JPH0685083U - 濾過フィルター - Google Patents

濾過フィルター

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JPH0685083U
JPH0685083U JP2550193U JP2550193U JPH0685083U JP H0685083 U JPH0685083 U JP H0685083U JP 2550193 U JP2550193 U JP 2550193U JP 2550193 U JP2550193 U JP 2550193U JP H0685083 U JPH0685083 U JP H0685083U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案の濾過フィルターは、内周側と外周側
とを連通する通孔が多数形成されたパイプ材と、このパ
イプ材の外周に0.5〜10mmの厚さで装着されたJIS-P
-8117規定の密度が0.01〜0.1秒である紙材からな
る第1不織布層と、この第1不織布層の外周側に0.1
〜5mmの厚さで装着された、比表面積が500〜250
0m2/gの範囲内にありかつ目付けが20〜350g/m2
範囲内にある繊維状活性炭素不織布からなる繊維状活性
炭不織布層と、この活性炭含有不織布層の外周側に0.
5〜15mmの厚さで装着された、上記密度が0.01〜
0.1秒である紙材からなる第2不織布層と、この第2
不織布層の外周に、直径0.5〜3mmの糸体を10〜5
0mmの厚さに巻回した糸体層とからなる。 【効果】 本考案によれば、液体中の浮遊物だけでな
く、溶存成分も除去できしかも使用可能期間を長期化で
きる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】
本考案は、主として汚れた水を濾過して清浄な水を得るための簡易構造の濾過 フィルターに関する。
【0002】
【考案の技術的背景】
浴場、プール、工場などからの排水には、種々の大きさの浮遊物が存在し、こ の排水を再利用する場合、あるいは、これらを河川に放流する場合には、排水中 に含有される浮遊物を除去する必要がある。
【0003】 ところが、このような浮遊物は均一な大きさを有する訳ではなく、非常に微細 なものから相当大きなものまであり、しかも処理する水量が極めて多量であるこ とから、こうした浮遊物を除去するためには、大きさの異なる浮遊物を効率よく 除去できる濾過フィルターが必要になる。すなわち、浮遊物を完全に除去するだ けであれば、目開きの小さい濾過フィルターを配置すれば足りるが、目開きの小 さい濾過フィルターは、極めて短時間に目詰まりを起こし、濾過効率が短時間で 低下するため、頻繁に濾過フィルターを交換しなければならず、他方、目開きの 大きな濾過フィルターでは、微細な浮遊物を濾過することができない。
【0004】 浴場、プール、工場などからの排水は極めて多量であり、しかもこのような排 水には、種々の大きさの浮遊物が含有されているという特殊性から、こうした用 途に使用される濾過フィルターには、大きさの異なる浮遊物を効率的に除去でき ること、長期間目詰まりを起こすことなく上記のように大きさの異なる浮遊物を 含有する多量の排水を処理できることが必要になる。
【0005】 このように浮遊物を含有する多量の水を処理する濾過フィルターとして、内周 側と外周側とを連通する通孔が多数形成されたパイプ材の外周に糸体を所定間隔 で巻回した構造の濾過フィルターが知られている。
【0006】 このような糸体を巻回した濾過フィルターは、比較的大きな浮遊物は除去する ことが可能である。そして、この糸体の巻回間隔をパイプ材近傍では狭くし、外 周側では広く巻回すれば、大きな浮遊物は濾過フィルターの外周近傍で捕捉され 、パイプ材近傍では外周側で捕捉されなかった小さい浮遊物を捕捉することが可 能になる。
【0007】 しかしながら、このように糸体の間隔を調製して糸体を巻回するのは非常に難 しく、巻回工程を何段階かに分けて巻回する必要があり、その製造工程が極めて 煩雑になる。
【0008】 また、巻回する糸間隔を狭くするといっても限度があり、さらにその均一性に も限度があることから、このような糸体間隔を調製して濾過される浮遊物の大き さを調製する濾過フィルターでは、ミクロンオーダーの浮遊物を確実に捕捉する ことに関して確実性が低かった。
【0009】 このような状況下に、本考案者は、透孔を有するパイプ材の外周に特定の厚さ の不織布層を設け、さらにこの不織布層の上に特定の厚さで糸体を巻回した糸体 層を設けた濾過フィルターについて既に出願している(実開昭63-63874号)。
【0010】 この濾過フィルターは、特定の厚さの不織布層と糸体層とを組み合わせている ので、目詰まりが発生しにくく、長期間安定した濾過効率を維持できる。すなわ ち、本考案者の知見によれば、濾過フィルターの濾過効率の低下は、ある一定の 大きさの浮遊物が、その浮遊物を捕捉する濾材に部分的に多量に蓄積して、部分 的な目詰まりが発生することが主な原因であり、濾過フィルターを交換する際の 目安とされている濾過フィルターの濾過効率の低下は、大きさが一定のレンジに ある浮遊物が、濾材の一部分に集中することによりこの集中した部分の濾過効率 が低下することによって生ずる。
【0011】 従って、濾過対象の液体中に含有される浮遊物の大きさの分布を考慮して、浮 遊物がそれぞれの大きさに対応した濾過部材によって的確に捕捉されるように濾 過部材を配置すれば、濾過フィルター中で部分的に目詰まりが発生することを防 止でき、濾過フィルターの寿命が著しく長期化させることができるのである。
【0012】 このように本考案者が既に提案している濾過フィルターは著しく長い濾過寿命 を有しているが、このような濾過フィルターについてさらに検討したところ、濾 過対象の液体中の浮遊物の濾過効率は良好であるが、この濾過フィルターでは液 体中に溶存している成分を濾過することはできない。
【0013】 近年、水質の低下に伴って、上水道水には多量のサラシ粉等が投入され、味お よび臭気が悪化の一途をたどっている。また、プールにはさらに過剰のサラシ粉 などが添加されている。人体に対する影響を考慮すると、このようにして水に溶 存しているサラシ粉成分などの溶存成分は少ない方が好ましく、水を使用する際 にできるだけ除去することが望ましい。
【0014】 こうした液体溶存成分を除去するには、例えば活性炭のような多孔質吸着体に 吸着させて除去する方法などがあるが、活性炭は、その使用態様によっては、濾 過工程で活性炭の微粉末が液体中に流出する。このため活性炭を使用する場合に は、流出した活性炭を除去するフィルターを設ける必要があり、装置が複雑化す るという問題がある。さらに、この流出する活性炭の微粉末は、粒子径が非常に 小さいのでこの活性炭の微粉末を濾過するフィルター部分で目詰まりが発生し、 濾過フィルター全体の濾過効率が短時間で著しく低下するという問題もある。
【0015】
【考案の目的】
本考案は、長期間濾過効率が低下することなく、濾過対象の液体中に存在して いる浮遊物を濾過することは勿論、液体中に溶存している成分までも濾過するこ とができる濾過フィルターを提供することを目的としている。
【0016】
【考案の概要】
本考案の濾過フィルターは、 内周側と外周側とを連通する通孔が多数形成されたパイプ材と、 該パイプ材の外周に0.1〜20mmの厚さで装着された、JIS-P-8117に基づく 密度が0.01〜0.1秒である紙材からなる第1不織布層と、 該第1不織布層の外周側に0.1〜5mmの厚さで装着された、比表面積が50 0〜2500m2/gの範囲内にありかつ目付けが20〜350g/m2の範囲内にある 繊維状活性炭不織布からなる繊維状活性炭不織布層と、 該活性炭含有不織布層の外周側に0.5〜15mmの厚さで装着された、JIS-P-8 117に基づく密度が0.01〜0.1秒である紙材からなる第2不織布層と、 該第2不織布層の外周に、直径0.5〜3mmの糸体を10〜65mmの厚さに巻 回した糸体層とからなることを特徴としている。
【0017】 上記のように第1不織布層と第2不織布層との間に特定の繊維状活性炭不織布 層を介在させることにより、濾過対象の液体中に溶存している成分をもこの繊維 状活性炭不織布層で濾過することができる。そして、この繊維状活性炭不織布層 に到達する液体には実質的に浮遊物は含有されていないので、この繊維状活性炭 不織布層の濾過効率が浮遊物によって低下することがない。繊維状活性炭不織布 層を形成する繊維状活性炭不織布は強度が低いために、直接パイプ材上に装着す ると、濾過圧が高い場合には破損することがあるが、パイプ材と繊維状活性炭不 織布層との間に第1不織布層を介在させることにより、濾過圧が高い場合であっ ても繊維状活性炭不織布層が、この濾過圧によって破損することがなく、さらに この繊維状活性炭不織布層上に第2不織布層を装着することにより、繊維状活性 炭不織布層が第1および第2不織布層によって捲き締められるために、繊維状活 性炭不織布が解れて微細な繊維状活性炭が流出することも防止できる。
【0018】
【考案の具体的説明】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。 図1は本考案の一実施例に係る濾過フィルターの斜視図、図2は図1に示すA −A線に沿う断面図である。
【0019】 第1,2図に示すように、本考案の一実施例に係る濾過フィルター2は、最内 周側に中空円筒状のパイプ材4を有する。パイプ材4の一端には開口部6が形成 してあり、ここから濾過後の流体が流出するようになっている。この開口部には 、各種配管等が接続され、濾過後の流体を他の部位へ移送できるようになってい る。一方、パイプ材4の他端は、盲板等で閉塞してある。また、パイプ材4の周 面には、内周側と外周側とを連通する通孔8が多数形成してあり、後述する糸体 層10、第2不織布層12、繊維状活性炭不織布層13および第1不織布層11 を通過した後の流体がこの通孔8を通してパイプ材4内周側に流入するようにな っている。
【0020】 このようなパイプ材4の外周には、第1不織布層11が装着されている。この 第1不織布層11は、JIS-P-8117に基づく密度が0.01〜0.10秒の範囲にあ る紙材を装着した第1不織布層11が全周を被うように形成してある。この第1 不織布層11は、この層の外周側に装着される繊維状活性炭不織布層13を濾過 圧から保護し、また繊維状活性炭不織布層13からわずか解れて流出することも ある活性炭繊維を捕捉するための層である。即ち、この第1不織布層11には、 濾過対象の液体中に含有される浮遊物が到達することは実質的に有り得ずこの第 1不織布層11の厚さは繊維状活性炭不織布層13の強度を補強できる程度であ ればよい。従ってこの第1不織布層11の厚さは、0.1〜20mmの範囲内にあ り、さらにこの厚さが0.5〜20mm、殊に0.5〜15mmの範囲内にあることが 好ましく、さらに1〜10mmの範囲内にあることが特に好ましい。
【0021】 そして、この第1不織布層11を形成する紙材として、JIS-P-8117に基づく密 度が0.01〜0.10秒の範囲ある紙材を用いることによって、濾過効率を低下 させることなく繊維状活性炭不織布層13の強度を濾過圧に耐えられるように補 強することができると共に、繊維状活性炭不織布層13から繊維状活性炭の繊維 が流出したとしても、これを有効に濾過することができる。
【0022】 上記のような第1不織布層11の外周側には、繊維状活性炭不織布層13が装 着されている。この繊維状活性炭不織布は、多孔質の活性炭繊維を主な原料とし て不織布状にした繊維状の活性炭の賦形体である。この繊維状活性炭不織布は、 吸着効率が高いにも拘らず液体が通過する際の抵抗が少なく、さらに通常の活性 炭とは異なり、溶出する粉塵および繊維の量が極めて少ない。また、バインダー 、特に水に可溶なバインダーを殆ど含有していないので、所定の形状に賦形され ているにも拘らずこれ自体が水質を汚染することがないという特性を有している 。
【0023】 本考案で繊維状活性炭不織布層13を形成している繊維状活性炭不織布は、比 表面積が500〜2500m2/gの範囲内、好ましくは700〜2000m2/gの範 囲内、さらに好ましくは900〜1600m2/gの範囲内、かつ目付けが20〜3 50g/m2の範囲内、好ましくは40〜220g/m2の範囲内、さらに好ましくは8 0〜150g/m2の範囲内にある繊維状活性炭不織布である。上記のような比表面 積を有する繊維状活性炭を用いることにより、液体中に溶存している成分を効率 よく濾過することができる。また、上記のような範囲内の目付けを有する繊維状 活性炭不織布を用いることにより、溶存成分を効率よく濾過できるとともに、濾 過効率が低下しない。
【0024】 このような繊維状活性炭不織布自体は、通常0.05〜3.0mm、好ましくは0 .15〜2.5mm、さらに好ましくは0.30〜1.8mmの厚さを有している。 本考案ではこのような繊維状活性炭不織布を、0.1〜5mm、好ましくは0.3 〜3.3mmの厚さで装着して繊維状活性炭不織布層13を形成する。繊維状活性 炭不織布層13の厚さを上記のようにすることにより、濾過対象の液体に溶存し ている成分を有効に除去することができると共に、この繊維状活性炭不織布層1 3を設けることによる著しい濾過圧の上昇が見られない。
【0025】 この繊維状活性炭不織布層13の外周側に、上記繊維状活性炭不織布層13を 覆うように第2不織布層12を装着する。この第2不織布層12は、上記第1不 織布層11を形成する紙材と同等の特性を有する紙材で形成することが好ましい 。即ち、この第2不織布層12は、JIS-P-8117に基づく密度が0.01〜0.10 秒の範囲にある紙材で形成されている。
【0026】 この第2不織布層12は、後述する糸体層10で濾過されなかった微細な浮遊 物を濾過すると共に、上記繊維状活性炭不織布層13を捲き締めて繊維状活性炭 不織布の解れなどを防止するとの作用を有する。従って、この第2不織布層12 は、上記第1不織布層11よりも厚くすることが好ましく、この第2不織布層1 2の厚さは、0.5〜15mmの範囲内にある。そして、この第2不織布層の厚さ を1.0〜10mmにすることが好ましく、さらに1.5〜8mmにすることが特に好 ましい。
【0027】 そして、本考案では第2不織布層12の厚さを100としたときに、繊維状活 性炭不織布層13の厚さの比率を1〜40、好ましくは5〜30の範囲内に設定 し、かつ第1不織布層11の厚さの比率を5〜90、好ましくは10〜60の範 囲内に設定することにより高い濾過効率を長期間維持することができる。即ち、 上記のように第1不織布層11、繊維状活性炭不織布層13および第2不織布層 の厚さの比率を設定することにより、濾過対象の液体中の浮遊物のうち糸体10 を通過した浮遊物は殆ど全部が第2不織布層で濾過され、こうして浮遊物がほぼ 完全に除去された液体中に溶存する成分は繊維状活性炭不織布層13で除去され る。そして、上記のような厚さを有する第1不織布層11および第2不織布層1 2で繊維状活性炭不織布を捲き締めるように挟み込むことにより、不織布による 2段階の濾過材を濾過対象の液体が通過する為に要する濾過圧によっても、繊維 状活性炭不織布層13が破損することがなく、しかも濾過工程で繊維状活性炭不 織布がわずかに解れることによって生ずることもある浮遊フィラメントを確実に 第1不織布層で捕捉することができる。
【0028】 なお、第1不織布層、繊維状活性炭不織布層および第2不織布層の合計の厚さ は通常は通常は1〜30mm、好ましくは5〜25mmの範囲内にする。 本考案において上記第1および第2不織布層、繊維状活性炭不織布層の厚さに 関する記載は、これらの層の外周側に糸体層を形成して捲き締めたときの厚さを 意味するものとする。
【0029】 このような第2不織布層12の外周には、糸体層10が形成される。糸体層1 0は、糸体を上記第2不織布層12の外周に所定の厚さで巻回することにより形 成される。この糸体層10を形成する糸体は、直径が0.5〜3mm、好ましくは 1〜3mmの糸体である。本考案で使用される最も好ましい糸体の太さを糸の番手 で表すと、1/0.0〜1/1.0である。
【0030】 糸体層10は第2不織布層12の外周側に上記のような太さの糸体を10〜6 5mmの厚さ、好ましくは10〜50mm、特に好ましくは10〜30mmの厚さに巻 回することにより形成される。即ち少なくとも10mmの厚さに巻回することによ り、この糸体層10の濾過能力が用いる糸体の種類、素材等によって影響を受け にくくなる。即ち、この糸体層10における濾過能力が、糸体の巻回厚さによっ て変動し、糸体の種類、素材などを変えても殆ど変動しなくなる。従って、本考 案において、糸体層10を形成する糸体は、特殊な形態を有している必要はなく 、また、特殊な素材で形成されている必要はなく、通常使用されている塩化ビニ ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他の合成樹脂の合成繊維、もしくは綿 等の天然繊維等をそのまま用いることができる。
【0031】 なお、糸体層10の厚さが65mm(多くの場合50mm)を超えて糸体を巻回し ても、この糸体層10によって濾過される浮遊物の量などは、殆ど増加しないの で糸体層10の厚さの上限は65mmであり、さらに、通常使用する場合には30 mmで充分である。
【0032】 このような糸体は、第1不織布層10の外周に所定の糸間隔で巻回することが 好ましい。即ち、同一方向に巻回されておりかつ隣接する糸体の間隔(糸体中心 から隣接する糸体の中心までの距離)が、2〜8mmになるように巻回することが 好ましく、さらに、3〜7mmになるように巻回することが特に好ましい。このよ うな間隔で糸体を巻回することにより、5〜150μmの大きさの浮遊物を、こ の糸体層10の表面からの深さ方向に浮遊物の大きさが次第に小さくなるように 段階的に分布させながら濾過することができる。
【0033】 また、糸体は、全て同一方向に巻回する必要はなく、各層ごとに相異する方向 に巻回することが好ましい。このように方向を変えて巻回することにより、浮遊 物をより段階的に濾過することができるので、この糸体層10で目詰まりが生じ 難くなり、濾過フィルターを長期間使用することができる。このような巻回のた めの手段は、公知の手段が採用され得る。
【0034】 このような本実施例に係る濾過フィルター2は、たとえば開口部6に配管が接 続された状態で、汚れた水等が貯溜された槽内に入れられる。そして、配管に接 続されたポンプ等により、パイプ材4の内周側液体を吸引すれば、汚れた水が濾 過フィルター2の外周側から内周側へ移動し、糸体層10、第2不織布層12、 繊維状活性炭不織布層13、そして第1不織布層11を通過する際に、効率良く 濾過される。
【0035】 本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の範囲内で種々 に改変することができる。 例えば、図3に示すように、第1不織布層を形成する紙材11と、繊維状活性 炭不織布13と、第2不織布層を形成する紙材12とを積層して積層体14を予 め形成し、この積層体14を通孔8を有するパイプ材4の外周に数回、好ましく は2〜4回り程度巻回させて、パイプ材4の外周に積層体14からなる複合濾過 層14を形成する。この場合、帯状の積層体14をパイプ材4の外周に連続した 状態で数回巻回させてもよいし、まず第1周目の層を形成し、これとは別にこの 形成した第1層の外周に第2周目の層を形成してもよい。次いでこの複合濾過層 14の外周に上記と同様にして糸体層10を形成して本考案の濾過フィルターと することができる。
【0036】 このようにして積層体を巻回したときの第1不織布層の厚さは、パイプ材4と 接するように巻回された紙材の厚さに相当し、繊維状活性炭不織布層の厚さは巻 回された繊維状不織布の合計の厚さであり、第2不織布層の厚さは巻回された紙 材の合計の厚さからパイプ材と接して巻回されている紙材の厚さを減じた厚さで ある。
【0037】 このように積層体を巻回した本考案の濾過フィルターは、より濾過効率が向上 すると共に、繊維状活性炭不織布が水圧によって破損しにくいので、濾過フィル ターを有効に使用できる期間が延長される。
【0038】 さらに、繊維状活性炭不織布を巻回する際にこの不織布が損傷を受けにくくな る。即ち、この繊維状活性炭不織布は、バインダーを殆ど含有していないため、 比較的脆く、第1不織布層上に巻回する際に破損することがあるが、この実施例 に示すように、紙材の間にこの繊維状活性炭不織布を挟んでパイプ材の外周に巻 回することによりこの繊維状活性炭不織布が巻回の際に紙材で保護されて破損し にくくなる。従って、このようにすることにより本考案の濾過フィルターを製造 する作業効率が向上する。
【0039】 本考案の濾過フィルターは、濾過される液体は通常は水であるが、本考案の濾 過フィルターにおける濾過対象の液体は、水に限られるものではなく、このフィ ルターを形成する素材を侵食しない液体であれば特に限定されるものではない。
【0040】
【考案の効果】
本考案の濾過フィルターは、上記のように、パイプ材と所定厚さの糸体層との 間に、第1不織布層、繊維状活性炭不織布層および第2不織布層がこの順序で積 層された3層構造の濾過層を介装させている。そして、このような構成を採るこ とにより、液体中に分散している浮遊物は、まず糸体層で大きい順に順次段階的 に濾過され、この糸体層を通過した非常に微細な浮遊物だけが第2不織布層に到 達して、この第2不織布層で殆ど濾過される。他方、液体中に溶存している溶存 成分は、糸体層および第2不織布層は通過するが、繊維状活性炭不織布層で濾過 される。
【0041】 従って本考案の濾過フィルターによれば、濾過対象の液体中に分散している浮 遊物だけでなく、この液体中の溶存成分をも濾過することができる。 そして、本考案では溶存成分の濾過に、通常の活性炭のように粒状の活性炭を 使用しているのではなく、繊維状活性炭不織布を使用しているため、活性炭の粉 塵が出難く、また、この繊維状活性炭不織布が解れてわずかに発生することもあ るであろうフィラメントは、第1不織布層で完全に捕捉される。しかもこの繊維 状活性炭不織布は、強度が低く、直接パイプ材上に装着して使用したのでは濾過 圧でこの繊維状活性炭不織布が損傷を受け、短時間で溶存成分に対する濾過能力 が減失するが、パイプ材と繊維状活性炭不織布との間に第1不織布層を介装して いるので繊維状活性炭不織布の強度が補強され、濾過圧によってこの繊維状活性 炭不織布が損傷を受けることがない。また、この繊維状活性炭不織布の外周側に 第2不織布層を配してこの繊維状活性炭不織布を捲き締めるように保護している ので、長時間液体と接触することによってもこの繊維状活性炭不織布のフィラメ ントが分離するのを有効に防止することができる。
【0042】 さらに、本考案の濾過フィルターでは、それぞれの層の厚さおよびその特性を 特定することにより、糸体層を一般的に使用されている糸体を用いて形成するこ とができ、このように特殊な糸体を用いなくとも濾過フィルターの外側から深さ 方向に粒子径の大きな浮遊物から順次段階的に浮遊物が濾過されるため、濾過さ れた浮遊物が一箇所に集中することがなく、従って、本考案の濾過フィルターは 、濾材の局部的な濾過効率の低下に起因するフィルター全体の濾過効率の低下が 生じ難い。従って、本考案の濾過フィルターは長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施例に係る濾過フィルター
の斜視図である。
【図2】図2は図1に示すA−A線に沿う断面図であ
る。
【図3】図3は第1不織布層を形成する紙材、繊維状活
性炭不織布および第2不織布層を形成する紙材からなる
積層体がパイプ材の外周に巻回した態様を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
2・・・濾過フィルター 4・・・パイプ材 6・・・開口部 8・・・通孔 10・・・糸体層 11・・・第1不織布層 12・・・第2不織布層 13・・・繊維状活性炭不織布層 14・・・積層体(複合濾過層)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周側と外周側とを連通する通孔が多数
    形成されたパイプ材と、 該パイプ材の外周に0.1〜20mmの厚さで装着され
    た、JIS-P-8117に基づく密度が0.01〜0.1秒である
    紙材からなる第1不織布層と、 該第1不織布層の外周側に0.1〜5mmの厚さで装着さ
    れた、比表面積が500〜2500m2/gの範囲内にあり
    かつ目付けが20〜350g/m2の範囲内にある繊維状活
    性炭不織布からなる繊維状活性炭不織布層と、 該活性炭含有不織布層の外周側に0.5〜15mmの厚さ
    で装着された、JIS-P-8117に基づく密度が0.01〜0.
    1秒である紙材からなる第2不織布層と、 該第2不織布層の外周に、直径0.5〜3mmの糸体を1
    0〜65mmの厚さに巻回した糸体層とからなることを特
    徴とする濾過フィルター。
  2. 【請求項2】 第1不織布層を形成する紙材と、繊維状
    活性炭不織布と、第2不織布層を形成する紙材とが三層
    に積層してあり、この積層体をパイプ材の外周に巻回す
    ることを特徴とする請求項第1項記載の濾過フィルタ
    ー。
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