JP3045552U - 非常用簡易濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震の発生等により水道が遮断されたような
非常時に地下水、雨水、川の水、溜まり水等の水を濾過
して飲料水を得るための非常用簡易濾過装置を提供す
る。 【解決手段】 架台（１）上に有底筒状の容器（３）を
立設し、該容器の上端（ａ）には蓋（７）を開閉自在に
備えさせると共に該容器の下部には取水管（９）を取り
付け、該容器内には濾過材（１３）（１５）（１７）を
上下３層に配設したことを特徴とする非常用簡易濾過装
置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は非常用簡易濾過装置に関するものであり、特に地震の発生等により水 道が遮断されたような非常時に地下水、雨水、川の水、溜まり水等の水を濾過し て飲料水を得るための簡易な濾過装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

上述の如き非常用の簡易な濾過装置は、本出願人の知る限りにおいて、従来存 在しない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

地震の発生等により水道が遮断されたような非常時には、被災者にとって飲料 水をいかに確保するかが緊急の課題となる。地下水、雨水、川の水、溜まり水等 の水が入手可能であっても、このような水が汚れているときにはこれを濾過しな い限り飲料水としては使用できない。しかるに、非常用の簡易な濾過装置が存在 しないため、多くの被災者は飲料水を公的機関等の第三者による給水に頼らざる を得ないのが現状である。 このような状況に鑑み、本考案は地震の発生等により水道が遮断されたような 非常時に地下水、雨水、川の水、溜まり水等の水を濾過して飲料水を得るための 非常用簡易濾過装置を提供しようとしてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は下記の非常用簡易濾過装置を提供する。

【０００５】 （１）架台上に有底筒状の容器を立設し、該容器の上端には蓋を開閉自在に備え させると共に該容器の下部には取水管を取り付け、該容器内には濾過材を上下３ 層に配設したことを特徴とする非常用簡易濾過装置（請求項１）。

【０００６】 （２）架台上に有底筒状の容器を立設し、該容器の上端には蓋を開閉自在に備え させると共に該容器の下部には取水管を取り付け、該容器内には繊維をマット状 に形成してなる第一の濾過材を配設し、容器内における第一の濾過材の下方には けい砂を網袋内に収納してなる第二の濾過材を配設し、容器内における第二の濾 過材の下方には炭粒を網袋内に収納してなる第三の濾過材を配設したことを特徴 とする非常用簡易濾過装置（請求項２）。

【０００７】

【作用】

［請求項１の非常用簡易濾過装置］ 請求項１の非常用簡易濾過装置を使用する際には、架台上に立設した有底筒状 の容器の蓋を開き、地下水、雨水、川の水、溜まり水等の水を容器の上端より容 器内に注入すればよい。しかるときは、注入された水は容器内に上下３層に配設 された濾過材を１層ずつ徐々に通過する。水に混入していた異物は各層の濾過材 により除去される。３層の濾過材を通過した水は容器の下部に取り付けられた取 水管より容器外に流出する。取水管より容器外に流出したきれいな水をバケツ等 の適宜の水容器に受け、この水を好ましくは一旦沸騰させて殺菌した状態で飲料 水として使用する。

【０００８】 ［請求項２の非常用簡易濾過装置］ 請求項２の非常用簡易濾過装置における容器内には上側より第一の濾過材、第 二の濾過材、第三の濾過材の順で濾過材が配設されている。第一の濾過材は繊維 をマット状に形成してなるものであり、容器内に注入された水に混入している大 きな異物を除去する。第二の濾過材はけい砂を網袋内に収納してなるものであり 、第一の濾過材を通過した水に残存している小さな異物を除去すると共に水の臭 いを消去する。第三の濾過材は炭粒を網袋内に収納してなるものであり、第二の 濾過材を通過した水に残存している更に小さな異物を除去すると共に水の臭いを 更に消去する。

【０００９】

【考案の実施の形態】 次に、本考案の実施の形態を添付図面に従って説明する。 符号１に示すものは架台である。架台１は、一例として図１、図２に示すよう に、金属パイプを折曲形成してなるものとするが、架台１が図示のものに限定さ れないことはいうまでもない。架台１上には有底筒状の容器３を立設する。符号 ５は容器３の底部である。容器３は一例として合成樹脂により形成する。容器３ の上端３ａには蓋７を開閉自在に備えさせる。図１においては蓋７は容器３の上 端３ａに対して取り外し自在であるが、蓋７は容器３の上端３ａに枢着してもよ い。容器３の下部には取水管９を備えさせる。図１においては、取水管９は容器 ３の底部５より容器３の外部に導出されている。符号１１に示すものは取水管９ の開閉弁である。

【００１０】 容器３内には濾過材を上下３層に配設する。即ち、容器３内には上から第一の 濾過材１３と第二の濾過材１５と第三の濾過材１７とをこの順序で配設する。第 一の濾過材１３は繊維をマット状に形成してなる繊維マット１９である。図１、 図３に示す第一の濾過材１３は、ナイロン繊維等の化学繊維をマット状に形成し てなる繊維マット１９を２枚重ねてなるものである。容器３内における第一の濾 過材１３の下方に配設される第二の濾過材１５はけい砂２３を網袋２５内に収納 してなるものである。けい砂２３の粒径は一例として約２ｍｍ程度である。容器 ３内における第二の濾過材１５の下方に配設される第三の濾過材１７は炭粒２９ を網袋３１内に収納してなるものである。炭粒２９は一例として木炭とし、炭粒 ２９の粒径は一例として約７ｍｍ程度である。符号３３に示すものは第三の濾過 材１７を支持する網、多孔板等の支持体である。なお、符号３５に示すものはバ ケツ等の水容器である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は下記の如き優れた効果を発揮する。

【００１２】 本考案による非常用簡易濾過装置を使用すれば、地震の発生等により水道が遮 断されたような非常時に地下水、雨水、川の水、溜まり水等の水を濾過して飲料 水を容易に得ることができる。

【００１３】 本考案による非常用簡易濾過装置は構造が簡単であるため、安価に提供するこ とができる。

【００１４】 本考案による非常用簡易濾過装置は電気を必要としないため、地震の発生等に より電気の供給が停止した場合でも支障なく使用することができる。

【００１５】 本考案による非常用簡易濾過装置は動力装置を有しないため、常時故障なく使 用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による非常用簡易濾過装置の一例を示す
断面図である。

【図２】同上非常用簡易濾過装置の外観を示す斜視図で
ある。

【図３】第一の濾過材を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 架台 ３ 容器 ３ａ 上端 ５ 底部 ７ 蓋 ９ 取水管 １１ 開閉弁 １３ 第一の濾過材 １５ 第二の濾過材 １７ 第三の濾過材 １９ 繊維マット ２３ けい砂 ２５ 網袋 ２９ 炭粒 ３１ 網袋 ３３ 支持体 ３５ 水容器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 架台上に有底筒状の容器を立設し、該容
   器の上端には蓋を開閉自在に備えさせると共に該容器の
   下部には取水管を取り付け、該容器内には濾過材を上下
   ３層に配設したことを特徴とする非常用簡易濾過装置。
2. 【請求項２】 架台上に有底筒状の容器を立設し、該容
   器の上端には蓋を開閉自在に備えさせると共に該容器の
   下部には取水管を取り付け、該容器内には繊維をマット
   状に形成してなる第一の濾過材を配設し、容器内におけ
   る第一の濾過材の下方にはけい砂を網袋内に収納してな
   る第二の濾過材を配設し、容器内における第二の濾過材
   の下方には炭粒を網袋内に収納してなる第三の濾過材を
   配設したことを特徴とする非常用簡易濾過装置。