では、吸気管1は、内径Aが
30mm〜60mm、厚みBが1.5mm〜2.0mm
とし、端部1aの厚みCが0.3mm、また、その長手
方向の幅Dが5.0mmとなるように形成されている。
これは、第1消失模型7および第2消失模型8がアルミ
合金の溶湯により置換されるときに、溶湯の熱量によ
り、吸気管1の端部1aの表面を均一に溶解させるため
に設定されたものである。したがって、吸気管1の内径
Aおよび厚みBが上記の範囲を越えれば、端部1aの厚
みCおよび長手方向の幅Dの値を、それに応じて変化さ
せれば良い。
【0021】尚、ここでは、上記吸気管1の端部1aの
厚みCを0.3mmとしているが、これに限定するもの
ではなく、アルミパイプの表面が溶解してアルミ合金鋳
造物と溶着し得る程度の厚みであれば良い。但し、上記
の厚みCの最大値は、0.6mmとする。
【0022】また、吸気管1の端部1aの長手方向の幅
Dを5.0mmとしているが、これに限定するものでは
ない。一般に、吸気マニホールド6の場合、気密性が重
要であるので、吸気管1と第1フランジ部2および第2
フランジ部3との結合部分は、接続部位4・5の全ての
部分を溶着する必要はなく、吸気管1の先端部の周囲が
均一に溶解して第1フランジ部2および第2フランジ部
3に溶着していれば気密性は保たれる。したがって、吸
気管1の端部1aの長手方向の幅Dは、吸気管1と各フ
ランジ部2・3との気密性を確保し得る幅であれば良
い。但し、幅Dの最小値は、1.5mmとする。
【0023】また、第1消失模型7および第2消失模型
8は、接続部位4・5近傍の厚みEを5〜10mmと
し、他の部分の厚みFを3〜5mmとして形成されてい
る。したがって、アルミ合金鋳造物の溶湯によって置換
されたとき、上記の寸法の第1フランジ部2および第2
フランジ部3を得ることができる。
【0024】また、鋳造容器9内には、図3に示すよう
に、第1消失模型7にアルミ合金鋳造物の溶湯(以下、
単に溶湯と称する)を流し込むための第1湯口系10、
第2消失模型8に溶湯を流し込むための第2湯口系14
が備えられている。上記第1湯口系10は、漏斗状の湯
口11と、この湯口11の下方に延設された湯道12
と、湯道12から第1消失模型7側に突出した複数のせ
き13…とで構成されており、第2湯口系14も同様
に、湯口15、湯道16、せき17…とで構成されてい
る。
【0025】また、鋳造容器9内に第1消失模型7およ
び第2消失模型8が接続された吸気管1…が配置された
場合、第1消失模型7と吸気管1との接続部位(鋳ぐる
み部)4…近傍に上記第1湯口系10のせき13…がそ
れぞれ配置され、また、第2消失模型8と吸気管1との
接続部位(鋳ぐるみ部)5…近傍に上記第2湯口系14
のせき17…がそれぞれ配置されるようになっている。
【0026】つまり、せき13…およびせき17…は、
図1(a)に示すように、吸気管1の端部1aにほぼ対
向する位置に配置されている。これにより、溶湯が吸気
管1の端部1aに到達する時間が短くてすむので、温度
低下の少ない溶湯を吸気管1の端部1aに当接すること
ができる。したがって、溶湯の熱量で吸気管1の端部1
aの表面を均一に溶解させることができる。
【0027】次に、鋳造容器9内に第1消失模型7およ
び第2消失模型8の接続された吸気管1…を所定位置に
配置した後、鋳造砂等の耐火部材を吸気管1、第1湯口
系10および第2湯口系14の周囲に充填する。
【0028】次いで、第1湯口系10および第2湯口系
14の湯口11および湯口15から溶湯を流し込む。湯
口11から流し込まれた溶湯は、湯道12を流れ、各せ
き13…から第1消失模型7側に注湯され、第1消失模
型7を溶解しながら第1消失模型7と同一形状となるよ
うに流し込まれる。また、湯口15から流し込まれた溶
湯は、湯道16を流れ、各せき17…から第2消失模型
8側に注湯され、第2消失模型8を溶解しながら第2消
失模型8と同一形状となるように流し込まれる。
【0029】このとき、流し込まれた溶湯によって、第
1消失模型7および第2消失模型8は、それぞれの消失
模型と同一形状の第1フランジ部2および第2フランジ
部3に置換される。
【0030】そして、溶湯を流し込んでから、所定時間
冷却した後、第1湯口系10および第2湯口系14を、
鋳造物、即ち第1フランジ部2および第2フランジ部3
からそれぞれ取り除き、図2に示す吸気マニホールド6
を得た。
【0031】ここで、鋳造終了後、第1湯口系10、第
2湯口系14を第1フランジ部2および第2フランジ部
3から取り除く方法について以下に説明する。
【0032】先ず、一般的な方法について、図4を参照
しながら説明する。この場合、第1湯口系54および第
2湯口系57は、それぞれの湯道55・58が吸気マニ
ホールド51の第1フランジ部52および第2フランジ
部53のフランジ面52a・53aに対向するように配
設されている。
【0033】つまり、第1湯口系54の湯道55に設け
られたせき56…は、第1フランジ部52のフランジ面
52aに対向するように、また、第2湯口系57の湯道
58に設けられたせき59…は、第2フランジ部53の
フランジ面53aに対向するように設けられている。こ
のように、せき56…およびせき59…がフランジ面5
2aおよびフランジ面53aのように平坦な面に対向し
て設けられているのは、鋳造後、第1湯口系54および
第2湯口系57を吸気マニホールド51からノコ盤等の
切断装置により切断し易くするためである。
【0034】ところが、本実施例では、図3に示すよう
に、せき13…およびせき17…の配設位置は、接続部
位4および接続部位5の近傍となっており、図4に示す
ように、一般的なせき56…およびせき59…が平坦面
に整然と配置されているのに対して、バラバラとなって
いる。このため、ノコ盤等の切断機器を使用することが
できない。
【0035】そこで、本願では、せき13・17と第1
フランジ部2および第2フランジ部3との接触部位にお
ける面積(以下、接触面積と称する)を小さくすること
で、鋳造後、ハンマー等により各第1湯口系10および
第2湯口系14に衝撃力を付与して、せき13およびせ
き17に相当する鋳造部位2a・3a(図1(b))と
第1フランジ部2および第2フランジ部3とを切断部X
から切り離して、吸気マニホールド6から第1湯口系1
0および第2湯口系14を取り除くようになっている。
【0036】ところで、一般に、アルミ合金鋳造物で
は、引け巣を防止し、押し湯効果をもたせるため、せき
を大きく形成することが望ましい。しかしながら、せき
が大きくなると、アルミ合金鋳造物からせきを取り除く
とき、アルミ合金鋳造物の肉厚部まで取れてしまう、所
謂身食い現象が生じる。
【0037】そこで、本願の発明者らは、せき1個当た
りの流れ方向に直交する方向の断面積が0.15cm2
〜0.8cm2 の範囲では、溶湯の流動性を低下させる
ことなく、十分に溶湯を流し込め、しかも、鋳造後、身
食い現象が生じることなく、せきを鋳造物から衝撃力に
より容易に切り離せることを見い出した。また、せき1
個当たりの流れ方向に直交する方向の断面積が0.15
cm2 〜0.8cmの範囲のように小さくても、消失
模型鋳造法を用いることで、十分に溶湯を消失模型内に
流し込むことができ、また、指向性凝固により、部分的
な肉厚部が存在しても引け欠陥が生じないことも見い出
した。
【0038】したがって、本願では、せき13およびせ
き17を、第1フランジ部2および第2フランジ部3と
の接触面積がそれぞれ0.8cm以下となるように
形成することで、鋳造後、第1湯口系10および第2湯
口系14に付与される衝撃力により簡単に第1フランジ
部2および第2フランジ部3から切り離すことができる
ようにした。
【0039】尚、上記せき13およびせき17と同様
に、第1湯口系10および第2湯口系14にはかせ(図
示しない)を設けた場合も、そのはかせ部分と第1フラ
ンジ部2および第2フランジ部3との接触面積がそれぞ
れ0.8cm2 以下となるように形成することで、鋳造
後、第1湯口系10および第2湯口系14に付与される
衝撃力により簡単に第1フランジ部2および第2フラン
ジ部3から切り離すことができる。
【0040】以上のように、本願の消失模型鋳造法を用
いた鋳ぐるみ法によれば、消失模型と被鋳ぐるみ部材と
の結合前、即ち第1消失模型7および第2消失模型8と
吸気管1との結合前に、被鋳ぐるみ部材としてのアルミ
パイプからなる吸気管1の端部1aが、所定の範囲で吸
気管1の他の部分よりも薄く成形されていることで、溶
湯を第1消失模型7および第2消失模型8に流し込んだ
場合、溶湯の熱量で容易に吸気管1…の端部1aの周囲
を均一に溶解することができる。
【0041】これにより、吸気管1と第1フランジ部2
および第2フランジ部3とを完全に溶着させることがで
き、この結果、吸気管1と第1フランジ部2および第2
フランジ部3との鋳ぐるみ部分、即ち接続部位4および
接続部位5での密着性を向上させることができる。
【0042】従って、吸気管1と第1フランジ部2およ
び第2フランジ部3との溶融一体性が向上し、これによ
り、吸気管1と第1フランジ部2および第2フランジ部
3とは、気密性が保持された状態で結合されることにな
る。
【0043】さらに、アルミニウムパイプのアルミ合金
鋳造物との鋳ぐるみ部分を薄く成形するだけで、アルミ
ニウムパイプの表面を溶湯の熱量で容易に溶解し、アル
ミ合金鋳造物と溶着させることができるので、アルミニ
ウムパイプの表面に溶融アルミはんだのメッキ処理等を
施す工程を必要としない。したがって、製造工程を少な
くし、製造に係る時間を短縮することができると共に、
製造に係る費用を低減することができる。
【0044】また、本願では、第1湯口系10および第
2湯口系14に流し込まれた溶湯を、図1(a)に示す
ように、吸気管1と第1消失模型7および第2消失模型
8との重なり部分に対向する位置近傍に設けられたせき
13およびせき17から第1消失模型7および第2消失
模型8に注湯するようになっているので、溶湯の温度低
下を少なくして吸気管1の端部1aに溶湯を接触させる
ことができる。
【0045】これにより、図4に示すように、せき56
…およびせき59を第1フランジ部52および第2フラ
ンジ部53のフランジ面52a・53a側に設けた場合
に比べて、温度低下の少ない溶湯を吸気管1の端部1a
の表面に接触させることができる。したがって、吸気管
1の端部1aの表面をさらに均一に溶解することができ
るので、被鋳ぐるみ部材と鋳ぐるみ部材との密着を完全
なものとすることができる。
【0046】また、一般に、吸気マニホールド6は、吸
気管1と第1フランジ部2および第2フランジ部3との
気密性を確保すれば良いので、吸気管1の端部1aを小
さくし、その周囲のみ第1フランジ部2および第2フラ
ンジ部3と溶着させるようにすれば、接続部位4・5の
部分を小さくすることができる。これにより、軽量化が
望まれる吸気マニホールド6において、アルミ合金鋳造
物からなる第1フランジ部2および第2フランジ部3を
出来るだけ小さなものとすることができるので、吸気マ
ニホールド6全体の重量を軽くすることができ、吸気マ
ニホールド6の軽量化を図ることができる。
【0047】尚、本実施例では、被鋳ぐるみ部材として
アルミニウムパイプからなる吸気管、鋳ぐるみ部材とし
てアルミ合金鋳造物からなるフランジ部を使用した吸気
マニホールドの製造方法について述べたが、これに限定
するものではなく、被鋳ぐるみ部材が鋳ぐるみ部材の溶
湯の熱量によって溶解し得る素材であれば良い。例え
ば、鉄およびその合金等を使用しても良い。
【0048】また、消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法
は、吸気マニホールドの製造方法に限定するものではな
く、金属と金属鋳造物とを鋳ぐるむことで一体化される
ものであれば良く、例えば排気マニホールドに適用して
も良い。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明の消失模型鋳造法を用い
た鋳ぐるみ法は、以上のように、溶湯により溶解可能な
素材からなり、鋳ぐるみ部材と同一形状に成型された消
失模型を、その一部が被鋳ぐるみ部材と重なるように結
合した後、湯口系から溶湯を消失模型に流し込み、消失
模型を溶解して鋳ぐるみ部材を被鋳ぐるみ部材に鋳ぐる
む消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法において、消失模
型と被鋳ぐるみ部材との結合前に、被鋳ぐるみ部材を、
消失模型と重なる部分の先端側が被鋳ぐるみ部材の他の
部分よりも薄くなるように成形する。
【0050】これにより、被鋳ぐるみ部材の結合部分を
薄肉に成形することで、被鋳ぐるみ部材の結合部分を溶
湯によって容易に溶解させることができ、この結果、被
鋳ぐるみ部材と鋳ぐるみ部材とを、被鋳ぐるみ部材の薄
肉部分の溶解により完全に溶着させることができるの
で、鋳ぐるみ部材を溶着させるための、例えば被鋳ぐる
み部材の結合部分におけるメッキ加工等の処理を施すこ
となく、被鋳ぐるみ部材と鋳ぐるみ部材との溶融一体性
を向上させることができる。
【0051】したがって、被鋳ぐるみ部材と鋳ぐるみ部
材の鋳ぐるみにおける製造工程を少なくし、この結果、
製造に係る時間を短縮することができると共に、製造に
係る費用を低減することができるという効果を奏する。
【0052】請求項2の発明の消失模型鋳造法を用いた
鋳ぐるみ法は、以上のように、湯口系に流し込まれた溶
湯を、被鋳ぐるみ部材と消失模型との重なり部分に対向
する位置近傍に設けられたせきから消失模型に注湯す
る。
【0053】これにより、請求項1の効果に加えて、溶
湯の温度低下を少なくして被鋳ぐるみ部材に溶湯を接触
させることができるので、被鋳ぐるみ部材の表面をさら
に均一に溶解することができ、被鋳ぐるみ部材と鋳ぐる
み部材との密着を完全なものとすることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の消失模型鋳造法を用いた鋳
ぐるみ法を示し、(a)は吸気管へのフランジ部の鋳造
前の状態を示す概略断面図であり、(b)は吸気管への
フランジ部の鋳造後の状態を示す概略断面図である。
【図2】図1に示す消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法
によって得られた吸気マニホールドを示す斜視図であ
る。
【図3】図2に示す吸気管に消失模型を接続したものを
鋳造容器の所定位置に配置した状態を示す断面図であ
る。
【図4】一般的な、吸気管に消失模型を接続したものを
鋳造容器の所定位置に配置した状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 吸気管(被鋳ぐるみ部材) 2 第1フランジ部(鋳ぐるみ部材) 3 第2フランジ部(鋳ぐるみ部材) 7 第1消失模型(消失模型) 8 第2消失模型(消失模型) 10 第1湯口系(湯口系) 13 せき 14 第2湯口系(湯口系) 17 せき
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 35/104 F02M 35/10 102N (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 19/00 B22C 7/02 102 B22C 9/04 B22D 19/04 F02M 35/104

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶湯により溶解可能な素材からなり、鋳ぐ
    るみ部材と同一形状に成型された消失模型を、その一部
    が被鋳ぐるみ部材と重なるように結合した後、湯口系か
    ら溶湯を消失模型に流し込み、消失模型を溶解して鋳ぐ
    るみ部材を被鋳ぐるみ部材に鋳ぐるむ消失模型鋳造法を
    用いた鋳ぐるみ法において、 消失模型と被鋳ぐるみ部材との結合前に、被鋳ぐるみ部
    材を、消失模型と重なる部分の先端側が被鋳ぐるみ部材
    の他の部分よりも薄くなるように成形することを特徴と
    する消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法。
  2. 【請求項2】上記湯口系に流し込まれた溶湯を、被鋳ぐ
    るみ部材と消失模型との重なり部分に対向する位置近傍
    に設けられたせきから消失模型に注湯することを特徴と
    する請求項1記載の消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ
    法。
JP6291569A 1994-11-25 1994-11-25 消失模型鋳造法を用いた鋳ぐるみ法 Expired - Fee Related JP2999382B2 (ja)

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